JP2003086532A - 窒化物半導体素子および半導体装置 - Google Patents

窒化物半導体素子および半導体装置

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JP2003086532A
JP2003086532A JP2001277368A JP2001277368A JP2003086532A JP 2003086532 A JP2003086532 A JP 2003086532A JP 2001277368 A JP2001277368 A JP 2001277368A JP 2001277368 A JP2001277368 A JP 2001277368A JP 2003086532 A JP2003086532 A JP 2003086532A
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nitride semiconductor
ganx
electrode
contact layer
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JP2001277368A
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Yuzo Tsuda
有三 津田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、PdまたはPtを含む電極の電極
剥がれと誘電体膜の剥離を改善することを目的とする。 【解決手段】 本発明は、窒化物半導体層とPdもしく
はPtのうち少なくとも何れかを含む電極との間に接し
て、As、PまたはSbから選ばれる1種類以上の元素
Xを含む、GaNXコンタクト層を具備することによっ
て、電極剥離を防止することが可能である。また、前記
GaNXコンタクト層に接して、誘電体膜を形成するこ
とによって誘電体膜剥離を防止することが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、PdまたはPtを
含む電極の電極剥離防止と、誘電体膜の剥離防止をした
窒化物半導体素子および半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、PdまたはPtを含む電極と窒化
物半導体層との間の密着性は、Niを含む電極とp型窒
化物半導体層との間の密着性に比べて好ましくなく、電
極剥がれによる素子の歩留まり率低下が問題であった。
また、例えば、リッジストライプ構造を有する窒化物半
導体レーザ素子は、そのリッジ部に電流狭窄するために
誘電体膜を被覆する。そのリッジストライプ幅は2μm
以下で微細加工する必要があるため、しばしば前記誘電
体膜が剥離し、素子不良率が増大するといった問題があ
った。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、Pdまたは
Ptを含む電極の電極剥がれと誘電体膜の剥離を改善す
ることを主目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、窒化物半導体
層と、PdもしくはPtのうち少なくとも何れかを含む
電極を含む、窒化物半導体素子において、前記窒化物半
導体層と前記電極との間に接して、As、PまたはSb
から選ばれる1種類以上の元素Xを含む、GaNXコン
タクト層を具備することを特徴とする。このことによっ
て、電極剥がれが防止され、素子の歩留まり率が向上し
得る。
【0005】ここで、本明細書で説明される窒化物半導
体層とは、少なくともAlxGayInzN(0≦x≦
1、0≦y≦1、0≦z≦1、x+y+z=1)を含む
層である。また、窒化物半導体層は、n型もしくはp型
の極性を有する。
【0006】本発明は、GaNXコンタクト層に接し
て、誘電体膜が形成されることを特徴とする。このこと
によって、誘電体膜の剥がれが防止され、素子の歩留ま
り率が向上し得る。本発明は、GaNXコンタクト層
の、元素X/(N+元素X)で見積もられる元素Xの原
