JP2003088757A - 触 媒 - Google Patents

触 媒

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JP2003088757A
JP2003088757A JP2001285597A JP2001285597A JP2003088757A JP 2003088757 A JP2003088757 A JP 2003088757A JP 2001285597 A JP2001285597 A JP 2001285597A JP 2001285597 A JP2001285597 A JP 2001285597A JP 2003088757 A JP2003088757 A JP 2003088757A
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祐介 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 触媒成分のシンタリングが抑制され、経時的
に安定して高い触媒性能を発揮する触媒を提供する。 【解決手段】 担体上にPtが担持された第1触媒、及
び担体上にRhが担持された第2触媒を含んでなり、第
1触媒と第2触媒の少なくとも一方にAuがさらに担持
されたことを特徴とする触媒である。もう1つの態様と
して、担体上に、Pt、Rh、及びAuが共存する合金
粒子が担持されてなることを特徴とする触媒である。好
ましくは、Pt/Auのモル比が200/1〜1/1で
あり、かつRh/Auのモル比が200/1〜1/1で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高温雰囲気下での
触媒成分のシンタリングが顕著に抑制され、高い耐久性
能を有する触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用エンジン等の内燃機関から排出
される排気ガスには、一酸化炭素(CO)、炭化水素(H
C)、窒素酸化物(NOX)等が含まれ、これらの有害物質
は、一般に、白金(Pt)、金(Au)、パラジウム(P
d)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)等の貴金属を
触媒成分とする排気ガス浄化用触媒によって浄化され
る。
【0003】この排気ガス浄化用触媒は、通常、金属酸
化物の担体に上記の触媒成分を担持して構成されるが、
これらの有害物質の浄化反応を効率的に促進するために
は、触媒成分が排気ガスとの高い接触面積を呈するよう
に、担体上に触媒成分が高分散に担持されることが必要
である。そして、この高分散の担持状態が、排気ガス雰
囲気下で経時的に維持されることが必要である。
【0004】例えば、自動車用エンジンの排気ガス浄化
用触媒の場合、常温と約1000℃の間で温度が繰り返
して変動し、かつ比較的HCとCOの濃度が高くてO2
濃度が低い還元性雰囲気と、比較的HCとCOの濃度が
低くてO2濃度が高い酸化性雰囲気が繰り返される条件
下で、この高分散の担持状態が維持される必要がある。
【0005】しかしながら、上記の貴金属の触媒成分に
は、こうした雰囲気に長期間曝されると、触媒成分が担
体上を移動して肥大化した粒子を形成する、いわゆるシ
ンタリングを生じる性質があり、このシンタリングは、
特に高温の酸化性雰囲気下において促進されやすい。こ
のため、触媒成分は、排気ガスとの高い接触面積を維持
することができず、排気ガスの浄化性能が経時的に低下
するという問題がある。
【0006】ところで、本出願人は、先に、触媒成分の
金属を合金化することにより触媒活性を高めるといった
着想に基づき、特開平11−156193号公報におい
て、貴金属を含む合金触媒を提案している。しかし、こ
