JP2003086220A - 燃料電池システム - Google Patents
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- Y02E60/30—Hydrogen technology
- Y02E60/50—Fuel cells
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- Fuel Cell (AREA)
Abstract
能であり、燃料電池内部の水分状態をリアルタイムに把
握可能な燃料電池システムを提供する。 【解決手段】 燃料電池の出力信号に任意の周波数を有
する正弦波信号を印加する正弦波発振器40と、燃料電
池の出力電圧を検出する電圧センサ41と、燃料電池の
出力電流を検出する電流センサ42と、所定周波数にお
ける燃料電池の複素インピーダンスを算出するインピー
ダンス演算手段43〜47とを設ける。インピーダンス
演算手段により異なる2つの周波数における複素インピ
ーダンスを算出し、異なる2つの周波数の複素インピー
ダンスに基づいて、周波数を変化させながら正弦波信号
を印加した場合の燃料電池の複素インピーダンスを算出
する。
Description
学反応により電気エネルギー発生させる燃料電池からな
る燃料電池システムに関するもので、車両、船舶及びポ
ータブル発電器等の移動体に適用して有効である。
電解質膜の湿潤度に影響することが知られており、燃料
電池の内部水分量が少なく電解質膜が乾燥している場合
には、内部抵抗が大きくなり燃料電池の出力電圧が低下
する。一方、燃料電池の内部水分量が過剰である場合に
は、燃料電池の電極が水分で覆われてしまうため、反応
物質である酸素、水素の拡散が阻害され、出力電圧が低
下する。
ためには、燃料電池の内部水分量の管理を最適に行う必
要があるが、現状では燃料電池の内部水分量を直接計測
する手法はない。
インピーダンスと相関関係があるため、燃料電池のイン
ピーダンスを測定することで、間接的に燃料電池内部の
水分状態を把握することは可能である。現在、インピー
ダンスを計測する方法として交流インピーダンス法があ
る。
インピーダンス法では、印加する正弦波の周波数を変化
させながら多数の点でインピーダンスを計測するため、
一回の計測に数分を要する。このため、経時的に変化す
る燃料電池のインピーダンスを計測することは困難であ
り、燃料電池内部の水分状態をリアルタイムに把握する
ことが難しかった。
ピーダンスを経時的に計測可能であり、燃料電池内部の
水分状態をリアルタイムに把握することができる燃料電
池システムを提供することを目的とする。
め、請求項1に記載の発明では、水素と酸素とを電気化
学反応させて電力を得る燃料電池(10)を備え、燃料
電池の出力信号に周波数を変化させながら正弦波信号を
印加した場合の燃料電池の複素インピーダンスにより得
られる、燃料電池の内部水分量不足時に増加する抵抗成
分(R1)と、燃料電池の内部水分量過剰時に増加する
抵抗成分(R2)とから燃料電池内部の水分状態を推定
する燃料電池システムであって、燃料電池の出力信号に
任意の周波数を有する正弦波信号を印加する正弦波印加
手段(40)と、燃料電池の出力電圧を検出する電圧検
出手段(41)と、燃料電池の出力電流を検出する電流
検出手段(42)と、正弦波印加手段(40)により所
定周波数の正弦波信号を印加した場合の、電圧検出手段
(41)で検出した出力電圧および電流検出手段(4
2)で検出した出力電流に基づいて、所定周波数におけ
る燃料電池の複素インピーダンスを算出するインピーダ
ンス演算手段(43〜47)とを備え、インピーダンス
演算手段により少なくとも1つの周波数における燃料電
池の複素インピーダンスを算出し、少なくとも1つの周
波数における燃料電池の複素インピーダンスに基づい
て、周波数を変化させながら正弦波信号を印加した場合
の前記燃料電池の複素インピーダンスを算出することを
特徴としている。
インピーダンスを用い、高周波(ω=∞)から低周波
(ω=0)まで周波数を変化させた場合の複素インピー
ダンスを推定することで、燃料電池の内部水分量不足時
に増加する抵抗成分(R1)と、燃料電池の内部水分量
