JP3988066B2 - 塗布方法及び装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、塗布方法及び装置に係り、特に、薄い金属板、紙、フィルム等のシート状或いはウエブ状の被塗工基材(以下「ウエブ」という)に各種の液状物質(以下「塗布液」という)を塗布する塗布方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
薄い金属板、紙、プラスチックフィルム等のウエブに各種の塗布液を塗布する塗布装置としては、ロールコータ、エアーナイフコータ、ダイを用いたコータ、及びロッドコータ等の各種の装置が知られている。
【0003】
これらの塗布装置の中で、ロッドコータは簡易な塗布装置で、しかも各種の塗布液を各種のウエブに塗布できるので、広く利用されている。ロッドコータは、ウエブに塗布された塗布液の過剰分を塗工装置用ロッドで掻き落とすタイプのものと、ウエブへの塗布と塗布液量の調整の両方を1つの塗工装置用ロッドで行うタイプのものとがある。いずれのタイプのロッドコータの場合にも、塗工装置用ロッドのロッド表面の周方向には多数の溝が形成されており、この溝の深さ、幅等によりウエブに塗布する塗布液量や掻き落とす塗布液量が調整される。
【0004】
例えば、特公昭58−4589号公報による従来のロッドコータは、連続走行しているウエブに対して、塗工装置用ロッドを同方向又は逆方向に回転し、回転するロッドにより液溜まりの塗布液をピックアップすることにより、塗布液をウエブに塗布する。そして、この塗布の際に、ウエブとロッドの接触部において塗布液の計量が行なわれて所望の塗布量のみがウエブに塗布され、余分な塗布液は流下して新たに供給される塗布液と共に液溜まりが形成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特公昭58−4589号公報で提案されている従来の塗布方法では、ウエブの走行速度を速くして高速塗布を行なったり、高粘度の塗布液を塗布したりした場合には、ウエブに塗布された塗布面上に「等ピッチ状のスジ」が発生してしまうという欠点がある。
【0006】
この「等ピッチ状のスジ」の発生を防止するには、塗工装置用ロッドの回転方向を、ウエブの走行方向に対して同方向に回転させるよりも逆方向に回転させる方が良いと言われている。しかし、単に逆回転させても、前記「等ピッチ状のスジ」とは別の「等ピッチ状のスジ」が発生してしまい、完全な解決策がないのが実情である。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、ウエブの走行速度を速くして高速塗布を行なったり、高粘度の塗布液を塗布したりしてもスジが発生することなく良好な塗布を行なうことができる塗布方法及び装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記目的を達成するために、連続走行するウエブに接触して前記ウエブに塗布液を転移塗布する円柱状のロッド、又は塗布液が過剰に塗布されたウエブに接触して塗布液の過剰分を掻き落とす塗工装置用ロッドを用いた塗布方法において、前記塗布液の粘度をμ( cP) として表面張力をσ( dyne/cm) とし、前記ウエブの走行速度をV 2 ( cm /秒)としたときに、μ×V 2 /σが0.025以上である場合であって、前記塗工装置用ロッドを前記ウエブの走行方向に対して逆回転させると共に、逆回転させる塗工装置用ロッドの回転速度をV 1 ( cm /秒)としたときに、V1/V2の絶対値が0.0005以上、0.03以下になるように設定して塗布を行なうことを特徴とする。
また、本発明は前記目的を達成するために、連続走行するウエブに接触して前記ウエブに塗布液を転移塗布する円柱状のロッド、又は塗布液が過剰に塗布されたウエブに接触して塗布液の過剰分を掻き落とす塗工装置用ロッドを用いた塗布装置において、前記ウエブの走行速度を検出する走行速度計と、前記ウエブの走行速度を可変する走行速度可変装置と、前記ウエブの走行方向に対して逆回転する前記塗工装置用ロッドの回転速度を検出する回転速度計と、前記塗工装置用ロッドの回転速度を可変する回転速度可変装置と、前記回転速度計による塗工装置用ロッドの回転速度V 1 ( cm /秒)及び前記走行速度計によるウエブ走行速度V 2 ( cm /秒)に基づいて、V 1 /V 2 の絶対値が0.0005以上、0.03以下になるように制御するコントローラと、を備えたことを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、塗工装置用ロッドを用いた塗布方法において、塗工装置用ロッドをウエブの走行方向に対して逆回転させると共に、逆回転させる塗工装置用ロッドの回転速度をV1 (cm/秒)、ウエブの走行速度をV2 (cm/秒)としたときに、V1 /V2 が0.0001以上、0.06以下になるように設定して塗布を行なうようにしたので、ウエブの走行速度を速くして高速塗布を行なったり、高粘度の塗布液を塗布したりしてもスジが発生することがない。