JP2002273958A - カード用の画像転写機構およびこれを備えたカード用の画像形成装置 - Google Patents

カード用の画像転写機構およびこれを備えたカード用の画像形成装置

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JP2002273958A JP2001076881A JP2001076881A JP2002273958A JP 2002273958 A JP2002273958 A JP 2002273958A JP 2001076881 A JP2001076881 A JP 2001076881A JP 2001076881 A JP2001076881 A JP 2001076881A JP 2002273958 A JP2002273958 A JP 2002273958A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非接触加熱処理時における、カードの反りを
好適に防止することができるカード用の画像転写機構お
よびこれを備えたカード用の画像形成装置を提供するこ
とを目的とする。 【解決手段】 昇華性染料インクで画像を印刷したイン
ク受像シートISを、カード本体50の表面に積層した
カードCに対し、加熱処理を行い、インク受像シートI
Sに保持した画像をカード本体50の表面に熱転写する
カード用の画像転写機構1において、カードCを加熱処
理する非接触ヒータ31と、カードCを非接触ヒータ3
1に水平に臨ませるカード載置台35とを備え、カード
載置台35は、カードCを吸着載置可能に構成されてい
ることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面に昇華性染料
インクで画像を印刷したインク受像シートを、カードに
積層してこれを加熱処理し、画像をカードの表面に熱転
写するカード用の画像転写機構およびこれを備えたカー
ド用の画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、この種の画像転写機構を組み
込んだ、昇華性染料インクを使用する一般的な昇華型プ
リンタには、サーマル方式とインクジェット方式との2
種類のものがよく知られている。このうちインクジェッ
ト方式のものは、昇華性染料インクを受容するインク受
像シートを表面に積層したカードに対し、昇華性染料イ
ンクを吐出して画像を印刷した後、この画像をカードの
表面に昇華・拡散(熱転写)すべく、カードを非接触ヒ
ータにより加熱処理するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、カードに
は、キャッシュカードやクレジットカード等の磁気カー
ドやICカードなど様々なものが知られているが、この
種のカードは、PET(ポリエチレンテレフタレート)
やPVC(ポリ塩化ビニル)等を基材層として、その表
面に保護層や転写層等を設けた複数層からなる積層構造
となっている。このため、画像を熱転写する場合に限ら
ず、カードを加熱すると、各層の熱膨張率の相違によ
り、カードに反りが生じてしまう問題がある。特に、昇
華性染料インクを完全に昇華させる200℃前後の温度
で加熱すると、インクの昇華前にカードの軟化温度(例
えば、基材層PETであれば、およそ80℃)に達して
しまい、カードが反って、熱転写が不安定になると共に
カード自体、商品価値を喪失してしまう。
【0004】そこで、本発明は、非接触加熱処理時にお
ける、カードの反りを好適に防止することができるカー
ド用の画像転写機構およびこれを備えたカード用の画像
形成装置を提供することをその目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のカード用の画像
転写機構は、昇華性染料インクで画像を印刷したインク
受像シートを、カード本体の表面に積層したカードに対
し、加熱処理を行い、インク受像シートに保持した画像
をカード本体の表面に熱転写するカード用の画像転写機
構において、カードを加熱処理する非接触ヒータと、カ
ードを非接触ヒータに水平に臨ませるカード載置台とを
備え、カード載置台は、カードを吸着載置可能に構成さ
れていることを特徴とする。
【0006】この構成によれば、カードは、裏面側を吸
着されカード載置台に載置された状態において、表面側
であるインク受像シートを非接触ヒータに水平に臨ませ
て加熱処理される。これにより、インク受像シートに保
持した昇華性染料インクがカード本体の表面(表層)に
分子レベルで移行し、発色して転写画像が形成される。
この場合、画像転写時において、カードの水平姿勢を吸
着力で維持することができるため、加熱によるカード
(カード本体)の反りを強制的に阻止することができ、
昇華性染料インクの移行を安定して且つ確実にカード本
体の表面に行うことができる。また特に、カード本体を
構成する各層の熱膨張率を考慮しなくて済む。なお、吸
着方法としては、静電気、エアーによる吸引力を利用す
ればよく、特に、カードをその裏面縁部に沿って環状に
吸着することが好ましい。
【0007】本発明の他のカード用の画像転写機構は、
昇華性染料インクで画像を印刷したインク受像シート
を、カード本体の表面に積層したカードに対し、加熱処
理を行い、インク受像シートに保持した画像をカード本
体の表面に熱転写するカード用の画像転写機構におい
て、カードを加熱処理する非接触ヒータと、カードを非
接触ヒータに水平に臨ませるカード載置台とを備え、カ
ード載置台は、粘着部材を介してカードを粘着載置可能
に構成されていることを特徴とする。
【0008】この構成によれば、カードは、裏面側を粘
着されカード載置台に載置された状態において、表面側
であるインク受像シートを非接触ヒータに水平に臨ませ
て加熱処理される。これにより、インク受像シートに保
持した昇華性染料インクがカード本体の表面に分子レベ
ルで移行し、発色して転写画像が形成される。この場
合、画像転写時において、カードの水平姿勢を粘着部材
の粘着力で維持することができ、加熱によるカード(カ
ード本体)の反りを強制的に阻止することができると共
