JP2012013226A - 減衰力可変ダンパ - Google Patents

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Abstract

【課題】減衰力を簡単な制御で調整でき、さらに、減衰力を調整する際の応答性を好適に確保できる減衰力可変ダンパを提供する。
【解決手段】減衰力可変ダンパ10は、作動油12が充填されたシリンダ11と、シリンダに摺動自在に収納されてシリンダを上下の流体室21,22に区画するピストン13と、ピストンの摺動時に流体通路37を開放可能なバルブ手段15と、電圧が印可されることでバルブ手段を流体通路に向けて押圧可能な圧電体16とを備える。そして、圧電体に印可する電圧を変化させてバルブ手段を押圧する力を変えることによりダンパの減衰力を調整可能とした。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両の懸架装置に用いられてシリンダ内のピストンを摺動させることで減衰力を調整する減衰力可変ダンパに関する。
減衰力可変ダンパとして、シリンダ内にピストンが摺動自在に収納されてシリンダを第1、第2の流体室に区画し、ピストン内に圧電体およびスプールを収納し、圧電体でスプールを移動させてピストンの連通孔を開閉するものが知られている。
さらに、減衰力可変ダンパには、ピストンに絞孔が常時開放された状態に形成され、絞孔を経て第1、第2の流体室が連通されている。
この減衰力可変ダンパによれば、圧電体に電圧を印可しないときにピストンの連通孔を開放状態に保ち、連通孔を開放することで第1、第2の流体室を連通孔を介して連通することができる。
この状態で、ピストンが摺動することにより、作動油が連通孔および絞孔を流れ、連通孔および絞孔を流れる作動油の抵抗力がダンパの減衰力として得られる。
よって、連通孔を開放することで作動油の抵抗力を小さく抑えて減衰力を低く抑えることができる。
一方、圧電体に電圧を印可したときにスプールが移動してピストンの連通孔を閉塞する。この状態で、ピストンが摺動することにより、作動油が絞孔のみを流れ、絞孔のみを流れる作動油の抵抗力が減衰力として得られる。
よって、連通孔を閉塞することで作動油の抵抗力を大きくして、減衰力を高くすることができる。
すなわち、圧電体で連通孔を開閉することによりダンパの減衰力を2段階に調整することが可能である(例えば、特許文献1参照。)。
さらに、特許文献1の減衰力可変ダンパによれば、圧電体に印可する電圧を無段階(連続的)に制御することで、スプールによる連通孔の閉塞状態を無段階(連続的)に変えることが可能である。
このように、連通孔の閉塞状態を無段階(連続的)に変えることによりダンパの減衰力を無段階(連続的)に調整することが可能である。
特開昭61−85210号公報
ここで、特許文献1の減衰力可変ダンパは、連通孔を開閉するためにはスプールの移動量を連通孔の孔径より大きく確保する必要がある。
しかし、圧電体を構成する圧電素子単体は、電圧の印可による伸縮量(変位量)が微少である。よって、スプールの移動量を連通孔の孔径より大きく確保するためには、圧電体に印可する電圧を精度よく制御する必要がある。
このため、電圧を印可する制御が複雑になり、この観点から改良の余地が残されていた。
また、特許文献1の減衰力可変ダンパは、連通孔を開閉するために連通孔の開閉位置間でスプールを移動させる必要があり、連通孔を開閉する際にスプールの移動量が大きくなる。
よって、スプールを移動して連通孔を開閉状態に切り替える時間が長くなる。このため、ダンパの減衰力を調整する際に応答性の遅れ(タイムラグ)が生じ、この観点から改良の余地が残されていた。
本発明は、減衰力を簡単な制御で調整でき、さらに、減衰力を調整する際の応答性を好適に確保できる減衰力可変ダンパを提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、車両の懸架装置に用いられて減衰力を調整可能な減衰力可変ダンパであって、作動油が充填されたシリンダと、前記シリンダに摺動自在に収納されて前記シリンダを第1、第2の流体室に区画するとともに、前記第1、第2の流体室を連通させる流体通路を有するピストンと、前記ピストンに設けられ、前記流体通路に向けて押圧することで前記流体通路を閉塞可能で、かつ、前記ピストンの摺動時に前記流体通路を開放可能なバルブ手段と、前記バルブ手段に連結され、電圧が印可されることで前記バルブ手段を前記流体通路に向けて押圧可能な圧電体と、を備え、前記圧電体に印可する電圧を変化させて前記バルブ手段を押圧する力を変えることにより前記減衰力を調整可能としたことを特徴とする。
請求項2は、前記ピストンは、前記圧電体が設けられたピストン本体と、前記ピストン本体に一体に形成されて前記流体通路が設けられた通路部と、を有し、前記バルブ手段は、前記通路部および前記ピストン本体間に摺動自在に設けられて前記流体通路を開閉可能なバルブ本体と、前記バルブ本体を前記流体通路に向けて押圧する弾性手段と、を有し、前記弾性手段に前記圧電体を設けて、前記圧電体に電圧を印可することにより前記弾性手段を前記流体通路に向けて押圧可能としたことを特徴とする。
請求項3は、前記バルブ本体は、前記第1流体室および前記第2流体室のうち一方の流体室に配置され、前記流体通路を閉塞した状態において、前記流体通路を介して前記第1流体室および前記第2流体室のうち他方の流体室に臨み、前記他方の流体室に充填された作動油の押圧力が前記圧電体の押圧方向に対して反対方向を向くように作用する第1受圧部と、前記流体通路を閉塞した状態において、前記一方の流体室に充填された作動油の押圧力が前記圧電体の押圧方向に対して反対方向を向くように作用する第2受圧部と、を有することを特徴とする。
請求項4は、前記バルブ本体は、前記流体通路に向けて先細状となる円錐形状部を有し、前記円錐形状部の接触外周部位を前記流体通路の外周壁に当接させて前記流体通路を閉塞可能とし、前記円錐形状部のうち前記接触外周部位から先端までの先円錐部位が前記他方の流体室に臨む前記第1受圧部であり、前記接触外周部位から基端までの根元円錐部位が前記一方の流体室に臨む前記第2受圧部であり、前記先円錐部位の投影面積を前記根元円錐部位の投影面積に一致させたことを特徴とする。
請求項5は、前記流体通路は、前記通路部の外周に沿って形成され、前記バルブ本体は、前記流体通路を閉塞可能に前記通路部の外周に沿って形成され、前記第1受圧部が設けられた外枠部と、前記外枠部の内側に配置され、前記第2受圧部が設けられた中央部と、を有し、前記第1受圧部の投影面積を前記第2受圧部の投影面積に一致させたことを特徴とする。
請求項1に係る発明では、圧電体に電圧を印可することでバルブ手段を流体通路に向けて押圧可能とした。そして、圧電体に印可する電圧を変化させてバルブ手段を押圧する力(押圧力)を変えることによりダンパの減衰力(以下、「ダンパ減衰力」という)を調整可能とした。
このように、圧電体によるバルブ手段への押圧力を変えることで減衰力を調整できるので、従来技術のように、圧電体によるバルブ手段の移動量を考慮する必要がない。
すなわち、バルブ手段の移動量を確保するために、圧電体に印可する電圧を精度よく制御する必要がない。
これにより、圧電体に印可する電圧を容易に制御することができるので、ダンパ減衰力を簡単な制御で調整することができる。
特に、一例として、圧電体に印可する電圧と、電圧に応じて得られる減衰力との関係をマップ化し、この特性マップなどを用いることで減衰力の調整を一層簡単に制御することが可能である。
