JP4779781B2 - 固体撮像装置とその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は固体撮像装置とその製造方法に係り、特に画素にリング状のゲート電極を持つ増幅素子を備えた固体撮像装置とその製造方法に関する。
固体撮像装置は、大別するとCCD(Charge Coupled Device:電荷転送素子)とCMOS(Complementary MOS)センサの2種類に分けられる。
CCDは、画素内のフォトダイオードで光電変換して得られた電荷を垂直電荷転送路、水平電荷転送路を通して読出し部に転送し、そこで電圧に変換して出力信号を得る構造である。全画素で光電変換された電荷を単一の読出し部で電圧に変換するため、CCDは画素間の信号ばらつきが少なく、低雑音であるという特長を有する。また、フォトダイオードで光電変換された電荷を、全画素で同時に垂直電荷転送路に移してから順次転送して信号読出しを行えるので、いわゆるグローバルシャッタ(一括シャッタ)動作が容易に実現できる。一方、CCDは、電荷の転送に数種類の高い電圧が必要で消費電力が大きくなり、また画素数が多くなると電荷の転送、特に水平電荷転送に時間がかかり高速で動作できないなどの不具合がある。
それに対して、CMOSセンサは、フォトダイオードで光電変換して得られた電荷を画素内で電圧または電流信号に変換し、その信号を画素内に設けた増幅用トランジスタで増幅してから画素外に出力する構造をとる。マトリクス状に並べた画素部をスイッチで切り替えて信号を読み出すので、CMOSセンサの動作速度は速く、また、画素部と周辺駆動回路をCMOSで構成するため、CMOSセンサは低電圧で駆動できて低消費電力となり、さらに、ADコンバータなどの信号処理回路も同一チップに搭載できる等々の特長を持っている。
一方で、CMOSセンサは、画素内に設けた個別の増幅トランジスタで信号を増幅するため画素間の信号ばらつきが大きく、CCDに比べて雑音特性が不利になる。また、CCDで容易に実現できるグローバルシャッタ動作を、CMOSセンサで雑音特性を悪化させずに実現しようとすると、1画素あたりのトランジスタ数を5個に増やして画素内に一括転送用信号蓄積領域を設ける必要があり、チップ面積が大きくなってコスト高となる。このため、一般的な1画素4トランジスタ方式のCMOSセンサでは、画面走査線の1ライン毎に信号の読み出しと光電変換領域のリセットを行う、いわゆるラインシャッタ(ローリングシャッタ、フォーカルプレーンシャッタ)動作が基本となっている。
ここで、固体撮像装置によって撮影した画像とシャッタ動作の関係について説明する。動きの速い被写体をラインシャッタ動作の撮像装置(CMOSセンサ)で撮ると画像が歪む。例えば、画面の上端から1ラインずつ読み出す方式のCMOSセンサで、図16(A)に示すような、上下に動く円形のボール100を撮ると、ボール100が上に動く場合は、同図(B)に示すようにボールの撮像画像は水平方向に扁平な画像になり、また、ボール100が下に動く場合は、同図(C)に示すようにボールの撮像画像は縦長の楕円状に伸びた画像になる。この現象は、撮影した画像を静止画として読み出す場合に特に目立つ不具合である。
そのため、ラインシャッタ動作のCMOSセンサを動画・静止画撮影カメラに応用するときは、メカニカルシャッタを併用してフォトダイオードの受光時間を全画素同一にすることにより、グローバルシャッタと同様の機能を実現しているが、メカニカルシャッタを入れることにより光学系が大きくなり、コストが上がるなどの問題がある。
そこで、CMOSセンサの1画素あたりのトランジスタを4個以下にして、なおかつ、グローバルシャッタ動作を可能にする試みがいくつか開示されている(例えば、特許文献1、2参照)。特許文献1記載の固体撮像装置(CMOSセンサ)では、単位画素をリング状ゲート読み出しトランジスタと、転送ゲートと、光電変換領域とで構成し、グローバルシャッタ動作を実現している。
また、特許文献2記載の固体撮像装置(CMOSセンサ)では、単位画素をリング状ゲート読み出しトランジスタと、転送ゲートと、光電変換領域と、光電変換領域に隣接する電荷排出ゲートとで構成しており、グローバルシャッタ動作が可能である。
特開平10−41493号公報 特開2002−134729号公報
しかしながら、特許文献1記載の従来の固体撮像装置では、光電変換された電荷を、リング状ゲート電極の下に全面的に設置されたpウェルに転送するので、電荷電圧変換効率が低く出力電圧が小さい不具合がある。
また、特許文献2に記載された別の従来の固体撮像装置では、光電変換された電荷を、リング状ゲート電極の下に全面的に設置されたpウェルの中に設けたp型微小領域に転送するので、電荷電圧変換効率は高いが、一方、p型微小領域の形状ばらつきや、p型微小領域とソース領域との距離のばらつきによりp型微小領域の容量が変動し、結果として出力信号電圧のばらつきが大きくなる。
その原因は、この固体撮像装置のp型微小領域は、幅の狭いリング状のフォトレジスト窓からボロンイオンを注入して作成したものであるが、この狭いリング状のフォトレジスト寸法がばらつき易く、p型微小領域の形状がばらつき、そのためp型微小領域とゲート電極間の容量が変動するためである。また、このリング状のフォトレジスト窓を作る際のマスク合わせ誤差により、p型微小領域とソース領域との相対位置がばらついて、p型微小領域とソース領域の間の容量が変動することも、出力信号電圧のばらつきを増加させる。