に、昇華性染料インクの移行を安定して且つ確実にカー
ド本体の表面に行うことができる。また特に、カード本
体を構成する各層の熱膨張率を考慮しなくて済む。な
お、粘着部材は、耐熱性および剥離性の良好なシリコン
系の両面テープであることが好ましく、特に、カードを
そのカードの裏面縁部に沿って環状に粘着することが好
ましい。
【0009】本発明の他のカード用の画像転写機構は、
昇華性染料インクで画像を印刷したインク受像シート
を、カード本体の表面に積層したカードに対し、加熱処
理を行い、インク受像シートに保持した画像をカード本
体の表面に熱転写するカード用の画像転写機構におい
て、カードを加熱処理すると共に光熱源で構成された非
接触ヒータと、カードを非接触ヒータに水平に臨ませる
カード載置台と、カードを上側からカード載置台に押圧
する透光性の押圧板とを備えたことを特徴とする。
【0010】この構成によれば、カードは、裏面側をカ
ード載置台に載置され且つ表面側を透光性の押圧板に押
圧された状態で、非接触ヒータに水平に臨み押圧板を介
して加熱処理される。これにより、インク受像シートに
保持した昇華性染料インクがカード本体の表面に分子レ
ベルで移行し、発色して転写画像が形成される。この場
合、カードを表裏両側から挟持した状態で加熱処理する
ため、カードの水平姿勢を維持して、加熱によるカード
(カード本体)の反りを強制的に阻止することができ、
昇華性染料インクの移行を安定して且つ確実にカード本
体の表面に行うことができる。また特に、カード本体を
構成する各層の熱膨張率を考慮しなくて済む。なお、押
圧板は耐熱ガラスであることが好ましい。
【0011】この場合、押圧板には、インク受像シート
との接触面に離型剤が塗布されていることが、好まし
い。
【0012】この構成によれば、加熱に伴うインク受像
シートの押圧板への貼り付きを防止することができると
共に、インク受像シートから押圧板への昇華性染料イン
クのにじみ拡散を防止することができ、画像を忠実に転
写することができる。なお、離型剤は、クロロシリコン
で構成されていることが好ましい。
【0013】これらの場合、カード載置台の載置面およ
びカード本体の裏面の少なくとも一方が、フッ素コーテ
ィングされていることが、好ましい。
【0014】この構成によれば、カードに接触する載置
面および/またはカード本体の裏面がフッ素コーティン
グされているため、加熱によるカードのカード載置台へ
の貼り付きのみならず、融着をも好適に防止することが
できる。このため、加熱後においても、カードがカード
載置台から取り出し難くなることがない。なお、カード
にあっては、予めフッ素フィルム層を積層するようにし
てもよい。
【0015】また、本発明の他のカード用の画像転写機
構は、カード本体の表面に昇華性染料インクで画像を印
刷したインク受像シートを積層すると共に、四周縁部に
加熱処理後に切断される押え代を有するカードに対し、
加熱処理を行い、インク受像シートに保持した画像をカ
ード本体の表面に熱転写するカード用の画像転写機構に
おいて、カードを加熱処理する非接触ヒータと、カード
を非接触ヒータに水平に臨ませるカード載置台と、カー
ドを、少なくとも押え代の対向する2辺の部分で上側か
らカード載置台に押圧する押圧部材とを備えたことを特
徴とする。
【0016】この構成によれば、カードには、加熱処理
後に切断される押え代が予め設けられており、カード
は、少なくともこの押え代の対向する2辺を押圧部材に
よりカード載置台に押圧した状態で、非接触ヒータに水
平に臨ませて加熱処理される。これにより、インク受像
シートに保持した昇華性染料インクがカード本体の表面
に分子レベルで移行し、発色して転写画像が形成され
る。この場合、カードの押え代を押圧することで、カー
ドの水平姿勢を維持している。このため、画像転写時に
おいて、加熱によるカード(カード本体)の反りを強制
的に阻止することができ、昇華性染料インクの移行を安
定して且つ確実にカード本体の表面に行うことができ
る。また特に、カード本体を構成する各層の熱膨張率を
考慮しなくて済む。
【0017】この場合、押圧部材は、四周枠状に構成さ
れ、カードの四周縁部を押圧することが、好ましい。
【0018】この構成によれば、カードは、加熱による
反りが顕著となる四周縁端が枠状に押圧されるため、効
果的にその反りを防止することができる。
【0019】この場合、カードは、その表裏各面にイン
ク受像シートを重ねて構成され、且つ非接触ヒータは、
各インク受像シートに対応して対となるように2組設け
られており、カード載置台は、押圧部材に対応して四周
枠状に構成され、押圧部材により押圧されるカードの四
周縁部を受けることが、好ましい。
【0020】この構成によれば、カードを表裏両側から
加熱処理して、表裏各面に画像を熱転写することができ
る。また、表裏両側からの同時加熱により、熱膨張がカ
ードの表裏で同一となるため、カードの反りをより効果
的に防止することができる。
【0021】これらの場合、非接触ヒータは、遠赤外線
を主波長領域とするハロゲンランプで構成されているこ
とが、好ましい。
【0022】この構成によれば、カードに比較的エネル
ギー量の小さい長波長の遠赤外線を照射することがで
き、カードの内部まで均一に加熱することができると共
に、短波長の可視光等に比べて熱効率をあげることがで
きる。また、ハロゲンランプの加熱源は、早く立ち上が
るため、全体として熱効率をあげることができる。
【0023】また、本発明のカード用の画像形成装置
は、請求項1ないし9のいずれかに記載のカード用の画
像転写機構と、インク受像シートに昇華性染料インクを
用いてインクジェット方式で画像の印刷を行う印刷手段
とを備えたことを特徴とする。
【0024】この構成によれば、カードのインク受像シ
ートへの印刷と、印刷後のカードの加熱処理とを、単一
の装置で連続して行うことができる。また、インクジェ
ット方式であるため、高画質な転写画像を作成すること
ができる。なお、インク受像シートは、カードの表面に
コーティングすることで、予め積層されていてもよい
し、カードと別体で構成する、いわゆる転写シートとし
て構成してもよい。また、インク受像シートを、加熱に
