JP2003083384A - 油圧緩衝器 - Google Patents

油圧緩衝器

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JP2003083384A
JP2003083384A JP2001276391A JP2001276391A JP2003083384A JP 2003083384 A JP2003083384 A JP 2003083384A JP 2001276391 A JP2001276391 A JP 2001276391A JP 2001276391 A JP2001276391 A JP 2001276391A JP 2003083384 A JP2003083384 A JP 2003083384A
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port
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Shoichiro Matsunaga
昌一郎 松永
Tomoya Shimose
智也 下瀬
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KYB Corp
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Kayaba Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 伸側リーフバルブおよび圧側リーフバルブに
対するピストンの固定面の面積を十分に確保し、この固
定部位でのこれらの伸側リーフバルブおよび圧側リーフ
バルブの変形を防止可能にする。 【解決手段】 伸側ポート21と圧側ポート19をピス
トン16の外周側近傍から内周側に向けて斜めに形成
し、ピストンロッド17にロッド側油室18と反ロッド
側油室20を接続する油路33を形成し、この油路33
の途中に互いに反対方向に作動する伸側チェックバルブ
36と圧側チェックバルブ37を開閉自在に設け、伸側
ポート21を伸側チェックバルブ36を介してロッド側
油室18に開閉させ、圧側ポート19を圧側チェックバ
ルブ37を介して反ロッド側油室20に開閉させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走行中の車体に伝
わる振動を減衰させて、車両の乗心地を良くするための
油圧緩衝器に関する。
【0002】
【従来の技術】車両の走行中には、車体と車軸との間に
設けられた懸架スプリングにより、路面からの衝撃と車
軸の振動を吸収して、これらが車体に伝わらないように
している。
【0003】また、懸架スプリングに油圧緩衝器を並設
することで、懸架スプリングが受けた衝撃によって発生
する固有振動を吸収して、上記振動を早く減衰させ、車
両の乗心地の改善が図られている。
【0004】このような油圧緩衝器として、従来から図
2に示すものが提供されているが、これについて説明す
ると、まず、シリンダ1内にはピストン2を介してピス
トンロッド3が移動自在に挿入されている。
【0005】ピストン2は、シリンダ1内にロッド側
(伸側)油室4と反ロッド側(圧側)油室5を区画して
おり、これらのロッド側油室4および反ロッド側油室5
は、ピストン2に設けられた伸側ポート6および圧側ポ
ート7を介して連通している。
【0006】また、伸側ポート6の出口端には五枚の伸
側リーフバルブ8が開閉自在に当接され、圧側ポート7
の出口端には二枚の圧側リーフバルブ9が開閉自在に当
接されている。
【0007】そして、これらの圧側リーフバルブ9、ピ
ストン2および伸側リーフバルブ8は、ピストンロッド
3端の小径部3a外周に、バルブストッパ10および間
座11とともに順次挿通されている。
【0008】また、伸側リーフバルブ8より下部の上記
小径部3a外周には、さらに間座12およびバルブスト
ッパ13が挿通されて、その小径部3a端にねじ込まれ
たナット14によって、上記圧側リーフバルブ9、ピス
トン2および伸側リーフバルブ8などとともに、上記バ
ルブストッパ10方向に押圧保持されている。
【0009】このような構成になる油圧緩衝器では、路
面からの衝撃を受けるなどして、ピストンロッド2が伸
方向に移動すると、ロッド側油圧4内の作動油が圧側リ
ーフバルブ9に形成された油孔9a、ピストン2の伸側
ポート6を通過する。
【0010】さらに、この伸側ポート6を通過した作動
油は、伸側リーフバルブ8を押し開いて、反ロッド側油
室5へ流れ込み、このときロッド側油室4と反ロッド側
油室との圧力差に応じた減衰力が発生し、上記衝撃が吸
収される。
【0011】一方、ピストンロッド2が圧方向に移動す
ると、反ロッド側油室5内の作動油は、圧側ポート7を
