JP2003089766A - 水性塗料組成物 - Google Patents
水性塗料組成物Info
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Abstract
被膜を形成することができる水性塗料組成物を提供す
る。 【解決手段】モノマー成分としてエチレン性不飽和モノ
マーを含む水分散性樹脂粒子(A)の存在下に、少なく
とも熱応答性モノマー(b−1)を含むエチレン性不飽
和モノマー(B)を、該熱応答性モノマーのホモポリマ
ーの下限臨界共溶温度を超える温度で共重合することに
より得られる合成樹脂エマルションを結合剤とする。
(b−1)成分は、(A)成分の固形分100重量部に
対し0.5〜30重量部共重合することが望ましい。ま
た、(b−1)成分は、N−アルキル(メタ)アクリル
アミド及びN,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド
から選ばれる1種以上であることが望ましい。
Description
ョンを結合剤とする水性塗料組成物に関するものであ
る。
アクリル系モノマー等のエチレン性不飽和モノマーを乳
化重合することにより得られる合成樹脂エマルションが
広く用いられている。このような合成樹脂エマルション
は、基本的には水を媒体とするものであるが、溶剤形の
樹脂に比べ造膜性が劣ることから、塗料の結合剤として
用いる場合は、通常、高沸点の有機溶剤を造膜助剤とし
て添加している。
ら、有機溶剤の排出を抑制する動きが活発化しており、
水性塗料においても有機溶剤の低減が望まれている。こ
の要望に応えるために、水性塗料においては、その結合
剤となる合成樹脂エマルションが、造膜助剤を添加しな
くても造膜可能となることが必要となる。一般的に、こ
のような造膜性を確保する手法のひとつとして、合成樹
脂エマルションに用いるモノマー成分の種類や比率を調
整して樹脂のガラス転移温度を下げる方法が挙げられ
る。しかしながら、この手法では、形成される被膜表面
の粘着性が大きくなり、耐汚染性やブロッキング性が著
しく低下してしまうという問題が生じやすくなる。
問題点に鑑みなされたもので、造膜性に優れるととも
に、粘着性が低減された被膜を形成することができる水
性塗料組成物を提供することを目的とする。
結果、段階的に熱応答性モノマーを共重合した合成樹脂
エマルションを結合剤とする水性塗料組成物が上記問題
点を解決できることを見出した。
のである。 1.モノマー成分としてエチレン性不飽和モノマーを含
む水分散性樹脂粒子(A)の存在下に、少なくとも熱応
答性モノマー(b−1)を含むエチレン性不飽和モノマ
ー(B)を、該熱応答性モノマーのホモポリマーの下限
臨界共溶温度を超える温度で共重合することにより得ら
れる合成樹脂エマルションを結合剤とすることを特徴と
する水性塗料組成物。 2.(A)成分が少なくとも一つの架橋性官能基を含有
し、(B)成分が(A)成分の架橋性官能基と架橋可能
な官能基を含有することを特徴とする1.に記載の水性
塗料組成物。 3.(A)成分のガラス転移温度が10℃以下であるこ
とを特徴とする1.または2.に記載の水性塗料組成
物。 4.(A)成分の固形分100重量部に対し、(b−
1)成分を0.5〜30重量部共重合することにより得
られる合成樹脂エマルションを結合剤とする1.から
3.のいずれかに記載の水性塗料組成物。 5.(b−1)成分が、N−アルキル(メタ)アクリル
アミド及びN,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド
から選ばれる1種以上であることを特徴とする1.から
4.のいずれかに記載の水性塗料組成物。
ともに詳細に説明する。
して使用する合成樹脂エマルションは、具体的には、エ
チレン性不飽和モノマーを共重合することにより水分散
性樹脂粒子(以下「(A)成分」ともいう)を形成させ
る第一工程、該水分散性樹脂粒子の存在下に、少なくと
も熱応答性モノマー(以下「(b−1)成分」ともい
う)を含むエチレン性不飽和モノマー(以下「(B)成
分」ともいう)を、該熱応答性モノマーのホモポリマー
の下限臨界共溶温度を超える温度で共重合する第二工
程、を含む方法によって製造することができるものであ
る。
和モノマーとしては、特に限定されず、例えば、メチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)
アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどのアルキ
ル基含有(メタ)アクリル系モノマー;(メタ)アクリ