過剰時に増加する抵抗成分(R2)とを求めることがで
きる。このため、交流インピーダンス法により燃料電池
の内部水分量を推定する際に、周波数を変化させながら
多数の点で複素インピーダンスを計測する必要がなく、
インピーダンスの計測を短時間で行うことができる。こ
れにより、経時的にインピーダンス計測を行うことがで
き、燃料電池内部の水分状態(水分の不足/過剰)をリ
アルタイムに把握することが可能となる。
波数は異なる2つの周波数であり、この異なる2つの周
波数における燃料電池の複素インピーダンスの一方は、
正弦波印加手段により正弦波信号を印加しない場合にお
いて出力電圧を出力電流で除した値を、周波数が0にお
ける燃料電池の複素インピーダンスとして用いることが
できる。
インピーダンスを計測するだけでよく、さらに短時間で
インピーダンスの計測を行うことができる。
ーダンス演算手段により所定周波数における燃料電池の
複素インピーダンスを算出し、所定周波数における燃料
電池の複素インピーダンスの応答遅れに基づいて、燃料
電池内部の水分状態を推定することを特徴としている。
素インピーダンスの応答遅れと相関関係があるため、こ
のように所定周波数における燃料電池の複素インピーダ
ンスの応答遅れに基づいて、燃料電池内部の水分状態を
推定することができる。
波数における燃料電池の複素インピーダンスの位相角に
基づいて、燃料電池内部の水分状態を推定することを特
徴としている。
ら得られるため、所定周波数における燃料電池の複素イ
ンピーダンスの位相角に基づいて、燃料電池内部の水分
状態を推定することができる。具体的には、所定周波数
における燃料電池の複素インピーダンスの位相角が、予
め設定された所定位相角より大きい場合には、燃料電池
の内部水分量が過剰であると判定でき、所定位相角より
小さい場合には、燃料電池の内部水分量が不足している
と判定できる。
池内部の水分状態の推定に、複素インピーダンスの位相
角に加えて、複素インピーダンスの絶対値を用いること
を特徴としている。このように、複素インピーダンスの
絶対値を用いることで、燃料電池の内部水分量が適正状
態であることを判定することができる。
ーダンス演算手段により所定周波数における燃料電池の
複素インピーダンスを算出し、所定周波数における燃料
電池の複素インピーダンスの複素平面上の座標に基づい
て、燃料電池内部の水分状態を推定することを特徴とし
ている。
素インピーダンスの位相角および絶対値と相関関係があ
るため、複素平面上で内部水分量の最適領域、過剰領
域、不足領域を予め設定しておけば、インピーダンスの
複素平面上における座標が3つの領域のいずれに位置す
るかによって、燃料電池内部の水分状態を推定すること
ができる。
力信号は燃料電池の出力電流および出力電圧であり、正
弦波信号は正弦波電流もしくは正弦波電圧であるとする
ことができる。
池の内部水分量を調整する内部水分量調整手段(20〜
23、30〜33)を備え、燃料電池の内部水分量が不
足していると判定された場合には、内部水分量調整手段
により燃料電池の内部水分量を増加させ、燃料電池の内
部水分量が過剰であると判定された場合には、内部水分
量調整手段により燃料電池の内部水分量を減少させるこ
とを特徴としている。
に保つことができる。
する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すも
のである。
適用した第1実施形態を図1〜図6に基づいて説明す
る。本実施形態は、本発明の燃料電池システムを電気自
動車に適用したものである。
ムの全体構成を示している。図1に示すように、本第1
実施形態の燃料電池システムには、燃料電池(FCスタ
ック)10、空気供給装置21、水素供給装置31、イ
ンピーダンス検出部40〜47、制御部50等が設けら
れている。
酸素との電気化学反応を利用して電力を発生するもので
ある。本第1実施形態では燃料電池10として固体高分
子電解質型燃料電池を用いており、基本単位となる単セ
ルが複数積層されて構成されている。燃料電池10で
は、水素および空気(酸素)が供給されることにより、
以下の水素と酸素の電気化学反応が起こり、電気エネル
ギが発生する。 (水素極側)H2→2H++2e- (酸素極側)2H++1/2O2 +2e-→H2O 燃料電池10は、インバータ(負荷)11や図示しない
