JP2003089704A - 光硬化性組成物 - Google Patents

光硬化性組成物

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JP2003089704A
JP2003089704A JP2001283408A JP2001283408A JP2003089704A JP 2003089704 A JP2003089704 A JP 2003089704A JP 2001283408 A JP2001283408 A JP 2001283408A JP 2001283408 A JP2001283408 A JP 2001283408A JP 2003089704 A JP2003089704 A JP 2003089704A
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Mayumi Yamashita
真弓 山下
Mitsunobu Kawashima
光伸 河島
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光触媒酸化チタンを光重合開始剤として使用
した、光硬化性に優れる光硬化性組成物、および該光硬
化性組成物から得られる成形品を提供する。 【解決手段】 重合性単量体(a)、光触媒酸化チタン
(b)、並びにアミン化合物(c1)および/または有
機過酸化物(c2)を含有する光硬化性組成物;並びに
該光硬化性組成物を硬化させて得られる成形品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光硬化性組成物お
よび成形品に関し、更に詳細には光触媒酸化チタンを含
有し、近紫外線や可視光線の照射により硬化する光硬化
性組成物、および該光硬化性組成物を硬化させて得られ
る成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光触媒酸化チタンを光重合開始剤
の一成分として用いる技術としては、Polymer
Bulletin、Vol.32、597−603頁
(1994年)に、硫化カドミウム/酸化チタンのコロ
イドを用いたメタクリル酸の光重合が報告されている。
また、Journal of Polymer Sci
ence:Polymer Letters Edit
ion、Vol.17、535−538頁(1979
年)には、白金化酸化チタンおよび酢酸を用いたメチル
メタクリレートの光重合が報告されている。さらには特
開平10−186426号公報には、半導体超微粒子、
溶剤および重合可能なモノマーからなる光重合性樹脂組
成物が記載されており、光重合開始剤である半導体超微
粒子の一例として酸化チタンが例示されている。該公開
特許公報には、さらにチオール、チオフェノール類等の
有機化合物を用いることもできることが記載されてお
り、具体的には、チオフェノールおよびp−アミノチオ
フェノールを併用した例が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記公知
技術に関し、硫化カドミウム/酸化チタンのコロイドや
白金化酸化チタンは汎用で入手困難という問題点があ
る。また、半導体超微粒子のなかで光触媒酸化チタンを
単独で光重合開始剤として使用する場合には、実用に十
分な光重合硬化性を得ることができず、更に上記公報に
具体的に記載されているチオフェノールおよびp−アミ
ノチオフェノールを併用したとしても実用に十分な硬化
性を得ることができない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、光触媒酸化チタンと特
定の成分とを組み合わせた場合に、近紫外線および/ま
たは可視光線の照射により重合性単量体を非常に効果的
に光重合硬化させ得ることを見出し、本発明を完成する
に至った。
【0005】すなわち、本発明は重合性単量体(a)、
光触媒酸化チタン(b)、並びにアミン化合物(c1)
および/または有機過酸化物(c2)を含有する光硬化
性組成物である。
【0006】更に、本発明は上記の光硬化性組成物を硬
化させて得られる成形品である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的に説明す
る。本発明で使用される重合性単量体(a)としては、
例えばα−シアノアクリル酸エステル、(メタ)アクリ
ル酸エステル、α−ハロゲン化アクリル酸エステル、ク
ロトン酸エステル、桂皮酸エステル、ソルビン酸エステ
ル、マレイン酸エステル、イタコン酸エステル等のエス
テル類、及び(メタ)アクリルアミド誘導体、ビニルエ
ステル類、ビニルエーテル類、モノ−N−ビニル誘導
体、スチレン誘導体が挙げられる。これらの中でも(メ
タ)アクリル酸エステルが好適に用いられる。なお本明
細書においては、(メタ)アクリルをもってメタクリル
とアクリルの両方を包括的に表現する。
【0008】本発明において使用される重合性単量体
(a)の具体例を以下に示す。一つのオレフィン性二重
結合を有する単量体を一官能性単量体とし、オレフィン
性二重結合の数に応じて、二官能性単量体、三官能性単