さらに、圧電体によるバルブ手段への押圧力を変えることで減衰力を調整できるので、従来技術のように、バルブ手段を連通孔の開閉位置間で移動する必要がない。
これにより、連通孔の開閉にかかる時間(必要とする時間)を考慮する必要がないので、ダンパを調整する際の応答性を好適に確保することができる。
請求項2に係る発明では、流体通路をバルブ本体で開閉可能とし、バルブ本体を弾性手段で流体通路に向けて押圧可能とした。さらに、圧電体に電圧を印可することで弾性手段を流体通路に向けて押圧可能とした。
ここで、ピストンが摺動した際に第1、第2の流体室に差圧が発生し、発生した差圧によりバルブ本体に押圧力が作用する。そして、バルブ本体に作用する押圧力が圧電体の押圧力を超えた場合に弾性手段が圧縮する。
このように、弾性手段が圧縮することで、バルブ本体が流体通路から押し上げられて流体通路が開放した状態に保たれる。
さらに、流体通路が開放した状態においてピストンの摺動速度が変化した場合、摺動速度に応じて弾性手段の圧縮量が変化する。
これにより、ピストンの摺動速度に対応させてダンパ減衰力を変化させることができる。
請求項3に係る発明では、流体通路をバルブ本体で閉塞した状態において、他方の流体室に充填された作動油の押圧力が第1受圧部に作用し、一方の流体室に充填された作動油の押圧力が第2受圧部に作用するようにした。
そして、第1受圧部および第2受圧部に作用する各押圧力が圧電体の押圧方向に対して反対方向を向くようにした。
よって、ダンパを伸張する際や圧縮する際の両作動において、バルブ本体を流体通路から押し上げて流体通路を開放した状態に保つことができる。
これにより、例えば、圧電体やバルブ手段をそれぞれ一つずつ備えたモノチューブタイプダンパでも、ダンパが圧縮・伸張する際の両作動においてダンパ減衰力の調整が可能になる。
請求項4に係る発明では、バルブ本体に円錐形状部を備え、円錐形状部の先円錐部位を第1受圧部とし、円錐形状部の根元円錐部位を第2受圧部とした。
これにより、バルブ本体に円錐形状部を備えるだけの簡単な構成で、ダンパが圧縮・伸張する際の両作動においてダンパ減衰力を調整することができる。
請求項5に係る発明では、通路部の外周に沿って流体通路を形成した。よって、通路部の中央に流体通路を形成する場合と比較して流体通路の開口面積を大きく確保できる。
これにより、高速域において流体通路を十分に開放することで低減衰を確保することができる。
本発明に係る減衰力可変ダンパ(実施例1)を示す断面図である。 図1の減衰力可変ダンパの要部を示す断面図である。 実施例1の減衰力可変ダンパで減衰力を調整する例を説明する図である。 図4(a)は実施例1の圧電体およびばね部材の荷重に対する変位を説明するグラフ、図4(b)は実施例1のダンパ速度に対するダンパ減衰力を説明するグラフである。 実施例1の圧電体に電圧を印加可能で圧電体で発生させた電圧を回生可能な構成を示すブロック図である。 図6(a)は実施例1の圧電体に電圧を印加する例を説明する図、図6(b)は実施例1の圧電体で発生した電圧(電力)を回生する例を説明する図である。 本発明に係る減衰力可変ダンパ(実施例2)を示す断面図である。 実施例2の第1受圧部および第2受圧部の投影面積を示す平面図である。 実施例2の減衰力可変ダンパでピストン下降時に減衰力を調整する例を説明する図である。 実施例2の減衰力可変ダンパのダンパ速度に対するダンパ減衰力を説明するグラフである。 実施例2の減衰力可変ダンパでピストン上昇時に減衰力を調整する例を説明する図である。 本発明に係る減衰力可変ダンパ(実施例3)を示す断面図である。 実施例3のバルブ本体および流体通路の関係を説明する平面図である。 実施例3の減衰力可変ダンパでピストン下降時に減衰力を調整する例を説明する図である。 実施例3の減衰力可変ダンパでピストン上昇時に減衰力を調整する例を説明する図である。
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
実施例1に係る減衰力可変ダンパ10について説明する。
図1に示すように、減衰力可変ダンパ10は、作動油12が充填された円筒状のシリンダチューブ11(以下、「シリンダ」という)と、シリンダ11内に摺動自在に収容されたピストン13と、ピストン13に連結されてシリンダ11の上端部11aから突出したピストンロッド14と、ピストン13に設けられたバルブ手段15と、バルブ手段15に連結(当接)された圧電体16とを備える。
減衰力可変ダンパ10は、シリンダ11内にピストン13を矢印方向に摺動自在に収容することで、シリンダ11内が上流体室(第1の流体室、一方の流体室)21および下流体室(第2の流体室、他方の流体室)22に区画されている。
この減衰力可変ダンパ10は、車両20の懸架装置に用いられる緩衝装置であり、シリンダ11内でピストン13を矢印方向に摺動することにより、作動油12を上流体室21および下流体室22間で移動させて減衰力を得ることができる。
さらに、減衰力可変ダンパ10は、圧電体16が給電用ハーネス24を経て制御部25に接続され、圧電体16が回生用(充電用)ハーネス26を経て電源(バッテリ)27に接続され、電源27が電装部品28などに接続されている。
図2に示すように、ピストン13は、バルブ手段15および圧電体16が設けられたピストン本体31と、ピストン本体31に一体に形成された通路部36と、ピストン本体31の外周に設けられたシール38とを有する。
ピストン本体31は、バルブ手段15を摺動自在に収容するバルブ収容空間34がピストン本体31と同軸上に設けられ、外周壁32の同一円周上に複数の開口孔33が所定間隔をおいて設けられている。
通路部36は円板状に形成され、略中央に流体通路37が上下方向を向いてバルブ収容空間34と同軸上に設けられている。
この流体通路37は、ピストン空間35および複数の開口孔33を介して上流体室21および下流体室22を連通可能な通路である。
シール38は、ピストン本体31の外周壁32に設けられ、かつ、シール外周がシリンダ11の内周壁11bに摺動自在に当接(接触)されている。
シール38をシリンダ11の内周壁11bに摺動自在に当接(接触)することで、シリンダ11内が上流体室21および下流体室22に区画されている。
バルブ手段15は、通路部36の上方に設けられたバルブ本体41と、バルブ本体41の上部41aに設けられたばね部材(弾性手段)42と、ばね部材42の上部42aに設けられたプランジャ43とを有する。
バルブ本体41は、上流体室21において通路部36およびピストン本体31間に配置され、ピストン本体31のバルブ収容空間34に上下方向に摺動自在に設けられた円板状の部材である。
このバルブ本体41は流体通路37に対して同軸上に配置され、流体通路37より大径に形成されている。
バルブ本体41が下降して下部41bを通路部36の上部36aに当接することで、バルブ本体41で流体通路37が閉塞される。
一方、バルブ本体41を上昇させて通路部36から離すことで流体通路37を開放することができる。
流体通路37を開放することで、下流体室22が流体通路37、ピストン空間35および複数の開口孔33を経て上流体室21に連通される。
ばね部材42は、バルブ本体41の上部41aにバルブ本体41と同軸上に設けられるとともにバルブ収容空間34に収容されている。
このばね部材42は、バルブ本体41を通路部36(流体通路37)に向けて押圧可能な圧縮コイルばねである。
