JP4110543B2 - ロッド塗布方法及び装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロッド塗布方法及び装置に係り、特に、塗工装置用ロッドを用いて支持体(以下「ウエブ」と称す)に塗布液を転移させて塗布するロッド塗布方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
連続走行するウエブ面上に塗布液を塗布する方法として、円柱状をしたロッドやロール等の塗工装置用ロッドを用い、塗工装置用ロッドに形成した溝によりウエブに塗布する塗布液の塗布液量を制御するロッド塗布方法がある。このロッド塗布方法は、極めて簡単な方法で、しかも高速で薄層な塗布が実現し得るという特徴を有するため、広く用いられている。ロッド塗布方法としては、過剰の塗布液をウエブに転移させる塗工装置用ロッドと、ウエブに転移させた過剰の塗布液を掻き落として塗布液量の調節を行う塗工装置用ロッドとが別体になったものが従来より一般的に使用されていた。
【0003】
一方、1つの塗工装置用ロッドで塗布液のウエブへの転移と塗布液量の調節を行う塗布装置としては、特公昭52−36529号公報がある。この装置は、ワイヤ塗布体・耐熱性充填物・案内薄板によって楔状の液溜まりを形成すると共に、ワイヤ巻きの塗工装置用ロッドで塗布液量を調節して塗布液量をウエブに塗布する。
【0004】
さらに、1つの塗工装置用ロッドで塗布液のウエブへの転移と塗布液量の調節を行う塗布装置としては、特開昭53−22543号があり、塗工装置用ロッドとウェブと接触部の直前に液溜まりが形成されるように塗布液を供給し、塗工装置用ロッドにより塗布液量を調節して塗布液をウエブに塗布する。
この液溜まりを形成して1つの塗工装置用ロッドで塗布液のウエブへの転移と塗布液量の調節を行うロッド塗布装置は、塗工装置用ロッド自体に塗布液をウエブに転移して塗布する機能と、塗布液量を調節する機能の両方をもたせることができるので、大きな装置スペースを要しない。更に、表面性の優れた塗膜を形成することが出来る点で前記した塗布液の転移と塗布液量の調節の塗工装置用ロッドを別体にしたものよりも優れている。
【0005】
このロッド塗布方法に使用する塗工装置用ロッドは3種類あり、▲1▼平滑な表面を持ったロッド素材のままのもの、▲2▼ロッド素材にワイヤーを巻いたもの、▲3▼ロッド素材自体の周方向溝を形成したもののいずれかが用いられる。
ワイヤーを巻いた塗工装置用ロッドは、ホットメルト塗布や、比較的塗布量の多い場合の塗布に用いられ、ワイヤーの直径は0.08〜1.52mmのものが用いられ、一般的には0.08〜0.64mmのものが多い。そして、このワイヤーの太さにより塗布液量を調節する。
【0006】
ロッド素材自体の周方向に溝を形成した塗工装置用ロッドは、切削、転造、レーザー加工等の方法により溝が形成される。そして、この溝の大きさにより塗布液量を調節する。(実開平1−65671号公報参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ロッド塗布方法において、塗布されたウエブの塗布層面に以下のような塗布不良が生じることがあるという問題がある。
▲1▼ウエブの幅方向や走行方向に、スジが発生することがある。
▲2▼ウエブの幅方向や走行方向に、塗布分布不良により列状の塗布ムラが発生することがある。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みて成されたもので、スジの発生や列状の塗布ムラ等の発生を防止することができるロッド塗布方法及び装置を提供することを目的とする。
【0009】
【発明を解決するための手段】
本発明は前記目的を達成するために、走行する支持体に、ロッド自体の表面周方向に複数の溝を加工した塗工装置用ロッドを接触させて塗布液を前記支持体に転移して塗布すると共に、前記塗工装置用ロッドの溝の大きさにより塗布液量を調整するロッド塗布方法において、前記塗工装置用ロッドとして、ロッド表面に形成された溝同士のピッチに対する溝の谷部の最深部の深さの比が0.02以上、0.4以下であって、且つ前記溝の頂部の径の真円度を表す頂部真円度及び溝の谷部の径の真円度を表す谷部真円度と、前記溝の頂部同士を結んで形成される円筒形状の円筒度と、がそれぞれ5/100以下になるように加工したものを使用することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