これにより、低速な塗布から高速な塗布に良好な塗布を行なうことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下添付図面に従って本発明に係る塗布方法の好ましい実施の形態について詳説する。
【0011】
図1は、本発明の塗布方法を適用する塗布装置の構成の第1の実施の形態であり、ウエブに塗布された塗布液の過剰分を塗工装置用ロッドで掻き落とすタイプの構成図である。
【0012】
塗布装置は、主として、ウエブ10に塗布液20を過剰に塗布するロールコータ12と、ウエブ10に過剰に塗布された塗布液20の過剰分を掻き取るロッドコータ22と、ウエブ10の走行速度と塗工装置用ロッド24の回転速度を相対的に制御するコントローラ40とで構成される。
【0013】
ロールコータ12は、上側に配置されたバックアップローラ14と、バックアップローラ14の下側に配置されたコーティングローラ16とを有し、コーティングローラ16の回転により塗布液パン18中の塗布液20をピックアップする。そして、ピックアップした塗布液20をバックアップローラ14に係合支持されて走行しているウエブ10に転移塗布する。尚、ウエブに塗布液を塗布する塗布機としてはロールコータを用いたが、特にロールコータに限定するものではなく、任意の塗布機を使用することができる。
【0014】
ロッドコータ22は、ロッド支持部材23にウエブ10の走行方向に対して逆回転する塗工装置用ロッド24が支持されると共に、ロッド支持部材23上に回転を阻害しないように保持される。これにより、ロッド支持部材23は、塗工装置用ロッド24に撓みが発生するのを防止する。この塗工装置用ロッド24の回転軸24Aは、塗工装置用ロッド24の回転速度V1 (cm/秒)を可変する回転速度可変装置42に接続されると共に、回転軸24Aの近傍には塗工装置用ロッド24の回転速度を検出する回転速度計44が設けられる。
【0015】
また、ウエブ10を走行させる図示しない搬送装置には、ウエブ10の走行速度V2 (cm/秒)を可変する走行速度可変装置46が設けられると共に、ウエブ10の近傍には、ウエブ10の走行速度を検出する非接触式の走行速度計48が設けられる。そして、回転速度計44と走行速度計48で検出された検出値は、コントローラ40に送られる。
【0016】
コントローラ40は、回転速度計44から送られた塗工装置用ロッド24の回転速度V1 と、走行速度計48から送られたウエブ10の走行速度V2 を対比し、V1 /V2 の絶対値が0.0001以上、0.06以下の範囲になるように回転速度可変装置42と走行速度可変装置46を制御する。ここで、V1 /V2 の絶対値としたのは、塗工装置用ロッド24がウエブ10の走行方向に対して逆回転するので、塗工装置用ロッド24が回転する速度ベクトルとウエブ10が走行する速度ベクトルとは互いに逆向きであることによる。
【0017】
次に、上記の如く構成された塗布装置の第1の実施の形態を用いて本発明の塗布方法を説明する。
【0018】
図1に示すように、矢印方向に走行するウエブ10は、ロールコータ12により過剰な塗布液20が塗布される。過剰な塗布液20が塗布されたウエブ10は、塗布液20が未乾燥、未固化状態にあるうちに、ロッドコータ22に走行し、ウエブ10の塗布面側が回転する塗工装置用ロッド24に接触する。これにより、ウエブ10に塗布された塗布液20の過剰分が塗工装置用ロッド24により掻き落とされて、ウエブ10に塗布される塗布液量が調整される。掻き落とす塗布液20の量は、塗工装置用ロッド24に形成される多数の溝の深さ、幅や、ピッチ長さ等により変えることができる。
【0019】