より易剥離性を発揮する材料で構成し、加熱処理後のカ
ードから容易に除去可能な構成とすることが好ましい。
【0025】この場合、加熱処理後のカードを、カード
載置台に載置した状態で強制冷却する冷却手段を更に備
えたことが、好ましい。
【0026】この構成によれば、画像転写後のカード
は、カード載置台に載置されたままの状態で、冷却手段
により速やかに冷却される。このため、冷却後にカード
載置台からカードを取り出すと、反りのない真に水平の
カードを提供することができる。また、十分に冷却する
ことができるため、画像転写後のカードの取扱いに支障
を生じることがない。なお、冷却手段は、空冷であるこ
とが好ましい。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明の一実施形態に係るカード用の画像転写機構およびこ
れを備えたカード用の画像形成装置について説明する。
このカード用の画像形成装置は、キャッシュカードやク
レジットカードのような樹脂製のカードに対し、昇華性
染料インクを用いてインクジェット方式により図形、写
真、背景等の画像の印刷を行った後、印刷後のカードを
非接触状態でもって加熱処理し、このインクを昇華・拡
散させて画像を転写・形成するものであり、特に、この
加熱処理時におけるカードの反りを好適に防止すること
ができるものである。
【0028】図1は、カード用の画像形成装置の内部構
造を模式的に示した断面図である。同図に示すように、
このカード用の画像形成装置1は、箱型の装置ケース2
で外郭を形成した装置本体3の内部に、カードCを供給
するための供給手段4と、往復動するヘッドユニット2
0によりカードCに印刷を行う印刷手段5と、印刷後の
カードCを非接触状態で加熱処理する転写手段6(画像
転写機構)と、加熱処理後のカードCを冷却する冷却手
段7と、供給手段4から受け取ったカードCを吸着して
印刷手段5および転写手段6に臨ませるべくこれを搬送
する吸着搬送手段8と、冷却後のカードCを装置外部に
送り出す排出手段9とを備えている。また、この画像形
成装置1は、上記の各手段を統括制御するコントローラ
10を備えている。
【0029】また、装置ケース2の供給手段4側の上隅
部には、カードCを導入するためのカード供給口11が
形成され、また装置ケース2の排出手段9側の右中間側
部には、カードCを装置ケース2外部に送り出すための
カード排出口12が形成されている。さらに、装置本体
3には、カード供給口11とカード排出口12とを連通
するようにして、水平直線状のカードCの搬送路13が
構成されている。
【0030】このカード用の画像形成装置1は、導入さ
れ吸着搬送手段8に受け渡されたカードCを搬送路13
に沿って吸着搬送し、ヘッドユニット20の下側を通過
して昇華性染料インクを使用したインクジェット方式に
よる画像の印刷を行うと共に、印刷後に吸着状態のまま
転写手段6により加熱処理して、このインクを昇華・拡
散することで印刷画像を転写・形成して、装置ケース2
外に排出するものである。
【0031】ここで、カード用の画像形成装置1の各手
段について詳細に説明する前に、理解を容易にすべく、
カードCおよび画像形成のプロセスについて説明する。
図2は、カードCの積層構造を示す断面模式図であり、
図3は、カードCに画像が形成されてゆくプロセスを模
式的に表した断面模式図である。図2に示すように、本
実施形態では、(a)廉価カードCa、および(b)高
級カードCbの2種類のカードCが用意されている。両
カードCa、Cbはともに、最終的に使用される印刷済
みカードとなるカード本体50と、カード本体50の表
面に積層したインク受像シートISとから構成されてい
る。
【0032】カード本体50は、基材層51と、基材層
51の表面に積層したインク定着層52とで構成されて
いる(図2(a)参照)。また、図2(b)のカードC
bでは、インク定着層52の表面に、ラミネートフィル
ムに代わるフッ素フィルム層53が更に積層されてい
る。そして、図2(a)のカードCaでは、インク定着
層52の表面に、図2(b)のカードCbでは、フッ素
フィルム層53の表面に、粘着剤付のインク受像シート
ISが貼着されている。
【0033】基材層51は、PVC(ポリ塩化ビニ
ル)、PET(ポリエチレンテレフタレート)等のプラ
スチックフィルムや、合成紙などで構成され、カード本
体50の全体の剛性を保持している。また、基材層51
は、一般的に白色系で構成されている。インク定着層5
2は、透明なPETフィルム等で構成され、最終的に印
刷される昇華性染料インクが浸透する層となる。一方、
インク受像シートISは、ダイレクトに印刷される昇華
性染料インクを一時的に保持可能に構成されていると共
に、加熱することにより易剥離性を発揮する親水性の樹
脂材料で構成されている。すなわち、インク受像シート
ISの粘着剤は、加熱後にその貼着力が低下し簡単に剥
がれ得る状態となる。
【0034】図3に示すように、インク受像シートIS
をカード本体50に貼着した状態でインクジェット方式
による画像の印刷を行うと、昇華性染料インクのインク
滴がインク受像シートISに含浸保持される。このと
き、インク滴は、インク受像シートISとその下層の位
置するインク定着層52との界面近傍にまで浸透する。
この状態で、カードCを加熱すると、インク滴は、下層
のインク定着層52の奥部にまで分子レベルで移行す
る。すなわち、インク受像シートISに保持されている
インク滴は、加熱によりインク定着層52で昇華・拡散
し、発色する。これにより、画像がインク定着層52に
定着し形成される。その後、インク受像シートISを剥
がし、インク定着層52を外部に露出させることで、画
像をインク定着層52に熱転写したカードCが作成され
る。
【0035】この場合、図2(b)のフッ素フィルム層
53をも積層したカードCを使用して印刷を行うと、同
様に、インク滴がインク受像シートISに含浸保持され
る。そして、この状態で加熱処理すると、インク滴がフ
ッ素フィルム層53を透過してインク定着層52に拡散
し定着する。そして、インク受像シートISを剥離した
状態のカードCは、フッ素フィルム層53を最表層とし
