JP2003091889A - 相変化型情報記録媒体の製造方法 - Google Patents

相変化型情報記録媒体の製造方法

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JP2003091889A
JP2003091889A JP2001286973A JP2001286973A JP2003091889A JP 2003091889 A JP2003091889 A JP 2003091889A JP 2001286973 A JP2001286973 A JP 2001286973A JP 2001286973 A JP2001286973 A JP 2001286973A JP 2003091889 A JP2003091889 A JP 2003091889A
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Takashi Hattori
恭士 服部
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 相変化型情報記録媒体をほど良く生産すると
ともに、生産する条件を提供し、さらに、上記の生産方
法と装置を使って、品質の良い相変化型情報記録媒体を
得ること。 【解決手段】 少なくとも2箇所以上の半径値で記録媒
体を保持する初期化工程を含むことを特徴とする相変化
型情報記録媒体を製造する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光記録媒体、特に
光ビームを照射することにより記録層材料に相変化を生
じさせ、情報の記録・再生を行ないかつ、書き換えが可
能である相変化型情報記録媒体と、それを生産する装置
に関し、貼り合わせ型相変化型情報記録媒体に応用され
る。
【0002】
【従来の技術】DVD+RWディスク等の相変化型光記
録媒体は、一般的にはポリカーボネートを射出成形装置
により成形した基板上に第1誘電体層、記録層、第2誘
電体層、金属又は合金層をスパッタリングにより形成
し、その上にUV硬化樹脂を塗布によって形成してい
る。
【0003】情報基板のスパッタ後の記録層はレーザー
入射したときの反射率が低いため、記録層の結晶化を行
なう初期化工程を経ることにより記録装置で認識できる
ようになるため、この初期化工程は相変化型光記録媒体
製造には必須の工程である。初期化工程の具体的操作と
しては、記録層膜を一旦溶融温度まで昇温した後、徐冷
することにより初期化を行なうことができる。
【0004】ディスクの材料としては、機械特性の安定
性、重量、価格等の観点から殆どの場合、ポリカーボネ
ート樹脂を使用しているため、全面を同時に初期化しよ
うとするとパワー密度が高くなり過ぎて、樹脂の耐熱温
度を超えてしまう恐れがある。そこで初期化の方法とし
ては、ディスクを回転させ、高パワーのレーザーを焦点
制御しながら照射して、部分的に結晶化を進めていくの
が一般的である。具体的にはクランプ部分で固定された
ディスクを回転させ、長楕円状のレーザービームの長手
方向をトラックと垂直になるようにして、レーザーヘッ
ド又は回転するディスクを半径方向に少しずつ移動させ
ていくことにより全面の初期化を完了させる。この装置
の構造は、特開平10−241212号公報などに開示
されている。
【0005】ここで、初期化する基板の厚さが0.6m
mの場合は状況が違ってくる。基板の厚さが薄いため、
外周〜内周(又はその逆)に部分的に初期化を行なう間
にディスクの反りが大きく変化する。初期化工程はディ
スクの記録層にレーザーの焦点を合わせながら、パワー
を与えてアモルファス状態を結晶化状態に変化させてい
くため、初期化中に基板の反りが大きく変化してしまう
と、初期化中の焦点が合わせられなくなって不良になっ
てしまう確率が高い。そこで、初期化中の反りの変化を
少なくするために、全面でディスクを吸着する方法が考
案された(特開2000−028156号公報)が、回
転部分が大きくなるため装置の精度要求が厳しくなり高
価になるのと、全面で吸着するためディスクに傷がつき
やすいという欠点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、上記従来技術に鑑みて、相変化型情報記録媒体をほ
ど良く生産するとともに、生産する条件を提供し、さら
に、上記の生産方法と装置を使って、品質の良い相変化
型情報記録媒体を得ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題は、本発明の
(1)「少なくとも2箇所以上の半径値で記録媒体を保
持する初期化工程を含むことを特徴とする相変化型情報
記録媒体を製造する方法」、(2)「初期化工程で保持
する少なくとも2箇所以上の半径値が、表面側と裏面側
で違っていることを特徴とする前記第(1)項に記載の
相変化型情報記録媒体の製造方法」、(3)「初期化工
程で記録媒体を保持する力を加える場合の力点の半径値
が、支点の半径値よりも外側になっている初期化工程を
含むことを特徴とする前記第(1)項又は第(2)項に
記載の相変化型情報記録媒体を製造する方法」により達
成される。
【0008】また、上記課題は、本発明の(4)「記録
媒体を保持する力を加える支点の半径値が、記録媒体の
最内半径値から(外形半径値−内径半径値)の25%以
内にあることを特徴とする前記第(3)項に記載の変化
型情報記録媒体の製造方法に用いられる生産装置」によ
り達成される。
【0009】また、上記課題は、本発明の(5)「2箇
所以上の情報媒体を保持する半径値のうち、少なくとも
1箇所以上が、最内半径値から(外形半径値−内径半径
値)の25%以内である初期化工程を含むことを特徴と