上記塗布において、塗工装置用ロッド24をウエブ10の走行方向に対して逆回転させる理由は、塗工装置用ロッド24をウエブ10の走行方向と同方向に回転させた場合、ウエブ10と塗工装置用ロッド24の接触部において、ウエブ10の走行速度の上昇、塗布液20の粘度の上昇、塗布液20の表面張力の減少といった現象が現れる。そして、このような現象の出現にともなってウエブ10に塗布液20が塗布された塗布面上には等ピッチ状のスジが発生し易くなるためである。従って、塗工装置用ロッド24の回転方向を、ウエブ10の走行方向と逆向きに回転させることにより、上記した同回転の場合に発生する等ピッチ状のスジを抑制することができる。
【0020】
しかし、塗工装置用ロッド24を逆回転させた場合であっても、ウエブ10の走行速度を速くして高速塗布を行なう場合には、同方向の回転とは別の種類の等ピッチ状のスジが発生するため、単に逆回転させただけではスジの発生を根絶することはできない。
【0021】
そこで、本発明では、塗工装置用ロッド24をウエブ10の走行方向に対して逆回転させることに加え、逆回転させる塗工装置用ロッド24の回転速度をV1 (cm/秒)、ウエブ10の走行速度をV2 (cm/秒)としたときに、V1 /V2 の絶対値が0.0001以上、0.06以下になるように設定して塗布を行なうようにした。具体的には、塗工装置用ロッド24の回転速度V1 が回転速度計で計測されてコントローラ40に送られると共に、ウエブ10の走行速度V2 が走行速度計で検出されてコントローラ40に送られる。そして、コントローラ40では、これらの検出値に基づいては、V1 /V2 の絶対値が0.0001以上、0.06以下の範囲になるように回転速度可変装置42と走行速度可変装置46を制御する。この場合、ウエブ10の種類や塗布液20の性状等に適したウエブ10の走行速度V2 を先ず設定し、このV2 に対してV1 /V2 の絶対値が0.0001以上、0.06以下の関係が成立するように塗工装置用ロッド24の回転速度V1 を設定することが好ましい。
【0022】
V1 /V2 の絶対値が0.0001以上、0.06以下の範囲になるように設定した理由は、V1 /V2 の絶対値が0.06を越える場合には、ウエブ10の走行速度に対して塗工装置用ロッド24の逆回転速度が速くなり過ぎるために塗工装置用ロッド24をウエブ10と同方向に回転させたときとは別の種類の等ピッチ状のスジが発生する。逆に、V1 /V2 の絶対値が0.0001未満の場合には、塗工装置用ロッド24を逆回転させる効果が発揮されないために、塗工装置用ロッド24を同方向に回転させたときと同じ種類の等ピッチ状のスジが発生する。また、ウエブ10の種類や塗布液の性状等による上記V1 /V2 の絶対値の範囲のシフトを考慮すると、V1 /V2 の絶対値が0.0003以上、0.05以下の範囲になるように、更に好ましくはV1 /V2 の絶対値が0.0005以上、0.03以下の範囲になるようにするとよい。
【0023】
ところで、塗工装置用ロッド24の回転方向をウエブ10の走行方向と同方向として塗布を行なった場合、μ×V2 /σで表されるキャピラリー数が0.025を越えるとスジ発生の兆候が現れ始め、0.1を越えるとスジ発生が認められる。即ち、キャピラリー数が0.025を越える領域とは、スジが発生し易い塗布条件領域であることを意味する。
【0024】
このように、キャピラリー数が0.025を越える場合でも、塗工装置用ロッド24をウエブ10の走行方向に対して逆回転させることに加え、V1 /V2 の絶対値が0.0001以上、0.06以下になるように設定して塗布を行なえば、スジを発生しないように塗布することができる。このことは、V1 /V2 の絶対値を適切に設定することで、塗工装置用ロッド24を逆回転させただけでは防止しきれない高速塗布時のスジを抑制するだけでなく、キャピラリー数が0.025を越えるようなスジの発生し易い塗布条件下においてもスジの発生を抑制する効果があるものと考察される。
【0025】
従って、本発明の塗布方法によれば、ウエブ10の走行速度を速くして高速塗布を行なったり、高粘度の塗布液20を塗布したりしてもスジが発生することなく良好な塗布を行なうことができる。
【0026】
図2は、本発明の塗布方法を適用する塗布装置の構成の第2の実施の形態であり、ウエブ10への塗布と塗布液量の調整の両方を1つの塗工装置用ロッド24で行うタイプの構成図である。
【0027】
図2に示すように、走行するウエブ10に接触した状態で、ウエブ10の巾方向に本発明の塗工装置用ロッド24が配設される。塗工装置用ロッド24は、回転軸30を中心に回転可能であると共に、ロッド支持部材32上に回転を阻害しないように保持される。ロッド支持部材32は、塗工装置用ロッド24に撓みが発生するのを防止すると共に、塗工装置用ロッド24に塗布液20を供給する役目を行う。そして、塗工装置用ロッド24の回転軸30は、塗工装置用ロッド24の回転速度V1 (cm/秒)を可変する回転速度可変装置42に接続されると共に、回転軸30の近傍には塗工装置用ロッド24の回転速度を検出する回転速度計44が設けられる。