て、インク定着層52で転写画像を保護することとな
る。これにより、画像形成後のカードCは、フッ素フィ
ルム層53の特性により、より一層耐候性、耐光性、耐
熱性、耐擦性、耐磨耗性および耐薬品性を有して、光沢
のあるものとなる。
【0036】なお、粘着剤付のインク受像シートISを
用いたが、インク受像シートISをインク定着層52に
層状に予めコーティング(塗布)したカードCとしても
よい。また、剥離することを考慮して、カードCに対し
インク受像シートISをひと回り大きなものとすること
が好ましい。これによれば、インク受像シートISに剥
離代を設けることができると共に、カードCに対しその
四周縁端まで印刷を適切に行うことができる(全面印
刷)。さらに、基材層51にもインクを定着させること
ができるため、コストダウンを考慮して、透明なインク
定着層52を省略することも可能である。
【0037】次に、カード用の画像形成装置1の各手段
について詳細に説明する。供給手段4は、複数枚のカー
ドCを積層してストックするカードカセット14と、駆
動源となる供給モータ15と、供給モータ15により回
転する供給ローラ16とで構成されている。カードカセ
ット14は、装置ケース2の一部を側方に突出させて形
成されており、内側の平面形状がカードCの平面形状と
ほぼ同一に形成されている。また、カードカセット14
は、複数枚のカードCを重ねてセット可能な所定の深さ
を有し、上部がカード供給口11に臨んでいると共に、
閉塞状態では積層され最上位に位置するカードCの上面
をばね17で押し下げる。
【0038】供給モータ15は、コントローラ10に接
続されており、供給ローラ16の回転を制御する。供給
ローラ16は、カードカセット14の前面下側に配設さ
れ、カードカセット14に積層され最下位に位置するカ
ードCの前部下面に転接するようになっている。カード
カセット14を構成する前壁の下端は、最下位のカード
Cのみが通過可能な位置まで下方に延びており、供給ロ
ーラ16で最下位のカードCを送る場合に、その上側の
カードCが同時に送り移動しようとしてもこれを阻止す
るようになっている。これにより、カードCは、一枚ず
つ確実に送り出されるようになっている。
【0039】印刷手段5は、ヘッドユニット20と、駆
動源となるキャリッジモータ21と、キャリッジモータ
21の回転を受けてヘッドユニット20を往復動させる
往復動機構22とを備えている。ヘッドユニット20
は、下面に多数のノズルを形成したインクジェットヘッ
ド24と、インクジェットヘッド24にインクを供給す
るインクカートリッジ25と、インクジェットヘッド2
4およびインクカートリッジ25を搭載したキャリッジ
23とで構成されている。キャリッジモータ21は、コ
ントローラ10に接続されている。インクカートリッジ
25には、イエロー、シアン、マゼンタ、およびブラッ
クの4色の昇華性染料インクが充填されている。なお、
これらにライトシアンおよびライトマゼンタの2色を加
えた計6色のインクを充填してもよい。
【0040】往復動機構22は、両端を図外のガイドフ
レームに支持されたキャリッジガイド軸26と、キャリ
ッジガイド軸26と平行に延在するタイミングベルト
(図示省略)とを有している。キャリッジ23は、キャ
リッジガイド軸26に往復動自在に支持されていると共
に、タイミングベルトに一部が固着している。キャリッ
ジ23は、キャリッジモータ21により、プーリを介し
てタイミングベルトが正逆走行することで、キャリッジ
ガイド軸26に案内されて往復動する。そして、この往
復動の際に、インクジェットヘッド24から適宜インク
が吐出されて、カードCへの印刷が行われる。
【0041】具体的には、ヘッドユニット20の下側を
通過するカードCは間欠送りされ、これに対しヘッドユ
ニット20が送り方向に直交する方向に往復動して、カ
ードCへの印刷が行われる。すなわち、ヘッドユニット
20の往復動とカードCの間欠送りとが、印刷技術にお
ける主走査および副走査となって、昇華性染料インクを
使用したインクジェット方式の印刷が行われる。
【0042】昇華性染料インクは、昇華性染料からなる
インクであり、熱により昇華性を発揮するものである。
上述のように、昇華性染料インクは、印刷においてイン
ク受像シートISに一旦は含浸保持されると共に、加熱
処理においてその熱により下層のインク定着層52に移
行し、蒸発・拡散して発色する。
【0043】転写手段6は、送られてきたカードCに非
接触状態で臨む照射ユニット30で構成されている。照
射ユニット30は、下方の搬送路13に所定の間隙を存
して臨んでおり、加熱源となる光源のハロゲンランプ3
1と、ハロゲンランプ31の照射光を拡散する平板状の
光拡散板32とを有している。カードCは、上方のハロ
ゲンランプ31に対し一定の間隙を保って、その送りが
停止状態で、光拡散板32を介してハロゲンランプ31
の熱放射による加熱処理がなされる。
【0044】ハロゲンランプ31は、カードCを横断す
る幅方向(搬送方向に直交する方向)に延在した、いわ
ゆる線状ヒータであり、コントローラ10に接続され、
その加熱温度が制御されるようになっている。立ち上が
りの早い加熱源のハロゲンランプ31であるため、全体
として加熱処理時間を短縮することができるようになっ
ている。
【0045】光拡散板32は、ハロゲンランプ31と搬
送路13(カードC)との間に介設され、所定の加熱面
積を有してカードCと平行に配設されている。より具体
的には、光拡散板32は、カードCに平行に対峙する耐
熱ガラスで構成され、カードCの表面を四周縁部までも
覆うように、カードCより一回り大きく形成されてい
る。また、光拡散板32は、カードCと僅かな間隙を存
して配置されている。これにより、線状光源たるハロゲ
ンランプ31から照射した光は拡散され、光拡散板32
は、カードCに対し面状光源として機能する。
【0046】このため、カードCは、搬送方向の前後両
端領域においても、ハロゲンランプ31の位置する中央
領域と同様に均一に照射されることとなる。したがっ
て、カードCは、その平面内において均一に熱放射され
るため、表面であるインク受像シートISの受熱熱量