本発明は、以上の点に鑑みなされたもので、グローバルシャッタ動作が可能であり、かつ、電荷電圧変換効率が高くて大きい出力電圧が得られ、更に、電荷電圧変換領域の形状ばらつきやマスク合わせ誤差による出力電圧の変動を抑えた固体撮像装置とその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の固体撮像装置は、基板上の平面形状がリング状のリング状ゲート電極と、リング状ゲート電極の中央開口部に対応する基板の位置に設けられたソース領域と、ソース領域に隣接してソース領域を取り囲むように、かつ、リング状ゲート電極の外周に達しないように基板に設けられたソース近傍領域とからなり、入力された電荷の量をしきい値電圧の変化として出力する信号出力用トランジスタと、光を電荷に変換する光電変換領域と、光電変換領域に蓄積された電荷を信号出力用トランジスタのソース近傍領域へ転送する電荷転送手段とを含む単位画素が複数配列され、電荷転送手段は、基板上におけるリング状ゲート電極と光電変換領域との間に設けられた転送ゲート電極、及び基板に設けられた電荷転送チャンネル領域を含み、電荷転送チャンネル領域は信号出力用トランジスタのソース近傍領域に接して、かつ、ソース近傍領域を取り囲むように、転送ゲート電極の下の領域からリング状ゲート電極の外周の下の領域に亘って形成されていることを特徴とする。
この発明では、光電変換された電荷を信号出力用トランジスタの面積の小さなソース近傍領域に転送するので、電荷電圧変換効率を高くとることができる。また、この発明では、ソース近傍領域の寸法は、リング状ゲート電極の幅から電荷転送チャンネル領域の張り出し寸法を引いた値にできるので、幅の広いリング状ゲート電極のパターンを作り、電荷転送チャンネル領域の張り出し量を調整してソース近傍領域の寸法を狭めることができる。
ここで、上記の電荷転送手段の電荷転送チャンネル領域は、信号出力用トランジスタのソース近傍領域の不純物濃度よりも高い不純物濃度をもつようにしてもよい。
また、上記の目的を達成するため、上記の発明の固体撮像素子を製造する本発明の製造方法は、第1の導電型の基板内に第2の導電型のウェルを形成する第1の工程と、第2の導電型のウェル内に第1の導電型の拡大ソース近傍領域と、第1の導電型の光電変換領域とを離間して形成する第2の工程と、拡大ソース近傍領域の上にゲート絶縁膜を介して平面形状がリング状で、かつ、その外周端が拡大ソース近傍領域の外周端よりも内側に位置するリング状ゲート電極を形成する第3の工程と、リング状ゲート電極の外周部をマスクとして斜め方向から第2の導電型の不純物のイオン注入を行い、拡大ソース近傍領域の外周端からリング状ゲート電極の下の一部までに達する領域に第2の導電型の電荷転送チャンネル領域を形成すると共に、電荷転送チャンネル領域として形成されないリング状ゲート電極の中央開口部に対応する位置を含む拡大ソース近傍領域をソース近傍領域として残す第4の工程とを含むことを特徴とする。
この発明では、リング状ゲート電極の外周部をマスクとして斜め方向からイオン注入を行い、拡大ソース近傍領域の外周端からリング状ゲート電極の下の一部までに達する領域に電荷転送チャンネル領域を形成すると共に、電荷転送チャンネル領域として形成されないリング状ゲート電極の中央開口部に対応する位置を含む拡大ソース近傍領域をソース近傍領域として残すようにしたため、ソース近傍領域の寸法を自己整合的に決めることができ、フォトプロセスのパターン合わせ誤差に影響されないようにできる。
また、上記の目的を達成するため、上記の発明の固体撮像素子を製造する本発明の製造方法は、第1の導電型の基板内に第2の導電型のウェルを形成する第1の工程と、第2の導電型のウェル内に第1の導電型の拡大ソース近傍領域と、第1の導電型の光電変換領域とを離間して形成する第2の工程と、拡大ソース近傍領域の上にゲート絶縁膜を介して平面形状がリング状で、かつ、その外周端が拡大ソース近傍領域の外周端よりも内側に位置するリング状ゲート電極を形成する第3の工程と、リング状ゲート電極の外周部をマスクとして第2の導電型の不純物のイオン注入を行い、リング状ゲート電極の外周部の外側のウェルの表面に、第2の導電型の電荷転送チャンネル領域を形成する第4の工程と、イオン注入後に熱処理をしてリング状ゲート電極の下の一部までに達するように、電荷転送チャンネル領域を拡散させると共に、電荷転送チャンネル領域として拡散されないリング状ゲート電極の中央開口部に対応する位置を含む拡大ソース近傍領域をソース近傍領域として残す第5の工程とを含むことを特徴とする。
この発明では、リング状ゲート電極の外周部をマスクとしてイオン注入を行い、リング状ゲート電極の外周部の外側のウェルの表面に電荷転送チャンネル領域を形成した後、熱処理をしてリング状ゲート電極の下の一部までに達するように、電荷転送チャンネル領域を拡散させると共に、電荷転送チャンネル領域として拡散されないリング状ゲート電極の中央開口部に対応する位置を含む拡散後の拡大ソース近傍領域をソース近傍領域として残すようにしたため、ソース近傍領域の寸法を自己整合的に決めることができ、フォトプロセスのパターン合わせ誤差に影響されないようにできる。
本発明によれば、ソース近傍領域の寸法を、リング状ゲート電極の幅から電荷転送チャンネル領域の張り出し寸法を引いた値にできることから、幅の広いリング状ゲート電極のパターンを作り、電荷転送チャンネル領域の張り出し量を調整してソース近傍領域の寸法を狭めることができ、そのため、従来のように幅の狭いリング状のフォトレジストのパターンを作成する必要がなく、ソース近傍領域の寸法ばらつきを低減することができ、また、光電変換された電荷を信号出力用トランジスタの面積の小さなソース近傍領域に転送するようにしているため、電荷電圧変換効率を高くとることができる。
