JP2002211105A - 画像形成方法およびこれに用いる印刷用メディア - Google Patents

画像形成方法およびこれに用いる印刷用メディア

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JP2002211105A
JP2002211105A JP2001004973A JP2001004973A JP2002211105A JP 2002211105 A JP2002211105 A JP 2002211105A JP 2001004973 A JP2001004973 A JP 2001004973A JP 2001004973 A JP2001004973 A JP 2001004973A JP 2002211105 A JP2002211105 A JP 2002211105A
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Yoshiki Minowa
嘉樹 美濃羽
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カードのようなメディアに対し、光源からの
放射熱を一様に吸収し且つ効率良く伝熱させて、高品質
な画像を形成することができる画像形成方法およびこれ
に用いる印刷用メディアを提供することを目的とする。 【解決手段】 メディア本体95と、その表面に剥離可
能に積層した暗色系で構成されたインク受像層92とか
らなる印刷用メディアCを用い、インク受像層92に昇
華性染料インクを用いて画像の印刷を行う印刷工程と、
印刷工程の後、ランプ光源で加熱処理しインク受像層9
2に保持した昇華性染料インクをメディア本体95の表
面に拡散・発色させて画像を形成する転写工程と、転写
工程の後、メディア本体95からインク受像層92を剥
離する剥離工程とを備えた画像形成方法であって、メデ
ィア本体95は、基材層90の表面に積層され昇華性染
料インクを拡散・発色させるインク定着層91を有する
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、昇華性染料インク
を使用して印刷を行う画像形成方法およびこれに用いる
印刷用メディアに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、昇華性染料インクを使用して
印刷用メディアにカラー画像を形成する、一般的な昇華
型プリンタには、サーマル方式とインクジェット方式と
の2種類のものがよく知られている。このうちインクジ
ェット方式のものは、昇華性染料インクを受容するイン
ク受容層を表面に予めコーティングした印刷用メディア
に対し、昇華性染料インクを吐出して印刷した後、この
インク滴を昇華・拡散すべく印刷用メディアをランプ光
源などで加熱処理してカラー画像を形成するものであ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の画像
形成方法では、インク受容層に受容されたインク滴のカ
ラー種別(明度)により、加熱処理において、ランプ光
源に対する熱吸収性が異なるため、吸収される熱が印刷
されたキャラクタの明度により一定とならず、カラー印
刷におけるインクの定着の度合いが異なるものとなって
いた。すなわち、明色系の画像は、光を反射するため、
暗色系の画像に比べて熱を吸収しにくかった。このた
め、鮮明さを欠くカラー画像となっていた。
【0004】本発明は、昇華性染料インクを使用してカ
ードのようなメディアに対し、光源からの放射熱を一様
に吸収し且つ効率良く伝熱させて、高品質な画像を形成
することができる画像形成方法およびこれに用いる印刷
用メディアを提供することをその目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の画像形成方法
は、メディア本体と、メディア本体の表面に剥離可能に
積層したインク受像層とを有する印刷用メディアを用
い、インク受像層に昇華性染料インクを用いて画像の印
刷を行う印刷工程と、印刷工程の後、ランプ光源を加熱
源として印刷用メディアを加熱処理して、インク受像層
に保持した昇華性染料インクをメディア本体の表面に拡
散・発色させて画像を形成する転写工程と、転写工程の
後、メディア本体からインク受像層を剥離する剥離工程
とを備えた画像形成方法であって、メディア本体は、基
材層と、基材層の表面に積層され昇華性染料インクを拡
散・発色させるインク定着層とを有し、インク受像層
は、暗色系で構成されていることを特徴とする。
【0006】この構成によれば、先ず印刷工程で行う画
像の印刷を、印刷用メディアに対して昇華性染料インク
を使用して行うと、昇華性染料インクがインク受像層に
含浸保持される。この状態で、転写工程で、印刷用メデ
ィアをランプ光源で加熱処理すると、この昇華性染料イ
ンクは、下層のインク定着層の奥部にまで分子レベルで
蒸発・拡散し、発色することで画像が形成される。その
後、剥離工程で、インク受像層をメディア本体から剥が
し、インク定着層を露出させることで、簡易的に高耐久
な画像を形成した印刷用メディアが提供される。この場
合、昇華性染料インクを一時的に保持可能なインク受像
層を介在させて、且つインク受像層を暗色系(例えばグ
レー)としているため、転写工程において、ランプ光源
から熱放射される光(熱)を効率良く且つ一様に吸収す
ることができる。すなわち、印刷される画像がカラー画
像であっても、暗色であるその画像周りが均一に熱を吸
収して、画像に熱が一様に伝導される。したがって、加
熱処理において、ランプ光源に対する熱吸収性が一定と
