JP3478314B2 - 車両用油圧緩衝器 - Google Patents
車両用油圧緩衝器Info
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- JP3478314B2 JP3478314B2 JP27377195A JP27377195A JP3478314B2 JP 3478314 B2 JP3478314 B2 JP 3478314B2 JP 27377195 A JP27377195 A JP 27377195A JP 27377195 A JP27377195 A JP 27377195A JP 3478314 B2 JP3478314 B2 JP 3478314B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動四輪車又は自
動二輪車に使用される車両用油圧緩衝器に係り、特に、
シングルチューブ形式のシリンダを用いた車両用油圧緩
衝器に関する。
動二輪車に使用される車両用油圧緩衝器に係り、特に、
シングルチューブ形式のシリンダを用いた車両用油圧緩
衝器に関する。
【0002】
【従来の技術】自動四輪車或いは自動二輪車に使用され
る車両用油圧緩衝器では、シリンダ内に作動油が充填さ
れるとともに、ピストンが摺動自在に配設され、このピ
ストンに減衰力を発生する減衰バルブが設置されてい
る。ピストンには、ピストンロッドの一端が結合され、
このピストンロッドの他端側がシリンダ外部へ延出され
ている。このピストンロッドと上記シリンダとの間に懸
架ばねが介装されて、油圧緩衝器は車体側と車軸側に配
設される。懸架ばねにより路面からの衝撃が吸収され、
上記油圧緩衝器にて発生する減衰力により車体の振動が
制振される。
る車両用油圧緩衝器では、シリンダ内に作動油が充填さ
れるとともに、ピストンが摺動自在に配設され、このピ
ストンに減衰力を発生する減衰バルブが設置されてい
る。ピストンには、ピストンロッドの一端が結合され、
このピストンロッドの他端側がシリンダ外部へ延出され
ている。このピストンロッドと上記シリンダとの間に懸
架ばねが介装されて、油圧緩衝器は車体側と車軸側に配
設される。懸架ばねにより路面からの衝撃が吸収され、
上記油圧緩衝器にて発生する減衰力により車体の振動が
制振される。
【0003】また、車両用油圧緩衝器には、シリンダ内
へのピストンロッドの侵入或いは退出に伴う体積変化分
の作動油を補償するリザーバ室が設けられる必要があ
る。シリンダが1本のチューブからなるシングルチュー
ブ形式の車両用油圧緩衝器には、シリンダの外部にリザ
ーバタンクが設置され、このリザーバタンクが上記リザ
ーバ室として機能するものがある。
へのピストンロッドの侵入或いは退出に伴う体積変化分
の作動油を補償するリザーバ室が設けられる必要があ
る。シリンダが1本のチューブからなるシングルチュー
ブ形式の車両用油圧緩衝器には、シリンダの外部にリザ
ーバタンクが設置され、このリザーバタンクが上記リザ
ーバ室として機能するものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記リザーバタンク
が、例えばアルミニウム又はアルミニウム合金にてシリ
ンダと一体に鋳造成形されている場合には、シリンダが
鋳造成形されることから、コストが上昇してしまう。
が、例えばアルミニウム又はアルミニウム合金にてシリ
ンダと一体に鋳造成形されている場合には、シリンダが
鋳造成形されることから、コストが上昇してしまう。
【0005】また、実開平2-40135 号公報に記載の考案
のように、シリンダをコストの安い鋼管にて成形し、こ
のシリンダの外周に、リザーバタンクに連通する流路が
形成されたブラケットを締め付け固定する場合には、ブ
ラケットのすり割り部を利用して締付ボルトを締め付け
る構造であるため、このブラケットが大型化して、コス
トが上昇してしまう。
のように、シリンダをコストの安い鋼管にて成形し、こ
のシリンダの外周に、リザーバタンクに連通する流路が
形成されたブラケットを締め付け固定する場合には、ブ
ラケットのすり割り部を利用して締付ボルトを締め付け
る構造であるため、このブラケットが大型化して、コス
トが上昇してしまう。
【0006】本発明の課題は、上述の事情を考慮してな
されたものであり、リザーバタンク用のジョイントブラ
ケットの構造を簡素化してコストを低減できる車両用油
圧緩衝器を提供することである。
されたものであり、リザーバタンク用のジョイントブラ
ケットの構造を簡素化してコストを低減できる車両用油