また、本発明によれば、ソース近傍領域の寸法を自己整合的に決めることができ、フォトプロセスのパターン合わせ誤差に影響されないようにできるため、この点からもソース近傍領域のばらつきを低減することができ、その結果、ソース近傍領域のポテンシャルのばらつきや、ソース近傍領域とリング状ゲート電極との容量のばらつきが少なくできる。また、本発明によれば、ソース近傍領域はソース領域に接してそれを取り囲むように構成とされるので、ソース近傍領域とソース領域の間の容量は、フォトプロセスのパターン合わせ誤差に影響されずに、ほぼ一定の値となる。以上のことから、本発明によれば、光電変換電荷を転送するソース近傍領域のポテンシャルや容量のばらつきを抑えられるので、信号出力電圧の変動を改善できる。
また、本発明によれば、1画素あたりのトランジスタ数が少ないので、単位画素内におけるフォトダイオードの面積比率を上げられることも信号出力が大きくなることに寄与し、さらに、信号読出しトランジスタをリセットするとき、ソース近傍領域は完全に空乏化するので、リセット時の残留電荷量のばらつきによるリセット雑音が発生しない、などの効果も有する。
次に、本発明の一実施の形態について図面と共に説明する。図1は本発明になる固体撮像装置の一実施の形態の単位画素の平面図、図2は本発明になる固体撮像装置の一実施の形態の単位画素の断面図を示す。図2は図1のX−X’線に沿う断面図で、両図中、同一構成部分には同一符号を付してある。本実施の形態の単位画素は、信号読み出し手段と光電変換手段と電荷転送手段の3要素で構成される。
図1において、信号読出し手段は、平面形状がリング状のリング状ゲート電極1と、リング状ゲート電極1の中央開口部にあるソース領域2と、リング状ゲート電極1を取り囲むドレイン領域3からなるMOSトランジスタである。n型のソース領域2の周りにはp型のソース近傍領域4が作られる。光電変換手段は、p-型埋め込み領域6と、その表面にあるn+型表面領域7とを有するフォトダイオードである。そのp-型埋め込み領域6とリング状ゲート電極1との間には、電荷転送手段として転送ゲート電極5が配置される。
また、図2の断面図に示すように、本実施の形態では、基板として、p+シリコン基板9上にp-型エピタキシャル層10を成長させたものを使う。p-型エピタキシャル層10内には、深いn型ウェル11と浅いn型ウェル12とを隣接して作る。n型ウェル12の上には、ゲート酸化膜13を挟んでリング状ゲート電極1が形成されている。リング状ゲート電極1の中央開口部に位置するn型ウェル12の表面にはn+型のソース領域2があり、そのソース領域2に隣接して、ソース領域2を取り囲むようにp型のソース近傍領域4がある。
ソース近傍領域4により、ソース領域2とn型ウェル12が分離される。ソース近傍領域4の周囲はn型の転送チャンネル領域8で取り囲まれる。この転送チャンネル領域8は、転送ゲート電極5の下だけでなく、ソース近傍領域4の周囲すべてに作られる。また、ソース近傍領域4の下のp-型エピタキシャル層10には、p+型のリセット埋め込み領域14が設けられる。ソース領域2やソース近傍領域4と離れたn型ウェル12の表面にはn+型のドレイン領域3がある。
また、リング状ゲート電極1の外側のn型ウェル11中には、p-型の埋め込み領域6が形成され、そのp-型埋め込み領域6と表面のn+型表面領域7とn型ウェル11とにより、光電変換領域である埋め込みフォトダイオードを構成する。このn+型表面領域7は、単位画素エリアの外周部分でn+型ドレイン領域3とつながっている。p-型埋め込み領域6とリング状ゲート電極1との間に転送ゲート電極5を設けるが、この転送ゲート電極5は、リング状ゲート電極1を構成するポリシリコン層とは別の層のポリシリコンで形成する。
図2で説明した本実施の形態においては、フォトダイオードのp-型埋め込み領域6に蓄積された光電変換電荷は、転送チャンネル領域8を通してソース近傍領域4に転送され、リング状ゲート電極1を持つ信号読出しトランジスタの閾値電圧の変化として信号が出力される。従って、ソース近傍領域4とリング状ゲート電極1の重なり寸法d1、d2がばらつくと、ソース近傍領域4とリング状ゲート電極1との容量がばらつき、また、ソース近傍領域4のポテンシャルもばらつくので、出力電圧が変動する。
そこで、本実施の形態では、ソース近傍領域4の不純物濃度よりも転送チャンネル領域8の不純物濃度を高くするか、または同程度とし、かつ、リング状ゲート電極1の外周部分をマスクとして斜めイオン注入や拡散により転送チャンネル領域8を形成することにより、リング状ゲート電極1と転送チャンネル領域8の重なり寸法d3、d4を一定としている。また、リング状ゲート電極1の幅W1とW2は、同一寸法のフォトマスクを使って同一工程のフォトプロセスとエッチングで作るので、ほぼ同じとみなせる。
ここで、ソース近傍領域4における不純物とは、このソース近傍領域4をp型にするためのドーパントをいう。また、転送チャンネル領域8における不純物とは、この転送チャンネル領域8をn型にするためのドーパントをいう。
その結果、ソース近傍領域4とリング状ゲート電極1の重なり寸法d1、d2はほぼ同じとなり、ソース近傍領域4のポテンシャルのばらつきや、ソース近傍領域4とリング状ゲート電極1の容量のばらつきを低減している。この点については、製造工程を示す図8から図13の説明と共に後で詳しく述べる。
