JPH09287629A - 減衰器 - Google Patents

減衰器

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JPH09287629A
JPH09287629A JP9886996A JP9886996A JPH09287629A JP H09287629 A JPH09287629 A JP H09287629A JP 9886996 A JP9886996 A JP 9886996A JP 9886996 A JP9886996 A JP 9886996A JP H09287629 A JPH09287629 A JP H09287629A
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JP
Japan
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pilot
valve
pressure
oil chamber
chamber
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JP9886996A
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Inventor
Hiroyuki Maeda
裕幸 前田
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Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 パイロットキャリアの加工コストの削減と組
立性の向上を図り、弁室のシート面を表面に形成して加
工性を向上する。 【解決手段】 高圧側主油室7a又は7bの圧力が導か
れる副油室31の圧力が設定圧可変手段44による設定
圧を越えると副油室31の圧力をパイロット通路36を
介して低圧側主油室7b又は7aに逃がすパイロット弁
35と、副油室31の圧力と高圧側主油室の圧力との差
圧により両主油室を連通する主油路19を開閉する主弁
18とを備えた減衰器6において、主弁18が配設され
るハウジング17と、パイロット弁35が配設されるパ
イロットキャリア16とを備え、パイロット通路36
を、パイロットキャリア16に形成されパイロット弁3
5の下流側に連通する通路16f,16kからパイロッ
ト弁移動軸と平行に延びるように分岐され上記低圧側主
油室に連通する第1,第2縦孔16g,16pに逆止弁
37,38を配設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、減衰力を可変制御
できるようにした減衰器(減衰力可変式油圧緩衝器)に
関する。
【0002】
【従来の技術】自動車や自動二輪車等の車両に用いられ
る減衰器としては、走行条件等によって減衰力を可変制
御できるものが提案されている。この種の減衰器とし
て、例えば、本出願人が先に出願した特願平7−289
002号に記載されたものがあり、これは図8に示す構
造を有している。
【0003】この減衰力可変式の減衰器100は、以下
のように構成されている。シリンダ101内をピストン
102により、上,下主油室103,104に画成し、
該主油室103,104を連通する主油路102bを開
閉する主弁105を配設する。そして該主弁105に高
圧側主油室の油圧を作用させる副油室102aに逆止弁
102cを介して上記上,下主油室103,104を連
通させるとともに、該副油室102a内の圧力を逃がす
パイロット通路102dをパイロット弁106で開閉可
能とし、かつ該パイロット弁106の閉方向付勢力をリ
ニアソレノイド107で調節可能としてある。
【0004】上記パイロット通路102dは、チェック
弁108,109を介してそれぞれ下主油室104,上
主油室103に連通している。パイロット通路102d
のチェック弁108を介して下主油室104に連通する
部分には縦向きに穿孔された縦孔102eが形成され、
チェック弁109を介して上主油室103に連通する部
分には横向きに穿孔された横孔102fが形成されてい
る。
【0005】また、パイロット弁106は、パイロット
