JP2003086533A - 窒化物半導体素子および半導体装置 - Google Patents

窒化物半導体素子および半導体装置

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JP2003086533A
JP2003086533A JP2001277369A JP2001277369A JP2003086533A JP 2003086533 A JP2003086533 A JP 2003086533A JP 2001277369 A JP2001277369 A JP 2001277369A JP 2001277369 A JP2001277369 A JP 2001277369A JP 2003086533 A JP2003086533 A JP 2003086533A
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nitride semiconductor
electrode
inganx
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JP2001277369A
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Yuzo Tsuda
有三 津田
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Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、窒化物半導体上に形成された誘電
体膜と電極の、密着性を改善し、これらの剥離を防止す
ることを目的とする。 【解決手段】 本発明は、窒化物半導体層、電極および
誘電体膜を含む窒化物半導体素子において、前記窒化物
半導体層と前記誘電体膜との間に接して、As、Pまた
はSbから選ばれる1種類以上の元素Xを含む、InG
aNXコンタクト層を具備することによって誘電体膜の
剥離を防止することが可能である。また、前記InGa
NXコンタクト層に接して電極を形成することによっ
て、電極剥離を防止することが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、窒化物半導体上に
形成された電極の剥離防止と、窒化物半導体上に形成さ
れた誘電体膜の剥離防止をした窒化物半導体素子および
半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、窒化物半導体と電極との間の密着
性は好ましくなく、電極剥がれによる素子の歩留まり率
低下が問題であった。また、例えば、図1のリッジスト
ライプ構造を有する窒化物半導体レーザ素子が作製され
る際、そのリッジストライプ幅は2μm以下で微細加工
する必要があるため、リッジストライプの側壁に蒸着し
た誘電体膜がしばしば剥離し、素子不良率が増大すると
いった問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、窒化物半導
体上に形成された電極の剥がれと、誘電体膜の剥離を改
善することを主目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、窒化物半導体
層、電極および誘電体膜を含む窒化物半導体素子におい
て、前記窒化物半導体層と前記誘電体膜との間に接し
て、As、PまたはSbから選ばれる1種類以上の元素
Xを含む、InGaNXコンタクト層を具備することを
特徴とする。このことによって、誘電体膜の剥がれが防
止され、素子の歩留まり率が向上し得る。
【0005】ここで、本明細書で説明される窒化物半導
体層とは、少なくともAlxGayInzN(0≦x≦
1、0≦y≦1、0≦z≦1、x+y+z=1)を含む
層である。また、窒化物半導体層は、n型もしくはp型
の極性を有する。
【0006】本発明は、InGaNXコンタクト層に接
して、電極が形成されることを特徴とする。このことに
