JP2003084383A - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料

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JP2003084383A
JP2003084383A JP2001278558A JP2001278558A JP2003084383A JP 2003084383 A JP2003084383 A JP 2003084383A JP 2001278558 A JP2001278558 A JP 2001278558A JP 2001278558 A JP2001278558 A JP 2001278558A JP 2003084383 A JP2003084383 A JP 2003084383A
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JP2001278558A
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English (en)
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Shoji Yasuda
庄司 安田
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硬調であり、かつ感度の高いハロゲン化銀写
真感光材料を提供すること。 【解決手段】 支持体上に少なくとも1層のハロゲン化
銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料において、
[L−Au−L]M(式中、Lは有機メルカプトリガン
ド、Mはカチオン性対イオンを表す)で表される対称形
の有機メルカプト金(I)錯体を少なくとも1種含有
し、対数露光量(x軸)と光学濃度(y軸)の単位長の
等しい直交座標軸上に示される特性曲線において、光学
濃度0.3〜3.0におけるガンマーが5.0以上であ
る特性曲線を有することを特徴とするハロゲン化銀写真
感光材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハロゲン化銀写真感
光材料、特に写真製版工程に用いられるハロゲン化銀感
光材料に適した超硬調ネガ型写真感光材料に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】グラフィックアーツ分野の写真製版工程
では、連続調の写真画像を、画像の濃淡を網点面積の大
小によって表現するいわゆる網点画像に変換して、これ
に文字や線画を撮影した画像と組み合わせて印刷原版を
作る方法が行われている。このような用途に用いられる
ハロゲン化銀感光材料には、文字、線画、網点画像の再
現性を良好にするために、画像部と非画像部を明瞭に区
別しうる超硬調な写真特性を有することが求められてき
た。
【0003】このような要望に応えるシステムとして、
塩臭化銀からなるハロゲン化銀感光材料を、亜硫酸イオ
ンの有効濃度をきわめて低くしたハイドロキノン現像液
で処理することにより、高コントラストを有する画像を
形成する、いわゆるリス現像方式が知られている。しか
し、この方式では現像液中の亜硫酸イオン濃度が低いた
め、現像液が空気酸化に対してきわめて不安定であり、
液活性を安定に保つために現像液を多量に補充しなけれ
ばならなかった。
【0004】リス現像方式の画像形成の不安定性を解消
し、良好な保存安定性を有する現像液で処理することに
よって超硬調な写真特性を得る画像形成システムとし
て、例えば、米国特許第4,166,742号明細書、
同第4,168,977号明細書、同第4,221,8
57号明細書、同第4,224,401号明細書、同第
4,243,739号明細書、同第4,269,922
号明細書、同第4,272,606号明細書、同第4,
311,781号明細書、同第4,332,878号明
細書、同第4,618,574号明細書、同第4,63
4,661号明細書、同第4,681,836号明細
書、同第5,650,746号明細書等が挙げられる。
これらは、ヒドラジン誘導体を添加した表面潜像型のハ
ロゲン化銀写真感光材料を、亜硫酸保恒剤を0.15m
ol/L以上含むpH11.0〜12.3のハイドロキ
ノン/メトールあるいはハイドロキノン/フェニドンを
現像主薬とする現像液で処理し、ガンマーが10を超え
る超硬調のネガ画像を形成するシステムである。この方
法によれば超硬調で高感度の写真特性が得られ、現像液
中に高濃度の亜硫酸塩を添加することができるので、現
像液の空気酸化に対する安定性は従来のリス現像液に比
べて飛躍的に向上する。
【0005】ヒドラジン誘導体により十分に超硬調な画
像を形成させるためには、pHが11以上、通常は1
1.5以上の現像液で処理することが必要であった。高
濃度の亜硫酸保恒剤によって現像液の安定性を高めるこ
とを可能にしたとはいえ、超硬調な写真画像を得るため
には上述のようなpH値の高い現像液を用いることが必
要であり、保恒剤があっても現像液は空気酸化されやす
く不安定なため、さらなる安定性の向上を求めてより低
いpHで超硬調画像を実現する工夫が試みられてきた。
【0006】例えば、米国特許第4,269,929号
明細書(特開昭61−267759号公報)、米国特許
第4,737,452号明細書(特開昭60−1797
34号公報)、米国特許第5,104,769号明細
書、同第4,798,780号明細書、特開平1−17
9939号公報、同1−179940号公報、米国特許
第4,998,604号明細書、同第4,994,36
5号明細書、特開平8−272023号公報には、pH
11.0未満の現像液を用いて超硬調な画像を得るため
に、高活性なヒドラジン誘導体および造核促進剤を用い
る方法が開示されている。このような画像形成システム
に用いられるハロゲン化銀写真感光材料は高活性な化合
物を内蔵するため、保存中に感度が変動する、カブリが
上昇する等の保存安定性の問題を抱えている。原因の多
くは乳剤感度が高いことに起因しており、保存安定性の
優れた高感化技術の開発が求められていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】これらの従来技術の問
題点を考慮して、本発明は、硬調であり、かつ感度の高
いハロゲン化銀写真感光材料を提供することを目的とし
た。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意検討を重
ねた結果、特定の構造を有する錯体を含み、特定のガン
マーを有するハロゲン化銀写真感光材料によれば上記目
的を達成しうることを見出し、本発明を提供するに至っ
た。すなわち本発明は、支持体上に少なくとも1層のハ
ロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料に
おいて、下記一般式(a)で表される有機メルカプト金
(I)錯体の少なくとも1種を含有し、対数露光量(x
軸)と光学濃度(y軸)の単位長の等しい直交座標軸上
に示される特性曲線において、光学濃度0.3〜3.0
におけるガンマーが5.0以上である特性曲線を有する
ことを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料を提供す
る。 一般式(a) [L−Au−L]M (式中、Lは有機メルカプトリガンドを表し、Mはカチ
オン性対イオンを表す。ただし、この錯体は対称形であ
る。)
【0009】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用い
る有機メルカプト金(I)錯体は、下記一般式(b)で
表される構造を有するものであることが好ましい。 一般式(b) [(M−Rsol)n−A−S−Au−S−A−(Rsol
M)n]M (式中、Mはカチオン性対イオンを表し、Rsolは親水
性基を表し、Aは置換もしくは無置換の1+n価の有機
連結基を表し、nは1〜4のいずれかを表し、nが2以
上のときn個の(Rsol−M)は互いに同一であっても
異なっていてもよい。ただし、当該化合物は対称形であ
る。)
【0010】本発明のハロゲン化銀写真感光材料はヒド
ラジン化合物を含有することが好ましい。また、乳剤層
側の膜面pHは6.0以下であることが好ましく、4.
5〜6.0であることがより好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下において、本発明のハロゲン
化銀写真感光材料について詳細に説明する。なお、本明
細書において「〜」はその前後に記載される数値をそれ
ぞれ最小値および最大値として含む範囲を意味する。
【0012】本発明でいう「ガンマー」は、光学濃度
(y軸)と常用対数露光量(x軸)で表される単位長の
等しい直交座標軸上に示される特性曲線において、光学
濃度0.3と3.0との2点で直線を引いたときの勾配
である。即ち、直線とx軸のなす角度をθとするとta
nθで示される。本発明では、特性曲線を得るために、
現像液(富士写真フイルム(株)製、ND−1)と定着
液(富士写真フイルム(株)製、NF−1)を用いて、
ハロゲン化銀写真感光材料を35℃30秒の現像条件で
自動現像機(富士写真フイルム(株)製、FG−680
AG)により処理する。
【0013】本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、ガ
ンマーが5.0以上、好ましくは5.0〜100、より
好ましくは5.0〜30である特性曲線を有する。本発
明で規定している特性曲線を有するハロゲン化銀写真感
光材料を得る方法は多岐にわたるが、例えば、高コント
ラストを実現できる重金属(例えばVIII族に属する金
属)を含むハロゲン化銀乳剤を用いることによりハロゲ
ン化銀写真感光材料のガンマーを調整することができ
る。特に、ロジウム化合物、イリジウム化合物、ルテニ
ウム化合物などを含有するハロゲン化銀乳剤を用いるこ
とが好ましい。また、乳剤層を含む側に造核剤としてヒ
ドラジン誘導体、あるいはアミン化合物、ホスホニウム
化合物等の化合物を少なくとも1種含有させることも好
ましい。
【0014】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用い
る有機金化合物について説明する。本発明のハロゲン化
銀写真感光材料は、一般式(a)で表される有機メルカ
プト金(I)錯体の少なくとも1種を含む。 一般式(a) [L−Au−L]M
【0015】一般式(a)の錯体は対称形をしている。
すなわち、2つのLは同一である。式中、Lは有機メル
カプトリガンドを表す。Lは、ハロゲン化銀写真感光材
料に用いるのに適した有機メルカプトリガンドであり、
カブリ防止性、安定性もしくは増感性を有する。このよ
うなリガンドの多くは当該技術分野では公知であり、い
ずれも市販されているか、もしくはリサーチディスクロ
ージャー274(1984)に記載されている方法に従
って調製することができる。Lの好適な例には、メルカ
プトアゾール類のような親水性置換基を有するチオール
リガンドが含まれ、それらの例は、米国特許第3,26
6,897号明細書、同第4,607,004号明細
書、同第3,266,897号明細書、同第4,92
0,043号明細書、同第4,912,026号明細
書、同第5,011,768号明細書および英国特許第
1,275,701号明細書に記載されている。
【0016】一般式(a)中、Mはカチオン性対イオン
を表す。Mは、アルカリ金属イオン(例えば、カリウム
イオン、ナトリウムイオンもしくはセシウムイオン)、
またはアンモニウムカチオン(例えば、テトラブチルも
しくはテトラエチルアンモニウムカチオン)であるのが
好ましい。
【0017】前記有機メルカプト金(I)錯体は、下記
一般式(b)で表される錯体であるのが好ましい。 一般式(b) [(M−Rsol)n−A−S−Au−S−A−(Rsol
M)n]M 式中、Rsolは親水性基を表す。親水性基Rsolとして
は、−OSO3−、−SO3−、−SO2−、−PO3−ま
たは−COO−が好ましい。nは1〜4のいずれかを表
し、nが2以上のときn個の(Rsol−M)は互いに同
一であっても異なっていてもよい。ただし、この錯体は
対称形である。
【0018】Mはカチオン性対イオンを表す。Mはアル
カリ金属イオン(例えば、カリウムイオン、ナトリウム
イオンもしくはセシウムイオン)、またはアンモニウム
カチオン(例えば、テトラブチルもしくはテトラエチル
アンモニウムカチオン)であるのが好ましい。
【0019】式中、Aは置換もしくは無置換のn+1価
の有機基を表す。Aは脂肪族(環式もしくは非環式)、
芳香族または複素環式のn+1価基であるのが好まし
い。Aはさらに置換基を有していてもよい。Aが脂肪族
基である場合、Aは炭素数1〜20、より好ましくは炭
素数1〜8の置換もしくは無置換の脂肪族基であるのが
好ましい。好適な基の例には、アルキレン基(例えば、
エチレン基、メチレン基、プロピレン基、ブチレン基、
ペンチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基、2−エチ
ルヘキシレン基、デシレン基、ドデシレン基、ヘキサデ
シレン基、オクタデシレン基、シクロヘキシレン基、イ
ソプロピレン基およびtert−ブチレン基が含まれ
る。
【0020】Aが芳香族基である場合、Aは炭素数6〜
20の芳香族基であるのが好ましく、炭素数6〜10の
芳香族基であるのがより好ましく、特にフェニレン基お
よびナフチレン基が好ましい。Aが複素環式基である場
合、Aは環核中に窒素、酸素、イオウ、セレンおよびテ
ルルから選ばれる少なくとも1つの原子を有する、置換
もしくは無置換のn+1価の3〜15員環であるのが好
ましく、窒素原子を少なくとも1つ(特に好ましくは2
以上)有する5〜6員環であるのがより好ましい。複素
環式基の例には、ピロリジン、ピペリジン、ピリジン、
テトラヒドロフラン、チオフェン、オキサゾール、チア
ゾール、イミダゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾオキ
サゾール、ベンゾイミダゾール、セレナゾール、ベンゾ
セレナゾール、テルラゾール、トリアゾール、ベンゾト
リアゾール、テトラゾール、オキサジアゾール、もしく
はチアジアゾール環のn+1価の基が含まれる。好まし
い複素環式基はテトラゾールである。
【0021】特に断らない限りは、上記分子上で置換可
能な置換基には、置換もしくは非置換にかかわらず、写
真の実用性に必要な特性を壊さないいずれの基も含まれ
る。「基」の用語を置換可能な水素を含有する置換基の
認定に適用する場合、それは当該置換基の置換されてい
ない形態を包含するだけでなく、ここに述べる任意の基
(複数でもよい)でさらに置換された形態をも包含する
意図である。それらの基は、炭素、ケイ素、酸素、窒
素、リン、もしくはイオウの原子によって分子の残基に
結合されているのが好ましい。
【0022】Aの好適な置換基として、例えば、塩素、
臭素もしくは弗素のようなハロゲン原子;ニトロ基;ヒ
ドロキシル基;シアノ基;カルボキシル基;またはさら
に置換されていてもよい基として例えば、直鎖もしくは
分枝鎖アルキルを包含するアルキル基(例えば、メチル
基、トリフルオロメチル基、エチル基、tert−ブチ
ル基、3−(2,4−ジ−tert−アミルフェノキ
シ)プロピル基、テトラデシル基、および1−(N−フ
ェニルイミド)エチル基);エチレン基、および2−ブ
テン基のようなアルケニル基;メトキシ基、エトキシ
基、プロポキシ基、ブトキシ基、2−メトキシエトキシ
基、sec−ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、2−エチ
ルヘキシルオキシ基、テトラデシルオキシ基、2−
(2,4−ジ−tert−ペンチルフェノキシ)エトキ
シ基、および2−ドデシルオキシエトキシ基のようなア
ルコキシ基;フェニル基、4−tert−ブチルフェニ
ル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、およびナフ
チル基のようなアリール基;フェノキシ基、2−メチル
フェノキシ基、α−もしくはβ−ナフチルオキシ基、お
よび4−トリルオキシ基のようなアリールオキシ基;ア
セトアミド基、ベンズアミド基、ブチルアミド基、テト
ラデカンアミド基、α−(2,4−ジ−tert−ペン
チル−フェノキシ)アセトアミド基、α−(2,4−ジ
−tert−ペンチルフェノキシ)ブチルアミド基、α
−(3−ペンタデシルフェノキシ)−ヘキサンアミド
基、α−(4−ヒドロキシ−3−tert−ブチルフェ
ノキシ)−テトラデカンアミド基、2−オキソ−ピロリ
ジン−1−イル基、2−オキソ−5−テトラデシルピロ
リン−1−イル基、N−メチルテトラデカンアミド基、
N−スクシンイミド基、3−ベンジルヒダントイニル
基、N−フタルイミド基、2,5−ジオキソ−1−オキ
サゾリジニル基、3−ドデシル−2,5−ジオキソ−1
−イミダゾリル基、N−アセチル−N−ドデシルアミノ
基、エトキシカルボニルアミノ基、フェノキシカルボニ
ルアミノ基、ベンジルオキシカルボニルアミノ基、ヘキ
サデシルオキシカルボニルアミノ基、2,4−ジ−te
rt−ブチルフェノキシカルボニルアミノ基、フェニル
カルボニルアミノ基、2,5−(ジ−tert−ペンチ
ルフェニル)カルボニルアミノ基、p−ドデシルフェニ
ルカルボニルアミノ基、p−トルイルカルボニルアミノ
基、N−メチルウレイド基、N,N−ジメチルウレイド
基、N−メチル−N−ドデシルウレイド基、N−ヘキサ
デシルウレイド基、N,N−ジオクタデシルウレイド
基、N,N−ジオクチル−N'−エチルウレイド基、N
−フェニルウレイド基、N,N−ジフェニルウレイド
基、N−フェニル−N−p−トルイルウレイド基、N−
(m−ヘキサデシルフェニル)ウレイド基、N,N−
(2,5−ジ−tert−ペンチルフェニル)−N'−
エチルウレイド基、およびtert−ブチルカルボンア
ミドのようなカルボンアミド基;
【0023】メチルスルホンアミド基、ベンゼンスルホ
ンアミド基、p−トルイルスルホンアミド基、p−ドデ
シルベンゼンスルホンアミド基、N−メチルテトラデシ
ルスルホンアミド基、N,N−ジプロピルスルファモイ
ルアミノ基、およびヘキサデシルスルホンアミド基のよ
うなスルホンアミド基;N−メチルスルファモイル基、
N−エチルスルファモイル基、N,N−ジプロピルスル
ファモイル基、N−ヘキサデシルスルファモイル基、
N,N−ジメチルスルファモイル基、N−[3−(ドデ
シルオキシ)プロピル]スルファモイル基、N−[4−
(2,4−ジ−tert−ペンチルフェノキシ)ブチ
ル]スルファモイル基、N−メチル−N−テトラデシル
スルファモイル基、およびN−ドデシルスルファモイル
基のようなスルファモイル基;N−メチルカルバモイル
基、N,N−ジブチルカルバモイル基、N−オクタデシ
ルカルバモイル基、N−[4−(2,4−ジ−tert
−ペンチルフェノキシ)ブチル]カルバモイル基、N−
メチル−N−テトラデシルカルバモイル基、およびN,
N−ジオクチルカルバモイル基のようなカルバモイル
基;アセチル基、(2,4−ジ−tert−アミルフェ
ノキシ)アセチル基、フェノキシカルボニル基、p−ド
デシルオキシフェノキシカルボニル基、メトキシカルボ
ニル基、ブトキシカルボニル基、テトラデシルオキシカ
ルボニル基、エトキシカルボニル基、ベンジルオキシカ
ルボニル基、3−ペンタデシルオキシカルボニル基、お
よびドデシルオキシカルボニル基のようなアシル基;メ
トキシスルホニル基、オクチルオキシスルホニル基、テ
トラデシルオキシスルホニル基、2−エチルヘキシルオ
キシスルホニル基、フェノキシスルホニル基、2,4−
ジ−tert−ペンチルフェノキシスルホニル基、メチ
ルスルホニル基、オクチルスルホニル基、2−エチルヘ
キシルスルホニル基、ドデシルスルホニル基、ヘキサデ
シルスルホニル基、フェニルスルホニル基、4−ノニル
フェニルスルホニル基、およびp−トルイルスルホニル
基のようなスルホニル基;ドデシルスルホニルオキシ基
およびヘキサデシルスルホニルオキシ基のようなスルホ
ニルオキシ基;
【0024】メチルスルフィニル基、オクチルスルフィ
ニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、ドデシル
スルフィニル基、ヘキサデシルスルフィニル基、フェニ
ルスルフィニル基、4−ノニルフェニルスルフィニル
基、およびp−トルイルスルフィニル基のようなスルフ
ィニル基;エチルチオ基、オクチルチオ基、ベンジルチ
オ基、テトラデシルチオ基、2−(2,4−ジ−ter
t−ペンチルフェノキシ)エチルチオ基、フェニルチオ
基、2−ブトキシ−5−tert−オクチルフェニルチ
オ基、およびp−トルイルチオ基のようなチオ基;アセ
チルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、オクタデカノイル
オキシ基、p−ドデシルアミドベンゾイルオキシ基、N
−フェニルカルバモイルオキシ基、N−エチルカルバモ
イルオキシ基、およびシクロヘキシルカルボニルオキシ
基のようなアシルオキシ基;フェニルアニリノ基、2−
クロロアニリノ基、ジエチルアミン基、ドデシルアミン
基のような置換アミノ基;ジメチルホスフェート基およ
びエチルブチルホスフェート基のようなホスフェート
基;ジエチルホスフィット基およびジヘキシルホスフィ
ット基のようなホスフィット基;2−フリル基、2−チ
エニル基、2−ベンゾイミダゾリルオキシ基もしくは2
−ベンゾチアゾリル基のような、それぞれ置換されても
よく、そしてそれぞれ、炭素、並びに酸素、窒素および
硫黄からなる群より選ばれる少なくとも1つのヘテロ原
子から構成される3〜7員の複素環を持つ、複素環基、
複素環オキシ基もしくは複素環チオ基;トリエチルアン
モニウム基のような第四級アンモニウム基;トリメチル
シリルオキシ基のようなシリルオキシ基、を挙げること
ができる。特に好適なAの置換基はベンズアミド基であ
る。
【0025】上記の基およびその置換基の炭素数は、一
般に48以下、典型的には1〜36、通常は24未満で
あるが、選定される特定の置換基によっては炭素数が4
8を超えてもよい。
【0026】Aが置換されている場合、(Rsol−M)
の少なくとも1つは該置換基と結合していてもよい。−
A−(Rsol−M)n(ここでnは1)の好ましい例と
して、下記一般式で表される基を挙げることができる。
【0027】
【化1】
【0028】有機メルカプト金(I)錯体の具体例とし
て、以下に列挙する錯体を挙げることができる。ただ
し、本発明に用いられる金(I)錯体はこれらの具体例
に限定されるものではない。なお、下記の構造式中、
「Ac」はアセチル基を表す。
【0029】
【化2】
【0030】
【化3】
【0031】
【化4】
【0032】本発明では、有機メルカプト金(I)錯体
として、カリウムビス(1−[3−(2−スルホナトベ
ンズアミド)フェニル]−5−メルカプトテトラゾール
カリウム塩)アウレート(I)5水和物[例示化合物
(S)]を用いることが特に好ましい。一般式(a)で
表される錯体の1つの利点は、水に対する溶解性が高い
ことである。錯体の溶解度は22℃で2g/L以上であ
るのが好ましく、5g/L以上であるのがより好まし
く、10g/L以上であるのが最も好ましい。特に好適
な錯体は20g/Lを超える溶解性を有する。
【0033】前記有機メルカプト金(I)錯体は、金
(I)錯体と有機メルカプトリガンドとを反応させ、得
られる有機メルカプト金(I)錯体を反応混合物から単
離して製造することができる。この方法に用いる好適な
金(I)錯体は、所望の有機メルカプト金(I)錯体よ
りもプラスの酸化還元電位を有するものであるので、リ
ガンドの置換を容易にする。そのような化合物は当業者
には公知である。有用な金(I)錯体の例には、AuC
2 -、AuBr2 -、Au(MeS−CH2−CH2−CH
NH2COOH)2 +、Au(CNS)2 -、AuI、もし
くはAu(NH3 2 +が含まれ、中でもAuIが特に好
ましい。
【0034】金(I)錯体は幾分不安定となる場合があ
るので、金(III)化合物と理論量の還元剤とを反応さ
せて使用直前に金(I)錯体を調製するのが好ましい。
金(III)化合物としては、還元されて安定な金(I)
錯体となることができる任意の化合物を用いることがで
きる。これらの化合物の多くは市販されており、好適な
化合物の例として、KAuBr4、KAuCl4、および
HAuCl4を挙げることができる。還元剤としては、
特に、テトラヒドロチオフェン、2,2'−チオジエタ
ノール、チオ尿素、N,N'−テトラメチルチオ尿素、
アルキルスルフィド類(例えば、ジメチルスルフィド、
ジエチルスルフィド、ジイソプロピルスルフィド)、チ
オモルホリン−3−オン、スルフィット、亜硫酸水素、
ウリジン、ウラシル、水素化アルカリおよびヨウ化物を
用いることが好ましい(Uson, R.;Laguna, A.;Laguna,
M. Inorg. Synth. 1989, 26, 85-91;Al-Saady, A.K.;
McAuliffe, C.A.; Parish, R.V.; Sandbank, J.A. Inor
g. Synth. 1985, 23, 191-194 ;Ericson, A.; Elding,
L.I.; Elmroth, S.K.C.; J. Chem. Soc., DaltonTran
s. 1997, 7, 1159-1164 ;Elding, L.I.; Olsson, L.F.
