JPH08184341A - 車両用油圧緩衝器 - Google Patents

車両用油圧緩衝器

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JPH08184341A
JPH08184341A JP34048094A JP34048094A JPH08184341A JP H08184341 A JPH08184341 A JP H08184341A JP 34048094 A JP34048094 A JP 34048094A JP 34048094 A JP34048094 A JP 34048094A JP H08184341 A JPH08184341 A JP H08184341A
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JP
Japan
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cylinder
piston rod
piston
reinforcing tube
outer peripheral
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JP34048094A
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English (en)
Inventor
Toshiaki Shibata
俊明 柴田
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SHOWA AUTO ENG
Showa Corp
Original Assignee
SHOWA AUTO ENG
Showa Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 シリンダ長さを適正化できるとともに、ピス
トンに備えられた減衰バルブの減衰特性の選択の幅を十
分に確保できるようにすること。 【構成】 シングルチューブからなるシリンダ12内に
作動油が充填されるとともに、伸側減衰バルブ20を備
えたピストン14が摺動自在に配設され、ピストンにピ
ストンロッド15の一端が結合され、このピストンロッ
ドの他端側がシリンダから延出して構成された車両用油
圧緩衝器10において、ピストンロッドの他端にシリン
ダの外周面を摺動可能な補強チューブ58が結合され、
この補強チューブの外周部にロアばね受け61が固着さ
れるとともに、シリンダにおいてピストンが延出されて
いない側の端部にアッパばね受け62が固着され、これ
らのばね受け間に懸架ばね11が介装可能に設けられ、
ピストンロッドは中空形状に形成されるとともに、シリ
ンダへ進退するピストンロッドの容積変化分の作動油を
補償する気体室35が補強チューブの外周部に設置さ
れ、この気体室がピストンロッド中空部26等を経てシ
リンダ12の上室16Aに連通されたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動四輪車或いは自動
二輪車に使用される車両用油圧緩衝器に係り、特に、シ
ングルチューブ形式のシリンダを用いた車両用油圧緩衝
器に関する。
【0002】
【従来の技術】自動四輪車或いは自動二輪車に使用され
る車両用油圧緩衝器は、シリンダ内に作動油が充填され
るとともに、ピストンが摺動自在に配設され、このピス
トンに減衰力を発生する減衰バルブが設置されている。
ピストンには、ピストンロッドの一端が結合され、この
ピストンロッドの他端側がシリンダ外部へ延出されてい
る。このピストンロッドと上記シリンダとの間に懸架ば
ねが介装されて、油圧緩衝器は車体側と車軸側に配設さ
れる。
【0003】懸架ばねにより路面からの衝撃が吸収さ
れ、上記減衰バルブにより車体の振動が制振される。ま
た、油圧緩衝器が車体側と車軸側との間に配置されるの
で、ピストンロッドは強度部材として機能する。
【0004】一般に自動四輪車には、シリンダがインナ
チューブとアウタチューブとからなるダブルチューブ形