プランジャ43は、ばね部材42の上部42aにバルブ本体41と同軸上に設けられ、バルブ収容空間34に上下方向に摺動自在に収容された円板状の部材である。
このプランジャ43に圧電体16の下端部16aが連結(当接)されている。
圧電体16は、複数の圧電素子単体17が上下方向に積層されて円柱状に形成され、殆どの圧電素子単体17がピストンロッド14内の圧電体収容部14aに収容され、残りの圧電素子単体17がバルブ収容空間34に収容されている。
この圧電体16は、プランジャ43、ばね部材42およびバルブ本体41に対して同軸上に配置され、上端部16bがピストンロッド14のストッパ部19に当接されるとともに下端部16aがプランジャ43に連結(当接)されている。
ストッパ部19は、ピストンロッド14に固定されている。よって、圧電体16の上端部16bが上方に伸びることをストッパ部19で阻止することができる。
圧電体16は、給電用ハーネス24を経て制御部25(図1参照)に接続されている。
制御部25は、圧電体16に電圧を印可する状態と、印可しない状態に切り替えることが可能で、さらに、圧電体16に印可する電圧を調整する(変化させる)ことができる。
なお、制御部25については後で詳しく説明する。
つぎに、減衰力可変ダンパ10の減衰力を調整する例を図3、図4に基づいて説明する。
図4(a)は、本発明に係る圧電体16およびばね部材42の荷重に対する変位を説明するグラフであり、圧電体16をグラフG1,G2,G3で示し、ばね部材42をグラフG4で示す。縦軸は圧電体16やばね部材42に作用する荷重を示し、横軸は圧電体16やばね部材42の変位を示す。
グラフG1は圧電体16に低電圧を印可した状態を示すグラフである。
グラフG2は圧電体16に中電圧を印可した状態を示すグラフである。
グラフG3は圧電体16に高電圧を印可した状態を示すグラフである。
図4(b)は、本発明に係る減衰力可変ダンパ10のダンパ速度に対するダンパ減衰力(ダンパの減衰力)を説明するグラフであり、ダンパ速度に対するダンパ減衰力をグラフG5,G6,G7で示す。縦軸はダンパ減衰力を示し、横軸はダンパ速度を示す。
グラフG5は、グラフG1(図4(a)参照)の低電圧を圧電体16に印可したときに得られるダンパ減衰力を示すグラフである。
グラフG6は、グラフG2(図4(a)参照)の中電圧を圧電体16に印可したときに得られるダンパ減衰力を示すグラフである。
グラフG7は、グラフG3(図4(a)参照)の高電圧を圧電体16に印可したときに得られるダンパ減衰力を示すグラフである。
ここで、図4(a)に示すグラフG1〜G3のうち、代表例としてグラフG1の低電圧を圧電体16に印可する例を説明する。
図3(a)に示すように、グラフG1(図4(a)参照)の低電圧を圧電体16に印可していない状態において、ばね部材42のばね力でバルブ本体41が通路部36に当接した状態に保たれる。
バルブ本体41を通路部36に当接させた状態で、図4(a)に示すグラフG1の低電圧を圧電体16に印可する。
圧電体16に低電圧を印可することで圧電体16が伸びる方向に変位しようとする。
ここで、圧電体16の上端部16bがストッパ部19に(連結)当接しているので、上端部16bが上方に変位することをストッパ部19で阻止する。
よって、圧電体16の下端部16aがプランジャ43に向けて伸びるように変位Δpしてプランジャ43を荷重F1でばね部材42に向けて押し下げる。
このとき、バルブ本体41が通路部36に当接している。よって、圧電体16が荷重F1でプランジャ43を押し下げることでばね部材42が流体通路37に向けて押圧され、押圧されたばね部材42が圧縮するように変位Δsする。
ばね部材42が圧縮するように変位Δsすることで、ばね部材42にプランジャ43を圧電体16に向けて押し上げる荷重F2が作用する。
ばね部材42の荷重F2および圧電体16の荷重F1が釣り合った(バランスした)状態において、圧電体16の変位Δpを制止するとともにばね部材42の変位Δsを制止する。
ここで、ばね部材42の荷重F2および圧電体16の荷重F1が釣り合った荷重を、便宜上、バランス荷重Fb1とする。
このときの、ばね部材42の変位ΔsはΔ1であり、圧電体16の変位ΔpはΔ1である。
すなわち、図4(a)のグラフにおいて、バランス点Pb1でばね部材42の荷重F2および圧電体16の荷重F1がバランス荷重Fb1で釣り合う。
ばね部材42の荷重F2および圧電体16の荷重F1が釣り合った(バランスした)状態において、バルブ本体41が通路部36にバランス荷重Fb1で押圧された状態に保たれる。
バルブ本体41が通路部36にバランス荷重Fb1で押圧されることで、バルブ本体41で流体通路37が閉塞された状態に保たれる。
バルブ本体41で流体通路37が閉塞された状態において、ピストン13を矢印Aの如く下向きに摺動(移動)する。
ピストン13を矢印Aの如く下向きに摺動することで、上下の流体室21,22間の差圧Pが下流体室22に発生する。発生した差圧Pによりバルブ本体41に押圧力Poが作用する。
押圧力Po=P×(π/4)×D
但し、D:流体通路37の直径(孔径)
バルブ本体41に作用する押圧力Poがバランス荷重Fb1を超えた場合にばね部材42が圧縮する。
図3(b)に示すように、ばね部材42が圧縮することで、バルブ本体41が流体通路37から離れる方向に矢印Bの如く押し上げられて流体通路37が開放する。
流体通路37が開放することで、下流体室22の作動油12が流体通路37、ピストン空間35および開口孔33を経て上流体室21に矢印Cの如く流れる。
作動油12が流体通路37を流れるときの抵抗力でグラフG5(図4(b)参照)に示すダンパ減衰力が得られる。
ここで、流体通路37が開放した状態において、ピストン13の矢印A方向への摺動速度が変化した場合、摺動速度に応じてばね部材42の変位Δs(図4(a)参照)が変化する。
よって、バルブ本体41が流体通路37から離れる距離L1が変化し、流体通路37を流れる作動油12の流量Qが変化する。
具体的には、ピストン13の矢印A方向の摺動速度が速くなったとき、上下の流体室21,22間の差圧P(すなわち、押圧力Po)が大きくなりばね部材42が圧縮する方向に変位Δs(図4(a)参照)する。
ばね部材42が圧縮する方向に変位Δsすることでバルブ本体41が流体通路37から離れる距離L1が大きくなり、流体通路37を流れる作動油12の流量Qが多量になる。
よって、図4(b)に示すグラフG5の上昇傾斜が緩やかになり、減衰力可変ダンパ10のダンパ減衰力が必要以上に上昇することを好適に抑えることができる。
一方、ピストン13の矢印A方向の摺動速度が遅くなったとき、上下の流体室21,22間の差圧P(すなわち、押圧力Po)が小さくなりばね部材42が伸張する方向に変位Δs(図4(a)参照)する。
ばね部材42が伸張する方向に変位Δsすることでバルブ本体41が流体通路37から離れる距離L1が小さくなり、流体通路37を流れる作動油12の流量Qが少なくなる。
よって、図4(b)に示すグラフG5の下降傾斜が緩やかになり、減衰力可変ダンパ10のダンパ減衰力が必要以上に下降することを好適に抑えることができる。
このように、流体通路37が開放した状態において、ピストン13の矢印A方向への摺動速度が変化した場合、摺動速度に応じてばね部材42の変位Δs(図4(a)参照)を変化させることができる。
よって、バルブ本体41が流体通路37から離れる距離L1を変化させて、流体通路37を流れる作動油12の流量Qを変えることができる。