2次電池等の電気機器に電力を供給するように構成され
ている。インバータ11は、燃料電池10から供給され
た直流電流を交流電流に変換して図示しない走行用モー
タに供給してモータを駆動する。
素極(正極)側に空気(酸素)を供給するための空気経
路(酸素経路)20と、燃料電池10の水素極(負極)
側に水素を供給するための水素経路30が設けられてい
る。空気経路20の最上流部には空気供給装置(コンプ
レッサ)21が設けられている。また、水素経路30の
最上流部には水素供給装置31が設けられている。水素
供給装置31としては、例えば改質反応により水素を生
成する改質装置、あるいは水素吸蔵合金等の水素貯蔵材
を内蔵して純水素を貯蔵する水素タンクを用いることが
できる。空気供給装置21、水素供給装置31は、空気
および水素の供給量を調整し流量を調整することができ
る。
0内の電解質膜は、水分を含んだ湿潤状態となっている
必要がある。このため、空気経路20には、燃料電池1
0に供給される空気を加湿するための加湿器22が設け
られている。加湿器22は、空気の加湿量を調整可能に
構成されている。同様に、水素経路30にも、燃料電池
10に供給される水素を加湿するための加湿器32が設
けられている。加湿器22、32による加湿量を増大す
ることにより内部水分量を増大させることができ、加湿
器22、32による加湿量を減少することにより内部水
分量を減少させることができる。
には、空気経路20を流れる空気の圧力を調整するため
の背圧調整バルブ23が設けられている。バルブ23の
開度を小さくすることで空気経路20内の空気圧を高く
することができ、開度を大きくすることで空気圧を低く
することができる。同様に、水素経路30における燃料
電池10下流側にも、水素経路30を流れる水素の圧力
を調整するための背圧調整バルブ33が設けられてい
る。
することで、燃料電池10内部において空気経路20、
水素経路30内の圧力が低下し、これらの経路20、3
0内の水分蒸発を促進することができ、内部水分量を減
少させることができる。また、背圧調整バルブ23、3
3の開度を小さくすることで、燃料電池10内部におい
て空気経路20、水素経路30内の圧力が増大し、これ
らの経路20、30内の水分蒸発を抑制することがで
き、内部水分量を増大させることができる。
空気の流速を速くしたり、水素供給装置31から供給さ
れる水素の流速を速くすることでも、燃料電池10内部
の水分を吹き飛ばして、内部水分量を減少させることが
できる。
23、33、空気供給装置21、水素供給装置31は、
燃料電池10の内部水分量を増加あるいは減少させて調
整する内部水分量調整手段を構成している。これらは、
それぞれ単独で用いてもよく、あるいは組み合わせて用
いてもよい。
力電圧低下と内部水分量との関係について説明する。図
2は、燃料電池10の出力電圧と出力電流との関係を示
している。燃料電池10では、電池内部での損失がなけ
れば、図2中破線で示すように一定の起電力が発生す
る。
うに電圧降下が生ずる。その内訳は、1)電気化学反応
の活性化エネルギに起因する活性化過電圧、2)燃料電
池10の内部抵抗に起因する抵抗過電圧、3)水素、酸
素の拡散が阻害されることに起因する拡散過電圧が発生
することによるものである。
分子電解質膜の含水量が減少し、電解質膜の導電率が低
下する。この結果、電解質膜の電気抵抗が増大するた
め、2)抵抗過電圧が増加する。一方、1)活性過電
圧、3)拡散過電圧は水分量不足による影響は受けな
い。
燃料電池10の電極が水によって覆われてしまうため、
反応物質である水素、酸素の拡散が阻害され、3)拡散
過電圧が増大する。一方、1)活性化過電圧、2)抵抗
過電圧は水分量過剰による影響は受けない。
3)拡散過電圧の増加を分離して計測することができれ
ば、抵抗過電圧の増加から内部水分量の不足を判断で
き、拡散過電圧の増加から内部水分量の過剰を判断する
ことができる。これらの抵抗過電圧と拡散過電圧は、交
流インピーダンス法を用いることにより分離することが
可能となる。
ーダンス法による抵抗過電圧と拡散過電圧の分離方法に
ついて説明する。
る。図3の等価回路におけるR1は電解質膜の抵抗に相
