JP2005195121A - 自動二輪車等のフロントフォーク - Google Patents

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Abstract

【課題】 車軸側チューブの底部に圧側減衰力発生手段を配置する自動二輪車等のフロントフォークにおいて、圧側減衰力発生手段の配置性を向上すること。
【解決手段】 自動二輪車等のフロントフォーク10において、車軸側チューブ12の底部におけるシリンダ21の延長線に交差し、かつ該底部の外周後部に開口する横孔51を設け、圧側減衰力発生手段50を上記横孔51に内挿し、圧側減衰力発生手段50が隔壁部材54と、該隔壁部材54に設けた減衰力発生バルブ57Aとを有し、隔壁部材54により区画される一側の油室55Aをシリンダ21の油室27に連通し、他側の油室55Bを油溜室28に連通したもの。
【選択図】 図6

Description

本発明は自動二輪車等のフロントフォークに関する。
自動二輪車等のフロントフォークとして、特許文献1に記載の如く、車体側チューブと車軸側チューブを摺動自在に嵌合し、車軸側チューブの底部にシリンダを設け、車体側チューブに取付けたピストンロッドをシリンダの油室に挿入し、ピストンロッドのシリンダの油室への挿入端にピストンを設け、シリンダの外周下部に油溜室を設けるとともに、外周上部に気体室を設けたものがある。
そして、このフロントフォークでは、車軸側チューブの底部の外周前面に圧側減衰力発生装置10のバルブボディ35(圧側減衰力発生手段)を配置している。圧側減衰力発生装置10は、隔壁部材と、該隔壁部材に設けた減衰力発生バルブとを有し、隔壁部材により区画される一側の油室をシリンダの油室に連通し、他側の油室を油溜室に連通している。
実公平4-33476
特許文献1の従来技術には以下の問題点がある。
(1)車軸側チューブの外周前面に圧側減衰力発生手段を配置しており、車両の転倒時に圧側減衰力発生手段のバルブボディの割れ等の損傷、破壊を生ずるおそれがある。
(2)圧側減衰力発生手段のバルブボディを車軸側チューブの底部にシール部材を介して接続しており、この接続部からオイル漏れのおそれがある。
(3)車軸側チューブとしてインナチューブを用いる倒立型フロントフォークでは、車軸側チューブの底部の外周前面にフェンダーステー取付用ブラケットを設ける必要があるが、圧側減衰力発生手段の存在がそのブラケットの設置を困難にする。
本発明の課題は、車軸側チューブの底部に圧側減衰力発生手段を配置する自動二輪車等のフロントフォークにおいて、圧側減衰力発生手段の配置性を向上することにある。
請求項1の発明は、車体側チューブと車軸側チューブを摺動自在に嵌合し、車軸側チューブの底部にシリンダを設け、車体側チューブに取付けたピストンロッドをシリンダの油室に挿入し、ピストンロッドのシリンダの油室への挿入端にピストンを設け、シリンダの外周下部に油溜室を設けるとともに、外周上部に気体室を設けた自動二輪車等のフロントフォークにおいて、車軸側チューブの底部におけるシリンダの延長線に交差し、かつ該底部の外周後部に開口する横孔を設け、圧側減衰力発生手段を上記横孔に内挿し、圧側減衰力発生手段が隔壁部材と、該隔壁部材に設けた減衰力発生バルブとを有し、隔壁部材により区画される一側の油室をシリンダの油室に連通し、他側の油室を油溜室に連通したものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において更に、前記シリンダにロッドガイドを螺合し、該ロッドガイド及びピストンロッドをシリンダに着脱自在に設けたものである。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において更に、前記車軸側チューブが、車軸側チューブ本体と、該車軸側チューブ本体の下端部外周に固定した車軸ブラケットとからなり、車軸ブラケット内の底部に、シリンダの下端部が取付けられるシリンダ取付部材を配置し、該シリンダ取付部材の外周のフランジ部を車軸側チューブ本体の下端部と車軸ブラケットの底部との間に挟持して固定し、シリンダ取付部材に、シリンダの油室と前記隔壁部材の一側の油室を連通する一方の油路と、前記油溜室と前記隔壁部材の他側の油室を連通する他方の油路を形成したものである。