【0028】
また、ウエブ10を走行させる図示しない搬送装置には、ウエブ10の走行速度V2 (cm/秒)を可変する走行速度可変装置46が設けられると共に、ウエブ10の近傍には、ウエブ10の走行速度を検出する非接触式の走行速度計48が設けられる。そして、回転速度計44と走行速度計48で検出された検出値は、コントローラ40に送られる。
【0029】
コントローラ40は、回転速度計44から送られた塗工装置用ロッド24の回転速度V1 と、走行速度計48から送られたウエブ10の走行速度V2 を対比し、V1 /V2 の絶対値が0.0001以上、0.06以下の範囲になるように回転速度可変装置42と走行速度可変装置46を制御する。
【0030】
次に、上記の如く構成された塗布装置の第2の実施の形態を用いて本発明の塗布方法を説明する。
【0031】
ロッド支持部材32と堰部材34とで形成された塗布液供給路36に供給された塗布液20は、ウエブ10と塗工装置用ロッド24の接触部に塗布液20の液だまり38を形成する。そして、回転する塗工装置用ロッド24により液だまり38の塗布液20がウエブ10に転移塗布される。この際、ウエブ10と塗工装置用ロッド24との接触部において塗布液20の計量が行なわれて所望の塗布量のみがウエブ10に塗布される。余剰の塗布液20は流下して新たに供給された塗布液20と共に液溜まりが形成される。
【0032】
上記塗布において、第2の実施の形態の塗布方法の場合にも、塗工装置用ロッド24をウエブ10の走行方向に対して逆回転させることに加え、逆回転させる塗工装置用ロッド24の回転速度をV1 (cm/秒)、ウエブ10の走行速度をV2 (cm/秒)としたときに、V1 /V2 の絶対値が0.0001以上、0.06以下になるように設定して塗布を行なうようにした。
【0033】
これにより、第2の実施の形態と同様にウエブに塗布された塗布面にスジのない良好な塗布を行なうことができる。従って、本発明の塗布方法によれば、ウエブの走行速度を速くして高速塗布を行なったり、高粘度の塗布液を塗布したりしてもスジが発生することなく良好な塗布を行なうことができる。
【0034】
尚、本発明の塗布方法を行なう塗布装置に用いる塗工装置用ロッド24としては、各種のものを広く使用することができ、例えば、表面が平滑な塗工装置用ロッド、平滑なロッド表面にワイヤを巻いた、所謂ワイヤーロッド、ロッド表面に各種方式で表面溝加工を施した、所謂溝加工ロッドがある。塗工装置用ロッドの径は、3mm〜100mm程度が好ましい。
【0035】
ワイヤーロッドの場合には、ロッド径は4〜100mm、より好ましくは6〜30mmである。ロッド径を100mmより大きくすると、ウエブ10に塗布された塗布面に縦スジが発生し易くなり好ましくない。また、4mmよりも小さくなると、塗工装置用ロッド24の製作が難しくなる。ワイヤー径は、0.05〜1.0mmがよく、より好ましくは0.07〜0.4mmがよい。ワイヤー径が1.0mmより大きくなると、塗布量が多くなりすぎ、高速且つ薄膜塗布に有効なロッド塗布方法の使用法として適切でなくなる。また、ワイヤー径が、0.05mmよりも小さいときはワイヤーを巻いてワイヤーロッドを製作するのが難しくなると共に、ワイヤー強度の問題も発生する。ワイヤーの材質としては、金属が一般的であるが、耐蝕性、耐磨耗性、強度等の観点からステンレス鋼が最も適している。耐磨耗性を更に向上させるためには、ワイヤー表面にメッキをすることが好ましく、特にハードクロムメッキが適している。
【0036】
また、溝加工ロッドの溝加工方法としては、切削加工、レーザ加工、転造加工等がある。溝のピッチ0.05〜0.7mmがよく、さらに好ましくは0.1〜0.5mmがよい。ロッドの断面形状としては、正弦曲線に近似したものがとくに適している。しかし、必ずしもこのような断面形状に限定されることはなく、他の断面形状のものでもよい。
【0037】
一般に、塗工装置用ロッドの試作品を製作するのは溝加工ロッドよりもワイヤーロッドの方が簡単である。そして、各種の方法で製作された溝加工ロッドとワイヤーロッドとは、それぞれの断面における凸部の頂を結んだ線より下方にある空間の単位長さ当たりの面積が等しい場合には、両者ともに同一条件下における同一塗布量の塗布に適しているという一定の対応関係がある。したがって、このような対応関係に基づいてワイヤーロッドの試作品から溝加工ロッドの適切な溝加工を行なうことができる。溝加工を行なうロッドの材質としては、耐蝕性、強度の面より金属が好ましく、特にステンレス鋼が適している。
