JP2003087663A - 固体撮像装置 - Google Patents
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Abstract
シャッタができず、また、増幅用トランジスタの基板効
果や大きなしきい値電圧により、信号出力が下がりロス
を招いている。 【解決手段】 フォトダイオードPDに入射光量に応じ
た量の電荷が蓄積され、MOS型ゲートMgx1を通し
てMOS型ゲートMccdの直下の基板に転送されて蓄
積される。この電荷は、MOS型ゲートMgx2を通し
てFDで電位変化に変換される。FDの電位は、画素選
択用トランジスタMselがオフのときに増幅用トラン
ジスタMampで増幅されて信号出力ライン11へ出力
される。トランジスタMampは、他のトランジスタM
sel、MrstやゲートMccd、Mgx1、Mgx
2とは基板が分離して構成されており、基板効果を避
け、また、他の素子よりもしきい値が低く設定された構
造とされている。
Description
り、特に蓄積転送部を画素内に持ったCMOSイメージ
センサと称する固体撮像装置に関する。
CCD方式とCMOSセンサ方式の2つがある。両者の
違いは、光を電荷に変換するフォトダイオードではな
く、フォトダイオードの電荷の情報を各受光素子の外に
如何に伝えるかというところにある。すなわち、CCD
方式は、フォトダイオードに発生した電荷を電荷転送素
子(CCD:charge coupled device)により直接に外
部へ転送する。一方、CMOSセンサ方式は、フォトダ
イオードに発生した電荷による電位の情報を、各フォト
ダイオードに対応して設けられたアンプを通して画素外
部に出力する。
得失は次の通りである。まず、作成プロセスに関して
は、CCD方式は特殊プロセスで作成することが必要
で、専用ラインが必要となる。これに対し、CMOSセ
ンサ方式は、通常のCMOS−LSIプロセスと殆ど同
じプロセスで作成できるので、CMOS−LSI用のラ
インをそのまま使え、また、エリアセンサと他のCMO
S回路を混在できるというメリットがある。
OSセンサ方式は、CCD方式に比べて固定パターン雑
音が大きいという問題点がある。固定パターン雑音は、
主にアンプ用トランジスタのしきい値電圧のばらつきに
起因している。更に、電源の数はCCD方式では、電荷
転送を実行するために複数の電源が必要になるが、CM
OSセンサ方式は単一電源でよく、CCD方式よりも電
圧が低い。従って、消費電力は、CMOSセンサ方式の
方がCCD方式よりも少ないというメリットがある。
像装置の画素構成について説明する。図11は従来の固
体撮像装置の一例の構成図を示す。この従来の固体撮像
装置は、最も一般的なCMOSセンサ方式の固体撮像装
置、すなわちCMOSイメージセンサを示しており、フ
ォトダイオード111〜133と、アンプ211〜2
33と、転送用スイッチ311〜333とが3行3列に
配置された構成とされている。1個のフォトダイオード
1ijと1個のアンプ2ijと転送用スイッチ3ij
(i=1〜3、j=1〜3)とが1個の画素を構成して
いる。ここでは、説明の簡単のために、3行3列の2次
元に配置された9個の画素からなる構成であるが、画素
数はこれに限定されるものではなく、また、画素が一列
に並んだ一次元配置構成の場合もある。
トレジスタで各行の(水平方向に配置されている)複数
の画素の動作が、各行毎に(通常は上の行から下の行に
向かう)制御され、フォトダイオード111〜133に
より被写体入射光を別々に光電変換して得られた電荷を
電位に変換し、アンプ211〜233によりそれぞれ増
幅された各信号は、対応して設けられた転送用スイッチ
311〜333を介して列単位でノイズキャンセラ4に
供給され、ここでノイズキャンセル動作された後、図示
しない水平シフトレジスタにより各列の信号が撮像信号
として出力される。通常の水平シフト処理は、右の列か
ら左の列方向に処理が進む。なお、行と列は逆に配置す
ることも可能である。
素分の一例の等価回路図を示す。図12(A)に示す従
来の固体撮像装置は、最も一般的な転送トランジスタ付
きのCMOSイメージセンサの画素構成を示しており、
フォトダイオードPD1個に、MOS型電界効果トラン
ジスタ(以下、単にトランジスタという)4個から構成
されている。
