JP2003093948A - バー塗布装置及びバー塗布方法 - Google Patents

バー塗布装置及びバー塗布方法

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JP2003093948A
JP2003093948A JP2001291205A JP2001291205A JP2003093948A JP 2003093948 A JP2003093948 A JP 2003093948A JP 2001291205 A JP2001291205 A JP 2001291205A JP 2001291205 A JP2001291205 A JP 2001291205A JP 2003093948 A JP2003093948 A JP 2003093948A
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coating
bar
liquid
aluminum web
clearance
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JP2001291205A
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English (en)
Inventor
Kazunori Ichikawa
和紀 市川
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗布対象物の搬送速度を高速化しても均一の
塗布面質を得ることの可能なバー塗布装置及びバー塗布
方法を得る。 【解決手段】 コーター30をわずかに上下させること
で、堰板20とアルミウエブ14との間に構成されるク
リアランスの長さを5mm以内とする。これにより、ア
ルミウエブ14の搬送速度を高めても同伴エアーの巻き
込みが防止されるので液溜まりが安定し、均一の塗布面
質を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バー塗布装置及び
バー塗布方法に関し、さらに詳しくは、塗布対象物に塗
布液を所望の量だけ塗布することが可能なバー塗布装置
及びバー塗布方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば金属板などの塗布対象
物に塗布液を塗布したり、塗布対象物から余剰の塗布液
を除去(いわゆる計量)したりするために、図6に示す
ようなバー塗布装置102が使用されることがある。
【0003】このバー塗布装置102では、一定の搬送
速度で搬送される金属板104に対し、この金属板10
4の搬送方向(矢印F1方向)と直交する方向で、金属
板104の塗布面(下面)に接触するように配置された
円柱状の塗布用バー106を有している。塗布用バー1
06は金属板104との摩擦により、金属板104の搬
送速度に等しい周速で回転する。この回転によって塗布
液108が掻き上げられ、堰部材112と金属板104
との間に液溜まり110が構成される。すなわち、液溜
まり110の塗布液が金属板104に塗布されると共
に、余剰の塗布液が金属板104から除去(計量)され
る。
【0004】ところで、最近では、金属板104の搬送
速度を高速にすることがあるが、この高速化により液溜
まり110が不安定になり、いわゆる同伴エアー(塗布
時に塗布液に巻き込まれる空気)の発生等によって、塗
布面質が低下することがある。特に、堰部材112と塗
布対象物(金属板104)とのクリアランスが大きい
と、同伴エアーの影響を受けやすくなるため、液溜まり
110が不安定になりやすく、均一な塗布面質を得るこ
とが難しい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事実を
考慮し、塗布対象物の搬送速度を高速化しても均一の塗
布面質を得ることの可能なバー塗布装置及びバー塗布方
法を得ることを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明で
は、一定方向に搬送される塗布対象物に対し接触し塗布
対象物への塗布液の塗布及び塗布対象物からの余剰塗布
液の除去を行う塗布用バーと、前記塗布用バーよりも前
記塗布対象物の搬送方向上流側に配置され、塗布対象物
と前記塗布用バーとの間で塗布液の液溜まりを形成する
堰部材と、前記堰部材と前記塗布対象物との間のクリア