キャリア110の軸芯部分に弁室111を凹設し、該弁
室111内に弁体112を上下にスライド可能に配設す
るとともに、該弁体112をこれの弁軸112aに装着
されたプランジャ113を介してリニアソレノイド10
7により下向きに付勢するように構成されている。
【0006】この減衰器100では、走行条件等に応じ
て上記リニアソレノイド107の励磁力を制御すること
により、パイロット弁106によるパイロット通路10
2dの開閉、ひいては主弁105の開閉が制御され、そ
の結果、作動油が主弁105と主油路102bの弁座と
の間隙を通って流れる際の減衰力が可変制御されるよう
になっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記減衰器
100においては、パイロット通路102dから上主油
室103に通じる横孔102fはパイロットキャリア1
10横方向に加工される一方、下主油室104に通じる
縦孔102eは同じくパイロットキャリア110に縦方
向に加工されており、パイロットキャリア110の加工
工数が増加し、加工コストが高くなるという問題があ
る。
【0008】また、組立時に上記横孔102fを開閉す
るためのボール状のチェック弁109が落下し易く、組
立作業性が低いいう問題があり、さらに弁室111のシ
ート面111aは、高い平面度に形成することが必要で
あるが、このシ−ト面111aは凹状の弁室111の底
面であることから、加工作業が困難であり、この点から
も加工コストが高くなるという問題がある。
【0009】本発明は、上記問題に鑑みてなされたもの
であって、低圧側の主油室に通じるパイロット通路のパ
イロットキャリアに形成される部分を縦孔化してパイロ
ットキャリアの加工コストの削減と組立性の向上を図
り、さらに、弁室のシート面を表面に形成して加工性を
向上できる減衰器を提供することを課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、高圧
側主油室7a又は7bの圧力が導かれる副油室31と、
該副油室31の圧力が設定圧可変手段44による設定圧
を越えると開いて該副油室31の圧力をパイロット通路
36を介して低圧側主油室7b又は7aに逃がすパイロ
ット弁35と、上記副油室31の圧力と高圧側主油室の
圧力との差圧により両主油室を連通する主油路19を開
閉する主弁18とを備えた減衰器6において、上記主弁
18が配設されるハウジング17と、上記パイロット弁
35が配設されるパイロットキャリア16とを備え、上
記パイロット通路36を、上記パイロットキャリア16
に形成され上記パイロット弁35の下流側に連通する通
路16f,16kと、該通路16f,16kからパイロ
ット弁移動軸と平行に延びるように分岐され上記低圧側
主油室に連通する第1,第2縦孔16g,16pとを備
えたものとし、該第1,第2縦孔16g,16pに逆止
弁37,38を配設したことを特徴としている。
【0011】請求項2の発明は、請求項1において、上
記パイロットキャリア16を、パイロット弁35を収容
する弁室41を有するキャリア本体16Aと、パイロッ
ト弁35で開閉されるパイロット孔41aを有し、上記
キャリア本体16Aと上記ハウジング17とで挟持され
る略円盤状のパイロットシート16Bとの二分割構造と
し、該パイロットシート16bの周縁の一部を切り欠い
た切欠き16dにより、上記第1縦孔16gを低圧側主
油室7aに連通させたことを特徴としている。
【0012】請求項3の発明は、請求項1において、上
記パイロットキャリア16を、パイロット弁35を収容
する弁室41を有するキャリア本体16Aと、パイロッ
ト弁35で開閉されるパイロット孔41aを有し、上記
キャリア本体16Aと上記ハウジング17とで挟持され
る略円盤状のパイロットシート16Bとの二分割構造と
し、該パイロットシート16Bのパイロット孔41aが
形成されたバルブシート16b部分を上記キャリア本体
16Aの弁室41内に嵌合させたことを特徴としてい
る。
【0013】請求項4の発明は、請求項2又は3におい
て、上記バルブシート16Bの反パイロット弁側に凹部
16iを形成し、該凹部16iにより、上記主弁18の