なるため、印刷ムラのない高品質な印刷画像をインク定
着層、すなわちメディア本体の表面に転写することがで
きる。なお、インク受像層を暗色系とするには、暗色の
材料で構成、あるいは暗色の染料等で着色する構成、ま
たは印刷に影響の出ない暗色の層をインク受像層の表層
に塗着(コーティング)する構成が考えられる。また、
インク受像層をメディア本体の表面に積層するには、層
状となるように塗着して形成してもよいし、別体からな
る粘着性を有するインク受像層(インク受像シート)を
接着して形成してもよい。また、インク受像層を、メデ
ィア本体よりひと回り大きい構成とすることが好まし
く、これによれば、メディア本体に対しその縁端まで印
刷を適切に行うことができる(全面印刷)。また、熱吸
収が最も良好な暗色としては黒色が好ましいが、中間色
を採用することで、インク受像層に昇華性染料インクが
含浸後の画像を適切に確認することができる。さらに、
印刷工程がサーマル方式である場合には、転写工程にお
いて改めて加熱処理を行うことが好ましい。
【0007】この場合、メディア本体には、インク定着
層とインク受像層との間に位置して、フッ素フィルム層
が積層されていることが、好ましい。
【0008】この構成によれば、インク受像層に保持さ
れた昇華性染料インクは、印刷用メディアが加熱処理さ
れることで、フッ素フィルム層を透過してインク定着層
に拡散し定着する。そして、インク受像層を剥離した状
態のメディア本体は、フッ素フィルム層を最表層とし
て、インク定着層に定着した画像を保護する。これによ
り、画像は、ラミネートフィルムと同様なフッ素フィル
ム層に適切に保護されるようになると共に、フッ素フィ
ルム層の特性により、メディア本体表面は、より一層耐
候性、耐光性、耐熱性、耐擦性、耐磨耗性および耐薬品
性を有して、光沢のあるものとなる。
【0009】これらの場合、インク受像層は、加熱する
ことにより易剥離性を発揮する材料で構成されているこ
とが、好ましい。
【0010】この構成によれば、転写工程の加熱処理に
より、インク受像層は、簡単に剥がれ得る状態となる。
これにより、剥離工程において、メディア本体からイン
ク受像層を極めて容易に剥離させることができるように
なると共に、加熱処理前には簡単に剥がれることがな
く、取扱い性が悪化することがない。
【0011】これらの場合、インク受像層は、メディア
本体の表裏両側に積層されており、表側のインク受像層
と裏側のインク受像層とは、色彩が異なることが、好ま
しい。
【0012】この構成によれば、両側のインク受像層の
明度または彩度が異なるため、外見上、印刷用メディア
の表裏の区別を容易ならしめることができるようにな
る。これは特に、印刷用メディアの表裏両面に印刷を行
う場合に有効である。
【0013】これらの場合、メディア本体が、カードで
あることが、好ましい。
【0014】この構成によれば、カード上に高品質な印
刷画像を作成することができる。例えば、免許証等の写
真画像に対しても、耐擦性を有し且つ高品質な画像を提
供することができる。
【0015】これらの場合、印刷工程における印刷が、
インクジェット方式で行われることが、好ましい。
【0016】この構成によれば、鮮明な印刷画像を提供
することができる。また、特に秘密情報に係る部分(例
えば、バーコード)をインクジェット方式で印刷するこ
とにより、秘密情報の漏洩を適切に阻止することができ
る。すなわち、インクジェット方式では、サーマル方式
の熱転写プリンタで形成されるインクリボン上の画像打
抜き痕をインク受像層に生じさせることがない。
【0017】本発明の印刷用メディアは、請求項1ない
し6のいずれかの画像形成方法に用いることを特徴とす
るものである。
【0018】この構成によれば、高品質な画像を形成す
ることができる印刷用メディアを提供することができ
る。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明の一実施形態に係る画像形成方法およびこれに用いる
印刷用メディアについて説明する。この画像形成方法
は、一般的な印刷用メディアに対し、昇華性染料インク
を用いて、文字、図形、背景等の画像の印刷を行い、印
刷後の印刷用メディアを加熱処理することで画像を形成
するものである。この場合、一般的な印刷用メディア
は、ロール紙、印刷テープ、単票紙、あるいはカード等
で構成されている。以下では、印刷用メディアをカード
とし、本発明の一実施形態に係る画像形成方法を装置化
した、カード用の画像形成装置について説明する。
【0020】図1は、カード用の画像形成装置の内部構
造を表した斜視図であり、図2は、その断面図であり、
図3は、その平面図である。この画像形成装置1は、所
定の厚みを有するカードCに対し、これを送りながら昇
華性染料インクを用いてインクジェット方式で図形など
の画像の印刷を行い、印刷後のカードCを送りながらラ
ンプ光源による加熱処理で、画像を拡散・発色させるも
のである。また、この画像形成装置1は、カードCの両
面に画像を印刷することができるものである。
【0021】これらの図に示すように、この画像形成装
置1は、箱型の筐体2で外郭を形成した装置本体3の内
部に、中央部を境として左側のカードCに印刷を行うプ
リント部4と、右側の印刷後のカードCを加熱処理する
ヒータ部5とを備え、更にプリント部4およびヒータ部
5を制御するコントローラ9とを有している。筐体2の
プリント部4側の上隅部には、カードCを導入するため
のカード供給口6が形成され、また筐体2のヒータ部5
側の中間側部には、カードCを筐体2外部に送り出すた
めのカード排出口7が形成されている。また、装置本体
3には、カード供給口6とカード排出口7とを連通する