すなわち、減衰力可変ダンパ10によれば、ピストン13の摺動速度に対応させて減衰力可変ダンパ10のダンパ減衰力を好適に変化させることができる。
ここで、制御部25で圧電体16に印可する電圧を調整する(変化させる)ことで、バランス荷重Fb1(バランス点Pb1)を調整することができる。
具体的には、図4(a)に示すグラフG2の中電圧を圧電体16に印可することで、バランス荷重Fb2(バランス点Pb2)に調整することができる。
バランス荷重Fb2(バランス点Pb2)に調整することで、図4(b)に示すグラフG6のダンパ減衰力が得られる。
また、図4(a)に示すグラフG3の高電圧を圧電体16に印可することで、バランス荷重Fb3(バランス点Pb3)に調整することができる。
バランス荷重Fb3(バランス点Pb3)に調整することで、図4(b)に示すグラフG7のダンパ減衰力が得られる。
このように、バランス荷重Fb1〜Fb3(バランス点Pb1〜Pb3)を調整することで、減衰力可変ダンパ10のダンパ減衰力を好適に調整することができる。
以上説明したように、実施例1の減衰力可変ダンパ10によれば、圧電体16に電圧を印可することでバルブ本体41を流体通路37に向けて押圧可能とした。そして、圧電体16に印可する電圧を、一例として低電圧、中電圧および高電圧に変化させてバルブ本体41を押圧する荷重F1(図3(a)参照)を変えることにより減衰力可変ダンパ10のダンパ減衰力を調整可能とした。
このように、圧電体16によるバルブ本体41への押圧力(荷重F1)を変えることでダンパ減衰力を調整できるので、従来技術のように、圧電体16によるバルブ本体の移動量を考慮する必要がない。
すなわち、バルブ本体の移動量を確保するために、圧電体に印可する電圧を精度よく制御する必要がない。
これにより、圧電体16に印可する電圧を容易に制御することができるので、減衰力可変ダンパ10の減衰力を簡単な制御で調整することができる。
特に、一例として、圧電体16に印可する電圧と、電圧に応じて得られる減衰力との関係をマップ化し、この特性マップなどを用いることで減衰力の調整を一層簡単に制御することが可能である。
さらに、圧電体16によるバルブ本体41への押圧力(荷重F1)を変えることでダンパ減衰力を調整できるので、従来技術のように、バルブ本体を連通孔の開閉位置間で移動する必要がない。
これにより、連通孔の開閉にかかる時間(必要とする時間)を考慮する必要がないので、減衰力可変ダンパ10を調整する際の応答性を好適に確保することができる。
加えて、減衰力可変ダンパ10は、上下の流体室21,22間の差圧Pが許容圧に到達した場合にバルブ手段15のばね部材42を圧縮させて流体通路37を開くように構成されている。
このように、減衰力可変ダンパ10にチェックバルブの機能が備えられているので、従来必要とされていたチェックバルブを不要にできる。
ところで、図1に示す減衰力可変ダンパ10において、車両20の走行中に圧電体16に路面振動が反力として作用する。
圧電体16に路面振動が反力として作用することで、圧電体16が変位して圧電体16に電圧(電力)が発生する。
このように、圧電体16で発生させた電圧(電力)を回生用ハーネス26を経て電源27に貯える(回生する)ことができる。
つぎに、圧電体16で発生させた電圧(電力)を回生する構成を図1、図5に基づいて詳しく説明する。
すなわち、車両20の走行中に圧電体16が反力(外力)で変位した際に圧電体16に電圧が発生する。圧電体16で発生させた電圧のなかには、交流(AC)の状態に近い成分の電圧や直流(DC)の状態に近い成分の電圧が含まれている。
以下、交流(AC)の状態に近い成分の電圧を「交流成分」という。
また、直流(DC)の状態に近い成分の電圧を「直流成分」という。
ここで、圧電体16で発生させた交流成分および直流成分のうち、回生に必要な電圧(電力)は交流成分である。
そこで、図1に示すように、減衰力可変ダンパ10は、圧電体16で発生させた交流成分および直流成分のなかから直流成分を除去するために、給電回路部や回生回路部に制御部25およびキャパシタ47を備えた。
ここで、給電回路部とは、給電用ハーネス24で形成され、電圧を印加可能な回路部をいう。
また、回生回路部とは、回生用ハーネス26で形成され、電圧(電力)を回生可能な回路部をいう。
具体的には、図5に示すように、減衰力可変ダンパ10は、前記給電回路部や前記回生回路部をそれぞれオン、オフ状態に切替え可能な制御部25と、圧電体16に電圧を供給する電源27と、前記回生回路部に設けられたキャパシタ47と、前記給電回路部に設けられた駆動回路(ドライブ回路)48と、前記回生回路部に設けられた整流回路49とを備えている。
制御部25は、前記給電回路部や前記回生回路部をそれぞれオン、オフの状態に切替え可能な第1制御部45と、第1制御部45にオン、オフ信号を伝える第2制御部46とを備えている。
第1制御部45は、給電用ハーネス24に設けられた給電用スイッチ45aと、回生用ハーネス26に設けられた回生用(充電用)スイッチ45bとを備えている。
給電用スイッチ45aおよび回生用スイッチ45bは、第2制御部46からの信号に基づいてオン、オフの状態に切替え可能なスイッチである。
給電用ハーネス24に給電用スイッチ45aを設けることで、回生の際に前記給電回路部をオフの状態に切り替えることができる。
よって、回生の際に圧電体16で発生させた交流電圧が駆動回路(ドライブ回路)48側に導かれることを防止できる。
第2制御部46は、給電用スイッチ45aおよび回生用スイッチ45bのオン、オフ状態を制御するための信号を第1制御部45に伝えることができる。
給電用スイッチ45aおよび回生用スイッチ45bのオン、オフ状態を制御することで、圧電体16に電圧を印可する状態と、圧電体16で発生させた電圧(電力)を回生する状態とに切り替えることができる。
加えて、第2制御部46は、圧電体16に印可する電圧を調整する(変化させる)ことができる。
キャパシタ47は、回生時に圧電体16に蓄えられた電荷が整流回路49に流れないように直流成分とみなせる電圧を保持し、かつ、回生時に外力によって発電した時間的変化が大きい電圧(交流成分とみなせる電圧)のみを流す機能を備えている。
なお、電荷は、電源27から駆動回路48を経て圧電体16に印加された直流電圧により圧電体16に蓄えられる。
よって、キャパシタ47は、圧電体16で発生させた電力(直流成分および交流成分)から直流成分を除去して交流成分のみを整流回路49に流すことができる。
これにより、キャパシタ47を回生回路部に備えることで、回生時に外力によって発電した時間的変化が大きい電圧(交流成分とみなせる電圧)のみを回生することができる。
駆動回路48は、前記給電回路部において第2制御部46および第1制御部45間に設けられ、圧電体16に適正な電圧を供給可能な回路である。
整流回路49は、前記回生回路部においてキャパシタ47および電源27間に設けられている。
この整流回路49は、圧電体16で発生させた電圧(電力)のうち交流成分を好適に整流可能な回路である。
つぎに、圧電体16に電圧を給電(印可)する例を図6(a)に基づいて説明する。
図6(a)に示すように、給電用スイッチ45aおよび回生用スイッチ45bがオフの状態において、第2制御部46から第1制御部45に給電信号を伝える。
第1制御部45に給電信号を伝えることで給電用スイッチ45aがオンに切り替わる。