量体等と表現する。
【0009】一官能性単量体:メチル(メタ)アクリレ
ート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)
アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブ
チル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリ
レート、ベンジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メ
タ)アクリレート、2,3−ジブロモプロピル(メタ)
アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,3
−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2,3
−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリるアミド、3−メタクリ
ロイルオキシプロピルトリメキシシラン、11−メタク
リロイルオキシウンデシルトリメトキシシラン、(メ
タ)アクリルアミド等。
【0010】二官能性単量体:エチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート(オキシエチレン基の数が9以上のもの)、ネオ
ペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−
ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−
デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリ
スリトールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA
ジグリシジル(メタ)アクリレート、2,2−ビス〔4
−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル〕プロ
パン、2,2−ビス〔4−(メタ)アクリロイルオキシ
ポリエトキシフェニル〕プロパン、2,2−ビス[4−
〔3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプ
ロポキシ〕フェニル]プロパン、1,2−ビス〔3−
(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキ
シ〕エタン、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレ
ート、1,2−ビス(3−メタクリロイルオキシ−2−
ヒドロキシプロポキシ)エタン、[2,2,4−トリメ
チルヘキサメチレンビス(2−カルバモイルオキシエチ
ル)]ジメタクリレート、1,3−ジ(メタ)アクリロ
イルオキシ−2−ヒドロキシプロパン等。
【0011】三官能性以上の単量体:トリメチロールプ
ロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタ
ントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタン
トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテト
ラ(メタ)アクリレート、N,N’−(2,2,4−ト
リメチルヘキサメチレン)ビス〔2−(アミノカルボキ
シ)プロパン−1,3−ジオール〕テトラメタクリレー
ト、1,7−ジアクリロイルオキシ−2,2,6,6−
テトラアクリロイルオキシメチル−4−オキシヘプタン
等。
【0012】重合性単量体(a)としては、上記に例示
した重合性単量体の他、下記に示す酸性基を有する重合
性単量体も用いることができる。かかる酸性基を有する
重合性単量体としては、例えば、リン酸基、ピロリン酸
基、カルボン酸基、スルホン酸基、チオリン酸等の酸性
基を少なくとも一つ以上有する重合性単量体であって、
該化合物の具体例として、以下のものが挙げられる。
【0013】リン酸基含有重合性単量体としては、例え
ば、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルジハイドロ
ジェンホスフェート、3−(メタ)アクリロイルオキシ
プロピルジハイドロジェンホスフェート、4−(メタ)
アクリロイルオキシブチルジハイドロジェンホスフェー
ト、5−(メタ)アクリロイルオキシペンチルジハイド
ロジェンホスフェート、6−(メタ)アクリロイルオキ
シヘキシルジハイドロジェンホスフェート、7−(メ
タ)アクリロイルオキシヘプチルジハイドロジェンホス
フェート、8−(メタ)アクリロイルオキシオクチルジ
ハイドロジェンホスフェート、9−(メタ)アクリロイ
ルオキシノニルジハイドロジェンホスフェート、10−
(メタ)アクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホ
スフェート、11−(メタ)アクリロイルオキシウンデ