ようにして水平直線状のカードCの搬送路8が形成され
ている。
【0022】プリント部4は、左右のプリント部フレー
ム10に支持されており、往復動するヘッドユニット2
0によりカードCに印刷を行う印刷装置11と、カード
供給口6に導入されたカードCを一枚ずつ印刷装置11
に送り込む供給装置12と、供給装置12から受け取っ
たカードCを吸着して印刷装置11に臨ませるべくこれ
を搬送路8に沿って搬送するプリント部搬送装置13
と、これら各装置10,11,12,13を統括制御す
るプリント側コントローラ14とを有している。
【0023】供給装置12から一枚ずつ送られるカード
Cは、プリント部搬送装置13に受け渡され、ヘッドユ
ニット20の近傍を通過してヒータ部5に送られる。ヘ
ッドユニット20の下側を通過するカードCは間欠送り
され、これに対しヘッドユニット20が送り方向に直交
する方向に往復動して、カードCへの印刷が行われる。
すなわち、ヘッドユニット20の往復動とカードCの間
欠送りとが、印刷技術における主走査および副走査とな
って、昇華性染料インクを使用したインクジェット方式
の印刷が行われる。
【0024】ヒータ部5は、左右のヒータ部フレーム1
5に支持されており、プリント部4から送られてくる印
刷後のカードCを加熱処理する加熱装置16と、プリン
ト部搬送装置13から受け取ったカードCを搬送路8に
沿って搬送し加熱装置16を通過させると共にカード排
出口7から筐体2外に送り出すヒータ部搬送装置17
と、これら各装置16,17を統括制御するヒータ側コ
ントローラ18とを有している。プリント部4から送り
込まれたカードCは、その表裏両面をランプ光源からな
る加熱装置16で加熱処理されて、印刷済みの画像が定
着されて、カード排出口7から送り出されていく。
【0025】ところで、プリント部4とヒータ部5との
境間には、プリント部搬送装置13からヒータ部搬送装
置17にカードCを適切に受け渡すための反転移載装置
19が搬送路8に臨んで配設されている。反転移載装置
19は、プリント部フレーム10あるいはヒータ部フレ
ーム15に支持されており、カードCの裏面を印刷する
場合には、カードCをプリント部搬送装置13から受け
取ってこれを表裏反転させて、再度プリント部搬送装置
13に受け渡す。また、カードCをヒータ部5に移載す
るときには、反転後あるいはそのままヒータ部搬送装置
17に受け渡す。
【0026】プリント側コントローラ14とヒータ側コ
ントローラ18とは、一体のコントローラ9で構成され
ており、各種の制御を行うCPUと、上記の各種装置お
よび反転移載装置19を制御するための制御プログラム
や制御データを記憶するROMと、制御処理のための各
種作業領域となるRAMと、各種装置の駆動のための駆
動回路とを備えている。
【0027】このように、コントローラ9は、プリント
部4とヒータ部5とを個別且つ関連させて制御し、供給
されたカードCの両面に対し画像の印刷を行うと共に、
両面印刷後のカードCを加熱処理して画像を定着させ
て、カード排出口7から筐体2外へと排出する。ここ
で、画像形成装置1の各構成装置について説明するが、
その前にカードCについて詳細に説明する。
【0028】図4は、カードCの積層構造を表してお
り、本実施形態では(a)廉価カード、および(b)高
級カードの2種類のカードCが用意されている。両カー
ドCはともに、カードCの母体となるメディア本体95
と、メディア本体95の表裏両面に積層したインク受像
層92とからなる。メディア本体95は、基材層90
と、基材層90の表面に積層したインク定着層91とか
ら構成されている。すなわち、カードCは、基材層90
を挟んで表裏同一の部材積層形態となっており、表裏両
面に印刷が行われるようになっている。そして、図4
(b)のカードCは、インク定着層91とインク受像層
92との間に、ラミネートフィルムに代わるフッ素フィ
ルム層93を更に設けて構成されている。
【0029】基材層90は、PVC(ポリ塩化ビニ
ル)、PET(ポリエチレンテレフタレート)等のプラ
スチックフィルムや、合成紙などで構成され、カードC
全体の剛性を保持している。また、基材層90は、一般
的に主として白色系統で構成されている。インク定着層
91は、透明なPETフィルム等で構成され、印刷され
る昇華性染料インクが最終的に浸透する層となる。そし
て、メディア本体95の表面、すなわちインク定着層9
1の表面には、層状に塗着(コーティング)したインク
受像層92が積層されている。
【0030】インク受像層92は、ダイレクトに印刷さ
れる昇華性染料インクを一時的に保持可能な親水性の樹
脂材料で構成されており、さらに全体として暗色系(例
えばグレー)で構成されている。また、インク受像層9
2は、加熱することにより易剥離性を発揮する材料で構
成されている。すなわち、インク受像層92は、加熱前
には簡単に剥がれることはないが、加熱後には簡単に剥
がれ得る状態となる。
【0031】図5に示すように、インクジェット方式で
カードCに画像の印刷を行うと、昇華性染料インクのイ
ンク滴がインク受像層92に含浸保持される。このと
き、インク滴は、インク受像層92とその下層のインク
定着層91との界面近傍にまで浸透する。この状態で、
カードCをランプ光源で加熱すると、インク滴は、下層
のインク定着層91の奥部にまで分子レベルで移行す
る。すなわち、インク受像層92に保持されているイン
ク滴は、加熱によりインク定着層91で蒸発・拡散し、
発色する。これにより、画像がインク定着層91に定着
し形成される。その後、インク受像層92を剥がし、イ
ンク定着層91を外部に露出させることで、画像をイン
ク定着層91に定着したカードCが作成される。