請求項4の発明は、請求項3の発明において更に、前記シリンダ取付部材にシリンダを螺合し、該シリンダ及びピストンロッドを車軸ブラケットに着脱自在に設けたものである。
請求項5の発明は、請求項3又は4の発明において更に、前記車軸ブラケットの底部とシリンダ取付部材との間に、該シリンダ取付部材の前記一方の油路と他方の油路のそれぞれを、前記隔壁部材の一側の油室と他側の油室のそれぞれに連通する位置に整合せしめる位置決め部材を設けたものである。
(請求項1)
(a)車軸側チューブの底部の外周後部に設けた横孔に圧側減衰力発生手段を内挿することにより、圧側減衰力発生手段を車軸側チューブの外周前面に設けるものに比して、車両の転倒時における圧側減衰力発生手段の割れ等の損傷、破壊を防止できる。
(b)圧側減衰力発生手段を車軸側チューブの底部に内挿したから、車軸側チューブの底部に対する圧側減衰力発生手段の接続部からのオイル漏れをなくすことができる。
(c)車軸側チューブとしてインナチューブを用いる倒立型フロントフォークで、車軸側チューブの底部の外周前面に圧側減衰力発生手段の存在がないから、この外周前面にフェンダーステー取付用ブラケットを設けることができる。
(請求項2)
(d)シリンダに対するロッドガイドの螺合を解くことにより、ロッドガイド及びピストンロッドをシリンダに対して簡易に着脱でき、レース等に際し、ピストンロッド等の仕様変更に迅速に対応できる。
(請求項3)
(e)従来技術では車軸側チューブの底部に外側から挿通したボルトを、シリンダの下端部に螺着することにより、シリンダを車軸側チューブの底部に固定しているが、車軸側チューブの底部に設けた横孔をシリンダの延長線に交差配置した場合には、上記ボルトを挿通できない。本発明では、車軸側チューブの底部を構成する車軸ブラケットの底部にシリンダ取付部材を配置し、このシリンダ取付部材にシリンダの下端部を取付けることにより、シリンダを車軸側チューブの底部に固定できる。この結果、車軸側チューブの底部に、シリンダを取付けるためのボルトを外側から挿通する必要がなく、その底部に圧側減衰力発生手段を内挿するための横孔を設置できる。車軸側チューブの底部にシリンダを取付けるためのボルト挿通孔を設けないから、これによるオイル漏れのおそれもない。
(請求項4)
(f)シリンダ取付部材に対するシリンダの螺合を解くことにより、シリンダ及びピストンロッドを車軸側チューブに対して簡易に着脱でき、レース等に際し、シリンダ及びピストンロッド等の仕様変更に迅速に対応できる。
(請求項5)
(g)シリンダ取付部材を車軸ブラケットの底部に配置するに際し、シリンダ取付部材の2つの油路のそれぞれを、位置決め部材により、圧側減衰力発生手段を構成する隔壁部材の両側の油室のそれぞれに迅速に整合取付できる。
(h)シリンダをシリンダ取付部材に対して螺合し、又は螺合解除して着脱するとき、位置決め部材がシリンダ取付部材の回り止めになる。これにより、シリンダの着脱が迅速になる。
図1はフロントフォークの全体を示す断面図、図2は図1の下部構造を示す断面図、図3は図1の中間部構造を示す断面図、図4は図1の上部構造を示す断面図、図5は左右一対をなすフロントフォークの配置を示し、図2のV−V線に相当する断面図、図6は圧側減衰力発生手段を示す断面図、図7はフロントフォークのシリンダ取付部材の取付過程を示す断面図、図8は図7のVIII−VIII線に沿う断面図、図9はフロントフォークの車軸側チューブの取付過程を示す断面図、図10はフロントフォークのロッドガイド及びピストンロッドの取付過程を示す断面図である。
自動二輪車等のフロントフォーク10は、図1〜図5に示す如く、車体側チューブ11と車軸側チューブ12を液密に摺動自在に嵌合して構成される。車体側チューブ11の下端内周にはブッシュ13が、車軸側チューブ12の上端外周にはブッシュ14が設けられている。
