JP2003094626A - 画像形成方法および画像形成装置 - Google Patents

画像形成方法および画像形成装置

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JP2003094626A
JP2003094626A JP2001294547A JP2001294547A JP2003094626A JP 2003094626 A JP2003094626 A JP 2003094626A JP 2001294547 A JP2001294547 A JP 2001294547A JP 2001294547 A JP2001294547 A JP 2001294547A JP 2003094626 A JP2003094626 A JP 2003094626A
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JP2001294547A
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Shigeo Ogawa
恵雄 小川
Kunihiko Matsuhashi
邦彦 松橋
Yoshiki Minowa
嘉樹 美濃羽
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 偽造に供され難いメディアを簡単に作成する
ことができる画像形成方法および画像形成装置を提供す
ることを目的とする。 【解決手段】 表面側の透明層71の一部に偽造対象と
なるプレ画像75を形成したメディア本体AMを用い、
昇華性染料インクにより本画像77を印刷したインク受
像シートISを、本画像77がプレ画像75の少なくと
も一部に重なるようにメディア本体AMの表面に重ね、
この状態で加熱処理を行い、インク受像シートISに含
浸保持した昇華性染料インクをメディア本体AMに積層
方向に拡散させて本画像77を形成する画像形成方法で
あって、プレ画像75は、昇華性染料インクの積層方向
への拡散を抑制又は阻止する描画材料で形成されている
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カードなどのメデ
ィアに対し、印刷技術を用いて、特に偽造防止に有効な
画像を形成する画像形成方法および画像形成装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、偽造の防止を必要とする、ICチ
ップや磁気ストライプを作り込んだカードに代表される
メディアは、オフセット方式による画像の印刷後、偽造
し難いものとするべく、その一部に特殊な光学変調機能
を有するホログラムフィルムを熱圧着されている。この
場合、メディアは複数層の積層形態から成り、印刷画像
はそのうちの1つの層の表面に形成されている。一方、
近年の偽造の趨勢として、全く同一のメディアを一から
偽造するにはコスト高となることから、世に流通する既
成(真正)のメディアを盗み、その上で、印刷画像(例
えば、個人識別画像)のみを消去して偽画像を新たに印
刷し、そのメディアをそのまま利用することが行われて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような偽造の趨勢
を鑑みると、メディアの偽造防止を考慮した作成にあた
っては、既成のメディアの偽造に対し、どれだけ手間や
コストをかけさせるか、という観点からの偽造困難性が
要求される。しかしながら、従来の偽造防止が為された
メディアでは、印刷画像がオフセット方式で且つ一の層
表面に形成されているため、印刷画像を溶剤を使用する
ことで簡単に且つ巧妙に消去することができる問題があ
る。このため、印刷画像以外の部分を如何に偽造し難い
ものに駆使しても、印刷画像が簡単に消去・改ざんされ
てしまい、メディアが簡単且つ低コストで偽造に供され
てしまっている問題がある。もっとも、印刷画像の深さ
や様態を複雑にするべく、メディアにおける印刷用の受
像層を2層とし、第1層に第1画像の印刷を行った後、
透明な第2層をこれに接着し、この第2層に第2画像の
印刷を行い、複数の画像の合成したものがメディアの表
面から見て正式な印刷画像となるようにすることが想定
される。ところがこの場合では、印刷後の複数の受像層
を積層接着するときに、画像相互の位置合わせや、メデ
ィア端面の位置合わせなどが極めて煩雑であり、メディ
アの作成自体に手間とコストがかかるおそれがある。
【0004】本発明は、偽造に供され難いメディアを簡
単に作成することができる画像形成方法および画像形成
装置を提供することをその目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の画像形成方法・
装置は、表面側の一部に偽造対象となるプレ画像を形成
したメディア本体を用い、昇華性染料インクにより本画
像を印刷したインク受像シートを、本画像がプレ画像の
少なくとも一部に重なるようにメディア本体の表面に重
ね、この状態で加熱処理を行い、インク受像シートに含
浸保持した昇華性染料インクをメディア本体に積層方向
に拡散させて本画像を形成する画像形成方法・装置であ
って、プレ画像は、昇華性染料インクの積層方向の拡散
を抑制又は阻止する描画材料で形成されていることを特
徴とする。
【0006】この構成によれば、インク受像シートを表
面に重ねたメディア本体を加熱処理すると、昇華性染料
インクから成る本画像がインク受像シートからメディア
本体へと積層方向に分子レベルで拡散・移行し、ここで
発色・定着してメディア本体の表面側に本画像が転写形
成される。この場合、プレ画像に重複する本画像の部分
にあっては、昇華性染料インクがプレ画像内を(その微
小な隙間から)透過して深く拡散してゆくが、この本画
像の移行にあたり、昇華性染料インクの拡散がプレ画像
内で抑制又は阻止される。このため、転写後の本画像
は、プレ画像に重複した領域(重複領域)とプレ画像に
対し独立した領域(独立領域)とで、インクの拡散度合
いがそれぞれ異なる態様で、メディア本体に形成される
こととなる。すなわち、表面側からの視認に影響を与え
ることなく、メディア本体内での本画像とプレ画像との
相互の深さ位置を異ならせるのはもとより、プレ画像廻
りにおいて本画像の深浅、すなわち拡散し定着したイン
クの密度(濃度)に差異を設けることができる。ところ
で、偽造対象であるプレ画像は、削ぎ取ること或いは剥
ぎ取ることにより又は溶剤使用により消去され、新たな
偽の画像へと改ざんされるものであるが、この画像形成
方法・装置によれば、プレ画像を消去した状態のメディ
ア本体において、プレ画像自体は完全に消去されるもの
の、本画像の重複領域にプレ画像に関する跡形(情報)
を残すことができる。すなわち、プレ画像のみを単純に
消去すると、本画像の重複領域と独立領域とでインクの
濃度が異なるため、本画像の重複領域が独立領域に対し
抜き文字のように浮き上がって見え、結果、メディア本
体にプレ画像の少なくとも一部を残影させることができ
る。したがって、この状態からプレ画像に代わる偽画像
を再印刷すると、残影部の全てが偽画像と重ならない限
り、この残影部が不自然に残り(印刷不良)、その真偽
を一見で判別可能となる。しかして、偽造者にあって
は、プレ画像に代わる偽画像に加え、本画像のかかる残
影部を埋めるように再印刷するか、或いは残影部を含め
て本画像を完全消去する必要が生じ、いずれにせよ高度
な技術と手間がかかるものとなり、偽造をあきらめさせ
ることができる。なお、メディア本体は、画像転写後の
インク受像シートを分離させることで、偽造防止に有効
なメディアとして使用される。
【0007】この場合、プレ画像は、メディア本体に熱
圧着されたホログラムフィルムで構成されていること
が、好ましい。
【0008】この構成によれば、高度な製造技術を必要
とするホログラムフィルムが作り込まれたメディア本体
であるため、それ自体で偽造防止に有用となると共に、
ホログラムフィルムを含めての偽造・変造を好適に防止
することができる。
【0009】同様に、プレ画像は、メディア本体に予め
印刷された印刷画像であることが、好ましい。
【0010】この構成によれば、メディア本体に対し、
印刷により形成しようとする画像を二つに分けることが
できるため、データ上における取扱い性を向上し得る。
なお、印刷画像の印刷方法としては、スクリーン印刷、
フレキソ印刷、およびオフセット印刷など各種の方法を
とることができる。また、印刷画像が昇華性染料インク
の拡散を有効に抑制等するべく、そのインクの色材とし
ては顔料を用いることが好ましく、顔料濃度が高いほ
ど、またプレ画像の膜厚が厚いほど、その抑制効果を大
きくさせることができる。
【0011】この場合、印刷画像は、速乾性のインクを
用いて印刷されていることが、好ましい。
【0012】この構成によれば、プレ画像の印刷画像が
速乾性のインクを用いて印刷されるため、プレ画像を有
する大量のメディア本体を迅速に用意することができ
る。このため、メディア本体の作成に要する処理時間を
全体として短縮することができる。なお、速乾性のイン
クとしては、紫外線硬化形インク(UV系インク)を用
いることが好ましい。
【0013】これらの場合、本画像は、インクジェット
方式により印刷されていることが、好ましい。
【0014】この構成によれば、鮮明な本画像を簡単且
つ迅速にメディア本体に形成することができる。また、
サーマル方式に比べ、インク受像シートにおける昇華性
染料インクの含浸保持を円滑且つ確実に行うことができ
ると共に、メディア本体の深い位置に拡散・浸透させる
ことができる。
【0015】これらの場合、メディア本体は、インク定
着可能な複数の定着層を積層して成り、プレ画像は、任
意の1つの定着層の表面に形成され、本画像は、任意の
1つの定着層の表面から3μm以上の深さ位置に定着さ
れることが、好ましい。
【0016】この構成によれば、メディア本体に対し本
画像を相対的に、偽造防止に有効となる深い位置に定着
させることができる。なお、本画像は、定着層の表面か
ら15〜30μmの範囲の深さ位置に定着されることが
より好ましい。
【0017】これらの場合、インク受像シートは、メデ
ィア本体に貼着されて一体に構成されており、定着工程
に先立ち、インク受像シートに本画像の印刷を行う印刷
工程を備え、印刷工程において、本画像がプレ画像の少
なくとも一部に重なるように印刷を行うこと、或いはイ
ンク受像シートは、メディア本体に貼着されて一体に構
成されており、インク受像シートに本画像を、プレ画像