子分率が0.01%以上100%以下であることが好適
である。本発明は、GaNXコンタクト層がSi、C、
Zn、CdまたはMgの不純物群のうち少なくとも1種
類以上の不純物を含み、かつ、前記不純物の総添加量が
1×1016以上1×1021/cm3以下であることが好
適である。
【0007】本発明は、GaNXコンタクト層の厚みが
1nm以上500nm以下であることが好ましい。本発
明は、前記電極の厚みが1nm以上600nm以下であ
ることが好ましい。本発明は、前記誘電体膜の厚みが5
0nm以上500nm以下であることが好ましい。
【0008】本発明は、前記窒化物半導体素子の基板が
窒化物半導体基板であることが好ましい。
【0009】本発明に係る前記GaNXコンタクト層
は、半導体装置に好ましく用いられる。
【0010】
【発明の実施の形態】<実施の形態1> (本発明のGaNXコンタクト層について)本発明は、
PdもしくはPtのうち少なくとも何れかを含む電極
と、窒化物半導体層との間に、As、PまたはSbから
選ばれる1種類以上の元素Xを含む、GaNXコンタク
ト層を具備することによって、前記電極の剥がれを防止
することが可能である。このことによって素子の歩留ま
り率が数%〜数十%程度向上する。加えて、従来、p電
極のGaNXコンタクト層として用いられている、Mg
ドープのp型GaNコンタクト層や同じくMgがドープ
されているp型InGaNコンタクト層と比較して、本
発明に係るGaNXコンタクト層は、そのコンタクト抵
抗を低減し得る。
【0011】さらにGaNXコンタクト層は誘電体膜と
の密着性が好ましく、前記コンタクト層に形成された誘
電体膜の剥離を防止し、その素子不良を低減することが
可能である。
【0012】本発明に係わるGaNXコンタクト層は、
具体的には、GaNAs、GaNP、GaNSb、Ga
NAsPなどである。
【0013】また、前記誘電体膜とは、具体的には、シ
リコン酸化物、SiNx、Al23などである。
【0014】GaNXコンタクト層に前記電極を形成す
る際、予めウエットエッチングもしくはドライエッチン
グで該GaNXコンタクト層の表面を処理してから電極
を蒸着しても構わない。このことにより、さらに電極剥
離が防止され得る。このことはGaNXコンタクト層に
誘電体膜が形成される場合も同様である。本発明に係る
GaNXコンタクト層に添加される不純物は、Si、
C、Zn、CdまたはMgの不純物群のうち少なくとも
1種類以上が好ましく用いられる。前記不純物の総添加
量は1×1016以上1×1021/cm3以下の範囲が好
ましい。この範囲外で前記不純物が添加されると、コン
タクト抵抗が増大し、GaNXコンタクト層の結晶性が
低下する恐れがあり、密着性が好ましくない。GaNX
コンタクト層に添加される前記不純物は、その上に形成
される電極側に向かって、不純物の添加量を多くした方
が好ましい。このことにより、電極形成によるコンタク
ト抵抗が低減し、かつ密着性も向上し得る。Mgを不純
物としてGaNXコンタクト層に添加する場合は、Mg
の活性化を向上させるために、その製法において前記G
aNXコンタクト層の成長中に微量の酸素が混入されて
も構わない。
【0015】本発明に係わるGaNXコンタクト層の厚
みは1nm以上500nm以下が好ましく、さらに好ま
しくは5nm以上200nm以下である。GaNXコン
タクト層の厚みが1nm未満では、十分な密着性を得る
ことが困難になる。他方、GaNXコンタクト層の厚み
が500nmを超えると該層の表面モフォロジーが悪化
しやすいためである。
【0016】さらにGaNXコンタクト層は、元素Xの
原子分率によって以下の好ましい厚みを選択することが
可能である。元素Xの原子分率が0.01%以上18%
以下であれば、GaNXコンタクト層の厚みは50nm
以上500nm以下が好ましく、さらに好ましくは50
nm以上200nm以下である。他方、元素Xの原子分
率が18%よりも大きく100%以下であれば、GaN
Xコンタクト層の厚みは5nm以上200nm以下が好
ましく、さらに好ましくは5nm以上100nm以下で
ある。これらの厚みの範囲を選択することによって、表