よって、電極の剥がれが防止され、素子の歩留まり率が
向上し得る。
【0007】本発明は、InGaNXコンタクト層の、
元素X/(N+元素X)で見積もられる元素Xの原子分
率が0.01%以上100%以下であることが好適であ
る。
【0008】本発明は、InGaNXコンタクト層の、
In/(In+Ga)で見積もられるInの原子分率が
0.01%以上35%以下であることが好適である。
【0009】本発明は、InGaNXコンタクト層がS
i、C、Zn、CdまたはMgの不純物群のうち少なく
とも1種類以上の不純物を含み、かつ、前記不純物の総
添加量が1×1016以上1×1021/cm3以下である
ことが好適である。
【0010】本発明は、InGaNXコンタクト層の厚
みが1nm以上400nm以下であることが好ましい。
【0011】本発明は、前記電極がPdまたはPtのう
ち少なくとも何れかを含むことが好適である。本発明
は、前記電極の厚みが1nm以上600nm以下である
ことが好ましい。本発明は、前記誘電体膜の厚みが50
nm以上500nm以下であることが好ましい。本発明
は、前記誘電体膜が酸化珪素もしくは窒化珪素の何れか
を含むことが好ましい。本発明は、前記窒化物半導体素
子の基板が窒化物半導体基板であることが好ましい。前
記InGaNXコンタクト層は、半導体装置に好ましく
用いられる。
【0012】
【発明の実施の形態】<実施の形態1> (本発明のInGaNXコンタクト層について)本発明
は、窒化物半導体層と誘電体膜との間に接して、As、
PまたはSbから選ばれる1種類以上の元素Xを含む、
InGaNXコンタクト層を具備することによって、誘
電体膜との密着性が好ましく、誘電体膜の剥がれを防止
することが可能である。また、InGaNXコンタクト
層に接して電極が形成されることによって、電極剥がれ
も防止することができる。これらによって素子不良が低
減し、素子の歩留まり率が数%〜数十%程度向上する。
【0013】本発明に係わるInGaNXコンタクト層
は、具体的には、InGaNAs、InGaNP、In
GaNSb、InGaNAsPなどである。
【0014】また、前記誘電体膜とは、具体的には、酸
化珪素(SiO2など)、窒化珪素(SiNx)、Al2
3などである。
【0015】InGaNXコンタクト層に電極を形成す
る際、予めウエットエッチングもしくはドライエッチン
グで該コンタクト層の表面を処理してから電極を蒸着し
ても構わない。このことにより、密着性がより向上され
る。また、InGaNXコンタクト層はこれらのエッチ
ング処理を行っても表面損傷が少ないために好ましい。
【0016】本発明に係るInGaNXコンタクト層に
添加される不純物は、Si、C、Zn、CdまたはMg
の不純物群のうち少なくとも1種類以上が好ましく用い
られる。前記不純物の総添加量は1×1016以上1×1
21/cm3以下の範囲が好ましい。この範囲外で前記
不純物が添加されると密着性が好ましくなく、コンタク
ト抵抗も増大し、InGaNXコンタクト層の結晶性が
低下する恐れがある。InGaNXコンタクト層に添加
される前記不純物は、その上に形成される電極側に向か
って、不純物の添加量を多くした方が好ましい。このこ
とにより、電極形成によるコンタクト抵抗が低減し、尚
且つ密着性も向上し得る。Mgを不純物としてInGa
NXコンタクト層に添加する場合は、Mgの活性化を向
上させるために、その製法において前記InGaNXコ
ンタクト層の成長中に微量の酸素が混入されても構わな
い。本発明に係わるInGaNXコンタクト層の厚みは
1nm以上400nm以下が好ましく、さらに好ましく
は5nm以上200nm以下である。InGaNXコン
タクト層の厚みが1nm未満では、十分な密着性を得る
ことが困難になる。他方、InGaNXコンタクト層の
厚みが400nmを超えると剥離しやすい。さらにIn
GaNXコンタクト層は、元素Xの原子分率によって以
下の好ましい厚みを選択することが可能である。
【0017】元素Xの原子分率が0.01%以上18%
以下であれば、InGaNXコンタクト層の厚みは50