ル酸などのカルボキシル基含有(メタ)アクリル系モノ
マー;アミノメチル(メタ)アクリレート、アミノエチ
ル(メタ)アクリレート、アミノプロピル(メタ)アク
リレート、アミノ−n−ブチル(メタ)アクリレート、
ブチルビニルベンジルアミン、ビニルフェニルアミン、
p−アミノスチレン、N−tブチルアミノエチル(メ
タ)アクリレート、N−メチルアミノエチル(メタ)ア
クリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)ア
クリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)
アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)
アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メ
タ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル
(メタ)アクリレート等などのアミン含有(メタ)アク
リル系モノマー;(メタ)アクリルアミド、エチル(メ
タ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリ
ルアミドなどのアミド含有(メタ)アクリル系モノマ
ー;アクリロニトリルなどのニトリル基含有(メタ)ア
クリル系モノマー;グリシジル(メタ)アクリレートな
どのエポキシ基含有(メタ)アクリル系モノマー;ジア
セトン(メタ)アクリレート、ジアセトンアクリルアミ
ド、アクロレイン、ビニルメチルケトン、アセトニルア
クリレート、ジアセトンメタクリルアミド、ビニルエチ
ルケトン、ビニルイソブチルケトン、アクリルオキシア
ルキルプロパナール類、メタクリルオキシアルキルプロ
パナール類、2ーヒドロキシプロピルアクリレートアセ
チルアセテート、及びブタンジオールアクリレートアセ
チルアセテートなどのカルボニル基含有モノマー;N,
N’−メチレンビスアクリルアミド、エチレングリコー
ルジメタクリレートなどのジ(メタ)アクリル系モノマ
ー;メタクリロイルイソシアネートなどのイソシアネー
ト基含有モノマー;プロピレン−1,3−ジヒドラジン
及びブチレン−1,4−ジヒドラジンなどのヒドラジノ
基含有モノマー;スチレン、メチルスチレン、クロロス
チレン、ビニルトルエンなどの芳香族炭化水素系ビニル
モノマー;スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸など
のスルホン酸含有ビニルモノマー;酢酸ビニル、プロピ
オン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニルなどのビ
ニルエステル等が挙げられる。これらのモノマーは単独
あるいは2種類以上で用いることができる。また、上述
したエチレン性不飽和モノマー以外の化合物も含有する
ことができる。エチレン性不飽和モノマー以外の化合物
としては、例えば、アリルグリシジルエーテル等のエポ
キシ基含有化合物;クロトン酸、イタコン酸、マレイン
酸、フマル酸、サリチル酸等のカルボキシル基含有化合
物;ヒドラジン等のヒドラジノ基含有化合物;シュウ酸
ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒド
ラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラ
ジド、ピメリン酸ジヒドラジド、スベリン酸ジヒドラジ
ド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジ
ド、ドデカンジオヒドラジド、ヘキサデカンジオヒドラ
ジド、テレフタル酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒド
ラジド、2,6−ナフトエ酸ジヒドラジド、4,4′−
ビスベンゼンジヒドラジド、1,4−シクロヘキサンジ
ヒドラジド、酒石酸ジヒドラジド、リンゴ酸ジヒドラジ
ド、イミノジ酢酸ジヒドラジド、N,N′−ヘキサメチ
レンビスセミカルバジド、イタコン酸ジヒドラジド、エ
チレンジアミン四酢酸テトラヒドラジド、クエン酸トリ
ヒドラジド、1,2,3−ベンゼントリヒドラジド、
1,4,5,8−ナフトエ酸テトラヒドラジド、ニトリ
ロ酢酸トリヒドラジド、シクロヘキサントリカルボン酸
トリヒドラジド、ピロメリット酸テトラヒドラジド等の
ヒドラジド基含有化合物等が挙げられる。(A)成分の
ガラス転移温度は、上述の化合物を適宜組み合わせるこ
とによって調整することができる。本発明では、特に
(A)成分のガラス転移温度が10℃以下、さらに5℃