オードPDのN型層にソースが接続された転送用トラン
ジスタMgxと、トランジスタMgxのドレインにソー
スが接続されたリセット用トランジスタMrstと、ト
ランジスタMgxのドレインとトランジスタMrstの
ソースにゲートが接続された増幅用トランジスタMam
pと、増幅用トランジスタMampのソースにドレイン
が接続され、かつ、ソースが信号出力ライン8に接続さ
れた行選択用トランジスタMsel’であり、通常これ
らはいずれもnチャネルのFETである。
用トランジスタMampのゲート電圧をリセットする。
増幅用トランジスタMampは、フォトダイオードPD
の発生した電荷による電圧の変動を増幅する。行選択用
トランジスタMsel’は、出力する行を選択する。転
送用トランジスタMgxは、フォトダイオードPDの電
荷を増幅用トランジスタMampのゲートに転送する。
る。図12に示す画素は最上行、最下行でない、どこか
中間の行のある列の画素であるとする。まず、行選択用
トランジスタMsel’、リセット用トランジスタMr
stがそれぞれオフである状態から、図12(B)に示
すようにリセット用トランジスタMrstのゲート電圧
がハイレベルとされてリセット用トランジスタMrst
がオンしたとすると、増幅用トランジスタMampのゲ
ート電位Vpは、(Vdd−Vthrst)となる。
びMampのドレインに印加される電源電圧、Vthr
stはリセット用トランジスタMrstのしきい値電圧
である。トランジスタMampのゲート電圧Vpを上記
の電圧にするリセットは一定期間で行われ、その後トラ
ンジスタMrstのゲート電圧が図12(B)に示すよ
うにローレベルとされてトランジスタMrstはオフさ
れる。トランジスタMsel’がオフである期間T1で
は、出力信号線8には図12(E)に示すように、出力
はない。
のゲート電圧が図12(C)に示すようにハイレベルと
され、トランジスタMsel’がオンとされると、ソー
スフォロワ回路である増幅用トランジスタMampが動
作状態となり、そのゲート電圧VpからトランジスタM
ampのしきい値電圧Vthampを差し引いた(Vp
−Vthamp)の値の電圧がトランジスタMampの
ソースから出力される。ノイズキャンセラ(図1の4)
はこの値を記憶する。このときの信号出力ライン8への
出力電位は図12(E)にT2で示す期間の一定電位で
ある。
をオンした状態が継続している状態で、転送用トランジ
スタMgxのゲート電圧が図12(D)に示すように一
定期間T3の間ハイレベルとなり、この期間T3の間ト
ランジスタMgxがオンとなる。この期間T3では、フ
ォトダイオードPDに被写体からの光を入射してフォト
ダイオードPDにより光電変換して得られた電荷がトラ
ンジスタMgxのソース、ドレインを通して増幅用トラ
ンジスタMampのゲートに転送される。転送後トラン
ジスタMgxはオフとなる。
ト電圧はVsigだけ下がる。この結果、フォトダイオ
ードPDは電荷が無くなり、リセットされる。一方、画
素から出力信号ライン8への出力電位は、図12(D)
に示すように、(Vp−Vsig−Vthamp)とな
る。期間T4の間ノイズキャンセラは、この値と前記期
間T2で記憶した値の差をとり、信号成分Vsigを取
り出す。
sel’のゲート電圧が図12(C)に示すようにロー
レベルとされ、トランジスタMselがオフとされ、他
の画素の処理が終わるのを待つ。その後、再び最初に戻
り、行選択用トランジスタMsel’がオフの状態でリ
セット用トランジスタMrstがオンとされる。
2(A)に示した従来の固体撮像装置であるCMOSイ
メージセンサは、電荷蓄積部がないため、フレームシャ
ッタ(時間的な揃った画像)ができない。また、増幅用
トランジスタMampには基板効果があるために、信号
出力が下がりロスを招いている。
い値電圧の分Vthampだけ信号出力電位が低下する
が、他のトランジスタMgx、Mrst、Msel’と
同じ作り方をしているため、しきい値電圧が必要以上に
大きく信号のダイナミックレンジを小さくし、その分信
号のロスを招いている。更に、上記の従来装置では、行
選択用トランジスタMsel’が増幅用トランジスタM
ampと信号出力ライン8との間にあるので、直列抵抗
になって信号のロスを招いている。
で、フレームシャッタが可能な固体撮像装置を提供する
ことを目的とする。