Inorg. Chem. 1982, 21, 779-784 ;Annibale, G.; Ca
novese, L.; Cattalini, L.; Natile, G. J.Chem. So
c., Dalton Trans. 1980, 7, 1017-1021 )。ある場合
では、塩化カリウムのような安定剤の下で還元を行うこ
とができる(Miller, J.B.; Burmeister, J.L. Synth.
React. Inorg. Met.-Org. Chem. 1985, 15, 223-233
)。また、ある場合では、得られる金(I)化合物を
単離する(すなわち、望ましくない副反応を避ける)こ
とが望ましい。例えば、AuIの場合、過剰のヨウ素を
除くことが有害なセンシトメトリー効果を避けるために
望ましい。得られる金(I)化合物の安定性によるが、
単離は実際的でないこともある。
【0035】金(I)錯体と有機メルカプトリガンドと
の反応は水系で行われるのが好ましいが、これは必須で
はない。一般的に、金(I)錯体と有機メルカプトリガ
ンドとの短時間反応物を、好ましくは室温より少し上の
温度で混合もしくは攪拌れば十分であり、それ以外の操
作は必要とされない。この反応では、少なくとも2当量
の水溶性有機メルカプトリガンド(好ましくは、当該リ
ガンドの水溶性塩)を用いて金(I)化合物を処理す
る。本発明では、対称な有機メルカプト金(I)錯体を
得るために、1種類の有機メルカプトリガンドを用い
る。本発明では、下記一般式で表される有機メルカプト
リガンドを用いることが好ましい。 (M−Rsol)n −A−S−M 式中、M、Rsol、Aおよびnは、前記一般式(b)中
のM、Rsol、A、およびnとそれぞれ同義である。好
ましい有機メルカプトリガンドは、1−[3−(2−ス
ルホナトベンズアミド)フェニル]−5−メルカプトテ
トラゾールカリウム塩である。
【0036】上記の反応は、非常に広範囲の温度で行う
ことができるが、好ましくは室温〜100℃、より好ま
しくは30〜50℃で行う。また、反応は、一般にその
系の自然のpHで行うことができ、調節は必要でない。
pHは約4〜7.5のほぼ中性域が好ましく、約6が最
も好ましい。多くの場合、金(I)錯体と有機メルカプ
トリガンドとの反応は30℃においてほんの数分間で完
了するが、反応物によってその速度は異なる。特に不安
定な金(I)錯体を用いる場合、Cl-もしくはBr-
ような安定化電解質を添加することによって系を安定化
することができる。
【0037】反応によって得られた有機メルカプト金
(I)錯体は、適当な方法、例えば、数当量のアルカリ
ハロゲン化物で反応混合物を処理するか、もしくは水混
和性非溶剤を添加することによって単離することができ
る。好ましい単離方法は、一般的に、アルカリハロゲン
化物を導入した後反応溶液を冷却することを要する。こ
の物質を吸引濾過して単離し、ブタノール、イソプロパ
ノール、エタノール等の冷却した水性アルコール洗浄剤
で処理する。この手順は簡単であり、複雑な操作もしく
は複数の再結晶を要しない。
【0038】本発明において有機メルカプト金(I)錯
体は、支持体に対してハロゲン化銀乳剤層側であれば、
どの層に添加しても良い。例えば、ハロゲン化銀乳剤
層、あるいは他の親水性コロイド層に添加することがで
きるが、ハロゲン化銀乳剤層あるいはそれに隣接する親
水性コロイド層に添加することが好ましい。また、2種
類以上の有機メルカプト金(I)錯体を併用して添加す
ることもできる。本発明では、有機メルカプト金(I)
錯体はハロゲン化銀乳剤の調製時に添加することが好ま
しい。本発明における有機金化合物の添加量はハロゲン
化銀1molに対し10-9〜103molが好ましく、
10-7〜102molがより好ましい。
【0039】本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、造
核剤としてヒドラジン化合物を含有することが好まし
い。特に、下記一般式(D)で表されるヒドラジン誘導
体を少なくとも1種含有することが好ましい。 一般式(D)
【化5】
【0040】式中、R20は脂肪族基、芳香族基、または
ヘテロ環基を表し、R10は水素原子またはブロック基を
表し、G10は−CO−、−COCO−、−C(=S)−、
−SO2−、−SO−、−PO(R30)−基(R30はR10
に定義した基と同じ範囲内より選ばれ、R10と異なって
いてもよい。)、またはイミノメチレン基を表す。
10、A20はともに水素原子、あるいは一方が水素原子
で他方が置換もしくは無置換のアルキルスルホニル基、
または置換もしくは無置換のアリールスルホニル基、ま
たは置換もしくは無置換のアシル基を表す。
【0041】一般式(D)において、R20で表される脂
肪族基は好ましくは炭素数1〜30の置換もしくは無置
換の、直鎖、分岐または環状のアルキル基、アルケニル
基、アルキニル基である。一般式(D)において、R20
で表される芳香族基は単環もしくは縮合環のアリール基
で、例えばベンゼン環、ナフタレン環が挙げられる。R
20で表されるヘテロ環基としては、単環または縮合環
の、飽和もしくは不飽和の、芳香族または非芳香族のヘ
テロ環基で、例えば、ピリジン環、ピリミジン環、イミ
ダゾール環、ピラゾール環、キノリン環、イソキノリン
環、ベンズイミダゾール環、チアゾール環、ベンゾチア
ゾール環、ピペリジン環、トリアジン環等が挙げられ
る。R20として好ましいものはアリール基であり、特に
好ましくはフェニル基である。
【0042】R20が示す基は置換されていてもよく、代
表的な置換基としては例えばハロゲン原子(フッ素原
子、クロロ原子、臭素原子、または沃素原子)、アルキ
ル基(アラルキル基、シクロアルキル基、活性メチン基
等を含む)、アルケニル基、アルキニル基、アリール
基、複素環基、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基
(例えばピリジニオ基)、アシル基、アルコキシカルボ
ニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル
基、カルボキシ基またはその塩、スルホニルカルバモイ
ル基、アシルカルバモイル基、スルファモイルカルバモ
イル基、カルバゾイル基、オキサリル基、オキサモイル
基、シアノ基、チオカルバモイル基、ヒドロキシ基、ア
ルコキシ基(エチレンオキシ基もしくはプロピレンオキ
シ基単位を繰り返し含む基を含む)、アリールオキシ
基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、(アルコキシ
もしくはアリールオキシ)カルボニルオキシ基、カルバ
モイルオキシ基、スルホニルオキシ基、アミノ基、(ア
ルキル、アリール、またはヘテロ環)アミノ基、N−置
換の含窒素ヘテロ環基、アシルアミノ基、スルホンアミ
ド基、ウレイド基、チオウレイド基、イソチオウレイド
基、イミド基、(アルコキシもしくはアリールオキシ)
カルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、セミカ
ルバジド基、チオセミカルバジド基、ヒドラジノ基、4
級のアンモニオ基、オキサモイルアミノ基、(アルキル
もしくはアリール)スルホニルウレイド基、アシルウレ
イド基、N−アシルスルファモイルアミノ基、ニトロ
基、メルカプト基、(アルキル,アリール,またはヘテ
ロ環)チオ基、(アルキルまたはアリール)スルホニル
基、(アルキルまたはアリール)スルフィニル基、スル
ホ基またはその塩、スルファモイル基、N−アシルスル
ファモイル基、スルホニルスルファモイル基またはその
塩、リン酸アミドもしくはリン酸エステル構造を含む
基、等が挙げられる。これら置換基は、これらの置換基
でさらに置換されていてもよい。
【0043】R20が有していてもよい置換基として好ま
しくは、炭素数1〜30のアルキル基(活性メチレン基
を含む)、アラルキル基、ヘテロ環基、置換アミノ基、
アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイド基、スル
ファモイルアミノ基、イミド基、チオウレイド基、リン
酸アミド基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオ
キシ基、アシルオキシ基、アシル基、アルコキシカルボ
ニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル
基、カルボキシ基(その塩を含む)、(アルキル、アリ
ール、またはヘテロ環)チオ基、スルホ基(その塩を含
む)、スルファモイル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニ
トロ基等が挙げられる。
【0044】一般式(D)において、R10は水素原子ま
たはブロック基を表すが、ブロック基とは具体的に、ア
ルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、
ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ
基またはヒドラジノ基を表す。
【0045】R10で表されるアルキル基として好ましく
は、炭素数1〜10のアルキル基であり、例えばメチル
基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、2−
カルボキシテトラフルオロエチル基、ピリジニオメチル
基、ジフルオロメトキシメチル基、ジフルオロカルボキ
シメチル基、3−ヒドロキシプロピル基、メタンスルホ
ンアミドメチル基、ベンゼンスルホンアミドメチル基、
ヒドロキシメチル基、メトキシメチル基、メチルチオメ
チル基、フェニルスルホニルメチル基、o−ヒドロキシ
ベンジル基などが挙げられる。アルケニル基として好ま
しくは炭素数1〜10のアルケニル基であり、例えばビ
ニル基、2,2−ジシアノビニル基、2−エトキシカル
ボニルビニル基、2−トリフルオロ−2−メトキシカル
ボニルビニル基等が挙げられる。アルキニル基として好
ましくは炭素数1〜10のアルキニル基であり、例えば
エチニル基、2−メトキシカルボニルエチニル基等が挙
げられる。アリール基としては単環もしくは縮合環のア
リール基が好ましく、ベンゼン環を含むものが特に好ま
しい。例えばフェニル基、3,5−ジクロロフェニル
基、2−メタンスルホンアミドフェニル基、2−カルバ
モイルフェニル基、4−シアノフェニル基、2−ヒドロ
キシメチルフェニル基などが挙げられる。
【0046】ヘテロ環基として好ましくは、少なくとも
1つの窒素、酸素、および硫黄原子を含む5〜6員の、
飽和もしくは不飽和の、単環もしくは縮合環のヘテロ環
基で、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基であって
もよく、例えばモルホリノ基、ピペリジノ基(N−置
換)、ピペラジノ基、イミダゾリル基、インダゾリル基
(4−ニトロインダゾリル基等)、ピラゾリル基、トリ
アゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、テトラゾリル基、
ピリジル基、ピリジニオ基(N−メチル−3−ピリジニ
オ基等)、キノリニオ基、キノリル基などがある。モル
ホリノ基、ピペリジノ基、ピリジル基、ピリジニオ基等
が特に好ましい。
【0047】アルコキシ基としては炭素数1〜8のアル
コキシ基が好ましく、例えばメトキシ基、2−ヒドロキ
シエトキシ基、ベンジルオキシ基等が挙げられる。アリ
ールオキシ基としてはフェノキシ基が好ましく、アミノ
基としては無置換アミノ基、および炭素数1〜10のア
ルキルアミノ基、アリールアミノ基、または飽和もしく
は不飽和のヘテロ環アミノ基(4級化された窒素原子を
含む含窒素ヘテロ環基を含む)が好ましい。アミノ基の
例としては、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
−4−イルアミノ基、プロピルアミノ基、2−ヒドロキ
シエチルアミノ基、アニリノ基、o−ヒドロキシアニリ
ノ基、5−ベンゾトリアゾリルアミノ基、N−ベンジル
−3−ピリジニオアミノ基等が挙げられる。ヒドラジノ
基としては置換もしくは無置換のヒドラジノ基、または
置換もしくは無置換のフェニルヒドラジノ基(4−ベン
ゼンスルホンアミドフェニルヒドラジノ基など)が特に
好ましい。
【0048】R10で表される基は置換されていてもよ
く、好ましい置換基としてはR20の置換基として例示し
たものがあてはまる。
【0049】一般式(D)においてR10はG10−R10
部分を残余分子から分裂させ、−G 10−R10部分の原子
を含む環式構造を生成させる環化反応を生起するような
ものであってもよく、その例としては、例えば特開昭6
3−29751号公報などに記載のものが挙げられる。
【0050】一般式(D)で表されるヒドラジン誘導体
は、ハロゲン化銀に対して吸着する吸着性の基が組み込
まれていてもよい。かかる吸着基としては、アルキルチ
オ基、アリールチオ基、チオ尿素基、チオアミド基、メ
ルカプト複素環基、トリアゾール基などの米国特許第
4,385,108号明細書、同第4,459,347
号明細書、特開昭59−195233号公報、同59−
200231号公報、同59−201045号公報、同
59−201046号公報、同59−201047号公
報、同59−201048号公報、同59−20104
9号公報、特開昭61−170733号公報、同61−
270744号公報、同62−948号公報、同63−
234244号公報、同63−234245号公報、同
63−234246号公報に記載された基があげられ
る。またこれらハロゲン化銀への吸着基は、プレカーサ
ー化されていてもよい。その様なプレカーサーとして
は、特開平2−285344号公報に記載された基が挙
げられる。
【0051】一般式(D)のR10またはR20はその中に
カプラー等の不動性写真用添加剤において常用されてい
るバラスト基またはポリマーが組み込まれているもので
もよい。本発明においてバラスト基とは、6以上の炭素
数を有する、直鎖もしくは分岐の、アルキル基(または
アルキレン基)、アルコキシ基(またはアルキレンオキ
シ基)、アルキルアミノ基(またはアルキレンアミノ
基)、アルキルチオ基、あるいはこれらを部分構造とし
て有する基を表し、さらに好ましくは炭素数7以上で炭
素数24以下の、直鎖もしくは分岐の、アルキル基(ま
たはアルキレン基)、アルコキシ基(またはアルキレン
オキシ基)、アルキルアミノ基(またはアルキレンアミ
ノ基)、アルキルチオ基、あるいはこれらを部分構造と
して有する基を表す。またポリマーとしては、例えば特
開平1−100530号公報に記載のものが挙げられ
る。
【0052】一般式(D)のR10またはR20は、置換基
としてヒドラジノ基を複数個含んでいてもよく、この時
一般式(D)で表される化合物は、ヒドラジノ基に関し
ての多量体を表し、具体的には例えば特開昭64−86
134号公報、特開平4−16938号公報、特開平5
−197091号公報、WO95−32452号、国際
公開WO95−32453号公報、特開平9−1792
29号公報、特開平9−235264号公報、特開平9
−235265号公報、特開平9−235266号公
報、特開平9−235267号公報等に記載された化合
物が挙げられる。
【0053】一般式(D)のR10またはR20は、その中
に、カチオン性基(具体的には、4級のアンモニオ基を
含む基、4級化されたリン原子を含む基、または4級化
された窒素原子を含む含窒素ヘテロ環基等)、エチレン
オキシ基もしくはプロピレンオキシ基の繰り返し単位を
含む基、(アルキル、アリール、またはヘテロ環)チオ
基、あるいは解離性基(アルカリ性の現像液で解離しう
る酸性度の低いプロトンを有する基もしくは部分構造、
あるいはまたその塩を意味し、具体的には、例えばカル
ボキシル基(−COOH)、スルホ基(−SO3H)、
ホスホン酸基(−PO3H)、リン酸基(−OPO
3H)、ヒドロキシ基(−OH基)、メルカプト基(−
SH)、−SO2NH2基、N−置換のスルホンアミド基
(−SO2NH−基、−CONHSO2−基、−CONH
SO2NH−基、−NHCONHSO2−基、−SO2
HSO2−基)、−CONHCO−基、活性メチレン
基、含窒素ヘテロ環基に内在する−NH−基、またはこ
れらの塩等)が含まれていてもよい。これらの基が含ま
れる例としては、例えば特開平7−234471号公
報、特開平5−333466号公報、特開平6−190
32号公報、特開平6−19031号公報、特開平5−
45761号公報、米国特許第4,994,365号明
細書、米国特許第4,988,604号明細書、特開平
7−259240号公報、特開平7−5610号公報、
特開平7−244348号公報、独特許4006032
号明細書、特開平11−7093号公報等に記載の化合
物が挙げられる。
【0054】一般式(D)においてA10、A20は水素原
子、炭素数20以下のアルキルまたはアリールスルホニ
ル基(好ましくはフェニルスルホニル基、またはハメッ
トの置換基定数の和が−0.5以上となるように置換さ
れたフェニルスルホニル基)、炭素数20以下のアシル
基(好ましくはベンゾイル基、またはハメットの置換基
定数の和が−0.5以上となるように置換されたベンゾ
イル基、あるいは直鎖、分岐、または環状の置換もしく
は無置換の脂肪族アシル基(ここに置換基としては、例
えばハロゲン原子、エーテル基、スルホンアミド基、カ
ルボンアミド基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホ
基等が挙げられる))である。A10、A 20としては水素
原子が最も好ましい。
【0055】次に、本発明において特に好ましく用いら
れるヒドラジン誘導体について述べる。R20は置換フェ
ニル基が特に好ましく、置換基としてはスルホンアミド
基、アシルアミノ基、ウレイド基、カルバモイル基、チ
オウレイド基、イソチオウレイド基、スルファモイルア
ミノ基、N−アシルスルファモイルアミノ基等が特に好
ましく、さらにスルホンアミド基、ウレイド基が好まし
く、スルホンアミド基が最も好ましい。一般式(D)で
表されるヒドラジン誘導体は、R20またはR10に、置換
基として、直接または間接的に、バラスト基、ハロゲン
化銀への吸着基、4級のアンモニオ基を含む基、4級化
された窒素原子を含む含窒素ヘテロ環基、エチレンオキ
シ基の繰り返し単位を含む基、(アルキル、アリール、
またはヘテロ環)チオ基、アルカリ性の現像処理液中で
解離しうる解離性基、もしくは多量体を形成しうるヒド
ラジノ基(−NHNH−G10−R10で表される基)の少
なくとも1つが置換されていることが特に好ましい。さ
らには、R20の置換基として、直接または間接的に、前
述の何れか1つの基を有することが好ましく、最も好ま
しいのは、R20がベンゼンスルホンアミド基で置換され
たフェニル基を表し、そのベンゼンスルホンアミド基の
ベンゼン環上の置換基として、直接または間接的に、前
述の何れか1つの基を有する場合である。
【0056】R10で表される基のうち好ましいものは、
10が−CO−基の場合には、水素原子、アルキル基、
アルケニル基、アルキニル基、アリール基、またはヘテ
ロ環基であり、さらに好ましくは水素原子、アルキル
基、置換アリール基(置換基としては電子吸引性基また
はo−ヒドロキシメチル基が特に好ましい)であり、最
も好ましくは水素原子またはアルキル基である。G10
−COCO−基の場合にはアルコキシ基、アリールオキ