図3は本発明になる固体撮像装置の一実施の形態における等価回路図を示す。単位画素は画素敷き詰め領域にm行n列で配置されているが、そのうちの1画素だけを代表として図3の等価回路で表現している。図3に示す画素等価回路はリング状ゲート電極1を持つ信号読み出しトランジスタ18、埋め込み領域6を有するフォトダイオード19、転送ゲート電極5を持つ画素転送トランジスタ20からなっており、信号読み出しトランジスタ18のドレインがフォトダイオード19のn型に接続され、電荷転送トランジスタ20のソースがフォトダイオード19のp型に接続され、電荷転送トランジスタ20のドレインが信号読み出しトランジスタ18のバックゲート(図2のソース近傍領域4)と接続されている。
画素内の信号読み出しトランジスタ18のリング状ゲート電極は、リングゲートバス配線21を介して垂直走査回路25に接続され、電荷転送トランジスタ20のゲート電極(図1、図2の転送ゲート電極5)は転送用バス配線22を介して転送ゲート駆動回路26に接続され、信号読み出しトランジスタ18のドレイン電極はドレイン用バス配線23を介してドレイン電圧制御回路27に接続される。
リング状ゲート電極1は画素配列の行毎に制御するので、横方向に配線するが、転送ゲート電極5は全画素一斉に制御するので、縦方向の配線でもよいが、ここでは横方向で表現している。ドレイン電圧制御回路27は、全画素のドレインを一斉に制御する場合と、行毎にドレインを制御する場合とがあり、ここでは構方向で表現する。信号読み出しトランジスタ18のソース電極につながる配線24は縦方向に配線され、配線24の一方はソース電位制御回路28に接続され、もう一方は信号出力回路29に接続されている。信号出力回路29は、図示していないクランプ回路やサンプルホールド回路、差動増幅器によって信号電圧とリセット電圧の差を読み出す、いわゆるCDS(相関二重サンプリング)の機能を備えている。信号出力回路29から出力された信号は、水平走査回路30により制御されるスイッチを介して出力される。
次に、図3の等価回路の動作について、図4のタイミングチャートを参照しながら説明する。図4のタイミングチャートは、画素領域内の任意の1ラインについて示したものである。図4の時刻t1までの期間で、埋め込みフォトダイオード19に光が入射し、光電効果により電子ホール対が発生し、フォトダイオード19のp-型埋め込み領域(図1、図2の6)にホールが蓄積される。時刻t1で図4(B)に示すように転送ゲート電極5の電位VTGがローレベル(Low)となり、全画素で一斉にフォトダイオード19から信号読み出しトランジスタ18のバックゲートへ、ホール電荷が転送される。信号読み出しトランジスタ18のソース電位VSは、ソース電位制御回路28により図4(D)に示すようにS1に設定されている。S1>Lowであり、これにより信号読み出しトランジスタ18がオフのままであり、電流が流れないようにする。
時刻t2では、転送ゲート電極電位VTGが図4(B)に示すように再びハイレベル(Vdd)となり、電荷転送トランジスタ20がオフとなる。フォトダイオード19では再びホール電荷の蓄積が始まり、これは次のフレーム(フィールド)での電荷転送まで続く。各画素の信号読み出しは各行毎に順番に行われるので、時刻t2から時刻t3の間は、図4で着目した1ラインの画素の信号が読み出されるまでの待機時間である。待機状態での信号読み出しトランジスタ18は、リング状ゲート電極1のゲート電位VRが図4(C)に示すようにローレベル(Low)であり、オフ状態となっている。待機状態での信号読み出しトランジスタ18のソース電位VSは、図4(D)ではS1で示しているが、他の行からの信号読み出しが行われている間、その画素からの信号の値により、S1以外の様々な値を取り得る。
時刻t3で、図4で着目した1ラインの画素の読み出しが始まる。まず、時刻t3でリング状ゲート電極電位VRが図4(C)に示すようにVg1になる。このVg1はLowとVddとの間の電位である。一方、信号出力回路29内のスイッチにより出力線24にソースフォロア回路が繋がり、信号読み出しトランジスタ18のソース電位VSは図4(D)に示すようにS2(=Vg1−Vth1)となる。ここで、Vth1は信号読み出しトランジスタ18のバックゲート(ソース近傍領域4)にホールがある状態での信号読み出しトランジスタ18のしきい値電圧である。このソース電位S2が信号出力回路29内の第1のキャパシタC1に記憶される。
次に、時刻t4では、リング状ゲート電極電位VRが図4(C)に示すようにVg2になり、信号読み出しトランジスタ18のソース電極電位VSは同図(D)に示すようにS3になる。ここでVg2、S3>Lowであり、信号読み出しトランジスタ18がオンして電流が流れないような電位設定にするのが望ましい。また、Vg2、S3≦Vddが望ましい。簡便な設定では、Vg2=S3=Vddとする。このとき、図2に示したソース近傍領域4のポテンシャルが持ち上げられ、n型ウェル12のバリアを越えて、ソース近傍領域4に溜まったホールがp-型エピタキシャル層2に排出される(リセット動作)。
このリセット動作の終了時点では、ソース近傍領域4にあったホールが全て排出され、ソース近傍領域4が完全に空乏化するように、ソース近傍領域4の不純物濃度が選定される。なお、図2の断面図において、ソース近傍領域4の下のp-型エピタキシャル層10内にあるp+型リセット埋め込み領域14は、このリセット動作の電圧を下げるために設けている。