の少なくとも一部に重なるように印刷する印刷手段を備
えたことが、好ましい。
【0018】この構成によれば、インク受像シートがメ
ディア本体に貼着されているため、この状態で、メディ
ア本体を印刷に臨ませることができる。これにより、イ
ンク受像シートとメディア本体との位置合わせを含めた
相互の取扱い性を良好にして、印刷および続く加熱処理
に適切に臨ませることができる。なお、上記の加熱処理
(を行う定着工程或いは定着手段)は、加熱源を遠赤外
線とする非接触式加熱であることが好ましい。
【0019】この場合、インク受像シートは、加熱する
ことにより易剥離性を発揮する材料で構成されているこ
とが、好ましい。
【0020】この構成によれば、本画像転写後において
インク受像シートは、メディア本体から簡単に剥がれ得
る状態となる。これにより、メディア本体からインク受
像シートを極めて容易に分離することができるようにな
ると共に、加熱処理前には簡単に分離することが無く、
取扱い性が悪化することがない。
【0021】また同様に、メディア本体とインク受像シ
ートとは、別体に構成されており、定着工程に先立ち、
インク受像シートに本画像の印刷を行う印刷工程と、印
刷後のインク受像シートをメディア本体に重ね合わせる
重合工程とを備え、重合工程において、本画像がプレ画
像の少なくとも一部に重なるように重ね合わせること、
或いはメディア本体とインク受像シートとは、別体に構
成されており、インク受像シートに本画像を印刷する印
刷手段と、印刷後のインク受像シートを、本画像がプレ
画像の少なくとも一部に重なるようにメディア本体に重
ね合わせる重合手段とを備えたことが、好ましい。
【0022】この構成によれば、別体の画像印刷後のイ
ンク受像シートが、重合工程・手段で、プレ画像との位
置決めを含めメディア本体に適切に重ねられて、続く定
着工程・手段による加熱処理に臨むこととなる。これに
より、インク受像シートとメディア本体とを個別に管理
しておくことができ、例えば、一方の経年劣化に対して
も適切に対応することができる。なお、上記の加熱処理
(を行う定着工程或いは定着手段)は、加熱源を遠赤外
線とする接触式加熱であることが好ましく、さらには重
合工程或いは手段を兼ねることが好ましい。
【0023】これらの場合、メディア本体が、カードで
あることが、好ましい。
【0024】この構成によれば、偽造防止機能を有する
カードを、簡単且つ低コストで作成することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面に基づいて、本
発明の一実施形態にかかる画像形成方法および画像形成
装置について説明する。この画像形成方法・装置では、
事前に形成された画像(以下、プレ画像という)を有す
る、カードなどの印刷用メディアを対象とし、この印刷
用メディアに対し、これを送りながら昇華性染料インク
を用いて文字、図形、背景などの所望の画像(以下、本
画像という)の印刷を行い、その後、これを加熱処理す
ることで、昇華性染料インクを深さ方向に拡散させて本
画像を定着・形成するものである。
【0026】具体的には、偽造対象となるプレ画像を、
昇華性染料インクの深さ方向への拡散を抑制又は阻止す
る描画材料で形成しておき、このプレ画像と本画像とが
少なくとも一部重複する印刷用メディアを作成すること
で、プレ画像を消去・改ざんする偽造に対して、その防
止に有効な印刷用メディアを作成するものである。以下
の説明では、先ず画像形成装置の概略を簡単に説明した
上で、印刷用メディアおよびその画像形成のプロセス、
並びに偽造防止に有効である点を説明し、最後に画像形
成装置の細部の構成について説明することとする。
【0027】図1は、画像形成装置の内部構造を模式的
に表した断面構造図である。同図に表すように、画像形
成装置1は、箱型の筐体2で外郭を形成した装置本体3
の内部に、中央部を境として左側の印刷用メディアCに
印刷を行うプリント部4と、右側の印刷後の印刷用メデ
ィアCを加熱処理するヒータ部5とを備え、更にプリン
ト部4およびヒータ部5を制御するコントローラ9とを
有している。
【0028】また、筐体2のプリント部4側の上隅部に
は、印刷用メディアCを導入するためのメディア供給口
6が形成され、筐体2のヒータ部5側の中間側部には、
印刷用メディアCを筐体2外部に送り出すためのメディ
ア排出口7が形成されている。そして、装置本体3に
は、メディア供給口6とメディア排出口7とを連通する
ようにして水平直線状の印刷用メディアCの搬送路8が
形成されている。
【0029】プリント部4は、左右のプリント部フレー
ム10に支持されており、往復動するヘッドユニット2
0により印刷用メディアCに印刷を行う印刷装置11
と、メディア供給口6に導入された印刷用メディアCを
一枚ずつ印刷装置11に送り込む供給装置12と、供給
装置12から受け取った印刷用メディアCを吸着して印
刷装置11に臨ませるべくこれを搬送路8に沿って搬送
するプリント部搬送装置13と、これら各装置11,1
2,13を統括制御するプリント側コントローラ14と
を有している。
【0030】供給装置12から一枚ずつ送られる印刷用
メディアCは、プリント部搬送装置13に受け渡され、
ヘッドユニット20を通過しながら印刷に供されてヒー
タ部5に送られる。ヘッドユニット20の下側を通過す
る印刷用メディアCは間欠送りされ、これに対しヘッド
ユニット20が送り方向に直交する方向に往復動して、
印刷用メディアCへの印刷が行われる。すなわち、ヘッ
ドユニット20の往復動と印刷用メディアCの間欠送り
とが、印刷技術における主走査および副走査となって、
昇華性染料インクを使用したインクジェット方式の印刷
が行われる。
【0031】ヒータ部5は、左右のヒータ部フレーム1
5に支持されており、プリント部4から送られてくる印
刷後の印刷用メディアCを加熱処理する加熱装置16
と、プリント部搬送装置13から受け取った印刷用メデ
ィアCを搬送路8に沿って搬送し加熱装置16を通過さ
せると共にメディア排出口7から筐体2外に送り出すヒ
ータ部搬送装置17と、これら各装置16,17を統括
制御するヒータ側コントローラ18とを有している。プ
リント部4から送り込まれた印刷用メディアCは、最終
的に印刷済みの画像(本画像)が定着されて、メディア
排出口7から送り出されてゆく。
【0032】ところで、プリント部4とヒータ部5との
間には、プリント部搬送装置13からヒータ部搬送装置
17へと印刷用メディアCを適切に受け渡すためのメデ
ィア移載装置19が搬送路8に臨んで配設されている。
メディア移載装置19は、プリント部フレーム10ある
いはヒータ部フレーム15に支持されており、搬送速度
の異なるプリント部搬送装置13およびヒータ部搬送装
置17との間で、印刷用メディアCをいったん受け取っ
てから受け渡すようになっている。
【0033】プリント側コントローラ14とヒータ側コ
ントローラ18とは、一体のコントローラ9(制御手
段)で構成されており、各種の制御を行うCPUと、上
記各種装置を制御するための制御プログラムや制御デー
タを記憶するROMと、制御処理のための各種作業領域
となるRAMと、各種装置の駆動のための駆動回路とを
備えている。コントローラ9は、プリント部4とヒータ
部5とを個別且つ関連させて制御し、供給された印刷用
メディアCに対し本画像の印刷を行うと共に、印刷後の
印刷用メディアCを加熱処理して本画像を定着させて、
メディア排出口7から筐体2外へと排出する。
【0034】ここで、印刷用メディアCとその画像形成
のプロセスについて詳細に説明する。図2は、印刷用メ
ディアCを表しており、本実施形態では(a)廉価メデ
ィア、および(b)高級メディアの2種類の印刷用メデ
ィアCが用意されている。両印刷用メディアCはとも
に、最終的に使用される印刷済みメディアとなるメディ
ア本体AMと、メディア本体AMの表面に積層したイン
ク受像シートISとから構成されている。すなわち、印
刷用メディアCは表面を印刷可能に構成され、後にイン
ク受像シートISを分離したメディア本体AMがユーザ
の使用に供される。メディア本体AMは、ロール紙、印
刷テープあるいは単票紙でもよいが、ここではカードを
例に説明する。
【0035】メディア本体AM(カード)は、基材層7
0と、基材層70の表面に積層した透明層71とからな
り、図2(b)の印刷用メディアCでは、透明層71の
表面に、ラミネートフィルムに代わるフッ素フィルム層
72が更に積層されている。そして、図2(a)の印刷
用メディアCでは、透明層71の表面に、図2(b)の
印刷用メディアCでは、フッ素フィルム層72の表面
に、粘着剤付のインク受像シートISが貼着されてい
る。
【0036】基材層70は、PVC(ポリ塩化ビニ
ル)、PET(ポリエチレンテレフタレート)等のプラ
スチックフィルムや、合成紙などで構成され、印刷用メ
ディアC全体の剛性を保持している。また、基材層70
は主として白色系統で構成され、一方、透明層71は無
色透明が好ましい透明なPETフィルム等で構成されて
いる。これら基材層70および透明層71はともに、イ
ンク定着可能に構成されており、印刷される昇華性染料
インクが最終的に浸透する層となる。
【0037】一方、インク受像シートISは、ダイレク
トに印刷される昇華性染料インクを一時的に保持可能に
構成されていると共に、加熱することにより易剥離性を
発揮する親水性の樹脂材料で構成されている。すなわ
ち、インク受像シートISの粘着剤は加熱により貼着力
が低下し、加熱後のインク受像シートISはメディア本
体AMから簡単に剥がれ得る状態となる。
【0038】また、メディア本体AMの表面側の一部に
は、メディア本体AMにおいて偽造対象となるプレ画像
75が作り込まれており、インク受像シートISを貼着
していない状態(同図(c)の平面図参照)のメディア
本体AMでは、その表面側からプレ画像75が視認可能
となっている。プレ画像75は、真正のメディア本体A
Mの偽造を目的として、消去され易く且つ新たな偽の画
像に改ざんされ易い画像であり、例えば、会社名等の固
有情報を表す印刷画像であり、以下ではこれを例に説明
する。
【0039】なお、プレ画像75は、インク受像シート
ISをメディア本体AMに積層接着する前に、メディア
本体AMの任意の1つの層の表面に事前に形成され、本
実施形態では、メディア本体AMの透明層71の表面に
形成されている。また、同図(b)の印刷用メディアC
では、プレ画像75の形成後に、透明層71の表面にフ
ッ素フィルム層72およびインク受像シートISが順次
積層される。
【0040】また、プレ画像75は、昇華性染料インク