移動に伴って容積が変化するダンピング室54を構成す
るダンプリング22の主弁軸と直角方向の位置決めを行
うことを特徴としている。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を参照しつつ説明する。図1〜図6は請求項1〜4の
発明の実施の形態による減衰力可変式油圧緩衝器(減衰
器)を説明するための図であり、図1は上記緩衝器が採
用された懸架装置の模式図、図2,図3,図5は上記緩
衝器の要部の断面側面図(図6のII-II 線断面図,III -
III 線断面図,V-V線断面図) 、図4は上記緩衝器のパイ
ロット弁部分を示す図、図6は上記緩衝器の要部の平面
図である。
【0015】図1において、1は本実施形態緩衝器が採
用された懸架装置であり、該懸架装置1は、車輪2が軸
支されたサスペンションアーム3を車体4により上下揺
動自在に枢支し、該アーム3と車体4との間にコイルス
プリング5,及び緩衝器6を介設した構造のものであ
る。
【0016】上記緩衝器6は、下端部が上記サスペンシ
ョンアーム3に連結されたシリンダ7内をピストン9に
より上,下主油室7a,7bに画成してなり、該ピスト
ン9に接続されたピストンロッド10の上端部が上記車
体4に連結されている。そして、上記車輪2の上下動に
よりピストン9がシリンダ7内を相対的に上下移動する
ことにより所定の減衰力が発生するようになっている。
【0017】また、上記ピストン9のシリンダ7に対す
る相対移動速度や位置、及び車両の走行速度,操舵角,
加減速度等の走行条件を示すデータを検出するセンサ1
1と、上記走行条件に応じて上記緩衝器6の減衰特性を
予め設定されたパターンに基づいて制御する制御装置
(コントローラ)12とが設けられている。ここで上記
減衰力特性としてユーザーの好みのものを手動スイッチ
等により上記制御装置12に適宜入力するようにしても
良い。なお、13は上記制御装置12と緩衝器6とを接
続する電気配線である。
【0018】上記ピストン9は、図2に示すように、上
端にピストンロッド10が一体形成され、下端が開口し
た筒状の外ケース14と、この外ケース14内に下端開
口から順に装填された上ボディ15,パイロットキャリ
ア16,及び下ボディ(ハウジング)17とを備えてお
り、該下ボディ17を外ケース14の下端開口内に螺挿
することにより一体化されている。
【0019】上記パイロットキャリア16は、図2に示
すように、パイロット弁35を収容する弁室41を有す
るキャリア本体16Aと、パイロット弁35で開閉され
る開口溝(パイロット孔)41aを有し、該キャリア本
体16Aと下ボディ17とで挟持される略円盤状のパイ
ロットシート16Bとの二分割構造とされ、該パイロッ
トシート16Bの開口溝41aが形成されたバルブシー
ト部16bを上記キャリア本体16Aの弁室41内に嵌
合した構造となっている。また、パイロットキャリア1
6のキャリア本体16A,これの蓋プレート16C,及
びパイロットシート16Bは、図5に示すように、固定
ボルト60によって下ボディ17に共締め固定されてい
る。
【0020】上記下ボディ17の軸芯にはスライド穴1
7aが形成されており、該スライド穴17a内には主弁
18が上下にスライド可能に装填されている。また、該
下ボディ17及び上記外ケース14には、上記上主油室
7aと下主油室7bとを連通する開口19a,連通孔1
9b,開口19cからなる主油路19が形成されてお
り、上記開口19aは、上記主弁18が下降位置にある
時に閉じ、上昇位置にある時に開くようになっている。
【0021】上記主弁18は、上部に凹室18aを有
し、下部が略きのこ形に形成された略棒状のものであ
り、その外周面にテーパ状に形成されたシール面18b
が上記開口19aの周縁(弁座)に当接するよう構成さ
れており、該主弁18のシール面18bより下側部分に
上記下主油室7bの圧力が上向き(開方向)に作用す
る。また、上記主弁18の上記シール面18bより上方
には段部18cが上記下側部分より大径に形成されてお
り、この段部18cに上記主油路19を介して上主油室
7aの圧力が上向き(開方向)に作用するようになって
いる。
【0022】上記主弁18の上部の凹室18aの上端部