次に、時刻t5では、図4(C)に示すように再びリング状ゲート電極電位VRがVg1になる。一方、信号出力回路29で出力線24にソースフォロア回路が繋がり、信号読み出しトランジスタ18のソース電位VSは、図4(D)に示すようにS0(=Vg1−Vth0)となる。ここで、Vth0は信号読み出しトランジスタ18のバックゲート(ソース近傍領域4)にホールがない状態での、信号読み出しトランジスタ18のしきい値電圧であり、信号読み出しトランジスタ18の形状や不純物濃度のばらつきにより、画素毎に少しずつ異なる値をとる。
このソース電位S0が、信号出力回路29内の第2のキャパシタC2に記憶され、差動アンプによってキャパシタC1とキャパシタC2との電位差、すなわち(Vth0−Vth1)を出力する。この出力値は光電変換によって蓄積されたホール電荷の量に対応するしきい値電圧の変化分であり、画素毎のしきい値電圧特性のばらつきを補正した値である。この電位差信号は、水平走査回路30内のスイッチを通してセンサ外へ出力される。なお、時刻t1以降、ドレイン電圧制御回路27から出力されるドレイン電圧VDは、図4(A)に示すように、Vddとされている。
なお、上記の説明では時刻t4〜t5のリセット時のソース電位S3をソース電位制御回路28から供給したが、その電位をフローティングにする方法もある。その場合は、リング状ゲート電極電位をVg2とすると信号読み出しトランジスタ18がオン状態となり、ソースにドレインから電流が供給されソース電極電位が上昇する。従って、図1のソース近傍領域4のポテンシャルが持ち上げられ、n型ウェル12のバリアを越えて、ホールがp型エピタキシャル層10に排出される(リセット動作)。ホールが完全に排出されたときのソース電極電位は、(Vg2−Vth0)になる。この方法では、ソース電位制御回路28のうち、S3を供給するトランジスタを削減することができ、チップ面積を減らすことができる。
以上述べてきた説明で明らかなように、この固体撮像装置では、1画素あたり2個のトランジスタでCMOSセンサを構成していながら、全画素一斉にフォトダイオード19から信号読出しトランジスタ18へ電荷を転送するので、グローバルシャッタ機能が実現できる。また、光電変換された電荷は、面積の小さいソース近傍領域4に転送されるので、電荷電圧変換効率が高く、出力を大きくとれる。
また、1画素あたりのトランジスタ数が少ないので、画素内のフォトダイオードの面積比率を上げられることも、信号出力が大きくなることに寄与する。更に、信号読み出しトランジスタ18をリセットするとき、ソース近傍領域4は完全に空乏化するので、リセット時の残留電荷量のばらつきによるリセット雑音が発生しない、などの優れた特長を有する。
なお、上記の画素等価回路と同じ等価回路で表され、上記と同様の動作を行う固体撮像装置を、本出願人は特願2004−21895号にて提案した。この提案になる固体撮像装置の断面図は図14に示すようになり、ソース近傍領域4の周りの構成が、本発明の実施の形態(図2)とは異なる。なお、図14においては、図2と同一構成部分は同一符号を付し、その説明を省略する。
再び図2に戻って、ソース近傍領域4とリング状ゲート電極1の重なり寸法d1、d2のばらつきと出力電圧の変動について説明する。この重なり寸法d1、d2がばらつくと、ソース近傍領域4とリング状ゲート電極1との間の容量がばらつき、また、ソース近傍領域4のポテンシャル自体もばらつく。例えば、画素毎に重なり寸法d1、d2の値が異なると、ソース近傍領域4とリング状ゲート電極1との間の容量が画素毎に異なる値をとる。その結果、フォトダイオードの埋め込み領域6に蓄積された同一量の電荷をソース近傍領域4に転送する場合も、画素毎に出力電圧が変動する。
また、同一画素内でこの重なり寸法がd2>d1の関係になると、重なり寸法d2側のソース近傍領域4のポテンシャルがd1側よりも深くなり、ソース近傍領域4に転送された信号電荷はd2側に偏って溜まる。特に転送された信号電荷が少ない場合は、d1=d2のときより深いポテンシャルのd2側にのみ電荷が溜まる結果、d2>d1のときの出力電圧はd1=d2よりも小さくなる。上記の出力電圧の変動はソース近傍領域4に光電変換電荷が転送された後の電荷分布の範囲や電荷分布の偏りに起因するので、図3と図4で説明した、ソース近傍領域4に電荷が無いときの出力を差し引く方法では充分に補正できない。
ここで、ソース近傍領域4とリング状ゲート電極1の重なり寸法がばらつく要因を、本出願人が特願2004−21895号で提案した固体撮像装置の断面図(図14)を例として説明する。図14のソース近傍領域4とリング状ゲート電極1はLSIプロセスで一般的なフォトプロセスとイオン注入とエッチングで作られる。この前記出願に係わる製造方法のうち、上記重なり寸法のばらつきに関連する部分の製造方法について、図15の製造工程と共に説明する。なお、図15(A)〜(E)中、図14と同一構成部分には同一符号を付してある。
まず、図15(A)において、フォトレジスト41をマスクとしてゲート酸化膜13を通してn型ウェル12の中にB(ボロン)イオンを注入し、ソース近傍領域4を作成する。フォトレジスト41のパターンを作るときは、例えばゲート酸化膜と分離酸化膜の段差を利用して作った位置合わせマークを基準としてパターン合わせを行うので、パターン合わせ誤差の分だけソース近傍領域4の位置がばらつく。
次に図15(B)において、図15(A)のフォトレジスト41を剥離した後、ゲート酸化膜13の表面にポリシリコン膜42を堆積し、さらに図15(C)で、リング状ゲート電極を作成するためのフォトレジスト43のパターンを作る。このフォトレジスト43のパターンを作るときも、ゲート酸化膜と分離酸化膜の段差を使った位置合わせマークを基準としてパターン合わせを行うので、パターン合わせ誤差の分だけリング状ゲート電極1の位置がばらつく。