の積層方向(深さ方向)への拡散を抑制又は阻止する描
画材料で形成されており、詳細は後述するが、この特性
により偽造防止に有効なメディア本体AMとなる。同図
(c)に表すように、「EPSON」なるプレ画像75
が、画像形成装置1への導入に先立って、メディア本体
AMの透明層71の表面に予め印刷されている。プレ画
像75をメディア本体AMに印刷する方法としては、オ
フセット印刷やグラビア印刷など各種の方法をとること
ができるが、フレキソ印刷またはスクリーン印刷による
方法が好ましく、この印刷インクの色材としては、昇華
性染料インクの拡散を有効に抑制又は阻止するべく、顔
料を用いることが好ましい。
【0041】また、プレ画像75をメディア本体AMに
迅速に形成するべく、プレ画像75の印刷に使用する印
刷インクは速乾性を有し、例えば、紫外線硬化形である
UV系インクを使用することが好ましい。また、この印
刷インクの媒質は、例えば、フレキソ印刷にあっては溶
剤、水性、アルコール系で構成され、またスクリーン印
刷にあってはUV樹脂系、溶剤系で構成されている。な
お、プレ画像75は、透明層71の表面からほぼ3μm
の膜厚で構成されているが、昇華性染料インクの拡散の
抑制又は阻止は、プレ画像75の膜厚やその顔料濃度に
より大きく作用され、一般的に(実験的に)、膜厚が厚
く顔料濃度が高いものほど昇華性染料インクの拡散を好
適に抑制等する。また、プレ画像75の画像様態として
は、ベタ塗りよりも微小な隙間がある様態(下地の基材
層70を僅かに視認可能な様態)の方が、昇華性染料イ
ンクをよく透過する。
【0042】図3に画像形成のプロセスを模式的に表す
ように、インク受像シートISをメディア本体AMに貼
着した状態で、インクジェット方式による本画像77の
印刷を、本画像77がプレ画像75の少なくとも一部に
重複するように行うと、昇華性染料インクのインク滴が
インク受像シートISに含浸保持される(同図
(a))。このとき、インク滴は、インク受像シートI
Sとその下層の位置する透明層71との界面近傍にまで
浸透する。この状態で、印刷用メディアCを加熱する
と、インク滴は、下層の透明層71に向かって積層方向
に分子レベルで移行する(同図(b))。
【0043】すなわち、インク受像シートISに保持さ
れているインク滴は、加熱によりメディア本体AM内へ
と蒸発・拡散し、発色する。その後、インク受像シート
ISをメディア本体AMから剥がし、透明層71を外部
に露出させることで、本画像77を転写形成したメディ
ア本体AMが作成され(同図(c))、本画像77とプ
レ画像75との合成したものが、メディア本体AMの表
面から視認可能となる。なお、詳細は後述するが、加熱
後にメディア本体AMから分離したインク受像シートI
Sには、プレ画像75に重複する部分の昇華性染料イン
クが、微小量ではあるが付着している。
【0044】この場合、図2(b)のフッ素フィルム層
72をも積層した印刷用メディアCを使用してこれに印
刷を行うと、同様に、インク滴がインク受像シートIS
に含浸保持される。そして、この状態で加熱処理する
と、インク滴がフッ素フィルム層72を透過してメディ
ア本体AM内へと拡散し定着する。なお、フッ素フィル
ム層72にも、幾分かのインク滴が定着する。そして、
インク受像シートISを剥離した状態の印刷用メディア
Cは、フッ素フィルム層72を最表層として、メディア
本体AMに定着した本画像77を保護することとなる。
これにより、画像形成後の印刷用メディアCは、フッ素
フィルム層72の特性により、より一層耐候性、耐光
性、耐熱性、耐擦性、耐磨耗性および耐薬品性を有し
て、光沢のあるものとなる。
【0045】ところで、図3に表すように、加熱により
昇華性染料インクがメディア本体AMに拡散してゆくと
き、プレ画像75が昇華性染料インクの拡散を抑制又は
阻止するため、本画像77は、プレ画像75に重複した
重複領域と、プレ画像75に対し独立した独立領域とで
インクの拡散度合いがそれぞれ異なる様態で形成される
こととなる。すなわち、本画像77の独立領域では、昇
華性染料インクが透明層71および基材層70に亘って
拡散し定着し、一方、本画像77の重複領域では、昇華
性染料インクがプレ画像75内の微小な隙間から透過し
て拡散してゆくが、このとき、そのインク拡散が抑制又
は阻止されるため、独立領域に対しメディア本体AM内
の浅い位置に定着する(同図(b)では透明層71の上
半部に定着している)。すなわち、プレ画像75廻りに
おいて本画像77の深浅に差異が生じた状態で本画像7
7が形成され、これにより、メディア本体AMの偽造・
複製が好適に防止されている。
【0046】なお、プレ画像75と本画像77との相関
関係によっては、同図(b)´に表すような、昇華性染
料インクの拡散状態をとることもある。すなわち、深さ
方向へは略一様に拡散するものの、ここで定着したイン
クの密度(濃度)に差異が生じた状態で本画像77が形
成される。したがって、本画像77は、重複領域と独立
領域とでインクの濃度が異なることとなり(重複領域の
方が濃度薄い)、この場合であっても同様に、メディア
本体AMの偽造・複製が好適に防止されている。
【0047】ここで、このように作成されたメディア本
体AMが、偽造防止に有効であることを図4を参照して
説明する。同図(a)は、インク受像シートISを分離
した画像形成後のメディア本体AMの平面図を表してお
り、メディア本体AMは、「EPSON」なるプレ画像
75と、「★」なる本画像77とを視認可能にして、こ
の状態のものがユーザに使用される。このメディア本体
AMを偽造するべく、偽造対象であるプレ画像75を溶
剤等により消去すると、メディア本体AMの表面は、同
図(b)に表す状態となる。すなわち、プレ画像75
は、本画像77の重複領域および独立領域を問わずメデ
ィア本体AMから完全に消去されるものであるが、本画
像77の重複領域では、プレ画像75の残影が浮き上が
って見えるととなる。
【0048】すなわち、プレ画像75を単純に消去した
だけでは、メディア本体AMの本画像77において、こ
れと重複していたプレ画像75の「P」、「S」および
「O」の一部が、抜き文字のように薄い残影となる。こ
の残影部は、上記した昇華性染料インクの拡散が抑制等
された結果の、本画像77となる昇華性染料インクによ
り形成されているものである(同図(c)参照)。した
がって、この時点において、偽造者に対しメディア本体
AMの偽造をあきらめさせることができる。すなわち、
同図(d)に表すように、この状態のメディア本体AM
に対し、仮に、プレ画像75に代わる偽画像「SEIK
O」を再印刷すると、残影部(特に「S」の字)が目立
ち、一見して偽造であるとの判別が可能となる。
【0049】しかして、このようにメディア本体を作成
した結果、偽造者にあっては、偽画像の再印刷に加え、
本画像77のかかる残影部を埋めるように再印刷する必
要が生じ、再印刷における画像の位置合わせを含め、そ
の偽造・複製に高度な技術、多大なコストおよび手間が
かかるものとなる。
【0050】なお、本画像77は透明層71の表面から
3μm以上の深さ位置において深く浸透して形成されて
いる。具体的には、本画像77は、透明層71の表面か
ら15〜30μmの範囲の深さ位置に亘って定着してい
る。そして、この本画像77となる昇華性染料インクの
拡散深さは、加熱処理時の加熱熱量を調整することによ
り、調整することができるものである。すなわち、昇華
性染料インクは、加熱熱量が大きいとインクの拡散深さ
が深く、小さいとインクの拡散深さが浅くなって、メデ
ィア本体AMに定着する。
【0051】なお、粘着剤付きのインク受像シートIS
を用いたが、インク受像シートISを透明層(図2
(b)のメディアでは、フッ素フィルム層72)に層状
に予めコーティングした印刷用メディアCとしてもよ
い。また、メディア本体AMから分離することを考慮し
て、メディア本体AMに対しインク受像シートISをひ
と回り大きなものとすることが好ましい。これによれ
ば、インク受像シートISに剥離代を設けることができ
ると共に、メディア本体AMに対しその縁端まで印刷を
適切に行うことができる(全面印刷)。さらに、インク
受像シートISは、暗色の材料で構成されていることが
好ましく、これによれば、光源による加熱処理の際に印
刷用メディアC表面全体が均一に伝熱されるため、加熱
ムラのない高品質な印刷画像が形成される。
【0052】また、印刷用メディアCを片面印刷・転写
のものとして構成したが、当然に両面印刷・転写は可能
である。この場合には、メディア本体AMをその基材層
70を挟んで表裏同一の部材積層形態として構成すると
共に、その表裏両面にインク受像シートISを貼着す
る。また、図示では省略したが、メディア本体AMがカ
ードである場合には、その所有者等の個別認証機能を果
たす情報記憶部がメディア本体AMに作り込まれる。情
報記憶部は、メディア本体AM(カード)所有者等の個
人情報等を記憶し、例えば磁気ストライプやICチップ
がこれに相当する。もっとも、情報記憶部は、メディア
本体AMの表面に露出するように作り込まれ、或いはメ
ディア本体AM内に隠蔽するように作り込まれる。
【0053】次に、図1を参照して、プリント部4の各
構成装置について詳細に説明する。印刷装置11は、ヘ
ッドユニット20と、駆動源となるキャリッジモータ2
1と、キャリッジモータ21の回転を受けてヘッドユニ
ット20を往復動させる往復動機構22とを備えてい
る。キャリッジモータ21は、プリント側コントローラ
14に接続されている。ヘッドユニット20は、下面に
多数のノズルを形成したインクジェットヘッド27と、
インクジェットヘッド27にインクを供給するインクカ
ートリッジ28と、インクジェットヘッド27およびイ
ンクカートリッジ28を搭載したキャリッジ23とで構
成されている。インクカートリッジ28には、イエロー
(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、およびブラッ
ク(K)の4色の昇華性染料インクが充填されている。
【0054】昇華性染料インクは、昇華性染料からなる
インクであり、熱により昇華性を発揮するものである。
上述のように、昇華性染料インクは、印刷においてイン
ク受像シートISに一旦は含浸保持されると共に、加熱
処理においてその熱により下層以下の層に移行し、拡散
・蒸発して発色する。また、昇華性染料インクは、その
積層方向への拡散がプレ画像75により阻止は又は抑制
される。
【0055】往復動機構22は、両端を左右のガイドフ
レームに支持されたキャリッジガイド軸25と、キャリ