車体側チューブ11は上端部の開口部15にキャップ16を液密に着脱自在に設け、車体側チューブ11に車体側取付部を備える。車軸側チューブ12は、車軸側チューブ本体12Aと、車軸側チューブ本体12Aの下端部外周に螺合して固定した車軸ブラケット18からなり、車軸ブラケット18に車軸孔19を備える。
フロントフォーク10は、車体側チューブ11と車軸側チューブ12の内部に、ダンパ20を構成するダンパシリンダ21とピストンロッド24を収容している。フロントフォーク10は、車軸側チューブ12に挿入したダンパシリンダ21を後に詳述する如くに車軸ブラケット18に取付けるとともに、ダンパシリンダ21内を摺動するピストン・バルブ組立体40A(伸側減衰力発生装置40)を先端部に設けたピストンロッド24を車体側チューブ11に取付ける。本実施例のフロントフォーク10は、車体側チューブ11としてアウタチューブを、車軸側チューブ12としてインナチューブを用いる倒立型フロントフォークとしたが、本発明では、車体側チューブ11としてインナチューブを、車軸側チューブ12としてアウタチューブを用いる正立型フロントフォークであっても良い。
フロントフォーク10は、図4に示す如く、キャップ16の中央部にばね荷重アジャスタ23を回転自在に一体固定化し、車体側チューブ11の内部に挿入されたばね荷重アジャスタ23の下端部に中空ピストンロッド24を連結し、ピストンロッド24を車体側チューブ11に対し固定的に支持する。ピストンロッド24は、ダンパシリンダ21の上端部に螺合したロッドガイド25を摺動自在に貫通してダンパシリンダ21の内部の油室27に挿入され、その挿入先端部に設けたピストンボルト24Aにピストン26を備える。ピストンボルト24Aに螺着されるナット24Bによりピストン26を固定する。ピストン26はダンパシリンダ21の内面を上下に摺動する。油室27は、ピストン26により、ピストンロッド24が挿入されている側のピストンロッド側油室27Aと、ピストンロッド24が挿入されていない側のピストン側油室27Bに区画される。
フロントフォーク10は、車体側チューブ11と車軸側チューブ12の間で、ダンパシリンダ21の外周の空間を油溜室28とし、油溜室28の上部を気体室(空気室)29としている。
フロントフォーク10は、キャップ16で覆われるばね荷重アジャスタ23の外周にスリーブ30を螺着し、スリーブ30の下端面に突き当てた複数の部材の結合からなるスプリングカラー31を有し、スプリングカラー31によりバックアップされる上スプリングシート32と、車軸ブラケット18の底部に配置した下スプリングシート33との間に懸架スプリング34を介装している。
フロントフォーク10は、図6に示す如く、車軸ブラケット18の底部に、ダンパシリンダ21の下端部が取付けられるシリンダ取付部材35を配置している。シリンダ取付部材35は、概ね円板状のボス部36に有底筒状部37を突設し、ボス部36の下端面を車軸ブラケット18の底部に着座させた状態で、ボス部36の下端外周のフランジ部36Aを、車軸ブラケット18の底部と、車軸ブラケット18に螺合される車軸側チューブ本体12Aの下端部との間に挟持されて固定される。シリンダ取付部材35は、筒状部37の外周に、ダンパシリンダ21の下端内周を螺合し、ダンパシリンダ21及びピストンロッド24を車軸ブラケット18に対して着脱自在にする。ここで、ダンパシリンダ21の上端内周にはロッドガイド25が螺合し、ロッドガイド25にはピストンロッド24が貫通しており、ロッドガイド25及びピストンロッド24はダンパシリンダ21に対して着脱自在である。尚、シリンダ取付部材35のボス部36の上端面には、前述の下スプリングシート33が着座する。
フロントフォーク10は、懸架スプリング34のばね反力と、空気室29の空気ばねによるばね反力により、車両走行時に路面から受ける衝撃力を緩衝する。
フロントフォーク10は、懸架スプリング34と、空気室29の空気ばねの伸縮振動を制振するため、伸側減衰力発生手段40と圧側減衰力発生手段50を有する。