【0032】この場合、インク受像層92が暗色系に構
成されているため、加熱処理において、ランプ光源から
熱放射される光(熱)を効率良く且つ一様に吸収するこ
とができる。すなわち、インク受像層92に含浸保持さ
れたカラーインク滴からなる画像であっても、暗色であ
るその画像周りが均一に熱を吸収し、カラーインク滴に
熱が一様に伝導される。したがって、カードCは、加熱
処理において、ランプ光源に対する熱吸収性が一定とな
るため、印刷ムラのない高品質な画像をインク定着層9
1に転写される。
【0033】ところで、図4(b)のフッ素フィルム層
93をも積層したカードCを使用してカードCに印刷を
行うと、同様に、インク滴がインク受像層161に含浸
保持される。そして、この状態で加熱処理すると、イン
ク滴がフッ素フィルム層93を透過してインク定着層9
1に拡散し定着する。そして、インク受像層92を剥離
した状態のカードCは、フッ素フィルム層93を最表層
として、インク定着層91に定着した画像を保護するこ
ととなる。これにより、画像形成後のカードCは、フッ
素フィルム層93の特性により、より一層耐候性、耐光
性、耐熱性、耐擦性、耐磨耗性および耐薬品性を有し
て、光沢のあるものとなる。
【0034】なお、インク受像層92を暗色系として構
成するには、暗色の樹脂材料で構成、あるいは暗色の染
料等で着色する構成、または印刷に影響の出ない暗色の
層をインク受像層92の表層に塗着(コーティング)す
る構成がある。また、カードCの表裏の区別を容易なら
しめるべく、表側のインク受像層92と、裏側のインク
受像層92とを異なる色彩で構成すればよい。これによ
れば、両側のインク受像層92の明度または彩度が異な
るため、カードCの表裏を間違うことなく印刷を適切に
行うことができるようになる。また、熱吸収が最も良好
な暗色としては黒色が好ましいが、中間色を採用するこ
とで、インク受像層92に含浸後の画像を適切に確認す
ることができる。
【0035】なお、インク定着層91にインク受像層9
2を予めコーティングしたカードCを用いたが、インク
受像層92をカードCとは別体に、すなわちインク受像
層92をインク受像シートとして構成し、このインク受
像シートをインク定着層91の表面に接着して形成して
もよい。この場合、インク受像シートに粘着性をもたせ
ることが好ましい。また、カードCの基材層90(イン
ク定着層91)より、ひと回り大きなインク受像シート
とすることが好ましく、これによれば、カードCに対し
その縁端まで印刷を適切に行うことができる(全面印
刷)。
【0036】なおまた、PVC等で構成された基材層9
0にも昇華性染料インクを定着させることができるた
め、カードCを透明層としてのインク定着層91を設け
ずに、基材層90のみで構成してもよい。
【0037】次に、図1ないし図3を参照して、プリン
ト部4の各構成装置について詳細に説明する。印刷装置
11は、ヘッドユニット20、駆動源となるキャリッジ
モータ21と、キャリッジモータ21の回転を受けてヘ
ッドユニット20を往復動させる往復動機構22とを備
えている。キャリッジモータ21は、プリント側コント
ローラ14に接続されている。ヘッドユニット20は、
下面に多数のノズルを形成したインクジェットヘッド2
7と、インクジェットヘッド27にインクを供給するイ
ンクカートリッジ28と、インクジェットヘッド27お
よびインクカートリッジ28を搭載したキャリッジ23
とで構成されている。インクカートリッジ28には、イ
エロー、シアン、マゼンタ、およびブラックの4色の昇
華性染料インクが充填されている。あるいは、これらに
ライトシアンおよびライトマゼンタの2色を加えた計6
色のインクを充填してもよい。
【0038】昇華性染料インクは、昇華性染料からなる
インクであり、熱により昇華性を発揮するものである。
上述のように、昇華性染料インクは、印刷においてイン
ク受像層92に一旦は含浸保持されると共に、加熱処理
においてその熱により下層のインク定着層91に移行
し、拡散・蒸発して発色する。
【0039】往復動機構22は、両端を左右のガイドフ
レーム24に支持されたキャリッジガイド軸25と、キ
ャリッジガイド軸25と平行に延在するタイミングベル
ト26とを有している。キャリッジ23は、キャリッジ
ガイド軸25に往復動自在に支持されていると共に、タ
イミングベルト26に一部が固着している。キャリッジ
23は、キャリッジモータ21により、プーリを介して
タイミングベルト26が正逆走行することで、キャリッ
ジガイド軸25に案内されて往復動する。そして、この
往復動の際に、インクジェットヘッド27から適宜イン
クが吐出されて、カードCへの印刷が行われる。
【0040】供給装置12は、駆動源となる供給モータ
30と、供給モータ30により回転する供給ローラ31
と、複数枚のカードCを積層してストックするカードカ
セット32と、カードCをプリント部搬送装置13に適
切にセットする第1セット機構33とを備えて構成され
ている。カードカセット32は、筐体2の一部を側方に
突出させて形成されており、内側の平面形状がカードC
の平面形状とほぼ同一に形成されている。また、カード
カセット32は、複数枚を重ねてセット可能な所定の深
さを有し、上部が蓋形式でカード供給口6に臨んでいる
と共に、閉塞状態ではばね34により積層した複数枚の
カードCを下方に押圧している。
【0041】供給ローラ31は、カードカセット32の
前部下側に配設され、積層され最下位に位置するカード
Cの前部下面に転接するようになっている。供給モータ
30は、プリント側コントローラ14に接続されてお
り、供給ローラ31の駆動を制御する。カードカセット
32を構成する前壁の下端は、最下位のカードCのみが