シルジハイドロジェンホスフェート、12−(メタ)ア
クリロイルオキシドデシルジハイドロジェンホスフェー
ト、16−(メタ)アクリロイルオキシヘキサデシルジ
ハイドロジェンホスフェート、20−(メタ)アクリロ
イルオキシエイコシルジハイドロジェンホスフェート、
ジ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕ハイドロ
ジェンホスフェート、ジ〔4−(メタ)アクリロイルオ
キシブチル〕ハイドロジェンホスフェート、ジ〔6−
(メタ)アクリロイルオキシヘキシル〕ハイドロジェン
ホスフェート、ジ〔8−(メタ)アクリロイルオキシオ
クチル〕ハイドロジェンホスフェート、ジ〔9−(メ
タ)アクリロイルオキシノニル〕ハイドロジェンホスフ
ェート、ジ〔10−(メタ)アクリロイルオキシデシ
ル〕ハイドロジェンホスフェート、1,3−ジ(メタ)
アクリロイルオキシプロピル−2−ジハイドロジェンホ
スフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフ
ェニルハイドロジェンホスフェート、2−(メタ)アク
リロイルオキシエチル 2’−ブロモエチルハイドロジ
ェンホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエ
チル フェニルホスホネートジ〔4−(メタ)アクリロ
イルオキシブチル〕ハイドロジェンホスフェート、ジ
〔6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシル〕ハイドロ
ジェンホスフェート、ジ〔8−(メタ)アクリロイルオ
キシオクチル〕ハイドロジェンホスフェート、ジ〔9−
(メタ)アクリロイルオキシノニル〕ハイドロジェンホ
スフェート、ジ〔10−(メタ)アクリロイルオキシデ
シル〕ハイドロジェンホスフェート、1,3−ジ(メ
タ)アクリロイルオキシプロピル−2−ジハイドロジェ
ンホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチ
ルフェニルハイドロジェンホスフェート、2−(メタ)
アクリロイルオキシエチル 2’−ブロモエチルハイド
ロジェンホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキ
シエチル フェニルホスホネート等;(5−メタクリロ
キシ)ペンチル−3−ホスホノプロピオネート、(6−
メタクリロキシ)ヘキシル−3−ホスホノプロピオネー
ト、(10−メタクリロキシ)デシル−3−ホスホノプ
ロピオネート、(6−メタクリロキシ)ヘキシル−3−
ホスホノアセテート、(10−メタクリロキシ)デシル
−3−ホスホノアセテート等;2−メタクリロイルオキ
シエチル(4−メトキシフェニル)ハイドロジェンホス
フェート、2−メタクリロイルオキシプロピル(4−メ
トキシフェニル)ハイドロジェンホスフェート、グリセ
ロールホスフェートジ(メタ)アクリレート、ジペンタ
エリトリトールホスフェートペンタ(メタ)アクリレー
ト等の重合性単量体、およびこれらの酸塩化物等が挙げ
られる。
【0014】ピロリン酸基含有重合性単量体としては、
例えばピロリン酸ジ〔2−(メタ)アクリロイルオキシ
エチル〕、ピロリン酸ジ〔4−(メタ)アクリロイルオ
キシブチル〕、ピロリン酸ジ〔6−(メタ)アクリロイ
ルオキシヘキシル〕、ピロリン酸ジ〔8−(メタ)アク
リロイルオキシオクチル〕、ピロリン酸ジ〔10−(メ
タ)アクリロイルオキシデシル〕等の重合性単量体、お
よびこれらの酸塩化物等が挙げられる。
【0015】カルボン酸基含有重合性単量体としては、
例えば、マレイン酸、メタクリル酸、4−(メタ)アク
リロイルオキシエトキシカルボニルフタル酸、4−(メ
タ)アクリロイルオキシブチルオキシカルボニルフタル
酸、4−(メタ)アクリロイルオキシヘキシルオキシカ
ルボニルフタル酸、4−(メタ)アクリロイルオキシオ
クチルオキシカルボニルフタル酸、4−(メタ)アクリ
ロイルオキシデシルオキシカルボニルフタル酸、および
これらの酸無水物;5−(メタ)アクリロイルアミノペ
ンチルカルボン酸、6−(メタ)アクリロイルオキシ−
1,1−ヘキサンジカルボン酸、8−(メタ)アクリロ
イルオキシ−1,1−オクタンジカルボン酸、10−
(メタ)アクリロイルオキシ−1,1−デカンジカルボ
ン酸、11−(メタ)アクリロイルオキシ−1,1−ウ
ンデカンジカルボン酸等の重合性単量体、およびこれら
の酸塩化物等が挙げられる。
【0016】スルホン酸基含有重合性単量体としては、
例えば、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロ
パンスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−スルホエチ
ル(メタ)アクリレート等の重合性単量体、およびこれ
らの酸塩化物等が挙げられる。
【0017】チオリン酸基含有重合性単量体としては、
例えば、10−(メタ)アクリロイルオキシデシルジハ
イドロジェンホスフェート等の重合性単量体、およびこ
れらの酸塩化物などが挙げられる。