nm以上400nm以下が好ましく、さらに好ましくは
50nm以上200nm以下である。他方、元素Xの原
子分率が18%よりも大きく100%以下であれば、I
nGaNXコンタクト層の厚みは5nm以上200nm
以下が好ましく、さらに好ましくは5nm以上100n
m以下である。これらの厚みの範囲を選択することによ
って、表面モフォロジーの悪化を抑え、且つ誘電体膜の
剥離と電極剥離を防止することが可能である。
【0018】本発明に係わるInGaNXコンタクト層
の、元素X/(N+元素X)で見積もられる元素Xの原
子分率は0.01%以上100%以下が好ましい。元素
Xの原子分率が大きくなるにつれて誘電体膜剥離や電極
剥離を防止する効果が強くなる傾向にある。しかしなが
ら原子分率が0.01%よりも小さいと前記効果が得ら
れにくくなる。
【0019】元素Xの原子分率が0.01%以上18%
以下では電極剥離防止効果に加えて、コンタクト抵抗が
小さくなるために好適である。
【0020】InGaNXコンタクト層の元素Xの原子
分率は、その上に形成される誘電体膜側もしくは電極側
に向かって、大きくした方が好ましい。このことによ
り、誘電体膜剥離防止効果と電極剥離防止効果を得るこ
とが可能である。
【0021】本発明に係わるInGaNXコンタクト層
の、In/(In+Ga)で見積もられるInの原子分
率は0.01%以上35%以下が好ましい。さらに好ま
しくは0.5%以上25%以下である。Inが大きくな
るにつれてコンタクト抵抗が低減し、誘電体膜剥離や電
極剥離を防止する効果が強くなる傾向にある。しかしな
がらInの原子分率が0.01%よりも小さいと前記効
果が得られにくくなる。またInの原子分率が35%を
超えると結晶性が低下し始める。0.5%以上25%以
下ではより歩留まり率を向上し得る。
【0022】また、コンタクト層に上記範囲内でInが
含まれると、ドライエッチングやウエットエッチングを
施してもその表面が荒れにくく、表面モフォロジーが好
ましい。
【0023】InGaNXコンタクト層のInの原子分
率は、その上に形成される誘電体膜側もしくは電極側に
向かって、大きくした方が好ましい。このことにより、
より一層の誘電体膜剥離防止効果と電極剥離防止効果を
得ることが可能である。 (窒化物半導体層について)本発明に係わるInGaN
Xコンタクト層と接する窒化物半導体層は、少なくとも
AlxGayInzN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z
≦1、x+y+z=1)含む層である。前記窒化物半導
体層は、Si、O、Cl、S、C、Ge、Zn、Cd、
MgおよびBeの不純物群のうち、何れかの不純物が1
種類以上添加されても構わない。
【0024】また、窒化物半導体層に添加される不純物
は、その上に形成される本発明のInGaNXコンタク
ト層側に向かって、不純物の添加量を多くした方が好ま
しい。このことにより、コンタクト抵抗の低減に寄与す
ることができる。Mgを不純物として窒化物半導体層に
添加する場合は、Mgの活性化を向上させるために、そ
の製造方法において前記窒化物半導体層の成長中に微量
の酸素が混入されても構わない。
【0025】本発明に係わるInGaNXコンタクト層
と接する窒化物半導体層は、具体的には、InGaN、
GaN、AlGaN、InAlGaNなどが好ましく用
いられる。
【0026】InGaN層上にInGaNXコンタクト
層が形成されると、これらの層との間の接触比抵抗が低
いために好ましい。また、元素Xが前記InGaN層中
に拡散したとしても、その結晶中の構成要素はInGa
NXコンタクト層と同じであり、素子に与える劣化は小
さい。また、InGaN層上のInGaNXコンタクト
層は結晶性が良好であるため好ましい。
【0027】GaN層上にInGaNXコンタクト層が
形成されると、これらの層との間の接触比抵抗が小さく
なるために好ましい。
【0028】AlGaN層上にInGaNXコンタクト
層が形成されると、元素XがAlGaN層を伝播してさ