面モフォロジーの悪化を抑え、かつ電極剥離の防止と誘
電体膜の剥離を防止することが可能である。本発明に係
わるGaNXコンタクト層の、元素X/(N+元素X)
で見積もられる元素Xの原子分率は0.01%以上10
0%以下が好ましい。元素Xの原子分率が大きくなるに
つれて電極剥離や誘電体膜剥離を防止する効果が強くな
る傾向にある。しかしながら原子分率が0.01%より
も小さいと前記効果が得られにくくなる。元素Xの原子
分率が0.01%以上18%以下では電極剥離防止効果
に加えて、コンタクト抵抗が小さくなるために好適であ
る。
【0017】GaNXコンタクト層の元素Xの原子分率
は、その上に形成される電極側もしくは誘電体膜側に向
かって、大きくした方が好ましい。このことにより、電
極剥離防止効果と誘電体膜剥離防止効果を得ることが可
能である。 (窒化物半導体層について)本発明に係わるGaNXコ
ンタクト層と接する窒化物半導体層は、少なくともAl
xGayInzN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦
1、x+y+z=1)含む層である。前記窒化物半導体
層は、Si、O、Cl、S、C、Ge、Zn、Cd、M
gおよびBeの不純物群のうち、何れかの不純物が添加
されても構わない。また、窒化物半導体層に添加される
不純物は、その上に形成される本発明のGaNXコンタ
クト層側に向かって、不純物の添加量を多くした方が好
ましい。このことにより、コンタクト抵抗の低減に寄与
することができる。Mgを不純物として窒化物半導体層
に添加する場合は、Mgの活性化を向上させるために、
その製造方法において前記窒化物半導体層の成長中に微
量の酸素が混入されても構わない。
【0018】本発明に係わるGaNXコンタクト層と接
する窒化物半導体層は、具体的には、InGaN、Ga
N、AlGaN、InAlGaNなどが好ましく用いら
れる。
【0019】InGaN層上にGaNXコンタクト層が
形成されると、これらの層との間の接触比抵抗が低いた
めに好ましい。また、InGaN層上のGaNXコンタ
クト層は結晶性が良好であるため好ましい。
【0020】GaN層上にGaNXコンタクト層が形成
されると、元素Xが前記GaN層中に拡散したとして
も、その結晶中の構成要素はGaNXコンタクト層と同
じであり、素子に与える劣化は小さい。また、これらの
層との間の接触比抵抗が小さくなるために好ましい。
【0021】AlGaN層上にGaNXコンタクト層が
形成されると、元素XがAlGaN層を伝播してさらに
その下の層へと拡散するのを防止し、素子特性が悪化す
るのを抑制し得るために好ましい。
【0022】InAlGaN層上にGaNXコンタクト
層が形成されると、元素XがInAlGaN層を伝播し
てさらにその下の層へと拡散するのを防止し、素子特性
が悪化するのを抑制し得るために好ましい。また、In
AlGaN層上のGaNXコンタクト層は結晶性が良好
であるため好ましい。 (電極について)本発明に係わるGaNXコンタクト層
と接する電極は、具体的には、PdやPtまたはPdS
i(Siの割合は約5〜20%)による電極、あるい
は、Pd/Au、Pd/Pt/Au、Pd/Mo/Au
などのPdもしくはPtを含む金属多層電極である(G
aNXコンタクト層側から積層された順に記載)。
【0023】本発明に係わる電極の厚みは1nm以上6
00nm以下の範囲が好ましい。さらに好ましくは、5
nm以上300nm以下である。電極の厚みが1nm未
満では通電したときに短絡が生じやすい。他方、電極の
厚みが600nmよりも厚くなると電極剥離が生じやす
くなる。5nm以上300nm以下では歩留まりを向上
し得る。 (誘電体膜の厚みについて)本発明に係わるGaNXコ
ンタクト層と接する誘電体膜の厚みは、50nm以上5
00nm以下の範囲が好ましい。さらに好ましくは10
0nm以上300nm以下である。誘電体膜の厚みがこ
れらの範囲外であると剥離が生じやすくなる。 (基板について)本発明に係わるGaNXコンタクト層
を含む窒化物半導体素子の基板が、窒化物半導体である
ことが好ましい。基板が窒化物半導体基板であることに
よって、格子不整合による転位の発生が減少し、GaN