ランスを5mm以下の所定値に維持するためのクリアラ
ンス維持手段と、を有することを特徴とする。
【0007】すなわち、このバー塗布装置では、搬送さ
れる塗布対象物に対し塗布用バーを接触させて、塗布液
を塗布対象物に塗布する。このとき、堰部材と塗布用バ
ーと塗布対象物との間に塗布液の液溜まりが形成され
る。
【0008】堰部材と塗布対象物との間のクリアランス
は、クリアランス維持手段によって、5mm以下の所定値
に維持されている。このように、クリアランスの上限を
規定することで、塗布液への同伴エアーを少なくして
(好ましくは同伴エアーが発生しないようにして)、液
溜まりを安定的に維持することができる。このため、塗
布対象物の塗布面質も安定し、例えば、塗布対象物の搬
送速度を高速化した場合でも、均一な塗布面質を得るこ
とができる。
【0009】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、前記塗布用バーの近傍に配置され、
塗布用バーの反対側から塗布対象物を押圧する押圧部
材、を有し、前記クリアランス維持手段が、前記堰部材
及び前記押圧部材の少なくとも一方を前記塗布対象物の
厚み方向に移動させる移動手段、とされていることを特
徴とする。
【0010】すなわち、堰部材自体を塗布対象物に接離
させてもよいし、押圧部材によって塗布対象物を押圧
し、堰部材に対して接離させてもよい。
【0011】請求項3に記載の発明では、請求項1又は
請求項2に記載の発明において、前記塗布用バーを、前
記塗布対象物の搬送速度に対応した周速と異なる周速と
なるように回転させる回転駆動装置、を有することを特
徴とする。
【0012】すなわち、塗布用バーを塗布対象物との摩
擦によって回転させるのではなく、塗布対象物の搬送速
度に対応した周速と異なる周速となるように、回転駆動
装置によって積極的に回転させる。これにより、堰板と
塗布用バーと塗布対象物との間に構成される液溜まりを
安定させることができるので、例えば、塗布対象物の搬
送速度を高速化したり、塗布液を高粘度化したりした場
合でも、均一な塗布面質を得ることができる。
【0013】請求項4に記載の発明では、一定方向に搬
送される塗布対象物に対し塗布用バーを接触させ塗布対
象物への塗布液の塗布及び塗布対象物からの余剰塗布液
の除去を行うバー塗布方法であって、前記塗布用バーよ
りも前記塗布対象物の搬送方向上流側に配置された堰部
材により、塗布対象物と前記塗布用バーとの間で塗布液
の液溜まりを形成し、前記堰部材と前記塗布対象物との
間のクリアランスを5mm以下の所定値に維持すること
を特徴とする。
【0014】すなわち、このバー塗布方法では、搬送さ
れる塗布対象物に対し塗布用バーを接触させて、塗布液
を塗布対象物に転写し塗布する。このとき、堰部材と塗
布用バーと塗布対象物との間に塗布液の液溜まりが形成
される。
【0015】ここで、堰部材と塗布対象物との間のクリ
アランスは5mm以下の所定値に維持されている。この
ように、クリアランスの上限を規定することで、塗布液
への同伴エアーを少なくして(好ましくは同伴エアーが
発生しないようにして)、液溜まりを安定的に維持する
ことができる。このため、塗布対象物の塗布面質も安定
し、例えば、塗布対象物の搬送速度を高速化した場合で
も、均一な塗布面質を得ることができる。
【0016】請求項5に記載の発明では、請求項4に記
載の発明において、前記塗布用バーを、前記塗布対象物
の搬送速度に対応した周速と異なる周速で回転させるこ
とを特徴とする。
【0017】すなわち、塗布用バーを塗布対象物との摩
擦によって回転させるのではなく、塗布対象物の搬送速
度に対応した周速と異なる周速で積極的に回転させる。
これにより、堰部材と塗布用バーと塗布対象物との間に
構成される液溜まりを安定させることができるので、例
えば、塗布対象物の搬送速度を高速化したり、塗布液を
高粘度化したりした場合でも、均一な塗布面質を得るこ
とができる。
【0018】なお、上記各請求項に記載の発明におい
て、塗布液への同伴エアーの巻き込みを少なくする観点
からは、クリアランスの長さに下限値はない。但し、塗
布対象物に対する堰部材の不用意な接触を防止するため
に、この長さを0.1mm以上確保することが好まし
い。
【0019】また、請求項3又は請求項5でいう「異な
る周速」には、塗布用バーが、塗布対象物の搬送方向と
同方向に塗布用バーが回転する場合が含まれるのはもち