が、平面方向において平準化されることとなる。そし
て、カードCは、この均一な面発光を受けて、インク受
像シートISの印刷画像が、カード本体50に熱転写さ
れてゆく。なお、光拡散板32を構成する耐熱ガラス
は、光透過率、熱拡散率、および熱伝導率の高い材料で
構成されることが好ましく、例えばネオセラム等を用い
ることが好ましい。
【0047】この場合、光拡散板32に光学フィルター
として機能するものを用いてもよい。すなわち、光拡散
板32が、ある特定波長の光のみを透過させ、他の波長
の光を吸収または反射するようにしてもよい。これによ
り、カードCは、幅広い波長領域からなる照射光が遮光
されて、ある一定波長の照射光のみで熱放射されること
となるため、受光するエネルギー量(受熱熱量)にばら
つきを生じさせなくて済む。すなわち、照射光の波長の
エネルギー量の相違に基づく、昇華性染料インクの拡散
深さの変化を防止して、カードCをその厚さ方向(積層
方向)に均一に加熱することができる。
【0048】具体的には、光拡散板32が、長波長の遠
赤外線の光のみを透過するように構成されることで、カ
ードCへの照射光を遠赤外線とし、インク受像シートI
Sを焼くようなエネルギー量の大きい短波長の可視光線
等を遮光することができる。これにより、カードCをそ
の内部(基材層51)まで均一に加熱させることができ
ると共に、可視光等に比べて熱効率を向上することもで
きる。もっとも、光拡散板32とは別に、単体として構
成した光学フィルターを照射ユニット30に組み込んで
もよい。この場合、光学フィルターは、光拡散板32の
ハロゲンランプ31側あるいはカードC側の一方に配置
すればよい。また、ハロゲンランプ31が、平面方向に
おいて均一な光照射が可能なもので構成されている場合
には、光拡散板32に代えて、耐熱ガラス等からなる光
学フィルターのみを設けるようにしてもよい。
【0049】また、ハロゲンランプ31は、遠赤外線波
長領域を主波長としているものを選択することが好まし
い。これにより、カードCへの熱放射を遠赤外線で行う
ことができ、カードCの内部にまで、その厚さ方向に均
一に伝熱させることができると共に、さらには上記の光
学フィルター機能と相まって、熱効率を一層向上させる
ことができる。
【0050】冷却手段7は、加熱後のカードCを冷却す
る冷却ファンを有している。冷却ファンは、搬送路13
に臨んで配設され、適宜、コントローラ10により制御
されて冷却エアーを送風する。より具体的には、冷却フ
ァンは、後述するカード載置台35に載置された状態の
カードCに臨み、その冷却エアーでもって加熱後のカー
ドCを強制的に冷却する。これにより、加熱処理され画
像転写済みのカードCは、冷却ファンにより、ユーザが
手に持てる程度に冷却されることとなる。なお、図示し
ないが装置ケース2には、冷却ファンのエアー流路に臨
んで吸気口および排気口を形成することが、好ましい。
【0051】吸着搬送手段8は、カードCを吸着載置す
る方形のカード載置台35と、搬送路13に沿って延在
する左右一対のガイドレール36と、ガイドレール36
に案内させてカード載置台35を移動させる搬送ベルト
機構37とで構成されている。カード載置台35は、図
4および図5に示すように、カード本体50との接触面
である載置面38をフッ素処理(フッ素コーティング)
されていると共に、この載置面38に多数の吸引孔39
が形成されている。カード載置台35の内部には、多数
の吸引孔39に連通するチャンバ40と、チャンバ40
に連なる吸引ファン41とが内蔵されている。
【0052】多数の吸引孔39は、カードCの四周縁端
に対応して、載置面38の縁部に沿って環状に形成され
ている。吸引ファン41は、コントローラ10に接続さ
れ、適宜、チャンバ40内のエアーを吸引してこれを負
圧にする。これにより、カード載置台35は、多数の吸
引孔39を介してカードCの裏面を吸引し、載置面38
にカードCを水平に吸着載置する。すなわち、カードC
は、その裏面縁部に沿って吸引され、カード載置台35
に水平に吸着載置される。両ガイドレール36は、図外
の左右のフレームにそれぞれ支持されていると共に、カ
ード載置台35を上側に支持し、搬送路13に沿ったそ
の移動を安定にガイドする。
【0053】搬送ベルト機構37は、搬送路13の始端
および終端に対峙して配設された一対の搬送プーリ4
2,42と、両搬送プーリ42,42間に掛け渡した搬
送ベルト43と、始端側の搬送プーリ42を駆動させる
ベルト駆動モータ44とで構成されている。搬送ベルト
43は、一対のガイドレール36間においてガイドレー
ル36に平行に延在し、一部にはカード載置台35が固
定片45を介して固着されている。
【0054】ベルト駆動モータ44は、コントローラ1
0に接続されており、このベルト駆動モータ44の回転
により、始端側の搬送プーリ42を介して搬送ベルト4
3が正逆走行する。これにより、カード載置台35は、
両ガイドレール36に左右をバランスよく支持案内され
て搬送路13に沿って往復走行可能となっている。すな
わち、カード載置台35は、吸着載置したカードCを搬
送路13に沿って搬送し、カードCを印刷手段5、転写
手段6および冷却手段7へと順に臨ませ、続いて排出手
段9にカードCを送り込む。
【0055】排出手段9は、駆動源となる排出モータ4
7と、排出モータ47により回転する排出ローラ48と
で構成されている。排出モータ47は、コントローラ1
0に接続されており、排出ローラ48の回転を制御す
る。排出ローラ48は、搬送路13の終端上方において
搬送路13に臨んで配設され、ゴム等の高摩擦材料で構
成されている。排出ローラ48は、搬送モータを介して
回転することでカード載置台35に載置したカードCに
転接し、これをカード載置台35からカード排出口12
へと送り出す。なお、排出ローラ48は、グリップロー
ラで構成してもよい。
【0056】コントローラ10は、各種の制御を行うC
PUと、上記手段を制御するための制御プログラムや制
御データを記憶するROMと、制御処理のための各種作
業領域となるRAMと、各種手段の駆動のための駆動回
路とを備えている。コントローラ10により、上記の各