【0018】本発明で使用される光触媒酸化チタン
(b)は、具体的にはアナターゼ型酸化チタンであり、
粒径としては0.001〜30μm、特に0.005〜
20μmのものが好ましい。粒子の形状は球状、棒状、
針状、板状、不定形状など特に制約されない。
【0019】本発明において使用されるアミン化合物
(c1)としては、例えば、アニリン、p−トルイジ
ン、m−トルイジン、o−トルイジン、p−アミノ安息
香酸エチル、m−アミノ安息香酸エチル、o−アミノ安
息香酸エチル、p−アミノアニソール、m−アミノアニ
ソール、o−アミノアニソール、1−アミノナフタレ
ン、2−アミノナフタレン等の第1級アミン;N−メチ
ルアニリン、N−メチル−p−トルイジン、N−メチル
−m−トルイジン、N−メチル−o−トルイジン、N−
エタノール−p−トルイジン、N−エタノール−m−ト
ルイジン、N−エタノール−o−トルイジン、p−メチ
ルアミノ安息香酸エチル、m−メチルアミノ安息香酸エ
チル、o−メチルアミノ安息香酸エチル、p−メチルア
ミノアニソール、1−メチルアミノナフタレン、2−メ
チルアミノナフタレン等の第2級アミン;N,N−ジメ
チルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、
N,N−ジメチル−m−トルイジン、N,N−ジエチル
−p−トルイジン、N,N−ジメチル−3,5−ジメチ
ルアニリン、N,N−ジメチル−3,4−ジメチルアニ
リン、N,N−ジメチル−4−エチルアニリン、N,N
−ジメチル−4−イソプロピルアニリン、N,N−ジメ
チル−4−t−ブチルアニリン、N,N−ジメチル−
3,5−ジ−t−ブチルアニリン、N,N−ビス(2−
ヒドロキシエチル)−3,5−ジメチルアニリン、N,
N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン、
N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3,4−ジメ
チルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)
−4−エチルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシ
エチル)−4−イソプロピルアニリン、N,N−ビス
(2−ヒドロキシエチル)−4−t−ブチルアニリン、
N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3,5−ジイ
ソプロピルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエ
チル)−3,5−ジブチルアニリン、4−ジメチルアミ
ノ安息香酸n−ブトキシエチル、4−ジメチルアミノ安
息香酸(2−メタクリロイルオキシ)エチル、4−ジメ
チルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香
酸ブチル、N−メチルジエタノールアミン、4−ジメチ
ルアミノベンゾフェノン、トリメチルアミン、トリエチ
ルアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチル
ジエタノールアミン、N−n−ブチルジエタノールアミ
ン、N−ラウリルジエタノールアミン、トリエタノール
アミン、2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレー
ト、N−メチルジエタノールアミンジメタクリレート、
N−エチルジエタノールアミンジメタクリレート、トリ
エタノールアミンモノメタクリレート、トリエタノール
アミンジメタクリレート、トリエタノールアミントリメ
タクリレート等の第3級アミンが挙げられる。これらの
中でも、第2級アミンおよび/または第3級アミンが好
ましく、N−メチルジエタノールアミン、4−ジメチル
アミノ安息香酸エチルが更に好ましい。
【0020】本発明で使用される有機過酸化物(c2)
としては、例えば、ジアシルパーオキサイド、パーオキ
シエステル、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシケ
タール、ケトンパーオキサイド、ハイドロパーオキサイ
ドなどが挙げられる。具体的には、ジアシルパーオキサ
イドとしてはベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジク
ロロベンゾイルパーオキサイド、m−トルオイルパーオ
キサイド等が挙げられる。パーオキシエステルとして
は、例えば、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ビス
−t−ブチルパーオキシイソフタレート、2,5−ジメ
チル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサ
ン、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエー
ト、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート等