次に図15(C)のフォトレジスト43をマスクとしてポリシリコン膜42をエッチングしてポリシリコン膜42によるリング状ゲート電極1を作成し、続いてフォトレジスト43を剥離した後、図15(D)に示すようにリング状ゲート電極1とは別のポリシリコン層で転送ゲート電極5を作成した後、これらリング状ゲート電極1と転送ゲート電極5をマスクとしてAs(砒素)イオンを注入してソース領域2とドレイン領域3を作成する。
以上の工程が終了した図15(E)において、ソース領域2はリング状ゲート電極1の中央開口部をマスクとしてイオン注入により作成しているので、ソース領域2とリング状ゲート電極1の相対位置はずれない。一方、ソース近傍領域4とリング状ゲート電極1は同一の位置合わせマークを基準として別個にパターン合わせを行うので、両者の相対位置の誤差は1回のパターン合わせ誤差の2倍にまで拡大する。通常のLSIプロセスでは1回のパターン合わせ誤差として±0.1μm位を見込むので、図15(E)では最大で±0.2μmのパターン合わせ誤差が発生する。もし、ソース近傍領域4とリング状ゲート電極1の重なり寸法を左右それぞれ0.6μmと設計しても、実際は上記のパターン合わせ誤差により、図15(E)のd5やd6で示すように0.4〜0.8μmの間で変動することになる。
次に、上記のソース近傍領域4とリング状ゲート電極1の重なり寸法のばらつきを抑え得る本発明の固体撮像装置の製造方法の第1の実施の形態について、図5から図10に従って説明する。図5から図10にはソース近傍領域4とリング状ゲート電極1との重なり寸法に関連する工程のみを示している。図5〜図10中、図1及び図2と同一構成部分には同一符号を付してある。
まず、図5に示すように、リング状ゲート電極1及びソース近傍領域4を形成する領域が開口部31aとされたフォトレジスト31をゲート酸化膜13上に被覆形成した後、このフォトレジスト31をマスクとしてゲート酸化膜13を通してn型ウェル12の中に、例えば加速エネルギー100keV、ドーズ量1.0E12cm-2の条件にてB(ボロン)をイオン注入し、p型の拡大ソース近傍領域32を作成する。この拡大ソース近傍領域32の一部が最終的にソース近傍領域4となる。フォトレジスト31のパターンを作るときは、例えばゲー卜酸化膜13と分離酸化膜の段差を利用して作った位置合わせマークを基準としてパターン合わせを行うので、パターン合わせ誤差の分だけ拡大ソース近傍領域32の位置がばらつく。
次に、図6において、図5のフォトレジスト31を剥離した後、ゲート酸化膜13の表面に堆積したポリシリコン膜をフォトプロセスとエッチングにより加工してリング状ゲート電極1を作成する。このリング状ゲート電極1のフォトレジストパターンを作るときも、ゲート酸化膜13と分離酸化膜の段差を使った位置合わせマークを基準としてパターン合わせを行うので、リング状ゲート電極1と拡大ソース近傍領域32の相対位置は2回のパターン合わせ誤差の分だけばらつく。その際も、リング状ゲート電極1の外側の端が拡大ソース近傍領域32の外周と同じ位置になるように、図6のr1は2回のパターン合わせ誤差程度の大きさとする。
次に、図7に示すように、フォトダイオードのp-型埋め込み領域6の上部と、リング状ゲート電極1の中央開口部を覆うようにフォトレジスト33を形成する。このときは、リング状ゲート電極1と同層のポリシリコン膜を使った位置合わせマークを基準としてパターン合わせを行うので、リング状ゲート電極1とその中心開口部のフォトレジスト33との相対位置は1回のパターン合わせ誤差の分だけばらつく。その際も、リング状ゲート電極1の外側の端よりもその中心開口部を覆うフォトレジスト33の外周が内側にくるように、図7にr2で示すリング状ゲート電極1の外側の端とその中心開口部を覆うフォトレジスト33の外周の端との距離を、1回のパターン合わせ誤差よりも大きくする。これは、後の工程でリング状ゲート電極1の外側の端をマスクとしてイオン注入するためである。
次に、図8に示すように、フォトレジスト33とリング状ゲート電極1をマスクとし、イオン注入法を適用して、例えば加速エネルギー350keV、ドーズ量2.0E12cm-2の条件にてP(リン)イオンを斜め方向から注入して、n型の転送チャンネル領域8を形成する。斜め方向からイオン注入をする際に基板を回転させるので、注入されたPイオンはリング状ゲート電極1の周囲からその下部に入り込む。転送チャンネル領域8の不純物濃度が図7の拡大ソース近傍領域32の不純物濃度よりも高くなるか、または同程度になるように斜めイオン注入すれば、リング状ゲート電極1の下部の周辺領域にも転送チャンネル領域8が形成される。
転送チャンネル領域8とリング状ゲート電極1の重なり合う部分の寸法は、斜めイオン注入の注入角度と、注入電圧と、注入量により決まるが、この重なり寸法はリング状ゲート電極1の外周部のどの場所でもほぼ同じ値となる。このように、転送チャンネル領域8がリング状ゲート電極1の下にも形成される結果、図7で示した拡大ソース近傍領域32のうち、転送チャンネル領域8が形成されない部分がソース近傍領域4となる。
次に、図8に示したフォトレジスト33を剥離した後、図9に示すように、リング状ゲート電極1とは別のポリシリコン層で転送ゲート電極5を作成し、続いて、図10に示すように、これらリング状ゲート電極1と転送ゲート電極5をマスクとしてイオン注入法を適用して、例えば加速エネルギー50keV、ドーズ量1.5E15cm-2の条件にて、As(砒素)イオンを注入して、n+型のソース領域2とn+型のドレイン領域3を作成する。