手段が関連付けて制御され、加熱による反りを生じさせ
ることなく、カードCに画像が形成されてゆく。
【0057】ここで、図1を参照しながら、カード用の
画像形成装置1による、カードCへの一連の画像形成処
理について説明する。上述したように、このカード用の
画像形成装置1は、供給手段4から吸着搬送手段8の始
端にカードCを導入し、吸引ファン41を駆動させ、カ
ードCをカード載置台35上に水平に吸着載置する。続
いて、カード載置台35を走行させカードCを印刷手段
5に臨ませ、ヘッドユニット20の往復動とカード載置
台35の間欠走行とでカードCに画像の印刷を行う。
【0058】印刷完了後、カード載置台35を先方へと
送って転写手段6に臨ませ、照射ユニット30の位置で
その送り動作を停止させる。ここで、カードCの属性情
報に基づいた所定の加熱温度でハロゲンランプ31を発
熱駆動させて、印刷画像の転写を行う。画像転写後、冷
却ファンを駆動し、カード載置台35上に吸着保持した
カードを急冷し、さらに吸着搬送手段8の終端まで搬送
する。ここまでの間、吸引ファン41の駆動を停止する
ことなく、カードCをカード載置台35に吸着載置した
状態で行い、続いて、カードCを排出手段9に臨ませる
際に、吸引ファン41の駆動を相前後して停止させ、最
終的にカードCをカード排出口12から排出する。
【0059】排出されたカードCに対し、ユーザは、イ
ンク受像シートISを粘着テープ等を用いて剥離し、イ
ンク定着層52(あるいはフッ素フィルム層53)を外
部に露出させることで、印刷画像がインク定着層52、
すなわちカードCの表面に熱転写して転写画像として形
成されたカードCを作成することができる。
【0060】なお、カード載置台35の載置面38にフ
ッ素処理を施すことで、加熱処理によるカードCのカー
ド載置台35への貼りつきおよび融着を好適に防止した
が、カードCの裏面、すなわちカード載置台35の載置
面38との接触面にも、上述のフッ素コーティングに相
当するフッ素フィルム層(図2(b)参照)を積層する
ようにしてもよい。いずれの場合にせよ、加熱時におい
て、カードCの取扱いに支障が生じることを防止できる
と共に、加熱後においても、カードCがカード載置台3
5から取り出し難くなることがない。
【0061】以上のようなカード用の画像形成装置1に
よれば、カードCを水平に吸着載置した状態で、印刷手
段5によりカードCへの画像の印刷を行うことができる
と共に、転写手段6により加熱処理して印刷画像の転写
を行うことができるため、加熱に伴うカードCの反りを
強制的に防止しておくことができる。したがって、イン
クジェット方式による鮮明で高画質な画像をカードCに
形成することができると共に、良質な転写画像を形成し
た真に水平のカードCを作成することができる。
【0062】なお、コントローラ10により、加熱温度
を制御すると共に、カード載置台35によるカードCの
送り速度をも制御して、加熱熱量の制御を行うようにし
てもよい。すなわち、カードCを送りながら加熱するよ
うにしてもよい。なおまた、吸引ファン41に代えて、
真空ポンプでカードCを吸引するようにしてもよいし、
静電気吸着を行うようにしてもよい。
【0063】さらにまた、上記の照射ユニット30とは
別に、カードCをその軟化温度(60〜80℃)に近く
且つこれより低い温度で予熱するプレヒータを設けるよ
うにしてもよい。すなわち、予めカードCをその軟化温
度(60〜80℃)に達しない温度で予熱した後、照射
ユニット30により、本加熱(加熱温度150〜200
℃)を行うようにする。これにより、均一な加熱が促進
され、昇華性染料インクの昇華・拡散を速やかに且つ良
好に行うことができる。この場合、プレヒータは非接触
ヒータで構成し、例えば上記の印刷手段5と転写手段6
との間に配設する。
【0064】次に、本発明のカード用の画像転写機構
(主として転写手段6)の複数の実施形態について説明
する。以下に説明する他の各実施形態では、上記実施形
態の吸着搬送手段8に相当する他の搬送手段でもって、
カードCをカード用の画像転写機構6に臨ませている
が、ここでは、本発明の要旨に直接関係がないため、そ
の説明を省略することとする。
【0065】図6は、第2実施形態に係るカード用の画
像転写機構6であり、この実施形態では、カードCを吸
着載置するのに代え、粘着部材60を介してカードCを
カード載置台35に粘着載置した状態で、カードCを加
熱処理に臨ませる。粘着部材60は、耐熱性および剥離
性の良好なシリコン系の両面粘着テープで構成されてい
る。両面粘着テープは、カード載置台35の載置面38
に貼着すると共に、カードCの裏面、すなわちカード本
体50の裏面に貼着して、カードCを水平にカード載置
台35に載置する。
【0066】これにより、カード載置台35に粘着載置
されたカードCは、照射ユニット30に平行に対峙し、
表面側であるインク受像シートISを照射ユニット30
に水平に臨ませて加熱処理されても、加熱による熱変形
を抑制される。すなわち、両面粘着テープにより、カー
ドCをカード載置台35に強粘着して水平姿勢を維持し
ておくことができるため、画像転写における加熱処理に
伴うカードCの反りを強制的に防止することができる。
この場合、両面粘着テープは、カードCの裏面全面をカ
ード載置台35に粘着してもよいし、上記の実施形態の
ように、カードCの裏面縁部に沿って環状にカード載置
台35に粘着してもよい。
【0067】図7は、第3実施形態に係るカード用の画
像転写機構6であり、本実施形態では、印刷後のカード
Cは、表裏両側から押圧挟持され、この状態でハロゲン
ランプ31に臨み、加熱処理される。すなわち、カード
載置台35と平行に対峙するように押圧板61が配設さ
れており、押圧板61でカードCをカード載置台35に
対し押圧した状態で、カードCを加熱処理するようにし
ている。押圧板61は、カードサイズよりも幾分大きく
形成され、熱伝導率および熱拡散率の高い透光性の耐熱
ガラスなどで、平板状に形成されている。
【0068】また、押圧板61は、カード載置台35の
載置面38との対向面、すなわちカード載置台35上の
カードCに積層したインク受像シートISとの接触面