当し、R2は活性化過電圧と拡散過電圧を抵抗換算した
ものに相当している。図3の等価回路に所定の周波数を
有する正弦波電流を印加した場合、電流の変化に対して
電圧の応答が遅れる。
での正弦波電流を印加した場合の燃料電池10のインピ
ーダンスを複素平面上に表示したものである。印加する
正弦波電流の周波数が無限に大きい場合(ω=∞)のイ
ンピーダンスは、図4におけるR1となる。また、正弦
波電流の周波数が非常に小さい場合(ω=0)のインピ
ーダンスは、R1+R2となる。高周波から低周波の間
で周波数を変化させたときのインピーダンスは、図4に
示すような半円を描く。
を用いることで、燃料電池10の等価回路におけるR1
とR2を分離して計測することが可能となる。R1が予
め定められた第1所定値より大きくなり出力が低下して
いる場合には、高分子電解質膜が乾燥して抵抗過電圧が
大きくなり、導電率が低下していることが出力低下の原
因と判断できる。また、R2が予め定められた第2所定
値より大きくなり出力が低下している場合には、電極表
面に水が過剰に存在し、拡散過電圧が大きくなっている
ことが原因であると判断できる。
交流インピーダンス法により燃料電池10のインピーダ
ンスを検出するインピーダンス検出部40〜47が設け
られている。
正弦波電流を発生する正弦波発振器(正弦波印加手段)
40と、燃料電池10の出力電圧を検出する電圧センサ
(電圧検出手段)41、出力電流を検出する電流センサ
(電流検出手段)42と、電圧信号、電流信号からノイ
ズを除去するフィルタ部43、44と、高速フーリエ変
換処理を行うFFT処理部45、46と、FFT処理さ
れた電圧成分、電流成分からインピーダンスを算出する
インピーダンス分析部47とからなる。フィルタ部4
3、44、FFT処理部45、46、インピーダンス分
析部47は、インピーダンス演算手段を構成している。
では、各種制御を行う制御部50が設けられている。制
御部50は、インピーダンス分析部47にて算出された
燃料電池10のインピーダンスに基づいて、燃料電池1
0内部の水分状態を判断し、これに基づいて燃料電池1
0の内部水分量の制御を行うように構成されている。
の作動を説明する。
両走行に必要な車両要求電力を検出する。燃料電池10
では、車両要求電力を供給するように発電を行う。次
に、インピーダンス検出部40〜47により、燃料電池
10のインピーダンス計測を行う。
いる。まず、正弦波発振器40により、燃料電池10か
ら出力される直流電流に所定の周波数を有する正弦波電
流を印加する。このときの燃料電池10の出力電圧を電
圧センサ41で検出し、出力電流を電流センサ42で検
出する。電圧信号、電流信号は、フィルタ部43、44
にて高周波ノイズ成分と低周波の車両要求電力を満たす
ための電流変動成分が除去される。
エ変換を行い、フィルタ部43、44を通過した電圧信
号、電流信号をそれぞれ実成分と虚成分(aV+jbV、
aI+jbI)に分離する。インピーダンス分析器47で
は、FFT処理した電圧信号をFFT処理した電流信号
で除してインピーダンスの実成分と虚成分を算出し、複
素平面上での原点からの距離(絶対値)rと位相角θを
出力する。
料電池10のインピーダンスを検出することができる。
電圧を分離して検出する。上述のように、交流インピー
ダンス法により図3の等価回路におけるR1とR2を求
めれば、燃料電池10の抵抗過電圧と拡散過電圧を分離
して検出することができる。図6は、R1とR2を算出
する手順を示している。本第1実施形態では、異なる周
波数における2点のインピーダンスを計測することで、
R1およびR2を算出する。
ける燃料電池10のインピーダンスを計測する。図6に
示すように、これら2点の複素平面上における座標を、
それぞれ(a1,b1)、(a2,b2)とする。これ
ら2点の座標は、図4に示す実軸上に中心を持つ半円の
円周上に位置する。
2,b2)から、円の中心の座標(aC,0)と半径R
を算出することができる。このように、2点のインピー
ダンスを用いて、高周波(ω=∞)から低周波(ω=
0)まで周波数を変化させた場合のインピーダンスを算
出することができる。このとき、R1=(中心のX座標
−円の半径)=(aC−R)、R2=円の直径=2Rと