図10において、ソース近傍領域4とリング状ゲート電極1との重なり寸法d1、d2は、リング状ゲート幅W1、W2から、転送チャンネル領域8とリング状ゲート電極1との重なり寸法d3、d4を引いた値となる。転送チャンネル領域8とリング状ゲー卜電極1の重なり寸法d3、d4は、図8で説明したように、リング状ゲート電極1の外周からのイオン侵入深さで決まり、ほぼ同じ値となる。また、リング状ゲート電極1の幅W1、W2は、同一寸法のフォトマスクを使って同一工程のフォトプロセスとエッチングで作るので、ほぼ同じとみなせる。
その結果、ソース近傍領域4とリング状ゲート電極1の重なり寸法d1、d2は、ほぼ同じとなる。上記の説明で明らかなように、この重なり寸法d1、d2はフォトプロセスのパターン合わせ誤差には影響されず、安定してd1=d2を実現でき、ソース近傍領域4のポテンシャルや容量のばらつきを低減できる。
すなわち、本実施の形態によれば、ソース近傍領域4の寸法を自己整合的に決めることができ、フォトプロセスのパターン合わせ誤差に影響されないようにできるため、ソース近傍領域4のばらつきを低減することができ、その結果、ソース近傍領域4のポテンシャルのばらつきや、ソース近傍領域4とリング状ゲート電極1との間の容量のばらつきが少なくできる。
また、本実施の形態によれば、ソース近傍領域4はソース領域2に接してそれを取り囲むように構成とされるので、ソース近傍領域4とソース領域2の間の容量は、フォトプロセスのパターン合わせ誤差に影響されずに、ほぼ一定の値となる。以上のことから、本実施の形態によれば、光電変換電荷を転送するソース近傍領域4のポテンシャルや容量のばらつきを抑えられるので、信号出力電圧の変動を改善した固体撮像装置を製造できる。
次に、本発明になる固体撮像装置の製造方法の第2の実施の形態の要部の製造工程について、図11〜図13を参照して説明する。図11は上記の第1の実施の形態の図7に対応する製造工程での素子断面図であり、p型の拡大ソース近傍注入域34とリング状ゲート電極1が形成され、また、フォトダイオードのp-型埋め込み領域6の上部と、リング状ゲート電極1の中央開口部をそれぞれ覆うようにフォトレジストパターン33が形成される。この図11では、p型の拡大ソース近傍注入域34やリセット埋め込み注入域35が、図7においてそれぞれ対応する拡大ソース近傍領域32、p+型リセット埋め込み領域14に比べ、接合深さを浅く形成される。
次に、図12において、フォトレジスト33とリング状ゲート電極1をマスクとし、イオン注入法を適用して、例えば加速エネルギー200keV、ドーズ量2.0E12cm-2の条件にて、P(リン)イオンを注入してn型の転送チャンネル注入域36を形成する。このイオン注入は、第1の実施の形態の図8における斜めイオン注入とは異なり、0度から10度位の角度で打ち込む通常の方法で行う。イオン注入後にフォトレジスト33を剥離してから洗浄と熱処理を行い、図13に示すように各イオン注入層を拡散させると、図12の拡大ソース近傍注入域34、転送チャンネル注入域36、リセット埋め込み注入域35は、それぞれ図13のソース近傍領域4、転送チャンネル領域8、リセット埋め込み領域37となる。
図12に示す転送チャンネル注入域36は拡大ソース近傍注入域34よりも不純物濃度を高くするか、または同程度とするので、熱処理によって拡散された後の図13では、転送チャンネル領域8とソース近傍領域4の接合がリング状ゲート電極の下まで入り込む。この転送チャンネル領域8とリング状ゲート電極1との重なり寸法は熱処理の温度と時間で決まるが、リング状ゲート電極の外周全域でほぼ同じ値となる。
すなわち、第1の実施の形態における図8の斜めイオン注入工程を、本実施の形態の製造工程では通常のイオン注入と熱処理に置き換えている。以降の製造工程や、ソース近傍領域4とリング状ゲート電極1との重なり寸法の安定性については第1の実施の形態の製造工程と同じなので説明を省略する。
以上述べたように、本発明の実施の形態に係わる製造方法では、ソース近傍領域4の不純物濃度よりも転送チャンネル領域8の不純物濃度を高くするか、または同程度とし、かつ、リング状ゲート電極1の外周部分をマスクとして、斜めイオン注入や、または、通常イオン注入と拡散により転送チャンネル領域8を形成することにより、リング状ゲート電極1と転送チャンネル領域8の重なり寸法d3、d4を一定とし、結果としてソース近傍領域4とリング状ゲート電極1の重なり寸法d1、d2のばらつきを低減している。
なお、上記の製造工程を示す図8、図9、図10、図13では、転送チャンネル領域8の不純物濃度がソース近傍領域4の不純物濃度よりも高い場合の装置断面を示しているが、転送チャンネル領域8とソース近傍領域4の不純物濃度が同程度の場合は、転送チャンネル領域8とソース近傍領域4の境界付近が空乏化し、その空乏層がリング状ゲート電極1の下に入り込む。このときの上記空乏層の幅は、リング状ゲート電極1をマスクとする斜めイオン注入や拡散によって自己整合的に決まるので、上記の実施の形態で説明した効果と同様の効果が得られる。