らにその下の層へと拡散するのを防止し、素子特性が悪
化するのを抑制し得るために好ましい。
【0029】InAlGaN層上にInGaNXコンタ
クト層が形成されると、元素XがInAlGaN層を伝
播してさらにその下の層へと拡散するのを防止し、素子
特性が悪化するのを抑制し得るために好ましい。また、
InAlGaN層上のInGaNXコンタクト層は結晶
性が良好であるため好ましい。 (電極について)本発明に係わるInGaNXコンタク
ト層と接する電極は、具体的には、Pd、Pt、PdS
i(Siの割合は約5〜20%)、Ti、Al、Hfま
たはMoによる電極、あるいは、Pd/Au、Pd/P
t/Au、Pd/Mo/Au、Ti/Al、Al/Hf
/Alなどの金属多層電極である(InGaNXコンタ
クト層側から積層された順に記載)。特に、Pdまたは
Ptを含む電極とInGaNXコンタクト層との密着性
は、従来の前記電極と窒化物半導体層との密着性に比べ
て好ましく、その電極剥離を改善することが可能であ
る。
【0030】本発明に係わる電極の厚みは1nm以上6
00nm以下の範囲が好ましい。さらに好ましくは、5
nm以上300nm以下である。電極の厚みが1nm未
満では通電したときに短絡が生じやすい。他方、電極の
厚みが600nmよりも厚くなると電極剥離が生じやす
くなる。5nm以上300nm以下ではより歩留まり率
を向上し得る。 (誘電体膜の厚みについて)本発明に係わるInGaN
Xコンタクト層と接する誘電体膜の厚みは、50nm以
上500nm以下の範囲が好ましい。さらに好ましくは
100nm以上300nm以下である。誘電体膜の厚み
がこれらの範囲外であると剥離が生じやすくなる。10
0nm以上300nm以下ではより歩留まり率を向上し
得る。 (基板について)本発明に係わるInGaNXコンタク
ト層を含む窒化物半導体素子の基板が、窒化物半導体で
あることが好ましい。基板が窒化物半導体基板であるこ
とによって、格子不整合による転位の発生が減少し、I
nGaNXコンタクト層の結晶性が向上し得る。また、
前記転位を介して元素XがInGaNXコンタクト層以
外の層中に伝播し、素子特性を劣化させることも防ぐこ
とができる。さらに、窒化物半導体基板はその上に形成
される窒化物半導体素子と近い熱膨張係数を有するた
め、基板の反りによる誘電体膜剥離や電極剥離を防止す
ることが可能である。
【0031】ここで、窒化物半導体基板とは、少なくと
もAlxGayInzN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦
z≦1、x+y+z=1)を含む基板である。前記窒化
物半導体基板は、それを構成している窒素元素の約10
%以下(ただし、六方晶系であること)が、As、Pお
よびSbの元素群のうち何れかの元素で置換されても良
い。また、前記窒化物半導体基板は、Si、O、Cl、
S、C、Ge、Zn、Cd、MgおよびBeの不純物群
のうち、何れかの不純物が添加されても構わない。 (本発明に係る半導体装置について)本発明に係るIn
GaNXコンタクト層を窒化物半導体装置に用いること
によって、誘電体膜剥離と電極剥離による素子不良の低
減から、信頼性の高い窒化物半導体装置を提供すること
ができる。 <実施の形態2>本実施の形態2では、本発明に係わる
InGaNXコンタクト層を用いた窒化物半導体レーザ
素子が図1を用いて説明される。その他の本発明に係わ
る事柄は、実施の形態1と同様である。
【0032】図1の窒化物半導体レーザ素子は、(00
01)面n型GaN基板100、n型In0.07Ga0.93
Nクラック防止層101、n型Al0.1Ga0.9Nクラッ
ド層102、n型GaN光ガイド層103、発光層10
4、 p型Al0.3Ga0.7Nキャリアブロック層10
5、p型GaN光ガイド層106、p型Al0.1Ga0.9
Nクラッド層107、p型GaN層108、p型In
0.1Ga0.90.90.1コンタクト層109、n電極11
0、p電極111およびSiO2誘電体膜112を含ん