通過可能な位置まで下方に延びており、供給ローラ31
で最下位のカードCを送る場合に、その上側のカードC
が同時に送り移動しようとしてもこれを阻止するように
なっている。これにより、カードCは、一枚ずつ確実に
送り出される。
【0042】第1セット機構33は、搬送路8の基端側
に移動した後述する吸着テーブル40の直上部に位置
し、上下方向に移動自在の第1位置決め板35と、第1
位置決め板35の上下動の駆動源となる第1ソレノイド
36とで構成されている(図2参照)。第1ソレノイド
36は、プリント側コントローラ14に接続されてお
り、供給ローラ31と同期して駆動する。すなわち、供
給モータ30が駆動すると第1ソレノイド36が励磁
し、供給ローラ31が回転すると同時に、第1位置決め
板35が下動する。
【0043】弾かれるようにして供給ローラ31から送
られてきたカードCは、その先端部が第1ソレノイド3
6により端位置に下動した第1位置決め板35に当接し
て、吸着テーブル40に位置決めセットされる。この場
合、吸着テーブル40は、吸引を開始しており、第1位
置決め板35に突き当たったカードCは、そのまま吸着
テーブル40の表面に吸着される。
【0044】プリント部搬送装置13は、カードCを吸
着保持する方形の吸着テーブル40と、搬送路8に沿っ
て延在する左右一対のガイドレール41,41と、ガイ
ドレール41,41に案内させて吸着テーブル40を移
動させるプリント部搬送ベルト機構42とで構成されて
いる。吸着テーブル40は、特に図示しないが、上面に
多数の吸引孔を形成していると共に、この吸引孔に連な
る吸引ファン48を内蔵している。これにより、吸着テ
ーブル40は、その上面にカードCを水平に吸着載置す
る。両ガイドレール41,41は、左右のプリント部フ
レーム10にそれぞれ支持されていると共に、吸着テー
ブル40を上側に支持し、搬送路8に沿ったその移動を
安定にガイドする。
【0045】プリント部搬送ベルト機構42は、印刷装
置11を挟んで前後(基端側及び先端側)に対峙して配
設された一対のテーブル搬送プーリ44,44と、両テ
ーブル搬送プーリ44,44間に掛け渡したテーブル搬
送ベルト45と、基端側のテーブル搬送プーリ44を駆
動させるテーブル駆動モータ46とで構成されている。
テーブル搬送ベルト45は、一対のガイドレール41,
41間においてガイドレール41,41に平行に延在
し、一部には吸着テーブル40が固定片43を介して固
着されている。
【0046】テーブル駆動モータ46は、プリント側コ
ントローラ14に接続されており、このテーブル駆動モ
ータ46の回転により、基端側のテーブル搬送プーリ4
4を介してテーブル搬送ベルト45が正逆走行する。こ
れにより、吸着テーブル40は、両ガイドレール41,
41に左右をバランスよく支持案内されて搬送路8に沿
って往復走行可能となっている。
【0047】図2に表すように、吸着テーブル40に水
平に吸着載置されたカードCは、吸着テーブル40の移
動に伴って、印刷装置11へと移動する。吸着テーブル
40が印刷装置11手前に達すると、搬送路8上方に配
設されたテーブル検出センサ47に吸着テーブル40の
先端が検出され、プリント側コントローラ14は、上記
のヘッドユニット20および往復動機構22を駆動させ
る。これにより、ヘッドユニット20が往復動し、吸着
テーブル40を間欠送りしながら、カードCに画像の印
刷が行われる。そして、カードCへの印刷が完了する
と、吸着テーブル40は、カードCを吸着載置したま
ま、搬送路8に沿って先方へと走行し、カードCを反転
移載装置19に臨ませる。
【0048】反転移載装置19は、プリント部搬送装置
13の搬送路8の終端部(先端側)に位置し、吸着テー
ブル40の上方に配設された搬送ローラ70と、搬送ロ
ーラ70を駆動させる搬送モータ71と、搬送ローラ7
0の先方に位置し搬送ローラ70により転接されて送ら
れてきたカードCを受取りおよび受け渡し可能なキャッ
チャ72と、キャッチャ72の先方に位置しキャッチャ
72内のカードCの下表面に転接する送出しローラ80
を含む退避機構73とからなる。搬送ローラ70は、搬
送モータ71を介して正逆回転し、カードCの上表面に
転接する。すなわち、搬送ローラ70は、正回転するこ
とで吸着テーブル40からキャッチャ72へとカードC
を送り込み、逆回転することでキャッチャ72から送ら
れてくるカードCを吸着テーブル40上にセットする。
【0049】この場合、搬送路8の先端側に移動した吸
着テーブル40の直上部には、前述の第1セット機構3
3に対応した第2セット機構74が配設されている。第
2セット機構74は、第2位置決め板84と、第2ソレ
ノイド85とで構成されており、第2ソレノイド85が
搬送ローラ70に同期するようになっている。すなわ
ち、搬送モータ71が駆動すると第2ソレノイド85が
励磁し、搬送ローラ70が回転すると同時に、第2位置
決め板84が下動する。したがって、カードCは、その
先端部が第2位置決め板84に当接して、吸着テーブル
40の表面に位置決め吸着セットされる。
【0050】キャッチャ72は、搬送路8に臨んで対峙
した一対の回転操作板75,75で構成されている。一
対の回転操作板75,75は、カードCの幅に対応した
幅を有していると共に、回転中心側の基部がカードCの
厚み分の保持空隙を存して対面している。すなわち、上
側の回転操作板75は、ヒータ部5側へ片寄って延在
し、下側の回転操作板75はプリント部4側へ片寄って
延在している。そして、上側の回転操作板75の下側に
は、送出しローラ80が臨んでいる。カードCは、一対
の回転操作板75,75の保持空隙間を通過可能になっ