する前記第(1)項に記載の相変化型情報記録媒体製造
方法」、(6)「2箇所以上の情報媒体を保持する半径
値のうち、少なくとも1箇所以上が、最内半径値から
(外形半径値−内径半径値)の25%以内であり、且つ
少なくとも、もう1箇所以上が、最外半径値から(外形
半径値−内径半径値)の5%以内である初期化工程を含
むことを特徴とする前記第(1)項に記載の相変化型情
報記録媒体製造方法」により達成される。
【0010】また、上記課題は、本発明の(7)「前記
第(1)項乃至第(6)項の何れか1に記載の製造方法
を使って作成したことを特徴とする相変化型情報記録媒
体」により達成される。
【0011】以下、上記本発明について詳しく説明す
る。前述したように、一般の1.2mm厚さのディスク
に比べてDVD+RW等の0.6mm厚さの薄い基板を
使う場合、初期化中に基板の反りが変形してフォーカス
エラーが発生することが多い。そこで、初期化中のフォ
ーカスエラーを防止するために、初期化装置側での対策
について検討した結果、ディスクを回転させるスピンド
ル部分でのディスクの保持がしっかりしていればエラー
が激減するという知見を得た。そして、この知見に基づ
いて、メカニカルに基板を保持する型の初期化装置と、
エアー吸着型の初期化装置でのディスクの保持方法を改
善し、本発明を完成した。
【0012】以下に、DVD+RWの生産における開発
経過で本発明を説明する。DVD+RWの情報基板はま
ず射出成形機によって、溝幅0.25μm、溝深さ27
nmの案内溝を有するポリカーボネート基板を0.6m
m厚さに形成する。次にその基板上に、第1誘電体層、
記録層変化金属層、第2誘電体層、密着性向上層、反射
膜層の合計5層を1つの装置で順番に真空スパッタリン
グにより形成する。誘電体層としては、ZnS SiO
層、記録層としてはGe−Ag−In−Sb−Te
層、、密着性向上層としてはSiC層、反射膜層として
はAg合金層が一般に用いられている。各層の膜厚は5
0〜120nm、12〜35nm、6〜30nm、1〜
12nm、80〜200nm程度である。
【0013】スパッタリングを完了したディスクは、反
射膜側に樹脂をコーティングしUV硬化させる。更に品
種によっては、レーザー入射側(ポリカーボネート基板
側)にも樹脂を塗布し、UV硬化させ、更にこのディス
クをレーザビームで初期化を行なう。
【0014】DVD+RWで樹脂塗布側に貼り合わせる
カバー基板は、まず射出成形機によって溝幅0.25μ
m、溝深さ27nmの案内溝を有するポリカーボネート
基板を0.6mm厚さに形成して製造される。貼り合わ
せ方法としてはホットメルト接着剤を使う方式や、カチ
オン重合系UV硬化樹脂を使う方法が一般的である。貼
り合わせ層厚さは10μ〜100μ程度が使用される。
このように情報基板と、カバー基板を貼り合わせしてD
VD+RWディスクが完成する。
【0015】
【実施例】以下、実施例により詳細に説明する。 (実施例1)0.6mm厚さのディスクを初期化装置で
初期化する場合、メカニカルクランプ型の場合は、図1
のようにスピンドルとクランプの間にディスクが挟まれ
た状態になっている。クランプとスピンドルを固定する
のには、クランプ本体の重さや、磁力を使ってクランプ
をひきつける方法が一般的である。初期化装置のスピン
ドルには非常に精度の高い回転制御が要求されるため、
クランプの直径を大きくすると高価になる点と、ディス
クを保持した部分に傷がつきやすいことから、ディスク
を保持する半径値は図1のA点のみの形状が通常であっ
た。実施例1では、スピンドルの上面を加工して、スピ
ンドル側からディスクを保持する点をB点、C点となる
ようにして、クランプ側からはA点で合計3つの半径値
でディスクを押さえ込むように保持することにより、初
期化中にディスクの反りが変形してもフォーカスが外れ
る不良が減少することが判った。
【0016】(実施例2)エアークランプ型の場合は、
図3のようにエアーにより下側から吸着するために、デ
ィスクの保持はメカニカルクランプ型より優れている。
これはディスクを吸着する力点D点がディスク吸着力の
支点E点より外側にあるために他ならない。この支点E
点はディスクの最内周が最も適している。
【0017】(実施例3)一般に直径120mmのコン
パクトディスク型の情報記録媒体は、実際に情報を記録
する半径値は21mm〜58mm程度で、最内周の半径
7.5mm〜21mmまでの部分は傷がついても構わな
い。初期化工程でディスクを保持する半径は大きい程、
ディスクの変形を抑えることが出来るため、外形半径値
が60mmで内径半径値が7.5mmの場合は、外形半
径値−内径半径値=52.5mmの25%の13.12
5mm+7.5mm=20.6mm位までディスクを保
持することができる。
【0018】(実施例4)一般に直径120mmのコン
パクトディスク型の情報記録媒体を、外側でも保持した
い場合は、実際に情報を記録しない半径値の58mm〜
60mm=2mm→(外形半径値−内径半径値)の4%
位までならディスクを保持することができる。
【0019】
【発明の効果】以上、詳細かつ具体的な説明から明らか
なように、本発明の請求項1により、初期化中の反りの
変化が、焦点制御に与える影響を小さくすることがで
き、相変化型情報記録媒体をほど良く生産することがで
きる。また、本発明の請求項3の発明により、請求項1
とは別の型の初期化装置でも初期化中の反りの変化が、
焦点制御に与える影響を小さくすることができ、相変化
型情報記録媒体をほど良く生産することができる。ま
た、本発明の請求項2、4〜6の発明により、初期化中
の反りの変化が、焦点制御に与える影響を小さくするた
めの初期化条件が確定でき、相変化型情報記録媒体をほ
ど良く生産することができる。また、本発明の請求項7