ジスタの基板効果やしきい値電圧による信号のロスや直
列抵抗として作用するための信号のロスを除去し得る固
体撮像装置を提供することにある。
成するため、被写体からの入射光を光電変換するフォト
ダイオードと、フォトダイオードで光電変換して得られ
る電荷を蓄積する電荷蓄積部と、電荷蓄積部から転送さ
れる電荷を電位変化に変換するフローティングディフュ
ージョンに接続されて電位変化を増幅する増幅用トラン
ジスタとを少なくとも備えている基板上に形成された各
画素が、二次元マトリクス状に又は一次元ライン状に複
数配列された固体撮像装置において、電荷蓄積部は、基
板の所定領域にフォトダイオードからの電荷を一時的に
蓄積する蓄積用ゲートと、フォトダイオードと蓄積用ゲ
ートの間に設けられてフォトダイオードからの電荷を蓄
積用ゲートの直下の所定領域へ転送する第1のスイッチ
用ゲートと、蓄積用ゲートとフローティングディフュー
ジョンの間に設けられて蓄積用ゲートの直下の所定領域
に蓄積されている電荷をフローティングディフュージョ
ンへ転送する第2のスイッチ用ゲートとからなり、オン
状態の時にフローティングディフュージョンをリセット
電位とする第1のリセット用トランジスタと、信号出力
時にオンとされてフローティングディフュージョンをグ
ランド電位に固定する画素選択用トランジスタとを設
け、フローティングディフュージョンにゲートが接続さ
れ、ソースが信号出力ラインに接続されたソースフォロ
ワ型の増幅用トランジスタを含む基板(ウェル)を、電
荷蓄積部と第1のリセット用トランジスタと画素選択用
トランジスタを含む基板(ウェル)と分離すると共に、
増幅用トランジスタの基板と増幅用トランジスタのソー
スを接続した構成としたことを特徴とする。
で、同時刻に全画素のフォトダイオードで光電変換した
被写体からの入射光に応じた電荷を、全画素の電荷蓄積
部で同時に蓄積してから転送することができる。また、
この発明では、増幅用トランジスタの基板をソースと接
続しているため、増幅用トランジスタの基板電位がソー
ス電位と同電位となり、増幅用トランジスタの基板効果
を避けることができる。更に、この発明では、画素選択
用トランジスタを電荷蓄積部と増幅用トランジスタの間
に設けるようにしたため、増幅用トランジスタのソース
と信号出力ラインの間に直列抵抗となる画素選択用トラ
ンジスタを接続しないようにできる。
は増幅用トランジスタのしきい値電圧を、第1のリセッ
ト用トランジスタ及び画素選択用トランジスタのしきい
値電圧よりも低く設定したことを特徴とする。この発明
では、増幅用トランジスタのしきい値電圧を第1のリセ
ット用トランジスタ及び画素選択用トランジスタのしき
い値電圧よりも低く設定することができるため、出力画
素信号のダイナミックレンジを大きくすることができ
る。
はフォトダイオードのN型層と所定のリセット電圧入力
端子との間に、任意のタイミングでスイッチングされ、
オン時にフォトダイオードをリセットする第2のリセッ
ト用トランジスタを接続したことを特徴とする。本発明
は、フォトダイオードを任意のタイミングでリセットす
ることができる。
フィールド酸化膜下に、電荷が供給されない時の蓄積用
ゲートの直下の基板に形成される空乏層幅の最大値以上
の深さで、かつ、蓄積用ゲートの直下の基板と同じ導電
型の不純物領域を、イオン注入により形成したことを特
徴とする。
に形成される空乏層の広がりを上記の不純物領域により
阻止することができ、上記の不純物領域を設けない時に
生じることのある、隣接する素子への上記の空乏層の広
がりによる基板電位の瞬間的な不安定な状態に起因する
ラッチアップを防止できる。
て図面と共に説明する。図1(A)は本発明になる固体
撮像装置の一実施の形態の1画素回路の等価回路図を示
す。同図(A)に示す1画素回路10は、フォトダイオ
ードPDのN型層と、増幅用トランジスタMampのゲ
ートとの間に、蓄積用MOS型ゲートMccdと、蓄積
用MOS型ゲートMccdを中央にして隣接配置された
2つのスイッチ用MOS型ゲートMgx1及びMgx2
からなる電荷蓄積部が設けられている。一方のMOS型
ゲートMgx1がフォトダイオードPDに接続され、他
方のMOS型ゲートMgx2がFD(フローティングデ
ィフュージョン)に接している。
た、リセット用トランジスタMrstは、ドレインが所
定の電位の供給ライン(通常は電源電圧Vdd)に接続