式が多く採用され、自動二輪車には、シリンダが一本の
チューブからなるシングルチューブ形式が多く採用され
る。
【0005】また、シリンダには、シリンダへのピスト
ンロッドの進入、退出に伴う容積変化分の作動油を補償
する気体室が設けられる必要がある。ダブルチューブ形
式のシリンダの場合には、一般に、インナチューブとア
ウタチューブとの間に上記気体室が形成される。また、
シングルチューブ形式のシリンダの場合には、シリンダ
内部に隔壁(例えばフリーピストン)で区画して気体室
を形成したものが多い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記ダブル
チューブ形式のシリンダを用いた車両用油圧緩衝器にあ
っては、ピストンロッドが強度部材となることから、こ
のピストンロッドのロッド径を大径化したいが、シリン
ダのチューブが2本あり、シリンダの外側に懸架ばねが
配設されているため、この懸架ばねとの位置関係から、
シリンダのインナチューブの直径に制限がある。このた
め、ピストンロッドを大径化すると、インナチューブ内
のピストンに装備される減衰バルブの減衰特性につい
て、その選択の幅を十分に確保できない虞れがある。
【0007】また、シングルチューブ形式のシリンダを
用いた場合には、シリンダのチューブが一本であるた
め、ピストンロッドを大径化しても、ピストンに設置さ
れた減衰バルブの減衰特性について、その選択の幅を十
分に確保できるが、一本のシリンダチューブ内に気体室
が区画して形成されるため、シリンダの全長が過大とな
ってしまう。
【0008】本発明は上述の事情を考慮してなされたも
のであり、シリンダ長さを適正化できるとともに、ピス
トンに備えられた減衰バルブの減衰特性の選択の幅を十
分に確保できる車両用油圧緩衝器を提供することを目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、シングルチューブからなるシリンダ内に作動油が充
填されるとともに、減衰バルブを備えたピストンが摺動
自在に配設され、上記ピストンにピストンロッドの一端
が結合され、このピストンロッドの他端側が上記シリン
ダから延出して構成された車両用油圧緩衝器において、
上記ピストンロッドの上記他端に、上記シリンダの外周
面を摺動可能な補強チューブが結合され、この補強チュ
ーブの外周部に第1ばね受けが固着されるとともに、上
記シリンダにおいて上記ピストンが延出されていない側
の端部に第2ばね受けが固着され、これらの第1及び第
2ばね受け間に懸架ばね受けが介装可能に設けられ、一
方、上記ピストンロッドは中空形状に形成されるととも
に、上記シリンダ内へ進退するピストンロッドの容積変
化分の作動油を補償する気体室が上記補強チューブの外
周部に設置され、この気体室が上記ピストンロッドの中
空部を経て上記シリンダ内に連通するようにしたもので
ある。。
【0010】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の補強チューブの内周面に、シリンダの外周面への摺動
を案内するガイド部材が装着され、第1ばね受けは、上
記補強チューブの外周部において上記ガイド部材近傍に
固着されたものである。
【0011】請求項3に記載の発明は、請求項1又は2
のシリンダが車体側に、補強チューブが車軸側にそれぞ
れ配設され、この補強チューブに上記車軸を支持する車
軸ブラケットが設置されたものである。
【0012】
【作用】請求項1に記載の発明には、下記〜の作用
がある。 シリンダ外周面に摺動自在に結合された補強チューブ
がピストンロッドの他端に結合されたので、この補強チ
ューブがピストンロッドとともに強度部材となり、これ
らの補強チューブ及びピストンロッドが、車体と車軸間
の荷重を支持する。このため、ピストンロッドの負担を
軽減できるので、このピストンロッドを大径化する必要
がなく、従って、シリンダ及びピストンを大径化しなく
ても、ピストンに装備された減衰バルブの減衰特性の選
択の幅を十分に確保できる。