ろんであるが、さらに、塗布対象物の搬送方向と逆方向
に回転する場合も含まれる。
【0020】
【発明の実施の形態】図1及び図2には、本発明の一実
施形態のバー塗布装置12が示されている。このバー塗
布装置12は、平版印刷版の製造ラインに組み込まれて
おり、平版印刷版の基材であるアルミウエブ14に塗布
液50(感光液等)を塗布するために使用される。アル
ミウエブ14は、図示しない搬送装置によって、その長
手方向に所定の搬送速度で搬送される。以下、単に「搬
送方向」というときは、アルミウエブ14の搬送方向を
いい、図面において矢印Fで示す。また、単に「幅方
向」というときはアルミウエブ14の幅方向をいい、図
面において矢印Wで示す。
【0021】バー塗布装置12は、アルミウエブ14に
対し下方から接触するように配置された塗布用バー16
を有している。塗布用バー16は、略円柱状(又は略円
筒状)に形成されており、その長手方向が、アルミウエ
ブ14の幅方向と一致する向きとなるように、軸受部材
18に支持されている。
【0022】軸受部材18の上面は、塗布用バー16の
外周面に沿って円弧状に形成された支持面18Sとされ
ており、塗布用バー16は、この支持面18Sに接触し
た状態で、回転可能に支持されている。
【0023】軸受部材18の上流側及び下流側にはそれ
ぞれ、堰板20、22が配置されている。それぞれの堰
板20、22と軸受部材18との間には所定の間隙が構
成されており、特に、上流側の堰板20と軸受部材18
との間隙は塗布液供給路24とされている。図示しない
塗布液供給装置から送られた塗布液50は、塗布液供給
路24を通り、塗布用バー16の回転によって、塗布液
50が順次掻き上げられて、アルミウエブ14に転移さ
れる。また、アルミウエブ14と塗布用バー16との接
触部分の上流側において、アルミウエブ14と堰板20
と塗布用バー16との間で塗布液50の液溜まり52が
形成される。
【0024】図2に示すように、軸受部材18及び堰板
20、22はホルダー28によって一体的に保持され、
全体としてコーター30が構成されている。また、コー
ター30の上流側及び下流側には、コーター30の反対
側(すなわち上側)からアルミウエブ14に接触するサ
ポートロール32、34が配置されている(図1ではサ
ポートロール32、34は図示を省略している)。サポ
ートロール32、34がアルミウエブ14を上方から押
圧することで、アルミウエブ14に所定のテンションを
作用させながら塗布用バー16と接触させることができ
るようになっている。
【0025】そして、図示しない昇降装置を駆動させる
ことで、コーター30を構成している軸受部材18及び
堰板20、22を一体的に昇降させることができる。図
2(A)に示すように、降下した状態では、塗布用バー
16がアルミウエブ14に接触しないので塗布液50を
塗布しないが、図2(B)に示すようにこれらを上昇さ
せることで塗布用バー16をアルミウエブ14に接触さ
せ、塗布液50を塗布可能となる。また、接触状態を維
持しつつ、コーター30をわずかに上下させることで、
堰板20とアルミウエブ14との間に構成されるクリア
ランスCの長さCL(図5参照)を所定の値に維持する
ことができる。
【0026】図3及び図4には、塗布用バー16を回転
駆動させるための回転駆動装置36の概略構成が示され
ている。
【0027】回転駆動装置36は、モータ及び減速装置
等を含んで構成され、所定のトルク及び角速度で回転駆
動力を発生させる駆動源38を有している。駆動源38
の出力軸40には、第1ユニバーサル手継ぎ手42を介
してシャフト44が連結され、さらにシャフト44は、
第2ユニバーサル手継ぎ手46を介して、切替部材48
に連結されている。切替部材48は、塗布用バー16に
連結されて回転駆動力を伝達可能な伝達位置(図3に実
線で示す位置)と、塗布用バー16との連結を解除され
て回転駆動力を伝達しない非伝達位置(図3に二点鎖線
で示す位置)との間を移動するようになっている。
【0028】また、このように、2つのユニバーサル手
継ぎ手を介して、駆動源38と塗布用バー16とを連結
しているので、駆動源38の出力軸40に対する塗布用
バー16の角度と常に一定に維持しつつ(本実施形態で
は平行)、駆動源38の回転駆動力を塗布用バー16に
伝達することができる。例えば、コーター30をわずか
に上下させた場合や、図4に二点鎖線で示すように、コ
ーター30を降下させてアルミウエブ14から塗布用バ