され、ソースがFDに接して設けられて、FDをリセッ
ト電位にする。また、画素選択用トランジスタMsel
は、ドレインがFDに、ソースがグランドに接続され、
ゲートに画素選択用制御信号が印加されてスイッチング
動作する。
ートがFDに接続され、ドレインが所定の電位の供給ラ
イン(通常は電源電圧Vdd)に接続され、ソースが信
号出力ライン11に接続されており、そのソースとフロ
ーティング状態の基板とが接続され、基板効果が起こら
ないようにした構成とされており、また、ソースフォロ
ワ回路を構成している。この増幅用トランジスタMam
pのしきい値電圧は、他のゲート又はトランジスタMc
cd、Mgx1、Mgx2、Mrst及びMselのし
きい値電圧よりも低く設定されており、フローティング
ドレインの電位変化をより小さなロスで、信号出力ライ
ン11に伝送する。
て、図1(B)〜(F)の電荷とポテンシャルの移動の
様子を示すタイミングチャート、及び図2のタイミング
チャートと共に説明する。まず、MOS型ゲートMcc
d、Mgx1及びMgx2がそれぞれオフである状態に
おいて、フォトダイオードPDに被写体からの入射光を
光電変換して得られた電荷が発生し、図1(B)に模式
的に示すようにフォトダイオードPDに入射光量に応じ
た量の電荷(電子)が蓄積される。
号により全画素のMOS型ゲートMgx1及びMccd
に図2(A)、(B)に示すように時刻t1でそれぞれ
ハイレベルの制御信号が供給されて、全画素のMOS型
ゲートMgx1及びMccdがそれぞれ一斉にオンとさ
れ、全画素のフォトダイオードPDに蓄積されていた電
荷が全画素で対応するMOS型ゲートMgx1を通し
て、図1(C)に示すようにMOS型ゲートMccd直
下に転送されて蓄積、保持される。これにより、フォト
ダイオードPDの蓄積電荷が一旦無くなる。
OS型ゲートMccdの直下の基板領域に転送終了後、
図1(D)に示すように、MOS型ゲートMgx1がオ
フとされ、フォトダイオードPDは入射光を光電変換し
て再び電荷の蓄積を開始する。一方、MOS型ゲートM
ccdはオンのままとなっており、そのゲート直下の基
板領域に電荷を保持し続け、注目画素の処理が始まるま
でこの状態で待機する。
ゲートに図示しない制御回路から図2(E)に示すよう
に時刻t2でローレベルとなる制御信号が供給されて、
トランジスタMselがオフとされ、FDは電気的に浮
いた状態となる。そして、注目画素の処理が始まると、
図2(D)に示すようにトランジスタMrstが時刻t
3から所定時間だけオンとされ、FDはリセット電位V
rstになる。このFDのリセット電位Vrstはトラ
ンジスタMampで増幅されてから信号出力ライン11
へ出力される。このときの図2(F)に示す出力電位
は、(Vrst−Vthamp)である。ただし、Vt
hampは増幅用トランジスタMampのしきい値電圧
である。
ゲートMgx2へ、図2(C)に示すように時刻t4で
ハイレベルの制御信号が供給されてMOS型ゲートMg
x2がオンとされ、図1(E)に模式的に示すように、
MOS型ゲートMccdのゲート直下の基板領域に蓄積
されていた電荷がMOS型ゲートMgx2の直下の基板
領域へ転送開始され、次いでMOS型ゲートMccdへ
図2(B)に示すように時刻t5でローレベルの制御信
号が供給されてMOS型ゲートMccdがオフとされ、
最後にMOS型ゲートMgx2へ印加されている制御信
号が、図2(C)に示すように時刻t6でローレベルへ
変化することにより、MOS型ゲートMgx2もオフと
されて図1(F)に模式的に示すように電荷の転送が完
了する。
の変化がトランジスタMampによるソースフォロワ回
路により増幅されて信号出力ライン11に出力される。
このときの出力電位は(Vrst−Vthamp−Vs
ig)である。ただし、Vsigは、電荷量に応じたF
Dの電位である。
が図2(E)に示すようにそのゲート制御信号がハイレ
ベルとなりオンされることによりFDは0Vとなり、ト
ランジスタMampのゲート電位は0Vとなるから、ト
ランジスタMampはオフとなり、画素から信号出力ラ
イン11への出力は無くなる。以下、上記と同様の動作
が繰り返される。
ンジスタMampの構成について更に詳細に説明する。
増幅用トランジスタMampは、基板効果を避けるため
に、Pウェルが他の素子のPウェルと分離しており、ソ