これにより、前記給電回路部がオンの状態に切り替わり、電源27から第2制御部46、駆動回路48および給電用スイッチ45aを経て圧電体16に適正な電圧を印加することができる。
ここで、第2制御部46は、圧電体16に印可する電圧を調整する(変化させる)機能を備えている
よって、圧電体16に印加する電圧を第2制御部46で、例えば、前述したように低電圧、中電圧および高電圧に調整する(変化させる)ことができる。
ついで、圧電体16で発生した電圧を回生する例を図6(b)に基づいて説明する。
図6(b)に示すように、給電用スイッチ45aがオン、回生用スイッチ45bがオフの状態において、第2制御部46から第1制御部45に回生信号を伝える。
第1制御部45に回生信号を伝えることで給電用スイッチ45aがオフ、回生用スイッチ45bがオンに切り替わる。
よって、前記回生回路部がオンの状態に切り替わり、圧電体16で発生させた電圧を回生用スイッチ45bを経てキャパシタ47に伝えることができる。
キャパシタ47に伝えられた電圧(電力)は、キャパシタ47において直流成分が除去され、交流成分のみが整流回路49に伝えられる。
整流回路49側に伝えられた交流成分は整流回路49を経て電源27に伝えられる。
加えて、給電用スイッチ45aがオフに切り替えられている。
よって、前記給電回路部がオフの状態に切り替えられており、圧電体16に発生した電圧(電力)が給電用スイッチ45a、駆動回路48および第2制御部46を経て電源27に伝わることを防止できる。
このように、回生用ハーネス26にキャパシタ47を設け、かつ、給電用スイッチ45aをオフに切り替えることで、回生に必要な交流成分のみを電源27に回生(充電)することができる。
つぎに、実施例2,3に係る減衰力可変ダンパを図7〜図15に基づいて説明する。
なお、実施例2,3に係る減衰力可変ダンパにおいて実施例1の減衰力可変ダンパ10と同一・類似部材については同じ符号を付して説明を省略する。
図7に示すように、減衰力可変ダンパ50は、実施例1のバルブ本体41に代えてバルブ本体51を設けたもので、その他の構成は実施例1の減衰力可変ダンパ10と同様である。
バルブ本体51は、流体通路37に向けて先細状となる円錐形状部52を有し、円錐形状部52の接触外周部位52aを流体通路37の外周壁37aに当接させて流体通路37を閉塞可能とした。
円錐形状部52は、基端52bから先端52cに向けて徐々に小径になるように(先細状となるように)円錐形に形成されている。
接触外周部位52aは、円錐形状部52のうち、基端52bおよび先端52c間の高さ方向において略中央に位置する円形状の部位(図8参照)である。
このバルブ本体51は、流体通路37を閉塞させた状態において、下流体室22に臨む先円錐部位53と、上流体室21に臨む根元円錐部位54とを有する。
先円錐部位53は、円錐形状部52のうち接触外周部位52aから先端52cまでの部位である。
この先円錐部位53は、上下の流体室21,22間の差圧Pが下流体室22に発生した際に差圧Pを受ける第1受圧部である。以下、先円錐部位53を第1受圧部53として説明する。
第1受圧部53は、流体通路37を閉塞した状態において、流体通路37を介して下流体室22に臨み、下流体室22に充填された作動油12の押圧力(すなわち、差圧P)が圧電体16の押圧方向に対して反対方向(逆方向)を向くように作用する部位である。
図8に示すように、第1受圧部53は投影形状が円形で、投影面積S1に形成されている。
図7に示すように、根元円錐部位54は、円錐形状部52のうち接触外周部位52aから基端52bまでの部位である。
この根元円錐部位54は、上下の流体室21,22間の差圧Pが上流体室21に発生した際に差圧Pを受ける第2受圧部である。以下、根元円錐部位54を第2受圧部54として説明する。
第2受圧部54は、流体通路37を閉塞した状態において上流体室21に臨み、上流体室21に充填された作動油12の押圧力(すなわち、差圧P)が圧電体16の押圧方向に対して反対方向を向くように作用する部位である。
図8に示すように、第2受圧部54は投影形状が環状形で、投影面積S2に形成されている。
ここで、第2受圧部54の投影面積S2は第1受圧部53の投影面積S1と一致するように(すなわち、同じ大きさになるように)形成されている。
つぎに、減衰力可変ダンパ50でダンパ減衰力を得る例を図9〜図11に基づいて説明する。
図10は、本発明に係る減衰力可変ダンパ50のダンパ速度に対するダンパ減衰力を説明するグラフであり、ダンパ速度に対するダンパ減衰力をグラフG8d,G9d,G10d,G8u,G9u,G10uで示す。縦軸はダンパ減衰力を示し、横軸はダンパ速度を示す。
グラフG8dは、ピストン13の下降中に圧電体16に低電圧を印可することで得られるダンパ減衰力を示すグラフである。
グラフG8uは、ピストン13の上昇中に圧電体16に低電圧を印可することで得られるダンパ減衰力を示すグラフである。
グラフG9dは、ピストン13の下降中に圧電体16に中電圧を印可することで得られるダンパ減衰力を示すグラフである。
グラフG9uは、ピストン13の上昇中に圧電体16に中電圧を印可することで得られるダンパ減衰力を示すグラフである。
グラフG10dは、ピストン13の下降中に圧電体16に高電圧を印可することで得られるダンパ減衰力を示すグラフである。
グラフG10uは、ピストン13の上昇中に圧電体16に高電圧を印可することで得られるダンパ減衰力を示すグラフである。
ここで、図10に示すグラフG8d,G9d,G10d,G8u,G9u,G10uのうち、代表例としてグラフG8d,G8uの低電圧を圧電体16に印可する例を説明する。
まず、減衰力可変ダンパ50のピストン13が下降中に得られるダンパ減衰力を図9〜図10に基づいて説明する。
図9(a)に示すように、圧電体16に電圧を印可していない状態において、ばね部材42のばね力でバルブ本体51が通路部36に当接した状態に保たれる。
バルブ本体51を通路部36に当接させた状態で圧電体16に低電圧を印可する。
圧電体16に低電圧を印可することで圧電体16の下端部16aがプランジャ43に向けて伸びるように変位してプランジャ43を荷重F3でばね部材42に向けて押し下げる。
このとき、バルブ本体51が通路部36に当接している。よって、圧電体16が荷重F3でプランジャ43を押し下げることでばね部材42が流体通路37に向けて押圧され、押圧されたばね部材42が圧縮するように変位する。
ばね部材42が圧縮するように変位することで、ばね部材42にプランジャ43を圧電体16に向けて押し上げる荷重F4が作用する。
ばね部材42の荷重F4および圧電体16の荷重F3が釣り合った(バランスした)状態において、圧電体16の変位を制止するとともにばね部材42の変位を制止する。
ばね部材42の荷重F4および圧電体16の荷重F3が釣り合った(バランスした)状態において、バルブ本体51が通路部36にバランス荷重Fb4で押圧された状態に保たれる。
バルブ本体51が通路部36にバランス荷重Fb4で押圧されることで、バルブ本体51で流体通路37が閉塞された状態に保たれる。
バルブ本体51で流体通路37が閉塞された状態において、ピストン13を矢印Dの如く下向きに摺動(移動)する。
ピストン13を矢印Dの如く下向きに摺動することで、上下の流体室21,22間の差圧Pが下流体室22に発生する。発生した差圧Pにより第1受圧部53に押圧力Poが作用する。
第1受圧部53に作用する押圧力Poがバランス荷重Fb4を超えた場合にばね部材42が圧縮する。