に、離型剤が塗布されている。離型剤は、クロロシリコ
ン等で構成され、加熱に伴うインク受像シートISの押
圧板61への貼り付きを防止すると共に、インク受像シ
ートISに保持した昇華性染料インクが押圧板61へと
にじみ拡散することを防止している。なお、押圧板61
は、ハロゲンランプ31に併設された機構により、下降
してカードCを押圧する構成でもよいし、カード載置台
35に設けたフック機構等で予めカードCを挟持して、
ハロゲンランプ31に導入される構成でもよい。
【0069】これにより、カードCを表裏両側から所定
の面積で挟持した状態で加熱処理するため、カードCの
水平姿勢を維持して、加熱によるカードCの反りを強制
的に阻止することができる。この場合、押圧板61を第
1実施形態と同様の光拡散板32として構成し、押圧板
61に、カードCに対し面状発光体としての機能を奏さ
せてもよく、同様に光学フィルター機能を奏させるよう
にしてもよい。これにより、カードCと押圧板61との
空隙からの外部への熱の逃げを一層抑えた状態で、カー
ドCを面発光する拡散光を作用させることができるた
め、その熱効率を向上することができ、転写画像の品質
も向上させることができる。
【0070】図8は、第4実施形態に係るカード用の画
像転写機構6であり、本実施形態では、カードCには、
その四周縁部に加熱処理後に切断される押え代63を予
め設けて形成されており、カードCは、この押え代63
が押圧部材71によりカード載置台35に枠状に押圧さ
れた状態で照射ユニット30に水平に臨み、加熱処理さ
れる。すなわち、カード載置台35上のカードCは、上
側に対峙して配設された押圧部材71により、画像転写
に不要な領域となる四周の押え代63をカード載置台3
5に押圧された状態で、画像転写される領域をハロゲン
ランプ31に水平に臨ませて加熱処理され、加熱後に、
押え代63が切断されることで所定のサイズのカードC
として作成される。
【0071】押圧部材71は、中央部が開口となるよう
に四周枠状に構成され、カードCの四周縁部に形成した
押え代63をカード載置台35に対し押圧する。なお、
押圧部材71は、上述の押圧板61と同様に、ハロゲン
ランプ31に併設された機構により、下降してカードC
を押圧する構成でもよいし、カード載置台35に設けた
フック機構等で予めカードCを挟持して、ハロゲンラン
プ31に導入される構成でもよい。
【0072】図8(a)に示すように、カードCは、そ
の裏面全面を載置面38に接触させてカード載置台35
に載置されると共に、押圧部材71により押え代63を
カード載置台35に押圧される。これにより、カードC
は、加熱による反りが顕著となる四周縁端が枠状に押圧
されるため、加熱による反りが強制的に防止された状態
で、転写画像を形成することができる。この場合、第1
および第2実施形態のように、カード載置台35を、カ
ードCを吸着載置または粘着載置可能に構成すること
で、カードCの反りを一層防止することができる。
【0073】また、図8(b)に示すように、カード載
置台35は、四周枠状の押圧部材71に対応して四周枠
状に構成され、押圧部材71により押圧されるカードC
の四周縁部を受けるようにしている。すなわち、カード
Cの裏面全面を載置面38に接触させてカードCを載置
するのに代え、カードCの四周の押え代63のみを、カ
ード載置台35と押圧部材71とで押圧挟持するように
している。そして、カードCの表裏両面に対応して、一
対の照射ユニット30,30を配設することで、表裏両
面に画像を熱転写することが可能となる。
【0074】すなわち、押え代63を利用して、カード
Cをカード載置台35と押圧部材71とで枠状に保持
し、且つ表裏各面に重ねたインク受像シートISを一対
の照射ユニット30,30に臨ませることで、表裏両面
に同時に画像を熱転写することができる。この表裏両側
からの同時加熱により、熱膨張がカードCの表裏で同一
となるため、カードの反りをより効果的に防止すること
ができる。
【0075】なお、本実施形態において、押圧部材71
で押え代63を枠状に押圧することに代え、押え代63
の対向する2辺、すなわち一対の長辺または一対の短辺
の一方を押圧するようにしてもよい。また、押えしろ6
3は、加熱することにより切り離し可能となる切り線が
予め形成されていてもよい。さらに、加熱処理後に、押
えしろ63を利用してカードCの隅部をトリミング成形
するようにしてもよい。
【0076】なお、以上のような、全実施形態で表すカ
ード用の画像転写機構6であれば、カードCの積層形態
は、上述のような、カード本体50とインク受像シート
ISとが予め積層された形態に限るものでない。すなわ
ち、インク受像シートISを、いわゆる転写シートとし
てカード本体50とは別体に、単体として構成し、印刷
手段5により画像を印刷後のインク受像シートISの印
刷面をカード本体50の表面に対面させるようにして重
ね、カード用の画像転写機構6に臨ませてもよい。
【0077】
【発明の効果】本発明のカード用の画像転写機構および
これを備えたカード用の画像形成装置によれば、昇華性
染料インクからなる画像をカードの表面に転写する加熱
処理において、カードをカード載置台に吸着載置もしく
は粘着載置して、非接触ヒータに水平に臨ませているた
め、カードを構成する各層の熱膨張率を考慮することな
く、加熱によるカードの反りを防止することができ、良
質な転写画像を形成した真に水平形態のカードとして提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るカード用の画像形成
装置の内部構造を模式的に表した断面構造図である。
【図2】本発明のカード用の画像形成装置に用いる、
(a)廉価カード、(b)高級カードの構造を示す断面
図である。
【図3】カードに画像が転写・形成されてゆく様子を示
す断面模式図である。
【図4】カード載置台の斜視図である。
【図5】転写手段(画像転写機構)の正面図である。
【図6】第2実施形態に係るカード用の画像転写機構の
正面図である。
【図7】第3実施形態に係るカード用の画像転写機構の
正面図である。
【図8】第4実施形態に係るカード用の画像転写機構の
正面図である。