の公報においては、合金触媒のシンタリング抑制に関す
る特段の開示はしていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明
は、かかるシンタリングが抑制され、経時的に安定して
高い触媒性能を発揮する触媒を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、担体上に
Ptが担持された第1触媒、及び担体上にRhが担持さ
れた第2触媒を含んでなり、第1触媒と第2触媒の少な
くとも一方にAuがさらに担持されたことを特徴とする
触媒によって達成される。即ち、本発明の触媒は、第1
の態様において、Pt、Rh、及びAuが担体上に担持
されてなる触媒であって、PtとRhが、それぞれ別々
の担体に担持されて構成される触媒である。
【0009】また、上記の目的は、担体上に、Pt、R
h、及びAuが共存する合金粒子が担持されてなること
を特徴とする触媒によって達成される。即ち、本発明の
触媒は、第2の態様において、Pt、Rh、及びAu
が、担体上で1つの合金粒子を形成した触媒である。
【0010】こうした本発明の触媒において、シンタリ
ングが抑制され、高い排気ガス浄化性能を継続して発揮
することができるメカニズムは、以下のように考えられ
る。第1の態様の触媒は、Pt、Rh、及びAuの触媒
成分を、例えば、溶解性の貴金属化合物の溶液を用いて
担体上に担持して調製することで、触媒成分は、担体の
表面全体に、極めて微細な高分散の状態で担持されるこ
とができる。
【0011】このようにして調製された触媒は、シンタ
リングが有意には進行していない使用開始後の一定期間
は、高分散の担持状態の触媒成分により、高い初期活性
の触媒性能を発揮することができる。次いで、高温の排
気ガスに長期間曝されることにより、触媒成分のシンタ
リングが生じるが、ここで、第1の態様の触媒は、シン
タリングによって、第2の態様の触媒に移行し、この第
2の態様の触媒においては、実質的にシンタリングが停
止する。
【0012】即ち、Pt、Rh、及びAuが担体上に担
持され、PtとRhが、それぞれ別々の担体に高分散の
状態で担持されたこれらの触媒成分は、高温の排気ガス
に曝されることにより担体上を移動し、もしくは揮発性
の酸化物を形成することにより気相を介した物質移動が
生じ、Pt、Rh、及びAuが、担体上で合金粒子を形
成する。この合金粒子は、高温の排気ガスにさらに曝さ
れても、粒子径のそれ以上の肥大化が実質的に起こら
ず、触媒成分の高分散の担持状態が維持され、高い触媒
性能を継続して発揮することができる。また、この第2
の態様の触媒への移行は、PtとRhを別々の担体に担
持することで遅延され、それにより、初期活性の期間を
より長くすることができる。
【0013】こうした第1の態様の触媒から第2の態様
の触媒に移行し、第2の態様の触媒においては実質的に
シンタリングが停止することは、後述の実施例に記載す
るように、透過型電子顕微鏡(TEM)による形態観察に
よって実証されている。このように、本発明は、Pt、
Rh、及びAuが、シンタリングによって合金粒子を形
成し、それによって以降のシンタリングが実質的に停止
するといった特異な現象に基づくものである。
【0014】このような現象が起きる理由は、必ずしも
明らかではないが、AuとPt、AuとRhがそれぞれ
合金を形成し、これらの合金は担体上を移動するが、こ
の移動によりPtとRhとAuが合体すると高融点のP
t-Rh-Au合金を形成するため、以降の移動が抑制さ
れるものと推測される。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の第1の態様は、担体上に
Ptが担持された第1触媒、及び担体上にRhが担持さ
れた第2触媒を含んでなり、第1触媒と第2触媒の少な