ッジガイド軸25と平行に延在するタイミングベルト
(図示省略)とを有している。キャリッジ23は、キャ
リッジガイド軸25に往復動自在に支持されていると共
に、タイミングベルトに一部が固着している。キャリッ
ジ23は、キャリッジモータ21により、プーリを介し
てタイミングベルトが正逆走行することで、キャリッジ
ガイド軸25に案内されて往復動する。そして、この往
復動の際に、インクジェットヘッド27から適宜インク
が吐出されて、印刷用メディアCへの印刷が行われる。
【0056】供給装置12は、駆動源となる供給モータ
30と、供給モータ30により回転する供給ローラ31
と、複数枚の印刷用メディアCを積層してストックする
メディアカセット32とを備えて構成されている。メデ
ィアカセット32は、筐体2の一部を側方に突出させて
形成されており、内側の平面形状が印刷用メディアCの
平面形状とほぼ同一に形成されている。また、メディア
カセット32は、複数枚を重ねてセット可能な所定の深
さを有し、上部がメディア供給口6に臨んでいると共
に、閉塞状態では積層され最上位に位置する印刷用メデ
ィアCの上面をばね34で押し下げている。
【0057】供給ローラ31は、メディアカセット32
の前部下側に配設され、積層され最下位に位置する印刷
用メディアCの前部下面に転接するようになっている。
供給モータ30は、プリント側コントローラ14に接続
されており、供給ローラ31の回転を制御する。メディ
アカセット32を構成する前壁の下端は、最下位の印刷
用メディアCのみが通過可能な位置まで下方に延びてお
り、供給ローラ31で最下位の印刷用メディアCを送る
場合に、その上側の印刷用メディアCが同時に送り移動
しようとしてもこれを阻止するようになっている。これ
により、印刷用メディアCは、一枚ずつ確実に送り出さ
れるようになっている。
【0058】弾かれるようにして供給ローラ31から送
られてきた印刷用メディアCは、図外の位置決め手段に
より、方形の吸着テーブル40に位置決めセットされ、
そのまま吸着テーブル40の表面に吸着保持される。
【0059】プリント部搬送装置13は、吸着テーブル
40と、搬送路8に沿って延在する左右一対のガイドレ
ール41と、ガイドレール41に案内させて吸着テーブ
ル40を移動させるプリント部搬送ベルト機構42とで
構成されている。吸着テーブル40は、特に図示しない
が、上面に多数の吸引孔を形成していると共に、この吸
引孔に連なる吸引ファン48を内蔵している。これによ
り、吸着テーブル40は、その上面に印刷用メディアC
を水平に吸着載置する。両ガイドレール41は、左右の
プリント部フレーム10にそれぞれ支持されていると共
に、吸着テーブル40を上側に支持し、搬送路8に沿っ
たその移動を安定にガイドする。
【0060】プリント部搬送ベルト機構42は、印刷装
置11を挟んで前後(基端側及び先端側)に対峙して配
設された一対のテーブル搬送プーリ44,44と、両テ
ーブル搬送プーリ44,44間に掛け渡したテーブル搬
送ベルト45と、基端側のテーブル搬送プーリ44を駆
動させるテーブル駆動モータ46とで構成されている。
テーブル搬送ベルト45は、一対のガイドレール41,
41間においてガイドレール41,41に平行に延在
し、一部には吸着テーブル40が固定片43を介して固
着されている。
【0061】テーブル駆動モータ46は、プリント側コ
ントローラ14に接続されており、このテーブル駆動モ
ータ46の回転により、基端側のテーブル搬送プーリ4
4を介してテーブル搬送ベルト45が正逆走行する。こ
れにより、吸着テーブル40は、両ガイドレール41,
41に左右をバランスよく支持案内されて搬送路8に沿
って往復走行可能となっている。
【0062】図1に表すように、印刷用メディアCが吸
着テーブル40に水平に吸着載置されると、印刷用メデ
ィアCは、吸着テーブル40の移動に伴って印刷装置1
1へと移動する。吸着テーブル40が印刷装置11手前
に達すると、搬送路8上方に配設されたテーブル検出セ
ンサ47に吸着テーブル40の先端が検出され、プリン
ト側コントローラ14は、上記のヘッドユニット20お
よび往復動機構22を駆動させる。これにより、ヘッド
ユニット20が往復動し、吸着テーブル40を間欠送り
しながら、印刷用メディアCに本画像77の印刷が行わ
れる。
【0063】このとき、プリント側コントローラ14に
より、本画像77の少なくとも一部がプレ画像75に重
複するようにして、印刷用メディアCに本画像77の印
刷が行われる。そして、印刷用メディアCへの印刷が完
了すると、吸着テーブル40は、印刷用メディアCを吸
着載置したまま、搬送路8に沿って先方へと走行し、印
刷用メディアCをメディア移載装置19に臨ませる。
【0064】メディア移載装置19は、特に図示しない
が、印刷用メディアCを受け取るキャッチャと、キャッ
チャに印刷用メディアCを送り込むと共に送り出す移載
機構とで構成されている。移載機構は、プリント側コン
トローラ14に接続され、印刷用メディアCをプリント
部搬送装置13から受け取ってヒータ部搬送装置17に
受け渡す動作を可能に構成されている。
【0065】次にヒータ部5の各構成装置について詳細
に説明する。加熱装置16(定着手段)は、送られてゆ
く印刷用メディアCに非接触状態で臨む一対の照射ユニ
ット50,50で構成されている。一対の照射ユニット
50,50は、搬送路8を挟んで所定の間隙を存し相互
に平行に対峙しており、加熱源となる光源のハロゲンラ
ンプ51と、ハロゲンランプ51からの照射光を拡散す
る平板状の光拡散板52とをそれぞれ有している。すな
わち、印刷用メディアCは、一対のハロゲンランプ51
に対し一定の間隙を保ちながら送られてゆき、光拡散板
52を介してハロゲンランプ51の熱放射による加熱処
理がなされる。
【0066】ハロゲンランプ51は、印刷用メディアC
を横断する幅方向(搬送方向に直交する方向)に延在し
ており、左右両端部をヒータ部フレーム15に支持され
ている。ハロゲンランプ51は、遠赤外線波長領域を主
波長とし、個々にヒータ側コントローラ18に接続され
ており、その加熱温度が制御されるようになっている。
この場合、加熱源が立ち上がりの早いハロゲンランプ5
1であるため、全体として加熱処理時間を短縮すること
ができるようになっている。なお、印刷用メディアCに
加える加熱熱量の制御は、ハロゲンランプ51の加熱温
度と印刷用メディアCの搬送速度との二つの要素で制御
可能である。
【0067】光拡散板52は、ハロゲンランプ51と搬
送路8(印刷用メディアC)との間に介設され、所定の
加熱面積を有して印刷用メディアCと平行に配設され、
左右両端部をヒータ部フレーム15に支持されている。
また、光拡散板52は、印刷用メディアCの表面を四周
縁部までも覆うように、印刷用メディアCより一回り大
きく形成されている。これにより、線状光源たるハロゲ
ンランプ51から照射した光は拡散され、光拡散板52
は、印刷用メディアCに対し面状光源として機能する。
【0068】なお、この場合、光拡散板52に光学フィ
ルターとして機能するものを用いてもよい。すなわち、
光拡散板52が、遠赤外線の光のみを透過させ、他の波
長の光を吸収または反射するようにしてもよい。これに
より、照射光の波長のエネルギー量の相違に基づく、昇
華性染料インクの拡散深さの変化を防止して、印刷用メ
ディアCをその厚さ方向(積層方向)に均一に加熱する
ことができると共に、可視光等に比べて熱効率を向上す
ることもできる。
【0069】なおまた、情報記憶部74を有する印刷用
メディアCの場合には、情報記憶部74に昇華性染料イ
ンクが拡散・定着してその機能を損傷しないように、ハ
ロゲンランプ51と光拡散板52との間に、或いは光拡
散板52と印刷用メディアCとの間に、遮光板を介設す
ることが好ましい。もっとも、後述のように、下側の照
射ユニット50には、かかる遮光板を特に設けなくても
よいように、ヒータ部搬送装置17が構成されている。
【0070】ヒータ部搬送装置17は、搬送路8に沿っ
て左右に対向配置した複数個のガイドローラ68からな
る一対の搬送ガイド60と、印刷用メディアCを一対の
搬送ガイド60に案内させて後方から先方に押すように
搬送するヒータ部搬送搬送ベルト機構61とから構成さ
れている。ガイドローラ68は、全体としては、メディ
ア移載装置19の下流側近傍からメディア排出口7の近
傍まで列設されている。各ガイドローラ68は、中央部
がくびれた鼓状の形状を有しており、ヒータ部フレーム
15の内側に取り付けた図外のホルダーに回転自在に支
持されている。印刷用メディアCは、左右に平行して対
峙するガイドローラ68の中央部位で左右両側端を挟持
されると共に、ガイドローラ68のフリー回転に乗じて
先方への搬送を安定にガイドされる。
【0071】ヒータ部搬送搬送ベルト機構61は、照射
ユニット50を挟んで搬送路8の上流側および下流側に
配設した一対の従動プーリ62,62と、搬送路8の下
側に位置する照射ユニット50の下方に配設した駆動プ
ーリ63と、駆動プーリ63の駆動源となるヒータ部駆
動モータ64と、一対の従動プーリ62,62および駆
動プーリ63に掛け渡したヒータ部搬送ベルト65とで
構成されている。一対の従動プーリ62,62および駆
動プーリ63は、ヒータ部フレーム15に両端を支持さ
れたプーリ軸にそれぞれ回転可能に支持されている。ヒ
ータ部駆動モータ64は、ヒータ側コントローラ18に
接続され、駆動プーリ63の回転、すなわちヒータ部搬
送ベルト65の走行を制御する。
【0072】ヒータ部搬送ベルト65は、下側に位置す
る照射ユニット50の周りを周回するようにして掛け渡
されており、狭幅に構成されている。より具体的には、
ヒータ部搬送ベルト65の幅は、印刷用メディアCの磁
気ストライプに相当する幅で構成されていると共に、搬
送する印刷用メディアCの磁気ストライプに臨むように
左右方向に位置決めして掛け渡されている。これによ
り、加熱による磁気ストライプへの熱的影響を防止して
いる。また、ヒータ部搬送ベルト65は、表面に複数個
(図示では5個)の後押し爪67が等間隔に形成されて
いる。
【0073】後押し爪67は、ヒータ部搬送ベルト65
のベルト移動に伴って、下側の照射ユニット50の周り
を周回する。より具体的には、後押し爪67は、左右の
搬送ガイド60,60に支持された印刷用メディアCの
尾端部に当接し、印刷用メディアCを押すようにして周
回移動する。したがって、印刷用メディアCは、一対の
搬送ガイド60,60に左右方向を支持され水平姿勢を
維持された状態で、後押し爪67の移動により先方へと