(伸側減衰力発生手段40)
伸側減衰力発生手段40は、ピストンロッド24の先端部に設けられてダンパシリンダ21内を摺動するピストン・バルブ組立体40Aにより構成される。ピストン・バルブ組立体40Aは、図3に示す如く、ダンパシリンダ21の内面に摺接するピストン26に、ピストンロッド側油室27Aとピストン側油室27Bを連通可能にする伸側油路41と圧側油路42を有し、伸側油路41を伸側減衰バルブ43により開閉可能とし、圧側油路42をチェックバルブ44により開閉可能とする。伸側減衰バルブ43は、ナット24Bにより支持されたバルブストッパ43Aによってバックアップ支持される。チェックバルブ44は、ピストンロッド24に係止されたばね受け44Aに保持されたバルブスプリングによりバックアップ支持され、伸張時に閉じ、圧縮時に開く。
伸側減衰力発生手段40は、伸側減衰力調整装置40Bを有する。伸側減衰力調整装置40Bは、ピストンロッド24(ピストンボルト24A)の内部に、ピストン26をバイパスしてピストンロッド側油室27Aとピストン側油室27Bを連通可能とするバイパス油路46を有し、バイパス油路46をニードルバルブ47Aにより開閉可能とする。このとき、キャップ16に設けたばね荷重アジャスタ23の中央に減衰力アジャスタ47を螺着し、減衰力アジャスタ47に支持されたロッド47Bをピストンロッド24の中空部に挿通し、その挿通端に上述のニードルバルブ47Aを備える。
(圧側減衰力発生手段50)
圧側減衰力発生手段50は、ユニット状をなす圧側隔壁部材・バルブ組立体50Aと圧側減衰力調整装置50Bからなり、図6に示す如く、車軸側チューブ12の底部の車軸ブラケット18に設けた横孔51に内挿される。横孔51は、車軸側チューブ12の底部におけるダンパシリンダ21の延長線に交差し、かつ該底部の外周後部に開口する。車軸側チューブ12の軸直角断面(図5)で、横孔51の中心軸線51Aを、車両の後方に向けてダンパシリンダ21の中心を通る前後方向線21Aに対し、例えば20度の鋭角Aで交差させることにより、横孔51を大径化できる。横孔51は、車軸ブラケット18の車軸孔19より上側(車軸側チューブ本体12Aの側)に配置される。
車軸側チューブ12の平面視(図5)で、横孔51に内挿された圧側減衰力発生手段50を、車軸ブラケット18の車幅方向の外側面を車両の後方に向けて通る接線18Aと、車軸ブラケット18の後面に設けられているキャリパブラケット19Aとの間の円筒部の外周に設けることが好ましい。圧側減衰力発生手段50が車両の後方に向けて車軸ブラケット18の外側面を通る接線18Aの内側に配置されることにより、転倒時等の圧側減衰力発生手段50の破損を防止できる。尚、車軸ブラケット18の前面にはフェンダーステー取付用ブラケット19Bが設けられる。
圧側隔壁部材・バルブ組立体50Aは、横孔51の開口部にキャップ52を螺着し、キャップ52の横孔51に臨む端面に支持ボルト53を螺着し、支持ボルト53に隔壁部材54を固定している。隔壁部材54は、一側の油室55Aと他側の油室55Bを区画する。油室55Aは、車軸ブラケット18に設けた油路56Aと、シリンダ取付部材35に設けた一方の油路38Aを通って、ダンパシリンダ21のピストン側油室27Bに連通する。油室55Bは、車軸ブラケット18に設けた油路56B、シリンダ取付部材35に設けた他方の油路38Bを通って、ダンパシリンダ21の外周の油溜室28に連通する。シリンダ取付部材35の下端面に臨む油路38Bには接続プラグ39が挿着されており、シリンダ取付部材35を車軸ブラケット18の底部に着座せしめるとき、接続プラグ39の突端部が車軸ブラケット18の油路56Bに嵌合する。プラグ39はシリンダ取付部材35の位置決め部材として機能する。
圧側隔壁部材・バルブ組立体50Aは、隔壁部材54に、油室55Aと油室55Bを連通する圧側油路57と伸側油路58を有し、圧側油路57を圧側減衰バルブ57Aにより開閉可能にし、伸側油路58をチェックバルブ58Aにより開閉可能にする。圧側減衰バルブ57Aはバルブストッパ57Bによってバックアップ支持され、チェックバルブ58Aはナット59により支持されたばね受け58Bに保持されたバルブスプリングによりバックアップ支持され、圧縮時に閉じ、伸張時に開く。