ー16を離間させた場合でも、駆動源38の出力軸40
と塗布用バー16とが平行で、駆動源38の回転駆動力
を受けて塗布用バー16が回転する。
【0029】本実施形態のバー塗布装置12では、塗布
用バー16の周速が、アルミウエブ14の搬送速度に対
応した周速と異なる周速となるように、駆動源38から
の回転駆動力によって塗布用バー16を積極的に回転さ
せることが可能とされている。
【0030】サポートロール32と塗布用バー16との
間には、アルミウエブ14の上方、すなわち塗布用バー
16の反対側からアルミウエブ14に接触する押圧ロー
ル54が配置されている。押圧ロール54は、その軸方
向がアルミウエブ14の幅方向と一致する向きで且つ回
転可能に、図示しない軸受部材に支持されている。そし
て、図2(A)に示すように、コーター30の降下状態
では、サポートロール32、34間のアルミウエブ14
の平面性を損なわない程度に、アルミウエブ14に接触
している。押圧ロール54は、アルミウエブ14が搬送
されると、アルミウエブ14との摩擦によって回転す
る。
【0031】これに対し、図2(B)に示すように、コ
ーター30が上昇しアルミウエブ14に塗布液50を塗
布している状態では、サポートロール32、34間のア
ルミウエブ14は、まず押圧ロール54によって上方か
ら押圧され、次に塗布用バー16によって下方から押さ
れることになるので、わずかに上下に屈曲しながら搬送
される。そして、アルミウエブ14は、押圧ロール54
によって、塗布用バー16の反対側から上下方向(厚み
方向)の移動を制限されつつ搬送されることになる。従
って、搬送途中のアルミウエブ14は、そのばたつきが
防止されている。
【0032】押圧ロール54の搬送方向の位置は、搬送
途中のアルミウエブ14のばたつきを防止することがで
きれば特に限定されない。図2(B)に示すように、塗
布状態で塗布用バー16の中心から押圧ロール54の中
心までの距離を押圧位置Lとすると、この押圧位置Lを
10〜150mmの範囲とすることが好ましく、15〜
60mmの範囲とすることがより好ましい。
【0033】押圧ロール54の上下位置も、搬送途中の
アルミウエブ14のばたつきを防止することができれば
特に限定されない。図2(B)に示すように、塗布状態
で塗布用バー16の頂点から押圧ロール54の下端位置
まで、コーター30の昇降方向と同方向に図った長さを
押込量をPとすると、この押込量Pを1〜30mmの範
囲とすることが好ましい。なお、押込量Pは、あらかじ
め押圧ロール54の位置を適切に設定することで所望の
値とすることができるが、さらに、コーター30の上昇
量を調整することによっても、所望の値にすることが可
能である。
【0034】次に、本実施形態のバー塗布装置12によ
ってアルミウエブ14に塗布液50を塗布する方法、及
びバー塗布装置12の作用を説明する。
【0035】アルミウエブ14に塗布液50を塗布する
ときには、図示しない搬送装置により、アルミウエブ1
4を一定の搬送速度で搬送する。
【0036】また、コーター30を図2(B)に示すよ
うに上昇させて塗布用バー16をアルミウエブ14に接
触させた状態とし、図示しない塗布液供給装置から、塗
布液50を供給する。
【0037】このとき、本実施形態のバー塗布装置12
では、コーター30を上下に移動させることで、図5に
示すように、堰板20とアルミウエブ14との間に構成
されるクリアランスCの長さCLを調整して所望の値に
すると共に、アルミウエブ14が搬送されてもこの値を
維持することができるようになっている。一般的に、こ
のクリアランスCの長さCLが大きいと、塗布時にいわ
ゆる同伴エアーを巻き込んでしまい、液溜まり52が不
安定になる。特に、アルミウエブ14の搬送速度を高め
た場合には、同伴エアーを巻き込みやすくなるため、液
溜まり52がより不安定になるおそれがある。本実施形
態では、クリアランスCの長さCLを、同伴エアーの巻
き込みが少なくなる(好ましくは同伴エアーが発生しな
くなる)上限値以下に設定して塗布液50の塗布を行う
ことができる。このため、アルミウエブ14の搬送速度
を高めた場合でも液溜まり52が安定し、均一な塗布面
質を得ることが可能になっている。
【0038】また、本実施形態のバー塗布装置12で
は、アルミウエブ14を塗布用バー16の反対側から押
圧ロール54によって押圧しており、搬送中のアルミウ
エブ14は、厚さ方向への移動が制限されている。すな