内には、樹脂製又は金属製で筒状のダンプリング22の
下端部が相対的に上下スライド可能に挿入されており、
該ダンプリング22の内側に突出するように形成された
上端フランジ22aは上記パイロットキャリア16の下
面に当接している。また上記凹室18aの底部にはスペ
ーサ26が配設されている。上記ダンプリング22の上
端フランジ22aと上記底部のスペーサ26内に形成さ
れた穴18dの底面との間には、該スペーサ26を介在
させて該ダンプリング22を上記パイロットキャリア1
6下面に押圧固定するとともに、上記主弁18を下向き
に付勢する二重コイルバネ23が縮装されている。
【0023】上記二重コイルバネ23は、上記スペーサ
26を挟んで直列に重ねられた大,小コイルバネ24,
25で構成されている。該大コイルバネ24の下端は、
上記スペーサ26のフランジ26aに上方から当接して
おり、上記小コイルバネ25の上端はスペーサ26の内
底に、また、その下端は主弁18の穴18dにそれぞれ
当接している。ここで主弁18の全閉状態では、上記ス
ペーサ26のフランジ26aの下面と凹室18aの底面
との間には若干の隙間が開くように上記コイルバネ寸法
が設定されている。
【0024】このようにして、上記主弁18の凹室18
a,穴18d,上記ダンプリング22,及び上記パイロ
ットキャリア16の下面で囲まれた空間が副油室31と
なっている。そして上記穴18d内は、共通油孔32か
ら分岐油孔30,34を介して上主油室7a,下主油室
7bに連通しており、これらの油孔の分岐部にはボール
チェック弁33が配設されている。また、上記スペーサ
26には、上記穴18d内と上記凹室18a内とを連通
する連通孔26bが形成されている。これにより上記副
油室31内に、上記上主油室7a又は下主油室7bのい
ずれか高い圧力が導入されるようになっている。
【0025】上記副油室31はパイロット弁35を介し
て弁室41からパイロット通路36に連通している。該
パイロット通路36は、上記パイロット弁35の弁室4
1を、キャリア本体16Aの上面に環状に凹設された環
状凹溝16k及び同じく上面に半径方向外方に延びるよ
う凹設された横凹溝16fとからなる溝状通路に連通さ
せ、上記環状凹溝16kから上記上主油室7a,下主油
室7bに連通する第1,第2縦孔16g,16pをパイ
ロット弁移動軸と平行に延びるよう分岐形成した構成の
ものである。上記環状凹溝16k,横凹溝16fの上面
開口は上記蓋プレート16cにより閉塞されている。
【0026】上記パイロットシート16Bの上記第2縦
孔16pに対向する部分には分岐穴16mが円弧状に切
欠き形成され、下ボディ17には該分岐穴16mの両端
部を上記下主油室7bに連通させる貫通孔17g,17
gが形成されている。上記分岐穴16mの上記第2縦孔
16p部分にはボール38が配設されており、これによ
り弁室41から下主油室7b方向にのみ作動油の流れを
許容する逆止弁が構成されている。
【0027】上記パイロットシート16Bの上記第1縦
孔16gに対向する部分には切欠16dが略半円状に形
成されており、該切欠16dの上記第1縦孔16g部分
にはボール37が配設されており、これにより弁室41
から上主油室7a方向にのみ作動油の流れを許容する逆
止弁が構成されている。
【0028】なお、上記第1縦孔16gとボール37、
第2縦孔16pとボール38は、該緩衝器の軸芯を挟ん
で一対ずつ形成されており、これらの個数は必要な通路
面積に応じて適宜設定される。
【0029】上記弁室41は、図4に示すように、キャ
リア本体16Aの軸芯部分に形成された貫通穴16r内
に、上記パイロットシート16Bの軸芯部分を上方に隆
起させることにより形成されたバルブシート部16bを
嵌合させて形成されており、上記隆起によりバルブシー
ト部16bの反パイロット弁側には凹部16iが形成さ
れ、該凹部16iにより、上記主弁18の移動に伴って
容積が変化するダンピング室54を構成するダンプリン
グ22の主弁軸と直角方向の位置決めを行うように構成
されている。
【0030】また上記弁室41の底壁41c、即ち上記
バルブシート部16bの上面には環状の開口溝(パイロ
ット孔)41aが形成され、下面には3つの略楕円状の