でいる。
【0033】まず、有機金属気相成長(MOCVD)装
置を用いてGaN基板100に、V族原料のNH3とI
II族原料のTMGa(トリメチルガリウム)またはTE
Ga(トリエチルガリウム)に、TMIn(トリメチル
インジウム)のIII族原料とSiH4が加えられ、8
00℃の成長温度でn型In0.07Ga0.93Nクラック防
止層101が40nm成長された。次に、基板温度が1
050℃に上げられ、TMAl(トリメチルアルミニウ
ム)またはTEAl(トリエチルアルミニウム)のII
I族原料が用いられて、1.2μm厚のn型Al0.1
0.9Nクラッド層102(Si不純物濃度1×1018
/cm3)が成長され、続いてn型GaN光ガイド層1
03(Si不純物濃度1×1018/cm3)が0.1μ
m成長された。
【0034】その後、基板温度が800℃に下げられ、
3周期の、厚さ4nmのIn0.15Ga0.85N井戸層と厚
さ8nmのIn0.01Ga0.99N障壁層から構成された発
光層(多重量子井戸構造)104が、障壁層/井戸層/
障壁層/井戸層/障壁層/井戸層/障壁層の順序で成長
された。その際、障壁層と井戸層の両方にSiH4(S
i不純物濃度は1×1018/cm3)が添加された。
【0035】発光層にAsが添加される場合はAsH3
(アルシン)またはTBAs(ターシャリブチルアルシ
ン)を、発光層にPが添加される場合はPH3(ホスフ
ィン)またはTBP(ターシャリブチルホスフィン)
を、発光層にSbが添加される場合はTMSb(トリメ
チルアンチモン)またはTESb(トリエチルアンチモ
ン)をそれぞれ添加すると良い。また、発光層が形成さ
れる際、N原料として、NH3以外にジメチルヒドラジ
ンが用いられても構わない。これらの原料は、本発明の
InGaNXコンタクト層にも用いられる。
【0036】次に、基板温度が再び1050℃まで昇温
されて、厚み20nmのp型Al0. 3Ga0.7Nキャリア
ブロック層105、0.1μmのp型GaN光ガイド層
106、0.5μmのp型Al0.1Ga0.9Nクラッド層
107と0.1μmのp型GaN層108が順次成長さ
れた。そして、基板温度を700℃に下げてp型In
0.1Ga0.90.90.1コンタクト層109を20nm成
長した。前記のp型不純物としてMg(EtCP2
g:ビスエチルシクロペンタジエニルマグネシウム)が
添加された。
【0037】続いて、上記で成長されたエピウエハーを
MOCVD装置から取り出して、電極が形成される。n
電極110は、エピウエハーの裏面にHf/Alの順序
で形成された。そして、n電極110にn型電極パッド
としてAuが蒸着された。前記n電極材料の他に、Ti
/Al、Ti/MoまたはHf/Au等が用いられても
構わない。n電極にHfが用いられるとn電極のコンタ
クト抵抗が下げられるため好ましい。
【0038】p電極部分はストライプ状にエッチングさ
れ、リッジストライプ部(図1)が形成された。リッジ
ストライプ部の幅は1.7μmであった。その後、Si
2誘電体膜112が200nm蒸着され、p型In0.1
Ga0.90.90.1コンタクト層109が露出されて、
p電極111がPd(15nm)/Mo(15nm)/
Au(200nm)の順序で蒸着されて形成された。
【0039】本実施の形態で用いられた基板はGaN基
板以外に、SiC基板、GaAs基板、Si基板などが
用いられても構わない。しかしながら、GaN基板など
の窒化物半導体基板を用いた方が本発明による効果が発
揮され易い。
【0040】上記で説明されたIn0.07Ga0.93Nクラ
ック防止層102は、In組成比が0.07以外であっ
ても構わないし、InGaNクラック防止層自体がなく
ても構わない。しかしながら、クラッド層とGaN基板
との格子不整合が大きくなる場合は、前記InGaNク
ラック防止層が挿入された方がクラック防止の点でより
好ましい。
【0041】上記で説明された発光層104は、障壁層
で始まり障壁層で終わる構成であったが、井戸層で始ま
り井戸層で終わる構成であってもよい。また、井戸層の