なる。以上のように、2点のインピーダンスからR1と
R2を算出することができる。
判定する。上述のようにR1は電解質膜の抵抗に相当
し、R2は活性化過電圧と拡散過電圧を抵抗換算したも
のに相当している。このため、R1が予め設定された第
1所定値より大きく、R2が第2所定値より小さい場合
には、抵抗過電圧が増加しており、燃料電池10の内部
水分量が不足していると推定できる。また、R1が第1
所定値より小さく、R2が第2所定値より大きい場合に
は、拡散過電圧が増加しており、燃料電池10の内部水
分量が過剰であると推定できる。
と判定された場合には、加湿器22、32等の内部水分
量調整手段により、燃料電池10の内部水分量を増加さ
せるように制御を行う。一方、燃料電池10の内部水分
量が過剰であると判定された場合には、加湿器22、3
2等により燃料電池10の内部水分量を減少させる。こ
れにより、燃料電池10の内部水分量を適正に保つこと
ができる。
ピーダンス法により燃料電池10の内部水分量を推定す
る際に、異なる2つの周波数における燃料電池10のイ
ンピーダンスを計測するだけでよい。このため、インピ
ーダンスの計測を短時間で行うことができるので、経時
的にインピーダンス計測を行うことができ、燃料電池1
0内部の水分状態(水分の不足/過剰)をリアルタイム
に把握することが可能となる。
形態について図7に基づいて説明する。本第2実施形態
は、上記第1実施形態に比較して、図3の等価回路にお
けるR1とR2を求める方法が異なるものである。上記
第1実施形態と同様の部分については、同一の符号を付
して説明を省略する。
2を算出する手順を示している。本第1実施形態では、
所定周波数における1点のインピーダンスを計測し、R
1およびR2を算出する。
0のインピーダンスを計測する。図7に示すように、こ
の点の複素平面上における座標を(a3,b3)とす
る。次に、正弦波発振器40にて正弦波電流を印加して
いない場合において、燃料電池10の出力電圧を出力電
流で除した値を、周波数=0における燃料電池10のイ
ンピーダンスとしてR2=(出力電圧)/(出力電流)
とする。この点を(R2,0)の座標にあると考える。
図4に示す実軸上に中心を持つ半円の円周上に位置す
る。従って、上記第1実施形態と同様に、2点の座標
(a3,b3)、(R2,0)から、円の中心の座標
(aC,0)と半径Rを算出することができる。このと
き、R1=(中心のX座標−円の半径)=(aC−
R)、R2=円の直径=2Rとなる。
のインピーダンスを測定するとともに、定常状態の出力
電圧、出力電流を測定することで、上記第1実施形態と
同様にR1とR2を算出することができる。
1実施形態と同様、燃料電池10内部の水分状態を推定
し、内部水分量調整手段により燃料電池10の内部水分
量の制御を行う。
ピーダンス法により燃料電池10の内部水分量を推定す
る際に、1つの所定周波数における燃料電池10のイン
ピーダンスを計測するだけでよい。このため、上記第1
実施形態と同様に、短時間でインピーダンスの計測を行
うことができるので、経時的にインピーダンス計測を行
うことができ、燃料電池10内部の水分状態(水分の不
足/過剰)をリアルタイムに把握することができる。
形態について図8に基づいて説明する。本第3実施形態
は、上記各実施形態に比較して、燃料電池10のインピ
ーダンスから内部水分量を推定する方法が異なるもので
ある。
ンピーダンスに基づく燃料電池10内部の水分状態の推
定方法について図4、図8に基づいて説明する。図8
は、所定周波数の正弦波が印加された場合における燃料
電池10のインピーダンスと、燃料電池10内部の水分
状態との関係を示している。
が不足し抵抗過電圧が増大した場合には、複素平面上で
R1が増大する。R1の増大に伴い、所定の周波数にお
けるインピーダンスZは、主に実成分aが大きくなり、
複素平面上で原点から遠ざかる。この結果、インピーダ
ンスZの絶対値rが大きくなるとともに、インピーダン
スZの位相角θは小さくなる。これは、燃料電池10の
電流信号に対する電圧信号の位相遅れ(応答遅れ)が小
さくなることを意味している。
あり、拡散過電圧が増大した場合には、図4の複素平面