凹溝41bが形成されており、該凹溝41b及び上記開
口溝41aを介して上記弁室41と副油室31とが連通
可能となっている。
【0031】上記パイロット弁35は、上記弁室41内
に弁体42を上下にスライド可能に配設し、該弁体42
をこれの弁軸42dに装着されたプランジャ43を介し
てリニアソレノイド44により下向きに付勢するように
構成されている。上記弁体42は、円盤部42aの下面
に環状の凸部42bを一体形成するとともに、該弁体4
2の下面側から上面側に連通する3つの略楕円状の貫通
穴42cを形成した構造のものである。該弁体42の上
昇により、上記凸部42bと上記開口溝41aの周縁部
(弁座)との間に隙間が生じ、該隙間を通って作動油が
流れる。
【0032】上記リニアソレノイド44は、励磁される
とその励磁力に対応した下向きの力をプランジャ43を
介して上記弁体42に付与するものであり、上記励磁力
を制御することにより、上記パイロット弁35の開き始
める副油室31の内圧が変化するようになっており、設
定圧可変手段として機能する。なお、上記励磁力は電気
配線13を介してソレノイド43に伝達される電圧の大
きさによって制御される。
【0033】ここで上記リニアソレノイド44への電力
供給が停止されると、弁体42は付勢ばね42eによ
り、プランジャ43の上端面43aが上記外ケース14
の上端部に配設されたストッパ44bの凸部44aに当
接するまで上昇する。この場合、上記円盤部42aの外
周面により上記パイロット通路36の横凹溝16fが閉
じられる。なお、上記電力供給の停止時には、弁体42
の上面外周縁が蓋プレート16Cの下面内周縁に当たる
ように構成しても良い。
【0034】一方、上記キャリア本体16Aには上記円
盤部42aにより横凹溝16fが閉じられた場合の、副
油室31の圧力を所定圧に調整するための圧力調整弁5
0が設けられている。該圧力調整弁50は、上記弁室4
1の円盤部42aより下側部分と上記パイロット通路3
6とを連通する連通孔50a内にボール50bを配設
し、該ボール50bを付勢ばね50cで閉方向に付勢し
た構造のものである。
【0035】上記主弁18の上端面、主弁挿入穴17a
の内面,上記パイロットシート16Bの底壁41c,及
び上記凹室18a内にスライド自在に挿入された上記ダ
ンプリング22で囲まれた空間はダンピング室54とな
っており、該ダンピング室54の容積は、上記主弁18
の上下移動、つまり該主弁18の開度に伴って変化する
ようになっている。
【0036】そして上記主弁18の凹室18aと上記ダ
ンプリング22の外周面との間隙でもってオリフィス5
3が形成されている。これにより上記主弁18の開度の
変化に伴ってダンピング室54の容積が変化すると、作
動油が上記オリフィス53を介して副油室31とダンピ
ング室54との間を流動し、この際に主弁18に働く主
弁減衰力が発生する。このようにして上記主弁18の振
動を抑制するダンピング機構が構成されている。
【0037】次に、上記緩衝器6の動作について説明す
る。路面の凸部等により上記車輪2が突き上げられ緩衝
器6が圧縮状態となると、ピストン9が図1,図2の下
方に相対的に押されることとなり、下主油室7bが昇圧
して高圧側主油室となり、作動油が分岐油孔31からチ
ェック弁33,共通油孔32を通って副油室31に導入
され、該副油室31も昇圧する。
【0038】上記パイロット弁35は、その弁体42に
よりリニアソレノイド44で設定された付勢力でもって
開口溝41aを閉じているが、この場合に上記副油室3
1の内圧により上記弁体42に作用する開方向力が上記
付勢力を越えると弁体42が開口溝41aを開き、作動
油は開口溝41a,貫通孔42cから、パイロット通路
36の第1縦孔16g,ボール逆止弁37,切欠16d
を通って低圧側主油室である上主油室7aに流動する。
【0039】上記パイロット弁35の開により副油室3
1の内圧が低下し、主弁18は下主油室7bの圧力によ
り押し上げられ、これにより主油路19の開口19aが
開き、作動油は下主油室7bから上主油室7aに流動
し、この際にダンパ減衰力が発生する。そして、上,下
主油室7a,7bの差圧が所定値以下になると、主弁1
8が二重コイルばね23及び副油室31内の圧力により