くとも一方にAuがさらに担持されたことを特徴とする
触媒である。第1触媒は、担体上にPtが担持されて構
成され、この担体は、アルミナ、シリカ、ジルコニアの
ような酸化物のほか、シリカ-アルミナ、ジルコニア-セ
リア、アルミナ-セリア-ジルコニア、セリア-ジルコニ
ア-イットリア、ジルコニア-カルシアのような複合酸化
物からなるものが好適に使用可能である。
【0016】このような担体にPtを担持するのは、例
えば、白金ジニトロジアンミンPt(NH3)2(NO2)2
塩化白金酸H2PtCl6・6H2O等の白金化合物を用
い、蒸発乾固法、沈殿法、イオン交換法、吸着法、還元
析出法等によって行うことができる。次いで、好ましく
は、大気中で300〜700℃の温度に数時間加熱する
ことにより、Ptの担持をより強固にすることができ
る。
【0017】第2触媒は、担体上にRhが担持されて構
成され、同様に、上記の酸化物又は複合酸化物の担体上
に、硝酸ロジウムRh(NO3)3、塩化ロジウムRhCl
3等のロジウム化合物を用いて蒸発乾固法、沈殿法、イ
オン交換法、吸着法、還元析出法等によってRhを担持
することにより得ることができる。なお、第1触媒の担
体と第2触媒の担体は、第1触媒と第2触媒が別々に調
製されるならば、同じ種類のものであることができる。
【0018】Auは、第1触媒と第2触媒の少なくとも
一方に担持され、上記のPt又はRhの担持の前又は後
に、第1触媒と第2触媒の一方、あるいは第1触媒と第
2触媒の双方に、蒸発乾固法、沈殿法、イオン交換法、
吸着法、還元析出法等によって担持させることができ
る。好ましくは、このAuの担持は、水溶液中でAuイ
オンを生成する金化合物の水溶液に還元剤を添加し、A
uイオンを還元することによって不溶性にし、Au粒子
を析出させることにより行う。
【0019】具体的には、塩化金酸HAuCl4・4H2
O、塩化金AuCl3等の金化合物を、第1触媒、第2
触媒、又は第1触媒と第2触媒を分散させた水系スラリ
ーに溶解させ、このスラリーに、チオ硫酸ナトリウムN
223、チオ硫酸カリウムK223、チオ硫酸アン
モニウム(NH4)223、亜硫酸ナトリウムNa2
3、メタ重亜硫酸ナトリウムNa225、メタ重亜硫
酸カリウムK225、メタ重亜硫酸アンモニウム(NH
4)225、ヒドラジンN24、テトラヒドロホウ酸ナ
トリウムNaBH4、ホウ水素化物、次亜リン酸塩、ク
エン酸塩等の還元剤と、L-アスコルビン酸ナトリウムC
676Na、エチレンジアミン四酢酸塩等の緩衝剤を
添加してAuイオンを還元し、Au微粒子を第1触媒、
第2触媒、又は第1触媒と第2触媒の上に析出させる。
【0020】こうした還元析出によれば、直径約1nm
(ナノメートル)のレベルのAu微粒子を、実質的に全て
Pt又はRhの上に析出させることが比較的容易であ
る。第1触媒のみにAuを担持させた第1の態様の触媒
は、このようにしてAuを担持させた第1触媒を調製
し、次いで、第2触媒と、例えば、ボールミル、ヘンシ
ェルミキサー等によって混合して得ることができ、第2
触媒のみにAuを担持させた第1の態様の触媒は、同様
に、Auを担持させた第2触媒と第1触媒を混合して得
ることができる。また、第1触媒と第2触媒の双方にA
uを担持させた第1の態様の触媒は、第1触媒と第2触
媒を、例えば、ボールミル、ヘンシェルミキサー等によ
って混合した後にAuを担持して得ることができる。
【0021】このようにして得られる第1の態様の触媒
は、好ましくは、Pt/Auのモル比が200/1〜1
/1で、かつRh/Auのモル比が200/1〜1/1
であり、より好ましくは、Pt/Auのモル比が200
/1〜4/1で、かつRh/Auのモル比が200/1
〜7/3となるように原料比を調節して調製される。な
お、Pt、Rh、及びAu以外の金属成分が、Pt、R