Xコンタクト層の結晶性が向上し得る。また、前記転位
を介して元素XがGaNXコンタクト層以外の層中に伝
播し、素子特性を劣化させることも防ぐことができる。
さらに、窒化物半導体基板はその上に形成される窒化物
半導体素子と近い熱膨張係数を有するため、基板の反り
による電極剥離や誘電体膜剥離を防止することが可能で
ある。
【0024】ここで、窒化物半導体基板とは、少なくと
もAlxGayInzN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦
z≦1、x+y+z=1)を含む基板である。前記窒化
物半導体基板は、それを構成している窒素元素の約10
%以下(ただし、六方晶系であること)が、As、Pお
よびSbの元素群のうち何れかの元素で置換されても良
い。また、前記窒化物半導体基板は、Si、O、Cl、
S、C、Ge、Zn、Cd、MgおよびBeの不純物群
のうち、何れかの不純物が添加されても構わない。 (本発明に係る半導体装置について)本発明に係るGa
NXコンタクト層を窒化物半導体装置に用いることによ
って、電極剥離と誘電体膜剥離による素子不良の低減か
ら、信頼性の高い窒化物半導体装置を提供することがで
きる。 <実施の形態2>本実施の形態2では、本発明に係わる
GaNXコンタクト層を用いた窒化物半導体レーザ素子
が図1を用いて説明される。その他の本発明に係わる事
柄は、実施の形態1と同様である。
【0025】図1の窒化物半導体レーザ素子は、(00
01)面n型GaN基板100、n型In0.07Ga0.93
Nクラック防止層101、n型Al0.1Ga0.9Nクラッ
ド層102、n型GaN光ガイド層103、発光層10
4、 p型Al0.3Ga0.7Nキャリアブロック層10
5、p型GaN光ガイド層106、p型Al0.1Ga0.9
Nクラッド層107、p型GaN層108、p型GaN
0.940.06コンタクト層109、n電極110、p電極
111およびSiO2誘電体膜112を含んでいる。
【0026】まず、有機金属気相成長(MOCVD)装
置を用いてGaN基板100に、V族原料のNH3とI
II族原料のTMGa(トリメチルガリウム)またはT
EGa(トリエチルガリウム)に、TMIn(トリメチ
ルインジウム)のIII族原料とSiH4が加えられ、
800℃の成長温度でn型In0.07Ga0.93Nクラック
防止層101が40nm成長された。次に、基板温度が
1050℃に上げられ、TMAl(トリメチルアルミニ
ウム)またはTEAl(トリエチルアルミニウム)のI
II族原料が用いられて、1.2μm厚のn型Al0.1
Ga0.9Nクラッド層102(Si不純物濃度1×10
18/cm3)が成長され、続いてn型GaN光ガイド層
103(Si不純物濃度1×1018/cm3)が0.1
μm成長された。その後、基板温度が800℃に下げら
れ、3周期の、厚さ4nmのIn0.15Ga 0.85N井戸層
と厚さ8nmのIn0.01Ga0.99N障壁層から構成され
た発光層(多重量子井戸構造)104が、障壁層/井戸
層/障壁層/井戸層/障壁層/井戸層/障壁層の順序で
成長された。その際、障壁層と井戸層の両方にSiH4
(Si不純物濃度は1×1018/cm3)が添加され
た。
【0027】発光層にAsが添加される場合はAsH3
(アルシン)またはTBAs(ターシャリブチルアルシ
ン)を、発光層にPが添加される場合はPH3(ホスフ
ィン)またはTBP(ターシャリブチルホスフィン)
を、発光層にSbが添加される場合はTMSb(トリメ
チルアンチモン)またはTESb(トリエチルアンチモ
ン)をそれぞれ添加すると良い。また、発光層が形成さ
れる際、N原料として、NH3以外にジメチルヒドラジ
ンが用いられても構わない。これらの原料は、本発明の
GaNXコンタクト層にも用いられる。
【0028】次に、基板温度が再び1050℃まで昇温
されて、厚み20nmのp型Al0. 2Ga0.8Nキャリア
ブロック層105、0.1μmのp型GaN光ガイド層
106、0.5μmのp型Al0.1Ga0.9Nクラッド層
107と0.1μmのp型GaN層108が順次成長さ