【0013】また、気体室が補強チューブの外周部に
設置され、この気体室とシリンダとがピストンロッドの
中空部を介して連通されたので、シリンダ内に気体室が
形成されない構造となる。このため、シリンダの全長を
過大とすることなく、十分な気体室容積を確保できる。
【0014】更に、第1ばね受けが補強チューブに固
着され、シリンダの端部に第2ばね受けが固着され、こ
の結果、シリンダの外周面にばね受けが固着されないこ
とから、ピストンが摺動するシリンダにばね受けの固
着、例えば溶接による固着に伴う歪み等が発生しない。
このため、ピストンに装備された減衰バルブの減衰特性
を良好に維持できる。
【0015】また、第1ばね受けが補強チューブに、
第2ばね受けがシリンダの端部にそれぞれ固着され、シ
リンダの外周面にばね受けが固着されないので、ピスト
ンに装備された減衰バルブの減衰性能を確保するために
シリンダを厚肉化し、軽量化のためにアルミニウム合金
にてシリンダを製作し、このシリンダ外周にばね受けを
螺着させる構造としなくても良い。この結果、シリンダ
を薄肉化でき、しかも低コストの鉄材を使用できるの
で、シリンダのコストを低減できる。
【0016】請求項2に記載の発明には、下記の作用
がある。 第1ばね受けが補強チューブの外周部において、この
補強チューブをシリンダの外周面に案内させるガイド部
材の近傍に固着されたので、第1ばね受けに作用する懸
架ばねのばね荷重を、補強チューブのみならず、ガイド
部材を介してシリンダにても支持できる。このため、上
記ばね荷重を堅固に支持できる。
【0017】請求項3に記載の発明には、下記の作用
がある。 シリンダが車体側に、補強チューブが車軸側に配設さ
れ、この補強チューブに車軸ブラケット及び気体室が設
置されたことから、車軸ブラケット及び気体室の配設に
よっても、油圧緩衝器のストロークを十分に確保でき
る。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を、図面に基づいて説
明する。図1は、本発明に係る車両用油圧緩衝器の一実
施例を示す側断面図である。図2は、図1のシリンダ下
部を示す拡大断面図である。図3は、図1の補強チュー
ブ下部を示す拡大断面図である。図4は、図1のIV矢視
図である。図5は、図4の V矢視図である。
【0019】図1に示すように、自動四輪車に使用され
る油圧緩衝器10は、懸架ばね11と一体化されてクッ
ションユニットを構成し、このクッションユニットが車
体側と車軸側に配置される。懸架ばね11が路面からの
衝撃を吸収し、油圧緩衝器10がクッションユニットの
振動を抑制して車体を制振させる。図1はこの油圧緩衝
器10の最伸長状態を示す。
【0020】油圧緩衝器10は、シングルチューブから
なるシリンダ12内に作動油が充填されるとともに、ピ
ストン14が摺動自在に配設され、このピストン14に
ピストンロッド15の一端が結合して構成される。シリ
ンダ12の一端をスタッド23が、他端をロッドガイド
24がそれぞれ液密に閉塞可能とする。また、ピストン
ロッド15の他端側は、ロッドガイド24を貫通してシ
リンダ12の外部へ延出される。更に、上記ピストン1
4にてシリンダ12内が、上室16Aと下室16Bとに
区画される。ピストンロッド15は、この下室16B内
へ進入或いは退出可能とされる。
【0021】ピストンロッド15の一端部に、図2にも
示すようにロッドエンド17が螺着され、このロッドエ
ンド17がピストン14の中央位置に貫通される。ロッ
ドエンド17は油圧緩衝器10の最伸長状態において、
ロッドガイド24に嵌装されたリバウンドラバー13に
当接し、油圧緩衝器10の最大ストロークが規制され
る。
【0022】上記ピストン14には、ロッドエンド17
の周囲に、伸側オイル流路18と縮側オイル流路19と
が交互に貫通して穿設される。ピストン14の一側面に
伸側オイル流路18を閉止可能とする伸側減衰バルブ2
0が配設され、ピストン14の他側面に、縮側オイル流
路19を閉止可能とするチェックバルブ21が配設され
る。ピストン14並びに伸側減衰バルブ20及びチェッ