が挙げられる。ジアルキルパーオキサイドとしては、例
えば、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオ
キサイド、ラウロイルパーオキサイド等が挙げられる。
パーオキシケタールとしては、例えば、1,1−ビス
(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシ
クロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)
シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキ
シ)シクロヘキサン等が挙げられる。ケトンパーオキサ
イドとしては、例えば、メチルエチルケトンパーオキサ
イド、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルアセト
アセテートパーオキサイド等が挙げられる。ハイドロパ
ーオキサイドとしては、例えば、t−ブチルハイドロパ
ーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、p−ジイ
ソプロピルベンゼンパーオキサイド等が挙げられる。こ
れらの中でもジアシルパーオキサイドが好ましく、ベン
ゾイルパーオキサイドがより好ましい。
【0021】本発明の光硬化性組成物はさらに水(d)
を含んでいてもよく、該水は、該光硬化性組成物の硬化
に対して悪影響を及ぼすような不純物を含有していない
ものであれば特に制限無く使用することができるが、蒸
留水またはイオン交換水を使用するのが好ましい。
【0022】本発明の光硬化性組成物は、重合性単量体
(a)100重量部に対し、光触媒酸化チタン(b)を
0.1〜300重量部、アミン化合物(c1)および/
または有機過酸化物(c2)を0.01〜20重量部含
有するのが好ましく、重合性単量体(a)100重量部
に対し、光触媒酸化チタン(b)を1〜200重量部、
アミン化合物(c1)および/または有機過酸化物(c
2)を0.1〜10重量部含有するのがより好ましい。
【0023】さらに水(d)を含有する場合には、重合
性単量体(a)100重量部に対し0.01〜70重量
部含有するのが好ましく、1〜50重量部含有するのが
より好ましい。
【0024】本発明の光硬化性組成物は、必要に応じ
て、さらにフィラーを含んでいてもよい。かかるフィラ
ーとしては、無機系フィラーあるいは有機系フィラーお
よびこれらの複合体が用いられる。無機系フィラーとし
ては、シリカあるいはカオリン、クレー、雲母、マイカ
などのシリカを基材とする鉱物、シリカを基材とし、A
、B、TiO、ZrO、BaO、L
、SrO、CaO、P等を含有するセ
ラミックスやガラスの類、特にランタンガラス、バリウ
ムガラス、ストロンチウムガラス等が挙げられる。さら
には結晶石英、ヒドロキシアパタイト、アルミナ、酸化
チタン、酸化イットリビウム、ジルコニア、硫酸バリウ
ムの他、フルオロアルミノシリケートガラス、カルシウ
ムフルオロアルミノシリケートガラス、ストロンチウム
フルオロアルミノシリケートガラス、バリウムフルオロ
アルミノシリケートガラス、ストロンチウムフルオロア
ルミノシリケートガラスなどを挙げることができる。こ
れらの中でも、フルオロアルミノシリケートガラス、バ
リウムフルオロアルミノシリケートガラス等のイオン溶
出性ガラス等も用いられる。有機系フィラーとしては、
ポリメチルメタクリレート、ポリアミド、ポリスチレ
ン、ポリ塩化ビニル、クロロプレンゴム、ニトリルゴ
ム、スチレン−ブタジエンゴム等の有機樹脂が挙げられ
る。また、これらの有機樹脂中に非溶出性ガラスフィラ
ーを分散させたり、非溶出性ガラスフィラーを上記有機
樹脂でコーティングした無機/有機複合フィラー等も挙
げられる。これらのフィラーは必要に応じてシランカッ
プリング剤等の公知の表面処理剤で予め表面処理してか
ら用いてもよい。かかる表面処理剤としては、例えば、
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラ
ン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリ(β−メトキ
シエトキシ)シラン、γ−メタクリロイルオキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン、γ−メルカプロプロピルトリメトキシ
シラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙
げられる。
【0025】本発明の光硬化性組成物にさらにフィラー
を含有させる場合のフィラーの含有量は、該光硬化性組
成物全重量に対して好ましくは10〜80重量%、さら
に好ましくは20〜70重量%である。
【0026】さらに、本発明の光硬化性組成物は、必要
に応じて、公知の安定剤、化学重合開始剤、染料、顔料
等を含んでいてもよい。
【0027】本発明の光硬化性組成物は、例えば、近紫
外線および/または可視光線を照射することにより重合