れた。そして、基板温度を750℃に下げてp型GaN
0.940.06コンタクト層109を0.1μm成長した。
前記のp型不純物としてMg(EtCP2Mg:ビスエ
チルシクロペンタジエニルマグネシウム)が添加され
た。
【0029】続いて、上記で成長されたエピウエハーを
MOCVD装置から取り出して、電極が形成される。n
電極110は、エピウエハーの裏面にHf/Alの順序
で形成された。そして、n電極110にn型電極パッド
としてAuが蒸着された。前記n電極材料の他に、Ti
/Al、Ti/MoまたはHf/Au等が用いられても
構わない。n電極にHfが用いられるとn電極のコンタ
クト抵抗が下げられるため好ましい。
【0030】p電極部分はストライプ状にエッチングさ
れ、リッジストライプ部(図1)が形成された。リッジ
ストライプ部の幅は1.7μmであった。その後、Si
2誘電体膜112が200nm蒸着され、p型GaN
0.940.06コンタクト層109が露出されて、p電極1
11がPd(15nm)/Mo(15nm)/Au(2
00nm)の順序で蒸着されて形成された。
【0031】上記で説明されたIn0.07Ga0.93Nクラ
ック防止層102は、In組成比が0.07以外であっ
ても構わないし、InGaNクラック防止層自体がなく
ても構わない。しかしながら、クラッド層とGaN基板
との格子不整合が大きくなる場合は、前記InGaNク
ラック防止層が挿入された方がクラック防止の点でより
好ましい。
【0032】上記で説明された発光層104は、障壁層
で始まり障壁層で終わる構成であったが、井戸層で始ま
り井戸層で終わる構成であってもよい。また、井戸層の
層数は、前述の3層に限らず、10層以下であれば閾値
電流密度が低く、室温連続発振が可能であった。
【0033】上記で説明された発光層104は、井戸層
と障壁層の両層にSi(SiH4)が1×1018/cm3
添加されたが、Siが添加されなくても構わない。ま
た、井戸層と障壁層の両層に限らず片方の層のみに前記
不純物が添加されても良い。
【0034】上記発光層104にAsもしくはPが含ま
れていても良い。これらの元素が含まれることによって
発光層の電子とホールの有効質量が小さくなって、レー
ザ発振閾値電流密度が低減し得るために好ましい。
【0035】上記で説明されたp型Al0.3Ga0.7Nキ
ャリアブロック層107は、Al組成比が0.3以外で
あっても構わないし、キャリアブロック層自体が無くて
も構わない。しかしながら、キャリアブロック層を設け
た方が閾値電流密度が低くかった。前記キャリアブロッ
ク層のAl組成比は、高くすることによってキャリアの
閉じ込めが強くなって好ましい。また、キャリアの閉じ
込めが保持される程度までAl組成比を小さくすれば、
キャリアブロック層内のキャリア移動度が大きくなり電
気抵抗が低くなって好ましい。
【0036】上記の説明では、p型クラッド層とn型ク
ラッド層として、Al0.1Ga0.9N結晶が用いられた
が、Alの組成比が0.1以外のAlGaN3元結晶で
あっても構わない。Alの混晶比が高くなると発光層と
のエネルギーギャップ差及び屈折率差が大きくなり、キ
ャリアや光が該発光層に効率良く閉じ込められ、レーザ
発振閾値電流密度の低減が図られる。また、キャリアお
よび光の閉じ込めが保持される程度までAl組成比を小
さくすれば、クラッド層でのキャリア移動度が大きくな
り、素子の動作電圧を低くすることができる。
【0037】上記で説明されたAlGaNクラッド層の
厚みは、0.7μm〜1.5μmが好ましい。このこと
により、垂直横モードの単峰化と光り閉じ込め効率が増
し、レーザの光学特性の向上とレーザ閾値電流密度の低
減が図れる。
【0038】上記で説明されたクラッド層は、AlGa
N3元混晶であったが、AlInGaN、AlGaN
P、AlGaNAs等の4元混晶であっても良い。さら
に、p型クラッド層は、電気抵抗を低減するために、p
型AlGaN層とp型GaN層からなる超格子構造、ま
たはp型AlGaN層とp型InGaN層からなる超格
子構造を有していても良い。
【0039】上記では、MOCVD装置による結晶成長
方法が説明されたが、分子線エピタキシー法(MB