【0038】
また、上記した第1及び第2の実施の形態において塗工装置用ロッドを支持するロッド支持部材の材質は、ロッドが高速で回転するため、ロッド(ワイヤーロッドにあってはワイヤー)との間の摩擦抵抗が小さい材質のものを選択する必要がある。具体的には、フッ素樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂等をあげることができ、これらの中でもテフロン(米国Dupont社の商品名)として知られるポリテトラフルオロエチレン、或いはデルリン(米国Dupont社の商品名)として知られるポリアセタール樹脂が摩擦係数、強度の点で特に適している。また、第2の実施の形態で説明した堰部材の材質も塗工装置用ロッドと同様の材質のものを使用することが好ましい。更に、これらの樹脂材料にグラスファイバー、グラファイト、二硫化モリブデン等の添加剤を添加した材質のものを使用することができる。更には、ロッド支持部材を金属材料で製作した後、その表面に前述の如き樹脂材料をコーティングしたり、貼り付けたりして、ロッドとの間の摩擦係争を小さくさせることも好ましい。或いは、各種の金属材料に前述の如き樹脂材料を含浸させたもの、例えばアルミニウムにポリテトラフルオロエチレンを含浸させたものをロッド支持部材として用いることもできる。
【0039】
また、本発明の塗布方法で使用する塗布液20の種類としては、特に限定されるものではなく、高分子化合物の水溶解液又は有機溶媒液、顔料溶媒液、コロイド溶液等が含まれる。また、塗布液の粘度としては、粘度が0.8cP〜1000cPがよく、より好ましくは2cP〜500cPがよい。また、表面張力は、20(dyne/cm)〜70(dyne/cm)がよく、より好ましくは30(dyne/cm)〜50(dyne/cm)がよい。
【0040】
また、本発明の塗布方法で使用するウエブとしては、帯状のものでもシート状のものでも良く、紙、プラスチックフィルム、レジンコーティング紙、アルミニウムの薄板、鉄の薄板、合成紙等を使用できる。プラスチックフィルムの材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン等のビニル重合体、6,6─ナイロン、6─ナイロン等のポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン─2,6─ナフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、セルトーストリアセテート、セルロースダイアセテート等のセルロースアセテート等が使用される。また、レジンコーティング紙に用いるレジンとしては、ポリエチレンをはじめとするポリオレフィンが代表的であるが、これらには限定されない。ウエブ10の厚みも特に限定されないが、0.01mm〜1.0mm程度のものが取り扱い、汎用性の点で有利である。
【0041】
尚、本発明の実施の形態では、回転速度可変装置42、回転速度計44及び走行速度可変装置46、走行速度計48を用いて、V1 /V2 を任意に可変できるようにしたが、V1 /V2 を0.0001以上、0.06以下の範囲のなかの1つの設定値に固定する場合には、特に必要ない。
【0042】
【実施例】
次に、図1に示した塗布装置を使用して塗工装置用ロッドをウエブの走行方向に対して逆方向に回転させて行った本発明の実施例と比較例の結果を説明する。
【0043】
実施例及び比較例ともに、塗布液は、アクリル酸系共重合ポリマーが8重量部、メチルグリコール58重量部、メタノール30重量部、粘度12.1cP、表面張力31dyne/cm のものを使用した。また、ウエブは、厚み0.3mm、幅1000mmのアルミニウム基板を10000cm/分の走行速度V2 で走行させながら塗布した。塗工装置用ロッドはワイヤーロッドを用い、太さ0.6mmのワイヤーを10mmのロッドに巻回したものを使用した。
〔実施例1〕塗工装置用ロッドをウエブの走行方向に対して逆回転させると共に、塗工装置用ロッドの回転速度V1 を約33cm/分(10回転/分)とした。このときのV1 /V2 の絶対値は0.0033となり、本発明のV1 /V2 の絶対値が0.0001以上、0.06以下になる範囲に入るようにした。