硬化させることができる。本発明の光硬化性組成物を硬
化する際に使用し得る光源としては、例えば、ハロゲン
ランプ、水銀ランプ、タングステンランプ、キセノンラ
ンプ、発光ダイオード等を挙げることができる。
【0028】本発明の光硬化性組成物は、例えば、所望
の形態にした後、近紫外線および/または可視光線を照
射することにより重合硬化させて成形品を得ることがで
きる。より具体的には、本発明の光硬化性組成物をガラ
ス、プラスチック等の基盤の上に浸漬法、スピンコート
法等により所望の形態にした後、光照射を行い、目的と
する形態の成形品を得たり、歯牙あるいはツメなどの生
体硬組織表面に塗布し、光照射を行って被膜を形成した
り、齲蝕により生じた歯牙窩洞に塗布あるいは充填し、
光照射を行って歯の形態を回復したりする方法が挙げら
れる。光照射による硬化に際しては、全露光して全体を
硬化させる以外にも、走査露光することにより部分的に
硬化させ、未硬化の部分を洗浄などで取り除くことによ
り、目的とする成形品を得ることも可能である。
【0029】本発明の光硬化性組成物は、光硬化性に優
れているので、塗料分野、光造形分野、歯科材料分野な
どのように、光硬化性樹脂を使用するような用途におい
て、好適に使用することができる。
【0030】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるも
のではない。
【0031】実施例1 2,2−ビス[4−〔3−メタクリロイルオキシ−2−
ヒドロキシプロポキシ〕フェニル]プロパン(Bis−
GMA)60重量部、トリエチレングリコールジメタク
リレート(TEGDMA)40重量部、光触媒酸化チタ
ン(ST−01、石原産業社製)10重量部およびN−
メチルジエタノールアミン5重量部からなるスラリー状
組成物を調製した。得られた組成物5mlを無色透明ガ
ラス製サンプル管(内径18mm、高さ45mm、肉厚
約1mm)に入れて、側方よりハロゲンランプ(JCP
100V−1000W、フィリップス社製)を光源とす
るスライドプロジェクターにより光照射を行った。5分
間光照射した後、組成物の性状を確認したところ該組成
物は重合が進行し、よく硬化していた。
【0032】比較例1 実施例1の組成から光触媒酸化チタンを除いた組成物、
すなわちBis−GMA60重量部、TEGDMA40
重量部およびN−メチルジエタノールアミン5重量部か
らなる液体組成物を調製した。得られた組成物5mlを
無色透明ガラス製サンプル管(内径18mm、高さ45
mm、肉厚1mm)に入れて、側方よりハロゲンランプ
(JCP100V−1000W、フィリップス社製)を
光源とするスライドプロジェクターにより光照射を行っ
た。5分間光照射した後、組成物の性状を確認したとこ
ろ該組成物の性状に変化は認められず、液体のままであ
った。
【0033】比較例2 実施例1の組成からアミン化合物を除いた組成物、すな
わちBis−GMA60重量部、TEGDMA40重量
部および光触媒酸化チタン(ST−01、石原産業社
製)10重量部からなるスラリー状組成物を調製した。
得られた組成物5mlを無色透明ガラス製サンプル管
(内径18mm、高さ45mm、肉厚約1mm)に入れ
て、側方よりハロゲンランプ(JCP100V−100
0W、フィリップス社製)を光源とするスライドプロジ
ェクターにより光照射を行った。5分間光照射した後、
組成物の性状を確認したところ該組成物のごく一部にゲ
ル化が見られたものの性状に大きな変化は認められず、
大方はスラリー状のままであった。
【0034】実施例2 Bis−GMA60重量部、TEGDMA40重量部、
光触媒酸化チタン(ST−01、石原産業社製)10重
量部およびベンゾイルパーオキサイド5重量部からなる
スラリー状組成物を調製した。得られた組成物5mlを
無色透明ガラス製サンプル管(内径18mm、高さ45
mm、肉厚約1mm)に入れて、側方よりハロゲンラン
プ(JCP100V−1000W、フィリップス社製)
を光源とするスライドプロジェクターにより光照射を行
った。5分間光照射した後、組成物の性状を確認したと
ころ該組成物は重合が進行し、よく硬化していた。
【0035】比較例3 実施例2の組成物から有機過酸化物を除いた組成物、す
なわちBis−GMA60重量部、TEGDMA40重
量部および光触媒酸化チタン(ST−01、石原産業社
製)10重量部からなるスラリー状組成物を調製した。
得られた組成物5mlを無色透明ガラス製サンプル管
(内径18mm、高さ45mm、肉厚約1mm)に入れ
て、側方よりハロゲンランプ(JCP100V−100
0W、フィリップス社製)を光源とするスライドプロジ
ェクターにより光照射を行った。5分間光照射した後、
組成物の性状を確認したところ該組成物のごく一部にゲ
ル化が見られたものの性状に大きな変化は認められず、
大方はスラリー状のままであった。
【0036】実施例3 Bis−GMA50重量部、2−ヒドロキシエチルメタ
クリレート(HEMA)40重量部、水10重量部、光
触媒酸化チタン(ST−01、石原産業社製)10重量
部および4−ジメチルアミノ安息香酸エチル5重量部か
らなるスラリー状組成物を調製した。得られた組成物5