は前記目的を達成するために、走行する支持体に、ロッド自体の表面周方向に複数の溝を加工した塗工装置用ロッドを接触させて塗布液を前記支持体に転移して塗布すると共に、前記塗工装置用ロッドの溝の大きさにより塗布液量を調整するロッド塗布装置において、前記塗工装置用ロッドは、ロッド表面に形成された溝同士のピッチに対する溝の谷部の最深部の深さの比が0.02以上、0.4以下であって、前記溝の頂部の径の真円度を表す頂部真円度と、溝の谷部の径の真円度を表す谷部真円度と、前記溝の頂部同士を結んで形成される円筒形状の円筒度と、がそれぞれ5/100以下になるように加工されていることを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、塗工装置用ロッドとウエブとの接触状態を示す周方向接触比と幅方向接触比、及び塗工装置用ロッドの塗布ロッドとしての良否を示す頂部真円度、谷部真円度、円筒度を所定値に設定するようにしたので、ウエブの幅方向及び走行方向における塗布液量を均等にすることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下添付図面に従って本発明に係るロッド塗布方法及び装置の好ましい実施の形態について詳説する。
本発明の発明者は、ロッド塗布方法でウエブに塗布液を塗布した時に生じることのあるスジや塗布ムラ等の塗布不良が、塗工装置用ロッドとウエブとの接触状態の良否、或いは塗工装置用ロッドの真円度、円筒度、溝の性状等のロッド自体の良否に大きく影響されるという知見を得た。
【0015】
本発明は、上記知見に基づいて成されたものであり、塗布不良に影響する上記の影響因子を所定の値に設定することにより解決するようにしたものである。
先ず、図1によりロッド塗布装置12の一般的な構成を説明する。
図1に示すように、走行するウエブ10に接触した状態で、ウエブ10の幅方向に円柱状の塗工装置用ロッド14が配設される。この塗工装置用ロッド14は、ウエブ10が走行する方向に回転軸16を中心に回転可能であると共に、ロッド支持部材18上に回転を阻害しないように支持される。ロッド支持部材18は、塗工装置用ロッド14に撓みが発生するのを防止すると共に、塗工装置用ロッド14に塗布液20を供給する役目を行う。即ち、ロッド支持部材18と堰板22とで形成された塗布液供給路24に供給された塗布液20は、ウエブ10と塗工装置用ロッド14の接触部に塗布液20の液だまり26を形成する。そして、回転する塗工装置用ロッド14により液だまり26の塗布液20がウエブ10に転移され、ウエブ面に塗布層27が形成される。この塗工装置用ロッド14周面の周方向には後記する溝28が形成され、塗布液20はこの溝28を介してウエブ10に転移される。そして、塗工装置用ロッドによりウエブに塗布される塗布液量は、溝の大きさによって制御される。
【0016】
次に、塗布不良の影響因子の1つである塗工装置用ロッド14とウエブ10との接触状態について説明する。
図2は、塗工装置用ロッド14とウエブ10との接触状態を示す図であり、接触状態の良否は、塗工装置用ロッド14とウエブ10との周方向接触比と幅方向接触比とで表すことができる。
【0017】
ここで、周方向接触比とは、塗工装置用ロッド14の円周長に対する塗工装置用ロッド14のウエブ10に接触する円周方向の接触長で表される比である。図3に示すように、Lは塗工装置用ロッド14のウエブ10に接触している円周方向の接触長を示す。また、塗工装置用ロッド14の円周長は、塗工装置用ロッド14の半径をrとすると2πrである。従って、周方向接触比は次式で表すことができる。
【0018】
【数1】
周方向接触比=(L/2πr)×100(%)…(1)
そして、本発明では、周方向接触比が3%以上になるように塗工装置用ロッド14とウエブ10との接触状態が設定される。周方向接触比の上限は、図1に示すロッド支持部材18や堰板22との制約を受けるので、30%程度が限界である。
【0019】
また、幅方向接触比とは、ウエブ10幅に対する塗工装置用ロッド14に形成された溝28の頂部がウエブ10に接触する幅の合計で表される%比である。図4に示すように、Lは塗工装置用ロッド14のウエブに接触している円周方向の接触長を示し、tは塗工装置用ロッド14の溝28の頂部28A(図5参照)とウエブ10とが接触する接触面S(斜線部分)の幅長さである。従って、塗工装置用ロッド14の溝28の頂部28Aのうち、ウエブ10に接触している数をnとし、ウエブ10幅をW(図2参照)とすると、幅方向接触比は次式で表すことができる。