ていると共に、保持空隙間に保持可能となっている。
【0051】また、一対の回転操作板75,75は、設
けた軸ピン76によりプリント部フレーム10に回転自
在に支持されており、この軸ピン76に回転モータ77
が連結している。キャッチャ72は、回転モータ77の
回転により、軸ピン76を介して一対の回転操作板7
5,75が180度回転し、キャッチャ72内に保持し
たカードCを表裏反転させる。具体的には、180度の
角度で往復回動し、保持したカードCの表裏両面を反転
させて搬送路8に臨ませることができるようになってい
る。なお、一対の回転操作板75,75の保持空隙に
は、カードCを回転させたときに、カードCが抜け落ち
ないように、カードCの側端を弱く保存できるフェルト
等が設けられている(図示省略)。
【0052】退避機構73は、送出しローラ80と、送
出しローラ80の先方の当接板81と、送出しローラ8
0および当接板81を連結するリンク機構82と、リン
ク機構82を介して送出しローラ80および当接板81
を上下動させる駆動源となる退避ソレノイド83とを有
している。送出しローラ80は、駆動源となる送出しモ
ータにより、正逆回転可能に構成され、キャッチャ72
内のカードCの下面に転接する。すなわち、送出しロー
ラ80は、キャッチャ72と協働してキャッチャ72内
のカードCを、正回転することでヒータ部5に送り、逆
回転することでプリント部4(搬送ローラ70)に送
る。
【0053】当接板81は、送られてくるカードCの先
端部に適宜当接可能に配設され、ストッパとして機能し
ている。リンク機構82は、送出しローラ80および当
接板81を両端に支持しており、送出しローラ80と当
接板81とをシーソー様に上下動させる。そして、退避
ソレノイド83は、プリント側コントローラ14に接続
されていて、励磁することで、リンク機構82を介し
て、送出しローラ80と当接板81とを交互に上下動さ
せる。すなわち、送出しローラ80および当接板81
は、プリント側コントローラ14により、プリント部フ
レーム10あるいはヒータ部フレーム15の長孔に案内
されて、適宜交互に上下動するように制御されている。
【0054】ここで、カードCに両面印刷を行う場合
の、反転移載装置19からヒータ部搬送装置17までの
カードCの搬送の流れについて説明する。上表面を印刷
されて吸着テーブル40により送られてきたカードC
は、正回転の搬送ローラ70により、弾かれるようにし
てキャッチャ72内に送り込まれる。キャッチャ72内
に送り込まれたカードCは、端位置にある当接板81に
当接して停止し、キャッチャ72内に保持される。この
状態で、キャッチャ72を回転させると、カードCは、
その表裏が反転して搬送路8に再び臨む。ここで、送出
しローラ80を上動させ、カードCの下面(上記の上表
面)に転接させてこれをプリント部4側へ送り込む。プ
リント部4に送り込まれたカードCは、搬送ローラ70
と吸着テーブル40との間に噛み込まれるようにして、
さらにプリント部搬送装置13に送られ、第2位置決め
板84に当接して吸着テーブル40に吸着載置される。
【0055】続いて、カードCを載置した吸着テーブル
40は、一旦ヘッドユニット20を通過して、プリント
部4の搬送路8の基端に戻り、裏面の印刷動作に移行す
る。印刷装置11により、裏面にも画像が印刷された両
面印刷後のカードCは、再び反転移載装置19に臨み、
搬送ローラ70および送出しローラ80によりキャッチ
ャ72内を通過するようにして、ヒータ部5に送られて
ゆく。
【0056】なお、詳細は後述するが、ヒータ部5にお
けるカードCの搬送は、カードCの磁気エンコーダ部分
を下側にして行われる。したがって、両面印刷後のカー
ドCが、その磁気エンコーダ部分を上側にして反転移載
装置19に送られてきた場合には、ここでもう一度カー
ドCを表裏反転させてから、ヒータ部5に送り込まれ
る。より具体的には、供給ローラ31の搬送方向の先方
で、カードCの表裏(磁気エンコーダ部分の存否)を検
出可能なセンサを配設し(図示省略)、このセンサによ
る検出結果に基づいて、カードCは、ヒータ部5に送ら
れるようになっている。またなお、吸着テーブル40の
吸引ファン48は、特に吸引停止をすることなく駆動状
態を継続したままであってよい。
【0057】次にヒータ部5の各構成装置について詳細
に説明する。加熱装置16は、送られてゆくカードCに
非接触状態で臨む一対の照射ユニット50,50で構成
されている。一対の照射ユニット50,50は、搬送路
8を挟んで所定の間隙を存し相互に平行に対峙してお
り、加熱源となるハロゲンランプ51と、ハロゲンラン
プ51のランプ光を反射して集光する断面円弧状の集光
板52とをそれぞれ有している。すなわち、カードC
は、一対のハロゲンランプ51,51に対し一定の間隙
を保ちながら送られてゆく。
【0058】ハロゲンランプ51は、カードCを横断す
る幅方向(搬送方向に直交する方向)に延在しており、
左右両端部をヒータ部フレーム15に支持されている。
ハロゲンランプ51は、個々にヒータ側コントローラ1
8に接続されており、その加熱温度が制御されるように
なっている。なお、カードCに加える熱量制御は、ハロ
ゲンランプ51の加熱温度とカードCの搬送速度との二
つの要素で制御可能である。
【0059】集光板52は、ハロゲンランプ51を覆う
ようにして、左右両端部をヒータ部フレーム15に支持
されている。この場合、ハロゲンランプ51が波長の短
い光源であるため、カードCは、基材層90への伝熱を
抑えられた状態で、カードCの表面側、すなわち両イン
ク受像層92を適切に加熱されるようになる。
【0060】ヒータ部搬送装置17は、搬送路8に沿っ