以下であることが好ましい。ガラス転移温度が10℃以
下であることにより、造膜性に優れた塗料を得ることが
できる。
X)の式より計算される値である。例えば、モノマー
(1)及びモノマー(2)からなる2成分系において、
それぞれのホモポリマーのガラス転移点Tg(1)およ
びTg(2)が分かっている場合には、該モノマー
(1)及び(2)の2成分からなる共重合体のガラス転
移点Tgは、次式に示すフォックス(FOX)の式(2
成分)により計算値として求めることができる。 1/Tg=W(1)/Tg(1)+W(2)/Tg
(2)(但し、W(1)+W(2)=1) W(1):モノマー(1)の重量分率、W(2):モノ
マー(2)の重量分率、Tg(1):モノマー(1)の
ホモポリマーのTg値(単位:K)、Tg(2):モノ
マー(2)のホモポリマーのTg値(単位:K) 本発明におけるポリマーのTg値は上記の式を多成分系
に一般化した式により計算したものである。
を、その0.1〜10重量%の乳化剤、及び0.1〜
1.0重量%重合開始剤の存在下、50〜90℃の水浴
中で乳化重合することが望ましい。重合時間は特に限定
されないが、概ね0.5〜4時間程度である。
オン系乳化剤または反応性乳化剤が使用できる。例え
ば、ラウリル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエ−テル硫酸塩、
ポリオキシエチレンアルキルサルフェート硫酸塩などの
アニオン系乳化剤;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪
酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポ
リオキシエチレンアルキルフェニルエーテルなどのノニ
オン系乳化剤;エレミノールJS−2(三洋化成工業
製)、エレミノールRS−30(三洋化成工業製)、ラ
テムルS−180A(花王製)、アクアロンHS−05
(第一工業製薬製)、アクアロンRN−10(第一工業
製薬製)、アデカリアソープSE−10N(旭電化製)
などの反応性乳化剤である。これらの乳化剤は単独ある
いは2種類以上を併用して用いることができる。
ム、過硫酸カリウムなどの過硫酸塩;過酸化水素、過酸
化ブチル、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイ
ドロパーオキサイドなどの過酸化物;アゾビスイソブチ
ロニトリル、4,4−アゾビス−4−シアノ吉草酸など
のアゾ化合物などを用いることができる。これらの重合
開始剤は亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、
N,N,N’,N’−テトラメチルエチルアミンなどの
還元剤と併用してレドックス重合開始剤として用いるこ
とができる。
ノマー(b−1)を必須成分として使用する。この熱応
答性モノマー(b−1)とは、該モノマーのホモポリマ
ーが温度変化に応じて水和状態/脱水和状態の変化を生
じるモノマーのことである。第二工程では、この熱応答
性モノマー(b−1)を含むエチレン性不飽和モノマー
(B)を、上述の第一工程で得られた水分散性樹脂粒子
(A)に対して添加し、共重合させるものである。具体
的には、(b−1)成分を含むエチレン性不飽和モノマ
ー(B)を、重合開始剤とともに(A)成分に添加し、
概ね2時間以上乳化重合を行うことが望ましい。
ノマー(b−1)のホモポリマーの下限臨界共溶温度を
超える温度とする必要がある。ここで言う下限臨界共溶
温度とは、熱応答性モノマーのホモポリマーが水和状態
から脱水和状態への転移を生じるときの臨界温度であ
る。熱応答性モノマーのホモポリマーは、下限臨界共溶
温度よりも低い温度領域においては親水性で水に溶解
し、下限臨界共溶温度より高い温度領域においては疎水
性で水に不溶となる。本発明では、熱応答性モノマー
(b−1)をこのような高い温度領域で共重合させるこ
とが、造膜性と低粘着性とを両立するのに有利にはたら
く。下限臨界共溶温度よりも低い温度領域で共重合を行
った場合は、造膜性と低粘着性との両立が難しく、また
重合時の安定性を確保することも困難となる。
チル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メ
タ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリ
ルアミド、N−シクロプロピル(メタ)アクリルアミ
ド、N−(メタ)アクロイルピロリジンなどのN−アルキ
ル(メタ)アクリルアミド;N,N−ジエチル(メタ)ア