通過し、さらに圧側リーフバルブ9を押し開いて、ロッ
ド側油室4へ流れ込む。
【0012】この場合にも、上記同様にロッド側油室4
と反ロッド側油室5との圧力差に応じた減衰力が発生
し、圧方向の上記衝撃が吸収される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような油圧緩衝器にあっては、ピストン2に対し伸側ポ
ート6および圧側ポート7を、径方向に重なるように別
々に設けているため、ピストン径に制約があるときは、
伸側リーフバルブ8および圧側リーフバルブ9を支持す
るピストン2の固定面a,a1の面積を十分に確保する
ことができないという問題があった。
【0014】また、上記固定面a,a1の面積が十分で
ない場合には、上記ナット14の締め付けにもとづき、
上記固定面a,a1に対する各伸側リーフバルブ8およ
び圧側リーフバルブにおける面圧応力が過大になり、こ
れらが各固定部位で変形してしまうという問題があっ
た。
【0015】また、バルブシートbに対する伸側リーフ
バルブ8周辺部の支持を確実にするため、図示のよう
に、伸側リーフバルブ8の外径が圧側ポート7の入口付
近まで延ばされているが、ピストンロッド3の伸び速度
が増大して、伸側ポート6内を流れる作動油の流量が増
加すると、上記伸側リーフバルブ8が開いたとき、その
周辺部で大きな撓みを生じ、これに伴い上記固定面a上
における伸側リーフバルブの面圧応力が過大になり、そ
の固定部位付近で伸側リーフバルブの変形あるいは強度
劣化を招くという可能性も考えられる。
【0016】本発明は、このような従来の課題を解決す
るものであり、ピストンにおける伸側リーフバルブおよ
び圧側リーフバルブを支持する固定面の面積を十分に確
保して、これらの伸側リーフバルブおよび圧側リーフバ
ルブをピストンロッドに保持するナットの締め付けにも
拘らず、上記固定面付近での伸側リーフバルブおよび圧
側リーフバルブの変形を防止できるとともに、ピストン
ロッドの伸び速度増大時においても、伸側リーフバルブ
8周辺での大きな撓みにもとづく固定部周辺の変形を回
避できる油圧緩衝器を得ることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のために、
請求項1の発明にかかる記載の油圧緩衝器は、伸側ポー
トと圧側ポートをピストンの外周側近傍から内周側に向
けて斜めに形成し、他方ピストンロッドに上記ロッド側
油室と反ロッド側油室を接続する油路を形成して、この
油路の途中に互いに反対方向に作動する伸側チェックバ
ルブと圧側チェックバルブを開閉自在に設け、上記伸側
ポートを伸側チェックバルブを介してロッド側油室に開
閉させ、上記圧側ポートを圧側チェックバルブを介して
反ロッド側油室に開閉させるようにしたものである。
【0018】これにより、伸側チェックバルブおよび圧
側チェックバルブのピストンにおける固定面の面積が十
分に確保でき、ピストンロッド速度の増大時やナットの
締め付けによる上記固定面付近での上記各チェックバル
ブの変形や強度劣化を確実に防止できる。
【0019】また、請求項2の発明にかかる油圧緩衝器
は、上記ピストンを、上下に分割された上下対称な二つ
のピストン本体から構成し、各ピストン本体に外周側近
傍から内周側に向けてポートを形成し、上側のピストン
本体のポートを圧側ポートとして利用し、下側のピスト
ン本体のポートを伸側ポートとして利用するようにした
ものである。
【0020】これにより、斜めに形成される伸側ポート
と圧側ポートを持ったピストンを、分割されたピストン
本体への切削加工並びに組み付けによって容易かつロー
コストに形成できる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態を図
について説明するが、図1は、本発明の油圧緩衝器の要
部を示す縦断面図であり、同図において、15は、シリ
ンダで、このシリンダ15内にピストン16を介してピ
ストンロッド17が移動自在に挿入されている。
【0022】また、ピストン16は、シリンダ15内に
ロッド側油室18と反ロッド側油室20を区画している
が、図示するところでは、同一形状の二つのピストン本
体16a,16bを互いに対称配置して、接合したもの
からなる。
【0023】ピストン本体16aは、このピストン本体
16a外周側のロッド側油室18に面する側から、ピス
トン本体16a内周側にかけて斜めの圧側ポート19を
有する。
【0024】一方、ピストン本体16bは、このピスト
ン本体16b外周側の反ロッド側油室20に面する側か
ら、ピストン本体16b内周側にかけて斜めの伸側ポー
ト21を有する。
【0025】また、各ピストン本体16a,16bの内
周には、各圧側ポート19および伸側ポート21の内端
を連結する環状の油室たる切欠部24が設けられてお