層数は、前述の3層に限らず、10層以下であれば閾値
電流密度が低く、室温連続発振が可能であった。
【0042】上記で説明された発光層104は、井戸層
と障壁層の両層にSi(SiH4)が1×1018/cm3
添加されたが、Siが添加されなくても構わない。ま
た、井戸層と障壁層の両層に限らず片方の層のみに前記
不純物が添加されても良い。
【0043】上記発光層104にAsもしくはPが含ま
れていても良い。これらの元素が含まれることによって
発光層の電子とホールの有効質量が小さくなって、レー
ザ発振閾値電流密度が低減し得るために好ましい。
【0044】上記で説明されたp型Al0.3Ga0.7Nキ
ャリアブロック層107は、Al組成比が0.3以外で
あっても構わないし、キャリアブロック層自体が無くて
も構わない。しかしながら、キャリアブロック層を設け
た方が閾値電流密度が低くかった。前記キャリアブロッ
ク層のAl組成比は、高くすることによってキャリアの
閉じ込めが強くなって好ましい。また、キャリアの閉じ
込めが保持される程度までAl組成比を小さくすれば、
キャリアブロック層内のキャリア移動度が大きくなり電
気抵抗が低くなって好ましい。
【0045】上記の説明では、p型クラッド層とn型ク
ラッド層として、Al0.1Ga0.9N結晶が用いられた
が、Alの組成比が0.1以外のAlGaN3元結晶で
あっても構わない。Alの混晶比が高くなると発光層と
のエネルギーギャップ差及び屈折率差が大きくなり、キ
ャリアや光が該発光層に効率良く閉じ込められ、レーザ
発振閾値電流密度の低減が図られる。また、キャリアお
よび光の閉じ込めが保持される程度までAl組成比を小
さくすれば、クラッド層でのキャリア移動度が大きくな
り、素子の動作電圧を低くすることができる。
【0046】上記で説明されたAlGaNクラッド層の
厚みは、0.7μm〜1.5μmが好ましい。このこと
により、垂直横モードの単峰化と光り閉じ込め効率が増
し、レーザの光学特性の向上とレーザ閾値電流密度の低
減が図れる。
【0047】上記で説明されたクラッド層は、AlGa
N3元混晶であったが、AlInGaN、AlGaN
P、AlGaNAs等の4元混晶であっても良い。さら
に、p型クラッド層は、電気抵抗を低減するために、p
型AlGaN層とp型GaN層からなる超格子構造、ま
たはp型AlGaN層とp型InGaN層からなる超格
子構造を有していても良い。
【0048】上記では、MOCVD装置による結晶成長
方法が説明されたが、分子線エピタキシー法(MB
E)、ハイドライド気相成長法(HVPE)が用いられ
ても構わない。
【0049】本実施の形態2で説明された窒化物半導体
レーザ素子は、本発明によるInGaNXコンタクト層
を用いることによって、p電極の剥離が防止されるとと
もにリッジストライプ部に蒸着されたSiO2誘電体膜
の剥離も防止することができる。このことによって歩留
まりが向上した。
【0050】このようにして作製された窒化物半導体レ
ーザ素子は、レーザプリンター、バーコードリーダー、
光の三原色(青色、緑色、赤色)レーザによるプロジェ
クター等に好ましく用いられる。 <実施の形態3>本実施の形態3では、本発明に係わる
InGaNXコンタクト層を用いた窒化物半導体発光ダ
イオード素子が図2を用いて説明される。その他の本発
明に係わる事柄は、実施の形態1もしくは実施の形態2
と同様である。
【0051】図2の窒化物半導体発光ダイオード素子
は、(0001)面n型GaN基板200、n型短周期
超格子201、n型Al0.3Ga0.7Nキャリアブロック
層202、発光層203、p型Al0.3Ga0.7Nキャリ
アブロック層204、p型短周期超格子205、p型I
0.2Ga0.80.96As0.04コンタクト層206、p型
透光性電極207、p電極208、n電極209を含ん
でいる。
【0052】本実施の形態ではn型短周期超格子201
として、100周期のAl0.15Ga 0.85N(厚み1.5
nm、Siドープあり)/Al0.2Ga0.8N(厚み1.