シ基、アミノ基が好ましく、特に置換アミノ基、詳しく
はアルキルアミノ基、アリールアミノ基、または飽和も
しくは不飽和のヘテロ環アミノ基が好ましい。またG10
が−SO2−基の場合には、R10はアルキル基、アリー
ル基または置換アミノ基が好ましい。
【0057】一般式(D)においてG10は好ましくは−
CO−基または−COCO−基であり、特に好ましくは
−CO−基である。
【0058】次に一般式(D)で示される化合物の具体
例を以下に示す。ただし、本発明で用いることができる
化合物は、以下の具体例に限定されるものではない。
【0059】
【化6】
【0060】
【化7】
【0061】
【化8】
【0062】
【化9】
【0063】
【化10】
【0064】
【化11】
【0065】
【化12】
【0066】
【化13】
【0067】
【化14】
【0068】
【化15】
【0069】
【化16】
【0070】
【化17】
【0071】
【化18】
【0072】
【化19】
【0073】
【化20】
【0074】
【化21】
【0075】
【化22】
【0076】
【化23】
【0077】
【化24】
【0078】
【化25】
【0079】
【化26】
【0080】
【化27】
【0081】
【化28】
【0082】
【化29】
【0083】
【化30】
【0084】
【化31】
【0085】
【化32】
【0086】
【化33】
【0087】
【化34】
【0088】本発明に用いられるヒドラジン誘導体とし
ては、上記のものの他に、下記のヒドラジン誘導体も好
ましく用いられる。本発明に用いられるヒドラジン誘導
体はまた、下記の公報に記載された種々の方法により合
成することができる。
【0089】特公平6−77138号公報に記載の(化
1)で表される化合物で、具体的には同公報3頁、4頁
に記載の化合物;特公平6−93082号公報に記載の
一般式(I)で表される化合物で、具体的には同公報8
頁〜18頁に記載の1〜38の化合物;特開平6−23
0497号公報に記載の一般式(4)、一般式(5)お
よび一般式(6)で表される化合物で、具体的には同公
報25頁、26頁に記載の化合物4−1〜化合物4−1
0、28頁〜36頁に記載の化合物5−1〜5−42、
および39頁、40頁に記載の化合物6−1〜化合物6
−7;特開平6−289520号公報に記載の一般式
(1)および一般式(2)で表される化合物で、具体的
には同公報5頁〜7頁に記載の化合物1−1)〜1−1
7)および2−1);特開平6−313936号公報に
記載の(化2)および(化3)で表される化合物で、具
体的には同公報6頁〜19頁に記載の化合物;特開平6
−313951号公報に記載の(化1)で表される化合
物で、具体的には同公報3頁〜5頁に記載の化合物;特
開平7−5610号公報に記載の一般式(I)で表され
る化合物で、具体的には同公報5頁〜10頁に記載の化
合物I−1〜I−38;特開平7−77783号公報に
記載の一般式(II)で表される化合物で、具体的には同
公報10頁〜27頁に記載の化合物II−1〜II−10
2;特開平7−104426号公報に記載の一般式
(H)および一般式(Ha)で表される化合物で、具体
的には同公報8頁〜15頁に記載の化合物H−1〜H−
44;特開平9−22082号公報に記載の、ヒドラジ
ン基の近傍にアニオン性基またはヒドラジンの水素原子
と分子内水素結合を形成するノニオン性基を有すること
を特徴とする化合物で、特に一般式(A)、一般式
(B)、一般式(C)、一般式(D)、一般式(E)、
一般式(F)で表される化合物で、具体的には同公報に
記載の化合物N−1〜N−30;特開平9−22082
号公報に記載の一般式(1)で表される化合物で、具体
的には同公報に記載の化合物D−1〜D−55を挙げる
ことができる。この他、国際公開WO95−32452
号公報、国際公開WO95−32453号公報、特開平
9−179229号公報、特開平9−235264号公
報、特開平9−235265号公報、特開平9−235
266号公報、特開平9−235267号公報、特開平
9−319019号公報、特開平9−319020号公
報、特開平10−130275号公報、特開平11−7
093号公報、特開平6−332096号公報、特開平
7−209789号公報、特開平8−6193号公報、
特開平8−248549号公報、特開平8−24855
0号公報、特開平8−262609号公報、特開平8−
314044号公報、特開平8−328184号公報、
特開平9−80667号公報、特開平9−127632
号公報、特開平9−146208号公報、特開平9−1
60156号公報、特開平10−161260号公報、
特開平10−221800号公報、特開平10−213
871号公報、特開平10−254082号公報、特開
平10−254088号公報、特開平7−120864
号公報、特開平7−244348号公報、特開平7−3
33773号公報、特開平8−36232号公報、特開
平8−36233号公報、特開平8−36234号公
報、特開平8−36235号公報、特開平8−2720
22号公報、特開平9−22083号公報、特開平9−
22084号公報、特開平9−54381号公報、特開
平10−175946号公報記載のヒドラジン誘導体も
挙げることができる。
【0090】本発明においてヒドラジン系造核剤は、適
当な水混和性有機溶媒、例えばアルコール類(メタノー
ル、エタノール、プロパノール、フッ素化アルコー
ル)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン)、ジ
メチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メチルセ
ルソルブなどに溶解して用いることができる。また、既
によく知られている乳化分散法によって、ジブチルフタ
レート、トリクレジルフォスフェート、グリセリルトリ
アセテートあるいはジエチルフタレートなどのオイル、
酢酸エチルやシクロヘキサノンなどの補助溶媒を用いて
溶解し、機械的に乳化分散物を作製して用いることがで
きる。あるいは固体分散法として知られている方法によ
って、ヒドラジン誘導体の粉末を水の中にボールミル、
コロイドミル、あるいは超音波によって分散して用いる
こともできる。
【0091】本発明においてヒドラジン系造核剤は、支
持体に対してハロゲン化銀乳剤層側であればどの層に添
加してもよい。例えば、ハロゲン化銀乳剤層、あるいは
他の親水性コロイド層に添加することができるが、ハロ
ゲン化銀乳剤層あるいはそれに隣接する親水性コロイド
層に添加することが好ましい。また、2種類以上のヒド
ラジン系造核剤を併用して使用することもできる。本発
明における造核剤の添加量は、ハロゲン化銀1molに
対し1×10-5〜1×10-2molが好ましく、1×1
-5〜5×10-3molがより好ましく、2×10-5
5×10-3molが最も好ましい。
【0092】本発明のハロゲン化銀写真感光材料中に
は、造核促進剤を内蔵することができる。本発明に用い
られる造核促進剤としては、アミン誘導体、オニウム
塩、ジスルフィド誘導体またはヒドロキシメチル誘導体
などが挙げられる。具体的には、特開平7−77783
号公報48頁2行〜37行に記載の化合物で、具体的に
は49頁〜58頁に記載の化合物A−1)〜A−7
3);特開平7−84331号公報に記載の(化2
1)、(化22)および(化23)で表される化合物
で、具体的には同公報6頁〜8頁に記載の化合物;特開
平7−104426号公報に記載の一般式〔Na〕およ
び一般式〔Nb〕で表される化合物で、具体的には同公
報16頁〜20頁に記載のNa−1〜Na−22の化合
物およびNb−1〜Nb−12の化合物;特開平8−2
72023号公報に記載の一般式(1)、一般式
(2)、一般式(3)、一般式(4)、一般式(5)、
一般式(6)および一般式(7)で表される化合物で、
具体的には同公報に記載の1−1〜1−19の化合物、
2−1〜2−22の化合物、3−1〜3−36の化合
物、4−1〜4−5の化合物、5−1〜5−41の化合
物、6−1〜6−58の化合物、および7−1〜7−3
8の化合物;特開平9−297377号公報のp55、
カラム108の8行〜p69、カラム136の44行ま
でに記載の造核促進剤を挙げることができる。
【0093】本発明に用いられる造核促進剤としては、
下記の一般式(a)〜一般式(f)で表される4級塩化
合物が好ましく、特に一般式(b)で表される化合物が
最も好ましい。
【0094】
【化35】
【0095】
【化36】
【0096】一般式(a)においてQ1は窒素原子また
はリン原子を表し、R100、R110、R120はそれぞれ脂
肪族基、芳香族基またはヘテロ環基を表し、これらは互
いに結合して環状構造を形成してもよい。MはMに含ま
れる炭素原子で Q1と結合するm10価の有機基を表し、
ここにm10は1〜4の整数を表す。一般式(b)、一般
式(c)、または一般式(d)において、 A1、A2
3、A4、A5はそれぞれ、4級化された窒素原子を含
む不飽和ヘテロ環を完成させるための有機残基を表し、
10およびL20は2価の連結基を表し、R111、R222
333は置換基を表す。一般式(a)、一般式(b)、
一般式(c)、または一般式(d)で表される4級塩化
合物は、分子内にエチレンオキシ基またはプロピレンオ
キシ基の繰り返し単位を、計20個以上有しているが、
これは複数箇所にまたがって有していてもよい。
【0097】一般式(e)においてQ2は窒素原子また
はリン原子を表す。R200、R210、R220は一般式
(a)のR100、R110、R120と同義の基を表す。一般
式(f)においてA6は一般式(b)におけるA1または
2と同義の基を表す。但しA6が形成する含窒素不飽和
ヘテロ環は置換基を有してもよいが、置換基上に1級の
水酸基を有することはない。一般式(e)および一般式
(f)においてL30はアルキレン基を表し、Yは−C
(=O)−または−SO2−を表し、L40は少なくとも
1つの親水性基を含有する2価の連結基を表す。一般式
(a)〜一般式(f)においてXn-は、n価の対アニオ
ンを表し、nは1〜3の整数を表す。但し、分子内に別
にアニオン基を有し、(Q1+、(Q2+またはN+
分子内塩を形成する場合、Xn-は必要ない。
【0098】一般式(a)においてR100、R110、R
120で表される脂肪族基とは、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、
sec−ブチル基、tert−ブチル基、オクチル基、
2−エチルヘキシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、
オクタデシル基などの直鎖または分枝状のアルキル基;
置換もしくは無置換のベンジル基などのアラルキル基;
シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル
基などのシクロアルキル基;アリル基、ビニル基、5−
ヘキセニル基などのアルケニル基;シクロペンテニル
基、シクロヘキセニル基などのシクロアルケニル基;フ
ェニルエチニル基等のアルキニル基が挙げられる。芳香
族基としてはフェニル基、ナフチル基、フエナントリル
基などのアリール基が、またヘテロ環基としては、ピリ
ジル基、キノリル基、フリル基、イミダゾリル基、チア
ゾリル基、チアジアゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、
ベンゾチアゾリル基、モルホリル基、ピリミジル基、ピ
ロリジル基などが挙げられる。
【0099】これらの基上に置換した置換基の例として
は、R100、R110、R120で表される基の他に、フッ素
原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン
原子、ニトロ基、(アルキルもしくはアリール)アミノ
基、アルコキシ基、アリールオキシ基、(アルキルまた
はアリール)チオ基、カルボンアミド基、カルバモイル
基、ウレイド基、チオウレイド基、スルホニルウレイド
基、スルホンアミド基、スルファモイル基、ヒドロキシ
ル基、スルホニル基、カルボキシル基(カルボキシラー
トを含む)、スルホ基(スルホナートを含む)、シアノ
基、オキシカルボニル基、アシル基、ヘテロ環基(4級
化された窒素原子を含むヘテロ環基を含む)等が挙げら
れる。これら置換基はこれら置換基でさらに置換されて
いてもよい。一般式(a)のR100、R110、R120で表
される基は、互いに結合して環状構造を形成していても
よい。
【0100】一般式(a)のMで表される基の例として
は、m10が1を表す時、R100、R1 10、R120と同義の
基が挙げられる。m10が2以上の整数を表す時、MはM
に含まれる炭素原子でQ1と結合するm10価の連結基を
表し、具体的には、アルキレン基、アリーレン基、ヘテ
ロ環基、さらにはこれらの基と−CO−基、−O−基、
−N(RN)−基、−S−基、−SO−基、−SO2−、
−P=O−基を組みあわせて形成されるm10価の連結基
を表す( RNは水素原子または R100、R110、R120
と同義の基を表し、分子内に複数のRNが存在する時、
これらは同じであっても異なっていてもよく、さらには
互いに結合していてもよい)。Mは任意の置換基を有し
ていてもよく、その置換基としては、R100、R110、R
120で表される基が有していてもよい置換基と同じもの
が挙げられる。
【0101】一般式(a)においてR100、R110、R
120は、好ましくは炭素数20以下の基であり、Q1がリ
ン原子を表す時、炭素数15以下のアリール基が特に好
ましく、Q1が窒素原子を表す時、炭素数15以下のア
ルキル基、アラルキル基、アリール基が特に好ましい。
10は1または2が好ましく、m10が1を表す時、Mは
好ましくは炭素数20以下の基であり、総炭素数15以
下のアルキル基、アラルキル基、またはアリール基が特
に好ましい。m10が2を表す時、Mで表される2価の有
機基は、好ましくはアルキレン基、アリーレン基、さら
にはこれらの基と−CO−基、−O−基、−N(RN)
−基、−S−基、−SO2−基を組みあわせて形成され
る2価の基である。m10が2を表す時、MはMに含まれ
る炭素原子でQ1と結合する総炭素数20以下の2価の
基であることが好ましい。なおM、あるいはR100、R
110、R120が、エチレンオキシ基もしくはプロピレンオ
キシ基の繰り返し単位を複数個含む場合、以上述べた総
炭素数の好ましい範囲は、その限りではない。またm10
が2以上の整数を表す時、分子内にR100、R110、R
120はそれぞれ複数存在するが、その複数のR100、R
110、R120はそれぞれ同じであっても異なっていてもよ
い。
【0102】一般式(a)で表される4級塩化合物は、
分子内にエチレンオキシ基もしくはプロピレンオキシ基
の繰り返し単位を計20個以上有するが、これは1箇所
に置換されていても、あるいは複数箇所にまたがって置
換されていてもよい。m10が2以上の整数を表す時、M
で表される連結基に、エチレンオキシ基もしくはプロピ
レンオキシ基の繰り返し単位を計20個以上有している
ことがより好ましい。
【0103】一般式(b)、一般式(c)または一般式
(d)において、A1、A2、A3、A4、A5は4級化さ
れた窒素原子を含む、置換もしくは無置換の不飽和ヘテ
ロ環を完成させるための有機残基を表し、炭素原子、酸
素原子、窒素原子、硫黄原子および水素原子を含んでも
よく、さらにベンゼン環が縮環してもかまわない。
1、A2、A3、A4、A5が形成する不飽和ヘテロ環の
例としては、ピリジン環、キノリン環、イソキノリン
環、イミダゾール環、チアゾール環、チアジアゾール
環、ベンゾトリアゾール環、ベンゾチアゾール環、ピリ
ミジン環、ピラゾール環などを挙げることができる。特
に好ましくは、ピリジン環、キノリン環、イソキノリン
環である。A1、A2、A3、A4、A5が4級化された窒
素原子と共に形成する不飽和ヘテロ環は、置換基を有し
ていてもよい。この場合の置換基の例としては、一般式
(a)のR100、R110、R120で表される基が有してい
てもよい置換基と同じものが挙げられる。置換基として
好ましくは、ハロゲン原子(特にクロロ原子)、炭素数
20以下のアリール基(特にフェニル基が好ましい)、
アルキル基、アルキニル基、カルバモイル基、(アルキ
ルもしくはアリール)アミノ基、(アルキルもしくはアリ
ール)オキシカルボニル基、アルコキシ基、アリールオ
キシ基、(アルキルもしくはアリール)チオ基、ヒドロキ
シ基、メルカプト基、カルボンアミド基、スルホンアミ
ド基、スルホ基(スルホナートを含む)、カルボキシル基
(カルボキシラートを含む)、シアノ基、等が挙げられ
る。特に好ましくは、フェニル基、アルキルアミノ基、
カルボンアミド基、クロロ原子、アルキルチオ基等であ
り、最も好ましくはフェニル基である。
【0104】L10、L20で表される2価の連結基は、ア
ルキレン、アリーレン、アルケニレン、アルキニレン、
2価のヘテロ環基、−SO2−、−SO−、−O−、−
S−、−N(RN')−、−C(=O)−、−PO−を
単独または組合せて構成されるものが好ましい。ただし
RN'はアルキル基、アラルキル基、アリール基、水素
原子を表す。L10、L20で表される2価の連結基は任意
の置換基を有していてもよい。置換基の例としては、一
般式(a)のR100、R110、R120で表される基が有し
ていてもよい置換基と同じものが挙げられる。L10、L
20の特に好ましい例として、アルキレン、アリーレン、
−C(=O)−、−O−、−S−、−SO2−、−N
(RN')−を単独または組合せて構成されるものを挙
げることができる。
【0105】R111、R222、R333は炭素数1〜20の
アルキル基またはアラルキル基が好ましく、各々同じで
も異なっていてもよい。R111、R222、R333は置換基
を有していてもよく、置換基としては、一般式(a)の
100、R110、R120で表される基が有していてもよい
置換基と同じものが挙げられる。特に好ましくは、R
111、R222、R333は各々炭素数1〜10のアルキル基
またはアラルキル基である。その好ましい置換基の例と
しては、カルバモイル基、オキシカルボニル基、アシル
基、アリール基、スルホ基(スルホナートを含む)、カ
ルボキシル基(カルボキシラートを含む)、ヒドロキシ
基、(アルキルまたはアリール)アミノ基、アルコキシ
基を挙げることができる。但しR111、R222、R333
エチレンオキシ基もしくはプロピレンオキシ基の繰り返
し単位を複数個含む場合、以上のR111、R222、R333
について述べた炭素数の好ましい範囲は、その限りでは
ない。
【0106】一般式(b)または一般式(c)で表され
る4級塩化合物は、分子内にエチレンオキシ基もしくは
プロピレンオキシ基の繰り返し単位を計20個以上有す
るが、これは1箇所に置換されていても、あるいは複数
箇所に置換されていてもよく、A1、A2、A3、A4、R
111、R222、L10、L20のいずれに置換されていてもよ
いが、好ましくは、L10またはL20で表される連結基
に、エチレンオキシ基もしくはプロピレンオキシ基の繰
り返し単位を計20個以上有していることが好ましい。
【0107】一般式(d)で表される4級塩化合物は、
分子内にエチレンオキシ基もしくはプロピレンオキシ基
の繰り返し単位を計20個以上有するが、これは1箇所
に置換されていても、あるいは複数箇所に置換されてい
てもよく、A5またはR333の何れに置換されていてもよ
いが、好ましくは、R333で表される基に、エチレンオ
キシ基もしくはプロピレンオキシ基の繰り返し単位を計