h、及びAuの合計質量を基準に数質量%以下の量で含
まれていても、本発明の目的において許容されることが
できる。
【0022】第2の態様の触媒は、第1の態様の触媒を
高温雰囲気に長期間曝すことにより発現し、即ち、第1
の態様の触媒に含まれる触媒成分のPt、Rh、及びA
uは、移動してこれらが1つの粒子の中に共存する合金
粒子を形成し、この合金粒子が第1触媒と第2触媒の双
方の担体に担持された状態の第2の態様の触媒が形成さ
れる。この第2の態様の触媒において、触媒成分のP
t、Rh、及びAuは、これらの合計質量を基準に少な
くとも50質量%、より好ましくは、少なくとも75質
量%が、直径約5〜40nmの粒子径の粒子として存在
し、Pt/Auのモル比とRh/Auのモル比は、第1
の態様の触媒と同等である。
【0023】この第2の態様の触媒は、第1の態様の触
媒の初期活性に比較すると若干の触媒性能の低下を示す
ものの、通常シンタリングが促進される高温の酸化性雰
囲気に曝した後でも、一定の粒子径を維持し、高い排気
ガス浄化性能を持続することができる。
【0024】本発明の触媒が適用された通常のハニカム
型排気ガス浄化用触媒は、第1の態様の触媒をモノリス
担体にウォッシュコート等により担持して調製すること
ができ、排気ガス浄化用触媒として使用される過程で、
又は場合によりこの調製時の焼成工程で、第2の態様の
触媒が発現する。以下、実施例によって本発明をより具
体的に説明する。
【0025】
【実施例】実施例1 硝酸アルミニウム、硝酸セリウム、及び硝酸ジルコニウ
ムを原料として共沈・焼成によって調製したAl23-
CeO2-ZrO2複合酸化物粉末(比表面積約100m2
/g、Al23/CeO2/ZrO2モル比=2/1/
1、表2中「ACZ」と示す。)を担体として用い、こ
の複合酸化物粉末をイオン交換水に分散させ、得られた
スラリーにジニトロジアンミン白金を溶解させ、次い
で、蒸発乾固と大気中で500℃×2時間の熱処理を行
い、Al23-CeO2-ZrO2複合酸化物粉末の上に
5.0質量%のPtが担持された第1触媒を得た。
【0026】別に、ZrO2粉末(比表面積約70m2
g)を担体として用い、このZrO2粉末をイオン交換水
に分散させ、得られたスラリーに硝酸ロジウムを溶解さ
せ、次いで、蒸発乾固させることにより、ZrO2粉末
の上に1.0質量%のRhを担持させた。
【0027】このRh担持ZrO2粉末の100gを5
00ccの60℃のイオン交換水に分散させたスラリー
に、下記の濃度となる量で試薬を順次に添加し、穏やか
な攪拌下に24時間置くことで塩化金酸からAuを還元
析出させた。 HAuCl4・4H2O 2.00×10-2質量% Na223・5H2O 1.00×10-1質量% Na2SO3 3.00×10-1質量% C676Na 1.00質量%
【0028】この還元析出の後、スラリーを濾過・洗浄
し、大気中で120℃×2時間の乾燥を行い、次いで、
大気中で500℃×2時間の熱処理を行った。これによ
り、ZrO2粉末の上に0.99質量%のRhと0.01
質量%のAuが高分散で担持された第2触媒を得た。上
記の第1触媒と第2触媒を等質量で乳鉢を用いて混合
し、圧縮・解砕して、直径約1〜3mmのペレット状の
本発明の触媒Aを得た。
【0029】比較例1 実施例1で調製した5.0質量%のPtを担持したAl2
3-CeO2-ZrO2複合酸化物粉末と、1.0質量%の
Rhを担持したZrO2粉末を、実施例1と同様にし
て、等質量で混合し、圧縮・解砕して、PtとRhを含
む直径約1〜3mmのペレット状の比較例の触媒aを得
た。
【0030】−触媒性能評価(1)− 上記の実施例の触媒Aと比較例の触媒aの各2.0g
を、実験室用の排気ガス浄化性能評価装置の反応管内部
に設置した。次いで、表1に示す組成のA/F=14.