押されるように搬送され、加熱装置16に臨むと共に、
メディア排出口7へと送られてゆく。
【0074】また、ヒータ部搬送装置17には、後押し
爪67を検出する爪検出センサ69が配設されている。
爪検出センサ69は、ヒータ側コントローラ18に接続
されており、後押し爪67がメディア移載装置19から
送られてくる印刷用メディアCの尾端部に適切に当接し
且つこれを押す位置となるように、その位置を決定す
る。すなわち、印刷用メディアCを送る後押し爪67に
先行する一つ前の後押し爪67を所定の位置に停止さ
せ、メディア移載装置19から送られてくる印刷用メデ
ィアCのストッパとして機能させるようにしている。こ
れにより、印刷用メディアCの尾端部が、ヒータ部搬送
ベルト65の基端より前方に位置して受け渡されるた
め、後押し爪67の掛かりミスを防止している。
【0075】ヒータ側コントローラ18は、プリント側
コントローラ14の検出結果を考慮して加熱装置16お
よびヒータ部搬送装置17を制御している。より具体的
には、ヒータ側コントローラ18は、プリント側コント
ローラ14で検出した印刷用メディアCの属性情報(基
材層70の材質や印刷用メディアC全体の厚み等)を加
味して、ヒータ部5における加熱温度および印刷用メデ
ィアCの搬送速度を決定する。また、ヒータ側コントロ
ーラ18は、昇華性染料インクの拡散深さを調整(加熱
熱量を調整)すべく、ヒータ部5における加熱温度およ
び印刷用メディアCの搬送速度を制御する。
【0076】ヒータ側コントローラ18により、印刷用
メディアCの印刷に相前後して加熱装置16(上方のハ
ロゲンランプ51)を立ち上げ、加熱装置16を所定の
加熱温度で発熱駆動させると、印刷後の印刷用メディア
Cを移載されたヒータ部搬送装置17は、この加熱温度
に基づいた搬送速度で印刷用メディアCを加熱装置16
に臨ませながら、所定の時間をかけて先方へと搬送す
る。なお、この場合、例えば、ヒータ部搬送装置17に
よる印刷用メディアCの搬送速度を一定とし、加熱温度
のみを制御して、加熱熱量の制御を簡単に行ってよい。
あるいはまた、印刷用メディアCの送りを加熱装置16
の位置で停止させた状態で、所定の加熱温度で所定の時
間をかけて印刷用メディアCを加熱処理するようにして
もよい。そして、ヒータ部搬送装置17で印刷用メディ
アCをメディア排出口7から排出することで、ヒータ部
搬送装置17および加熱装置16の駆動を停止させる。
【0077】このように、メディア排出口7から排出さ
れた印刷用メディアCに対し、ユーザは、インク受像シ
ートISを粘着テープ等を用いて剥離し、透明層71
(あるいはフッ素フィルム層72)を外部に露出させる
ことで、印刷した本画像77が熱転写して転写画像とし
て形成されたメディア本体AMを作成することができ
る。もっとも、メディア本体AMに両面印刷・転写を行
う場合には、片面印刷後の印刷用メディアCをメディア
排出口7から排出させ、これを表裏反転させて再び供給
装置12に導入すればよく、加熱装置16による加熱処
理を表裏両側から同時に行ってもよい。
【0078】以上のような画像形成装置によれば、筐体
2内の一連の処理動作において、印刷装置11により印
刷用メディアCに本画像77の印刷をプレ画像75に重
複して行うと共に、加熱装置16により昇華性染料イン
クを拡散させてメディア本体AMに本画像77を形成す
ることができる。これにより、プレ画像75廻りにおい
て本画像77のインクの密度に差異が生じるため、プレ
画像75を消去・改ざんする偽造に対して、その防止に
有効なメディア本体AMを作成することができる。
【0079】次に、図5ないし図7を参照して、本発明
の第2の実施形態に係る画像形成装置および画像形成方
法について説明する。本実施形態では、メディア本体A
Mとインク受像シートISとは別体に構成されており、
インク受像シートISをいわゆる転写シートとして用い
ている。このため、第1実施形態とその作成手順および
処理操作が若干異なるものの、偽造防止に有効な画像形
成に関しての骨子に相違があるものでなく、特に、プレ
画像で昇華性染料インクの拡散を抑制又は阻止して本画
像を形成させることができるものである。
【0080】図5に表すように、この画像形成装置10
1は、箱型の筐体102で外郭を形成した装置本体10
3の内部に、略上下中央部を境にして下側のメディア本
体AMを搬送させるメディア部104と、上側のインク
受像シートISを走行させるシート部105とを備え、
メディア部104およびシート部105を個別且つ関連
させて統括制御するコントローラ106とを有してい
る。筐体102の左側上部には、メディア本体AMを導
入するためのメディア供給口107が形成され、筐体1
02の右側部には、メディア本体AMを筐体102外に
送り出すためのメディア排出口108が形成されてい
る。また、装置本体103には、メディア供給口107
とメディア排出口108とを連通するようにして、水平
直線状のメディア本体AMのメディア搬送路110が形
成されている。
【0081】メディア部104は、メディア本体AMを
供給するメディア供給手段111と、メディア本体AM
をメディア搬送路110に沿って搬送するメディア送り
手段112とを有している。一方、シート部105は、
ロール状のインク受像シートISと、ロール状のインク
受像シートISを略「U」字状のシート走行路130に
沿って繰り出すと共に巻き取るシート送り手段131
と、インク受像シートISにインクジェット方式で印刷
する印刷手段132と、印刷後のインク受像シートIS
を熱風により強制的に乾燥させる乾燥手段133と、イ
ンク受像シートISをメディア本体AMに対し加熱圧接
する加熱圧接手段134(重合手段、定着手段)とを有
している。
【0082】そして、この画像形成装置101は、イン
ク受像シートISを送りながらこれに昇華性染料インク
を用いて所望の本画像の印刷および乾燥を行い、インク
受像シートISの印刷済み部分をメディア本体AMに位
置合わせし且つ重ねて加熱圧接し、印刷された本画像を
メディア本体AMに転写させて、メディア本体AMをメ
ディア排出口108から排出するものである。
【0083】本実施形態のメディア本体AMは、例えば
カードであり、図6(a)および(b)に表すように、
第1実施形態のメディア本体AMと同一の積層構造を有
して構成されている。なお、第1実施形態と同様に、フ
ッ素フィルム層72を透明層71の表面に積層したもの
であってもよい。そして、メディア本体AMの透明層7
1の表面の一部には、「EPSON」なるプレ画像75
が視認可能に形成されている(同図(c)参照)。
【0084】一方、同図(d)に示すインク受像シート
ISは、第1実施形態とやや構成を異にしている。すな
わち、インク受像シートISは、粘着性を有するもので
なく、例えば、PVA(ポリビニルアルコール)または
ピロリドンを主成分とする水溶性樹脂で構成され、層厚
方向のほぼその上半部領域に昇華性染料インクを含浸保
持する。この場合、水溶性の樹脂材料で構成したことに
より、印刷時における昇華性染料インクのインク吸収性
を良好にして、インク受像シートIS内部で昇華性染料
インクを拡散させることなく安定して含浸保持すること
ができるようになっている。
【0085】また、インク受像シートISは、主成分の
PVA等の他、加圧・加熱を加えることにより弱粘着性
を発揮する特性を有する材料や、加圧・加熱を加えた後
空気に曝すと僅かに硬化性を発揮する特性を有する材料
が付加されて構成されている。前者の特性を有するイン
ク受像シートISは、加熱圧接処理により、弱粘着性を
発揮してメディア本体AMに強密着し、また後者の特性
を有するインク受像シートISは、ファン等の送風によ
り、硬化性を僅かに発揮してメディア本体AMから分離
し易くなる。
【0086】さらに、インク受像シートISは、メディ
ア本体AMに適切に密接して重なるように、昇華性染料
インクを受容する印刷表面が平滑性を有して構成されて
いると共に、全体として軟質に構成されている。このた
め、インク受像シートISとメディア本体AMとを重ね
て加圧すると、両者間の接触面である界面に介在する空
気や気泡が追い出され、両者が密に接触するようにな
る。もっとも、メディア本体AMの種類等によっては、
インク受像シートISは硬質樹脂であってもよい。な
お、メディア本体AMの転写表面、すなわちインク受像
シートISの印刷表面が対面する透明層71の表面も平
滑にしておくことが好ましい。
【0087】本実施形態の画像プロセスは、図7に表す
ように、インク受像シートISにインクジェット方式で
本画像77の印刷を行うと、昇華性染料インクのインク
滴がインク受像シートISに含浸保持される(同図
(a))。このとき、インク滴は、インク受像シートI
Sの内部にて周辺部に拡散することなく、ほぼ上半部領
域に含浸保持されているが、本画像77によっては、単
位面積当たりのインク水分は異なっている。そこで、湿
潤状態のインク受像シートISを送風加熱により乾燥処
理し、インク水分を除去するようにしている(同図
(b))。つづいて、インク受像シートISを上下反転
させ、その印刷面をメディア本体AMの表面に対面させ
るように重ねる(同図(c))。このとき、本画像77
がプレ画像75の少なくとも一部に重複するように重ね
合わせる。
【0088】重合後のメディア本体AMを圧接状態で、
すなわち重ねたインク受像シートISとメディア本体A
Mとを相対的に押圧した状態で加熱すると、インク滴
は、メディア本体AM内へと蒸発・拡散し、発色する
(同図(d))。これにより、本画像77がメディア本
体AMに定着し形成される(転写される)。その後、イ
ンク受像シートISをメディア本体AMから分離し(同
図(e))、透明層71を外部に露出させることで、本
画像77を転写形成したメディア本体AM(カード)が
作成される。
【0089】そして、第一実施形態と同様に、加熱によ
る昇華性染料インクの拡散がプレ画像75により抑制又
は阻止されているため(図6参照)、プレ画像75廻り
において本画像77のインクの密度に差異が生じてい
る。これにより、プレ画像75を消去・改ざんする偽造
に対して、その防止に有効なメディア本体AMが作成さ
れる。
【0090】なお、分離後のインク受像シートISは、
水に浸漬することで、その水溶性を発揮して溶融分解す
ることができる。したがって、画像転写後において、イ
ンク受像シートISに僅かに残る原画を完全消失するこ
とができるため、この点においても、メディア本体AM
の偽造および複製を防止している。
【0091】次に、画像形成装置101の各構成につい