圧緩衝器を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、作動油を充填したシリンダの内部にピストンが摺動
自在に嵌装され、上記シリンダの一端部がエンドキャッ
プにて閉塞され、上記シリンダに連通してリザーバタン
クが設置された車両用油圧緩衝器であって、上記エンド
キャップには、上記シリンダの外周よりも外側へ延出さ
れたフランジ部が一体成形され、又、上記シリンダには
開口穴及び注入穴が形成され、この開口穴と上記リザー
バタンクとを連通する連通路を備えたジョイントブラケ
ットが、上記シリンダの外周に回転可能に嵌装されて上
記エンドキャップの上記フランジに係止され、上記ジョ
イントブラケットには、上記注入穴に連通して組付時に
作動油を注入可能とする注入路が形成され、上記ジョイ
ントブラケットは、上記注入路及び上記注入穴に廻り止
め部材を挿入することにて上記シリンダに回転不能に結
合されたものである。
は、作動油を充填したシリンダの内部にピストンが摺動
自在に嵌装され、上記シリンダの一端部がエンドキャッ
プにて閉塞され、上記シリンダに連通してリザーバタン
クが設置された車両用油圧緩衝器であって、上記エンド
キャップには、上記シリンダの外周よりも外側へ延出さ
れたフランジ部が一体成形され、又、上記シリンダには
開口穴及び注入穴が形成され、この開口穴と上記リザー
バタンクとを連通する連通路を備えたジョイントブラケ
ットが、上記シリンダの外周に回転可能に嵌装されて上
記エンドキャップの上記フランジに係止され、上記ジョ
イントブラケットには、上記注入穴に連通して組付時に
作動油を注入可能とする注入路が形成され、上記ジョイ
ントブラケットは、上記注入路及び上記注入穴に廻り止
め部材を挿入することにて上記シリンダに回転不能に結
合されたものである。
【0008】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、上記ジョイントブラケットはリザーバ
タンクと一体成形され、このジョイントブラケットの連
通路が上記リザーバタンクの油室に連通されたものであ
る。
の発明において、上記ジョイントブラケットはリザーバ
タンクと一体成形され、このジョイントブラケットの連
通路が上記リザーバタンクの油室に連通されたものであ
る。
【0009】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、上記ジョイントブラケットは可撓性ホ
ースを介してリザーバタンクに連結され、このジョイン
トブラケットの連通路が上記可撓性ホースを介して上記
リザーバタンクの油室に連通されたものである。
の発明において、上記ジョイントブラケットは可撓性ホ
ースを介してリザーバタンクに連結され、このジョイン
トブラケットの連通路が上記可撓性ホースを介して上記
リザーバタンクの油室に連通されたものである。
【0010】請求項4に記載の発明は、請求項1、2又
は3のいずれか一に記載の発明において、上記ジョイン
トブラケットには、シリンダの外周に配置される懸架ス
プリングを支持するばね受け部が一体成形されたもので
ある。
は3のいずれか一に記載の発明において、上記ジョイン
トブラケットには、シリンダの外周に配置される懸架ス
プリングを支持するばね受け部が一体成形されたもので
ある。
【0011】請求項1、2又は3に記載の発明には、次
の作用がある。リザーバタンク用のジョイントブラケッ
トがシリンダの外周に回転可能に嵌装されて、エンドキ
ャップのフランジ部に係止され、上記ジョイントブラケ
ットが、組付時に作動油注入用に形成されたシリンダの
注入穴とジョイントブラケットの注入路に廻り止め部材
を挿入することにてシリンダに回転不能に結合されたの
で、上記ジョイントブラケットのシリンダへの結合構造
が大型化せず、その構造を簡素化できる。また、リザー
バタンク及びジョイントブラケットを鋳造成形し、シリ
ンダを例えばコストの安い鋼管にて成形できる。これら
のことから、油圧緩衝器の全体としてのコストを低減で
きる。
の作用がある。リザーバタンク用のジョイントブラケッ
トがシリンダの外周に回転可能に嵌装されて、エンドキ
ャップのフランジ部に係止され、上記ジョイントブラケ
ットが、組付時に作動油注入用に形成されたシリンダの
注入穴とジョイントブラケットの注入路に廻り止め部材
を挿入することにてシリンダに回転不能に結合されたの
で、上記ジョイントブラケットのシリンダへの結合構造
が大型化せず、その構造を簡素化できる。また、リザー
バタンク及びジョイントブラケットを鋳造成形し、シリ
ンダを例えばコストの安い鋼管にて成形できる。これら