4、14.7、又は20.0のモデル雰囲気ガスを流通さ
せ、触媒床温度を20℃/分の速度で昇温させながら、
700℃、800℃、又は900℃の温度に高め、それ
らの温度に3時間曝す耐久処理に供した。次いで、A/
F=14.6(ストイキ)のモデル雰囲気ガスを流通さ
せ、触媒床温度を10℃/分の速度で降温させながら、
36の50%浄化温度(T50)を測定した。ストイキの
モデル雰囲気ガスの流量は6.0リットル/分/0.03
g貴金属とした。
【0031】図1に、この耐久処理温度とモデル雰囲気
ガスに対するT50の関係を示す。図1に示した結果よ
り、比較例の触媒aでは、800℃の耐久処理により、
特にA/F=14.7のスライトリーンと、A/F=2
0.0のリーンの雰囲気においてT50が顕著に高くな
り、排気ガス浄化性能が大きく低下するのに対し、実施
例の触媒Aでは、この低下が顕著に軽減されることが明
らかに分かる。
【0032】−合金触媒の形態観察− 上記の実施例の触媒Aと比較例の触媒aについて、透過
型電子顕微鏡(TEM)による形態観察と、エネルギー分
散型X線分光分析(EDX)による電子顕微鏡像のスポッ
ト領域における元素分析を行った。結果を図2〜4に示
す。図2(a)は、触媒Aの耐久処理前のTEM像であ
り、図2(b)は、触媒aの耐久処理前のTEM像であ
る。金属粒子は、これらのTEM像からは観察されず、
極めて微細な状態で担体上に担持されているものと判断
される。
【0033】図3(a)は、触媒AをA/F=14.7の
条件で800℃×3時間の耐久処理に供した後のTEM
像であり、シンタリングによって成長した直径約20n
mの金属粒子が観察される。この金属粒子をEDXによ
って元素分析したところ、Pt、Rh、及びAuの3成
分が分析され、1つの粒子の中にこれらの3成分が共存
することが確認された。図3(b)は、比較例1の触媒a
をA/F=14.7の条件で800℃×3時間の耐久処
理に供した後のTEM像であり、同様に、シンタリング
によって成長した直径約100nmの金属粒子が観察さ
れる。この金属粒子をEDXによって元素分析したとこ
ろPtのみが分析された。
【0034】図4(a)は、触媒Aをより厳しいA/F=
20.0の条件で800℃×3時間の耐久処理に供した
後のTEM像であり、シンタリングによって成長した直
径約20nm金属粒子が観察されるが、A/F=14.
7での耐久処理後と同等の粒子径であることが分かる。
この金属粒子をEDXによって元素分析したところ、同
様に1つの粒子の中にPt、Rh、及びAuの3成分が
共存することが確認された。
【0035】図4(b)は、触媒aをより厳しいA/F=
20.0の条件で800℃×3時間の耐久処理に供した
後のTEM像であり、シンタリングによってさらに大き
く成長した直径約400nmの金属粒子が観察される。
この粒子をEDXによって元素分析したところPtのみ
が分析された。
【0036】これらのTEM像とEDX分析より、触媒
Aと触媒aは、いずれも、耐久処理前は触媒成分がTE
M像によっては観察されない微細な状態で存在するが、
耐久処理によって触媒成分がシンタリングし、TEM像
によって観察される直径の粒子に成長することが分か
る。しかしながら、触媒Aでは、直径約20nmを上回
る粒子は観察されず、シンタリングは一定の粒子径にな
ると停止するのに対し、触媒aでは、直径約400nm
もの大粒子が観察され、シンタリングが継続することが
分かる。
【0037】また、PtとRhが別な担体に担持されて
調製された第1の態様の触媒から、1つの粒子の中にP
t、Rh、及びAuの3成分が共存する第2の態様の触
媒が発現することが分かる。そして、この3成分の共存
状態が、シンタリングの抑制作用を奏するものと推定さ
れ、図1に示すような、耐久処理によって顕著には排気
ガス浄化性能が低下しない効果をもたらすものと考えら
れる。
【0038】実施例2〜5 実施例1と同様にして、表2に摘要を示す実施例2〜5
の第1の態様の触媒B〜Eを調製した。第1触媒の調製
として、実施例2〜5は、いずれもジニトロジアンミン
白金の蒸発乾固によって、Al23-CeO2-ZrO2
合酸化物粉末の上にPtを担持させ、次いで、実施例