【符号の説明】
1 カード用の画像形成装置 2 装置ケース 3 装置本体 4 供給手段 5 印刷手段 6 転写手段 7 冷却手段 8 吸着搬送手段 9 排出手段 10 コントローラ 11 カード供給口 12 カード排出口 13 搬送路 20 ヘッドユニット 30 照射ユニット 31 ハロゲンランプ 32 光拡散板 35 カード載置台 38 載置面 39 吸引孔 40 チャンバ 41 吸引ファン 50 カード本体 51 基材層 52 インク定着層 53 フッ素フィルム層 60 粘着部材 61 押圧板 63 押えしろ 71 押圧部材 C カード IS インク受像シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C005 HA30 HB09 HB20 JA02 JA03 JA26 LA20 2C059 AA06 AA12 AA23 AA24 AA80 EE03 EE07 EE08 EE09 EE14 EE17 EE26 2C065 AB09 AB10 AF01 CJ02 CJ03 3F101 FB01 FB07 FC04 LA10 LB09

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 昇華性染料インクで画像を印刷したイン
    ク受像シートを、カード本体の表面に積層したカードに
    対し、 加熱処理を行い、前記インク受像シートに保持した前記
    画像を前記カード本体の表面に熱転写するカード用の画
    像転写機構において、 前記カードを加熱処理する非接触ヒータと、 前記カードを前記非接触ヒータに水平に臨ませるカード
    載置台とを備え、 前記カード載置台は、前記カードを吸着載置可能に構成
    されていることを特徴とするカード用の画像転写機構。
  2. 【請求項2】 昇華性染料インクで画像を印刷したイン
    ク受像シートを、カード本体の表面に積層したカードに
    対し、 加熱処理を行い、前記インク受像シートに保持した前記
    画像を前記カード本体の表面に熱転写するカード用の画
    像転写機構において、 前記カードを加熱処理する非接触ヒータと、 前記カードを前記非接触ヒータに水平に臨ませるカード
    載置台とを備え、 前記カード載置台は、粘着部材を介して前記カードを粘
    着載置可能に構成されていることを特徴とするカード用
    の画像転写機構。
  3. 【請求項3】 昇華性染料インクで画像を印刷したイン
    ク受像シートを、カード本体の表面に積層したカードに
    対し、 加熱処理を行い、前記インク受像シートに保持した前記
    画像を前記カード本体の表面に熱転写するカード用の画
    像転写機構において、 前記カードを加熱処理すると共に光熱源で構成された非
    接触ヒータと、 前記カードを前記非接触ヒータに水平に臨ませるカード
    載置台と、 前記カードを上側から前記カード載置台に押圧する透光
    性の押圧板とを備えたことを特徴とするカード用の画像
    転写機構。
  4. 【請求項4】 前記押圧板には、前記インク受像シート
    との接触面に離型剤が塗布されていることを特徴とする
    請求項3に記載のカード用の画像転写機構。
  5. 【請求項5】 前記カード載置台の載置面および前記カ
    ード本体の裏面の少なくとも一方が、フッ素コーティン
    グされていることを特徴とする請求項1ないし4のいず
    れかに記載のカード用の画像転写機構。
  6. 【請求項6】 カード本体の表面に昇華性染料インクで
    画像を印刷したインク受像シートを積層すると共に、四
    周縁部に加熱処理後に切断される押え代を有するカード
    に対し、 加熱処理を行い、前記インク受像シートに保持した前記
    画像を前記カード本体の表面に熱転写するカード用の画
    像転写機構において、 前記カードを加熱処理する非接触ヒータと、 前記カードを前記非接触ヒータに水平に臨ませるカード
    載置台と、 前記カードを、少なくとも前記押え代の対向する2辺の
    部分で上側から前記カード載置台に押圧する押圧部材と
    を備えたことを特徴とするカード用の画像転写機構。
  7. 【請求項7】 前記押圧部材は、四周枠状に構成され、 前記カードの四周縁部を押圧することを特徴とする請求
    項6に記載のカード用の画像転写機構。
  8. 【請求項8】 前記カードは、その表裏各面に前記イン
    ク受像シートを重ねて構成され、且つ前記非接触ヒータ
    は、前記各インク受像シートに対応して対となるように
    2組設けられており、 前記カード載置台は、前記押圧部材に対応して四周枠状
    に構成され、前記押圧部材により押圧される前記カード
    の四周縁部を受けることを特徴とする請求項7に記載の
    カード用の画像転写機構。
  9. 【請求項9】 前記非接触ヒータは、遠赤外線を主波長
    領域とするハロゲンランプで構成されていることを特徴
    とする請求項1ないし8のいずれかに記載のカード用の
    画像転写機構。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし9のいずれかに記載の
    カード用の画像転写機構と、 前記インク受像シートに前記昇華性染料インクを用いて
    インクジェット方式で画像の印刷を行う印刷手段とを備
    えたことを特徴とするカード用の画像形成装置。
  11. 【請求項11】 加熱処理後の前記カードを、前記カー
    ド載置台に載置した状態で強制冷却する冷却手段を更に
    備えたことを特徴とする請求項10に記載のカード用の
    画像形成装置。
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JP2014523353A (ja) * 2011-06-07 2014-09-11 シクパ ホルディング ソシエテ アノニム カードにドット印刷するための方法

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