の発明により、上記の生産方法と装置を使って、品質の
良い相変化型情報記録媒体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関する初期化をする場合の1構成図で
ある。
【図2】本発明に関する初期化をする場合の別の構成図
である。
【図3】本発明に関する初期化をする場合の別の構成図
である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年4月3日(2002.4.3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項4
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】また、上記課題は、本発明の(4)「記録
媒体を保持する力を加える支点の半径値が、記録媒体の
最内半径値から(外形半径値−内径半径値)の25%以
内にあることを特徴とする前記第(3)項に記載の
化型情報記録媒体の生産方法」により達成される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】以下に、DVD+RWの生産における開発
経過で本発明を説明する。DVD+RWの情報基板はま
ず射出成形機によって、溝幅0.25μm、溝深さ27
nmの案内溝を有するポリカーボネート基板を0.6m
m厚さに形成する。次にその基板上に、第1誘電体層、
記録変化金属層、第2誘電体層、密着性向上層、反射
膜層の合計5層を1つの装置で順番に真空スパッタリン
グにより形成する。誘電体層としては、ZnS SiO
層、記録層としてはGe−Ag−In−Sb−Te
層、密着性向上層としてはSiC層、反射膜層としては
Ag合金層が一般に用いられている。各層の膜厚は50
〜120nm、12〜35nm、6〜30nm、1〜1
2nm、80〜200nm程度である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】
【実施例】以下、実施例により詳細に説明する。 (実施例1)0.6mm厚さのディスクを初期化装置で
初期化する場合、メカニカルクランプ型の場合は、図1
のようにスピンドルとクランプの間にディスクが挟まれ
た状態になっている。クランプとスピンドルを固定する
のには、クランプ本体の重さや、磁力を使ってクランプ
をひきつける方法が一般的である。初期化装置のスピン
ドルには非常に精度の高い回転制御が要求されるため、
クランプの直径を大きくすると高価になる点と、ディス
クを保持した部分に傷がつきやすいことから、ディスク
を保持する半径値は図1のA点のみの形状が通常であっ
た。実施例1では、スピンドルの上面を加工して、スピ
ンドル側からディスクを保持する点を点、C点となる
ようにして、クランプ側からは点で合計3つの半径値
でディスクを押さえ込むように保持する(図2参照)
とにより、初期化中にディスクの反りが変形してもフォ
ーカスが外れる不良が減少することが判った。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】(実施例4)一般に直径120mmのコン
パクトディスク型の情報記録媒体を、外側でも保持した
い場合は、実際に情報を記録しない半径値の58mm〜
60mm=2mmは、(外形半径値−内径半径値)=5
2.5mmの4%位までならディスクを保持することが
できる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも2箇所以上の半径値で記録媒
    体を保持する初期化工程を含むことを特徴とする相変化
    型情報記録媒体を製造する方法。
  2. 【請求項2】 初期化工程で保持する少なくとも2箇所
    以上の半径値が、表面側と裏面側で違っていることを特
    徴とする請求項1に記載の相変化型情報記録媒体の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 初期化工程で記録媒体を保持する力を加
    える場合の力点の半径値が、支点の半径値よりも外側に
    なっている初期化工程を含むことを特徴とする請求項1
    又は2に記載の相変化型情報記録媒体を製造する方法。
  4. 【請求項4】 記録媒体を保持する力を加える支点の半
    径値が、記録媒体の最内半径値から(外形半径値−内径
    半径値)の25%以内にあることを特徴とする請求項3
    に記載の変化型情報記録媒体の製造方法に用いられる生
    産装置。
  5. 【請求項5】 2箇所以上の情報媒体を保持する半径値
    のうち、少なくとも1箇所以上が、最内半径値から(外
    形半径値−内径半径値)の25%以内である初期化工程
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の相変化型情報
    記録媒体製造方法。
  6. 【請求項6】 2箇所以上の情報媒体を保持する半径値
    のうち、少なくとも1箇所以上が、最内半径値から(外
    形半径値−内径半径値)の25%以内であり、且つ少な
    くとも、もう1箇所以上が、最外半径値から(外形半径
    値−内径半径値)の5%以内である初期化工程を含むこ
    とを特徴とする請求項1に記載の相変化型情報記録媒体
    製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6の何れか1に記載の製造
    方法を使って作成したことを特徴とする相変化型情報記
    録媒体。
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