戻されて、主油路19を閉じる。以上の動作を繰り返し
ながらピストン9が相対的に下降する。
【0040】車輪2が下降し、緩衝器6が伸長する場合
には、ピストン9は上向きに相対的に引かれる。このた
め、上主油室7aが昇圧して高圧側主油室となり、その
圧力は主油路19から主弁19の分岐油孔30,チェッ
ク弁33,共通油孔32を通って副油室31に導入され
る。該副油室31の内圧による開方向力が、リニアソレ
ノイド44の付勢力による閉方向力を越えるとパイロッ
ト弁35が開き、作動油はパイロット通路36の第2縦
孔16p,ボール逆止弁38,分岐切欠16m,貫通孔
17gを通って低圧側主油室としての下主油室7bに流
れる。このため、副油室31が減圧し、主弁18の段部
18cに作用する上主油室7aの圧力と副油室31の圧
力との差圧により主弁18が上昇して主油路19が開
く。そのため上主油室7aから下主油室7bへ作動油が
流れ、この際にダンパ減衰力が発生し、また両主油室7
a,7bの差圧が所定値以下になると主油路19が閉
じ、以上の動作を繰り返しながらピストン9は上昇す
る。
【0041】上述の動作を行う緩衝器6において、パイ
ロット通路36を、パイロットキャリア16の上部に環
状凹溝16kと横凹溝16fからなる溝状通路を形成
し、上主油室7a,下主油室7bに連通する第1,第2
縦孔16g,16pを上記環状凹溝16kからパイロッ
ト弁移動軸方向に分岐形成し、第1縦孔16gをパイロ
ットシート16Bの切欠16dに連通させ、第2縦孔1
6pを下ボディ(ハウジング)17の貫通孔17gに連
通させる構成としたので、パイロットキャリア16Aに
形成されるパイロット通路36の上主油室7a,下主油
室7bに通じる部分を両方ともパイロット移動軸方向に
延びる縦孔とすることができ、縦孔と横孔とを形成する
場合に比較してパイロットキャリア16の加工工数及び
加工コストを削減できる。
【0042】また、上主油室用のボール37,及び下油
室用ボール38を、第1縦孔16g,第2縦孔16pと
パイロットシート16Bとの間にボールを介在させる構
成としたので、上記ボールが該ピストン9の組立作業時
に落下することはなく、組立作業性を向上できる。
【0043】ここで、上記ボール37,38まわりの組
立は、図2と上下逆の状態で行われ、まず蓋プレート1
6C上にパイロット弁35が収容されたキャリア本体1
6Aを重ね、該キャリア本体16Aの第1,第2縦孔1
6g,16pにボール37,38を配置し、これにパイ
ロットシート16Bを被せ、主弁18等が装着された下
ボディ17を重ね、固定ボルト60で共締め固定する。
なお、上記固定ボルト60を予め挿入しておくことによ
り、該ボルト60が組立のガイドとなる。そして上記組
立体をピストン9の外ケース14内に螺挿する。
【0044】また上記先願に係る減衰器では、一体型の
パイロットキャリアに凹設された弁室の穴底にパイロッ
ト弁で開閉される開口溝(パイロット孔)を形成し、か
つ該開口溝の周縁のバルブシート面を高精度に仕上げる
ようにしていたので、加工が困難であり、加工コスト上
昇の原因となっていた。これに対し、本実施形態では、
パイロットキャリア16をキャリア本体16Aとパイロ
ットシート16Bの二分割構造とし、パイロット弁で開
閉する開口溝41aをパイロットシート16Bの上に凸
のバルブシート部16bの表面に形成し、かつ該表面を
バルブシート面としたので、開口溝41aの加工が容易
であり、かつバルブシート面の加工を平面研削のような
簡単な加工方法で簡便に行うことができ、加工コストを
低減できる。
【0045】また二分割構造としたので、パイロットシ
ート16Bに複雑な形状部分を集中させ、かつ該パイロ
ットシート16Bを、焼結,精密プレス等によって一体
的に形成することも可能であり、これにより製造コスト
をさらに軽減できる。
【0046】さらにまた、パイロットシート16Bのバ
ルブシート部16bを上方に隆起させることによりシー
ト面の反対側に凹部16iを形成し、該凹部16iによ
り、上記ダンピング室54を構成するダンプリング22
の主弁軸と直角方向の位置決めを行うように構成したの
で、組立時に上記凹部16iがダンプリング22の位置