クバルブ21は、ナット22によりロッドエンド17に
挟持されて一体化される。
【0023】油圧緩衝器10の圧縮過程では、矢印Aに
示すように、上室16A内の作動油が縮側オイル流路1
9を経てチェックバルブ21を開弁し、下室16B内へ
流入する。
【0024】また、油圧緩衝器10の伸長過程では、矢
印Bに示すように、下室16B内の作動油が伸側オイル
流路18を通過し、伸側減衰バルブ20を撓み変形させ
て、上室16A内へ流入する。作動油がこの伸側減衰バ
ルブ20を撓み変形させるときに、伸長過程におけるピ
ストン14の中高速時の減衰力が発生する。
【0025】上記ピストンロッド15及びロッドエンド
17は中空形状に形成され、ロッドエンド17のロッド
エンド中空部25とピストンロッド15のピストンロッ
ド中空部26が、連通孔27を介して連通される。連通
孔27は、ピストンロッド15のロッドエンド17側端
部に形成され、中央部の挿通孔28の周囲に複数個穿設
される。
【0026】挿通孔28も、ロッドエンド中空部25と
ピストンロッド中空部26とを連通可能とするととも
に、ピストンロッド15に穿設されたオリフィス29を
介して、シリンダ12の下室16Bに連通される。この
挿通孔28に、調整ロッド30の先端に一体化された伸
側ニードル弁31が挿通される。調整ロッド30の基端
部は図3に示すように、ピストンロッド15の他端部に
螺合されるとともに、伸側調整スライダ32に嵌合さ
れ、この伸側調整スライダ32が伸側調整ダイヤル33
に回転一体に取り付けられる。従って、伸側調整ダイヤ
ル33を回転させ、伸側調整スライダ32を介して調整
ロッド30を軸方向に移動させることにより、伸側ニー
ドル弁31を挿通孔28内で軸方向に移動させて開度を
調整し、下室16B内の作動油をバイパス孔29を経
て、挿通孔28及びロッドエンド中空部25から上室1
6A内へ流す。この伸側ニードル弁31による開度変化
により、主に伸長過程におけるピストン14の低速時の
減衰力が調整される。
【0027】図1に示すように、シリンダ12の上室1
6Aは、上述のロッドエンド中空部25、連通孔27及
びピストンロッド中空部26を経て気体室35に連通さ
れる。この気体室35は、油圧緩衝器10の圧縮或いは
伸長過程で、下室16B内へ進入或いは退出するピスト
ンロッド15の容積変化分の作動油を補償する機能を有
する。この気体室35は、気体室ハウジング36内にゴ
ム製の隔壁37を備え、気体室閉塞部材38にて開口を
閉塞して構成される。
【0028】図3に示すように、気体室ハウジング36
内は、上記隔壁37にて空気が充填されたガス室39
と、作動油が充填された油室40とに区画される。この
油室40は気体室ハウジング36に形成されたオイル流
路41と、ピストンロッド15に開設された連通開口4
2とを経て、ピストンロッド中空部26に連通される。
尚、気体室閉塞部材38には、ガス室39へ空気を供給
するためのエアバルブ43が設置される。
【0029】気体室ハウジング36のオイル流路41に
は、ボトムピース44に支持されたボトムピストン45
が配設され、このボトムピース44はボトム閉塞部材4
6を介して気体室ハウジング36に支持される。ボトム
ピストン45には、伸側流路47と縮側メイン流路48
とが周方向に交互に貫通して穿設される。ボトムピスト
ン45の一側面に縮側メイン流路48を閉止可能とする
縮側減衰バルブ49が配設され、ボトムピストン45の
他側面に、伸側流路47を閉止可能とするチェックバル
ブ50が配設される。ボトムピストン45並びに伸側減
衰バルブ49及びチェックバルブ50は、ナット51を
用いてボトムピース44に一体化される。
【0030】油圧緩衝器10の圧縮過程で、シリンダ1
2の下室16B内へ進入するピストンロッド15の容積
増加分の作動油がシリンダ12の上室16Aから、ロッ
ドエンド中空部25、連通孔27、ピストンロッド中空
部26及び連通開口42を経て気体室ハウジング36の
オイル流路41へ至り、矢印C(図3)に示すように、
縮側メイン流路48を通過して縮側減衰バルブ49を撓