E)、ハイドライド気相成長法(HVPE)が用いられ
ても構わない。
【0040】本実施の形態2で説明された窒化物半導体
レーザ素子は、本発明によるGaNXコンタクト層を用
いることによって、p電極の剥離が防止されるとともに
リッジストライプ部に蒸着されたSiO2誘電体膜の剥
離も防止することができる。このことによって歩留まり
が向上した。また、コンタクト抵抗の低減によって閾値
電圧の低減が可能である。
【0041】このようにして作製された窒化物半導体レ
ーザ素子は、レーザプリンター、バーコードリーダー、
光の三原色(青色、緑色、赤色)レーザによるプロジェ
クター等に好ましく用いられる。 <実施の形態3>本実施の形態3では、本発明に係わる
GaNXコンタクト層を用いた窒化物半導体発光ダイオ
ード素子が図2を用いて説明される。その他の本発明に
係わる事柄は、実施の形態1もしくは実施の形態2と同
様である。
【0042】図2の窒化物半導体発光ダイオード素子
は、(0001)面n型GaN基板200、n型短周期
超格子201、n型Al0.3Ga0.7Nキャリアブロック
層202、発光層203、p型Al0.3Ga0.7Nキャリ
アブロック層204、p型短周期超格子205、p型G
aN0.96As0.04コンタクト層206、p型透光性電極
207、p電極208、n電極209を含んでいる。
【0043】本実施の形態ではn型短周期超格子201
として、100周期のAl0.15Ga 0.85N(厚み1.5
nm、Siドープあり)/Al0.2Ga0.8N(厚み1.
5nm、Siドープあり)を用いた。発光層203とし
ては、3周期のAl0.06Ga 0.94N井戸層(厚み2n
m、Siドープあり)/Al0.12Ga0.88N(厚み4n
m、Siドープあり)を用いた。p型短周期超格子20
5として、100周期のAl0.15Ga0.85N(厚み1.
5nm、Mgドープあり)/Al0.2Ga0.8N(厚み
1.5nm、Mgドープあり)を用いた。また、p型G
aN0.96As0.04コンタクト層206は、p型短周期超
格子205のAl0.2Ga0.8N上に30nm積層され
た。p型透光性電極207はPd(7nm)が、p電極
208はAu(500nm)がそれぞれ用いられた。
【0044】本実施の形態3で説明された発光ダイオー
ド素子は、本発明によるGaNXコンタクト層を用いる
ことによって、p型透光性電極207を含む電極の剥離
が防止され、歩留まりが向上した。 <実施の形態4>本実施の形態4では、本発明のコンタ
クト層を用いた窒化物半導体へテロ接合型電界効果トラ
ンジスタ素子が図3を用いて説明される。その他の本発
明に係わる事柄は、実施の形態1と同様である。
【0045】図3の窒化物半導体へテロ接合型電界効果
トランジスタ素子は、(0001)面i型GaN基板3
00、n型AlGaN層301、n型GaNXコンタク
ト層305、ソース302、ゲート303、およびドレ
イン304を含んでいる。
【0046】本実施の形態ではn型AlGaN層301
として、Al0.25Ga0.75N(厚み50nm、Si不純
物濃度:5×1018/cm3)を用いた。n型GaNX
コンタクト層305はGaN0.98As0.02(厚み5n
m、Si不純物濃度:5×10 18/cm3)を用いた。
ソース302とドレイン304の電極としてTi(15
nm)/Al(30nm)/Au(100nm)を用い
た。ゲート303の電極として、PdSi(15nm)
/Au(100nm)を用いた。
【0047】本実施の形態4で説明されたトランジスタ
ー素子は、本発明によるGaNXコンタクト層を用いる
ことによってゲート電極の剥離が防止され、歩留まりが
向上した。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、PdまたはPtを含む
電極の剥離を抑制すると共に誘電体膜と窒化物半導体層
との間の密着性を改善しその剥離を防止することが可能
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】窒化物半導体レーザ素子の一例を表した図であ
る。
【図2】窒化物半導体発光ダイオード素子の一例であ