わち、搬送中のアルミウエブ14のばたつきが防止され
るので、アルミウエブ14と塗布用バー16の接触状態
が一定に維持され、さらに、堰板20に対するアルミウ
エブ14の上下動も一定範囲に制限される。これによ
り、アルミウエブ14と堰板20と塗布用バー16の間
に構成される液溜まり52が安定するので、塗布された
塗布液50に(液溜まりの乱れによる)塗布スジ等が生
じず、アルミウエブ14に対し均一した塗布面質を得る
ことが可能になっている。
【0039】なお、押圧ロール54を上下に移動可能に
支持する支持装置を設けてもよい。これにより、コータ
ー30の上下動に代えて、あるいは併用して、押圧ロー
ル54を上下に移動させることで、クリアランスCの長
さCLを所望の値に維持してもよい。さらに、押圧部材
として、上記のようにロール状(円柱状又は円筒状)と
されている必要はなく、棒状の部材や板状の部材であっ
てもよい。ロール状とした場合には、その径をφ10〜
φ200mmの範囲とすることが、アルミウエブ14
(支持体)の平面性確保や、搬送時のスリップ防止の観
点から好ましい。また、本実施形態のバー塗布装置12
では、塗布時に、図3に実線で示すように、切替部材4
8を伝達位置へと移動させ、駆動源38の回転駆動力を
塗布用バー16に伝達することができる。これにより、
塗布用バー16は、その周速が、アルミウエブ14の搬
送速度に対応した周速と異なる周速で、積極的に回転さ
れることとなる。
【0040】一般的に、アルミウエブ14と堰板20と
塗布用バー16との間に構成される液溜まり52は、ア
ルミウエブ14と塗布用バー16との接触部分T(図1
に一点鎖線で示す)から見たときに、液溜まり52の縁
部分52Eが幅方向に周期的な曲線を描いている場合に
塗布面質が良好になり、特に、この縁部分52Eが正弦
曲線あるいはこれに近い形状となっているときに、塗布
面質がさらに良好になる。
【0041】本実施形態では、上記のように、塗布用バ
ー16の周速を、アルミウエブ14の搬送速度に対応し
た周速と異なる周速となるようにすることで、液溜まり
52の縁部分52Eの形状を正弦曲線に近い形状とし、
液溜まり52を安定的に維持している。従って、塗布さ
れた塗布液50に(液溜まりの乱れによる)塗布スジ等
が生じず、均一した塗布面質を得ることが可能になって
いる。
【0042】もちろん、アルミウエブ14の搬送速度や
塗布液50の粘度その他の条件によっては、従来と同様
に塗布用バー16をアルミウエブ14との摩擦によって
回転(従動)させたほうがよい場合もある。その場合に
は、切替部材48を図3に二点鎖線で示すように非伝達
位置へと移動させるだけで、容易に駆動源38の回転駆
動力が塗布用バー16に伝達されないようにすることが
可能となる。
【0043】なお、本発明の塗布用バー16としては、
周面がフラットなバーや、バー周面の周方向にワイヤー
を密に巻き付けて隣接するワイヤーどうしの間に溝を形
成したワイヤーバー、さらには、バー周面の周方向にバ
ーの幅全長にわたって又は必要な部分に溝を刻設した溝
切バー等を用いることができる。塗布用バー16の外径
は、バー転造精度(真直度・真円度)、回転モーメント
及び重量バランス等の観点からφ1〜30mmの範囲と
することが好ましく、φ6〜20mmの範囲とすること
がさらに好ましい。
【0044】軸受部材18としては、塗布用バー16を
確実に支持することが可能であれば限定されないが、塗
布用バー16との摩擦係数が低いものが、塗布用バー1
6のスムーズな回転には好ましく、さらに、耐磨耗性の
高いものが好ましい。これらの条件を満たすものとして
は、ポリエチレン樹脂、フッ素樹脂、ポリアセタール樹
脂等を挙げることができる。なお、少なくとも支持面1
8S(塗布用バー16を支持する部分)を、上記した材
質のもので構成すれば、上記した効果を奏する。
【0045】また、バー塗布装置12によって塗布液5
0を塗布する塗布対象物(支持体)としても、帯状のも
のでもシート状のものでも良く、アルミニウム等の薄板
金属(上記したアルミウエブ14)、紙、プラスチック
フィルム、レジンコーティング紙、合成紙等を使用でき
る。平版印刷版の支持体としてアルミニウム板を使用す
る場合には、例えば、JIS1050材、JIS110
0材、JIS1070材、Al−Mg系合金、Al−M
n系合金、Al−Mn−Mg系合金、Al−Zr系合
金、Al−Mg−Si系合金等を適用し得る。プラスチ