み変形させ、気体室35の油室40へ至る。作動油が縮
側減衰バルブ49を撓み変形させるときに、圧縮過程に
おけるピストン14の中高速時の減衰力が発生する。
【0031】また、油圧緩衝器10の伸長過程で、シリ
ンダ12の下室16Bからピストンロッド15が退出す
ることにより生ずるシリンダ12の上室16A内の負圧
を解消するために、気体室35の油室40内の作動油
が、矢印D(図3)に示すように伸側流路47を経てチ
ェックバルブ50を開弁させ、オイル流路41、連通開
口42、ピストンロッド中空部26、連通孔27及びロ
ッドエンド中空部25を経て上室16A内へ流入する。
【0032】また、前記ボトムピース44には、縮側第
1サブ流路52と縮側第2サブ流路53とが穿設され、
これらのサブ流路52及び53間に縮側ニードル弁54
が配設される。この縮側ニードル弁54は、縮側調整部
材55に回転一体に嵌合され、この縮側調整部材55の
調整により、縮側ニードル弁54が縮側第1サブ流路5
2の流路面積を変化させる。この縮側第1サブ流路52
の流路面積の変化により、油圧緩衝器10の圧縮過程
で、シリンダ12の上室16A内からロッドエンド中空
部25、連通孔27及びピストンロッド中空部26等を
通り、縮側第1サブ流路52及び縮側第2サブ流路53
を通って気体室35の油室40へ至る作動油の低速時の
流れが調整され、この圧縮過程におけるピストン14の
低速時の減衰力が調整される。
【0033】上述のように、図1に示す油圧緩衝器10
においては、圧縮過程で、シリンダ12の上室16A内
の作動油がピストン14のチェックバルブ21を開弁し
てシリンダ12の下室16B内へ流入し、この下室16
Bの負圧が解消される。と同時に、下室16B内へ進入
するピストンロッド15の容積増加分の作動油が上室1
6Aからロッドエンド中空部25、連通孔27及びピス
トンロッド中空部26等を経て気体室ハウジング36の
オイル流路41へ至る。このオイル流路41へ至った作
動油は、油圧緩衝器10の圧縮過程でピストン14の低
速時に、縮側第1サブ流路52及び縮側第2サブ流路5
3を経て気体室35の油室40へ至り、縮側ニードル弁
54にて調整された圧縮過程ピストン低速時の減衰力を
発生し、ピストン14の中高速時には、ボトムピストン
45の縮側減衰バルブ49を撓み変形させて気体室35
の油室40へ至り、縮側減衰バルブ49にて圧縮過程ピ
ストン中高速時の減衰力を発生する。
【0034】また、油圧緩衝器10の伸長過程では、ピ
ストン14の低速時に、シリンダ12の下室16B内の
作動油がバイパス孔29を通り、伸側ニードル弁31を
経てロッドエンド中空部25からシリンダ12の上室1
6Aへ向かって流れ、この伸側ニードル弁31にて、伸
長過程ピストン低速時の減衰力が発生する。油圧緩衝器
10の伸長過程において、ピストン14の中高速時に
は、下室16B内の作動油が、ピストン14の伸側オイ
ル流路18を通り伸側減衰バルブ20を撓み変形させて
上室16A内へ流れ、この伸側減衰バルブ20にて、伸
長過程ピストン中高速時の減衰力が発生する。
【0035】更に、この油圧緩衝器10の伸長過程で
は、シリンダ12の下室16Bから退出するピストンロ
ッド15の容積減少分の作動油が、気体室35の油室4
0から、ボトムピストン45の伸側流路47を通りチェ
ックバルブ50を開弁して、オイル流路41から連通開
口42を経てピストンロッド中空部26へ流れ、このピ
ストンロッド中空部26から連通孔27及びロッドエン
ド中空部25を経てシリンダ12の上室16A内へ流れ
て、この上室16Aの負圧が解消される。
【0036】さて、図1に示す油圧緩衝器10には、ピ
ストンロッド15の他端部にエンド部材56がナット5
7にて結合され、このエンド部材56の外周に補強チュ
ーブ58が固着される。この補強チューブ58は円筒形
状であり、一端側の内周面に、所定距離を隔ててガイド
部材としてのアッパガイドブッシュ59及びロアガイド
ブッシュ60が固着される。これらアッパガイドブッシ
ュ59及びロアガイドブッシュ60を介して補強チュー
ブ58は、シリンダ12の外周面に摺動自在に支持され