てメディア部104から詳細に説明する。メディア供給
手段111は、第1実施形態の供給装置と略同様に構成
されており、メディアカセット114と、供給モータ1
15と、供給ローラ116とを備えている。これによ
り、メディア本体AMは、下面(裏面)を供給ローラ1
16に転接され、一枚ずつメディア送り手段112へと
適切に送られるようになっている。
【0092】メディア送り手段112は、供給ローラ1
16に近接してメディア搬送路110の上流側に位置す
る送込みローラ118と、中流側に位置する加熱ローラ
119と、下流側に位置する送出しローラ120と、こ
れら各ローラ118,119,120の駆動源となる送
込みモータ121と、加熱モータ122と、送出しモー
タ123と、で構成されている。この場合、加熱ローラ
119は、加熱圧接手段134の主体を為すと共に、メ
ディア本体AMを送出しローラ120に送り出すメディ
ア送り手段112の機能の一部を兼ねている。
【0093】送込みローラ118は、供給ローラ116
から送られてきたメディア本体AMの下面に転接し、メ
ディア搬送路110に沿ってメディア本体AMを加熱ロ
ーラ119に向かって送り込む。送込みモータ121
は、コントローラ106に接続され、送込みローラ11
8の回転を制御している。すなわち、送込みローラ11
8は、コントローラ106により制御されて、シート送
り手段131のインク受像シートISの送りに同期して
回転するようになっており、加熱圧接手段134の位置
でインク受像シートISの印刷済み部分とメディア本体
AMとが制度良く重なるように加熱ローラ119に対し
送り込む。
【0094】加熱ローラ119は、ステンレスにより筒
状に構成されたローラ本体126と、ローラ本体126
の内部に内蔵した加熱源となる赤外線ランプ127と、
ローラ本体126の筒状周面に巻装したゴムロール12
8とで構成されている。赤外線ランプ127は、ハロゲ
ンランプで構成されており、コントローラ106にその
加熱駆動を制御され、加熱ローラ119をその長さ方向
に均一に保温する。ゴムロール128は、耐熱性を有す
るシリコンゴムで構成され、メディア本体AMの下面に
直接接触すると共に、ローラ本体126を介して赤外線
ランプ127の熱を伝達される。そして、加熱ローラ1
19は、メディア本体AMの幅に対応した所定の長さを
有してメディア本体AMの下面に転接する。
【0095】加熱モータ122は、コントローラ106
に接続されて、加熱ローラ119の回転を制御してい
る。すなわち、加熱ローラ119は、シート送り手段1
31のインク受像シートISの送りに同期して回転する
ようになっており、加熱圧接手段134の加圧熱ローラ
165と協働してメディア本体AMを挟持して回転送り
する。より具体的には、メディア本体AMは、上面(表
面)である透明層71を加圧熱ローラ165に臨ませた
状態で、インク受像シートISを挟んで加熱ローラ11
9および加圧熱ローラ165に両面から強く挟持されて
定速で回転送りされ、メディア搬送路110に沿って送
出しローラ120に送り込まれてゆく。
【0096】送出しローラ120は、メディア排出口1
08に近接して配設され、メディア本体AMの下面に転
接し、加熱ローラ119から送られてくるメディア本体
AMをメディア搬送路110に沿ってメディア排出口1
08に送り出す。送出しモータ123は、コントローラ
106に接続され、送出しローラ120の回転を制御す
る。このようにして、メディア本体AMは、水平姿勢で
メディア搬送路110に沿って送られてゆく。なお、送
込みモータ121、加熱モータ122および送出しモー
タ123を駆動源としてローラ別に設けたが、単一の駆
動源を介して動力伝達機構により、各ローラ118,1
19,120を同期して定速で回転するようにしてもよ
い。
【0097】つづいて、シート部105の各構成につい
て説明する。シート送り手段131は、図示左上方のイ
ンク受像シートISを繰り出す繰出しリール137と、
図示右上方のインク受像シートISを巻き取る巻取りリ
ール138と、繰出しリール137から繰り出したイン
ク受像シートISを印刷手段132および乾燥手段13
3に案内する第1ガイドローラ139と、インク受像シ
ートISを第1ガイドローラ139から加熱圧接手段1
34に案内する第2ガイドローラ140と、巻取りリー
ル138を駆動する巻取りモータ141と、加熱圧接手
段134を挟んで配設された一対の経路突起142,1
43とで構成されている。
【0098】繰出しリール137、第1ガイドローラ1
39、および第2ガイドローラ140は、自由回転可能
に構成されており、またこの第1ガイドローラ139、
加熱圧接手段134、第2ガイドローラ140および一
対の経路突起142,143により、繰出しリール13
7から巻取りリール138に到る上述のシート走行路1
30が構成されている。なお、シート走行路130は、
加熱圧接手段134の位置でメディア搬送路110と一
部合流している。
【0099】繰出しリール137は、印刷手段132の
上流側に配設され、未使用のインク受像シートISを繰
り出し自在に巻回している。インク受像シートISは、
その印刷表面を印刷手段132のヘッドユニット151
に臨ませるべく繰出しリール137に巻回されている。
第1ガイドローラ139は、乾燥手段133の下流側に
おいて、メディア搬送路110を挟んで送込みローラ1
18に対峙して配設されている。繰出しリール137と
第1ガイドローラ139とは、印刷手段132および乾
燥手段133を挟んで配設されていると共に、ヘッドユ
ニット151および乾燥手段133に対し平行となるシ
ート走行路130を形成している。すなわち、繰出しリ
ール137および第1ガイドローラ139により、イン
ク受像シートISは、印刷手段132の印刷位置および
乾燥手段133の乾燥位置に水平に臨むこととなる。
【0100】一対の経路突起142,143は、第1ガ
イドローラ139と加熱圧接手段134との間に配設さ
れた第1経路突起142と、加熱圧接手段134と第2
ガイドローラ140との間に配設された第2経路突起1
43とからなる。一対の経路突起142,143は、メ
ディア搬送路110に平行に配設されており、インク受
像シートISをメディア搬送路110に対し平行状態と
する。すなわち、第1ガイドローラ139から送られ第
1経路突起142に走行を案内されて送られてくる印刷
・乾燥済みのインク受像シートISは、一対の経路突起
142,143間において、印刷表面がメディア本体A
Mに平行に臨むようになっている。
【0101】一方、巻取りリール138は、巻取りモー
タ141により回転駆動することで、加熱圧接された後
のインク受像シートISを巻き取り収容する。すなわ
ち、インク受像シートISは、巻取りリール138の回
転により、繰出しリール137から繰り出され、巻取り
リール138に巻き取られてゆく。巻取りモータ141
は、コントローラ106に接続され、巻取りリール13
8の回転を制御している。すなわち、巻取りリール13
8は、メディア本体AMのメディア送り手段112に同
期して回転し、インク受像シートISをシート走行路1
30に沿って送る。
【0102】第2ガイドローラ140は、巻取りリール
138と第2経路突起143との間に配設されていると
共に、メディア搬送路110を挟んで送出しローラ12
0に対峙して配設されている。具体的には、第2ガイド
ローラ140は、加圧熱ローラ165および第2経路突
起143を経て巻取りリール138に巻き取られてゆく
インク受像シートISの送りを、メディア搬送路110
に対し傾送するようにガイドする。すなわち、第2ガイ
ドローラ140は、インク受像シートISの送りを案内
すると共に、加熱圧接手段134でメディア本体AMに
重なったインク受像シートISをメディア本体AMから
分離するシート分離手段を兼ねるようになっている。
【0103】なお、繰出しリール137、巻取りリール
138およびインク受像シートISを一のカートリッジ
ケースに収容したシートカートリッジを、筐体102に
着脱自在式に提供してもよい。この場合、カートリッジ
ケース内に、インク受像シートISのシート走行路13
0を構成するようにすると共に、加圧熱ローラ165、
ヘッドユニット151およびドライヤ133等に対応す
る位置を開口部として構成すればよい。これにより、イ
ンク受像シートISの保管などを含め運搬上の取扱いを
容易ならしめることができる。
【0104】印刷手段132は、第1実施形態の印刷装
置と略同様のインクジェットプリンタであり、ヘッドユ
ニット151と、キャリッジモータ152と、往復動機
構153とを備えていると共に、コントローラ106に
接続されている。ヘッドユニット151は、インクジェ
ットヘッド155と、インクカートリッジ156と、こ
れらを搭載したキャリッジ154とで構成され、インク
カートリッジ156には、上記の昇華性染料インクが充
填されている。
【0105】本実施形態でも同様に、キャリッジ154
が往復動機構153により往復動することで、この往復
動の際に、インクジェットヘッド155から適宜インク
滴が吐出されて、インク受像シートISへの印刷が行わ
れる。すなわち、ヘッドユニット151の下側を通過す
るインク受像シートISは、シート送り手段131によ
りシート走行路130に沿って間欠送りされ、これに対
しヘッドユニット151が送り方向に直交する方向に往
復動して、昇華性染料インクによるインク受像シートI
Sへの印刷が行われる。なお、印刷手段132は、メデ
ィア本体AMに転写後の画像が正画像となるように、イ
ンク受像シートISに鏡画像となる印刷を行うことが好
ましい。
【0106】乾燥手段133は、印刷手段132の下流
側に配設されており、送られてきたインク受像シートI
Sに非接触状態で臨むドライヤで構成されている。ドラ
イヤ133は、シート走行路130に対し風を送るファ
ン161と、ファン161による送風エアーを暖めるニ
クロム線ヒータ162とで構成されている。ドライヤ1
33は、乾燥位置にあるインク受像シートISの印刷面
に一定の間隙を保って臨み、その印刷した本画像77に
対し送風エアーを吹き付けることにより乾燥処理を行
う。すなわち、インク受像シートISは、ドライヤ13
3により湿潤状態の本画像77を熱風に曝されることで
強制的に乾燥処理され、本画像77のインク水分が気化
された状態で、加熱圧接手段134へと送られる。
【0107】なお、インク受像シートISへの乾燥制御
は、インク受像シートISへの印刷処理に関する印刷情
報(主としてインク量)に基づいて、ドライヤ133に