て左右に対向配置した複数個のガイドローラ68からな
る一対の搬送ガイド60,60と、カードCを一対の搬
送ガイド60,60に案内させて後方から先方に押すよ
うに搬送するヒータ部搬送ベルト機構61とから構成さ
れている。ガイドローラ68は、全体としては、反転移
載装置19の下流側近傍からカード排出口7の近傍まで
列設されている。各ガイドローラ68は、中央部がくび
れた鼓状の形状を有しており、ヒータ部フレーム15の
内側に取り付けた図外のホルダーに回転自在に支持され
ている。カードCは、左右に平行して対峙するガイドロ
ーラ68の中央部位で左右両側端を挟持されると共に、
ガイドローラ68のフリー回転に乗じて先方への搬送を
安定にガイドされる。
【0061】ヒータ部搬送ベルト機構61は、照射ユニ
ット50を挟んで搬送路8の上流側および下流側に配設
した一対の従動プーリ62,62と、搬送路8の下側に
位置する照射ユニット50の下方に配設した駆動プーリ
63と、駆動プーリ63の駆動源となるヒータ部駆動モ
ータ64と、一対の従動プーリ62,62および駆動プ
ーリ63に掛け渡したヒータ部搬送ベルト65とで構成
されている。一対の従動プーリ62,62および駆動プ
ーリ63は、ヒータ部フレーム15に両端を支持された
プーリ軸66にそれぞれ回転可能に支持されている。ヒ
ータ部駆動モータ64は、ヒータ側コントローラ18に
接続され、駆動プーリ63の回転、すなわちヒータ部搬
送ベルト65の走行を制御する。
【0062】ヒータ部搬送ベルト65は、下側に位置す
る照射ユニット50の周りを周回するようにして掛け渡
されており、狭幅に構成されていると共に、表面に複数
個(図示では5個)の後押し爪67が等間隔に形成され
ている。より具体的には、ヒータ部搬送ベルト65の幅
は、カードCの磁気エンコーダ部分(磁気ストライプ)
に相当する幅で構成されていると共に、搬送するカード
Cの磁気エンコーダ部分に臨むように左右方向に位置決
めして掛け渡されている。
【0063】これにより、カードCにおける熱照射不要
部分にヒータ部搬送ベルト65を配置することができ
る。なお、カードCのインク受像層92を、磁気エンコ
ーダ部分を逃げるようにしてカードCの表面に部分的に
積層する形態で構成した場合には、ヒータ部搬送ベルト
65が、カードCの磁気エンコーダ部分に対する熱照射
を遮断することとなるため、加熱による磁気エンコーダ
部分への熱的影響を防止することができる。またなお、
ヒータ部搬送ベルト65は、耐熱性のシリコンベルトで
構成することが好ましい。
【0064】後押し爪67は、ヒータ部搬送ベルト65
のベルト移動に伴って、下側の照射ユニット50の周り
を周回する。より具体的には、後押し爪67は、左右の
搬送ガイド60,60に支持されたカードCの尾端部に
当接し、カードCを押すようにして周回移動する。した
がって、カードCは、一対の搬送ガイド60,60に左
右方向を支持され水平姿勢を維持された状態で、後押し
爪67の移動により先方へと押されるように搬送され、
加熱装置16に臨むと共に、カード排出口7へと送られ
てゆく。
【0065】また、ヒータ部搬送装置17には、後押し
爪67を検出する爪検出センサ69が配設されている。
爪検出センサ69は、ヒータ側コントローラ18に接続
されており、後押し爪67が反転移載装置19から送ら
れてくるカードCの尾端部に適切に当接し且つこれを押
す位置となるように、その位置を決定する。すなわち、
カードCを送る後押し爪67に先行する一つ前の後押し
爪67を所定の位置に停止させ、上記の送出しローラ8
0により弾かれるようにして送られてくるカードCのス
トッパとして機能させるようにしている。これにより、
カードCの尾端部が、ヒータ部搬送ベルト65の基端よ
り前方に位置して受け渡されるため、後押し爪67の掛
かりミスを防止している。
【0066】ヒータ側コントローラ18は、プリント側
コントローラ14の検出結果に基づいて加熱装置16お
よびヒータ部搬送装置17を制御している。より具体的
には、ヒータ側コントローラ18は、プリント側コント
ローラ14で検出したカードCの属性情報(基材層90
の材質やカードC全体の厚み等)に基づいて、ヒータ部
5における加熱温度およびカードCの搬送速度を決定す
る。
【0067】ヒータ側コントローラ18により、カード
Cの両面印刷に相前後して加熱装置16を立ち上げ、加
熱装置16をカードCの属性情報に基づいた所定の加熱
温度で発熱駆動させると、ヒータ部搬送装置17は、こ
の加熱温度に基づいた搬送速度でカードCを加熱装置1
6に臨ませながら、所定の時間をかけて先方へと搬送す
る。そして、ヒータ部搬送装置17でカードCをカード
排出口7から排出することで、ヒータ部搬送装置17お
よび加熱装置16の駆動を停止させる。なお、この場
合、例えば、ヒータ部搬送装置17によるカードCの搬
送速度を一定とし、加熱温度のみを制御して、加熱熱量
の制御を簡単に行ってもよい。また、カードCの搬送速
度を印刷解像度により決定するようにしてもよい。
【0068】このように、両面が加熱処理されてカード
排出口7から排出されたカードCに対し、ユーザは、両
インク受像層92をメディア本体95から剥離し、両イ
ンク定着層91(あるいはフッ素フィルム層93)を外
部に露出させることで、画像が両インク定着層91、す
なわちカードCの表裏両面に定着して形成されたカード
Cを作成することができる(図6参照)。
【0069】以上のように、本発明の一実施形態に係る
画像形成方法を適用したカード用の画像形成装置1によ
れば、インクジェット方式による鮮明で高品質なカラー
画像をカードC上に形成することができると共に、この
カラー画像をラミネート処理しないでも、耐擦性のある