20個以上有していることが好ましい。
【0108】一般式(a)、一般式(b)、一般式
(c)、および一般式(d)で表される4級塩化合物
は、エチレンオキシ基とプロピレンオキシ基とを、同時
に繰り返し含んでいてもよい。またエチレンオキシ基ま
たはプロピレンオキシ基の繰り返し単位を複数個含む場
合に、繰り返し個数は、厳密に1つの値を取っていて
も、あるいは平均値として与えられてもよく、後者の場
合、4級塩化合物としては、ある程度の分子量分布を持
つ、混合物となる。本発明においてはエチレンオキシ基
の繰り返し単位を計20個以上有する場合がより好まし
く、さらに計20個〜計67個有する場合が好ましい。
【0109】一般式(e)においてQ2、R200
210、R220は、それぞれ一般式(a)におけるQ1
100、R110、R120と同義の基を表し、その好ましい
範囲もまた同じである。一般式(f)においてA6は、
一般式(b)におけるA1またはA2と同義の基を表し、
その好ましい範囲もまた同じである。但し、一般式
(f)のA6が4級化された窒素原子と共に形成する含
窒素不飽和ヘテロ環は、置換基を有していてもよいが、
1級の水酸基を含む置換基を有することはない。
【0110】一般式(e)および一般式(f)において
30はアルキレン基を表す。アルキレン基としては、直
鎖、分岐、あるいは環状の、置換もしくは無置換のアル
キレン基で、炭素数1〜20のものが好ましい。またエ
チレン基に代表される飽和のもののみならず、−CH2
64CH2−や−CH2CH=CHCH2−に代表され
る不飽和の基が含まれているものでもよい。またL30
置換基を有する時、その置換基としては一般式(a)の
100、R110、R120で表される基が有していてもよい
置換基の例が挙げられる。L30としては炭素数が1〜1
0の、直鎖または分岐の飽和の基が好ましい。さらに好
ましくは、置換もしくは無置換の、メチレン基、エチレ
ン基、トリメチレン基で、特に好ましくは置換もしくは
無置換の、メチレン基またはエチレン基で、最も好まし
くは置換もしくは無置換のメチレン基である。
【0111】一般式(e)および一般式(f)において
40は、少なくとも1つの親水性基を有する2価の連結
基を表す。ここに親水性基とは−SO2−、−SO−、
−O−、−P(=O)=、−C(=O)−、−CONH
−、−SO2NH−、−NHSO2NH−、−NHCON
H−、アミノ基、グアジニノ基、アンモニオ基、4級化
された窒素原子を含むヘテロ環基の各基、あるいはこれ
らの基の組み合わせからなる基を表す。これらの親水性
基とアルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、へ
テロ環基を適宜組み合わせてL40が構成される。L40
構成するアルキレン基、アリーレン基、アルケニレン
基、へテロ環基等の基は、置換基を有していてもよい。
置換基としては、一般式(a)のR100、R110、R120
で表される基が有していてもよい置換基の例と同じもの
が挙げられる。L40において親水性基はL40を分断する
形態で存在していても、L40上の置換基の一部として存
在していてもよいが、L40を分断する形態で存在してい
ることがより好ましい。例えば−C(=O)−、−SO
2−、−SO−、−O−、−P(=O)=、−CONH
−、−SO2NH−、−NHSO2NH−、−NHCON
H−、カチオン性基(具体的には窒素またはリンの4級
塩構造、あるいは4級化された窒素原子を含む含窒素ヘ
テロ環)、アミノ基、グアジニノ基の各基、あるいはこ
れらの基の組み合わせからなる2価の基が、L40を分断
する形態で存在している場合である。
【0112】L40が有する親水性基として好ましい例の
1つは、エーテル結合とアルキレン基を組み合わせた、
エチレンオキシ基やプロピレンオキシ基の繰り返し単位
を複数個有する基である。その重合度もしくは平均重合
度は、2〜67個が好ましい。L40が有する親水性基と
してはまた、−SO2−、−SO−、−O−、−P(=
O)=、−C(=O)−、−CONH−、−SO2NH
−、−NHSO2NH−、−NHCONH−、アミノ
基、グアジニノ基、アンモニオ基、4級化された窒素原
子を含むヘテロ環基等の基を組み合わせた結果として、
あるいはまたはL40の有する置換基として、解離性基を
含む場合も好ましい。ここで解離性基とは、アルカリ性
の現像液で解離しうる酸性度の低いプロトンを有する基
もしくは部分構造、あるいはまたその塩を意味し、具体
的には、例えばカルボキシ基(−COOH)、スルホ基
(−SO3H)、ホスホン酸基(−PO3H)、リン酸基
(−OPO3H)、ヒドロキシ基(−OH基)、メルカ
プト基(−SH)、−SO2NH 2基、N−置換のスルホ
ンアミド基(−SO2NH−基、−CONHSO2−基、
−SO2NHSO2−基)、−CONHCO−基、活性メ
チレン基、含窒素ヘテロ環基に内在する−NH−基、ま
たはこれらの塩のことである。
【0113】L40は好ましくはアルキレン基またはアリ
ーレン基と、−C(=O)−、−SO2−、−O−、−
CONH−、−SO2NH−、−NHSO2NH−、−N
HCONH−、およびアミノ基を適宜組み合わせたもの
が用いられる。より好ましくは炭素数2〜5のアルキレ
ン基と−C(=O)−、−SO2−、−O−、−CON
H−、−SO2NH−、−NHSO2NH−、−NHCO
NH−を適宜組み合わせたものが用いられる。Yは−C
(=O)−または−SO2−を表す。好ましくは−C
(=O)−が用いられる。
【0114】一般式(a)〜一般式(f)においてXn-
で表される対アニオンの例としては、塩素イオン、臭素
イオン、ヨウ素イオンなどのハロゲンイオン、アセテー
トイオン、オキサレートイオン、フマレートイオン、ベ
ンゾエートイオンなどのカルボキシレートイオン、p−
トルエンスルホネート、メタンスルホネート、ブタンス
ルホネート、ベンゼンスルホネートなどのスルホネート
イオン、硫酸イオン、過塩素酸イオン、炭酸イオン、硝
酸イオン等が挙げられる。Xn-で表される対アニオンと
しては、ハロゲンイオン、カルボキシレートイオン、ス
ルホネートイオン、硫酸イオンが好ましく、nは1また
は2が好ましい。Xn-としては、クロロイオンまたはブ
ロモイオンが特に好ましく、クロロイオンが最も好まし
い。ただし、分子内に別にアニオン基を有し、
(Q1+、(Q2+またはN+と分子内塩を形成する場
合、Xn-は必要ない。
【0115】本発明で用いる4級塩化合物としては、一
般式(b)、一般式(c)、一般式(f)で表される4
級塩化合物がより好ましく、中でも一般式(b)および
一般式(f)で表される4級塩化合物が特に好ましい。
さらに一般式(b)においては、 L10で表される連結
基にエチレンオキシ基の繰り返し単位を20個以上有す
る場合が好ましく、さらに20個〜67個有する場合が
特に好ましい。また一般式(f)においては、A6が形
成する不飽和へテロ環化合物が4−フェニルピリジン、
イソキノリン、キノリンを表す時が特に好ましい。
【0116】次に一般式(a)〜一般式(f)で表され
る4級塩化合物の具体例を示す。以下において、Phは
フェニル基を表す。ただし本発明は以下の化合物例によ
って限定されるものではない。
【0117】
【化37】
【0118】
【化38】
【0119】
【化39】
【0120】
【化40】
【0121】
【化41】
【0122】
【化42】
【0123】
【化43】
【0124】
【化44】
【0125】一般式(a)〜一般式(f)で表される4
級塩化合物は、公知の方法により容易に合成することが
できる。具体的には後述する合成例1〜6を参考にする
ことができる。
【0126】本発明に使用できる造核促進剤は、適当な
水混和性有機溶媒、例えばアルコール類(メタノール、
エタノール、プロパノール、フッ素化アルコール)、ケ
トン類(アセトン、メチルエチルケトン)、ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルスルホキシド、メチルセルソルブ
などに溶解して用いることができる。
【0127】また、既によく知られている乳化分散法に
よって、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェ
ート、グリセリルトリアセテートあるいはジエチルフタ
レートなどのオイル、酢酸エチルやシクロヘキサノンな
どの補助溶媒を用いて溶解し、機械的に乳化分散物を作
製して用いることができる。あるいは固体分散法として
知られている方法によって、造核促進剤の粉末を水の中
にボールミル、コロイドミル、あるいは超音波によって
分散し用いることができる。
【0128】本発明に使用できる造核促進剤は、支持体
に対してハロゲン化銀乳剤層側のハロゲン化銀乳剤を含
まない親水性コロイド層からなる非感光層に添加するこ
とが好ましく、特に該ハロゲン化銀乳剤層と支持体の間
の親水性コロイド層からなる非感光層に添加することが
好ましい。本発明の造核促進剤の添加量はハロゲン化銀
1molに対し1×10-6〜2×10-2molが好まし
く、1×10-5〜2×10-2molがより好ましく、2
×10-5〜1×10-2molが最も好ましい。また、2
種類以上の造核促進剤を併用して使用することもでき
る。
【0129】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用い
るハロゲン化銀乳剤用のハロゲン化銀には、特に制限は
ない。塩化銀、塩臭化銀、臭化銀、沃塩臭化銀、沃臭化
銀を用いることができるが、塩化銀50mol%以上を
含有する塩臭化銀、沃塩臭化銀を用いることが好まし
い。ハロゲン化銀粒子の形状は、立方体、十四面体、八
面体、不定型、板状いずれでもよいが、立方体が好まし
い。ハロゲン化銀の平均粒径は0.1μm〜0.7μm
が好ましいが、より好ましくは0.1〜0.5μmであ
る。また、{(粒径の標準偏差)/(平均粒径)}×1
00で表される変動係数は15%以下であることが好ま
しく、10%以下の粒径分布の狭いものがより好まし
い。ハロゲン化銀粒子は内部と表層が均一な相からなっ
ていても異なっていてもよい。また粒子内部あるいは表
面にハロゲン組成の異なる局在層を有していてもよい。
本発明に用いられる写真乳剤は、 P. Glafkides 著 Ch
imie et PhysiquePhotographique (Paul Montel社
刊、1967年)、G. F. Dufin 著 PhotographicEmulsion
Chemistry (The Forcal Press刊、1966年)、V. L. Zeli
kman et al著Making and Coating Photographic Emulsi
on (The Forcal Press刊、1964年) などに記載された方
法を用いて調製することができる。すなわち、酸性法、
中性法等のいずれでもよく、また、可溶性銀塩と可溶性
ハロゲン塩を反応させる方法としては、片側混合法、同
時混合法、それらの組み合わせなどのいずれを用いても
よい。粒子を銀イオン過剰の下において形成させる方法
(いわゆる逆混合法)を用いることもできる。
【0130】同時混合法の1つの形式としてハロゲン化
銀が生成する液相中のpAgを一定に保つ方法、すなわ
ち、いわゆるコントロールド・ダブルジェット法を用い
ることもできる。またアンモニア、チオエーテル、四置
換チオ尿素等のいわゆるハロゲン化銀溶剤を使用して粒
子形成させることが好ましい。ハロゲン化銀溶剤として
より好ましいのは四置換チオ尿素化合物であり、特開昭
53−82408号公報、同55−77737号公報に
記載されている。好ましいチオ尿素化合物はテトラメチ
ルチオ尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジンチ
オンである。ハロゲン化銀溶剤の添加量は用いる化合物
の種類および目的とする粒子サイズ、ハロゲン組成によ
り異なるが、ハロゲン化銀1molあたり10-5〜10
-2molが好ましい。
【0131】コントロールド・ダブルジェット法および
ハロゲン化銀溶剤を使用した粒子形成方法では、結晶型
が規則的で粒子サイズ分布の狭いハロゲン化銀乳剤を作
るのが容易であり、本発明に用いられるハロゲン化銀乳
剤を作るのに有用な手段である。また、粒子サイズを均
一にするためには、英国特許第1,535,016号明
細書、特公昭48−36890号公報、同52−163
64号公報に記載されているように、硝酸銀やハロゲン
化アルカリの添加速度を粒子成長速度に応じて変化させ
る方法や、英国特許第4,242,445号明細書、特
開昭55−158124号公報に記載されているように
水溶液の濃度を変化させる方法を用いて、臨界飽和度を
超えない範囲において早く成長させることが好ましい。
【0132】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、
VIII族に属する金属を含有してもよい。特に、高コント
ラストおよび低カブリを達成するために、ロジウム化合
物、イリジウム化合物、ルテニウム化合物などを含有す
ることが好ましい。また、高感度化のためには、K
4[Fe(CN)6]やK4[Ru(CN)6]、K3[C
r(CN)6]のような六シアノ化金属錯体でドープす
るのが効果的である。
【0133】本発明に用いられるロジウム化合物とし
て、水溶性ロジウム化合物を用いることができる。例え
ば、ハロゲン化ロジウム(III)化合物、またはロジウ
ム錯塩で配位子としてハロゲン、アミン類、オキザラ
ト、アコ等を持つもの、例えば、ヘキサクロロロジウム
(III)錯塩、ペンタクロロアコロジウム錯塩、テトラ
クロロジアコロジウム錯塩、ヘキサブロモロジウム(II
I)錯塩、ヘキサアミンロジウム(III)錯塩、トリザラ
トロジウム(III)錯塩等が挙げられる。これらのロジ
ウム化合物は、水あるいは適当な溶媒に溶解して用いら
れるが、ロジウム化合物の溶液を安定化させるために一
般によく行われる方法、すなわち、ハロゲン化水素水溶
液(例えば塩酸、臭酸、フッ酸等)、あるいはハロゲン
化アルカリ(例えばKCl、NaCl、KBr、NaB
r等)を添加する方法を用いることができる。水溶性ロ
ジウムを用いる代わりにハロゲン化銀調製時に、あらか
じめロジウムをドープしてある別のハロゲン化銀粒子を
添加して溶解させることも可能である。
【0134】本発明に用いられるレニウム、ルテニウ
ム、オスミニウムは特開昭63−2042号公報、特開
平1−285941号公報、同2−20852号公報、
同2−20855号公報等に記載された水溶性錯塩の形
で添加される。特に好ましいものとして、以下の式で示
される六配位錯体が挙げられる。〔ML6n-ここでM
はRu、Re、またはOsを表し、Lは配位子、nは
0、1、2、3または4を表す。この場合、対イオンは
重要性を持たず、アンモニウムもしくはアルカリ金属イ
オンが用いられる。また好ましい配位子としてはハロゲ
ン化物配位子、シアン化物配位子、シアン酸化物配位
子、ニトロシル配位子、チオニトロシル配位子等が挙げ
られる。以下に本発明に用いられる錯体の具体例を示す
が、本発明で用いることができる錯体はこれらに限定さ
れるものではない。
【0135】 〔ReCl63- 〔ReBr63- 〔ReCl5(NO)〕2- 〔Re(NS)Br52- 〔Re(NO)(CN)52- 〔Re(O)2(CN)43- 〔RuCl63- 〔RuCl4(H2O)21- 〔RuCl5(NO)〕2- 〔RuBr5(NS)〕2- 〔Ru(CO)3Cl32- 〔Ru(CO)Cl52- 〔Ru(CO)Br52- 〔OsCl63- 〔OsCl5(NO)〕2- 〔Os(NO)(CN)52- 〔Os(NS)Br52- 〔Os(CN)64- 〔Os(O)2(CN)44-
【0136】これらの化合物の添加量はハロゲン化銀1
mol当り 1×10-9mol〜1×10-5molの範
囲が好ましく、特に好ましくは1×10-8mol〜1×
10 -6molである。本発明に用いられるイリジウム化
合物としては、ヘキサクロロイリジウム、ヘキサブロモ
イリジウム 、ヘキサアンミンイリジウム、ペンタクロ
ロニトロシルイリジウム等が挙げられる。本発明に用い
られる鉄化合物としては、ヘキサシアノ鉄(II)酸カリ
ウム、チオシアン酸第一鉄が挙げられる。
【0137】本発明に用いるハロゲン化銀乳剤は化学増
感されることが好ましい。化学増感の方法としては、上
記有機メルカプト金(I)錯体を用いる方法以外に、硫
黄増感法、セレン増感法、テルル増感法、貴金属増感法
などの知られている方法を用いることができ、単独また
は組み合わせて用いられる。組み合わせて使用する場合
には、例えば、硫黄増感法と金増感法、硫黄増感法とセ
レン増感法と金増感法、硫黄増感法とテルル増感法と金
増感法などが好ましい。
【0138】本発明に用いられる硫黄増感は、通常、硫
黄増感剤を添加して、40℃以上の高温で乳剤を一定時
間攪拌することにより行われる。硫黄増感剤としては公
知の化合物を使用することができ、例えば、ゼラチン中
に含まれる硫黄化合物のほか、種々の硫黄化合物、例え
ばチオ硫酸塩、チオ尿素類、チアゾール類、ローダニン
類等を用いることができる。好ましい硫黄化合物は、チ
オ硫酸塩、チオ尿素化合物である。チオ尿素化合物とし
ては米国特許第4,810,626号明細書に記載の特
定四置換チオ尿素化合物が特に好ましい。硫黄増感剤の
添加量は、化学熟成時のpH、温度、ハロゲン化銀粒子
の大きさなどの種々の条件の下で変化するが、ハロゲン
化銀1mol当り10-7〜10-2molであり、より好
ましくは10-5〜10-3molである。
【0139】本発明に用いられるセレン増感剤として
は、公知のセレン化合物を用いることができる。すなわ
ち、通常、不安定型および/または非不安定型セレン化
合物を添加して40℃以上の高温で乳剤を一定時間攪拌
することにより行われる。不安定型セレン化合物として
は特公昭44−15748号公報、同43−13489
号公報、特開平4−109240号公報、同4−324
855号公報等に記載の化合物を用いることができる。
特に特開平4−324855号公報中の一般式(VIII)
および(IX)で示される化合物を用いることが好ましい。
【0140】本発明に用いられるテルル増感剤は、ハロ
ゲン化銀粒子表面または内部に、増感核になると推定さ
れるテルル化銀を生成せしめる化合物である。ハロゲン
化銀乳剤中のテルル化銀生成速度については特開平5−
313284号公報に記載の方法で試験することができ
る。具体的には、米国特許第1,623,499号明細
書、同第3,320,069号明細書、同第3,77
2,031号明細書、英国特許第235,211号明細
書、同第1,121,496号明細書、同第1,29
5,462号明細書、同第1,396,696号明細
書、カナダ特許第800,958号明細書、特開平4−
204640号公報、同4−271341号公報、同4
−333043号公報、同5−303157号公報、ジ
ャーナル・オブ・ケミカル・ソサイアティー・ケミカル
・コミュニケーション(J.Chem.Soc.Chem.Commun.)63
5(1980),ibid 1102(1979),ibid
645(1979)、ジャーナル・オブ・ケミカル・ソ
サイアティー・パーキン・トランザクション(J.Chem.So
c.Perkin.Trans.) 1,2191(1980)、S.パタ
イ(S.Patai) 編、ザ・ケミストリー・オブ・オーガニッ
ク・セレニウム・アンド・テルリウム・カンパウンズ
(The Chemistry of Organic Serenium and Tellunium