決めガイドとなり、組立性を向上できる。
【0047】なお、上記実施形態では、副油室31,主
弁18,パイロット弁35,ソレノイド44等からなる
減衰力可変機構を、ピストン9内に配設した場合を説明
したが、本発明では減衰力可変機構を必ずしもピストン
9内に配設する必要はない。例えば、上記主油室7a,
7bを連通する主通路をシリンダの外側に形成し、該通
路に上記減衰力可変機構を配設しても良い。
【0048】図7は主通路に減衰力可変機構を配設した
減衰器を概念的に示す図であり、図中、図1と同一符号
は同一又は相当部分を示し、また実線,破線はそれぞれ
圧縮時,伸び時の作動油の流れを示す。また符号7dは
主通路,7eは余剰油の貯留室、200は上記副油室3
1,主弁18,パイロット弁35,ソレノイド44等か
らなる減衰力可変機構、201はベースバルブである。
【0049】圧縮時には、下主油室7bが高圧側主油室
となり、作動油は実線で示すように、下主油室7bから
ピストン9内の逆止弁を通って上主油室7aに移動し、
ピストンロッド10の進入容積に応じた量の作動油が減
衰力可変機構200を通ってベースバルブ201の下側
室7cから貯留室7eに移動する。
【0050】また伸び時には、上主油室7aが高圧側主
油室となり、作動油は破線で示すように、上主油室7a
から減衰力可変機構200を通ってベースバルブ201
の下側室7cに移動し、ベースバルブ201内の逆止弁
を通って下主油室7bに流入し、またピストンロッド容
積に応じた量の作動油が貯留室7eから補充される。
【0051】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明に係る減
衰器によれば、上記パイロット通路を、上記パイロット
キャリアに形成され上記パイロット弁の下流側に連通す
る通路と、該通路からパイロット弁移動軸と平行に延び
るように分岐され上記低圧側主油室に連通する第1,第
2縦孔とを備えたものとし、該第1,第2縦孔に逆止弁
を配設したので、パイロットキャリアに形成される第
1,第2縦孔を両方ともパイロット弁移動軸方向に延び
る縦孔とすることができ、これにより、パイロットキャ
リアの加工工数及び加工コストを削減できる効果があ
る。
【0052】請求項2の発明によれば、パイロットキャ
リアをキャリア本体とパイロットシートの二分割構造と
したので、複雑な溝形状部分を上記パイロットシートに
集中させ、かつ該パイロットシートを焼結,精密プレス
等によって一体的に形成することが可能であり、該パイ
ロットシートの製造コストを削減できる。
【0053】また二分割構造にしたので、平面度が必要
なバルブシート面を上記パイロットシートの表面に形成
でき、弁室の底面にバルブシート面を形成する場合に比
較して加工が容易であり、平面研削のような簡単な加工
方法で簡便に製造でき、加工コストを低減できる効果が
ある。
【0054】さらにまた、二分割構造にしたので、パイ
ロットシートの周縁の一部を切り欠くといった簡単な構
造により第1縦孔を低圧側主油室に連通させることがで
き、より一層加工を容易化できる効果がある。
【0055】また主油室用逆止弁のボールを第1,第2
縦孔内に配置したので、キャリア本体を下側にした状態
で組み立てることにより、上記ボールが組立作業時に落
下することはなくなり、組立作業性を向上できる効果が
ある。
【0056】請求項3の発明によれば、パイロットキャ
リアをキャリア本体とパイロットシートの二分割構造と
し、パイロットシートのパイロット孔が形成されたバル
ブシート部をキャリア本体の貫通穴内に嵌合させてパイ
ロット弁を収容する弁室を形成するようにしたので、キ
ャリア本体とパイロットシートとの組立が容易であり、
二分割構造にしながら組立性の低下を回避できる効果が
ある。
【0057】請求項4の発明によれば、パイロットキャ
リアをキャリア本体とパイロットシートの二分割構造と
し、パイロットシートのバルブシート部の反パイロット
弁側に凹部を形成し、該凹部より、上記主弁の移動に伴
って容積が変化するダンピング室を構成するダンプリン
グの主弁軸と直角方向の位置決めを行うようにしたの
で、上記凹部が組立時にダンプリングの位置決めガイド