【0020】
【数2】
幅方向接触比=〔(t×n)/W〕×100(%)…(2)
そして、本発明では、幅方向接触比が5%以上になるように塗工装置用ロッド14とウエブ10との接触状態が設定される。幅方向接触比を大きくするには、できるだけ微細な溝28を形成すればよいが、現状では加工方法や加工精度との兼ねあいもあり95%が上限である。
【0021】
本発明によれば、周方向接触比を3%以上、幅方向接触比を5%以上になるように塗工装置用ロッド14とウエブ10との接触状態を設定して塗布操作を行なうようにしたので、塗工装置用ロッド14の溝28による塗布液量の計量精度を向上させることができる。この理由は、塗工装置用ロッド14とウエブ10との接触面Sを確保することにより、塗工装置用ロッド14とウエブ10との間で局部的な隙間が生じにくくなり、スジや塗布ムラの発生を防止できるものと推察される。従って、ウエブ10の塗布層27面にスジ、塗布ムラ等の塗布不良が発生するのを低減し塗布精度を向上させることができる。
【0022】
次に、塗布不良の別の影響因子である塗工装置用ロッド14について説明する。
塗工装置用ロッド14の良否は、溝28の頂部28Aの頂部真円度、溝28の谷部28Bの谷部真円度、円筒度及び溝28のピッチ(d)に対する溝28の谷部28Bの最深部の深さ(h)で構成される因子で表すことができる。
【0023】
ここで、塗工装置用ロッド14の溝28の頂部28Aの頂部真円度とは、図5に示すように、塗工装置用ロッド14に形成された各溝28の頂部28Aにおける径(D1 )の振れを、塗工装置用ロッド14の全長に渡って見た場合の分布度合いである。
塗工装置用ロッド14の溝28の谷部28Bの谷部真円度とは、図5に示すように、溝28の谷部28Bにおける径(D2 )の振れを塗工装置用ロッド14の全長に渡って見た場合の振れの分布度合いである。そして、塗工装置用ロッド14によりウエブ10に塗布される塗布液量は、溝28の大きさ(容積)によって制御されるため、溝28の頂部28Aと谷部28Bのそれぞれの真円度の振れが塗工装置用ロッド14の周方向の各部位における塗布液量を左右する。例えば、塗工装置用ロッド14の真円度が悪く、塗工装置用ロッド14の周方向において塗布液量の多い部位と少ない部位が形成された場合には、塗工装置用ロッド14が回転しながらウエブ10に塗布液20が転移するので、ウエブ10には塗工装置用ロッド14の塗布液量の多い部位と少ない部位が交互に接触することになる。この結果、図6に示すように、ウエブ10の塗布層27面には、ウエブ10の幅方向に沿って、塗布層27の厚い部分30Aと薄い部分30Bとの列状の塗布ムラが発生する。
【0024】
本発明では、頂部真円度と谷部真円度を共に5/100以下、即ち5%以下になるように設定した。従って、塗工装置用ロッド14の周方向における塗布液量を均等にできるので、ウエブ10の幅方向に沿って列状の塗布ムラが形成されるのを防止することができる。
また、円筒度とは、図5に示すように、各溝28の頂部28A同士を結んで形成される円筒の円筒度である。塗工装置用ロッド14によりウエブ10に塗布される塗布液量は、溝28の大きさ(容積)によって制御されるため、円筒度の振れが塗工装置用ロッド14の長さ方向の塗布液量を左右する。例えば、円筒度の振れが塗工装置用ロッド14の長さ方向に正弦波状に振れていると、図7に示すように、ウエブ10の塗布層27面には、ウエブ10の走行方向に沿って、塗布層27の厚い部分30Aと薄い部分30Bとの列状の塗布ムラが発生する。
【0025】
本発明では、円筒度を5/100以下になるように設定した。従って、塗工装置用ロッド14の長さ方向における塗布液量を均等にできるので、ウエブ10の走行方向に沿って列状の塗布ムラが形成されるのを防止できる。
また、本発明では、図5に示すように、塗工装置用ロッド14の溝28のピッチ(d)に対する溝28の谷部28Bの最深部の深さ(h)の比が、0.02以上、0.4以下に設定される。この理由は、この比が0.4を越えると、溝28のピッチ(d)に対する溝28の深さ(h)が大きくなり過ぎて、塗布液量の精度が急激に低下するためである。一方、この比を0.02未満にすることは、溝28の加工技術の限界から加工精度が著しく悪くなるために塗布液量の精度が低下するためである。