圧側減衰力調整装置50Bは、支持ボルト53にバイパス油路61を有する。バイパス油路61は、隔壁部材54をバイパスし、油室55Aと油室55Bを連通し、ニードルバルブ62により開閉可能とされる。このとき、キャップ52に減衰力アジャスタ63を回転可能に挿着し、減衰力アジャスタ63を支持ボルト53の中心部に螺着したニードルバルブ62に係合させる。
車軸ブラケット18の底部とシリンダ取付部材35との間には、シリンダ取付部材35の一方の油路38Aと他方の油路38Bのそれぞれを、隔壁部材54の一側の油室55Aに連なる油路56Aと、他側の油室55Bに連なる油路56Bのそれぞれに連通する位置に整合せしめる、位置決め部材としてのピン64が設けられる。ピン64は、シリンダ取付部材35の下端面が着座する車軸ブラケット18の底部に植設され、シリンダ取付部材35の下端面に設けたピン孔35Aに係入する。尚、シリンダ取付部材35の下端面に設けた前述のプラグ39も、ピン64と同様の位置決め部材を構成し得る。シリンダ取付部材35はボス部36のフランジ部36Aの円形状外周を車軸ブラケット18の円形孔に嵌合するとともに、ピン孔35A(及び/又はプラグ39)を車軸ブラケット18の底部のピン64(又は油路56B)に係入することにて、位置決めされる。
従って、フロントフォーク10は以下の如くに動作する。
(伸張行程)
フロントフォーク10の伸張時には、車体側チューブ11と車軸側チューブ12が相対的に伸張し、懸架スプリング34が伸びる。また、ピストンロッド24がダンパシリンダ21から退出し、ピストンロッド側油室27Aの油が、低速時にはピストン26のバイパス油路46を通ってピストン側油室27Bに流れ、この間のニードルバルブ47Aの絞り抵抗により伸側減衰力を得る。また、中高速時には、ピストンロッド側油室27Aの油がピストン26の伸側油路41を通ってピストン側油室27Bに流れ、この間の伸側減衰バルブ43の撓み抵抗により伸側減衰力を得る。伸側減衰力が懸架スプリング34の共振を防止する。
ピストンロッド24が退出した体積分の作動油が、油溜室28からシリンダ取付部材35の油路38B、車軸ブラケット18の油路56B、油室55B経由で圧側隔壁部材54の伸側油路58を通り、チェックバルブ58Aを開いて油室55A、車軸ブラケット18の油路56A、シリンダ取付部材35の油路38A経由でピストン側油室27Bに供給される。
尚、ダンパシリンダ21の内部でロッドガイド25の直下にはリバウンドスプリング66が装備されており、リバウンドスプリング66は最伸張時にピストンボルト24Aの拡径部に当接して最伸張時の緩衝をなす。
(圧縮行程)
フロントフォーク10の圧縮時には、車体側チューブ11と車軸側チューブ12が相対的に圧縮され、懸架スプリング34が縮む。また、ピストンロッド24がダンパシリンダ21に進入し、ピストン側油室27Bの油が、ピストン26の圧側油路42のチェックバルブ44を通ってピストンロッド側油室27Aに流れる。また、ピストンロッド24の進入体積分の油が、低速時には、ピストン側油室27Bからシリンダ取付部材35の油路38A、車軸ブラケット18の油路56A、油室55A経由で圧側隔壁部材54のバイパス油路61を通って油室55B、車軸ブラケット18の油路56B、シリンダ取付部材35の油路38B経由で油溜室28に流れ、この間のニードルバルブ62の絞り抵抗により圧側減衰力を得る。また、中高速時には、ピストン側油室27Bからシリンダ取付部材35の油路38A、車軸ブラケット18の油路56A、油室55A経由で圧側隔壁部材54の圧側油路57を通って油室55B、車軸ブラケット18の油路56B、シリンダ取付部材35の油路38B経由で油溜室28に流れ、この間の圧側減衰バルブ57の撓み抵抗により圧側減衰力を得る。懸架スプリング34のばね力が圧縮時の衝撃を緩衝し、圧側減衰力が懸架スプリング34の圧縮速度をコントロールする。