ックフィルムの場合の材質としては、ポリエチレン、ポ
リプロピレン等のポリオレフィン、ポリ酢酸ビニル、ポ
リ塩化ビニル、ポリスチレン等のビニル重合体、6,6
−ナイロン、6−ナイロン等のポリアミド、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレー
ト等のポリエステル、ポリカーボネート、セルトースト
リアセテート、セルロースダイアセテート等のセルロー
スアセテト等が使用される。また、レジンコーティング
紙に用いるレジンとしては、ポリエチレンをはじめとす
るポリオレフィンが代表的であるが、これらには限定さ
れない。
【0046】アルミウエブ14の厚みも特に限定されな
いが、0.01mm〜1.0mm程度のものが取り扱い
や、汎用性の点で有利である。
【0047】さらに、塗布液50としても、上記した感
光液に限定されず、例えば、高分子化合物の水溶液や、
有機水溶液、顔料分散液、コロイド溶液などを用いるこ
とができる。平版印刷版の感光層を構成するための塗布
液50としては、以下の(1)〜(11)の態様の感光
層を構成するような感光液が挙げられる。 (1) 感光層が赤外線吸収剤、熱によって酸を発生す
る化合物、および酸によって架橋する化合物を含有する
態様。 (2) 感光層が赤外線吸収剤、および熱によってアル
カリ溶解性となる化合物を含有する態様。 (3) 感光層が、レーザ光照射によってラジカルを発
生する化合物、アルカリに可溶のバインダー、および多
官能性のモノマーあるいはプレポリマーを含有する層
と、酸素遮断層との2層を含む態様。 (4) 感光層が、物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層
との2層からなる態様。 (5) 感光層が、多官能性モノマーおよび多官能性バ
インダーとを含有する重合層と、ハロゲン化銀と還元剤
を含有する層と、酸素遮断層との3層を含む態様。 (6) 感光層が、ノボラック樹脂およびナフトキノン
ジアジドを含有する層と、ハロゲン化銀を含有する層と
の2層を含む態様。 (7) 感光層が、有機光導電体を含む態様。 (8) 感光層が、レーザー光照射によって除去される
レーザー光吸収層と、親油性層および/または親水性層
とからなる2〜3層を含む態様。 (9) 感光層が、エネルギーを吸収して酸を発生する
化合物、酸によってスルホン酸またはカルボン酸を発生
する官能基を側鎖に有する高分子化合物、および可視光
を吸収することで酸発生剤にエネルギーを与える化合物
を含有する態様。 (10) 感光層が、キノンジアジド化合物と、ノボラ
ック樹脂とを含有する態様。 (11) 感光層が、光又は紫外線により分解して自己
もしくは層内の他の分子との架橋構造を形成する化合物
とアルカリに可溶のバインダーとを含有する態様。
【0048】本発明のバー塗布装置12としても、上記
説明では平版印刷版を製造する製造ラインにおいて、ア
ルミウエブ14(支持体)に感光液を塗布するバー塗布
装置12(図2参照)を取り上げたが、これに限定され
ない。
【0049】
【実施例】以下、本発明を実施例によってさらに詳細に
説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものでは
ない。
【0050】本実施例では、第1実施形態のバー塗布装
置12を使用して、アルミウエブ14に塗布液50を塗
布した。
【0051】まず、アルミニウム板に砂目仕立て、エッ
チング、電解粗面化及び陽極酸化等の必要な処理を施
し、アルミウエブ14を得た。このアルミウエブ14に
バー塗布装置12によって塗布液50を塗布し、乾燥
後、一旦ロール状に巻き取った。さらにこのアルミウエ
ブを巻出し、目視によって塗布面質を評価した。
【0052】塗布条件は、以下のように設定した。
【0053】 ・アルミウエブの幅 :500mm ・アルミウエブの厚さ :0.3mm ・搬送速度 :100m/min ・塗布量 :0.02リットル/m2 ・塗布用バーの径 :10mm ・塗布用バーの回転数 :−50/min(逆回
転) ・塗布液の粘度 :10mPa・s ・押圧ロールの径 :φ50mm ・押圧位置L :30mm なお、通常は、平版印刷版製造工程でのアルミウエブ1
4の搬送速度は、50m/min以下とされることが多
い。従って、上記の搬送速度(100m/min)は、
平版印刷版製造工程におけるアルミウエブ14の搬送速
度としては、相対的に高速である。