本発明の固体撮像装置の一実施の形態の単位画素の平面図である。 本発明の固体撮像装置の一実施の形態の単位画素の断面図である。 本発明の固体撮像装置の一実施の形態の等価回路図である。 図4の等価回路の動作説明用タイミングチャートである。 本発明の固体撮像装置の製造方法の第1の実施の形態の製造工程説明用素子断面図(その1)である。 本発明の固体撮像装置の製造方法の第1の実施の形態の製造工程説明用素子断面図(その2)である。 本発明の固体撮像装置の製造方法の第1の実施の形態の製造工程説明用素子断面図(その3)である。 本発明の固体撮像装置の製造方法の第1の実施の形態の製造工程説明用素子断面図(その4)である。 本発明の固体撮像装置の製造方法の第1の実施の形態の製造工程説明用素子断面図(その5)である。 本発明の固体撮像装置の製造方法の第1の実施の形態の製造工程説明用素子断面図(その6)である。 本発明の固体撮像装置の製造方法の第2の実施の形態の製造工程説明用素子断面図(その1)である。 本発明の固体撮像装置の製造方法の第2の実施の形態の製造工程説明用素子断面図(その2)である。 本発明の固体撮像装置の製造方法の第2の実施の形態の製造工程説明用素子断面図(その3)である。 本出願人による先の出願に係わる固体撮像装置の一例の断面図である。 本出願人による先の出願に係わる固体撮像装置の製造方法の一例の製造工程図である。 ラインシャッタ動作の画像歪の説明図である。
符号の説明
1 リング状ゲート電極
2 ソース領域
3 ドレイン領域
4 ソース近傍領域
5 p-型転送ゲート電極
6 p-型埋め込み領域
7 n+型表面領域
8 転送チャンネル領域
9 p+基板
10 p-エピタキシャル層
11、12 n型ウェル
13 ゲート酸化膜
14 p+型リセット埋め込み領域
18 信号読み出しトランジスタ
19 フォトダイオード
20 画素転送トランジスタ
21 リングゲートバス配線
22 転送用バス配線
23 ドレイン用バス配線
24 出力線
25 垂直走査回路
26 転送ゲート駆動回路
27 ドレイン電圧制御回路
28 ソース電位制御回路
29 信号出力回路
30 水平走査回路
31、33 フォトレジスト
32 拡大ソース近傍領域
34 拡大ソース近傍注入域
35 リセット埋め込み注入域
36 転送チャンネル注入域
37 リセット埋め込み領域

Claims (4)

  1. 基板上の平面形状がリング状のリング状ゲート電極と、前記リング状ゲート電極の中央開口部に対応する前記基板の位置に設けられたソース領域と、前記ソース領域に隣接して前記ソース領域を取り囲むように、かつ、前記リング状ゲート電極の外周に達しないように前記基板に設けられたソース近傍領域とからなり、入力された電荷の量をしきい値電圧の変化として出力する信号出力用トランジスタと、
    光を電荷に変換する光電変換領域と、
    前記光電変換領域に蓄積された前記電荷を前記信号出力用トランジスタの前記ソース近傍領域へ転送する電荷転送手段とを含む単位画素が複数配列され、
    前記電荷転送手段は、前記基板上における前記リング状ゲート電極と前記光電変換領域との間に設けられた転送ゲート電極、及び前記基板に設けられた電荷転送チャンネル領域を含み、該電荷転送チャンネル領域は前記信号出力用トランジスタの前記ソース近傍領域に接して、かつ、前記ソース近傍領域を取り囲むように、前記転送ゲート電極の下の領域から前記リング状ゲート電極の外周の下の領域に亘って形成されていることを特徴とする固体撮像装置。
  2. 前記電荷転送手段の前記電荷転送チャンネル領域は、前記信号出力用トランジスタの前記ソース近傍領域の不純物濃度よりも高い不純物濃度をもつことを特徴とする請求頂1記載の固体撮像装置。
  3. 請求項1記載の固体撮像装置を製造する製造方法であって、
    第1の導電型の基板内に第2の導電型のウェルを形成する第1の工程と、
    第2の導電型の前記ウェル内に第1の導電型の拡大ソース近傍領域と、第1の導電型の光電変換領域とを離間して形成する第2の工程と、
    前記拡大ソース近傍領域の上にゲート絶縁膜を介して平面形状がリング状で、かつ、その外周端が前記拡大ソース近傍領域の外周端よりも内側に位置するリング状ゲート電極を形成する第3の工程と、
    前記リング状ゲート電極の外周部をマスクとして斜め方向から第2の導電型の不純物のイオン注入を行い、前記拡大ソース近傍領域の外周端から前記リング状ゲート電極の下の一部までに達する領域に第2の導電型の電荷転送チャンネル領域を形成すると共に、前記電荷転送チャンネル領域として形成されない前記リング状ゲート電極の中央開口部に対応する位置を含む前記拡大ソース近傍領域をソース近傍領域として残す第4の工程と
    を含むことを特徴とする固体撮像装置の製造方法。
  4. 請求項1記載の固体撮像装置を製造する製造方法であって、
    第1の導電型の基板内に第2の導電型のウェルを形成する第1の工程と、
    第2の導電型の前記ウェル内に第1の導電型の拡大ソース近傍領域と、第1の導電型の光電変換領域とを離間して形成する第2の工程と、
    前記拡大ソース近傍領域の上にゲート絶縁膜を介して平面形状がリング状で、かつ、その外周端が前記拡大ソース近傍領域の外周端よりも内側に位置するリング状ゲート電極を形成する第3の工程と、
    前記リング状ゲート電極の外周部をマスクとして第2の導電型の不純物のイオン注入を行い、前記リング状ゲート電極の外周部の外側の前記ウェルの表面に、第2の導電型の電荷転送チャンネル領域を形成する第4の工程と、
    前記イオン注入後に熱処理をして前記リング状ゲート電極の下の一部までに達するように、前記電荷転送チャンネル領域を拡散させると共に、前記電荷転送チャンネル領域として拡散されない前記リング状ゲート電極の中央開口部に対応する位置を含む拡散後の前記拡大ソース近傍領域をソース近傍領域として残す第5の工程と
    を含むことを特徴とする固体撮像装置の製造方法。
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