尚、ダンパシリンダ21の外部にあるピストンロッド24の中間部にはストッパラバー67が装備されており、ストッパラバー67は最圧縮時にロッドガイド25の上部に衝合して最圧縮時の緩衝をなす。
車軸ブラケット18への車軸側チューブ本体12A、ダンパシリンダ21、ピストンロッド24の取付け手順(取外し手順は逆)は以下の如くになる。
(1)車軸ブラケット18の底部にピン64を植設し、このピン64を位置決めピンとして、シリンダ取付部材35を車軸ブラケット18の底部に着座させる(図7〜図9)。車軸ブラケット18の油路56Aとシリンダ取付部材35の油路38Aとの接続部で、車軸ブラケット18の油路56AまわりにはOリング69が介装される。
(2)車軸側チューブ本体12Aの下端部の外周に車軸ブラケット18を螺着し、車軸ブラケット18の底部と、車軸側チューブ本体12Aの下端部との間にシリンダ取付部材35のフランジ部36Aを挟持する(図9、図10)。
(3)シリンダ取付部材35の外周にダンパシリンダ21を螺着する(図10)。
(4)ピストンロッド24を挿入したロッドガイド25を、ダンパシリンダ21の上端部内周に螺着する。
(5)車軸側チューブ12の外周に車体側チューブ11を嵌合し、車体側チューブ11の上端開口部に設けられるキャップ16に螺着したばね荷重アジャスタ23に、ピストンロッド24の上端部を連結する(図1)。
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)車軸側チューブ12の底部の外周後部に設けた横孔51に圧側減衰力発生手段50を内挿することにより、圧側減衰力発生手段50を車軸側チューブ12の外周前面に設けるものに比して、車両の転倒時における圧側減衰力発生手段50の割れ等の損傷、破壊を防止できる。
(b)圧側減衰力発生手段50を車軸側チューブ12の底部に内挿したから、車軸側チューブ12の底部に対する圧側減衰力発生手段50の接続部からのオイル漏れをなくすことができる。
(c)車軸側チューブ12としてインナチューブを用いる倒立型フロントフォークで、車軸側チューブ12の底部の外周前面に圧側減衰力発生手段50の存在がないから、この外周前面にフェンダーステー取付用ブラケット19Bを設けることができる。
(d)ダンパシリンダ21に対するロッドガイド25の螺合を解くことにより、ロッドガイド25及びピストンロッド24をダンパシリンダ21に対して簡易に着脱でき、レース等に際し、ピストンロッド24等の仕様変更に迅速に対応できる。
(e)車軸側チューブ12の底部を構成する車軸ブラケット18の底部にシリンダ取付部材35を配置し、このシリンダ取付部材35にダンパシリンダ21の下端部を取付けることにより、ダンパシリンダ21を車軸側チューブ12の底部に固定できる。この結果、車軸側チューブ12の底部に、ダンパシリンダ21を取付けるためのボルトを外側から挿通する必要がなく、その底部に圧側減衰力発生手段50を内挿するための横孔51を設置できる。車軸側チューブ12の底部にダンパシリンダ21を取付けるためのボルト挿通孔を設けないから、これによるオイル漏れのおそれもない。
(f)シリンダ取付部材35に対するダンパシリンダ21の螺合を解くことにより、ダンパシリンダ21及びピストンロッド24を車軸側チューブ12に対して簡易に着脱でき、レース等に際し、ダンパシリンダ21及びピストンロッド24等の仕様変更に迅速に対応できる。
(g)シリンダ取付部材35を車軸ブラケット18の底部に配置するに際し、シリンダ取付部材35の2つの油路38A、38Bのそれぞれを、位置決め部材としてのピン64により、圧側減衰力発生手段50を構成する隔壁部材54の両側の油室55A、55Bのそれぞれに迅速に整合取付できる。
(h)ダンパシリンダ21をシリンダ取付部材35に対して螺合し、又は螺合解除して着脱するとき、位置決め部材としてのピン64がシリンダ取付部材35の回り止めになる。これにより、ダンパシリンダ21の着脱が迅速になる。