Compounds),Vol 1(1986)、同 Vol 2(198
7)に記載の化合物を用いることができる。特に特開平
4−324855号公報中の一般式(II)(III)(I
V) で示される化合物が好ましい。
【0141】本発明で用いられるセレンおよびテルル増
感剤の使用量は、使用するハロゲン化銀粒子、化学熟成
条件等によって変わるが、一般にハロゲン化銀1mol
当たり10-8〜10-2mol、好ましくは10-7〜10
-3mol程度を用いる。本発明における化学増感の条件
としては特に制限はないが、pHとしては5〜8、pA
gとしては6〜11、好ましくは7〜10であり、温度
としては40〜95℃、好ましくは45〜85℃であ
る。本発明に用いられる貴金属増感剤としては、金、白
金、パラジウム、イリジウム等が挙げられるが、特に金
増感が好ましい。本発明に用いられる金増感剤としては
具体的には、塩化金酸、カリウムクロロオーレート、カ
リウムオーリチオシアネート、硫化金などが挙げられ、
ハロゲン化銀1mol当たり10-7〜10-2mol程度
を用いることができる。本発明に用いるハロゲン化銀乳
剤にはハロゲン化銀粒子の形成または物理熟成の過程に
おいてカドミウム塩、亜硫酸塩、鉛塩、タリウム塩など
を共存させてもよい。
【0142】本発明においては、還元増感を用いること
ができる。還元増感剤としては第一スズ塩、アミン類、
ホルムアミジンスルフィン酸、シラン化合物などを用い
ることができる。本発明のハロゲン化銀乳剤は、欧州特
許公開EP第293,917号公報に示される方法によ
り、チオスルホン酸化合物を添加してもよい。本発明に
用いられるハロゲン化銀写真感光材料中のハロゲン化銀
乳剤は、1種だけでもよいし、2種以上(例えば、平均
粒子サイズの異なるもの、ハロゲン組成の異なるもの、
晶癖の異なるもの、化学増感の条件の異なるもの、感度
の異なるもの)併用してもよい。中でも高コントラスト
を得るためには、特開平6−324426号公報に記載
されているように、支持体に近いほど高感度な乳剤を塗
布することが好ましい。
【0143】本発明の感光性ハロゲン化銀乳剤は、増感
色素によって比較的長波長の青色光、緑色光、赤色光ま
たは赤外光に分光増感されてもよい。さらに、特開昭5
5−45015号公報に記載の一般式〔I〕の化合物、
および、特開平9−160185号公報に記載の一般式
〔I〕の化合物が好ましく、特に、特開平9−1601
85号公報に記載の一般式〔I〕の化合物が好ましい。
具体的には、特開昭55−45015号公報に記載の
(1)〜(19)の化合物、特開平9−160185号
公報に記載のI−1からI−40の化合物およびI−5
6からI−85の化合物などを挙げることができる。
【0144】その他の増感色素としては、シアニン色
素、メロシアニン色素、コンプレックスシアニン色素、
コンプレックスメロシアニン色素、ホロポーラーシアニ
ン色素、スチリル色素、ヘミシアニン色素、オキソノー
ル色素、ヘミオキソノール色素等を用いることができ
る。本発明に使用されるその他の有用な増感色素は例え
ばRESEARCH DISCLOSUREItem17643IV−A項(19
78年12月p.23)、同Item18341X項(19
79年8月p.437)に記載もしくは引用された文献
に記載されている。特に各種スキャナー、イメージセッ
ターや製版カメラの光源の分光特性に適した分光感度を
有する増感色素も有利に選択することができる。
【0145】例えば、A)アルゴンレーザー光源に対し
ては、特開昭60−162247号公報に記載の(I)
−1から(I)−8の化合物、特開平2−48653号
公報に記載のI−1からI−28の化合物、特開平4−
330434号公報に記載のI−1からI−13の化合
物、米国特許2,161,331号明細書に記載のEx
ample1〜14の化合物、西独特許936,071
号明細書記載の1〜7の化合物、B)ヘリウム−ネオン
レーザー光源に対しては、特開昭54−18726号公
報に記載のI−1からI−38の化合物、特開平6−7
5322号公報に記載のI−1からI−35の化合物お
よび特開平7−287338号公報に記載のI−1から
I−34の化合物、C)LED光源に対しては特公昭5
5−39818号公報に記載の色素1〜20、特開昭6
2−284343号公報に記載のI−1からI−37の
化合物および特開平7−287338号公報に記載のI
−1からI−34の化合物、D)半導体レーザー光源に
対しては特開昭59−191032号公報に記載のI−
1からI−12の化合物、特開昭60−80841号公
報に記載のI−1からI−22の化合物、特開平4−3
35342号公報に記載のI−1からI−29の化合物
および特開昭59−192242号公報に記載のI−1
からI−18の化合物、E)製版カメラのタングステン
およびキセノン光源に対しては、上記記載の化合物の他
に特開平9−160185号公報に記載のI−41から
I−55の化合物およびI−86からI−97の化合物
および特開平6−242547号公報に記載の4−Aか
ら4−Sの化合物、5−Aから5−Qの化合物、6−A
から6−Tの化合物なども有利に選択することができ
る。
【0146】これらの増感色素は単独に用いてもよい
が、それらの組合せを用いてもよく、増感色素の組合せ
は特に、強色増感の目的でしばしば用いられる。増感色
素とともに、それ自身分光増感作用をもたない色素ある
いは可視光を実質的に吸収しない物質であって、強色増
感を示す物質を乳剤中に含んでもよい。有用な増感色
素、強色増感を示す色素の組合せおよび強色増感を示す
物質はリサーチ・ディスクロージャ(Research Disclos
ure)176巻17643(1978年12月発行)第
23頁IVのJ項、あるいは前述の特公昭49−2550
0号公報、同43−4933号公報、特開昭59−19
032号公報、同59−192242号公報等に記載さ
れている。
【0147】本発明に用いられる増感色素は2種以上を
併用してもよい。増感色素をハロゲン化銀乳剤中に添加
せしめるには、それらを直接乳剤中に分散してもよい
し、あるいは水、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、アセトン、メチルセルソルブ、2,2,3,3−テ
トラフルオロプロパノール、2,2,2−トリフルオロ
エタノール、3−メトキシ−1−プロパノール、3−メ
トキシ−1−ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノ
ール、N,N−ジメチルホルムアミド等の溶媒の単独も
しくは混合溶媒に溶解して乳剤に添加してもよい。ま
た、米国特許第3,469,987号明細書等に開示さ
れているように、色素を揮発性の有機溶剤に溶解し、該
溶液を水または親水性コロイド中に分散し、この分散物
を乳剤中へ添加する方法、特公昭44−23389号公
報、同44−27555号公報、同57−22091号
公報等に開示されているように、色素を酸に溶解し、該
溶液を乳剤中に添加したり、酸または塩基を共存させて
水溶液として乳剤中へ添加する方法、米国特許第3,8
22,135号明細書、同第4,006,025号明細
書等に開示されているように界面活性剤を共存させて水
溶液あるいはコロイド分散物としたものを乳剤中に添加
する方法、特開昭53−102733号公報、同58−
105141号公報に開示されているように親水性コロ
イド中に色素を直接分散させ、その分散物を乳剤中に添
加する方法、特開昭51−74624号公報に開示され
ているように、レッドシフトさせる化合物を用いて色素
を溶解し、該溶液を乳剤中へ添加する方法を用いること
もできる。また、溶液に超音波を用いることもできる。
【0148】本発明に用いる増感色素をハロゲン化銀乳
剤中に添加する時期は、これまで有用であることが認め
られている乳剤調製のいかなる工程中であってもよい。
例えば米国特許第2,735,766号明細書、同第
3,628,960号明細書、同第4,183,756
号明細書、同第4,225,666号明細書、特開昭5
8−184142号公報、同60−196749号公報
等に開示されているように、ハロゲン化銀の粒子形成工
程または/および脱塩前の時期、脱銀工程中および/ま
たは脱塩後から化学熟成の開始前までの時期、特開昭5
8−113920号公報等に開示されているように、化
学熟成の直前または工程中の時期、化学熟成後、塗布ま
での時期の乳剤が塗布される前ならばいかなる時期、工
程において添加されてもよい。また、米国特許第4,2
25,666号明細書、特開昭58−7629号公報等
に開示されているように、同一化合物を単独で、または
異種構造の化合物と組み合わせて、例えば粒子形成工程
中と化学熟成工程中または化学熟成完了後とに分けた
り、化学熟成の前または工程中と完了後とに分けるなど
して分割して添加してもよく、分割して添加する化合物
および化合物の組み合わせの種類を変えて添加してもよ
い。
【0149】本発明において増感色素の添加量は、ハロ
ゲン化銀粒子の形状、サイズ、ハロゲン組成、化学増感
の方法と程度、カブリ防止剤の種類等により異なるが、
ハロゲン化銀1molあたり、4×10-6〜8×10-3
molで用いることができる。例えばハロゲン化銀粒子
サイズが0.2〜1.3μmの場合には、ハロゲン化銀
粒子の表面積1m2あたり、2×10-7〜3.5×10
-6molの添加量が好ましく、6.5×10-7〜2.0
×10-6molの添加量がより好ましい。
【0150】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用い
られる各種添加剤に関しては、特に制限はなく、例え
ば、特開平3−39948号公報第10頁右下11行目
〜同公報第12頁左下5行目に記載のポリヒドロキシベ
ンゼン化合物(具体的には、同公報に記載の化合物(II
I)−1〜25の化合物);特開平1−118832号
公報に記載の一般式(I)で表される実質的には可視域
に吸収極大を持たない化合物(具体的には、同公報に記
載の化合物I−1〜I−26の化合物);特開平2−1
03536号公報第17頁右下19行目〜同公報18頁
右上4行目に記載のカブリ防止剤;特開平2−1035
36号公報第18頁左下12行目〜同頁左下20行目に
記載のポリマーラテックス;特開平9−179228号
に記載の一般式(I)で表される活性メチレン基を有す
るポリマーラテックス(具体的には同公報に記載の化合
物I−1〜I−16);特開平9−179228号公報
に記載のコア/シェル構造を有するポリマーラテックス
(具体的には同公報に記載の化合物P−1〜P−5
5);特開平7−104413号公報第14頁左1行目
〜同頁右30行目に記載の酸性ポリマーラテックス(具
体的には同公報15頁に記載の化合物II−1)〜II−
9));特開平2−103536号公報第19頁左上1
5行目〜同公報19頁右上15行目に記載のマット剤、
滑り剤、可塑剤;特開平2−103536号公報第18
頁右上5行目〜同頁右上17行目に記載の硬膜剤;特開
平2−103536号公報第18頁右下6行目〜同公報
19頁左上1行目に記載の酸基を有する化合物;特開平
2−18542号公報第2頁左下13行目〜同公報第3
頁右上7行目に記載の導電性物質(具体的には、同公報
第2頁右下2行目〜同頁右下10行目に記載の金属酸化
物、および同公報に記載の化合物P−1〜P−7の導電
性高分子化合物);特開平2−103536号公報第1
7頁右下1行目〜同頁右上18行目に記載の水溶性染
料;特開平9−179243号公報記載の一般式(F
A)、一般式(FA1)、一般式(FA2)、一般式
(FA3)で表される固体分散染料(具体的には同公報
記載の化合物F1〜F34、特開平7−152112号
公報記載の(II−2)〜(II−24)、特開平7−15
2112号公報記載の(III−5)〜(III−18)、特
開平7−152112号公報記載の(IV−2)〜(IV−
7)、特開平2−294638号公報および特開平5−
11382号公報に記載の固体分散染料);特開平5ー
274816号公報に記載の酸化されることにより現像
抑制剤を放出しうるレドックス化合物、好ましくは同公
報に記載の一般式(R−1)、一般式(R−2)、一般
式(R−3)で表されるレドックス化合物(具体的に
は、同公報に記載の化合物R−1〜R−68の化合
物);特開平2−18542号公報第3頁右下1行目〜
20行目に記載のバインダーを挙げることができる。
【0151】本発明のハロゲン化銀写真感光材料の乳剤
層および保護層を含めた親水性コロイド層の膨潤率は8
0〜150%の範囲が好ましく、より好ましくは90〜
140%の範囲である。親水性コロイド層の膨潤率は、
ハロゲン化銀写真感光材料における乳剤層および保護層
を含めた親水性コロイド層の厚み(d0)を測定し,該
ハロゲン化銀写真感光材料を25℃の蒸留水に1分間浸
漬し、膨潤した厚み(Δd)を測定し、膨潤率(%)=
(Δd÷d0)×100の計算式によって求める。
【0152】本発明のハロゲン化銀写真感光材料のハロ
ゲン化銀乳剤層が塗布されている側の膜面pHは6.0
以下であることが好ましく、4.5〜7.5であること
がより好ましく、4.8〜6.0であることがさらに好
ましい。4.5未満であると乳剤層の硬膜進行が遅くな
る傾向がある。
【0153】本発明の実施に際して用いうる支持体とし
ては、例えばバライタ紙、ポリエチレン被覆紙、ポリプ
ロピレン合成紙、ガラス板、セルロースアセテート、セ
ルロースナイトレート、例えばポリエチレンテレフタレ
ートなどのポリエステルフィルムを挙げることができ
る。これらの支持体は、それぞれハロゲン化銀写真感光
材料の使用目的に応じて適宜選択される。また、特開平
7−234478号公報、および米国特許第5,55
8,979号明細書に記載のシンジオタクチック構造を
有するスチレン系重合体からなる支持体も好ましく用い
られる。
【0154】以下に本発明における現像液、定着液など
の処理剤および処理方法等について述べるが、言うまで
もなく本発明は以下の記述および具体例に限定されるも
のではない。
【0155】本発明のハロゲン化銀写真感光材料の現像
処理には、公知の方法のいずれを用いることもできる。
また、現像処理液としては公知のものを用いることがで
きる。
【0156】本発明に使用する現像液(以下、現像開始
液および現像補充液の双方をまとめて現像液という。)
に用いる現像主薬には特別な制限はないが、ジヒドロキ
シベンゼン類や、アスコルビン酸誘導体、ハイドロキノ
ンモノスルホン酸塩を含むことが好ましく、単独使用で
も併用でもよい。特に、ジヒドロキシベンゼン系現像主
薬およびこれと超加成性を示す補助現像主薬を含有する
ことが好ましく、ジヒドロキシベンゼン類やアスコルビ
ン酸誘導体と1−フェニル−3−ピラゾリドン類の組み
合わせ、またはジヒドロキシベンゼン類やアスコルビン
酸誘導体とp−アミノフェノール類の組み合わせなどを
挙げることができる。本発明に用いる現像主薬におい
て、ジヒドロキシベンゼン現像主薬としてはハイドロキ
ノン、クロロハイドロキノン、イソプロピルハイドロキ
ノン、メチルハイドロキノンなどがあるが、特にハイド
ロキノンが好ましい。またアスコルビン酸誘導体現像主
薬としては、アスコルビン酸およびイソアスコルビン酸
とそれらの塩があるが、特にエリソルビン酸ナトリウム
が素材コストの点から好ましい。
【0157】本発明に用いる1−フェニル−3−ピラゾ
リドンまたはその誘導体の現像主薬としては、1−フェ
ニル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4、4−ジメ
チル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−
4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドンなどがある。
本発明に用いるp−アミノフェノール系現像主薬として
N−メチル−p−アミノフェノール、p−アミノフェノ
ール、N−(β−ヒドロキシフェニル)−p−アミノフ
ェノール、N−(4−ヒドロキシフェニル)グリシン、
o−メトキシ−p−(N、N−ジメチルアミノ)フェノ
ール、o−メトキシ−p−(N−メチルアミノ)フェノ
ールなどがあるが、なかでもN−メチル−p−アミノフ
ェノール、または特開平9−297377号公報および
特開平9−297378号公報に記載のアミノフェノー
ル類が好ましい。
【0158】ジヒドロキシベンゼン系現像主薬は通常
0.05mol/L〜0.8mol/Lの量で用いられ
るのが好ましい。またジヒドロキシベンゼン類と1−フ
ェニル−3−ピラゾリドン類もしくはp−アミノフェノ
ール類の組み合わせを用いる場合には前者を0.05m
ol/L〜0.6mol/L、好ましくは0.10mo
l/L〜0.5mol/L、後者を0.06mol/L
以下、好ましくは0.03mol/L〜0.003mo
l/Lの量で用いるのが好ましい。
【0159】アスコルビン酸誘導体現像主薬は、通常
0.01mol/L〜0.5mol/Lの量で用いられ
るのが好ましく、0.05mol/L〜0.3mol/
Lがより好ましい。またアスコルビン酸誘導体と1−フ
ェニル−3−ピラゾリドン類もしくはp−アミノフェノ
ール類の組み合わせを用いる場合にはアスコルビン酸誘
導体を0.01mol/L〜0.5mol/L、1−フ
ェニル−3−ピラゾリドン類もしくはp−アミノフェノ
ール類を0.005mol/L〜0.2mol/Lの量
で用いるのが好ましい。
【0160】本発明のハロゲン化銀写真感光材料を処理
する際の現像液には、通常用いられる添加剤(例えば現
像主薬、アルカリ剤、pH緩衝剤、保恒剤、キレート剤
等)を含有させることができる。以下にこれらの具体例
を示すが、本発明で用いることができるものはこれらに
限定されるものではない。現像処理する際の現像液に用
いられる緩衝剤としては、炭酸塩、特開昭62−186
259号公報に記載のほう酸、特開昭60−93433
号公報に記載の糖類(例えばサッカロース)、オキシム
類(例えばアセトオキシム)、フェノール類(例えば5
−スルホサリチル酸)、第3リン酸塩(例えばナトリウ
ム塩、カリウム塩)などが用いられ、好ましくは炭酸
塩、ほう酸が用いられる。緩衝剤、特に炭酸塩の使用量
は、好ましくは0.05mol/L以上、特に0.08
〜1.0mol/Lである。
【0161】本発明においては、現像開始液および現像
補充液の双方が、該液1Lに0.1molの水酸化ナト
リウムを加えたときのpH上昇が0.5以下であること
が好ましい。使用する現像開始液ないし現像補充液がこ
の性質を有することを確かめる方法としては、試験する
現像開始液ないし現像補充液のpHを10.5に合わ
せ、ついでこの液1Lに水酸化ナトリウムを0.1mo
l添加し、この時の液のpH値を測定し、pH値の上昇
が0.5以下であれば上記に規定した性質を有すると判
定する。本発明では特に、上記試験を行った時のpH値
の上昇が0.4以下である現像開始液および現像補充液
を用いることが好ましい。
【0162】本発明に用いられる保恒剤としては亜硫酸
ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸リチウム、亜硫酸
アンモニウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリ
ウム、ホルムアルデヒド重亜硫酸ナトリウムなどがあ
る。亜硫酸塩は好ましくは0.2mol/L以上、特に
0.3mol/L以上用いられるが、あまりに多量添加
すると現像液中の銀汚れの原因になるので、上限は1.