ースと繋がっている。また、トランジスタMampのし
きい値電圧は、信号をよく伝送するように、他の素子よ
りも低くなるように調整してある。例えば、0.2V程
度にする。
構造断面図を図3に示す。同図において、このCMOS
イメージセンサの基板14は、N型ウェハで構成されて
おり、増幅用トランジスタMampの基板15はPウェ
ルで、他の素子の基板(Pウェル)16とは分離されて
いる。この基板15の濃度を他の基板16の濃度と異な
らせることにより、しきい値電圧を変更できる。なお、
図3において、基板14上の絶縁膜は図示を省略してあ
る。
トダイオードPDを構成しており、N+拡散層18及び
19はトランジスタMrstのソース及びドレイン、N
+拡散層20及び21はトランジスタMselのドレイ
ン及びソースを構成している。また、基板15内のN+
拡散層22及び23は増幅用トランジスタMampのド
レイン及びソースを構成しており、基板15内のP+拡
散層24はバックゲートを構成している。すなわち、増
幅用トランジスタMampのソースであるN+拡散層2
3とフローティング状態の基板を構成しているP+拡散
層24とが電極31で接続され、基板効果が起こらない
ような構造とされている。
縁膜を介してMOS型ゲートMgx1、Mccd及びM
gx2、トランジスタMrst及びMselの各ゲート
電極25、26、27、28及び29が形成されてい
る。他方、P−拡散層15上には図示しない絶縁膜を介
してトランジスタMampのゲート電極30が形成され
ており、更にトランジスタMampのN+拡散層23と
P+拡散層24は電極31を介して信号出力ライン11
に接続されている。更に、増幅用トランジスタMamp
のゲート電極30は、トランジスタMrst及びMse
lの各N+拡散層18、20に共通接続されている。
板15の濃度を他の素子の基板16の濃度と異ならせる
ことにより、増幅用トランジスタMampのしきい値電
圧を、他のトランジスタMccd、Mgx1、Mgx
2、Mrst及びMselのしきい値電圧よりも低く、
例えば0.2V程度に設定されている。
を0.2V程度に低く設定すると、ゲート電圧を0Vの
オフ状態にしてもリーク電流が流れる。従って、このよ
うな低いしきい値電圧は問題となる可能性がある。とこ
ろが、本実施の形態の回路構成では、増幅用トランジス
タMampのソースが信号出力ライン11に接続されて
おり、この信号出力ライン11は他の画素の同様の増幅
用トランジスタのソースにも接続されている。
は、1.0V〜3.5V程度が動作範囲であるので、信号
出力ライン11に接続されている増幅用トランジスタM
ampのソースの電位は、上記の画素信号により少なく
とも1V程度はあり、よって、増幅用トランジスタMa
mpのしきい値電圧Vthampはこのソース電位の1
V程度は嵩上げされるので、上記の0.2Vという低い
しきい値は問題とはならない。
位−Vthamp)の電位が出力されるので、増幅用ト
ランジスタMampのしきい値電圧Vthampが低い
ほど伝送される信号の範囲が広がるので有利となる。
1、Mccd及びMgx2からなる電荷蓄積部を設けて
いるので、同時刻に全画素のフォトダイオードで光電変
換した被写体からの入射光に応じた電荷を、全画素の電
荷蓄積部で同時に蓄積してから転送することができるこ
とから、フレームシャッタによる時間的に揃った画像を
得ることができる。
ジスタMampの基板電位がソース電位と同電位となる
構成として、増幅用トランジスタMampの基板効果を
避けるようにしたため、基板効果による信号出力の低下
を防止でき、また、画素選択用トランジスタMselが
増幅用トランジスタMampの間に設けられて、増幅用
トランジスタMampのソースと信号出力ライン11の
間に直列抵抗となる画素選択用トランジスタを接続しな
いようにできるため、従来に比べて出力信号のロスを大
幅に低減することができる。
明する。図4は本発明になる固体撮像装置の他の実施の
形態の1画素回路の等価回路図を示す。同図中、図1と
同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略す
る。この実施の形態の1画素回路12は、フォトダイオ
ードPDのN型層とVdd接続端子との間にリセット用
トランジスタMpdrstのソース、ドレインを接続し
た点に特徴がある。