mlを無色透明ガラス製サンプル管(内径18mm、高
さ45mm、肉厚約1mm)に入れて、側方よりハロゲ
ンランプ(JCP100V−1000W、フィリップス
社製)を光源とするスライドプロジェクターにより光照
射を行った。5分間光照射した後、組成物の性状を確認
したところ該組成物は重合がよく進行し、よく硬化して
いた。
【0037】比較例4 Bis−GMA50重量部、HEMA40重量部、水1
0重量部、光触媒酸化チタン(ST−01、石原産業社
製)10重量部および酢酸5重量部からなるスラリー状
組成物を調製した。得られた組成物5mlを無色透明ガ
ラス製サンプル管(内径18mm、高さ45mm、肉厚
約1mm)に入れて、側方よりハロゲンランプ(JCP
100V−1000W、フィリップス社製)を光源とす
るスライドプロジェクターにより光照射を行った。5分
間光照射した後、組成物の性状を確認したところ該組成
物のごく一部にゲル化が見られたものの性状に大きな変
化は認められず、大方はスラリー状のままであった。
【0038】比較例5 Bis−GMA50重量部、HEMA40重量部、水1
0重量部、光触媒酸化チタン(ST−01、石原産業社
製)10重量部およびチオフェノール5重量部からなる
スラリー状組成物を調製した。得られた組成物5mlを
無色透明ガラス製サンプル管(内径18mm、高さ45
mm、肉厚約1mm)に入れて、側方よりハロゲンラン
プ(JCP 100V−1000W、フィリップス社
製)を光源とするスライドプロジェクターにより光照射
を行った。5分間光照射した後、組成物の性状を確認し
たところ該組成物のごく一部にゲル化が見られたものの
性状に大きな変化は認められず、大半はスラリー状のま
まであった。
【0039】比較例6 Bis−GMA50重量部、HEMA40重量部、水1
0重量部、光触媒酸化チタン(ST−01、石原産業社
製)10重量部およびp−アミノチオフェノール5重量
部からなるスラリー状組成物を調製した。得られた組成
物5mlを無色透明ガラス製サンプル管(内径18m
m、高さ45mm、肉厚約1mm)に入れて、側方より
ハロゲンランプ(JCP 100V−1000W、フィ
リップス社製)を光源とするスライドプロジェクターに
より光照射を行った。5分間光照射した後、組成物の性
状を確認したところ該組成物の性状に変化は無く、光効
果は認められなかった。
【0040】比較例7 Bis−GMA50重量部、HEMA40重量部、水1
0重量部、光触媒酸化チタン(ST−01、石原産業社
製)10重量部、チオフェノール5重量部およびp−ア
ミノチオフェノール5重量部からなるスラリー状組成物
を調製した。得られた組成物5mlを無色透明ガラス製
サンプル管(内径18mm、高さ45mm、肉厚約1m
m)に入れて、側方よりハロゲンランプ(JCP 10
0V−1000W、フィリップス社製)を光源とするス
ライドプロジェクターにより光照射を行った。5分間光
照射した後、組成物の性状を確認したところ該組成物の
ごく一部にゲル化が見られたものの性状に大きな変化は
認められず、大半はスラリー状のままであった。
【0041】実施例4 Bis−GMA50重量部、HEMA40重量部、水1
0重量部、光触媒酸化チタン(E−23、エコデバイス
社製)150重量部およびN−メチルジエタノールアミ
ン5重量部からなるペースト状組成物を調製した。得ら
れた組成物1mlをスライドガラスに置き、上方よりハ
ロゲンランプ(JCP100V−1000W、フィリッ
プス社製)を光源とするスライドプロジェクターにより
光照射を行った。5分間光照射した後、組成物の性状を
確認したところ該組成物は重合が進行しよく硬化してい
た。
【0042】
【発明の効果】本発明の光硬化性組成物は、光触媒酸化
チタンとアミン化合物および/または有機過酸化物とを
併用することにより、光硬化性が非常に優れている。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合性単量体(a)、光触媒酸化チタン
    (b)、並びにアミン化合物(c1)および/または有
    機過酸化物(c2)を含有する光硬化性組成物。
  2. 【請求項2】 アミン化合物(c1)が第2級アミンお
    よび/または第3級アミンである請求項1に記載の光硬
    化性組成物。
  3. 【請求項3】 有機過酸化物(c2)がジアシルパーオ
    キサイドである請求項1または2に記載の光硬化性組成
    物。
  4. 【請求項4】 更に水(d)を含有する請求項1〜3の
    いずれか一項に記載の光硬化性組成物。
  5. 【請求項5】 近紫外線および/または可視光線の照射
    により硬化することを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    か一項に記載の光硬化性組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか一項に記載の光
    硬化性組成物を硬化させて得られる成形品。
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