〔比較例1〕塗工装置用ロッドをウエブの走行方向に対して同方向に回転させると共に、塗工装置用ロッドの回転速度を33cm/分(10回転/分)とした。即ち、塗工装置用ロッドの回転速度は本発明の条件を満足するが、回転方向が本発明の場合とは逆になるようにした。
〔比較例2〕塗工装置用ロッドをウエブの走行方向に対して逆回転させると共に、塗工装置用ロッドの回転速度を660cm/分(200回転/分)とした。このときのV1 /V2 の絶対値は0.066となり、本発明のV1 /V2 の絶対値が0.0001以上、0.06以下の上限から外れるようにした。
〔比較例3〕塗工装置用ロッドをウエブの走行方向に対して逆回転させると共に、塗工装置用ロッドの回転速度を0.66cm/分(0.2回転/分)とした。このときのV1 /V2 の絶対値は0.00007となり、本発明のV1 /V2 の絶対値が0.0001以上、0.06以下の下限から外れるようにした。
【0044】
その結果、実施例1の場合、スジの発生が全く認められなかった。
【0045】
これに対し、比較例1の場合、ウエブの塗布面には、塗工装置用ロッドをウエブの走行方向と同方向に回転させたときに発生する等ピッチ状のスジが発生した。
【0046】
比較例2の場合、ウエブの塗布面には、塗工装置用ロッドをウエブの走行方向と同方向に回転させたときに発生する等ピッチ状のスジとは別の種類のスジである約0.8mmピッチ等のピッチ状のスジが発生した。これは、ウエブの走行速度に対して塗工装置用ロッドの回転速度が速すぎることによるものと考察される。
【0047】
比較例3の場合、ウエブの塗布面には、ウエブの幅方向に、塗工装置用ロッドをウエブの走行方向と同方向に回転させたときに発生する等ピッチ状のスジと殆ど同様な多数のスジが発生した。これは、ウエブの走行速度に対して塗工装置用ロッドの回転速度が遅すぎることにより、塗工装置用ロッドを逆回転させる効果が生じなかったものと考察される。
【0048】
このように、本発明の塗布方法を行なうことにより、ウエブの塗布面にスジのない良好な塗布を行なうことができる。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の塗布方法及び装置によれば、ウエブの走行速度を速くして高速塗布を行なったり、高粘度の塗布液を塗布したりしてもスジが発生することなく良好な塗布を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の塗布方法を適用する塗布装置の第1の実施の形態を説明する構成図
【図2】本発明の塗布方法を適用する塗布装置の第2の実施の形態を説明する構成図
【符号の説明】
10…ウエブ、12…ロールコータ、20…塗布液、22…ロッドコータ、24…塗工装置用ロッド、23、32…ロッド支持部材、40…コントローラ、42…回転速度可変装置、44…回転速度計、46…走行速度可変装置、48…走行速度計
Claims (2)
- 連続走行するウエブに接触して前記ウエブに塗布液を転移塗布する円柱状のロッド、又は塗布液が過剰に塗布されたウエブに接触して塗布液の過剰分を掻き落とす塗工装置用ロッドを用いた塗布方法において、
前記塗布液の粘度をμ( cP) として表面張力をσ( dyne/cm) とし、前記ウエブの走行速度をV 2 ( cm /秒)としたときに、μ×V 2 /σが0.025以上である場合であって、
前記塗工装置用ロッドを前記ウエブの走行方向に対して逆回転させると共に、逆回転させる塗工装置用ロッドの回転速度をV 1 ( cm /秒)としたときに、V1/V2の絶対値が0.0005以上、0.03以下になるように設定して塗布を行なうことを特徴とする塗布方法。 - 連続走行するウエブに接触して前記ウエブに塗布液を転移塗布する円柱状のロッド、又は塗布液が過剰に塗布されたウエブに接触して塗布液の過剰分を掻き落とす塗工装置用ロッドを用いた塗布装置において、
前記ウエブの走行速度を検出する走行速度計と、
前記ウエブの走行速度を可変する走行速度可変装置と、
前記ウエブの走行方向に対して逆回転する前記塗工装置用ロッドの回転速度を検出する回転速度計と、
前記塗工装置用ロッドの回転速度を可変する回転速度可変装置と、
前記回転速度計による塗工装置用ロッドの回転速度V 1 ( cm /秒)及び前記走行速度計によるウエブ走行速度V 2 ( cm /秒)に基づいて、V 1 /V 2 の絶対値が0.0005以上、0.03以下になるように制御するコントローラと、を備えたことを特徴とする塗布装置。
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