り、従って、ロッド側油室18と反ロッド側油室20と
は圧側ポート19、切欠部24および伸側ポート21を
介して連通可能となっている。
【0026】なお、これらのピストン本体16a,16
bの外周には、ピストンバンドホルダ22を介してピス
トンバンド23が嵌挿されている。
【0027】さらに、ピストン16の両端には、上記圧
側ポート19の出口端および伸側ポート21の出口端を
開閉する圧側リーフバルブ25および伸側リーフバルブ
26が設けられている。
【0028】そして、これらの圧側リーフバルブ25、
ピストン本体16a,16bおよび伸側リーフバルブ2
6は、ピストンロッド17の小径部17a外周に、バル
ブストッパ27および間座28を介して順次に挿入され
ている。
【0029】そして、伸側リーフバルブ26より下方の
小径部17aには、さらに間座29およびバルブストッ
パ30が挿通されて、その小径部17a端にねじ込まれ
たナット31により、これらが上記ピストン本体16
a,16bなどとともに、上記バルブストッパ27側に
密に押圧保持されている。
【0030】一方、上記ピストンロッド17の下部に
は、径方向に貫通する油孔32が設けられるとともに、
上記小径部17aの中心に、その油孔32を介してロッ
ド側油室18および反ロッド側油室20に連通する油路
33が設けられている。
【0031】この油路33は、上方の小径油路33aと
下方の大径油路33bとからなり、下方の大径油路33
b内にはバルブシート筒部材34が嵌挿されている。
【0032】筒部材34の中央には小径の油路33cが
形成されている。
【0033】更に、上記の大径油路33bは、ピストン
ロッド17の小径部17aに形成した半径方向の一つ又
は複数の連通孔を介して切欠部24に連通している。
【0034】上記の大径油路33b内に互いに反対方向
を向いている上下一対のポペット型の伸側チェック36
と圧側チェックバルブ37と両バルブ間に介在するコイ
ルスプリング35が挿入されている。
【0035】上方のチェックバルブ36の弁頭は、コイ
ルスプリング35で大径油路33bの上端シート部33
bに押圧されて小径油路33aを開閉し、下方の圧側チ
ェックバルブ37の弁頭は、コイルスプリング35で筒
部材34の上端シート部34aに押圧されて油路33c
を開閉している。
【0036】次に、この油圧緩衝器の動作を説明する
と、いま、車両が路面から衝撃を受けるなどして、ピス
トンロッド17が伸方向に移動すると、ロッド側油室1
8内の作動油がピストンロッド17に設けられた油孔3
2を介してこれに連続する油路33に導かれる。
【0037】さらに、この油路33に導かれた作動油
は、シート部33aに接している伸側チェックバルブ3
6を、コイルスプリング35の弱い反発力に抗して押し
開き、連通孔38、切欠部24および伸側ポート21を
通過し、最終的に伸側リーフバルブ26を押し開いて、
反ロッド側油室20へ流れ込む。
【0038】この結果、ロッド側油室18と反ロッド側
油室20との圧力差に応じた伸側の減衰力が発生し、上
記衝撃を吸収することとなる。なお、このとき圧側ポー
ト19内の圧力はロッド側油室18内の圧力と略等しい
値を保っている。
【0039】一方、ピストンロッド17が上記とは逆に
圧方向に移動した場合には、反ロッド側油室20内の作
動油は、バルブシート筒部材34内の油路33cに導か
れ、さらにシート部34aに接している圧側チェックバ
ルブ37をコイルスプリング35の反発力に抗して押し
開く。
【0040】このため、作動油は、上記バルブシート筒
部材34から連通孔38、切欠部24、圧側ポート19
を通過した後、上記圧側リーフバルブ25を押し開いて
ロッド側油室18に流れ込む。
【0041】これにより、ロッド側油室18と反ロッド
側油室20との圧力差に応じた圧側の減衰力が発生し、
上記衝撃を吸収することとなる。この場合において、伸
側ポート21内の圧力は反ロッド側油室20内の圧力と
略等しい値を保っている。
【0042】このような減衰力発生機能を備えた油圧緩
衝器では、圧側ポート19および伸側ポート21が、従
来のように、ピストン16をロッド側油室18および反
ロッド側油室20に共に貫通するように並設されること
がないため、つまり上記のように、各ピストン本体16
a、16bごとに斜め方向に設けられているために、ピ
ストン16における圧側リーフバルブ27および伸側リ
ーフバルブ26の固定面を十分に広く確保できる。
【0043】従って、上記ナット31の強い締め付けに
拘らず、各リーフバルブ26、27に対する面圧応力が
一部に集中することがなく、これらの固定部位における
変形や強度劣化を防止できる。
【0044】また、上記のようにピストン16における
固定面と同様に、各リーフバルブ26,25のシート面
も十分に広い面積を確保でき、従って、これらの各リー