のことから、油圧緩衝器の全体としてのコストを低減で
きる。
【0012】請求項4に記載の発明には、次の作用があ
る。ジョイントブラケットに懸架スプリング用のばね受
け部が一体成形されて、このジョイントブラケットがば
ね受けを兼用し、エンドキャップのフランジ部がばね荷
重を確実に支持したので、ばね受けをジョイントブラケ
ットとは別体に設置する必要がない。この点からも、部
品点数が減少して、油圧緩衝器のコストを低減できる。
る。ジョイントブラケットに懸架スプリング用のばね受
け部が一体成形されて、このジョイントブラケットがば
ね受けを兼用し、エンドキャップのフランジ部がばね荷
重を確実に支持したので、ばね受けをジョイントブラケ
ットとは別体に設置する必要がない。この点からも、部
品点数が減少して、油圧緩衝器のコストを低減できる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る車両用油
圧緩衝器の第1の実施の形態を一部断面状態で示す側断
面図である。図2は、図1の一部を拡大して示す断面図
である。図3は、図2のIII-III 線に沿う断面図であ
る。
面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る車両用油
圧緩衝器の第1の実施の形態を一部断面状態で示す側断
面図である。図2は、図1の一部を拡大して示す断面図
である。図3は、図2のIII-III 線に沿う断面図であ
る。
【0014】図1に示すように、自動四輪車に使用され
る油圧緩衝器10は、懸架スプリング11と一体化され
てクッションユニットを構成し、このクッションユニッ
トが車体側と車軸側に配置される。懸架スプリング11
が路面からの衝撃を吸収し、油圧緩衝器10がクッショ
ンユニットの振動を減衰して車体を制振させる。
る油圧緩衝器10は、懸架スプリング11と一体化され
てクッションユニットを構成し、このクッションユニッ
トが車体側と車軸側に配置される。懸架スプリング11
が路面からの衝撃を吸収し、油圧緩衝器10がクッショ
ンユニットの振動を減衰して車体を制振させる。
【0015】油圧緩衝器10は、シングルチューブから
なるシリンダ12に作動油が充填されるとともに、ピス
トン13が摺動自在に嵌装され、このピストン13にピ
ストンロッド14の一端が結合して構成される。シリン
ダ12の一端をエンドキャップ15が、他端をロッドガ
イド16がそれぞれ液密に閉塞可能とする。また、ピス
トンロッド14の他端側は、ロッドガイド16を貫通し
てシリンダ12の外部へ延出される。更に、ピストン1
3にてシリンダ12内が下室17Aと上室17Bとに区
画される。ピストンロッド14は、この下室17A内へ
侵入或いは退出可能とされる。
なるシリンダ12に作動油が充填されるとともに、ピス
トン13が摺動自在に嵌装され、このピストン13にピ
ストンロッド14の一端が結合して構成される。シリン
ダ12の一端をエンドキャップ15が、他端をロッドガ
イド16がそれぞれ液密に閉塞可能とする。また、ピス
トンロッド14の他端側は、ロッドガイド16を貫通し
てシリンダ12の外部へ延出される。更に、ピストン1
3にてシリンダ12内が下室17Aと上室17Bとに区
画される。ピストンロッド14は、この下室17A内へ
侵入或いは退出可能とされる。
【0016】ピストンロッド14の一端部は、ピストン
13の中央位置に貫通され固定される。このピストン1
3には、ピストンロッド14の周囲に複数のオイル流路
18が貫通して穿設され、ピストン13の一側面に減衰
バルブ19が設置される。この減衰バルブ19には、オ
イル流路18に対応する位置にオリフィス(図示せず)
が形成される。
13の中央位置に貫通され固定される。このピストン1
3には、ピストンロッド14の周囲に複数のオイル流路
18が貫通して穿設され、ピストン13の一側面に減衰
バルブ19が設置される。この減衰バルブ19には、オ
イル流路18に対応する位置にオリフィス(図示せず)
が形成される。
【0017】油圧緩衝器10の圧縮過程では、上室17
B内の作動油がオイル流路18を経て減衰バルブ19を
撓み変形させるが、この減衰バルブ19はチェックバル
ブとして機能して、作動油が下室17A内へ流入する。
従って、この圧縮過程では、油圧緩衝器10は減衰力を
発生しない。
B内の作動油がオイル流路18を経て減衰バルブ19を
撓み変形させるが、この減衰バルブ19はチェックバル
ブとして機能して、作動油が下室17A内へ流入する。
従って、この圧縮過程では、油圧緩衝器10は減衰力を
発生しない。
【0018】また、油圧緩衝器10の伸長過程では、下