る。この補強チューブ58は、ピストンロッド15とと
もに、車体側と車軸側間の荷重を支持する強度部材とし
て機能する。
【0037】また、補強チューブ58の他端側の外周部
には、図4及び図5にも示すように、車軸を支持する支
軸ブラケット63が溶接により固着される。油圧緩衝器
10は、補強チューブ58に固着された車軸ブラケット
63を介して車軸を支持し、スタッド23を介して車体
に支持される。符合64は、車軸ブラケット63に固着
されたホースブラケット64であり、ブレーキホース
(図示せず)などを支持する。
【0038】図1及び図2に示す補強チューブ58の一
端側の外周部には、ロアガイドブッシュ60の近傍に、
第1ばね受けとしてのロアばね受け61が溶着される。
また、第2ばね受けとしてのアッパばね受け62は、シ
リンダ12のスタッド23に固着される。これらのロア
ばね受け61とアッパばね受け62との間に、前記懸架
ばね11が介装される。従って、この懸架ばね11から
のばね荷重はシリンダ12のスタッド23に支持される
とともに、そのばね荷重の側方向分力が、補強チューブ
58及びロアガイドブッシュ60を介してシリンダ12
に支持される。尚、上記ばね荷重の鉛直方向分力は、エ
ンド部材56を介してピストンロッド15に支持され
る。
【0039】また、図3及び図5に示すように、補強チ
ューブ58の他端側に、車軸ブラケット63を介して気
体室35が取り付けられる。つまり、車軸ブラケット6
3に気体室取付ブラケット65が固着され、この気体室
取付ブラケット65に気体室35の気体室ハウジング3
6がボルト66にて結合される。尚、エンド部材56に
は、補強チューブ58の内外を連通する空気流動孔67
が貫通して形成されるる。油圧緩衝器10の伸縮時に、
この空気流動孔67から補強チューブ58の内外へ空気
が流動して、油圧緩衝器10の伸縮が適正化される。
【0040】上記実施例によれば、次の〜の効果を
奏する。 シリンダ12の外周面に摺動自在に結合された補強チ
ューブ58がピストンロッド15の他端にエンド部材5
6を介して結合されたので、この補強チューブ58がピ
ストンロッド15とともに強度部材となり、これらの補
強チューブ58及びピストンロッド15が、車体と車軸
間の荷重を支持する。このため、ピストンロッド15の
負担を軽減できるので、このピストンロッド15を大径
化する必要がなく従って、シリンダ12及びピストン1
4を大径化しなくても、ピストン14に装備された減衰
バルブ20の減衰特性の選択の幅を十分に確保できる。
【0041】また、気体室35が補強チューブ58の
外周部に車軸ブラケット63及び気体室取付ブラケット
65を介して設置され、この気体室35とシリンダ12
の上室16Aとがロッドエンド中空部25、連通孔2
7、ピストンロッド中空部26、連通開口42及びオイ
ル流路41を介して連通されたので、シリンダ12内に
気体室35が形成されない構造となる。このため、シリ
ンダ12の全長を過大とすることなく、十分な気体室容
積を確保できる。
【0042】更に、ロアばね受け61が補強チューブ
58に固着され、シリンダ12の端部のスタッド23に
アッパばね受け62が固着されたことから、シリンダ1
2の外周面にアッパばね受け62、ロアばね受け61が
固着されない構造となる。このため、ピストン14が摺
動するシリンダ12に、ばね受け61及び62の溶接に
伴う歪などが発生しない。この結果、ピストン14に装
備された伸側減衰バルブ20の減衰性能を良好に維持で
きる。
【0043】また、ロアばね受け61が補強チューブ
58に、アッパばね受け62がシリンダ12のスタッド
23にそれぞれ固着され、シリンダ12の外周面にばね
受け61、62が固着されないので、ピストン14に装
備された伸側減衰バルブ20の減衰性能を確保するため
にシリンダ12を厚肉化し、更にこのシリンダ12を軽
量化のためにアルミニウム合金にて製作し、このシリン
ダ12の外周部にばね受け61を螺着させる構造としな
くても良い。この結果、シリンダ12を薄肉化でき、し