ダイオードPDのリセットは電荷(キャリア)を転送す
ることにより行われているので、1フィールドに1回で
あり、露光時間は固定になってしまう。これではシャッ
ター速度を自由にできない。これに対し、図4の実施の
形態では、トランジスタMpdrstのゲートに所定レ
ベルの制御信号を任意のタイミングで印加してトランジ
スタMpdrstをオンすることにより、電源電圧Vd
dがオン状態のトランジスタMpdrstのドレイン、
ソースを介してフォトダイオードPDのN型層に印加さ
れて、これをリセットする。
ダイオードPDの蓄積電荷が転送し終わらなくても、ト
ランジスタMpdrstをオンする任意のタイミングで
フォトダイオードPDをリセットできるため、シャッタ
ー時間を自由に設定することができる。すなわち、被写
体光量に応じてフォトダイオードPDの露光時間を調整
することができる。
て、MOSゲートMccdのゲート電位により、MOS
ゲートMccd直下の電荷が保持される部分の電位を自
由に動かすことができる。
1画素回路10、12の構成の場合、ラッチアップが起
る可能性がある。これについて、図3を図5に書き換え
て説明する。図5中、図3と同一構成部分には同一符号
を付し、その説明を省略する。図5において、N型ウェ
ハ基板14と増幅用トランジスタMampの基板(Pウ
ェル)15とはPNPトランジスタTr1を形成してい
る。一方、N型ウェハ基板14と、P−拡散層(Pウェ
ル)16と、トランジスタMselのソースを構成する
GNDに接続されたN+拡散層21とは、NPNトラン
ジスタTr2を形成している。従って、これらはPNP
N構造(寄生サイリスタ構造)となっている。
と、過剰電流(ラッチアップ電流)が流れ、大規模集積
回路(LSI)は全く動作しなくなるラッチアップと呼
ばれる状態になる。通常、PウェルにはGNDが、Nウ
ェル(N型基板)にはVddが接続されている。電位が
Pウェル15、16、Nウェル(N型基板14)の全面
にわたって固定されていればラッチアップは起り難い
が、上記の画素回路10、12の場合、電荷蓄積部Mc
cdがPウェル16上に設けられているため、部分的に
電位が不安定になり、このラッチアップが起り易い。
る。図6は図1の各素子、拡散層を画素内に配置した例
の平面図を示す。ここでは、各素子の領域のみを示して
おり、具体的な配線、電極等は示していない。図7はこ
の画素を横に2つ並べたもので、増幅用トランジスタM
ampと、GNDに接続されたN型拡散層の横に、隣り
の画素のMccdがくる。このとき、Mccdがオン状
態になると、その周辺に空乏層の広がり41、42が発
生し、その結果、Pウェルの電位が持ち上がり、前記サ
イリスタ構造がオン状態になり、ラッチアップ電流が図
7に43で示すように流れる。
面図を図8に示して詳細に説明する。通常、CMOSプ
ロセスの素子分離には、フィールド酸化膜と呼ばれる0.
1〜1.0μm程度の厚さの酸化膜が用いられる。その
酸化膜の下には、1E17〜5E18cm−3程度の濃
度のP型不純物領域を設け、フィールド酸化膜上を走る
ポリシリコン電極によって反転層が形成されるのを防い
でいる。最小分離幅は5V動作の素子の場合、0.3〜
1.0μmといったところである。
ス条件は主にソース、ドレインを備えたC−MOS F
ETを対象としている。このような素子では、ゲート電
極に電圧を加えると、ウェルに空乏層が広がるが、しき
い値電圧以上になるとソースから電荷が供給され、反転
層が形成される。その後、ゲート電圧をどんなに増やし
ても、反転層内の電荷量が増減するだけで、空乏層はそ
れ以上広がることはない。従って、C−MOS FET
プロセスはこのような、ある空乏層が一定以上に広がら
ないことを前提にプロセスが決定される。
0、12の場合、電荷蓄積用MOS型ゲートMccdに
供給する電荷は、フォトダイオードPDで光電変換によ
り発生した電荷であるが、その電荷量はPDに入射する
光量に比例し、光がPDに入射しない場合は、電荷は0
である。電荷が0で供給されない場合の時の空乏層幅
は、電荷が供給される場合の時の空乏層幅よりも広が
る。不純物濃度が一定であれば、空乏層幅はゲート電圧
の平方根に比例する。
スに5Vを印加すると、空乏層幅は最大約2.8倍に達
する。通常、MOS型FETの空乏層幅は5Vプロセス
で0.2〜0.4μm程度であるから、Mccdでは0.