【0026】
また、図5には、台形状の溝の例で示したが、溝の谷部の最深部の形状を湾曲状にすると塗布液量の精度を更に向上させることができる。
尚、本発明に使用される塗布液とは、光材料におけるような、感光乳剤層、下塗層、保護層、パック層等のための塗布液、磁気記録材料におけるような磁性槽層、下塗層、潤滑層、保護層、パック層等のための塗布液、その他、接着剤層、着色層、防錆層等のための塗布液があげられる。
【0027】
また、本発明に使用される支持体とは、紙、プラスチックフイルム、金属、レジンコーティッド紙、合成紙等が含まれる。プラスチック材質は、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン等のビニル重合体、6、6ナイロン、6ナイロン等のポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン2、6ナフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、セルローストリアセテート、セルロールダイアセテート等のセルロースアセテート等が使用される。また、レジンコーティッド紙に用いる樹脂としては、ポリエチレンをはじめとするポリオレフィンが代表的であるが、必ずしもこれに限定されない。また、金属支持体としては、例えばアルミニウム板がある。
【0028】
【実施例】
(実施例1)
装置は、図1に示したロッド塗布装置を用いて行なった。
実施例1では、塗工装置用ロッドは、長さ800mm、径10mmのロッドに、溝ピッチd=0.3mm、溝の頂部の幅t=0.05mm、溝の深さh=0.06mmの溝を加工した。そして、塗工装置用ロッドとウエブとの接触状態を、周方向接触比を3.0%、幅方向接触比を16.7%に設定した。
【0029】
ウエブは、表面に凸凹化処理を施し、平均表面粗さが0.4で厚み0.3mmのアルミニウム板を使用した。塗布液は、水溶性バインダーを含む水溶液であり、粘度13cP、表面張力38dyne/cm、比重1.018のものを使用した。そして、走行するウエブの張力50〜100kg、走行速度10〜80m/分で塗布を行った。
【0030】
一方、比較例1では、周方向接触比を2.5%(3%よりも小)とし、幅方向接触比は実施例1と同じ16.7%となるように塗工装置用ロッドとウエブとの接触状態を変えた。その他の条件、ウエブの材質、塗布液の種類、ウエブの張力及び走行速度等は実施例1の条件と同様に行なった。
その結果、実施例1は、ウエブの塗布液面にスジや塗布ムラが発生せず、ウエブの幅方向及び走行方向に渡って塗布分布の均等な塗布を行なうことができた。この時の、ウエブ幅方向の塗布量分布は0.2%以内と良好であった。
【0031】
一方、比較例1は、ウエブの塗布液面に、ウエブの走行方向に5〜6本の強いスジが発生すると共に、ウエブの走行方向に塗布ムラが発生した。ウエブ幅方向の塗布量分布は4%と大きかった。
尚、実施例1では、塗工装置用ロッドとウエブとの接触状態について上記条件の他に、周方向接触比を25%まで変化させた場合、幅方向接触比を80%まで変化させた場合についても実施したが、同様に良好な塗布を得ることができた。
【0032】
尚、実施例1では、周方向接触比を上記3%から上限近い25%まで変化させたが、何れも良好な塗布を行なうことができた。
(実施例2)
装置は、図1に示したロッド塗布装置を用いて行なった。
実施例2では、塗工装置用ロッドとウエブとの接触状態を、周方向接触比を5.0%、幅方向接触比を5%に設定した。
【0033】
比較例2では、塗工装置用ロッドとウエブとの接触状態を、周方向接触比を5.0%と実施例2と同じとし、幅方向接触比を5%より小さな4.5%に設定した。
その他の条件は、実施例2、比較例2ともに同様である。
その結果、実施例2は、ウエブの塗布液面にスジや塗布ムラが発生せず、ウエブの幅方向及び走行方向に渡って塗布分布の均等な塗布を行なうことができた。この時の、ウエブ幅方向の塗布量分布は実施例1の場合と同じ0.2%以内と良好であった。
【0034】
一方、比較例2は、ウエブの塗布液面に、幅方向に4〜5本の強いスジが発生すると共に、ウエブの幅方向に塗布ムラが発生した。ウエブの走行方向の塗布量分布は5%と大きかった。
尚、実施例2では、幅方向接触比を上記5%から上限近い80%まで変化させたが、何れも良好な塗布を行なうことができた。
(実施例3)
装置は、図1に示したロッド塗布装置を用いた。