5nm、Siドープあり)を用いた。発光層203とし
ては、3周期のAl0.06Ga 0.94N井戸層(厚み2n
m、Siドープあり)/Al0.12Ga0.88N(厚み4n
m、Siドープあり)を用いた。p型短周期超格子20
5として、100周期のAl0.15Ga0.85N(厚み1.
5nm、Mgドープあり)/Al0.2Ga0.8N(厚み
1.5nm、Mgドープあり)を用いた。また、p型I
0.2Ga0.80.96As0.04コンタクト層206は、p
型短周期超格子205のAl0.2Ga0.8N上に30nm
積層された。p型透光性電極207はPd(7nm)
が、p電極208はAu(500nm)がそれぞれ用い
られた。
【0053】本実施の形態3で説明された発光ダイオー
ド素子は、本発明によるInGaNXコンタクト層を用
いることによってp型透光性電極207を含む電極の剥
離が防止され、歩留まりが向上した。
【0054】本発明に係るコンタクト層を用いた発光ダ
イオードは、紫外線光源装置、白色光源装置または表示
装置などに好ましく用いることができる。 <実施の形態4>本実施の形態4では、本発明に係わる
InGaNXコンタクト層を用いた窒化物半導体レーザ
素子が図3を用いて説明される。その他の本発明に係わ
る事柄は、実施の形態1または実施の形態2と同様であ
る。
【0055】図3の窒化物半導体レーザ素子は、サファ
イア基板300、GaNバッファ層301、n型InG
aNXコンタクト層302、n型Al0.1Ga0.9Nクラ
ッド層303、n型GaN光ガイド層304、発光層3
05、 p型Al0.3Ga0.7Nキャリアブロック層30
6、p型GaN光ガイド層307、p型Al0.1Ga0 .9
Nクラッド層308、p型In0.15Ga0.85N層30
9、p型In0.1Ga0.90.90.1コンタクト層31
0、n電極311、p電極312およびSiNX誘電体
膜313を含んでいる。
【0056】本実施の形態の半導体レーザ素子は、ドラ
イエッチングを用いてn型InGaNXコンタクト層3
02が図3のように露出され、その面に接してn電極3
11が形成された。
【0057】n型InGaNXコンタクト層302とし
て、例えばIn0.1Ga0.90.96 0.04コンタクト層
(厚み100nm、Si不純物濃度:2×1018/cm
3)が用いられる。n電極311としてはTi(15n
m)/Al(30nm)/Ti(20nm)/Au(2
00nm)が用いられる。
【0058】本実施の形態の窒化物半導体レーザ素子
は、本発明によるInGaNXコンタクト層を用いるこ
とによって、n電極の剥離とその両脇のSiNX誘電体
膜が剥離されるのを防止することができる。このことに
よって歩留まりが向上した。さらに、InGaNXコン
タクト層はドライエッチング等の処理を行ってもエッチ
ングによる表面損傷が小さかった。
【0059】本実施の形態のp型In0.1Ga0.90.9
0.1コンタクト層310とp電極312、およびSi
X誘電体膜313との関係は、実施の形態2と同様で
ある。
【0060】本実施の形態で用いられた基板はサファイ
ア基板以外に、SiC基板、GaN基板、AlGaN基
板、GaAs基板、Si基板などが用いられても構わな
い。
【0061】
【発明の効果】本発明によれば、窒化物半導体層上に形
成された誘電体膜の、または窒化物半導体層上に形成さ
れた電極の、密着性を改善しその剥離を防止することが
可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】窒化物半導体レーザ素子の一例を表した図であ
る。
【図2】窒化物半導体発光ダイオード素子の一例であ
る。
【図3】窒化物半導体へテロ接合型電界効果トランジス
タ素子の一例である。
【符号の説明】
100、200…n型GaN基板 101…n型In0.07Ga0.93Nクラック防止層 102、303…n型Al0.1Ga0.9Nクラッド層 103、304…n型GaN光ガイド層 104、203、305…発光層 105、306…p型Al0.3Ga0.7Nキャリアブロッ