56〜1.12μmと大きく広がることになる。その結
果、隣接素子のPウェルの電位に十分影響を与えること
になる。
ールド酸化膜51の下には通常反転を防止するために1
E17〜3E18cm−3程度の濃度、厚さ0.1〜0.
2μm程度のP型不純物領域52を設ける。この不純物
領域52の不純物は、通常フィールド酸化前に基板表面
に10〜50keV程度の低いエネルギーでイオン注入
し導入するもので、フィールド酸化に従って拡散する。
この不純物は、素子分離の役目も兼ねており、MOS型
FETの空乏層が隣りの素子に達するのを防ぐが、キャ
リアの供給がない特殊な場合には、空乏層は基板深くで
広がるため、隣りの素子付近まで空乏層が達する。な
お、図8中、空乏層53はMccdのゲート電極26の
下に電荷があるときの空乏層、空乏層54は電荷がない
ときの空乏層で、隣りの素子付近まで広がる。
cdがステップ的にオンすると、特にMccdのゲート
電極の下に電荷がない時のMccdの直下の空乏層が大
きく広がると共に、ステップ的な電圧変化に特有の交流
成分がPウェル16に発生し、空乏層近傍のPウェル電
位は瞬間的に不安定な状態になり、寄生サイリスタがオ
ンし、ラッチアップ状態になる。
を他の素子から離したり、寄生サイリスタが起き難い配
置に改めるということが考えられる。しかし、Mccd
は画素の中で比較的大きな面積を占めるので、他の素子
から離したり、配置を変えるのは困難である。そこで、
従来の工程に加えて、Mccdが隣接素子に与える影響
を軽減する工程が必要になる。
9の断面図に示すように、従来のような単なる拡散では
なく、イオン注入により積極的にN型ウェハ基板14の
深くに、かつ、Mccdのゲート電極26の周囲にP型
不純物のガード領域55を形成する。これにより、ゲー
ト電極26の下に電荷がない時の空乏層は図9に56で
示すように、ガード領域55により広がりを阻止され、
Mccdの影響を軽減することができる。
層の広がりを考慮し、少なくとも0.4μm以上になる
ようにする。これは、前述したように、MOS FET
の空乏層幅は、5Vプロセスで最大約0.4μmである
ので、空乏層の広がりを防ぐためには、少なくともこれ
よりも深くする必要があるためである。
造される。通常の工程を経て各素子をPウェル15及び
16上に形成した後、フォトマスクでMccdのゲート
電極26の周囲のフィールド酸化膜部分を選択し、この
選択部分に対してイオン注入法を適用して、P型不純物
として例えばホウ素(B)を加速エネルギー100ke
V、ドーズ量3E13cm−3の条件で1回目のイオン
注入をした後、続いて、同じくBを加速エネルギー20
0keV、ドーズ量2E13cm−3の条件で2回目の
イオン注入を行う。このような2回のイオン注入によ
り、約0.7μmの深さまで、1E17cm−3以上の
P型高不純物濃度のガード領域55をMccdのゲート
電極26の周囲に形成することができる。
ード領域55は、図7の平面図に示すように、Mccd
のゲート電極26の周囲のフィールド酸化膜上だけを選
択して形成し、他のゲート電極Mgx1及びMgx2の
電極25及び27、トランジスタMampのゲート電極
30などは、特性を変えないように選択しないようにす
る必要がある。
dに起因するラッチアップを防ぐことが可能となり、フ
レームシャッタ動作が可能な良質の画像を提供できる。
れるものではなく、例えば各トランジスタはNチャネル
のMOS型FETとして説明したが、電源電圧の方向を
逆にすることにより、PチャネルのMOS型FETで構
成することも可能であることは勿論である。なお、この
場合、増幅用トランジスタMampの基板と他の素子の
基板はいずれもNウェルとなる。
ランジスタMselを有して、画素選択時にオンとする
ようにしているが、画素選択用トランジスタMselを
設ける代わりにMOS型ゲートMgx2を画素選択時に
オンとするようにしてもよい。更に、図9及び図10に
示した他の実施の形態では、Pウェル16内にP型の高
不純物濃度のガード領域55を形成したが、Mccdに
よる蓄積部がN型基板上に形成されているときには、N
型の高不純物濃度のガード領域を形成すればよい。
電荷蓄積部を設けて同時刻に全画素のフォトダイオード
で光電変換した被写体からの入射光に応じた電荷を、全
画素の電荷蓄積部で同時に蓄積してから転送するように
しているため、CMOSイメージセンサでフレームシャ