2、3、5では、実施例1と同様にしてHAuCl4
4H2OからAuを還元析出させて第1触媒を調製し、
実施例4では、この還元析出を行わずに、そのまま第1
触媒とした。
【0039】第2触媒の調製として、実施例2〜3で
は、担体にAl23粉末(比表面積約180m2/g)を
用い、実施例4〜5では、実施例1で用いたものと同じ
ZrO 2粉末を用い、これらの担体に、実施例1と同様
にして、硝酸ロジウムの蒸発乾固によってRhを担持さ
せた。次いで、実施例1と同様にしてHAuCl4・4
2OからAuを還元析出させ、実施例2、4、5の第
2触媒を調製した。実施例3ではAl23粉末の上にR
hを担持させたものをそのまま第2触媒とした。
【0040】得られた第1触媒と第2触媒をそれぞれ等
質量で混合して、PtとRhとAuの3成分を含む第1
の態様の触媒B〜Eを得た。表2に示した摘要におい
て、「担持量」は担体と貴金属の合計質量を基準にした
貴金属の質量%であり、「比率」はPt又はRh/Au
の質量比を示す。
【0041】比較例2 実施例5におけるAu還元析出を行わない以外は実施例
4と同様にして、表2に摘要を示すPtとRhの2成分
を含む比較例の触媒bを得た。
【0042】実施例6〜9 実施例1と同様にして、表3に摘要を示す実施例6〜9
の第1の態様の触媒F〜Iを調製した。第1触媒の調製
として、担体はいずれも、硝酸セリウム、硝酸ジルコニ
ウム、及び硝酸イットリウムを原料として共沈・焼成に
よって調製したCeO2-ZrO 2-Y23複合酸化物粉末
(比表面積約70m2/g、CeO2/ZrO2/Y23
ル比=50/47/3、表3中「CZY」と示す。)と
し、いずれもジニトロジアンミン白金の蒸発乾固によっ
て、この複合酸化物粉末の上にPtを担持させた。次い
で、実施例6、7、9では、実施例1と同様にしてHA
uCl4・4H2OからAuを還元析出させて第1触媒を
調製し、実施例8では、この還元析出を行わずに、その
まま第1触媒とした。
【0043】第2触媒の調製として、実施例6〜8で
は、担体として、硝酸ジルコニウム、及び硝酸カルシウ
ムを原料として共沈・焼成によって調製しZrO2-Ca
O複合酸化物粉末(比表面積約80m2/g、ZrO2
CaOモル比=24/1、表3中「ZCO」と示す。)
を用い、実施例9では、実施例1で用いたものと同じZ
rO2粉末を用い、これらの担体に、実施例1と同様に
して、硝酸ロジウムの蒸発乾固によってRhを担持させ
た。
【0044】次いで、実施例1と同様にしてHAuCl
4・4H2OからAuを還元析出させ、実施例6、8、9
の第2触媒を調製した。実施例7ではZrO2-CaO複
合酸化物粉末の上にRhを担持させたものをそのまま第
2触媒とした。得られた第1触媒と第2触媒をそれぞれ
等質量で混合して、PtとRhとAuの3成分を含む触
媒F〜Iを得た。 比較例3 実施例9におけるAu還元析出を行わない以外は実施例
9と同様にして、表2に摘要を示すPtとRhの2成分
を含む比較例の触媒cを得た。
【0045】−触媒性能評価(2)− 上記の実施例2〜9、比較例2〜3の各合金触媒の各1
00gに、40質量%硝酸アルミニウム水溶液を30
g、ベーマイトを1.5g、イオン交換水を60cc加
えてスラリーを作成した。
【0046】このスラリーを直径30mm×長さ50m
mのモノリス担体(壁厚75μm、セル密度93セル/
cm2、六角セル)にウォッシュコートし、大気中で、
100℃×2時間の仮乾燥と250℃×3時間の乾燥の
後、550℃で2時間焼成し、モノリス担体に上記の各
触媒がコートされた排気ガス浄化用触媒を得た。これら
の各排気ガス浄化用触媒を、常圧流通式の耐久処理装置
に配置し、空気/燃料(A/F)の比が14.6/1の
モデル排気ガス雰囲気下で900℃×5時間の加熱を行
う耐久処理に供した。
【0047】耐久処理後の各排気ガス浄化用触媒を、固
定床流通反応装置に配置し、下記のリーン雰囲気とリッ
チ雰囲気が1秒間ごとに切り替わるモデル排気ガスを流
通させ、触媒温度を高めながらC36の浄化率を測定し
た。 リッチ雰囲気のガス組成: 0.15%C36+1.05%CO+0.33%O2+0.