室17A内の作動油が減衰バルブ19の上記オリフィス
及びオイル流路18を経て上室17B内へ流入する。油
圧緩衝器10は、作動油が上記オリフィスを流れる間の
抵抗により減衰力(伸側減衰力)を発生する。
室17A内の作動油が減衰バルブ19の上記オリフィス
及びオイル流路18を経て上室17B内へ流入する。油
圧緩衝器10は、作動油が上記オリフィスを流れる間の
抵抗により減衰力(伸側減衰力)を発生する。
【0019】尚、図中符号20はリバンドスプリングで
あり、符号21はオイルシールであり、符号22は、エ
ンドキャップ15に溶着されて車体に連結するアッパブ
ラケットである。
あり、符号21はオイルシールであり、符号22は、エ
ンドキャップ15に溶着されて車体に連結するアッパブ
ラケットである。
【0020】さて、上記エンドキャップ15には、シリ
ンダ12の外周よりも外側へ延出するフランジ部23が
一体成形される。また、リザーバタンク24は、ジョイ
ントブラケット25に一体成形され、このジョイントブ
ラケット25の挿通孔26がシリンダ12に回転可能に
嵌装される。ジョイントブラケット25はフランジ部2
3に係止され、このフランジ部23が、リザーバタンク
24の荷重及び後述の懸架スプリング11のスプリング
荷重を支持する。
ンダ12の外周よりも外側へ延出するフランジ部23が
一体成形される。また、リザーバタンク24は、ジョイ
ントブラケット25に一体成形され、このジョイントブ
ラケット25の挿通孔26がシリンダ12に回転可能に
嵌装される。ジョイントブラケット25はフランジ部2
3に係止され、このフランジ部23が、リザーバタンク
24の荷重及び後述の懸架スプリング11のスプリング
荷重を支持する。
【0021】上記ジョイントブラケット25には、懸架
スプリング11の荷重を支持するロアばね受け部37が
一体成形される。従って、懸架スプリング11の荷重
は、ジョイントブラケット25のロアばね受け部37を
介して、エンドキャップ15のフランジ部23にて支持
される。
スプリング11の荷重を支持するロアばね受け部37が
一体成形される。従って、懸架スプリング11の荷重
は、ジョイントブラケット25のロアばね受け部37を
介して、エンドキャップ15のフランジ部23にて支持
される。
【0022】上記リザーバタンク24は、図1に示すよ
うに、油圧緩衝器10の圧縮或いは伸長過程で、下室1
7A内へ侵入或いは退出するピストンロッド14の容積
変化分の作動油を補償する機能を有する。このリザーバ
タンク24は、タンクハウジング29内にフリーピスト
ン30を摺動自在に嵌装し、タンクキャップ31にて開
口を閉塞し、フリーピストン30とタンクキャップ31
との間にコイルスプリング27が介装されて構成され
る。タンクハウジング29内は、フリーピストン30に
て、空気が充填されたガス室32と、作動油が充填され
た油室33とに区画される。この油室33は、ジョイン
トブラケット25に形成された連通路34の一端に連通
される。
うに、油圧緩衝器10の圧縮或いは伸長過程で、下室1
7A内へ侵入或いは退出するピストンロッド14の容積
変化分の作動油を補償する機能を有する。このリザーバ
タンク24は、タンクハウジング29内にフリーピスト
ン30を摺動自在に嵌装し、タンクキャップ31にて開
口を閉塞し、フリーピストン30とタンクキャップ31
との間にコイルスプリング27が介装されて構成され
る。タンクハウジング29内は、フリーピストン30に
て、空気が充填されたガス室32と、作動油が充填され
た油室33とに区画される。この油室33は、ジョイン
トブラケット25に形成された連通路34の一端に連通
される。
【0023】ジョイントブラケット25には、図2に示
すように、連通路34の他端側に環状溝35が形成さ
れ、上記シリンダ12には、環状溝35に対応する位置
に開口穴36が開設される。従って、リザーバタンク2
4の油室33は、連通路34、環状溝35及び開口穴3
6を経てシリンダ12の上室17Bに連通される。
すように、連通路34の他端側に環状溝35が形成さ
れ、上記シリンダ12には、環状溝35に対応する位置
に開口穴36が開設される。従って、リザーバタンク2
4の油室33は、連通路34、環状溝35及び開口穴3
6を経てシリンダ12の上室17Bに連通される。
【0024】また、シリンダ12には、図2及び図3に
示すように、ジョイントブラケット25の環状溝35に
対応する位置に、上記開口穴36の他に注入穴50も開
設される。そして、ジョイントブラケット25には、上
記注入穴50に連通して注入路51が穿設される。油圧
緩衝器10の組付時に、これらの注入路51及び注入穴