2mol/Lとするのが望ましい。特に好ましくは、
0.35〜0.7mol/Lである。ジヒドロキシベン
ゼン系現像主薬の保恒剤として、亜硫酸塩と併用して前
記のアスコルビン酸誘導体を少量使用してもよい。なか
でも素材コストの点からエリソルビン酸ナトリウムを用
いることが好ましい。添加量はジヒドロキシベンゼン系
現像主薬に対して、モル比で0.03〜0.12の範囲
が好ましく、特に好ましくは0.05〜0.10の範囲
である。保恒剤としてアスコルビン酸誘導体を使用する
場合には現像液中にホウ素化合物を含まないことが好ま
しい。
【0163】上記以外に用いられる添加剤としては、臭
化ナトリウム、臭化カリウムのような現像抑制剤、エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、ジメチルホルムアミドのような有機溶剤、
ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアル
カノールアミン、イミダゾールまたはその誘導体等の現
像促進剤、ヘテロ環メルカプト化合物(例えば3−(5
−メルカプトテトラゾール−1−イル)ベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム、1−フェニル−5−メルカプトテトラ
ゾールなど)、特開昭62−212651号公報に記載
の化合物を物理現像ムラ防止剤として添加することもで
きる。また、メルカプト系化合物、インダゾール系化合
物、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾイミダゾール
系化合物をカブリ防止剤または黒ポツ(black pepper)
防止剤として含んでもよい。具体的には、5−ニトロイ
ンダゾール、5−p−ニトロベンゾイルアミノインダゾ
ール、1−メチル−5−ニトロインダゾール、6−ニト
ロインダゾール、3−メチル−5−ニトロインダゾー
ル、5−ニトロベンゾイミダゾール、2−イソプロピル
−5−ニトロベンゾイミダゾール、5−ニトロベンゾト
リアゾール、4−((2−メルカプト−1、3、4−チ
アジアゾール−2−イル)チオ)ブタンスルホン酸ナト
リウム、5−アミノ−1、3、4−チアジアゾール−2
−チオール、メチルベンゾトリアゾール、5−メチルベ
ンゾトリアゾール、2−メルカプトベンゾトリアゾール
などを挙げることができる。これらの添加剤の量は、通
常現像液1Lあたり0.01〜10mmolであり、よ
り好ましくは0.1〜2mmolである。
【0164】さらに本発明で用いられる現像液中には各
種の有機、無機のキレート剤を単独または併用で用いる
ことができる。無機キレート剤としては例えば、テトラ
ポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウムな
どを用いることができる。一方、有機キレート剤として
は、主に有機カルボン酸、アミノポリカルボン酸、有機
ホスホン酸、アミノホスホン酸および有機ホスホノカル
ボン酸を用いることができる。有機カルボン酸としては
例えば、アクリル酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、
グルタル酸、グルコン酸、アジピン酸、ピメリン酸、ア
シエライン酸、セバチン酸、ノナンジカルボン酸、デカ
ンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、マレイン
酸、イタコン酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸などを挙
げることができる。
【0165】アミノポリカルボン酸としては例えば、イ
ミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸、ニトリロ三プロピオン
酸、エチレンジアミンモノヒドロキシエチル三酢酸、エ
チレンジアミン四酢酸、グリコールエーテル四酢酸、
1、2−ジアミノプロパン四酢酸、ジエチレントリアミ
ン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、1、3−ジ
アミノ-2−プロパノール四酢酸、グリコールエーテル
ジアミン四酢酸、その他特開昭52−25632号公
報、同55−67747号公報、同57−102624
号公報、および特公昭53−40900号公報に記載の
化合物を挙げることができる。
【0166】有機ホスホン酸としては、例えば米国特許
第3,214,454号明細書、同第3,794,59
1号明細書および西独特許公開第2227369号公報
等に記載のヒドロキシアルキリデン−ジホスホン酸やリ
サーチ・ディスクロージャー第181巻、Item 181
70(1979年5月号)等に記載の化合物が挙げられ
る。アミノホスホン酸としては、例えばアミノトリス
(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラメチ
レンホスホン酸、アミノトリメチレンホスホン酸等が挙
げられるが、その他上記リサーチ・ディスクロージャー
18170、特開昭57−208554号公報、同54
−61125号公報、同55−29883号公報、同5
6−97347号公報等に記載の化合物も挙げることが
できる。
【0167】有機ホスホノカルボン酸としては、例えば
特開昭52−102726号公報、同53−42730
号公報、同54−121127号公報、同55−402
4号公報、同55−4025号公報、同55−1262
41号公報、同55−65955号公報、同55−65
956号公報および前述のリサーチ・ディスクロージャ
ー18170等に記載の化合物を挙げることができる。
【0168】これらの有機および/または無機のキレー
ト剤は、前述のものに限定されるものではない。また、
アルカリ金属塩やアンモニウム塩の形で使用してもよ
い。これらのキレート剤の添加量としては、現像液1L
あたり好ましくは、1×10-4〜1×10-1mol、よ
り好ましくは1×10-3〜1×10-2molである。
【0169】さらに、現像液中に銀汚れ防止剤として、
例えば特開昭56−24347号公報、特公昭56−4
6585号公報、特公昭62−2849号公報、特開平
4−362942号公報、特開平8−6215号公報に
記載の化合物の他、メルカプト基を1つ以上有するトリ
アジン(例えば特公平6−23830号公報、特開平3
−282457号公報、特開平7−175178号公報
に記載の化合物)、メルカプト基を1つ以上有するピリ
ミジン(例えば2−メルカプトピリミジン、2、6−ジ
メルカプトピリミジン、2、4−ジメルカプトピリミジ
ン、5、6−ジアミノ−2、4−ジメルカプトピリミジ
ン、2、4、6−トリメルカプトピリミジン、特開平9
−274289号公報記載の化合物など)、メルカプト
基を1つ以上有するピリジン(例えば2−メルカプトピ
リジン、2、6−ジメルカプトピリジン、3、5−ジメ
ルカプトピリジン、2、4、6−トリメルカプトピリジ
ン、特開平7−248587号公報に記載の化合物な
ど)、メルカプト基を1つ以上有するピラジン(例えば
2−メルカプトピラジン、2、6−ジメルカプトピラジ
ン、2、3−ジメルカプトピラジン、2、3、5−トリ
メルカプトピラジンなど)、メルカプト基を1つ以上有
するピリダジン(例えば3−メルカプトピリダジン、
3、4−ジメルカプトピリダジン、3、5−ジメルカプ
トピリダジン、3、4、6−トリメルカプトピリダジン
など)、特開平7−175177号公報に記載の化合
物、米国特許第5,457,011号明細書に記載のポ
リオキシアルキルホスホン酸エステルなどを用いること
ができる。これらの銀汚れ防止剤は単独または複数の併
用で用いることができ、添加量は現像液1Lあたり0.
05〜10mmolが好ましく、0.1〜5mmolが
より好ましい。また、溶解助剤として特開昭61−26
7759号公報記載の化合物を用いることができる。さ
らに必要に応じて色調剤、界面活性剤、消泡剤、硬膜剤
等を含んでもよい。
【0170】現像液の好ましいpHは9.0〜12.0
であり、特に好ましくは9.0〜11.0、さらに好ま
しくは9.5〜11.0の範囲である。pH調整に用い
るアルカリ剤には通常の水溶性無機アルカリ金属塩(例
えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム等)を用いることができる。
【0171】現像液のカチオンとしては、ナトリウムイ
オンに比べてカリウムイオンの方が現像抑制をせず、ま
たフリンジと呼ばれる黒化部のまわりのギザギザが少な
い。さらに、濃縮液として保存する場合には一般にカリ
ウム塩のほうが溶解度が高く好ましい。しかしながら、
定着液においてはカリウムイオンは銀イオンと同程度に
定着阻害をすることから、現像液のカリウムイオン濃度
が高いと、ハロゲン化銀写真感光材料により現像液が持
ち込まれることにより定着液中のカリウムイオン濃度が
高くなり、好ましくない。以上のことから現像液におけ
るカリウムイオンとナトリウムイオンのモル比率は2
0:80〜80:20の間であることが好ましい。カリ
ウムイオンとナトリウムイオンの比率は、pH緩衝剤、
pH調整剤、保恒剤、キレート剤などの対カチオンで、
上記の範囲で任意に調整できる。
【0172】現像液の補充量は、ハロゲン化銀写真感光
材料1m2につき390ml以下であり、30〜325
mlが好ましく、120〜250mlが最も好ましい。
現像補充液は、現像開始液と同一の組成および/または
濃度を有していてもよいし、開始液と異なる組成および
/または濃度を有していてもよい。
【0173】本発明における定着処理剤の定着剤として
は、チオ硫酸アンモニウム、チオ硫酸ナトリウム、チオ
硫酸ナトリウムアンモニウムが使用できる。定着剤の使
用量は適宜変えることができるが、一般には約0.7〜
約3.0mol/Lである。
【0174】本発明における定着液は、硬膜剤として作
用する水溶性アルミニウム塩、水溶性クロム塩を含んで
もよく、水溶性アルミニウム塩が好ましい。それには例
えば塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、カリ明礬、
硫酸アルミニウムアンモニウム、硝酸アルミニウム、乳
酸アルミニウムなどがある。これらは使用液におけるア
ルミニウムイオン濃度として、0.01〜0.15mo
l/Lで含まれることが好ましい。なお、定着液を濃縮
液または固形剤として保存する場合、硬膜剤などを別パ
ートとした複数のパーツで構成してもよいし、すべての
成分を含む一剤型の構成としてもよい。
【0175】定着処理剤には所望により保恒剤(例えば
亜硫酸塩、重亜硫酸塩、メタ重亜硫酸塩などを0.01
5mol/L以上、好ましくは0.02mol/L〜
0.3mol/L)、pH緩衝剤(例えば酢酸、酢酸ナ
トリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン
酸、コハク酸、アジピン酸などを0.1mol/L〜1
mol/L、好ましくは0.2mol/L〜0.7mo
l/L)、アルミニウム安定化能や硬水軟化能のある化
合物(例えばグルコン酸、イミノジ酢酸、5−スルホサ
リチル酸、グルコヘプタン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエ
ン酸、シュウ酸、マレイン酸、グリコール酸、安息香
酸、サリチル酸、タイロン、アスコルビン酸、グルタル
酸、アスパラギン酸、グリシン、システイン、エチレン
ジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸やこれらの誘導体およ
びこれらの塩、糖類などを0.001mol/L〜0.
5mol/L、好ましくは0.005mol/L〜0.
3mol/L)を含むことができが、近年の環境保護の
点からホウ素系化合物は含まない方がよい。
【0176】このほか、特開昭62−78551号公報
に記載の化合物、pH調整剤(例えば水酸化ナトリウ
ム、アンモニア、硫酸など)、界面活性剤、湿潤剤、定
着促進剤等も含むことができる。界面活性剤としては、
例えば硫酸化物スルホン酸化物などのアニオン界面活性
剤、ポリエチレン系界面活性剤、特開昭57−6840
号公報記載の両性界面活性剤が挙げられ、公知の消泡剤
を使用することもできる。湿潤剤としては、アルカノー
ルアミン、アルキレングリコール等がある。定着促進剤
としては、特開平6−308681号公報に記載のアル
キルおよびアリル置換されたチオスルホン酸およびその
塩や、特公昭45−35754号公報、同58−122
535号公報、同58−122536号公報記載のチオ
尿素誘導体、分子内に3重結合を有するアルコール、米
国特許第4,126,459号明細書記載のチオエーテ
ル化合物、特開昭64−4739号公報、特開平1−4
739号公報、同1−159645号公報および同3−
101728号公報に記載のメルカプト化合物、同4−
170539号公報に記載のメソイオン化合物、チオシ
アン酸塩を含むことができる。
【0177】本発明における定着液のpHは4.0以上
であることが好ましく、4.5〜6.0であることがよ
り好ましい。定着液のpHは処理により現像液が混入し
て上昇するが、この場合のpHは、硬膜定着液では6.
0以下であることが好ましく、5.7以下であることが
より好ましく、また、無硬膜定着液においては7.0以
下であることが好ましく、6.7以下であることがより
好ましい。
【0178】定着液の補充量は、ハロゲン化銀写真感光
材料1m2につき500ml以下であることが好まし
く、390ml以下であることがより好ましく、320
〜80mlであることが特に好ましい。補充液は、開始
液と同一の組成および/または濃度を有していてもよい
し、開始液と異なる組成および/または濃度を有してい
てもよい。
【0179】定着液は電解銀回収などの公知の定着液再
生方法により再生使用することができる。再生装置とし
ては、例えば富士写真フイルム(株)製FS−2000
などがある。また、活性炭などの吸着フィルターを使用
して、色素などを除去することも好ましい。
【0180】本発明における現像および定着処理剤が液
剤の場合、例えば特開昭61−73147号公報に記載
されたような、酸素透過性の低い包材で保管することが
好ましい。さらにこれらの液が濃縮液の場合、所定の濃
度になるように、濃縮液1部に対して水0.2〜3部の
割合で希釈して使用される。
【0181】本発明における現像処理剤および定着処理
剤は固形にしても液剤同様の結果が得られる。以下に固
形処理剤について説明する。本発明では、固形剤とし
て、公知の形態(粉状、粒状、顆粒状、塊状、錠剤、コ
ンパクター、ブリケット、板状、棒状、ペースト状な
ど)を有するものが使用できる。これらの固形剤は、接
触して互いに反応する成分を分離するために、水溶性の
コーティング剤やフィルムで被覆してもよいし、複数の
層構成にして互いに反応する成分を分離してもよく、こ
れらを併用してもよい。
【0182】被覆剤、造粒助剤としては公知のものが使
用できるが、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリ
コール、ポリスチレンスルホン酸、ビニル系化合物を用
いることが好ましい。この他、特開平5−45805号
公報カラム2の48行〜カラム3の13行目を参考にす
ることができる。
【0183】複数の層構成にする場合は、接触しても反
応しない成分を互いに反応する成分の間にはさんだ構成
にして錠剤やブリケット等に加工してもよいし、公知の
形態の成分を同様の層構成にして包装してもよい。これ
らの方法は、例えば特開昭61−259921号公報、
同4−16841号公報、同4−78848号公報、同
5−93991号公報等に示されている。
【0184】固形処理剤の嵩密度は、0.5〜6.0g
/cm3が好ましく、特に錠剤は1.0〜5.0g/c
3が好ましく、顆粒は0.5〜1.5g/cm3が好ま
しい。
【0185】本発明における固形処理剤の製法は、公知
のいずれの方法を用いることができる。例えば、特開昭
61−259921号公報、特開平4−15641号公
報、特開平4−16841号公報、同4−32837号
公報、同4−78848号公報、同5−93991号公
報、同4−85533号公報、同4−85534号公
報、同4−85535号公報、同5−134362号公
報、同5−197070号公報、同5−204098号
公報、同5−224361号公報、同6−138604
号公報、同6−138605号公報、同8−28632
9号公報等を参考にすることができる。
【0186】より具体的には転動造粒法、押し出し造粒
法、圧縮造粒法、解砕造粒法、撹拌造粒法、スプレード
ライ法、溶解凝固法、ブリケッティング法、ローラーコ
ンパクティング法等を用いることができる。
【0187】本発明における固形剤は、表面状態(平
滑、多孔質等)や部分的に厚みを変えたり、中空状のド
ーナツ型にしたりして溶解性を調節することもできる。
さらに、複数の造粒物に異なった溶解性を与えたり、溶
解性の異なる素材の溶解度を合わせるために、複数の形
状をとることも可能である。また、表面と内部で組成の
異なる多層の造粒物でもよい。
【0188】固形剤の包材は、酸素および水分透過性の
低い材質が好ましく、包材の形状は袋状、筒状、箱状な
どの公知のものが使用できる。また、特開平6−242
585号公報〜同6−242588号公報、同6−24
7432号公報、同6−247448号公報、同6−3
01189号公報、同7−5664号公報、同7−56
66号公報〜同7−5669号公報に開示されているよ
うな折り畳み可能な形状にすることも、廃包材の保管ス
ペース削減のためには好ましい。これらの包材は、処理
剤の取り出し口にスクリューキャップや、プルトップ、
アルミシールをつけたり、包材をヒートシールしてもよ
いが、このほかの公知のものを使用してもよく、特に限
定はしない。さらに環境保全上、廃包材をリサイクルま
たはリユースすることが好ましい。
【0189】本発明の固形処理剤の溶解および補充の方
法としては特に限定はなく、公知の方法を使用すること
ができる。これらの方法としては例えば、撹拌機能を有
する溶解装置で一定量を溶解し補充する方法、特開平9
−80718号公報に記載されているような溶解部分と
完成液をストックする部分とを有する溶解装置で溶解
し、ストック部から補充する方法、特開平5−1194
54号公報、同6−19102号公報、同7−2613
57号公報に記載されているような自動現像機の循環系
に処理剤を投入して溶解・補充する方法、溶解槽を内蔵
する自動現像機でハロゲン化銀写真感光材料の処理に応
じて処理剤を投入し溶解する方法などがあるが、このほ
かの公知のいずれの方法を用いることもできる。また処
理剤の投入は、人手で行ってもよいし、特開平9−13
8495号公報に記載されているような開封機構を有す
る溶解装置や自動現像機で自動開封、自動投入してもよ
く、作業環境の点からは後者が好ましい。具体的には取
り出し口を突き破る方法、はがす方法、切り取る方法、
押し切る方法や、特開平6−19102号公報、同6−
95331号公報に記載の方法などがある。
【0190】現像、定着処理が済んだハロゲン化銀写真
感光材料は、ついで水洗または安定化処理される(以下
特に断らない限り、安定化処理を含めて水洗といい、こ
れらに使用する液を、水または水洗水という)。水洗に
使用される水は、水道水でもイオン交換水でも蒸留水で
も安定化液でもよい。これらの補充量は、一般的にはハ
ロゲン化銀写真感光材料1m2あたり約8L〜約17L
であるが、それ以下の補充量で行うこともできる。特に
3L以下の補充量(0も含む。すなわち、ため水水洗)
では、節水処理が可能となるのみならず、自動現像機設
置の配管を不要とすることもできる。水洗を低補充量で
行う場合は、特開昭63−18350号公報、同62−
287252号公報等に記載のスクイズローラー、クロ
スオーバーローラーの洗浄槽を設けることがより好まし
い。また、少量水洗時に問題となる公害負荷低減や、水
垢防止のために種々の酸化剤(例えばオゾン、過酸化水
素、次亜塩素酸ナトリウム、活性ハロゲン、二酸化塩
素、炭酸ナトリウム過酸化水素塩など)添加やフィルタ
ー濾過を組み合わせてもよい。
【0191】水洗の補充量を少なくする方法として、古
くより多段向流方式(例えば2段、3段等)が知られて
おり、水洗補充量はハロゲン化銀写真感光材料1m2
たり50〜200mlが好ましい。この効果は、独立多
段方式(向流にせず、多段の水洗槽に個別に新液を補充
する方法)でも同様に得られる。
【0192】さらに、本発明の方法で水洗工程に水垢防
止手段を施してもよい。水垢防止手段としては公知のも
のを使用することができ、特に限定はしないが、防ばい
剤(いわゆる水垢防止剤)を添加する方法、通電する方
法、紫外線または赤外線や遠赤外線を照射する方法、磁
場をかける方法、超音波処理する方法、熱をかける方
法、未使用時にタンクを空にする方法などがある。これ
らの水垢防止手段は、ハロゲン化銀写真感光材料の処理
に応じてなされてもよいし、使用状況に関係なく一定間
隔で行われてもよいし、夜間など処理の行われない期間
のみ施してもよい。またあらかじめ水洗水に施しておい
て、これを補充してもよい。さらには、一定期間ごとに
異なる水垢防止手段を行うことも、耐性菌の発生を抑え
る上では好ましい。節水水垢防止装置としては、富士フ
イルム社製装置AC−1000と水垢防止剤として富士
フイルム社製AB−5を用いてもよく特開平11−23
1485号公報の方法を用いてもよい。防ばい剤として
は特に限定はなく公知のものが使用できる。前述の酸化
剤の他例えばグルタルアルデヒド、アミノポリカルボン
酸等のキレート剤、カチオン性界面活性剤、メルカプト
ピリジンオキシド(例えば2−メルカプトピリジン−N
−オキシドなど)などがあり、単独使用でも複数の併用
でもよい。通電する方法としては、特開平3−2246
85号公報、同3−224687号公報、同4−162
80号公報、同4−18980号公報などに記載の方法
が使用できる。
【0193】このほか、水泡ムラ防止や汚れ転写防止の
ために、公知の水溶性界面活性剤や消泡剤を添加しても
よい。また、ハロゲン化銀写真感光材料から溶出した染
料による汚染防止に、特開昭63−163456号公報
に記載の色素吸着剤を水洗系に設置してもよい。
【0194】水洗工程からのオーバーフロー液の一部ま
たは全部は、特開昭60−235133号公報に記載さ
れているように、定着能を有する処理液に混合利用する
こともできる。また微生物処理(例えば硫黄酸化菌、活
性汚泥処理や微生物を活性炭やセラミック等の多孔質担
体に担持させたフィルターによる処理等)や、通電や酸
化剤による酸化処理をして、生物化学的酸素要求量(B
OD)、化学的酸素要求量(COD)、沃素消費量等を
低減してから排水したり、銀と親和性のあるポリマーを
用いたフィルターやトリメルカプトトリアジン等の難溶
性銀錯体を形成する化合物を添加して銀を沈降させてフ
ィルター濾過するなどし、排水中の銀濃度を低下させる
ことも、自然環境保全の観点から好ましい。
【0195】また、水洗処理に続いて安定化処理する場
合もあり、その例として特開平2−201357号公
報、同2−132435号公報、同1−102553号
公報、特開昭46−44446号公報に記載の化合物を
含有した浴をハロゲン化銀写真感光材料の最終浴として
使用してもよい。この安定浴にも必要に応じてアンモニ
ウム化合物、Bi、Al等の金属化合物、蛍光増白剤、
各種キレート剤、膜pH調節剤、硬膜剤、殺菌剤、防ば
い剤、アルカノールアミンや界面活性剤を加えることも
できる。
【0196】水洗、安定化浴に添加する防ばい剤等の添
加剤および安定化剤は、前述の現像、定着処理剤同様に
固形剤とすることもできる。
【0197】本発明に使用する現像液、定着液、水洗
水、安定化液の廃液は焼却処分することが好ましい。ま
た、これらの廃液は例えば特公平7−83867号公
報、米国特許第5,439,560明細書等に記載され
ているような濃縮装置で濃縮液化または固化させてから
処分することも可能である。
【0198】処理剤の補充量を低減する場合には、処理
槽の開口面積を小さくして液の蒸発、空気酸化を防止す
ることが好ましい。ローラー搬送型の自動現像機につい
ては米国特許第3,025,779明細書、同第3,5
45,971明細書などに記載されており、本明細書に
おいては単にローラー搬送型自動現像機として言及す
る。この自現機は現像、定着、水洗および乾燥の四工程
からなっており、本発明の方法も、他の工程(例えば停
止工程)を除外しないが、この四工程を踏襲するのが最
も好ましい。さらに、現像定着間および/または定着水
洗間にリンス浴、水洗槽や洗浄槽を設けてもよい。
【0199】本発明の現像処理では、処理開始から乾燥
後まで(dry to dry)で25〜160秒が好ましく、現
像および定着時間が40秒以下、好ましくは6〜35
秒、各液の温度は25〜50℃が好ましく、30〜40
℃が好ましい。水洗の温度および時間は0〜50℃で4
0秒以下が好ましい。本発明の方法によれば、現像、定
着および水洗されたハロゲン化銀写真感光材料は水洗水
を絞りきる、すなわちスクイズローラーを経て乾燥して
もよい。乾燥は約40〜約100℃で行われ、乾燥時間
は周囲の状態によって適宜変えられる。乾燥方法は公知
のいずれの方法も用いることができ特に限定はないが、
温風乾燥や、特開平4−15534号公報、同5−22
56号公報、同5−289294号公報に開示されてい
るようなヒートローラー乾燥、遠赤外線による乾燥など
があり、複数の方法を併用してもよい。
【0200】
【実施例】以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴
をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、
使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨
を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがっ
て、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解
釈されるべきものではない。
【0201】<合成例1> 例示化合物3の合成 ポリエチレングリコール(平均分子量2000、800
g)、塩化チオニル(584ml)とDMF(4ml)
を室温で混合した後、90℃に加熱し5時間撹拌した。
過剰の塩化チオニルを留去した後に、4−フェニルピリ
ジン(372g)を加え150℃で7時間反応させた。
反応混合物を酢酸エチル/2−プロパノール(10/
1)の溶液にし、冷却して析出した固体を濾取した。こ
れを乾燥して、目的とする例示化合物3を得た(584
g、収率62%)。
【0202】<合成例2> 例示化合物6の合成 ポリエチレングリコール(平均分子量2000、10
g)、塩化チオニル(7.3ml)とDMF(0.1m
l)を室温で混合した後、90℃に加熱し5時間撹拌し
た。過剰の塩化チオニルを留去した後に、イソキノリン
(4.0g)を加え150℃で7時間反応させた。反応
混合物を酢酸エチル/2−プロパノール(10/1)の
溶液にし、冷却して析出した固体を濾取した。これを乾
燥し、目的とする例示化合物6を得た(7.1g、収率
60%)。
【0203】<合成例3> 例示化合物4の合成 上記合成例1において、ポリエチレングリコール(平均
分子量2000)を用いる代わりに、ポリエチレングリ
コール(平均分子量3000)を用いた以外は、全く同
様にして例示化合物4を得た。
【0204】<合成例4> 例示化合物65の合成 1,10−ジアミノ−4,7−ジオキサデカン(17.