る。
【図3】窒化物半導体へテロ接合型電界効果トランジス
タ素子の一例である。
【符号の説明】
100、200…n型GaN基板 101…n型In0.07Ga0.93Nクラック防止層 102…n型Al0.1Ga0.9Nクラッド層 103…n型GaN光ガイド層 104、203…発光層 105…p型Al0.3Ga0.7Nキャリアブロック層 106…p型GaN光ガイド層 107…p型Al0.1Ga0.9Nクラッド層 108…p型GaN層 109…p型GaN0.940.06コンタクト層 110、209…n電極 111、208…p電極 112…SiO2誘電体膜 201…n型短周期超格子 202…n型Al0.3Ga0.7Nキャリアブロック層 204…p型Al0.3Ga0.7Nキャリアブロック層 205…p型短周期超格子 206…p型GaN0.96As0.04コンタクト層206 207…p型透光性電極 300…i型GaN基板 301…n型AlGaN層 302…ソース 303…ゲート 304…ドレイン 305…GaNXコンタクト層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4M104 AA04 BB06 BB07 BB13 BB14 BB23 CC01 DD26 EE06 EE16 EE17 FF13 FF31 GG04 HH08 HH09 5F041 AA41 CA05 CA40 CA46 CA57 CA65 CA85 5F073 AA13 AA74 CA07 CB10 CB19 CB22 DA05 EA29

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒化物半導体層と、PdもしくはPtの
    うち少なくとも何れかを含む電極を含む、窒化物半導体
    素子において、前記窒化物半導体層と前記電極との間に
    接して、As、PまたはSbから選ばれる1種類以上の
    元素Xを含む、GaNXコンタクト層を具備することを
    特徴とする窒化物半導体素子。
  2. 【請求項2】 前記GaNXコンタクト層に接して、誘
    電体膜が形成されることを特徴とする窒化物半導体素
    子。
  3. 【請求項3】 前記GaNXコンタクト層の、元素X/
    (N+元素X)で見積もられる元素Xの原子分率が0.
    01%以上100%以下であることを特徴とする請求項
    1または2に記載の窒化物半導体素子。
  4. 【請求項4】 前記GaNXコンタクト層がSi、C、
    Zn、CdまたはMgの不純物群のうち少なくとも1種
    類以上の不純物を含み、かつ、前記不純物の総添加量が
    1×1016以上1×1021/cm3以下であることを特
    徴とする請求項1から3の何れかの項に記載の窒化物半
    導体素子。
  5. 【請求項5】 前記GaNXコンタクト層の厚みが1n
    m以上500nm以下であることを特徴とする請求項1
    から4の何れかの項に記載の窒化物半導体素子。
  6. 【請求項6】 前記電極の厚みが1nm以上600nm
    以下であることを特徴とする請求項1もしくは請求項3
    から5の何れかの項に記載の窒化物半導体素子。
  7. 【請求項7】 前記誘電体膜の厚みが50nm以上50
    0nm以下であることを特徴とする請求項2から5の何
    れかの項に記載の窒化物半導体素子。
  8. 【請求項8】 前記窒化物半導体素子の基板が窒化物半
    導体基板であることを特徴とする請求項1から7の何れ
    かの項に記載の窒化物半導体素子。
  9. 【請求項9】 請求項1から8の何れかの項に記載のG
    aNXコンタクト層を用いた半導体装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007012757A (ja) * 2005-06-29 2007-01-18 Toyoda Gosei Co Ltd 半導体デバイス、及びその電極の製造方法

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