かも低コストの鉄材を使用できるので、シリンダ12の
コストを低減できる。
【0044】ロアばね受け61が、補強チューブ58
の外周部において、この補強チューブ58をシリンダ1
2の外周面に案内させるロアガイドブッシュ60の近傍
に固着されたので、ロアばね受け61に作用する懸架ば
ね11のばね荷重の側方向分力を、補強チューブ58の
みならず、ロアガイドブッシュ60を介してシリンダ1
2にても支持できる。このため、上記ばね荷重を堅固に
支持できる。
【0045】更に、シリンダ12がスタッド23を介
して車体側に、補強チューブ58が車軸ブラケット63
を介して車軸側にそれぞれ配設され、この補強チューブ
58に車軸ブラケット63及び気体室35が設置された
ことから、車軸ブラケット63及び気体室35の配設に
よっても、油圧緩衝器10のストロークを十分に確保で
きる。
【0046】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る車両用油圧
緩衝器よれば、シリンダ長さを適正化できるとともに、
ピストンに備えられた減衰バルブの減衰特性の選択の幅
を十分に確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る車両用油圧緩衝器の一実
施例を示す側断面図である。
【図2】図2は、図1のシリンダ下部を示す拡大断面図
である。
【図3】図3は、図1の補強チューブ下部を示す拡大断
面図である。
【図4】図4は、図1のIV矢視図である。
【図5】図5は、図4のV 矢視図である。
【符号の説明】
10 油圧緩衝器 11 懸架ばね 12 シリンダ 14 ピストン 15 ピストンロッド 16A 上室 16B 下室 17 ロッドエンド 18 伸側オイル流路 25 ロッドエンド中空部 26 ピストンロッド中空部 27 連通孔 35 気体室 40 油室 41 オイル流路 42 連通開口 56 エンド部材 58 補強チューブ 60 ロアガイドブッシュ 61 ロアばね受け 62 アッパばね受け 63 車軸ブラケット 65 気体室取付ブラケット

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シングルチューブからなるシリンダ内に
    作動油が充填されるとともに、減衰バルブを備えたピス
    トンが摺動自在に配設され、上記ピストンにピストンロ
    ッドの一端が結合され、このピストンロッドの他端側が
    上記シリンダから延出して構成された車両用油圧緩衝器
    において、 上記ピストンロッドの上記他端に、上記シリンダの外周
    面を摺動可能な補強チューブが結合され、 この補強チューブの外周部に第1ばね受けが固着される
    とともに、上記シリンダにおいて上記ピストンが延出さ
    れていない側の端部に第2ばね受けが固着され、これら
    の第1及び第2ばね受け間に懸架ばねが介装可能に設け
    られ、 一方、上記ピストンロッドは中空形状に形成されるとと
    もに、上記シリンダ内へ進退するピストンロッドの容積
    変化分の作動油を補償する気体室が上記補強チューブの
    外周部に設置され、この気体室が上記ピストンロッドの
    中空部を経て上記シリンダ内に連通されたことを特徴と
    する車両用油圧緩衝器。
  2. 【請求項2】 補強チューブの内周面には、シリンダの
    外周面への摺動を案内するガイド部材が装着され、第1
    ばね受けは、上記補強チューブの外周部において上記ガ
    イド部材近傍に固着された請求項1に記載の車両用油圧
    緩衝器。
  3. 【請求項3】 シリンダが車体側に、補強チューブが車
    軸側にそれぞれ配設され、この補強チューブに上記車軸
    を支持する車軸ブラケットが設置された請求項1又は2
    に記載の車両用油圧緩衝器。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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