クリルアミド、N−メチル−N−エチル(メタ)アクリル
アミド、N−メチル−N−イソプロピル(メタ)アクリル
アミド、N−メチル−N−n−プロピル(メタ)アクリル
アミドなどのN,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミ
ド;ビニルメチルエーテル等が挙げられる。これらのモ
ノマーは単独あるいは2種類以上で用いることができ
る。このうち本発明では、N−アルキル(メタ)アクリ
ルアミド及びN,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミ
ドから選ばれる1種以上を好適に用いることができる。
この中でも特にN−イソプロピル(メタ)アクリルアミ
ドが好適に用いられる。
(A)成分のガラス転移温度よりも高いこと(好ましく
は50℃以上、さらに好ましくは80℃以上)が好まし
い。(b−1)成分のガラス転移温度を、(A)成分の
ガラス転移温度よりも高くすることにより、被膜表面の
粘着性を抑えることができる。なお、ガラス転移温度
は、上述したフォックス(FOX)の式より計算し求め
ることができる。
00重量部に対し、0.5〜30重量部添加することが
望ましい。(b−1)成分が0.5重量部より少ないと
きは、得られる被膜の粘着性が大きくなり、30重量部
より多いときは、重合時にエマルションの凝集やゲル化
等が発生しやすく、均一なエマルションを得ることが困
難となる。
ができるエチレン性不飽和モノマーとしては、第一工程
で用いるエチレン性不飽和モノマーと同様のものを使用
することができる。重合開始剤としては、第一工程で用
いるものと同様のものを使用することができる。
とも一つの架橋性官能基を含有し、(B)成分が(A)
成分の架橋性官能基と架橋可能な官能基を含有すること
が好ましい。(A)成分と(B)成分が架橋可能である
ことにより、形成塗膜の耐水性をより向上させることが
できる。
としては、例えば、エポキシ−アミン、エポキシ−酸、
ポリオール−イソシアネート、カルボキシル−エポキ
シ、カルボキシル−金属イオン、カルボキシル−カルボ
ジイミド、カルボキシル−オキサゾリン、カルボニル−
ヒドラジド、カルボニル−ヒドラジノ等があげられる。
このうち、エポキシ−アミン、エポキシ−酸、カルボニ
ル−ヒドラジド、カルボニル−ヒドラジノ、ポリオール
−イソシアネート等の組み合わせが好適に用いられる。
具体的には、例えば、エポキシ基含有(メタ)アクリル
系モノマーとアミン含有(メタ)アクリル系モノマーの
組み合わせ、エポキシ基含有(メタ)アクリル系モノマ
ーとエチレン性不飽和カルボン酸の組み合わせ等が挙げ
られる。
ョンはpH調製を行うことが望ましい。ここで、中和剤
としてはアンモニア、N,N−ジメチルアミノエタノー
ルなどの揮発性アミン類、水酸化ナトリウムなどの水酸
化物水溶液を用いることができる。臭気低減等を考慮す
ると、水酸化物水溶液を用いることが望ましい。また、
重合溶液にリン酸水素ニナトリウムやリン酸ニ水素カリ
ウムなどで調製した緩衝液を用いることで、中和剤の添
加量を減らすこともできる。
ョンは、その固形分を高く設定しても、重合時、塗料製
造時及び塗料貯蔵時において十分な安定性を有するもの
であり、具体的には、固形分を30重量%以上、好まし
くは40重量%以上、さらに好ましくは50重量%以上
とすることができる。このような高固形分の合成樹脂エ
マルションは、水性塗料組成物の配合設計においても有
利である。
合成樹脂エマルションを結合剤とするものであり、結合
剤以外に通常塗料に混合する添加剤、例えば、顔料、充
填剤、骨材、分散剤、増粘剤、湿潤剤、消泡剤、防黴
剤、防藻剤、防腐剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等を使
用することもできる。
ボンブラック、酸化第二鉄(ベンガラ)、黄色酸化鉄、
オーカー、群青、コバルトグリーン等の無機系着色顔
料、アゾ系、ナフトール系、ピラゾロン系、アントラキ
ノン系、ペリレン系、キナクリドン系、ジスアゾ系、イ
ソインドリノン系、ベンゾイミダゾール系、フタロシア
ニン系、キノフタロン系等の有機系着色顔料等をあげる
ことができる。充填剤としては、例えば、重質炭酸カル
シウム、クレー、カオリン、タルク、沈降性硫酸バリウ
ム、炭酸バリウム等をあげることができる。骨材として
は、例えば、大理石、御影石、蛇紋岩、花崗岩、蛍石、
寒水石、長石、珪石、珪砂等の粉砕物、陶磁器・セラミ
ック粉砕物、ガラス粉砕物、ガラスビーズ、樹脂粉砕
物、樹脂ビーズ、金属粒等やそれらの表面を着色コーテ
ィングしたもの等を使用することができる。
官能基と反応可能な官能基を有する化合物を塗料に混合