上でR2が増大する。R2の増大に伴い、所定の周波数
におけるインピーダンスZは、主に虚成分bが大きくな
り、複素平面上で原点から遠ざかる。この結果、インピ
ーダンスZの絶対値rが大きくなるとともに、インピー
ダンスZの位相角θは大きくなる。これは燃料電池10
の出力電流に対する出力電圧の位相の遅れが大きくなる
ことを意味している。
態は、燃料電池10のインピーダンスの位相角(電流信
号に対する電圧信号の位相の遅れ)および絶対値と相関
関係がある。図8はこれらの関係を示しており、複素平
面上に内部水分量が、1)最適な領域、2)過剰な領
域、3)不足している領域の3つの領域を設定してい
る。これらの領域は、燃料電池10の負荷に応じて定め
られる。
分量の状態は、燃料電池10のインピーダンスの位相角
に基づいて推定することができる。すなわち、所定周波
数における燃料電池10のインピーダンスの位相角が、
所定位相角θo近傍にある場合には燃料電池の内部水分
量は適正であり、所定位相角θoより小さい場合には内
部水分量が不足しており、所定位相角θoより大きい場
合には内部水分量が過剰であると判定できる。内部水分
量の判断基準となる所定位相角θoは、印加する正弦波
の周波数等によって予め設定される。
適領域は、燃料電池10のインピーダンスの実成分およ
び虚成分がそれぞれ所定値より小さい領域である。従っ
て、インピーダンスの絶対値が所定値より小さい場合に
は、内部水分量が適正領域にあると判断できる。
ある所定の周波数1点における燃料電池10のインピー
ダンスを計測することによって、次のように燃料電池1
0内部の水分状態を推定できる。
角に基づいて、燃料電池の内部水分量の状態を判断する
ことができる。
値より小さい場合には、内部水分量が最適領域にあると
判断することができる。
10の出力低下を判定した上で、インピーダンスの位相
角により、水分不足あるいは過剰を判定することもでき
る。
領域、過剰領域、不足領域を予め設定し、インピーダン
スの複素平面上における座標が3つの領域のいずれに位
置するかによって、燃料電池10内部の水分状態を推定
することができる。
ピーダンス法により燃料電池10の内部水分量を推定す
る際に、1つの所定周波数における燃料電池10のイン
ピーダンスを計測するだけでよい。このため、上記第1
実施形態と同様に、インピーダンスの計測を短時間で行
うことができるので、経時的にインピーダンス計測を行
うことができ、燃料電池10内部の水分状態(水分の不
足/過剰)をリアルタイムに把握することが可能とな
る。
は、正弦波発振器40では、正弦波電流を発生するよう
に構成したが、正弦波電圧を発生するように構成しても
よく、燃料電池10が出力する直流電圧に正弦波電圧を
印加してもよい。
す概念図である。
る。
る。
る。
場合のインピーダンス算出手順を示す特性図である。
場合のインピーダンス算出手順を示す特性図である。
との関係を示す特性図である。
路、21…空気供給装置、22…加湿器、23…背圧調
整バルブ、30…水素供給経路、31…水素供給装置、
32…加湿器、33…背圧調整バルブ、40…正弦波発
振器、41…電圧センサ、42…電流センサ、43、4
4…フィルタ部、45、46…FFT処理部、47…イ
ンピーダンス分析部、50…制御部。
Claims (8)
- 【請求項1】 水素と酸素とを電気化学反応させて電力
を得る燃料電池(10)を備え、前記燃料電池の出力信
号に周波数を変化させながら正弦波信号を印加した場合
の前記燃料電池の複素インピーダンスにより得られる、
前記燃料電池の内部水分量不足時に増加する抵抗成分
(R1)と、前記燃料電池の内部水分量過剰時に増加す
る抵抗成分(R2)とから前記燃料電池内部の水分状態
を推定する燃料電池システムであって、 前記燃料電池の出力信号に任意の周波数を有する正弦波
信号を印加する正弦波印加手段(40)と、 前記燃料電池の出力電圧を検出する電圧検出手段(4
1)と、 前記燃料電池の出力電流を検出する電流検出手段(4
2)と、 前記正弦波印加手段(40)により所定周波数の正弦波
信号を印加した場合の、前記電圧検出手段(41)で検
出した前記出力電圧および前記電流検出手段(42)で
検出した前記出力電流に基づいて、前記所定周波数にお