【0035】
実施例3では、塗工装置用ロッドは、長さ800mm、径10mmのロッドに、溝ピッチd=0.4mm、溝の頂部の幅t=0.05mm、溝の深さh=0.08mmの溝を加工した。溝の谷部と頂部の真円度は共に2/100であり、円筒度は3/100に設定した。ウエブは、表面に凸凹化処理を施し、平均表面粗さが0.4で厚み0.3mmのアルミニウム基板を使用した。
【0036】
この時の、周方向接触比は10%、幅方向接触比は10%であった。塗布液は、水溶性バインダーを含む水溶液であり、粘度15cP、表面張力32dyne/cm、比重1.023のものを使用した。そして、走行するウエブの張力50〜100kg、走行速度20〜70m/分で塗布を行った。
一方、比較例3では、塗工装置用ロッドの溝の谷部の真円度を8/100、頂部の真円度は7/100になるように形成した。また円筒度は8/100になるように形成した。
【0037】
その結果、実施例3は、ウエブの塗布液面にスジや塗布ムラが発生せず、ウエブの幅方向及び走行方向に渡って塗布分布の均等な塗布を行なうことができた。この時の、ウエブ幅方向の塗布量分布は0.2%以内と良好であった。
一方、比較例3は、塗布液面に、ウエブの走行方向に沿って列状で塗布ムラが発生しただけでなく、塗布ムラが段々状に形成された。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のロッド塗布方法及び装置によれば、塗工装置用ロッドのウエブとの接触状態を示す周方向接触比と幅方向接触比、及び塗工装置用ロッドの塗布ロッドとしての良否を示す頂部真円度、谷部真円度、円筒度を所定値に設定するようにしたので、ウエブの幅方向及び走行方向における塗布液量を均等にすることができる。
【0039】
従って、ウエブの縦、横方向にスジ、塗布ムラ等の塗布不良が発生することない。また、塗布液量、塗布分布も良好な塗布を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ロッド塗布装置の構成を示す断面図
【図2】塗工装置用ロッドとウエブとの接触状態を示す斜視図
【図3】周方向接触比を説明する説明図
【図4】幅方向接触比を説明する説明図
【図5】塗工装置用ロッドの軸方向の断面図
【図6】ウエブの幅方向に沿って塗布ムラが発生する場合の説明図
【図7】ウエブの走行方向に沿って塗布ムラが発生する場合の説明図
【符号の説明】
10…ウエブ
12…ロッド塗布装置
14…塗工装置用ロッド
18…ロッド支持部材
20…塗布液
22…堰板
27…塗布層
Claims (3)
- 走行する支持体に、ロッド自体の表面周方向に複数の溝を加工した塗工装置用ロッドを接触させて塗布液を前記支持体に転移して塗布すると共に、前記塗工装置用ロッドの溝の大きさにより塗布液量を調整するロッド塗布方法において、
前記塗工装置用ロッドとして、ロッド表面に形成された溝同士のピッチに対する溝の谷部の最深部の深さの比が0.02以上、0.4以下であって、且つ前記溝の頂部の径の真円度を表す頂部真円度及び溝の谷部の径の真円度を表す谷部真円度と、前記溝の頂部同士を結んで形成される円筒形状の円筒度と、がそれぞれ5/100以下になるように加工したものを使用することを特徴とするロッド塗布方法。 - 前記塗工装置用ロッドの円周長に対する前記塗工装置用ロッドの前記支持体に接触する円周方向の接触長の比で表される周方向接触比を3%以上に設定し、且つ前記支持体幅に対する前記塗工装置用ロッドに形成された各溝の頂部が支持体に接触する幅の合計値の比で表される幅方向接触比を5%以上に設定した状態で塗布操作を行なうことを特徴とする請求項1のロッド塗布方法。
- 走行する支持体に、ロッド自体の表面周方向に複数の溝を加工した塗工装置用ロッドを接触させて塗布液を前記支持体に転移して塗布すると共に、前記塗工装置用ロッドの溝の大きさにより塗布液量を調整するロッド塗布装置において、
前記塗工装置用ロッドは、ロッド表面に形成された溝同士のピッチに対する溝の谷部の最深部の深さの比が0.02以上、0.4以下であって、前記溝の頂部の径の真円度を表す頂部真円度と、溝の谷部の径の真円度を表す谷部真円度と、前記溝の頂部同士を結んで形成される円筒形状の円筒度と、がそれぞれ5/100以下になるように加工されていることを特徴とするロッド塗布装置。
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