よる送風量および/または加熱熱量からなる要素と、シ
ート送り手段131によるシート送り速度からなる要素
とで制御可能である。また、図示しないが筐体102に
は、ファン161のエアー流路に臨んで吸気ガラリ(吸
気口)および排気ガラリ(排気口)を形成することが、
好ましい。
【0108】加熱圧接手段134は、上述の下側に位置
する加熱ローラ119と、メディア搬送路110および
シート走行路130を挟んで加熱ローラ119に対峙す
る上側の加圧熱ローラ165と、加圧熱ローラ165を
加熱ローラ119に対し昇降移動させる昇降機構および
付勢部材(いずれも図示省略)とで構成されている。加
圧熱ローラ165は、シート走行路130とメディア搬
送路110との合流部分に臨み、加熱ローラ119と同
様に構成されて自由回転可能となっており、ステンレス
製のローラ本体166と、ローラ本体166の内部に収
容されると共にコントローラ106により加熱駆動を制
御される赤外線ランプ167と、ローラ本体166に巻
装した耐熱性のゴムロール168とで構成されている。
【0109】加圧熱ローラ165は、メディア本体AM
(インク受像シートIS)の幅に対応した所定の長さを
有してインク受像シートISの非印刷表面側に転接す
る。なお、後述するが、加圧熱ローラ165および加熱
ローラ119の個々の温度コントロールにより、メディ
ア排出口108から送り出した画像定着後のメディア本
体AMの反り等の変形を巧みに阻止することができるよ
うになっている。
【0110】昇降機構は、ばねなどの付勢部材を含み、
加圧熱ローラ165を適宜昇降させ、加熱ローラ119
(インク受像シートIS)に対する加圧力が調整される
ようになっている。具体的には、インク受像シートIS
は、印刷表面である下面を加熱ローラ119に臨ませた
状態で、加熱ローラ119の回転により回転する加圧熱
ローラ165が非印刷表面側から押圧転動される。すな
わち、インク受像シートISおよびメディア本体AM
は、上下(表裏)から強く挟持されて先方に定速で同時
に回転送りされることで加熱処理される。これにより、
インク受像シートISおよびメディア本体AMは、線接
触加圧且つ加熱が行われ、インク受像シートISに保持
した昇華性染料インクがメディア本体AMに移行して、
印刷した本画像77がメディア本体AMに転写・形成さ
れる。
【0111】コントローラ106は、各種の制御を行う
CPU等を備え、各種手段を個別且つ関連させて制御
し、メディア本体AMおよびインク受像シートISへの
加熱熱量を調整している。また、図示しないが、筐体1
02内には、印刷手段132を挟んでシート走行路13
0に臨む2個のセンサと、乾燥手段133を挟んで下流
側に1個のセンサと、送込みローラ118に近接してメ
ディア搬送路110に臨む1個のセンサとがコントロー
ラ106に接続されて、配設されている。
【0112】これらにより、インク受像シートISの印
刷位置および乾燥位置が検出され、これに基づいて、送
込みローラ118により送られるメディア本体AMは、
インク受像シートISの印刷・乾燥済み部分が加熱圧接
手段134において、適切に位置合わされて重なるよう
になっている。また、メディア本体AMは、プレ画像7
5の少なくとも一部にインク受像シートISの印刷・乾
燥済み部分である本画像77が重複するように搬送さ
れ、加熱圧接手段134において適切に位置合わされて
重ねられる。
【0113】加熱圧接手段134における制御処理につ
いて説明する。コントローラ106は、昇華性染料イン
クの拡散深さを調整(加熱熱量を調整)すべく、加圧熱
ローラ165および加熱ローラ119の加熱温度、加圧
熱ローラ165の押圧力、シート送り速度およびメディ
ア送り速度を決定する。コントローラ106により、加
圧熱ローラ165および加熱ローラ119を決定された
所定の加熱温度で発熱駆動する。なお、このとき、両ロ
ーラ119,165の赤外線ランプ127,167を立
ち上げ、画像転写後のメディア本体AMの変形(反り)
を阻止するべく、両ローラ119,165を個々に温度
コントロールしてもよい。
【0114】つづいて、シート送り手段131およびメ
ディア送り手段112(送込みローラ118)により、
インク受像シートISおよびメディア本体AMが両ロー
ラ119,165間で位置合わされるように送り込まれ
てゆく。そして、シート送り手段131およびメディア
送り手段112(加熱ローラ119)は、上記加熱温度
に基づいた送り速度で且つ調整された加圧熱ローラ16
5の押圧力で、インク受像シートISおよびメディア本
体AMを同時に回転送りする。なお、この場合、例え
ば、それぞれの送り速度を一定とし、加熱温度のみを制
御して、加熱熱量の制御を簡単に行ってもよい。
【0115】このようにして、インク受像シートISお
よびメディア本体AMは、先方に送られつつ幅方向に加
圧熱ローラ165および加熱ローラ119が転接して、
送り方向先端側から線接触加圧且つ加熱が行われ、その
界面に噛み込むエアーを順次押し出されながら加熱がな
されてゆく。すなわち、インク受像シートISおよびメ
ディア本体AMの双方は、所定の時間かけて先方へと送
られることで、インク受像シートISからメディア本体
AMに本画像77が熱転写されてゆく。そして、インク
受像シートISは、メディア本体AMから分離するよう
にして巻き取られてゆき、一方本画像77を定着したメ
ディア本体AMは、メディア排出口108から送り出さ
れ、ユーザの手に渡るようになる。
【0116】なお、加熱圧接処理の際に、エネルギー効
率を考慮して加圧熱ローラ165のみの発熱駆動であっ
てもよい。また、メディア本体AMに両面印刷・転写を
行う場合には、片面印刷後の印刷用メディアCをメディ
ア排出口108から排出させ、これを表裏反転させて再
びメディア供給手段111に導入すればよく、加熱圧接
手段134による加熱処理を表裏両側から同時に行って
もよい。また、本実施形態では、加圧熱ローラ165に
よるインク受像シートISを挟んだメディア本体AMの
圧接に対する受けとして、加熱ローラ119を用いた
が、これに限るものでない。例えば、メディア本体AM
の圧接に対する受けをベルト式として構成し、その搬送
ベルトでメディア本体AMの下面を支持(載置)した状
態で、メディア搬送路110に沿ってメディア本体AM
を上方の加圧熱ローラ165に臨ませるように搬送して
もよい。
【0117】以上のような画像形成装置1によれば、第
1実施形態と同様に、筐体102内の一連の処理動作に
おいて、印刷手段132・乾燥手段133によりインク
受像シートISに本画像77の印刷・乾燥を行うと共
に、加熱圧接手段134により昇華性染料インクを拡散
させてメディア本体AMに本画像77を形成することが
できる。これにより、第1実施形態と同様に、プレ画像
75を消去・改ざんする偽造に対して、その防止に有効
なメディア本体AMを作成することができる。
【0118】次に、図8を参照して第3実施形態にかか
る画像形成装置・方法について説明する。本実施形態で
は、昇華性染料インクとして、同一の加熱熱量に対しそ
れぞれ拡散深さの異なる複数種のものを用意し、この複
数種の昇華性染料インクを用いて本画像を形成してい
る。このため、同図に表すように本画像77は、加熱に
より、画像の領域(画素単位)によって、自動的に昇華
性染料インクの拡散深さが異なるものとなっている。な
お、同図においてはプレ画像75の図示を省略した。
【0119】昇華性染料インクの拡散深さは、上記のよ
うに加熱熱量により調整可能であるが、複数種のものに
対しては、易昇華性を発揮する材料の含有量を調整する
ことにより、調整されている。これにより、昇華性染料
インクの定着(拡散)が複雑な様態となる本画像77を
簡単に作成することができ、プレ画像75はもとより本
画像77をも消去しようとする偽造、すなわち層を引き
剥いで行われる偽造・変造に対し特に有用となる。
【0120】また、複数種の昇華性染料インクは、色違
いであることが好ましい。すなわち、上記第1実施形態
および第2実施形態にかかる4色(Y,M,Cおよび
K)の昇華性染料インクは、易昇華性を発揮する材料の
含有量を調整されることで、同一の加熱熱量に対しそれ
ぞれ拡散深さが異なるものとして構成されている。この
ため、印刷されたカラー画像である本画像77は、各イ
ンクや各インクの混色量によって自動的に拡散深さが異
なるようになっている。
【0121】例えば、図9に表すように、シアン(C)
が180℃の加熱温度で、マゼンタ(M)が200℃の
加熱温度で完全に昇華するように調整しておき、実際の
加熱処理温度を190℃に設定して行うと、シアン
(C)は深く浸透し、マゼンタ(M)はそれよりも浅く
浸透し、シアン(C)およびマゼンタ(M)を混色した
ものはこれらの中間に浸透することとなる。なお、図9
においても、プレ画像75の図示は省略している。
【0122】もっとも、インクカートリッジには、上記
4色に加え、これらにライトシアン(LC)およびライ
トマゼンタ(LM)の2色を加えた計6色のインクを充
填してもよく、さらには、シアン(C)およびライトシ
アン(LC)等の同色間において拡散深さを異なるもの
として構成してもよい。これにより、印刷された本画像
77は、同色間においても、各同色インクを単独または
組み合わせて印刷されているか否かにより、拡散深さが
異なるものとなり、その結果、インク定着がより複雑な
様態の画像として形成される。
【0123】なお、上記いずれの実施形態においても、
メディア本体AMの実質的にインク定着可能な層とし
て、透明層71および基材層70とし、この2層に亘っ
て本画像77が形成可能にしたが、もちろん、その他の
インク定着可能な定着層(例えば、違う透明層)を複数
積層したものとして構成し、本画像77を2層以上に亘
って形成してもよい。なお、この場合にはプレ画像75
は、本画像77が形成される少なくとも2つの定着層の
うち、メディア本体AMの表面側の定着層に含まれてい
ることが好ましい。
【0124】また、上記各実施形態において、プレ画像
75を印刷画像として形成したが、プレ画像75は、こ
れに限らず昇華性染料インクの積層方向の拡散を抑制又
は阻止する描画材料で形成されていればよく、例えばホ
ログラムフィルムで構成されていてもよい。なお、ホロ
グラムフィルムは、メディア本体の透明層(或いは基材
層)の表面の一部に熱プレス機等を介して加熱圧着さ
れ、微細な凹凸を有した表面のレリーフ面により、光学
変調機能を有して光の反射を代えて演出する。
【0125】
【発明の効果】本発明の画像形成方法および画像形成装
置によれば、偽造対象となるプレ画像を昇華性染料イン