することもできる。(A)成分、(B)成分に存在する
官能基と反応可能な官能基を有する化合物を混合するこ
とにより、形成塗膜の耐水性をより向上させることがで
きる。この様な官能基の組み合わせとしては、例えば、
エポキシ−アミン、エポキシ−酸、ポリオール−イソシ
アネート、カルボキシル−エポキシ、カルボキシル−金
属イオン、カルボキシル−カルボジイミド、カルボキシ
ル−オキサゾリン、カルボニル−ヒドラジノ、カルボニ
ル−ヒドラジド等があげられる。このうち、エポキシ−
アミン、エポキシ−酸、カルボニル−ヒドラジノ、カル
ボニル−ヒドラジド、ポリオール−イソシアネート等の
組み合わせが好適に用いられる。
中の熱応答性モノマーが常温下では親水性を示すことに
起因して、塗料に適度な粘性が付与されることから、増
粘剤等の添加量を低減することもできる。
土木構築物等の表面仕上材として好適に用いることがで
き、これらの表面に低粘着性の被膜を形成することがで
きる。適用可能な基材としては、例えば、金属、ガラ
ス、磁器タイル、コンクリート、モルタル、サイディン
グボード、押出成形板、石膏ボード、プラスチック、木
材、壁紙等があげられる。本発明組成物は、基材に直接
塗装することもできるし、何らかの表面処理(シーラ
ー、サーフェーサー、フィラー等による下地処理等)を
施した上に塗装することも可能であり、このような処理
方法は基材の状況等に応じて適宜選択することができ
る。塗装方法としては、ハケ塗り、スプレー塗装、ロー
ラー塗装、ロールコーター、フローコーター等種々の方
法により塗装することができる。建材表面に工場等にお
いてプレコートすることも可能である。
物であり、さらに、合成樹脂エマルションの最低造膜温
度が5℃以下、好ましくは0℃以下となるようにモノマ
ー成分を組合わせると、有機溶剤の添加量を十分に低減
することが可能となる。この場合、具体的には、水性塗
料組成物中における有機溶剤の含有量を1重量%以下と
することができる。このような水性塗料組成物は、低温
下で十分に被膜を形成することができるようになり、低
VOC(揮発性有機化合物)水性塗料組成物として、特
に建築物の室内塗装用に好適に使用することができる。
説明する。本発明は以下の実施例に限定されるものでは
ない。
入ラインを取り付けたセパラブルフラスコ中に窒素置換
を行いながら、緩衝液(M/15リン酸二水素カリウ
ム:M/15リン酸水素二ナトリウム=7:3(重量
比)の混合液、pH=6.4、以下同様)100重量部
に溶解した過硫酸アンモニウム0.7重量部、ドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウム2重量部を添加した。こ
れにメタクリル酸メチル43重量部、アクリル酸2−エ
チルヘキシル55重量部、アクリル酸2重量部を加え乳
化させた。反応器を70℃に昇温し1.5時間重合を行
った。次に、別の容器で調製したN−イソプロピルアク
リルアミド11重量部、N,N’−メチレンビスアクリ
ルアミド0.5重量部、過硫酸アンモニウム0.01重
量部を溶解した緩衝液40重量部を反応器に1時間かけ
て滴下し、70℃にて5時間さらに重合を行った。重合
後、得られた合成樹脂エマルションを室温まで放冷した
後、10N水酸化ナトリウム水溶液3重量部を攪拌投入
し中和した。なお、N−イソプロピルアクリルアミドの
ホモポリマーの下限臨界共溶温度は32℃、ガラス転移
温度は134℃である。得られた合成樹脂エマルション
200重量部(固形分50%)に対し、酸化チタンを6
0重量部配合して白色の水性塗料を製造し、各種試験を
行った。
用いて、水性塗料をフィルム上にウェット膜厚150μ
mで塗工し、これを−15〜20℃の温度勾配をもつ金
属板上に載置し、最低造膜温度を測定した。結果は表3
に示す。
ーを用いて、ガラス板上に水性塗料をウェット膜厚25
0μmで塗工し、20℃および50℃で72時間乾燥さ
せた。このガラス板を、水平に置き黒色珪砂を被膜表面
に散布した後、ガラス板を垂直に立てて黒色珪砂を自然
落下させた。表面粘着性は、このときの黒色珪砂の残存
度合によって評価した。評価は、黒色珪砂の残存度合が
小さいものを10、残存度合が大きいものを1とし、1
0段階評価にて行った。結果は表3に示す。
用いて、ガラス板上に水性塗料をウェット膜厚250μ
mで塗工し、20℃および50℃で72時間乾燥させ
た。このガラス板を、20℃の水に72時間浸漬した
後、塗膜の状態を目視にて評価した。評価は、膨れ・剥
れが見られないものを5、膨れ・剥れが見られるものを
1とし、5段階評価にて行った。結果は表3に示す。
剤、中和剤を表1に示すように変更した以外は実施例1