として機能し、組立性を向上できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の減衰力可変式油圧緩衝器
(減衰器)が採用された懸架装置の模式図である。
【図2】上記実施形態緩衝器の断面側面図(図6のII-I
I 線断面図)である。
【図3】上記実施形態緩衝器の断面側面図(図6のIII-
III 線断面図)である。
【図4】上記実施形態緩衝器のパイロット弁部分を示す
図である。
【図5】上記実施形態緩衝器の断面側面図(図6のV-V
線断面図)である。
【図6】上記実施形態緩衝器のキャリアパイロット部分
の蓋プレートを外した状態の平面図である。
【図7】上記実施形態緩衝器の変形例を示す概念図であ
る。
【図8】本願出願人が先に提案した減衰力変式油圧緩衝
器の断面側面図である。
【符号の説明】
6 減衰力可変式油圧緩衝器(減衰器) 7 シリンダ 7a 上主油室 7b 下主油室 9 ピストン 16 パイロットキャリア 16A キャリア本体 16B パイロットシート 16b バルブシート 16f,16k 通路 16g 第1縦孔 16p 第2縦孔 16i 凹部 17 下ボディ(ハウジング) 18 主弁 19 主油路 22 ダンプリング 31 副油室 35 パイロット弁 36 パイロット通路 37,38 逆止弁(ボール) 41 収容室(弁室) 41a 開口溝(パイロット孔) 54 ダンピング室

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高圧側主油室の圧力が導かれる副油室
    と、該副油室の圧力が設定圧可変手段による設定圧を越
    えると開いて該副油室の圧力をパイロット通路を介して
    低圧側主油室に逃がすパイロット弁と、上記副油室の圧
    力と高圧側主油室の圧力との差圧により両主油室を連通
    する主油路を開閉する主弁とを備えた減衰器において、
    上記主弁が配設されるハウジングと、上記パイロット弁
    が配設されるパイロットキャリアとを備え、上記パイロ
    ット通路を、上記パイロットキャリアに形成され上記パ
    イロット弁の下流側に連通する通路と、該通路からパイ
    ロット弁移動軸と平行に延びるように分岐され上記低圧
    側主油室に連通する第1,第2縦孔とを備えたものと
    し、該第1,第2縦孔に逆止弁を配設したことを特徴と
    する減衰器。
  2. 【請求項2】 請求項1において、上記パイロットキャ
    リアを、パイロット弁を収容する弁室を有するキャリア
    本体と、パイロット弁で開閉されるパイロット孔を有
    し、上記キャリア本体と上記ハウジングとで挟持される
    略円盤状のパイロットシートとの二分割構造とし、該パ
    イロットシートの周縁の一部を切り欠くことにより、上
    記第1縦孔を上記低圧側主油室と連通させたことを特徴
    とする減衰器。
  3. 【請求項3】 請求項1において、上記パイロットキャ
    リアを、パイロット弁を収容する弁室を有するキャリア
    本体と、パイロット弁で開閉されるパイロット孔を有
    し、上記キャリア本体と上記ハウジングとで挟持される
    略円盤状のパイロットシートとの二分割構造とし、該パ
    イロットシートの上記パイロット孔が形成されたバルブ
    シート部分を上記キャリア本体の弁室内に嵌合させたこ
    とを特徴とする減衰力可変式油圧緩衝器。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3において、上記バルブシ
    ートの反パイロット弁側に凹部を形成し、該凹部によ
    り、上記主弁の移動に伴って容積が変化するダンピング
    室を構成するダンプリングの主弁軸と直角方向の位置決
    めを行うことを特徴とする減衰器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012013226A (ja) * 2010-05-31 2012-01-19 Honda Motor Co Ltd 減衰力可変ダンパ

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