50からシリンダ12の上室17B内へ、更にジョイン
トブラケット25の連通路34を経てリザーバタンク2
4の油室33内へ作動油が注入されて充填される。
示すように、ジョイントブラケット25の環状溝35に
対応する位置に、上記開口穴36の他に注入穴50も開
設される。そして、ジョイントブラケット25には、上
記注入穴50に連通して注入路51が穿設される。油圧
緩衝器10の組付時に、これらの注入路51及び注入穴
50からシリンダ12の上室17B内へ、更にジョイン
トブラケット25の連通路34を経てリザーバタンク2
4の油室33内へ作動油が注入されて充填される。
【0025】注入路50及び注入穴50からの作動油の
注入後、これらの注入路51及び注入穴50に、廻り止
め部材としての廻り止めボルト52が螺装されて、ジョ
イントブラケット25がシリンダ12に対し回転不能に
廻り止めされる。尚、符号53は、廻り止めボルト52
と注入路51との間に配設された作動油洩れ防止用のO
リングである。
注入後、これらの注入路51及び注入穴50に、廻り止
め部材としての廻り止めボルト52が螺装されて、ジョ
イントブラケット25がシリンダ12に対し回転不能に
廻り止めされる。尚、符号53は、廻り止めボルト52
と注入路51との間に配設された作動油洩れ防止用のO
リングである。
【0026】次に、作用を説明する。油圧緩衝器10の
圧縮過程では、シリンダ12の上室17B内の作動油が
ピストン13のオイル流路18を経て下室17A内へ流
入し、この下室17A内の負圧を解消すると同時に、下
室17A内へ侵入するピストンロッド14の容積増加分
の作動油が、上室17Bから開口穴36、環状溝35及
び連通路34を経てリザーバタンク24の油室33内へ
流入する。
圧縮過程では、シリンダ12の上室17B内の作動油が
ピストン13のオイル流路18を経て下室17A内へ流
入し、この下室17A内の負圧を解消すると同時に、下
室17A内へ侵入するピストンロッド14の容積増加分
の作動油が、上室17Bから開口穴36、環状溝35及
び連通路34を経てリザーバタンク24の油室33内へ
流入する。
【0027】また、油圧緩衝器10の伸長過程では、シ
リンダ12の下室17A内の作動油が、減衰バルブ19
のオリフィス及びピストン13のオイル流路18を経て
上室17B内へ流入し、減衰力を発生すると同時に、シ
リンダ12の下室17Aから退出するピストンロッド1
4の容積減少分の作動油が、リザーバタンク24の油室
33から連通路34、環状溝35及び開口穴36を経て
上室17B内へ流入し、この上室17B内の負圧を解消
する。
リンダ12の下室17A内の作動油が、減衰バルブ19
のオリフィス及びピストン13のオイル流路18を経て
上室17B内へ流入し、減衰力を発生すると同時に、シ
リンダ12の下室17Aから退出するピストンロッド1
4の容積減少分の作動油が、リザーバタンク24の油室
33から連通路34、環状溝35及び開口穴36を経て
上室17B内へ流入し、この上室17B内の負圧を解消
する。
【0028】上記実施の形態によれば、リザーバタンク
24用のジョイントブラケット25がシリンダ12の外
周に回転可能に嵌装されて、エンドキャップ15のフラ
ンジ部23に係止され、上記ジョイントブラケット25
が、油圧緩衝器10の組付時に作動油注入用に形成され
たシリンダ12の注入穴50とジョイントブラケット2
5の注入路51に廻り止めボルト52を螺装することに
てシリンダ12に回転不能に結合されたので、ジョイン
トブラケット25のシリンダ12への結合構造が大型化
せず、その構造を簡素化できる。また、リザーバタンク
24及びジョイントブラケット25を、アルミニウム或
いはアルミニウム合金にて一体に鋳造成形し、シリンダ
12を例えば、コストの安い鋼管にて成形できる。これ
らのことから、油圧緩衝器10の全体としてのコストを
低減できる。
24用のジョイントブラケット25がシリンダ12の外
周に回転可能に嵌装されて、エンドキャップ15のフラ
ンジ部23に係止され、上記ジョイントブラケット25
が、油圧緩衝器10の組付時に作動油注入用に形成され
たシリンダ12の注入穴50とジョイントブラケット2
5の注入路51に廻り止めボルト52を螺装することに
てシリンダ12に回転不能に結合されたので、ジョイン
トブラケット25のシリンダ12への結合構造が大型化
せず、その構造を簡素化できる。また、リザーバタンク
24及びジョイントブラケット25を、アルミニウム或
いはアルミニウム合金にて一体に鋳造成形し、シリンダ
12を例えば、コストの安い鋼管にて成形できる。これ