3%NO+0.35%H2+14.19%CO2+10%H
2O (残余N2) リーン雰囲気のガス組成: 0.05%C36+0.14%CO+0.94%O2+0.
34%NO+14.27%CO2+10%H2O (残余
2) この排気ガス浄化性能試験において、モデル排気ガスの
流量は30リットル/分、昇温速度は25℃/分とし
た。
【0048】各触媒のC36の50%浄化率(T50)を図
5〜6にまとめて示す。この結果より、PtとRhとA
uの3成分を含む本発明の触媒は、PtとRhの2成分
を含む比較例の触媒よりも、顕著に排気ガス浄化性能が
高いことが分かり、この理由は、実施例1の触媒Aと同
様に、触媒成分のシンタリングが抑制されたためと考え
られる。また、このシンタリング抑制の効果は、第1触
媒と第2触媒のいずれか一方又は双方にAuが担持され
たときに得られることが分かる。
【0049】
【発明の効果】触媒成分のシンタリングが抑制され、経
時的に安定して触媒性能を発揮する触媒を提供すること
ができる。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【表3】
【図面の簡単な説明】
【図1】耐久処理条件と触媒浄化性能の関係を示すグラ
フである。
【図2】触媒成分の粒子構造を示す透過型電子顕微鏡写
真である。
【図3】触媒成分の粒子構造を示す透過型電子顕微鏡写
真である。
【図4】触媒成分の粒子構造を示す透過型電子顕微鏡写
真である。
【図5】触媒浄化性能を比較したグラフである。
【図6】触媒浄化性能を比較したグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F01N 3/28 B01D 53/36 ZAB 101B (72)発明者 三宅 慶治 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3G091 AA02 AB01 BA07 BA39 FB02 FB03 FC04 FC07 FC08 GB01W GB01X GB03X GB04X GB05W GB06W GB10X GB16X 4D048 AA06 AA13 AA18 AB05 AB07 BA02X BA03X BA08X BA18X BA19X BA30X BA33X BA34X BA41X BA42X BB16 BB17 4G069 AA03 AA08 BA01B BA05B BB02A BB02B BB06B BC09B BC16B BC33A BC33B BC40B BC43B BC51B BC71A BC71B BC75A BC75B CA03 CA09 DA05 EB19 FA01 FA02 FB07 FB14 FB45 FC08

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 担体上にPtが担持された第1触媒、及
    び担体上にRhが担持された第2触媒を含んでなり、第
    1触媒と第2触媒の少なくとも一方にAuがさらに担持
    されたことを特徴とする触媒。
  2. 【請求項2】 Pt/Auのモル比が200/1〜1/
    1であり、かつRh/Auのモル比が200/1〜1/
    1である請求項1に記載の触媒。
  3. 【請求項3】 担体上に、Pt、Rh、及びAuが共存
    する合金粒子が担持されてなることを特徴とする触媒。
  4. 【請求項4】 Pt/Auのモル比が200/1〜1/
    1であり、かつRh/Auのモル比が200/1〜1/
    1である請求項3に記載の触媒。
  5. 【請求項5】 合金粒子の粒子径が5〜40nmである
    請求項3又は4に記載の触媒。
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