ける前記燃料電池の複素インピーダンスを算出するイン
ピーダンス演算手段(43〜47)とを備え、 前記インピーダンス演算手段により少なくとも1つの周
波数における前記燃料電池の複素インピーダンスを算出
し、前記少なくとも1つの周波数における前記燃料電池
の複素インピーダンスに基づいて、前記周波数を変化さ
せながら正弦波信号を印加した場合の前記燃料電池の複
素インピーダンスを算出することを特徴とする燃料電池
システム。 - 【請求項2】 前記周波数は異なる2つの周波数であ
り、この異なる2つの周波数における前記燃料電池の複
素インピーダンスの一方は、前記正弦波印加手段により
前記正弦波信号を印加しない場合において、前記出力電
圧を前記出力電流で除した値を、周波数が0における前
記燃料電池の複素インピーダンスとして用いることを特
徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。 - 【請求項3】 水素と酸素とを電気化学反応させて電力
を得る燃料電池(10)を備える燃料電池システムであ
って、 前記燃料電池の出力信号に任意の周波数を有する正弦波
信号を印加する正弦波印加手段(40)と、 前記燃料電池の出力電圧を検出する電圧検出手段(4
1)と、 前記燃料電池の出力電流を検出する電流検出手段(4
2)と、 前記正弦波印加手段(40)により所定周波数の正弦波
信号を印加した場合の、前記電圧検出手段(41)で検
出した前記出力電圧および前記電流検出手段(42)で
検出した前記出力電流に基づいて、前記所定周波数にお
ける前記燃料電池の複素インピーダンスを算出するイン
ピーダンス演算手段(43〜47)とを備え、 前記インピーダンス演算手段により所定周波数における
前記燃料電池の複素インピーダンスを算出し、前記所定
周波数における前記燃料電池の複素インピーダンスの応
答遅れに基づいて、前記燃料電池内部の水分状態を推定
することを特徴とする燃料電池システム。 - 【請求項4】 前記所定周波数における前記燃料電池の
複素インピーダンスの位相角に基づいて、前記燃料電池
内部の水分状態を推定することを特徴とする請求項3に
記載の燃料電池システム。 - 【請求項5】 前記燃料電池内部の水分状態の推定に、
前記複素インピーダンスの位相角に加えて、前記複素イ
ンピーダンスの絶対値を用いることを特徴とする請求項
4に記載の燃料電池システム。 - 【請求項6】 水素と酸素とを電気化学反応させて電力
を得る燃料電池(10)を備える燃料電池システムであ
って、 前記燃料電池の出力信号に任意の周波数を有する正弦波
信号を印加する正弦波印加手段(40)と、 前記燃料電池の出力電圧を検出する電圧検出手段(4
1)と、 前記燃料電池の出力電流を検出する電流検出手段(4
2)と、 前記正弦波印加手段(40)により所定周波数の正弦波
信号を印加した場合の、前記電圧検出手段(41)で検
出した前記出力電圧および前記電流検出手段(42)で
検出した前記出力電流に基づいて、前記所定周波数にお
ける前記燃料電池の複素インピーダンスを算出するイン
ピーダンス演算手段(43〜47)とを備え、 前記インピーダンス演算手段により所定周波数における
前記燃料電池の複素インピーダンスを算出し、前記所定
周波数における前記燃料電池の複素インピーダンスの複
素平面上の座標に基づいて、前記燃料電池内部の水分状
態を推定することを特徴とする燃料電池システム。 - 【請求項7】 前記出力信号は、前記燃料電池の出力電
流および出力電圧であり、前記正弦波信号は、正弦波電
流もしくは正弦波電圧であることを特徴とする請求項1
ないし6のいずれか1つに記載の燃料電池システム。 - 【請求項8】 前記燃料電池の内部水分量を調整する内
部水分量調整手段(20〜23、30〜33)を備え、 前記燃料電池の内部水分量が不足していると判定された
場合には、内部水分量調整手段により前記燃料電池の内
部水分量を増加させ、前記燃料電池の内部水分量が過剰
であると判定された場合には、内部水分量調整手段によ
り前記燃料電池の内部水分量を減少させることを特徴と
する請求項1ないし7のいずれか1つに記載の燃料電池
システム。
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