らのことから、油圧緩衝器10の全体としてのコストを
低減できる。
【0029】また、ジョイントブラケット25に、懸架
スプリング11用のロアばね受け部37が一体成形され
て、このジョイントブラケット25がばね受けを兼用
し、エンドキャップ15のフランジ部23が懸架スプリ
ング11のばね荷重を確実に支持することから、ロアば
ね受け37をジョイントブラケット25とは別体に設置
する必要がない。この点からも、部品点数が減少して、
油圧緩衝器10のコストを低減できる。
スプリング11用のロアばね受け部37が一体成形され
て、このジョイントブラケット25がばね受けを兼用
し、エンドキャップ15のフランジ部23が懸架スプリ
ング11のばね荷重を確実に支持することから、ロアば
ね受け37をジョイントブラケット25とは別体に設置
する必要がない。この点からも、部品点数が減少して、
油圧緩衝器10のコストを低減できる。
【0030】図4は、本発明に係る車両用油圧緩衝器の
第2の実施の形態を断面状態で示す側断面図である。こ
の第2実施例において、前記第1実施例と同様な部分
は、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
第2の実施の形態を断面状態で示す側断面図である。こ
の第2実施例において、前記第1実施例と同様な部分
は、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0031】この実施の形態の油圧緩衝器39では、ジ
ョイントブラケット40がリザーバタンク41と別体に
形成され、両者が可撓性ホース42にて連結されてい
る。可撓性ホース42の両端部は、ジョイントブラケッ
ト40の取付穴43、リザーバタンク41の取付穴44
にそれぞれ嵌合される。従って、リザーバタンク41の
油室33は、取付穴43、可撓性ホース42、取付穴4
4、環状溝35及びシリンダ12の開口穴36を経て、
シリンダ12の上室17Bに連通される。
ョイントブラケット40がリザーバタンク41と別体に
形成され、両者が可撓性ホース42にて連結されてい
る。可撓性ホース42の両端部は、ジョイントブラケッ
ト40の取付穴43、リザーバタンク41の取付穴44
にそれぞれ嵌合される。従って、リザーバタンク41の
油室33は、取付穴43、可撓性ホース42、取付穴4
4、環状溝35及びシリンダ12の開口穴36を経て、
シリンダ12の上室17Bに連通される。
【0032】このジョイントブラケット40も、シリン
ダ12に回転可能に嵌装されてエンドキャップ15のフ
ランジ部23に係止され、組付時の作動油注入用の注入
穴50及び注入路51に廻り止めボルト52が螺装する
ことにてシリンダ12に回転不能に結合され、更に、ジ
ョイントブラケット40にロアばね受け部37が一体成
形されたことから、前記第1の実施の形態と同様な効果
を奏する。特に、この第2の実施の形態では、リザーバ
タンク41がジョイントブラケット40と別体とされた
ので、リザーバタンク41の取付自由度を高めることが
できる。
ダ12に回転可能に嵌装されてエンドキャップ15のフ
ランジ部23に係止され、組付時の作動油注入用の注入
穴50及び注入路51に廻り止めボルト52が螺装する
ことにてシリンダ12に回転不能に結合され、更に、ジ
ョイントブラケット40にロアばね受け部37が一体成
形されたことから、前記第1の実施の形態と同様な効果
を奏する。特に、この第2の実施の形態では、リザーバ
タンク41がジョイントブラケット40と別体とされた
ので、リザーバタンク41の取付自由度を高めることが
できる。
【0033】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る車両用油圧
緩衝器によれば、リザーバタンク用のジョイントブラケ
ットの構造を簡素化してコストを低減できる。
緩衝器によれば、リザーバタンク用のジョイントブラケ
ットの構造を簡素化してコストを低減できる。
【図1】図1は、本発明に係る車両用油圧緩衝器の第1
の実施の形態を一部断面状態で示す側断面図である。
の実施の形態を一部断面状態で示す側断面図である。
【図2】図2は、図1の一部を拡大して示す断面図であ
る。
る。
【図3】図3は、図2のIII-III 線に沿う断面図であ
る。
る。
【図4】図4は、本発明に係る車両用油圧緩衝器の第2
の実施の形態を断面状態で示す側断面図である。
の実施の形態を断面状態で示す側断面図である。
10 油圧緩衝器
11 懸架スプリング
12 シリンダ
13 ピストン
15 エンドキャップ
23 エンドキャップのフランジ部
24 リザーバタンク
25 ジョイントブラケット