と同様にして水性塗料を製造した。各種水性塗料につい
て上記試験を行った。試験結果は表3に示す。
脂エマルション200重量部(固形分50%)に対し、
酸化チタンを60重量部、アジピン酸ジヒドラジド1重
量部を配合して白色の水性塗料を製造した。水性塗料に
ついて上記試験を行った。試験結果は表3に示す。
入ラインを取り付けたセパラブルフラスコ中に窒素置換
を行いながら、緩衝液100重量部に溶解した過硫酸ア
ンモニウム0.7重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸
ナトリウム2重量部を添加した。これにメタクリル酸メ
チル50重量部、アクリル酸2−エチルヘキシル50重
量部を加え乳化させた。反応器を70℃に昇温し6時間
重合を行った。重合後、得られたエマルションを室温ま
で放冷した後、28%アンモニア水2重量部を攪拌投入
し中和した。得られた合成樹脂エマルション200重量
部(固形分50%)に対し、酸化チタンを60重量部配
合して白色の水性塗料を製造し、各種試験を行った。試
験結果は表3に示す。
剤、中和剤を表2に示すように変更した以外は比較例1
と同様にして水性塗料を製造し、各種試験を行った。試
験結果は表3に示す。
中和剤を表2に示すように変更した以外は比較例1と同
様にして合成樹脂エマルションを製造した。得られた合
成樹脂エマルション200重量部(固形分50%)に対
し、別途調製したポリ(N−イソプロピルアクリルアミ
ド)樹脂10重量部、酸化チタンを60重量部配合して
白色の水性塗料を製造し、各種試験を行った。なお、ポ
リ(N−イソプロピルアクリルアミド)樹脂は以下の方
法で得た。
ド)樹脂の製造方法)窒素雰囲気下、N−イソプロピル
アクリルアミド5重量部、アゾビスイソブチロニトリル
0.2重量部をメタノール50重量部に加え、60℃下
8時間ラジカル重合を行った。重合終了後、メタノール
溶液を50℃の温水中に投じ、樹脂を析出させた。この
樹脂をデカンテーションにより回収した後、50℃の乾
燥器中で72時間乾燥させた。
中和剤を表2に示すように変更した以外は実施例1と同
様にして水性塗料を製造し、各種試験を行った。試験結
果は表3に示す。
を使用しなくても、低温で十分に造膜することができ
た。また、表面粘着性試験、耐水性試験においても優れ
た性能を示した。一方、比較例1〜5に関しては、低温
造膜性および表面粘着性を併せ持つ水性塗料は得られな
かった。
れるとともに、粘着性が低減された被膜を形成すること
ができる。
Claims (5)
- 【請求項1】モノマー成分としてエチレン性不飽和モノ
マーを含む水分散性樹脂粒子(A)の存在下に、少なく
とも熱応答性モノマー(b−1)を含むエチレン性不飽
和モノマー(B)を、該熱応答性モノマーのホモポリマ
ーの下限臨界共溶温度を超える温度で共重合することに
より得られる合成樹脂エマルションを結合剤とすること
を特徴とする水性塗料組成物。 - 【請求項2】(A)成分が少なくとも一つの架橋性官能
基を含有し、(B)成分が(A)成分の架橋性官能基と
架橋可能な官能基を含有することを特徴とする請求項1
に記載の水性塗料組成物。 - 【請求項3】(A)成分のガラス転移温度が10℃以下
であることを特徴とする請求項1または2に記載の水性
塗料組成物。 - 【請求項4】(A)成分の固形分100重量部に対し、
(b−1)成分を0.5〜30重量部共重合することに
より得られる合成樹脂エマルションを結合剤とする請求
項1から3のいずれかに記載の水性塗料組成物。 - 【請求項5】(b−1)成分が、N−アルキル(メタ)
アクリルアミド及びN,N−ジアルキル(メタ)アクリ
ルアミドから選ばれる1種以上であることを特徴とする
請求項1から4のいずれかに記載の水性塗料組成物。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008024843A (ja) * | 2006-07-21 | 2008-02-07 | Nichigo-Mowinyl Co Ltd | 内外装塗料用アクリル系共重合体エマルジョン、該エマルジョンを含有する内外装塗料用被覆組成物、及びパテ組成物 |
CN102584422A (zh) * | 2012-01-04 | 2012-07-18 | 中国水稻研究所 | 一种无土水稻盘育秧基质及育秧方法 |
-
2002
- 2002-06-28 JP JP2002188857A patent/JP4033723B2/ja not_active Expired - Fee Related
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