ッタによる同時刻の被写体画像を得ることができる。
タの基板電位がソース電位と同電位となる構成として、
増幅用トランジスタの基板効果を避けるようにしたた
め、増幅用トランジスタの基板効果による信号出力の低
下を防止でき、また、増幅用トランジスタのソースと信
号出力ラインの間に直列抵抗となる画素選択用トランジ
スタを接続しないようにできるので、画素選択用トラン
ジスタによる信号出力の低下を防止することができる。
タのしきい値電圧を第1のリセット用トランジスタ及び
画素選択用トランジスタのしきい値電圧よりも低く設定
することにより、出力画素信号のダイナミックレンジを
大きくするようにしたため、従来に比べて出力画素信号
の信号低下を防止することができる。
イオードを任意のタイミングでリセットするリセット用
トランジスタを接続するようにしたため、入射光量に応
じてフォトダイオードの露光時間を調整することがで
き、自由なシャッター時間を得ることができる。
下の基板に形成される空乏層の広がりを、蓄積用ゲート
の周囲のフィールド酸化膜の下に形成した不純物領域に
より阻止するようにしたため、上記の空乏層が隣接する
素子にまで広がり、その結果、サイリスタ構造がオン状
態になってラッチアップ電流が流れる現象を防止するこ
とができる。
図とその説明用のポテンシャルと電荷の移動の様子を示
す図である。
用タイミングチャートである。
造断面図である。
路図である。
リスタ構造の説明図である。
る。
説明する図である。
る。
示す平面図である。
価回路とその動作説明用タイミングチャートである。
Claims (4)
- 【請求項1】 被写体からの入射光を光電変換するフォ
トダイオードと、前記フォトダイオードで光電変換して
得られる電荷を蓄積する電荷蓄積部と、前記電荷蓄積部
から転送される電荷を電位変化に変換するフローティン
グディフュージョンに接続されて前記電位変化を増幅す
る増幅用トランジスタとを少なくとも備えている基板上
に形成された各画素が、二次元マトリクス状に又は一次
元ライン状に複数配列された固体撮像装置において、 前記電荷蓄積部は、前記基板の所定領域に前記フォトダ
イオードからの電荷を一時的に蓄積する蓄積用ゲート
と、前記フォトダイオードと前記蓄積用ゲートの間に設
けられて前記フォトダイオードからの電荷を前記蓄積用
ゲートの直下の前記所定領域へ転送する第1のスイッチ
用ゲートと、前記蓄積用ゲートと前記フローティングデ
ィフュージョンの間に設けられて前記蓄積用ゲートの直
下の前記所定領域に蓄積されている電荷を前記フローテ
ィングディフュージョンへ転送する第2のスイッチ用ゲ
ートとからなり、 オン状態の時に前記フローティングディフュージョンを
リセット電位とする第1のリセット用トランジスタと、
信号出力時にオンとされて前記フローティングディフュ
ージョンをグランド電位に固定する画素選択用トランジ
スタとを設け、前記フローティングディフュージョンに
ゲートが接続され、ソースが信号出力ラインに接続され
たソースフォロワ型の前記増幅用トランジスタを含む基
板(ウェル)を、前記電荷蓄積部と前記第1のリセット
用トランジスタと前記画素選択用トランジスタを含む基
板(ウェル)と分離すると共に、前記増幅用トランジス
タの基板と前記増幅用トランジスタのソースを接続した
構成としたことを特徴とする固体撮像装置。 - 【請求項2】 前記増幅用トランジスタのしきい値電圧
を、前記第1のリセット用トランジスタ及び前記画素選
択用トランジスタのしきい値電圧よりも低く設定したこ
とを特徴とする請求項1記載の固体撮像装置。 - 【請求項3】 前記フォトダイオードのN型層と所定の
リセット電圧入力端子との間に、任意のタイミングでス
イッチングされ、オン時に前記フォトダイオードをリセ
ットする第2のリセット用トランジスタを接続したこと
を特徴とする請求項1又は2記載の固体撮像装置。 - 【請求項4】 前記蓄積用ゲート周囲のフィールド酸化
膜下に、電荷が供給されない時の前記蓄積用ゲートの直
下の基板に形成される空乏層幅の最大値以上の深さで、
かつ、前記蓄積用ゲートの直下の基板と同じ導電型の不
純物領域を、イオン注入により形成したことを特徴とす
る請求項1乃至3のうちいずれか一項記載の固体撮像装
置。
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