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
図1はフロントフォークの全体を示す断面図である。 図2は図1の下部構造を示す断面図である。 図3は図1の中間部構造を示す断面図である。 図4は図1の上部構造を示す断面図である。 図5は左右一対をなすフロントフォークの配置を示し、図2のV−V線に相当する断面図である。 図6は圧側減衰力発生手段を示す断面図である。 図7はフロントフォークのシリンダ取付部材の取付過程を示す断面図である。 図8は図7のVIII−VIII線に沿う断面図である。 図9はフロントフォークの車軸側チューブの取付過程を示す断面図である。 図10はフロントフォークのロッドガイド及びピストンロッドの取付過程を示す断面図である。
符号の説明
10 フロントフォーク
11 車体側チューブ
12 車軸側チューブ
12A 車軸側チューブ本体
18 車軸ブラケット
21 ダンパシリンダ
24 ピストンロッド
25 ロッドガイド
26 ピストン
27 油室
28 油溜室
29 気体室
35 シリンダ取付部材
36A フランジ部
38A、38B 油路
50 圧側減衰力発生手段
51 横孔
54 隔壁部材
55A、55B 油室
57A 圧側減衰バルブ(減衰力発生バルブ)
64 ピン(位置決め部材)

Claims (5)

  1. 車体側チューブと車軸側チューブを摺動自在に嵌合し、
    車軸側チューブの底部にシリンダを設け、車体側チューブに取付けたピストンロッドをシリンダの油室に挿入し、ピストンロッドのシリンダの油室への挿入端にピストンを設け、
    シリンダの外周下部に油溜室を設けるとともに、外周上部に気体室を設けた自動二輪車等のフロントフォークにおいて、
    車軸側チューブの底部におけるシリンダの延長線に交差し、かつ該底部の外周後部に開口する横孔を設け、
    圧側減衰力発生手段を上記横孔に内挿し、
    圧側減衰力発生手段が隔壁部材と、該隔壁部材に設けた減衰力発生バルブとを有し、隔壁部材により区画される一側の油室をシリンダの油室に連通し、他側の油室を油溜室に連通したことを特徴とする自動二輪車等のフロントフォーク。
  2. 前記シリンダにロッドガイドを螺合し、該ロッドガイド及びピストンロッドをシリンダに着脱自在に設けた請求項1に記載の自動二輪車等のフロントフォーク。
  3. 前記車軸側チューブが、車軸側チューブ本体と、該車軸側チューブ本体の下端部外周に固定した車軸ブラケットとからなり、
    車軸ブラケット内の底部に、シリンダの下端部が取付けられるシリンダ取付部材を配置し、該シリンダ取付部材の外周のフランジ部を車軸側チューブ本体の下端部と車軸ブラケットの底部との間に挟持して固定し、
    シリンダ取付部材に、シリンダの油室と前記隔壁部材の一側の油室を連通する一方の油路と、前記油溜室と前記隔壁部材の他側の油室を連通する他方の油路を形成した請求項1又は2に記載の自動二輪車等のフロントフォーク。
  4. 前記シリンダ取付部材にシリンダを螺合し、該シリンダ及びピストンロッドを車軸ブラケットに着脱自在に設けた請求項3に記載の自動二輪車等のフロントフォーク。
  5. 前記車軸ブラケットの底部とシリンダ取付部材との間に、該シリンダ取付部材の前記一方の油路と他方の油路のそれぞれを、前記隔壁部材の一側の油室と他側の油室のそれぞれに連通する位置に整合せしめる位置決め部材を設けた請求項3又は4に記載の自動二輪車等のフロントフォーク。
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JP2007315547A (ja) * 2006-05-29 2007-12-06 Kayaba Ind Co Ltd フロントフォーク
CN107290088A (zh) * 2017-06-29 2017-10-24 柳州上汽汽车变速器有限公司 拨叉衬套拔出力的测量方法

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