ク層 106、307…p型GaN光ガイド層 107、308…p型Al0.1Ga0.9Nクラッド層 108…p型GaN層 109、310…p型In0.1Ga0.90.90.1コンタ
クト層 110、209、311…n電極 111、208、312…p電極 112…SiO2誘電体膜 313…SiNX誘電体膜 201…n型短周期超格子 202…n型Al0.3Ga0.7Nキャリアブロック層 204…p型Al0.3Ga0.7Nキャリアブロック層 205…p型短周期超格子 206…p型In0.2Ga0.80.96As0.04コンタクト
層206 207…p型透光性電極 300…サファイア基板 301…GaNバッファ層 302…n型In0.1Ga0.90.960.04コンタクト層 309…p型In0.15Ga0.85N層
フロントページの続き Fターム(参考) 4M104 AA05 BB06 BB07 CC01 FF02 FF13 GG04 HH08 5F041 AA41 CA40 CA46 CA65 CA85 CA88 FF01 5F073 AA13 AA74 BA07 CA07 CB02 CB19 CB21 DA05 DA30 EA29

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒化物半導体層、電極および誘電体膜を
    含む窒化物半導体素子において、前記窒化物半導体層と
    前記誘電体膜との間に接して、As、PまたはSbから
    選ばれる1種類以上の元素Xを含む、InGaNXコン
    タクト層を具備することを特徴とする窒化物半導体素
    子。
  2. 【請求項2】 前記InGaNXコンタクト層に接し
    て、電極が形成されることを特徴とする窒化物半導体素
    子。
  3. 【請求項3】 前記InGaNXコンタクト層の、元素
    X/(N+元素X)で見積もられる元素Xの原子分率が
    0.01%以上100%以下であることを特徴とする請
    求項1または2に記載の窒化物半導体素子。
  4. 【請求項4】 前記InGaNXコンタクト層の、In
    /(In+Ga)で見積もられるInの原子分率が0.
    01%以上35%以下であることを特徴とする請求項1
    から3の何れかの項に記載の窒化物半導体素子。
  5. 【請求項5】 前記InGaNXコンタクト層がSi、
    C、Zn、CdまたはMgの不純物群のうち少なくとも
    1種類以上の不純物を含み、かつ、前記不純物の総添加
    量が1×1016以上1×1021/cm3以下であること
    を特徴とする請求項1から4の何れかの項に記載の窒化
    物半導体素子。
  6. 【請求項6】 前記InGaNXコンタクト層の厚みが
    1nm以上400nm以下であることを特徴とする請求
    項1から5の何れかの項に記載の窒化物半導体素子。
  7. 【請求項7】 前記電極がPdまたはPtのうち少なく
    とも何れかを含むことを特徴とする請求項1から6の何
    れかの項に記載の窒化物半導体素子。
  8. 【請求項8】 前記電極の厚みが1nm以上600nm
    以下であることを特徴とする請求項1から7の何れかの
    項に記載の窒化物半導体素子。
  9. 【請求項9】 前記誘電体膜の厚みが50nm以上50
    0nm以下であることを特徴とする請求項1から8の何
    れかの項に記載の窒化物半導体素子。
  10. 【請求項10】 前記誘電体膜が酸化珪素もしくは窒化
    珪素の何れかを含むことを特徴とする請求項1から9の
    何れかの項に記載の窒化物半導体素子。
  11. 【請求項11】 前記窒化物半導体素子の基板が窒化物
    半導体基板であることを特徴とする請求項1から10の
    何れかの項に記載の窒化物半導体素子。
  12. 【請求項12】 請求項1から11の何れかの項に記載
    のInGaNXコンタクト層を用いた半導体装置。
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