図9(b)に示すように、ばね部材42が圧縮することで、バルブ本体51が流体通路37から離れる方向に矢印Eの如く押し上げられて流体通路37が開放する。
流体通路37が開放することで、下流体室22の作動油12が流体通路37、ピストン空間35および開口孔33を経て上流体室21に矢印Fの如く流れる。
作動油12が流体通路37を流れるときの抵抗力で減衰力可変ダンパ50にダンパ減衰力が得られる。
ここで、流体通路37が開放した状態において、ピストン13の矢印D方向への摺動速度が変化した場合、摺動速度に応じてばね部材42の変位が変化する。
よって、流体通路37の開口面積S3が変化し、流体通路37を流れる作動油12の流量Qが変化する。
具体的には、ピストン13の矢印D方向の摺動速度が速くなったとき、上下の流体室21,22間の差圧P(すなわち、押圧力Po)が大きくなりばね部材42が圧縮する方向に変位する。
ばね部材42が圧縮する方向に変位することでバルブ本体51が流体通路37からさらに離れて開口面積S3が大きくなり、流体通路37を流れる作動油12の流量Qが多量になる。
よって、図10に示すグラフG8dの上昇傾斜が緩やかになり、減衰力可変ダンパ50のダンパ減衰力が必要以上に上昇することを好適に抑えることができる。
一方、ピストン13の矢印D方向の摺動速度が遅くなったとき、上下の流体室21,22間の差圧P(すなわち、押圧力Po)が小さくなりばね部材42が伸張する方向に変位する。
ばね部材42が伸張する方向に変位することでバルブ本体51が流体通路37に近づいて開口面積S3が小さくなり、流体通路37を流れる作動油12の流量Qが少なくなる。
よって、図10に示すグラフG8dの下降傾斜が緩やかになり、減衰力可変ダンパ50のダンパ減衰力が必要以上に下降することを好適に抑えることができる。
このように、流体通路37が開放した状態において、ピストン13の矢印D方向への摺動速度が変化した場合、摺動速度に応じてばね部材42の変位を変化させることができる。
よって、流体通路37の開口面積S3を変化させて、流体通路37を流れる作動油12の流量Qを変えることができる。
すなわち、実施例2の減衰力可変ダンパ50によれば、ピストン13の摺動速度に対応させて減衰力可変ダンパ50のダンパ減衰力を好適に変化させることができる。
ここで、制御部25で圧電体16に印可する電圧を調整する(変化させる)ことで、実施例1と同様に、図9(a)に示すバランス荷重Fb4(すなわち、ダンパ減衰力)を調整することができる。
具体的には、圧電体16に中電圧を印可することで、図10に示すグラフG9dのダンパ減衰力が得られる。
また、圧電体16に高電圧を印可することで、図10に示すグラフG10dのダンパ減衰力が得られる。
つぎに、減衰力可変ダンパ50のピストン13が上昇中に得られるダンパ減衰力を図10、図11に基づいて説明する。
図11(a)に示すように、バルブ本体51を通路部36に当接させた状態で圧電体16に低電圧を印可する。
よって、減衰力可変ダンパ50のピストン13を下降する場合と同様に、バルブ本体51が通路部36にバランス荷重Fb4で押圧されることで、バルブ本体51で流体通路37が閉塞された状態に保たれる。
バルブ本体51で流体通路37が閉塞された状態において、ピストン13を矢印Gの如く上向きに摺動(移動)する。
ピストン13を矢印Gの如く上向きに摺動することで、上下の流体室21,22間の差圧Pが上流体室21に発生する。
ここで、第2受圧部54は、図8に示すように、投影面積S2が第1受圧部53の投影面積S1と一致している。
よって、減衰力可変ダンパ50のピストン13が下降する場合と同様に、発生した差圧Pにより第2受圧部54に押圧力Poが作用する。
第2受圧部54に作用する押圧力Poがバランス荷重Fb4を超えた場合にばね部材42が圧縮する。
図11(b)に示すように、ばね部材42が圧縮することで、バルブ本体51が流体通路37から離れる方向に矢印Hの如く押し上げられて流体通路37が開放する。
流体通路37が開放することで、上流体室21の作動油12が流体通路37を経て下流体室22に矢印Iの如く流れる。
作動油12が流体通路37を流れるときの抵抗力で減衰力可変ダンパ50にダンパ減衰力が得られる。
ここで、流体通路37が開放した状態において、ピストン13の矢印G方向への摺動速度が変化した場合、摺動速度に応じてばね部材42の変位が変化する。
よって、流体通路37の開口面積S3が変化し、流体通路37を流れる作動油12の流量Qが変化する。
具体的には、ピストン13の矢印G方向の摺動速度が速くなったとき、開口面積S3が大きくなり、流体通路37を流れる作動油12の流量Qが多量になる。
よって、図10に示すグラフG8uの上昇傾斜が緩やかになり、減衰力可変ダンパ50のダンパ減衰力が必要以上に上昇することを好適に抑えることができる。
一方、ピストン13の矢印G方向の摺動速度が遅くなったとき、開口面積S3が小さくなり、流体通路37を流れる作動油12の流量Qが少なくなる。
よって、図10に示すグラフG8uの下降傾斜が緩やかになり、減衰力可変ダンパ50のダンパ減衰力が必要以上に下降することを好適に抑えることができる。
このように、流体通路37が開放した状態において、ピストン13の矢印G方向への摺動速度が変化した場合、摺動速度に応じて減衰力可変ダンパ50のダンパ減衰力を好適に変化させることができる。
ここで、制御部25で圧電体16に印可する電圧を調整する(変化させる)ことで、実施例1と同様に、ダンパ減衰力を調整することができる。
具体的には、圧電体16に中電圧を印可することで、図10に示すグラフG9uのダンパ減衰力が得られる。
また、圧電体16に高電圧を印可することで、図10に示すグラフG10uのダンパ減衰力が得られる。
以上説明したように、実施例2の減衰力可変ダンパ50によれば、流体通路37をバルブ本体51で閉塞した状態において、下流体室22に充填された作動油12の押圧力(差圧P)が第1受圧部53に作用し、上流体室21に充填された作動油12の押圧力(差圧P)が第2受圧部54に作用するようにした。
そして、第1受圧部53および第2受圧部54に作用する各押圧力(差圧P)が圧電体16の押圧方向に対して反対方向を向くようにした。
よって、減衰力可変ダンパ50を伸張する際や圧縮する際の両作動において、バルブ本体51を流体通路37から押し上げて流体通路37を開放した状態に保つことができる。
これにより、例えば、圧電体16やバルブ手段56をそれぞれ一つずつ備えたモノチューブタイプダンパでも、減衰力可変ダンパ50が圧縮・伸張する際の両作動においてダンパ減衰力の調整が可能になる。
さらに、実施例2の減衰力可変ダンパ50によれば、バルブ本体51に円錐形状部52を備え、円錐形状部52の先円錐部位53を第1受圧部53とし、円錐形状部52の根元円錐部位54を第2受圧部54とした。
これにより、バルブ本体51に円錐形状部52を備えるだけの簡単な構成で、減衰力可変ダンパ50が圧縮・伸張する際の両作動においてダンパ減衰力を調整することができる。
図12、図13に示すように、減衰力可変ダンパ60は、実施例1の通路部36に代えて通路部61を設け、さらに実施例1のバルブ本体41に代えてバルブ本体64を設けたもので、その他の構成は実施例1の減衰力可変ダンパ10と同様である。
通路部61は、外周61aに沿って複数の流体通路62が形成されている。
流体通路62は、外周61aに沿って湾曲状に形成されている。