6g、0.1mol)、炭酸カリウム(27.6g、
0.2mol)、酢酸エチル(100ml)、水(50
ml)を室温で激しく撹拌し、そこにクロロアセチルク
ロリド(34g、0.3mol)を滴下した。この反応
液を分液し、酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで乾燥後、
濃縮すると1,10−ビス(クロロアセチルアミノ)−
4,7−ジオキサデカンが得られた(23g、収率70
%)。この化合物3.3gとトリフェニルホスフィン
(7.9g)を混合し、150℃で5時間加熱した。反
応混合物を冷却後酢酸エチルで3回洗浄すると、褐色の
粘稠な液体として例示化合物65が5.4g(収率63
%)が得られた。
【0205】<合成例5> 例示化合物62の合成 合成例4におけるトリフェニルホスフィンの代わりに4
−フェニルピリジンを用いた以外、全く同様の操作を行
い、例示化合物62を得た。
【0206】<合成例6> 例示化合物71の合成 合成例4における1,10−ジアミノ−4,7−ジオキ
サデカンの代わりにO,O'−ビス(2−アミノプロピ
ル)ポリエチレングリコール(平均分子量800)を用
い、トリフェニルホスフィンの代わりに4−フェニルピ
リジンを用いた以外全く同様の操作を行い、例示化合物
71を得た。
【0207】<実施例1>本実施例において、本発明の
条件を満たすハロゲン化銀写真感光材料(試料5、10
〜26)と比較例のハロゲン化銀写真感光材料(試料1
〜4、6〜9)を製造して、評価した。まず、これらの
ハロゲン化銀写真感光材料を製造するために用いた乳剤
と非感光性ハロゲン化銀粒子の製法を説明した後に、ハ
ロゲン化銀写真感光材料の製法とその評価について記載
する。
【0208】 《乳剤Aの調製》 1液 水 750ml ゼラチン 20g 塩化ナトリウム 3g 1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−チオン 20mg ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム 10mg クエン酸 0.7g
【0209】 2液 水 300ml 硝酸銀 150g
【0210】 3液 水 300ml 塩化ナトリウム 38g 臭化カリウム 32g K3IrCl6(0.005%、KClの20%水溶液) 表1に示す量 (NH43[RhCl5(H2O)] (0.001%、NaClの20%水溶液) 表1に示す量
【0211】3液に用いるK3IrCl6(0.005
%)、(NH43[RhCl5(H2O)](0.001
%)は、粉末をそれぞれKClの20%水溶液、NaC
lの20%水溶液に溶解し、40℃で120分間加熱し
て調製した。
【0212】38℃、pH4.5に保たれた1液に、2
液と3液の各々90%に相当する量を攪拌しながら同時
に20分間にわたって加え、0.16μmの核粒子を形
成した。続いて下記4液、5液を8分間にわたって加
え、さらに、2液と3液の残りの10%の量を2分間に
わたって加え、0.21μmまで成長させた。さらに、
ヨウ化カリウム0.15gを加え5分間熟成し粒子形成
を終了した。
【0213】 4液 水 100ml 硝酸銀 50g
【0214】 5液 水 100ml 塩化ナトリウム 13g 臭化カリウム 11g K4[Fe(CN)6]・3H2O(黄血塩) 表1に示す量
【0215】その後、常法にしたがってフロキュレーシ
ョン法によって水洗した。具体的には、温度を35℃に
下げ、下記に示すアニオン性沈降剤−1を3g加え、硫
酸を用いてハロゲン化銀が沈降するまでpHを下げた。
(pH3.2±0.2の範囲であった)次に上澄み液を
約3L除去した(第一水洗)。さらに3Lの蒸留水を加
えてから、ハロゲン化銀が沈降するまで硫酸を加えた。
再度上澄み液を3L除去した(第二水洗)。第二水洗と
同じ操作をさらに1回繰り返し(第三水洗)て水洗・脱
塩行程を終了した。水洗・脱塩後の乳剤にゼラチン45
gを加え、pH5.6、pAg7.5に調整し、ベンゼ
ンチオスルホン酸ナトリウム10mg、ベンゼンチオス
ルフィン酸ナトリウム3mg、チオ硫酸ナトリウム15
mgと塩化金酸(添加量は表1に示す)を加え55℃に
て最適感度を得るように化学増感を施し、安定剤として
4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テト
ラアザインデン100mgと防腐剤(ICI(株)製、
プロキセル)100mgを加えた。最終的に塩化銀を7
0mol%、沃化銀を0.08mol%含む平均粒子径
0.22μm、変動係数9%のヨウ塩臭化銀立方体粒子
乳剤を得た(最終的に乳剤として、pH=5.7、pA
g=7.5、電導度=40μS/m、密度=1.2〜
1.25x103kg/m3、粘度=50mPa・sと
なった)。
【0216】
【化45】
【0217】 《乳剤Bの調製》 1液 水 750ml ゼラチン 20g 塩化ナトリウム 1g 1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−チオン 20mg ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム 10mg クエン酸 0.7g
【0218】 2液 水 300ml 硝酸銀 150g
【0219】 3液 水 300ml 塩化ナトリウム 38g 臭化カリウム 32g K3IrCl6(0.005%、KClの20%水溶液) 表1に示す量 (NH43[RhCl5(H2O)] (0.001%、NaClの20%水溶液) 表1に示す量
【0220】3液に用いるK3IrCl6(0.005
%)、(NH43[RhCl5(H2O)](0.001
%)は、粉末をそれぞれKClの20%水溶液、NaC
lの20%水溶液に溶解し、40℃で120分間加熱し
て調製した。
【0221】38℃、pH4.5に保たれた1液に、2
液と3液の各々90%に相当する量を攪拌しながら同時
に20分間にわたって加え、0.16μmの核粒子を形
成した。その後、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,
3,3a,7−テトラアザインデン500mgを加え、
続いて下記4液、5液を8分間にわたって加え、さら
に、2液と3液の残りの10%の量を2分間にわたって
加え、0.18μmまで成長させた。さらに、ヨウ化カ
リウム0.15gを加え5分間熟成し粒子形成を終了し
た。
【0222】 4液 水 100ml 硝酸銀 50g
【0223】 5液 水 100ml 塩化ナトリウム 13g 臭化カリウム 11g K4[Fe(CN)6]・3H2O(黄血塩) 表1に示す量
【0224】その後、常法にしたがってフロキュレーシ
ョン法によって水洗した。具体的には、温度を35℃に
下げ、アニオン性沈降剤−1を3g加え、硫酸を用いて
ハロゲン化銀が沈降するまでpHを下げた(pH3.2
±0.2の範囲であった)。次に上澄み液を約3L除去
した(第一水洗)。さらに3Lの蒸留水を加えてから、
ハロゲン化銀が沈降するまで硫酸を加えた。再度上澄み
液を3L除去した(第二水洗)。第二水洗と同じ操作を
さらに1回繰り返し(第三水洗)て水洗・脱塩行程を終
了した。水洗・脱塩後の乳剤にゼラチン45gを加え、
pH5.6、pAg7.5に調整し、ベンゼンチオスル
ホン酸ナトリウム10mg、ベンゼンチオスルフィン酸
ナトリウム3mg、トリフェニルホスフィンセレニド2
mg、塩化金酸(添加量は表1に示す)を加え55℃に
て最適感度を得るように化学増感を施し、安定剤として
4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テト
ラアザインデン100mg、防腐剤(ICI(株)製、
プロキセル)100mgを加えた。最終的に塩化銀を7
0mol%、沃化銀を0.08mol%含む平均粒子径
0.18μm、変動係数10%のヨウ塩臭化銀立方体粒
子乳剤を得た(最終的に乳剤として、pH=5.7、p
Ag=7.5、電導度=40μS/m、密度=1.2x
103kg/m3、粘度=50mPa・sとなった)。
【0225】《乳剤C〜Kの調製》乳剤Bに対し、粒子
サイズ、ドープする重金属の種類、添加量、および化学
増感に用いられる塩化金酸の代りに一般式(a)の有機
メルカプト金(I)錯体を表1に示す通り変更する以外
は乳剤Bと同様に調整した。なお、粒子サイズの調整は
1液の塩化ナトリウムの添加量、調整温度を変更するこ
とにより行った。
【0226】 《非感光性ハロゲン化銀粒子の調製−》 1液 水 1L ゼラチン 20g 塩化ナトリウム 3.0g 1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−チオン 20mg ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム 8mg
【0227】 2液 水 400ml 硝酸銀 100g
【0228】 3液 水 400ml 塩化ナトリウム 13.5g 臭化カリウム 45.0g (NH43[RhCl5(H2O)](0.001%、 NaClの20%水溶液) 4x10-5mol/Agmol
【0229】70℃、pH4.5に保たれた1液と2液
と3液を攪拌しながら同時に15分間にわたって加え、
核粒子を形成した。続いて下記4液、5液を15分間に
わたって加えた。さらにヨウ化カリウム0.15gを加
え粒子形成を終了した。
【0230】その後常法にしたがってフロキュレーショ
ン法によって水洗した。具体的には、温度を35℃に下
げ、アニオン性沈降剤−1を3g加え、硫酸を用いてハ
ロゲン化銀が沈降するまでpHを下げた(pH3.2±
0.2の範囲であった)。次に上澄み液を約3L除去し
た(第一水洗)。さらに3Lの蒸留水を加えてから、ハ
ロゲン化銀が沈降するまで硫酸を加えた。再度上澄み液
を3L除去した(第二水洗)。第二水洗と同じ操作をさ
らに1回繰り返し(第三水洗)て水洗・脱塩行程を終了
した。水洗・脱塩後の乳剤にゼラチン45gを加え、p
H5.7、pAgを7.5に調整し、防腐剤として、フ
ェノキシエタノールを加え、最終的に平均塩化銀を30
mol%、沃化銀を0.08mol%含む、平均粒子径
0.45μm、変動係数10%の未後熟ヨウ塩臭化銀立
方体乳粒子の分散物を得た(最終的に乳剤として、p
H=5.7、pAg=7.5、電導度=40μS/m、
密度=1.3〜1.35x103kg/m3、粘度=5
0mPa・sとなった)。
【0231】 <非感光性ハロゲン化銀粒子の調製−> 1液 水 1L ゼラチン 20g 臭化カリウム 0.9g クエン酸 0.2g NH4NO3 20g 過酸化水素 3.5g ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム 15mg
【0232】 2液 水 400ml 硝酸銀 200g
【0233】 3液 水 400ml 臭化カリウム 140.0g (NH43[RhCl5(H2O)] (0.001%、NaClの20%水溶液) 4x10-5mol/Agmol
【0234】60℃に保たれた1液を攪拌しながらNa
OH(1mol/L)を40ml添加し、さらに硝酸銀
水溶液を0.7g添加した。その後、2液と3液のそれ
ぞれ1/2ずつをコントロールダブルジェット法にて、
銀電位を+24mVに保ったまま20分かけて添加し、
2分間の物理熟成後、2液と3液の残りの1/2を同様
のコントロールダブルジェット法で20分かけて添加
し、粒子形成を行った。
【0235】その後、常法にしたがってフロキュレーシ
ョン法によって水洗した。具体的には、温度を35℃に
下げ、アニオン性沈降剤−1を3g加え、硫酸を用いて
ハロゲン化銀が沈降するまでpHを下げた(pH3.1
±0.2の範囲であった)。次に上澄み液を約3L除去
した(第一水洗)。さらに3Lの蒸留水を加えてから、
ハロゲン化銀が沈降するまで硫酸を加えた。再度上澄み
液を3L除去した(第二水洗)。第二水洗と同じ操作を
さらに1回繰り返し(第三水洗)て水洗・脱塩行程を終
了した。水洗・脱塩後の乳剤にゼラチン45gを加え、
pH5.7、pAgを7.5に調整し、防腐剤として、
フェノキシエタノールを加え、最終的に平均塩化銀を3
0mol%、沃化銀を0.08mol%含む、平均粒子
径0.8μm、変動係数10%の未後熟臭化銀十四面体
乳粒粒子の分散物を得た(最終的に乳剤として、pH
=5.7、pAg=7.5、電導度=40μS/m、密
度=1.3x103kg/m3、粘度=30mPa・sと
なった)。
【0236】《非感光性ハロゲン化銀粒子の調製−》
下記X−1〜X−4水溶液中にKBr1molあたり、
1x10-5molに相当する量の(NH43[RhCl
5(H2O)](0.001%、NaClの20%水溶
液)を添加して粒子形成を行った。
【0237】(添加1)KBrを0.6g、平均分子量
15000のゼラチンを1.1g含む水溶液1300m
lを35℃に保ち、攪拌した。これに、Ag−1水溶液
(100ml中にAgNO3を4.9g含有する)24
mlと、X−1水溶液(100ml中にKBrを4.1
g含有する)24mlおよびG−1水溶液(100ml
中に平均分子量15000のゼラチンを1.8g含有す
る)24mlをトリプルジェット法で、一定の流量で3
0秒間にわたって添加した。
【0238】その後、KBr1.3gを添加し、温度を
75℃に昇温した。昇温後12分間の熟成工程を経た
後、G−2水溶液(100ml中にアルカリ処理オセイ
ンゼラチンの水溶液を50℃、pH9.0の条件で無水
トリメリット酸を加えて反応させた後、残留トリメリッ
ト酸を除去して得られたゼラチンを12.7g含有す
る)300mlを添加し、ついで、4,5−ジヒドロキ
シ−1,3−ジスルホン酸ジナトリウム1水和物を2.