33 リザーバタンクの油室
34 連通路
36 開口穴
37 ロアばね受け部
39 油圧緩衝器
40 ジョイントブラケット
41 リザーバタンク
42 可撓性ホース
50 注入穴
51 注入路
52 廻り止めボルト
Claims (4)
- 【請求項1】 作動油を充填したシリンダの内部にピス
トンが摺動自在に嵌装され、上記シリンダの一端部がエ
ンドキャップにて閉塞され、上記シリンダに連通してリ
ザーバタンクが設置された車両用油圧緩衝器であって、 上記エンドキャップには、上記シリンダの外周よりも外
側へ延出されたフランジ部が一体成形され、又、上記シ
リンダには開口穴及び注入穴が形成され、 この開口穴と上記リザーバタンクとを連通する連通路を
備えたジョイントブラケットが、上記シリンダの外周に
回転可能に嵌装されて上記エンドキャップの上記フラン
ジに係止され、 上記ジョイントブラケットには、上記注入穴に連通して
組付時に作動油を注入可能とする注入路が形成され、 上記ジョイントブラケットは、上記注入路及び上記注入
穴に廻り止め部材を挿入することにて上記シリンダに回
転不能に結合されたことを特徴とする車両用油圧緩衝
器。 - 【請求項2】 上記ジョイントブラケットはリザーバタ
ンクと一体成形され、このジョイントブラケットの連通
路が上記リザーバタンクの油室に連通された請求項1に
記載の車両用油圧緩衝器。 - 【請求項3】 上記ジョイントブラケットは可撓性ホー
スを介してリザーバタンクに連結され、このジョイント
ブラケットの連通路が上記可撓性ホースを介して上記リ
ザーバタンクの油室に連通された請求項1に記載の車両
用油圧緩衝器。 - 【請求項4】 上記ジョイントブラケットには、シリン
ダの外周に配置される懸架スプリングを支持するばね受
け部が一体成形された請求項1、2又は3に記載の車両
用油圧緩衝器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27377195A JP3478314B2 (ja) | 1995-09-28 | 1995-09-28 | 車両用油圧緩衝器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27377195A JP3478314B2 (ja) | 1995-09-28 | 1995-09-28 | 車両用油圧緩衝器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0989030A JPH0989030A (ja) | 1997-03-31 |
JP3478314B2 true JP3478314B2 (ja) | 2003-12-15 |
Family
ID=17532360
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27377195A Expired - Fee Related JP3478314B2 (ja) | 1995-09-28 | 1995-09-28 | 車両用油圧緩衝器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3478314B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010230099A (ja) * | 2009-03-27 | 2010-10-14 | Hitachi Automotive Systems Ltd | シリンダ装置 |
JP2021017900A (ja) * | 2019-07-17 | 2021-02-15 | Kybモーターサイクルサスペンション株式会社 | 緩衝器 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60103736U (ja) * | 1983-12-21 | 1985-07-15 | 株式会社昭和製作所 | 油圧発生装置 |
JPH059546Y2 (ja) * | 1987-10-27 | 1993-03-09 |
-
1995
- 1995-09-28 JP JP27377195A patent/JP3478314B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0989030A (ja) | 1997-03-31 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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