カラー画像を有するカードCを提供することができる。
【0070】なお、インク受像層92をメディア本体9
5の表面に部分的に積層してもよい。例えば、特に秘密
情報に係る部分(例えば、バーコード)をインクジェッ
ト方式で印刷することにより、秘密情報の漏洩を適切に
阻止することができる。すなわち、インクジェット方式
では、サーマル方式の熱転写プリンタで形成されるイン
クリボン上の画像打抜き痕をインク受像層92に生じさ
せることがない。
【0071】なお、本実施形態では、カードCに両面印
刷を行う場合について詳述したが、もちろんカードCの
片面のみを印刷するべく、インク受像層92をカードC
の片面のみに積層してもよい。
【0072】また、本実施形態では、カードCへの印刷
をインクジェット方式によるものとしたが、サーマル方
式の印刷であってもよい。この場合には、カードCへの
サーマルヘッドによる印刷時における加熱に加えて、改
めてランプ光源による加熱処理をカードCに行うこと
で、より鮮明で高画質な画像をカードCに形成すること
ができる。
【0073】
【発明の効果】以上のように、本発明の画像形成方法に
よれば、ランプ光源による加熱処理において、暗色系に
構成したインク受像層が、熱放射される光(熱)を効率
良く且つ一様に吸収するため、インク受像層に含浸保持
された昇華性染料インクからなる画像がカラー画像であ
っても、暗色であるその画像周りが均一に熱を吸収し、
カラー画像に熱を一様に伝導させることができる。
【0074】また、この画像形成方法に用いる本発明の
印刷用メディアによれば、加熱処理において、ランプ光
源に対する熱吸収性が一定となるため、印刷ムラのない
高品質なカラー画像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成方法を適用
した、印刷用メディア(主としてカード)の画像形成装
置の内部構造を示す斜視図である。
【図2】画像形成装置の内部構造を示す断面図である。
【図3】画像形成装置の内部構造を示す平面図である。
【図4】印刷用メディアの積層構造を示す断面模式図で
ある。
【図5】印刷用メディアに画像が形成されてゆく様子を
示す断面模式図である。
【図6】印刷用メディアに画像が形成されてゆく様子を
示す平面模式図である。
【符号の説明】
1 画像形成装置 2 筐体 4 プリント部 5 ヒータ部 7 カード排出口 8 搬送路 9 コントローラ 11 印刷装置 12 供給装置 13 プリント部
搬送装置 14 プリント側コントローラ 16 加熱装置 17 ヒータ部搬送装置 18 ヒータ側コ
ントローラ 19 反転移載装置 20 ヘッドユニ
ット 40 吸着テーブル 41 ガイドレー
ル 42 プリント部搬送ベルト機構 45 テーブル搬
送ベルト 50 照射ユニット 51 ハロゲンラ
ンプ 52 集光板 60 搬送ガイド 61 ヒータ部搬送ベルト機構 63 駆動プーリ 65 ヒータ部搬送ベルト 67 後押し爪 70 搬送ローラ 72 キャッチャ 73 退避機構 75 回転操作板 80 送出しローラ 81 当接板 90 基材層 91 インク定着
層 92 インク受像層 93 フッ素フィ
ルム層 95 メディア本体 C カード

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メディア本体と、前記メディア本体の表
    面に剥離可能に積層したインク受像層とを有する印刷用
    メディアを用い、 前記インク受像層に昇華性染料インクを用いて画像の印
    刷を行う印刷工程と、前記印刷工程の後、ランプ光源を
    加熱源として前記印刷用メディアを加熱処理して、前記
    インク受像層に保持した前記昇華性染料インクを前記メ
    ディア本体の表面に拡散・発色させて画像を形成する転
    写工程と、前記転写工程の後、前記メディア本体から前
    記インク受像層を剥離する剥離工程とを備えた画像形成
    方法であって、 前記メディア本体は、基材層と、前記基材層の表面に積
    層され前記昇華性染料インクを拡散・発色させるインク
    定着層とを有し、 前記インク受像層は、暗色系で構成されていることを特
    徴とする画像形成方法。
  2. 【請求項2】 前記メディア本体には、前記インク定着
    層と前記インク受像層との間に位置して、フッ素フィル
    ム層が積層されていることを特徴とする請求項1に記載
    の画像形成方法。
  3. 【請求項3】 前記インク受像層は、加熱することによ
    り易剥離性を発揮する材料で構成されていることを特徴
    とする請求項1または2に記載の画像形成方法。
  4. 【請求項4】 前記インク受像層は、前記メディア本体
    の表裏両側に積層されており、 表側の前記インク受像層と裏側の前記インク受像層と
    は、色彩が異なることを特徴とする請求項1、2または
    3に記載の画像形成方法。
  5. 【請求項5】 前記メディア本体が、カードであること
    を特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の画像
    形成方法。
  6. 【請求項6】 前記印刷工程における印刷が、インクジ
    ェット方式で行われることを特徴とする請求項1ないし
    5のいずれかに記載の画像形成方法。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれかの画像形成
    方法に用いることを特徴とする印刷用メディア。
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