1g、二酸化チオ尿素を0.002gを1分間ずつ間隔
をあけて順次添加した。
【0239】(添加2)次に、Ag−2水溶液(100
ml中にAgNO3を22.1g含有する)157ml
と、X−2水溶液(100ml中にKBrを15.5g
含有する)をダブルジェット法で14分間にわたり添加
した。この時、Ag−2水溶液の添加は最終流量が初期
流量の3.4倍になるように流量加速を行い、X−2水
溶液の添加は反応容器内のバルク乳剤溶液のpAgを
8.3に保つように行った。
【0240】(添加3)次いで、Ag−3水溶液(10
0ml中にAgNO3を32.0g含有する)329m
lと、X−3水溶液(100ml中にKBrを21.5
g、KIを1.6g含有する)をダブルジェット法で2
7分間にわたり添加した。この時、Ag−3水溶液の添
加は最終流量が初期流量の1.6倍になるように流量加
速を行い、X−3水溶液の添加は反応容器内のバルク乳
剤溶液のpAgを8.3に保つように行った。
【0241】(添加4)さらに、Ag−4水溶液(10
0ml中にAgNO3を32.0g含有する)156m
lと、X−4水溶液(100ml中にKBrを22.4
g含有する)をダブルジェット法で17分間にわたり添
加した。この時、Ag−4水溶液の添加は一定の流量で
行い、X−3水溶液の添加は反応容器内のバルク乳剤溶
液のpAgを8.3に保つように行った。
【0242】その後、ベンゼンチオスルホン酸ナトリウ
ムを0.0025g、G−3水溶液(100ml中にア
ルカリ処理オセインゼラチンを12.0含有する)12
5mlを、1分間ずつ間隔をあけて順次添加した。
【0243】次いで、KBr43.7gを添加し、反応
容器内のバルク乳剤溶液のpAgを9.0にしてから、
AgI微粒子(100g中に平均粒径0.047μmの
AgI微粒子を13.0g含有する)73.9gを添加
した。
【0244】(添加5)その2分後から、Ag−4水溶
液249mlと、X−4水溶液をダブルジェット法で添
加した。この時Ag−4水溶液は一定の流量で16分間
にわたって添加し、X−4水溶液はpAgを9.10に
保つように添加した。
【0245】(添加6)続いて10分間は、反応容器の
バルク乳剤のpAgが7.5になるようにして添加を行
った。
【0246】その後、通常のフロキュレーション法によ
り脱塩を行い、次いで、攪拌しながら水、NaOH、ア
ルカリ処理オセインゼラチンを添加し、56℃でpH
5.8、pAg8.9になるように調整した。
【0247】得られた粒子は、円相当径1.0μm、粒
子厚み0.10μm、AgI含有量の平均値が3.94
mol%、平行な主平面が(111)面である平板状ハ
ロゲン化銀粒子からなり、また全粒子の円相当径の変動
係数は24%であった。
【0248】《塗布液の作製》本実施例で調製するハロ
ゲン化銀写真感光材料は、下記に示す両面が塩化ビニリ
デンを含む防湿層下塗りからなるポリエチレンテレフタ
レートフィルム支持体の一面に、UL層/乳剤層/保護
層下層/保護層上層を形成し、その反対面に導電層/バ
ック層を形成した構造を有する。以下に各層を形成する
ために用いた塗布液の組成を示す。
【0249】 UL層塗布液 ゼラチン 0.5g/m2 ポリエチルアクリレートラテックス 150mg/m2 化合物(Cpd−7) 40mg/m2 化合物(Cpd−14) 10mg/m2 防腐剤(ICI(株)製、プロキセル) 1.5mg/m2
【0250】 乳剤層塗布液 乳剤 表2に示す通り添加 増感色素(SD−1) 5.7×10-4mol/Agmol KBr 3.4×10-4mol/Agmol 化合物(Cpd−1) 2.0×10-4mol/Agmol 化合物(Cpd−2) 2.0×10-4mol/Agmol 化合物(Cpd−3) 8.0×10-4mol/Agmol 4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラアザインデン 1.2×10-4mol/Agmol ハイドロキノン 1.2×10-2mol/Agmol クエン酸 3.0×10-4mol/Agmol ヒドラジン化合物 表2に示す通り添加 造核促進剤(Cpd−5) 5.0×10-4mol/Agmol 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ− 1,3,5−トリアジンナトリウム塩 90mg/m2 水性ラテックス(Cpd−6) 100mg/m2 ポリエチルアクリレートラテックス 150mg/m2 コロイダルシリカ(粒径10μm) ゼラチンに対して15質量% 化合物(Cpd−7) ゼラチンに対して4質量% メチルアクリレートと2−アクリルアミド− 2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム塩と 2−アセトキシエチルメタクリレートのラテックス共重合体 (重量比88:5:7) 150mg/m2 コアシェル型ラテックス (コア:スチレン/ブタジエン共重合体(重量比37/63)、 シェル:スチレン/2−アセトキシエチルアクリレート (重量比84/16)、コア/シェル比=50/50) 150mg/m2 クエン酸を用いて塗布液pHを5.6に調整した。この
ようにして調製した乳剤層塗布液を下記支持体上に表2
に示す銀量、ゼラチン量になるように塗布した。
【0251】 保護層下層塗布液 ゼラチン 0.5g/m2 非感光性ハロゲン化銀粒子 銀量として0.1g/m2 化合物(Cpd−12) 15mg/m2 1,5−ジヒドロキシ−2−ベンズアルドキシム 10mg/m2 ポリエチルアクリレートラテックス 150mg/m2 化合物(Cpd−13) 3mg/m2 化合物(Cpd−20) 5mg/m2 防腐剤(ICI(株)製、プロキセル) 1.5mg/m2
【0252】 保護層上層塗布液 ゼラチン 0.3g/m2 平均3.5μmの不定形シリカマット剤 25mg/m2 化合物(Cpd−8)(ゼラチン分散物) 20mg/m2 粒径10〜20μmのコロイダルシリカ (日産化学製、スノーテックスC) 30mg/m2 化合物(Cpd−9) 50mg/m2 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 20mg/m2 化合物(Cpd−10) 20mg/m2 化合物(Cpd−11) 20mg/m2 防腐剤(ICI(株)製、プロキセル) 1mg/m2 なお、各層の塗布液には、下記増粘剤Zを加えて粘度調
整した。
【0253】
【化46】
【0254】 バック層塗布液 ゼラチン 3.3g/m2 化合物(Cpd−15) 40mg/m2 化合物(Cpd−16) 20mg/m2 化合物(Cpd−17) 90mg/m2 化合物(Cpd−18) 40mg/m2 化合物(Cpd−19) 26mg/m2 1,3−ジビニルスルホニル−2−プロパノール 60mg/m2 ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径6.5μm)30mg/m2 流動パラフィン 78mg/m2 化合物(Cpd−7) 120mg/m2 化合物(Cpd−20) 5mg/m2 コロイダルシリカ(粒径10μm) ゼラチンに対して15質量% 硝酸カルシウム 20mg/m2 防腐剤(ICI(株)製、プロキセル) 12mg/m2
【0255】 導電層塗布液 ゼラチン 0.1g/m2 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 20mg/m2 SnO2/Sb(9/1重量比、 平均粒子径0.25μm) 200mg/m2 防腐剤(ICI(株)製、プロキセル) 0.3mg/m2
【0256】
【化47】
【0257】
【化48】
【0258】
【化49】
【0259】《支持体》二軸延伸したポリエチレンテレ
フタレート支持体(厚み100μm)の両面に下記組成
の下塗層第1層塗布液および下塗層第2層塗布液を塗布
した。
【0260】 下塗層1層塗布液 コア−シェル型塩化ビニリデン共重合体 15g 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン 0.25g ポリスチレン微粒子(平均粒径3μm) 0.05g 化合物(Cpd−21) 0.20g コロイダルシリカ(日産化学(株)製、 スノーテックスZL、粒径70〜100μm) 0.12g 水 合計量が100gになる量 さらに、10質量%のKOHを加え、pH=6に調整し
た塗布液を乾燥温度180℃で2分間乾燥した後の乾燥
膜厚が0.9μmになる様に塗布した。
【0261】 下塗層第2層塗布液 ゼラチン 1g メチルセルロース 0.05g 化合物(Cpd−22) 0.02g C1225O(CH2CH2O)10H 0.03g 防腐剤(ICI(株)製、プロキセル) 3.5×10-3g 酢酸 0.2g 水 合計量が100gになる量 この塗布液を乾燥温度170℃で2分間乾燥した後の乾
燥膜厚が0.1μmになる様に塗布した。
【0262】
【化50】
【0263】《支持体上への塗布方法》上記下塗層を施
した支持体上に、まず乳剤面側として支持体に近い側よ
りUL層、乳剤層、保護層下層、保護層上層の順に4層
を、35℃に保ちながらスライドビードコーター方式に
より硬膜剤液を加えつつ同時重層塗布し、冷風セットゾ
ーン(5℃)を通過させた後、乳剤面とは反対側に支持
体に近い側より、導電層、バック層の順に、カーテンコ
ーター方式により硬膜剤液を加えながら同時重層塗布
し、冷風セットゾーン(5℃)を通過させた。各々のセ
ットゾーンを通過した時点では、塗布液は充分なセット
性を示した。引き続き乾燥ゾーンにて両面を同時に下記
乾燥条件にて乾燥した。なお、バック面側を塗布した
後、巻き取りまではローラー、その他には一切無接触の
状態で搬送した。この時の塗布速度は200m/min
であった。
【0264】《乾燥条件》セット後、水/ゼラチンの重
量比が800%になるまで30℃の乾燥風で乾燥し、8
00%から200%になるまでを35℃相対湿度30%
の乾燥風で乾燥させ、そのまま風を当て、表面温度34
℃となった時点(乾燥終了と見なす)から30秒後に、
48℃相対湿度2%の空気で1分間乾燥した。この時、
乾燥時間は乾燥開始から水/ゼラチン比800%までが
50秒、800%から200%までが35秒、200%
から乾燥終了までが5秒であった。
【0265】このハロゲン化銀写真感光材料を25℃相
対湿度55%で巻き取り、次いで同環境下で裁断し、6
時間調湿したバリアー袋に、25℃相対湿度50%で8
時間調湿した後、25℃相対湿度50%で2時間調湿し
てある厚紙と共に密閉し、表2に示す試料1〜26を作
製した。バリアー袋内の湿度を測定したところ45%で
あった。また、得られた試料の乳剤層側の膜面pHは
5.5〜5.8、バック側の膜面pHは6.0〜6.5
であった。なお、乳剤層側およびバック層側の吸収スペ
クトルは図1に示す通りであった。
【0266】≪露光および現像≫得られた各試料を66
7nmにピークを有する干渉フィルターおよびステップ
ウェッジを介して、発光時間10-6秒のキセノンフラッ
シュ光で露光した。そして下記処方の現像液(A)(富
士写真フイルム(株)製、ND−1)および定着液
(B)(富士写真フイルム(株)製、NF−1)を使用
し、自動現像機(富士写真フイルム(株)製、FG−6
80AG)を用い、35℃30秒の現像条件で処理し
た。
【0267】 現像液(A) [濃縮液1Lあたりの組成] 水酸化カリウム 60.0g ジエチレントリアミン・五酢酸 3.0g 炭酸カリウム 90.0g メタ重亜硫酸ナトリウム 105.0g 臭化カリウム 10.5g ハイドロキノン 60.0g 5−メチルベンゾトリアゾール 0.53g 4−ヒドロキシメチル−4−メチル−1−フェニル −3−ピラゾリドン 2.3g 3−(5−メルカプトテトラゾール−1−イル) ベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.15g 2−メルカプトベンゾイミダゾール −5−スルホン酸ナトリウム 0.45g エリソルビン酸ナトリウム 9.0g ジエチレングリコール 7.5g pH 10.79 使用にあたっては、母液は上記濃縮液2部に対して水1
部の割合で希釈し、母液のpHは10.65であった。
補充液は上記濃縮液4部に対して水3部の割合で希釈し
補充液のpHは10.62であった。
【0268】 定着液(B) [濃縮液1Lあたりの処方] チオ硫酸アンモニウム 360g エチレンジアミン・四酢酸・2Na・2水塩 0.09g チオ硫酸ナトリウム・5水塩 33.0g メタ亜硫酸ナトリウム 57.0g 水酸化ナトリウム 37.2g 酢酸(100%) 90.0g 酒石酸 8.7g グルコン酸ナトリウム 5.1g 硫酸アルミニウム 25.2g pH 4.85 使用にあたっては、上記濃縮液1部に対して水2部の割
合で希釈した。使用液のpHは4.8であった。
【0269】《評価》各試料について、感度、階調(ガ
ンマー)、実技濃度、保存安定性を以下の方法で測定し
た。 (感度)感度は、カブリ+1.5の濃度を与える露光量
の逆数で表し、試料No.1の値を100とする相対感
度として示した。値が大きい方が高感度であることを意
味する。
【0270】(ガンマー)光学濃度(y軸)と常用対数
露光量(x軸)で表される単位長の等しい直交座標軸上
に示される特性曲線を作成し、光学濃度0.3と3.0
との2点を結ぶ直線を引いてその勾配をガンマーとし
た。
【0271】(実技濃度)イメージセッター(富士写真
フイルム(株)製、RC5600V)を使用して175
線/インチで光量を変えながらテストステップを出力
し、前記の処理条件で現像処理を行い、中間網点が50
%になるLV値で露光した際のDmax部を測定し、実
技濃度とした。なお、網%および実技濃度は濃度計(Ma
cbeth TD904)を用いて測定した。
【0272】(ハロゲン化銀写真感光材料の保存安定
性)表2に示す通り作製された各試料を、保存性の強制
テストとして50℃相対湿度45%の条件下で5日保管
した後、センシトメトリーの評価を行い、感度S1.5
(サーモ)を求めた。強制テストを施していない試料の感
度(S1.5(Fr))との感度変動(ΔS1.5)を下式に
基づいて計算しパーセンテージで示した。
【0273】
【数1】 感度変動(ΔS1.5)の値は、感度が上昇した場合は正
の値を、逆に感度が低下した場合は負の値となる。数値
は小さい方が望ましく、絶対値として25%以内である
ことが実用上必要であり、10%以内であることがより
好ましい。
【0274】これらの評価結果を表2にまとめて示す。
表2より、本発明の条件を満たす試料は、感度、実技濃
度が高く、また保存性に優れていることがわかる。
【0275】
【表1】
【0276】
【表2】
【0277】<実施例2>実施例1における乳剤A〜K
の化学増感に使用されているチオ硫酸ナトリウムの代り
に四置換チオ尿素化合物であるカルボキシメチルトリメ
チルチオ尿素化合物、または、ジカルボキシメチルジメ
チルチオ尿素化合物をチオ硫酸ナトリウムと等モル添加
した以外は同様に試料を作製したところ、実施例1と同
様に本発明の構成の試料が良好な性能を示した。
【0278】<実施例3>実施例1と同様の実験を下記
の固形現像液(C)および固形定着剤(D)を用いて行
ったところ、実施例1と同様に本発明の構成の試料が良
好な性能を示した。
【0279】 固形現像剤(C) 水酸化ナトリウム(ビーズ)99.5% 11.5g 亜硫酸カリウム(原末) 63.0g 亜硫酸ナトリウム(原末) 46.0g 炭酸カリウム 62.0g ハイドロキノン(ブリケット) 40.0g 以下まとめてブリケット化した。 ジエチレントリアミン・五酢酸 2.0g 5−メチルベンゾトリアゾール 0.35g 4−ヒドロキシメチル−4−メチル−1−フェニル −3−ピラゾリドン 1.5g 4−(N−カルボキシメチル−N−メチルアミノ) −2,6−ジメルカプトピリミジン 0.2g 3−(5−メルカプトテトラゾール−1−イル) ベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.1g エリソルビン酸ナトリウム 6.0g 臭化カリウム 6.6g このものを水に溶かして1Lにした。 pH 10.65
【0280】ここで、原料形態で原末は一般的な工業製
品のままで使用し、アルカリ金属塩のビーズは市販品を
用いた。原料形態がブリケットであるものは、ブリケッ
ティングマシンを用いて加圧圧縮して板状にしたものを
破砕して用いた。少量成分に関しては、各成分をブレン
ドしてからブリケットにした。以上の処理剤は、10L
分を高密度ポリエチレン製の折り畳み可能な容器に充填
し、取り出し口をアルミシールで封印した。溶解および
補充には特開平9−80718号公報、特開平9−13
8495号公報に開示されている自動開封機構を有する
溶解補充装置を使用した。
【0281】 固形定着剤(D) A剤(固形) チオ硫酸アンモニウム(コンパクト) 125.0g 無水チオ硫酸ナトリウム(原末) 19.0g メタ重亜硫酸ナトリウム(原末) 18.0g 無水酢酸ナトリウム(原末) 42.0g B剤(液体) エチレンジアミン・四酢酸・2Na・2水塩 0.03g 酒石酸 2.9g グルコン酸ナトリウム 1.7g 硫酸アルミニウム 8.4g 硫酸 2.1g 水に溶かして50mlとした。A剤、B剤を水に溶かし
て1Lに調液したものを定着液(D)とした。pHは
4.8であった。
【0282】チオ硫酸アンモニウム(コンパクト)はス
プレードライ法により作製したフレーク品をローラーコ
ンパクターで加圧圧縮し、不定形の4〜6mm程度のチ
ップに破砕したものを用い、無水チオ硫酸ナトリウムと
ブレンドした。その他の原末は一般的な工業製品を使用
した。A剤、B剤とも10L分を高密度ポリエチレン製
の折り畳み可能な容器に充填し、A剤の取り出し口はア
ルミシールで封印した。B剤容器の口部は、スクリュー
キャップで封をした。溶解および補充には特開平9−8
0718号公報、特開平9−138495号公報に開示
されている、自動開封機構を有する溶解補充装置を使用
した。
【0283】<実施例4>実施例1の現像液(A)の代
わりに、下記現像液(E)を用いて実施例1と同様の実
験を行ったところ、実施例1と同様に本発明の構成のハ
ロゲン化銀写真感光材料が良好な性能を示した。
【0284】 現像液(E) [濃縮液1Lあたりの組成] 水酸化カリウム 105.0g ジエチレントリアミン・五酢酸 6.0g 炭酸カリウム 120.0g メタ重亜硫酸ナトリウム 120.0g 臭化カリウム 9.0g ハイドロキノン 75.0g 5−メチルベンゾトリアゾール 0.25g 4−ヒドロキシメチル−4−メチル−1−フェニル −3−ピラゾリドン 1.35g 4−(N−カルボキシメチル−N−メチルアミノ) −2,6−ジメルカプトピリミジン 0.3g 2−メルカプトベンゾイミダゾール −5−スルホン酸ナトリウム 0.45g エリソルビン酸ナトリウム 9.0g ジエチレングリコール 60.0g pH 10.7 使用にあたっては、上記濃縮液1部に対して水2部の割
合で希釈した。使用液のpHは10.5であった。
【0285】<実施例5>実施例1の現像液(A)で、
1日あたり20%黒化の富士写真フイルム(株)製スキ
ャナフィルムHLを大全サイズ(50.8cm×61c
m)あたり使用液を50ml補充しながら大全サイズを
20枚処理し、これを1週間に6日稼動でランニングを
15週間連続して行った。このようにして小量のフィル
ムを処理することによって亜硫酸濃度が3分の1に減少
した現像液が得られた。実施例1の現像液(A)で、1
日あたり80%黒化の富士写真フイルム(株)製スキャ
ナフィルムHLを、大全サイズ(50.8cm×61c
m)あたり使用液を50ml補充しながら大全サイズを
300枚処理し、これを4日間連続して行った。このよ
うにして大量のフィルムを処理することによってpHが
10.2に低下し臭素イオン濃度が増加した現像液が得
られた。
【0286】上記のような疲労現像液、あるいは疲労途
中段階の現像液を用いて実施例1と同様の実験を行った
ところ、実施例1と同様に本発明の構成のハロゲン化銀
写真感光材料が良好な性能を示した。
【0287】<実施例6>実施例1〜5において現像温
度38℃、定着温度37℃、現像時間20秒に設定して
処理を行ったところ、実施例1〜5と同様の結果とな
り、本発明の効果は失われることはなかった。
【0288】<実施例7>実施例1〜5において自現機
として富士写真フイルム(株)製FG−680ASを用
い、ハロゲン化銀写真感光材料の搬送速度を線速150
0mm/分に設定して同様の処理をしても、同様に本発
明の構成の試料が良好な性能を示した。
【0289】<実施例8>富士写真フイルム(株)製の
ラックスセッターRC−5600Vを使用するかわり
に、大日本スクリーン(株)製のイメージセッターFT
−R5055、アグファゲバルト(株)製のセレクトセ
ット5000、アバントラ25、もしくはアキュセット
1000、サイテックス(株)製のドレブ450、もし
くはドレブ800、ハイデル(株)製のライノ630、
クエーサー、ハーキュレスエリート、もしくはシグナセ
ッター、富士写真フイルム(株)製のラックスセッター
ラクセルF−9000、F−6000またはプレプレス
(株)製のパンサープロ62のいずれか1機種を用いて
同様の評価を行ったところ、本発明の構成の試料が良好
な性能を示した。
【0290】
【発明の効果】本発明によれば、高感度で保存安定性が
高い、硬調なハロゲン化銀写真感光材料を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施態様に係るハロゲン化銀写真
感光材料について、乳剤層側およびバック層側の吸収ス
ペクトルを示したものである。
【符号の説明】
縦軸は吸光度(0.1間隔)を示し、横軸は350nm
〜900nmまでの波長を示す。実線は乳剤層側の吸収
スペクトルを示し、破線はバック層側の吸収スペクトル
を示す。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも1層のハロゲン化
    銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料において、
    下記一般式(a)で表される有機メルカプト金(I)錯
    体の少なくとも1種を含有し、対数露光量(x軸)と光
    学濃度(y軸)の単位長の等しい直交座標軸上に示され
    る特性曲線において、光学濃度0.3〜3.0における
    ガンマーが5.0以上である特性曲線を有することを特
    徴とするハロゲン化銀写真感光材料。 一般式(a) [L−Au−L]M (式中、Lは有機メルカプトリガンドを表し、Mはカチ
    オン性対イオンを表す。ただし、この錯体は対称形であ
    る。)
  2. 【請求項2】 前記有機メルカプト金(I)錯体が、下
    記一般式(b)で表されることを特徴とする請求項1に
    記載のハロゲン化銀写真感光材料。 一般式(b) [(M−Rsol)n−A−S−Au−S−A−(Rsol
    M)n]M (式中、Mはカチオン性対イオンを表し、Rsolは親水
    性基を表し、Aは置換もしくは無置換のn+1価の有機
    連結基を表し、nは1〜4のいずれかを表し、nが2以
    上のときn個の(Rsol−M)は互いに同一であっても
    異なっていてもよい。ただし、この錯体は対称形であ
    る。)
  3. 【請求項3】 ハロゲン化銀写真感光材料がヒドラジン
    化合物を含有することを特徴とする請求項1または2に
    記載のハロゲン化銀写真感光材料。
  4. 【請求項4】 ハロゲン化銀写真感光材料の乳剤層側の
    膜面pHが6.0以下であることを特徴とする請求項1
    〜3のいずれか1項に記載のハロゲン化銀写真感光材
    料。
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