フバルブ26,25をシート面を超えて大きく被せる必
要がなくなる。
【0045】この結果、ピストンロッド18の伸方向お
よび圧方向の速度が増大したときにも、各リーフバルブ
26,25の撓みが過大になることはなく、従って、上
記固定面付近における各リーフバルブ26,25の変形
や強度劣化を回避できることとなる。
【0046】そして、上記斜めの各圧側ポート19およ
び伸側ポート21を個別の同一形状のピストン本体16
a、16bごとに設けることで、その各ポート形成工程
を簡略化でき、使用的にはこれらを対称配置して接合す
るのみで簡単にピストン16を形成できる。
【0047】つまり、上記のような特殊な形態をなす斜
めの圧側ポート19および伸側ポート21を持ったピス
トン16を、簡単かつローコストに得ることができる。
【0048】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、伸側ポートと圧側ポートをピストンの外周側近傍か
ら内周側に向けて斜めに形成し、他方ピストンロッドに
上記ロッド側油室と反ロッド側油室を接続する油路を形
成し、この油路の途中に互いに反対方向に作動する伸側
チェックバルブと圧側チェックバルブを開閉自在に設
け、上記伸側ポートを伸側チェックバルブを介してロッ
ド側油室に開閉させ、上記圧側ポートを圧側チェックバ
ルブを介して反ロッド側油室に開閉させるようにしたの
で、伸側チェックバルブおよび圧側チェックバルブのピ
ストンにおける固定面の面積が十分に確保でき、ピスト
ンロッド速度の増大時やナットの締め付け時での上記固
定面付近での上記各チェックバルブの変形や強度劣化を
確実に防止できるという効果が得られる。
【0049】また、請求項2の発明によれば、ピストン
を上下に分割された上下対称な二つのピストン本体から
構成し、各ピストン本体に外周側近傍から内周側に向け
てポートを形成し、上側のピストン本体のポートを圧側
ポートとして利用し、下側のピストン本体のポートを伸
側ポートとして利用するようにしたことにより、斜めに
形成される伸側ポートと圧側ポートを持ったピストン
を、分割されたピストン本体への切削加工並びに組み付
けによって、面倒な工作を必要とすることなく容易かつ
ローコストに形成できるという利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態による油圧緩衝器を一部
破断して示す縦断面図である。
【図2】従来の油圧緩衝器を一部破断して示す縦断面図
である。
【符号の説明】
15 シリンダ 16 ピストン 16a,16b ピストン本体 17 ピストンロッド 18 ロッド側油室 19 圧側ポート 20 反ロッド側油室 21 伸側ポート 25 圧側リーフバルブ 26 伸側リーフバルブ 33 油路 36 伸側チェックバルブ 37 圧側チェックバルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3J069 AA50 CC13 EE05 EE06 EE35 EE62

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ内にピストンを介してピストン
    ロッドが移動自在に挿入され、ピストンはシリンダ内に
    ロッド側油室と反ロッド側油室とを区画し、これらのロ
    ッド側油室および反ロッド側油室はピストンに設けた伸
    側ポートと圧側ポートとを介して連通し、上記伸側ポー
    トの出口端に伸側リーフバルブが、圧側ポートの出口端
    に圧側リーフバルブがそれぞれ開閉自在に設けられてい
    る油圧緩衝器において、上記伸側ポートと圧側ポートを
    ピストンの外周側近傍から内周側に向けて斜めに形成
    し、他方ピストンロッドに上記ロッド側油室と反ロッド
    側油室を接続する油路を形成し、この油路の途中に互い
    に反対方向に作動する伸側チェックバルブと圧側チェッ
    クバルブを開閉自在に設け、上記伸側ポートを伸側チェ
    ックバルブを介してロッド側油室に開閉させ、上記圧側
    ポートを圧側チェックバルブを介して反ロッド側油室に
    開閉させることを特徴とする油圧緩衝器。
  2. 【請求項2】 上記ピストンが、上下に分割された上下
    対称な二つのピストン本体からなり、各ピストン本体に
    外周側近傍から内周側に向けてポートを形成し、上側の
    ピストン本体のポートを圧側ポートとして利用し、下側
    のピストン本体のポートを伸側ポートとして利用するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の油圧緩衝器。
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