複数の流体通路62を通路部61の外周61aに沿って形成することで、実施例1、2のように通路部61の中央に流体通路を形成する場合と比較して、複数の流体通路62の開口面積S4を大きく確保できる。
開口面積S4は各流体通路62の開口面積の総和である。
バルブ本体64は、ピストン71のバルブ収容空間34に摺動自在に嵌合された中央部65と、中央部65の外側に配置されて複数の流体通路62を閉塞可能な外枠部66と、外枠部66を中央部65に連結する複数の連結アーム67とを有する。
中央部65は、外枠部66の内側に同軸上に配置され、かつ、バルブ収容空間34に同軸上に配置されるとともにバルブ収容空間34に摺動自在に嵌合されている。
よって、バルブ収容空間34において中央部65をバルブ収容空間34の軸線方向(上下方向)に摺動させることができる。
中央部65は、圧電体16の反対側に底面65aが設けられている。
外枠部66は、中央部65の外側に同軸上に配置され、複数の流体通路62を閉塞可能に通路部61の外周61aに沿って形成された環状の枠体である。
この外枠部66は、底面66aに第1受圧部66bが設けられている。
具体的には、外枠部66で複数の流体通路62を閉塞した状態において、底面66aのうち下流体室22に臨む部位が第1受圧部66bである。
第1受圧部66bは、流体通路62を閉塞した状態において、流体通路62を介して下流体室22に臨み、下流体室22に充填された作動油12の押圧力(すなわち、差圧P)が圧電体16の押圧方向に対して反対方向(逆方向)を向くように作用する部位である。
また、外枠部66の上面66cの投影面積を圧電体16(詳しくは、底面65a)の投影面積から減算した部分の投影面積を第2受圧部65bとする。
ここで、(外枠部66の上面66cの投影面積)<(底面65aの投影面積)の関係が成立する。よって、底面65aの一部が第2受圧部65bとなる。
第2受圧部65bは、流体通路62を閉塞した状態において、流体通路62を介して上流体室21に臨み、上流体室21に充填された作動油12の押圧力(すなわち、差圧P)が圧電体16の押圧方向に対して反対方向を向くように作用する部位である。
第2受圧部65bは、投影面積が第1受圧部66bの投影面積と一致するように(すなわち、同じ大きさになるように)形成されている。
つぎに、減衰力可変ダンパ60でダンパ減衰力を得る例を図14〜図15に基づいて説明する。
まず、減衰力可変ダンパ60のピストン71が下降中に得られるダンパ減衰力を図14に基づいて説明する。
図14(a)に示すように、圧電体16に電圧を印可していない状態において、ばね部材42のばね力でバルブ本体64の外枠部66が通路部61に当接した状態に保たれる。
バルブ本体64の外枠部66を通路部61に当接させた状態で圧電体16に電圧を印可する。
圧電体16に電圧を印可することで圧電体16の下端部16aがプランジャ43に向けて伸びるように変位してプランジャ43を荷重F5でばね部材42に向けて押し下げる。
このとき、外枠部66が通路部61に当接している。よって、圧電体16が荷重F5でプランジャ43を押し下げることでばね部材42が流体通路62に向けて押圧され、押圧されたばね部材42が圧縮するように変位する。
ばね部材42が圧縮するように変位することで、ばね部材42にプランジャ43を圧電体16に向けて押し上げる荷重F6が作用する。
ばね部材42の荷重F6および圧電体16の荷重F5が釣り合った(バランスした)状態において、圧電体16の変位を制止するとともにばね部材42の変位を制止する。
ばね部材42の荷重F6および圧電体16の荷重F5が釣り合った(バランスした)状態において、バルブ本体64が通路部61にバランス荷重Fb5で押圧された状態に保たれる。
バルブ本体64が通路部61にバランス荷重Fb5で押圧されることで、バルブ本体64の外枠部66で流体通路62が閉塞された状態に保たれる。
外枠部66で流体通路62が閉塞された状態において、ピストン71を矢印Jの如く下向きに摺動(移動)する。
ピストン71を矢印Jの如く下向きに摺動することで、上下の流体室21,22間の差圧Pが下流体室22に発生する。発生した差圧Pにより第1受圧部66bに押圧力Poが作用する。
第1受圧部66bに作用する押圧力Poがバランス荷重Fb5を超えた場合にばね部材42が圧縮する。
図14(b)に示すように、ばね部材42が圧縮することで、バルブ本体64(外枠部66)が流体通路62から離れる方向に矢印Kの如く押し上げられて流体通路62が開放する。
流体通路62が開放することで、下流体室22の作動油12が流体通路62、ピストン空間35および開口孔33を経て上流体室21に矢印Lの如く流れる。
作動油12が流体通路62を流れるときの抵抗力で減衰力可変ダンパ60にダンパ減衰力が得られる。
ここで、流体通路62が開放した状態において、ピストン71の矢印J方向への摺動速度が変化した場合、摺動速度に応じてばね部材42の変位が変化する。
よって、外枠部66が流体通路62から離れる距離L2が変化して、流体通路62を流れる作動油12の流量Qが変化する。
これにより、ピストン71の摺動速度に対応させて減衰力可変ダンパ60のダンパ減衰力を好適に変化させることができる。
加えて、制御部25(図1参照)で圧電体16に印可する電圧を調整する(変化させる)ことで、実施例1と同様に、バランス荷重Fb5(すなわち、ダンパ減衰力)を調整することができる。
つぎに、減衰力可変ダンパ60のピストン71が上昇中に得られるダンパ減衰力を図15に基づいて説明する。
図15(a)に示すように、バルブ本体64の外枠部66を通路部61に当接させた状態で圧電体16に低電圧を印可する。
よって、減衰力可変ダンパ60のピストン71を下降する場合と同様に、バルブ本体64の外枠部66が通路部61にバランス荷重Fb5で押圧されることで、外枠部66で流体通路62が閉塞された状態に保たれる。
バルブ本体64の外枠部66で流体通路62が閉塞された状態において、ピストン71を矢印Mの如く上向きに摺動(移動)する。
ピストン71を矢印Mの如く上向きに摺動することで、上下の流体室21,22間の差圧Pが上流体室21に発生する。
ここで、第2受圧部65bは、投影面積が第1受圧部66bの投影面積と一致している。
よって、減衰力可変ダンパ60のピストン71が下降する場合と同様に、発生した差圧Pにより第2受圧部65bに押圧力Poが作用する。
第2受圧部65bに作用する押圧力Poがバランス荷重Fb5を超えた場合にばね部材42が圧縮する。
図15(b)に示すように、ばね部材42が圧縮することで、バルブ本体64の外枠部66が流体通路62から離れる方向に矢印Nの如く押し上げられて流体通路62が開放する。
流体通路62が開放することで、上流体室21の作動油12が流体通路62を経て下流体室22に矢印Oの如く流れる。
作動油12が流体通路62を流れるときの抵抗力で減衰力可変ダンパ60にダンパ減衰力が得られる。
ここで、流体通路62が開放した状態において、ピストン71の矢印M方向への摺動速度が変化した場合、摺動速度に応じてばね部材42の変位が変化する。
よって、外枠部66が流体通路62から離れる距離L2が変化して、流体通路62を流れる作動油12の流量Qが変化する。
これにより、ピストン71の摺動速度に対応させて減衰力可変ダンパ60のダンパ減衰力を好適に変化させることができる。
加えて、制御部25(図1参照)で圧電体16に印可する電圧を調整する(変化させる)ことで、実施例1と同様に、バランス荷重Fb5(すなわち、ダンパ減衰力)を調整することができる。