クの拡散を抑制又は阻止する材料で形成しておき、昇華
性染料インクから成り且つプレ画像に少なくとも一部が
重複する本画像を含浸保持したインク受像シートを、プ
レ画像を形成したメディア本体に重ねた状態で加熱処理
しているため、プレ画像廻りにおいて本画像のインク定
着密度に差異が生じ、プレ画像を消去・改ざんする偽造
に対して、その防止に有効なメディア本体を簡単に作成
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の内部
構造を模式的に表した断面構造図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る画像形成装置に用い
る、(a)廉価印刷用メディアの積層構造を示す断面
図、(b)高級印刷用メディアの積層構造を示す断面
図、(c)これらの平面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る画像形成層におい
て、印刷用メディアに画像が形成されてゆく様子を示す
断面模式図である。
【図4】画像形成後において偽造前後の印刷用メディア
を表しており、(a)偽造前のメディア本体の平面図、
(b)偽造目的にプレ画像を消去した状態のメディア本
体の平面図、(c)偽造目的にプレ画像を消去した状態
のメディア本体の断面図、(d)偽造後のメディア本体
の平面図である。
【図5】第2実施形態に係る画像形成装置の内部構造を
模式的に表した断面構造図である。
【図6】第2実施形態に係る画像形成装置に用いる、
(a)廉価メディア本体の積層構造を示す断面図、
(b)高級メディア本体の積層構造を示す断面図、
(c)これらの平面図、(d)インク受像シートの積層
構造を示す断面図である。
【図7】第2実施形態に係る画像形成装置において、イ
ンク受像シートからメディア本体へと画像が形成されて
ゆく様子を示す断面模式図である。
【図8】第3実施形態に係る画像形成方法・装置におい
て、メディア本体に画像が形成されてゆく様子を示す断
面模式図である。
【図9】第3実施形態の変形例を示し、画像を形成した
メディア本体の例を示す断面模式図である。
【符号の説明】
1 画像形成装置 2 筐体 3 装置本体 4 プリント部 5 ヒータ部 8 搬送路 9 コントローラ 11 印刷装置 12 供給装置 13 プリント部搬送
装置 14 プリント側コントローラ 16 加熱装置 17 ヒータ部搬送装置 18 ヒータ側コント
ローラ 19 メディア移載装置 20 ヘッドユニット 50 照射ユニット 70 基材層 71 透明層 72 フッ素フィルム
層 75 プレ画像 77 本画像 101 画像形成装置 102 筐体 103 装置本体 104 メディア部 105 シート部 106 コントローラ 110 メディア搬送路 111 メディア供給
手段 112 メディア送り手段 130 シート走行路 131 シート送り手段 132 印刷手段 133 乾燥手段 134 加熱圧接手段 C 印刷用メディア AM メディア本体 IS インク受像シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 美濃羽 嘉樹 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 Fターム(参考) 2C005 HA01 HB01 JA02 JA26 LA20 2C056 EA13 EC14 EC29 FB01 FC06 FD03 FD13 HA29 2H086 BA01 BA02 BA05 BA19 BA56

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面側の一部に偽造対象となるプレ画像
    を形成したメディア本体を用い、 昇華性染料インクにより本画像を印刷したインク受像シ
    ートを、当該本画像が前記プレ画像の少なくとも一部に
    重なるように前記メディア本体の表面に重ね、 この状態で加熱処理を行い、前記インク受像シートに含
    浸保持した前記昇華性染料インクを前記メディア本体に
    積層方向に拡散させて本画像を形成する画像形成方法で
    あって、 前記プレ画像は、前記昇華性染料インクの積層方向への
    拡散を抑制又は阻止する描画材料で形成されていること
    を特徴とする画像形成方法。
  2. 【請求項2】 前記プレ画像は、前記メディア本体に熱
    圧着されたホログラムフィルムで構成されていることを
    特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 【請求項3】 前記プレ画像は、前記メディア本体に予
    め印刷された印刷画像であることを特徴とする請求項1
    に記載の画像形成方法。
  4. 【請求項4】 前記印刷画像は、速乾性のインクを用い
    て印刷されていることを特徴とする請求項3に記載の画
    像形成方法。
  5. 【請求項5】 前記本画像は、インクジェット方式によ
    り印刷されていることを特徴とする請求項1ないし4の
    いずれかに記載の画像形成方法。
  6. 【請求項6】 前記メディア本体は、インク定着可能な
    複数の定着層を積層して成り、 前記プレ画像は、任意の1つの定着層の表面に形成さ
    れ、 前記本画像は、前記任意の1つの定着層の表面から3μ
    m以上の深さ位置に定着されることを特徴とする請求項
    1ないし5のいずれかに記載の画像形成方法。
  7. 【請求項7】 前記インク受像シートは、前記メディア
    本体に貼着されて一体に構成されており、 前記定着工程に先立ち、前記インク受像シートに前記本
    画像の印刷を行う印刷工程を備え、 前記印刷工程において、前記本画像が前記プレ画像の少
    なくとも一部に重なるように印刷を行うことを特徴とす
    る請求項1ないし6のいずれかに記載の画像形成方法。
  8. 【請求項8】 前記インク受像シートは、加熱すること
    により易剥離性を発揮する材料で構成されていることを
    特徴とする請求項7に記載の画像形成方法。
  9. 【請求項9】 前記メディア本体と前記インク受像シー
    トとは、別体に構成されており、 前記定着工程に先立ち、前記インク受像シートに前記本
    画像の印刷を行う印刷工程と、 印刷後の前記インク受像シートを前記メディア本体に重
    ね合わせる重合工程とを備え、 前記重合工程において、前記本画像が前記プレ画像の少
    なくとも一部に重なるように重ね合わせることを特徴と
    する請求項1ないし6のいずれかに記載の画像形成方
    法。
  10. 【請求項10】 前記メディア本体が、カードであるこ
    とを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の画
    像形成方法。
  11. 【請求項11】 表面側の一部に偽造対象となるプレ画
    像を形成したメディア本体を用い、 昇華性染料インクにより本画像を印刷したインク受像シ
    ートを、当該本画像が前記プレ画像の少なくとも一部に
    重なるように前記メディア本体の表面に重ね、 この状態で加熱処理を行い、前記インク受像シートに含
    浸保持した前記昇華性染料インクを前記メディア本体に
    積層方向に拡散させて本画像を形成する画像形成装置で
    あって、 前記プレ画像は、前記昇華性染料インクの積層方向への
    拡散を抑制又は阻止する描画材料で形成されていること
    を特徴とする画像形成装置。
  12. 【請求項12】 前記プレ画像は、前記メディア本体に
    熱圧着されたホログラムフィルムで構成されていること
    を特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
  13. 【請求項13】 前記プレ画像は、前記メディア本体に
    予め印刷された印刷画像であることを特徴とする請求項
    11に記載の画像形成装置。
  14. 【請求項14】 前記印刷画像は、速乾性のインクを用
    いて印刷されていることを特徴とする請求項13に記載
    の画像形成装置。
  15. 【請求項15】 前記本画像は、インクジェット方式に
    より印刷されていることを備えたことを特徴とする請求
    項11ないし14のいずれかに記載の画像形成装置。
  16. 【請求項16】 前記メディア本体は、インク定着可能
    な複数の定着層を積層して成り、 前記プレ画像は、任意の1つの定着層の表面に形成さ
    れ、 前記本画像は、前記任意の1つの定着層の表面から3μ
    m以上の深さ位置に定着されることを特徴とする請求項
    11ないし15のいずれかに記載の画像形成装置。
  17. 【請求項17】 前記インク受像シートは、前記メディ
    ア本体に貼着されて一体に構成されており、 前記インク受像シートに前記本画像を、前記プレ画像の
    少なくとも一部に重なるように印刷する印刷手段を備え
    たことを特徴とする請求項11ないし16のいずれかに
    記載の画像形成装置。
  18. 【請求項18】 前記インク受像シートは、加熱するこ
    とにより易剥離性を発揮する材料で構成されていること
    を特徴とする請求項17に記載の画像形成装置。
  19. 【請求項19】 前記メディア本体と前記インク受像シ
    ートとは、別体に構成されており、 前記インク受像シートに前記本画像を印刷する印刷手段
    と、 印刷後の前記インク受像シートを、前記本画像が前記プ
    レ画像の少なくとも一部に重なるように前記メディア本
    体に重ね合わせる重合手段とを備えたことを特徴とする
    請求項11ないし16のいずれかに記載の画像形成装
    置。
  20. 【請求項20】前記メディア本体が、カードであること
    を特徴とする請求項11ないし19のいずれかに記載の
    画像形成装置。
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US7462241B2 (en) 2004-10-27 2008-12-09 Seiko Epson Corporation Pattern forming system, pattern forming method, and electronic apparatus

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