【0054】以上の条件で、クリアランスCの長さCL
を5.0mm〜0.1mmの範囲で変更し、それぞれに
ついて、アルミウエブ14への塗布液50の塗布性、及
びアルミウエブ14の塗布面質(特に、液溜まりの乱れ
による塗布スジ)について評価した。また、比較例とし
て、クリアランスCの長さCLを7.0mm及び6.0
mmとした場合についても、同様の評価を行った。
【0055】
【表1】 表中、「○」は結果が良好であり、問題や不都合が生じ
ないことを、「×」は問題や不都合が生じることがある
ことをそれぞれ示す。
【0056】この表から分かるように、クリアランスC
の長さCLを0.1mm〜5.0mmの範囲とした場合
(実施例1〜実施例5)には、液溜まりが安定し、塗布
面質も良好である。
【0057】これらに対し、クリアランスCの長さCL
を7.0mm及び6.0mmとした場合(比較例1及び
比較例2)には、液溜まりが安定せず塗布スジが生じ、
塗布面質が、問題や不都合が生じる程度に低下してい
る。
【0058】
【発明の効果】本発明は上記の構成としたので、塗布対
象物の搬送速度を高速化しても均一の塗布面質を得るこ
とが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態のバー塗布装置の概略構
成を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態のバー塗布装置の概略構
成を示す正面図であり、(A)は非塗布状態、(B)は
塗布状態である。
【図3】本発明の第1実施形態のバー塗布装置の回転駆
動装置を示す平面図である。
【図4】本発明の第1実施形態のバー塗布装置の回転駆
動装置を示す側面図である。
【図5】本発明のバー塗布装置においてアルミウエブと
堰板との間に構成されるクリアランスを説明するための
説明図である。
【図6】従来のバー塗布装置の概略構成を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
12 バー塗布装置 14 アルミウエブ(塗布対象物) 16 塗布用バー 20 堰板(堰部材) 36 回転駆動装置 50 塗布液 52 液溜まり 54 押圧ロール(押圧部材) C クリアランス

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一定方向に搬送される塗布対象物に対し
    接触し塗布対象物への塗布液の塗布及び塗布対象物から
    の余剰塗布液の除去を行う塗布用バーと、 前記塗布用バーよりも前記塗布対象物の搬送方向上流側
    に配置され、塗布対象物と前記塗布用バーとの間で塗布
    液の液溜まりを形成する堰部材と、 前記堰部材と前記塗布対象物との間のクリアランスを5
    mm以下の所定値に維持するためのクリアランス維持手
    段と、 を有することを特徴とするバー塗布装置。
  2. 【請求項2】 前記塗布用バーの近傍に配置され、塗布
    用バーの反対側から塗布対象物を押圧する押圧部材、 を有し、 前記クリアランス維持手段が、前記堰部材及び前記押圧
    部材の少なくとも一方を前記塗布対象物の厚み方向に移
    動させる移動手段、 とされていることを特徴とするバー塗布装置。
  3. 【請求項3】 前記塗布用バーを、前記塗布対象物の搬
    送速度に対応した周速と異なる周速となるように回転さ
    せる回転駆動装置、 を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載
    のバー塗布装置。
  4. 【請求項4】 一定方向に搬送される塗布対象物に対し
    塗布用バーを接触させ塗布対象物への塗布液の塗布及び
    塗布対象物からの余剰塗布液の除去を行うバー塗布方法
    であって、 前記塗布用バーよりも前記塗布対象物の搬送方向上流側
    に配置された堰部材により、塗布対象物と前記塗布用バ
    ーとの間で塗布液の液溜まりを形成し、 前記堰部材と前記塗布対象物との間のクリアランスを5
    mm以下の所定値に維持することを特徴とするバー塗布
    方法。
  5. 【請求項5】 前記塗布用バーを、前記塗布対象物の搬
    送速度に対応した周速と異なる周速で回転させることを
    特徴とする請求項4に記載のバー塗布方法。
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