以上説明したように、実施例3の減衰力可変ダンパ60によれば、流体通路62をバルブ本体64(外枠部66)で閉塞した状態において、下流体室22に充填された作動油12の押圧力(差圧P)が第1受圧部66bに作用し、上流体室21に充填された作動油12の押圧力(差圧P)が第2受圧部65bに作用するようにした。
そして、第1受圧部66bおよび第2受圧部65bに作用する各押圧力(差圧P)が圧電体16の押圧方向に対して反対方向を向くようにした。
よって、減衰力可変ダンパ60を伸張する際や圧縮する際の両作動において、バルブ本体64(外枠部66)を流体通路62から押し上げて流体通路62を開放した状態に保つことができる。
これにより、例えば、圧電体16やバルブ手段72をそれぞれ一つずつ備えたモノチューブタイプダンパでも、減衰力可変ダンパ60が圧縮・伸張する際の両作動においてダンパ減衰力の調整が可能になる。
さらに、実施例3の減衰力可変ダンパ60によれば、複数の流体通路62を通路部61の外周61aに沿って形成することで、実施例1、2のように通路部61の中央に流体通路を形成する場合と比較して、複数の流体通路62の開口面積S4(図13参照)を大きく確保できる。
これにより、高速域において流体通路62を十分に開放することで低減衰を確保することができる。
なお、本発明に係る減衰力可変ダンパは、前述した実施例に限定されるものではなく適宜変更、改良などが可能である。
例えば、前記実施例1〜3では、圧電体16に印可する電圧を、一例として低電圧、中電圧および高電圧の3段階に分けた例について説明したが、これに限らないで、圧電体16に印可する電圧を低電圧〜高電圧の範囲で無段階に変えることも可能である。
圧電体16に印可する電圧を無段階に変えることでダンパ減衰力を一層好適に調整することが可能になる。
また、前記実施例2では、第1受圧部53の投影面積S1および第2受圧部54の投影面積S2を一致させた例について説明したが、これに限らないで、各投影面積S1,S2を異ならせることも可能である。
さらに、前記実施例3では、第1受圧部66bおよび第2受圧部65bの各投影面積を一致させた例について説明したが、これに限らないで、第1受圧部66bおよび第2受圧部65bの各投影面積を異ならせることも可能である。
また、前記実施例3では、流体通路62を外周61aに沿って湾曲状に形成した例について説明したが、これに限らないで、流体通路62を円形などの他の形状に形成することも可能である。
さらに、前記実施例1では、制御部25の第2制御部46で給電用スイッチ45aや回生用スイッチ45bのオン、オフ状態を制御する例について説明したが、これに限定するものではない。
例えば、給電用スイッチ45aや回生用スイッチ45bを手動などの他の手段でオン、オフ制御することも可能である。
また、前記実施例1〜3で示した減衰力可変ダンパ10,50,60、シリンダ11、ピストン13,71、バルブ手段15,64、圧電体16、車両20、上流体室21、下流体室22、ピストン本体31、通路部36,61、流体通路37,62、バルブ本体41,51,64、ばね部材42、円錐形状部52、第1受圧部53,66b、第2受圧部54,65b、外枠部66および中央部65などの形状や構成は例示したものに限定するものではなく適宜変更が可能である。
本発明は、車両の懸架装置に用いられ、シリンダ内のピストンを摺動させることにより減衰力を調整する減衰力可変ダンパを備えた自動車への適用に好適である。
10,50,60…減衰力可変ダンパ、11…シリンダ、12…作動油、13,71…ピストン、15,64…バルブ手段、16…圧電体、20…車両、21…上流体室(第1の流体室、一方の流体室)、22…下流体室(第2の流体室、他方の流体室)、31…ピストン本体、36,61…通路部、37,62…流体通路、41,51,64…バルブ本体、42…ばね部材(弾性手段)、52…円錐形状部、52a…接触外周部位、52b…基端、52c…先端、53…第1受圧部(先円錐部位)、54…第2受圧部(根元円錐部位)、61a…通路部の外周、65b…第2受圧部、66b…第1受圧部(外枠部の底面のうち下流体室に臨む部位)、66…外枠部、65…中央部、S1,S2…投影面積。

Claims (5)

  1. 車両の懸架装置に用いられて減衰力を調整可能な減衰力可変ダンパであって、
    作動油が充填されたシリンダと、
    前記シリンダに摺動自在に収納されて前記シリンダを第1、第2の流体室に区画するとともに、前記第1、第2の流体室を連通させる流体通路を有するピストンと、
    前記ピストンに設けられ、前記流体通路に向けて押圧することで前記流体通路を閉塞可能で、かつ、前記ピストンの摺動時に前記流体通路を開放可能なバルブ手段と、
    前記バルブ手段に連結され、電圧が印可されることで前記バルブ手段を前記流体通路に向けて押圧可能な圧電体と、を備え、
    前記圧電体に印可する電圧を変化させて前記バルブ手段を押圧する力を変えることにより前記減衰力を調整可能としたことを特徴とする減衰力可変ダンパ。
  2. 前記ピストンは、
    前記圧電体が設けられたピストン本体と、前記ピストン本体に一体に形成されて前記流体通路が設けられた通路部と、を有し、
    前記バルブ手段は、
    前記通路部および前記ピストン本体間に摺動自在に設けられて前記流体通路を開閉可能なバルブ本体と、前記バルブ本体を前記流体通路に向けて押圧する弾性手段と、を有し、
    前記弾性手段に前記圧電体を設けて、前記圧電体に電圧を印可することにより前記弾性手段を前記流体通路に向けて押圧可能としたことを特徴とする請求項1記載の減衰力可変ダンパ。
  3. 前記バルブ本体は、
    前記第1流体室および前記第2流体室のうち一方の流体室に配置され、
    前記流体通路を閉塞した状態において、前記流体通路を介して前記第1流体室および前記第2流体室のうち他方の流体室に臨み、前記他方の流体室に充填された作動油の押圧力が前記圧電体の押圧方向に対して反対方向を向くように作用する第1受圧部と、
    前記流体通路を閉塞した状態において、前記一方の流体室に充填された作動油の押圧力が前記圧電体の押圧方向に対して反対方向を向くように作用する第2受圧部と、
    を有することを特徴とする請求項2記載の減衰力可変ダンパ。
  4. 前記バルブ本体は、
    前記流体通路に向けて先細状となる円錐形状部を有し、前記円錐形状部の接触外周部位を前記流体通路の外周壁に当接させて前記流体通路を閉塞可能とし、
    前記円錐形状部のうち前記接触外周部位から先端までの先円錐部位が前記他方の流体室に臨む前記第1受圧部であり、
    前記接触外周部位から基端までの根元円錐部位が前記一方の流体室に臨む前記第2受圧部であり、
    前記先円錐部位の投影面積を前記根元円錐部位の投影面積に一致させたことを特徴とする請求項3記載の減衰力可変ダンパ。
  5. 前記流体通路は、
    前記通路部の外周に沿って形成され、
    前記バルブ本体は、
    前記流体通路を閉塞可能に前記通路部の外周に沿って形成され、前記第1受圧部が設けられた外枠部と、
    前記外枠部の内側に配置され、前記第2受圧部が設けられた中央部と、を有し、
    前記第1受圧部の投影面積を前記第2受圧部の投影面積に一致させたことを特徴とする請求項3記載の減衰力可変ダンパ。
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