JP2003081107A - ステアリングダンパ - Google Patents

ステアリングダンパ

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JP2003081107A
JP2003081107A JP2001273762A JP2001273762A JP2003081107A JP 2003081107 A JP2003081107 A JP 2003081107A JP 2001273762 A JP2001273762 A JP 2001273762A JP 2001273762 A JP2001273762 A JP 2001273762A JP 2003081107 A JP2003081107 A JP 2003081107A
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steering
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JP2001273762A
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Tatsuya Harada
達也 原田
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Unisia JKC Steering Systems Co Ltd
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Unisia JKC Steering Systems Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ステアリングダンパ101を備えたパワーステ
アリング装置の低温時の性能向上を図る。 【解決手段】ポンプおよびタンクとパワーシリンダP/
Cの左右室との間を舵取り操作に応じて選択的に切換え
接続する流路切換弁CVと、流路切換弁CVをパワーシ
リンダP/Cの左右室に接続する一対のシリンダ通路を
備えたパワーステアリング装置のステアリングダンパ1
01である。各シリンダ通路の途中に設けられてパワー
シリンダP/Cから流路切換弁CVへの流入を制限する
可変絞り弁110と、可変絞り弁110と並列に接続さ
れ流路切換弁CVからパワーシリンダP/Cへの流入を
許容するチェック弁116とを備えている。前記可変絞
り弁110の弁体112を付勢するスプリング114
が、低温時に荷重が低下する形状記憶合金からなってい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、舵取りハンドルの
舵取り操作に伴い流路切換弁を切換え制御することによ
り、パワーシリンダを作動させてパワーアシスト力(操
舵補助力)を得るパワーステアリング装置において、キ
ックバック等のように操舵輪側から逆入力があったとき
の衝撃を減衰、緩和させるために用いるステアリングダ
ンパに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に油圧式のパワーステアリング装置
では、舵取りハンドルの舵取り操作に伴ってポンプとタ
ンクとをパワーシリンダの左右室に選択的に接続する流
路切換弁を備えている。この流路切換弁により、舵取り
操作に応じてパワーシリンダのいずれか一方の室に圧油
を給送して、操舵輪を転舵させるためのパワーアシスト
力を付与している。
【0003】このようなパワーステアリング装置を搭載
した自動車において、パワーステアリング装置にステア
リングダンパを付設したものがすでに知られている。こ
のステアリングダンパは、自動車の走行時において、例
えば走行路面の凹凸や障害物等に起因して操舵輪側から
作用する逆入力(いわゆるキックバック)による衝撃を
減衰、緩和し、舵取りハンドルにその衝撃が伝わらない
ようにするためのものである。
【0004】従来のステアリングダンパは、一般に、パ
ワーステアリング装置における流路切換弁とパワーシリ
ンダの左右室との間の左右のシリンダ通路に、前述した
キックバック等の逆入力が作用したときに、ピストンの
動きに伴ってパワーシリンダの戻り側の室から排出され
る圧油の流れに抵抗を与えるための絞りまたは可変絞り
を設けている。しかし、このような絞りまたは可変絞り
は、舵取りハンドルの舵取り操作に伴う正入力時におい
て、ポンプからパワーシリンダの一方の室への供給側の
圧油の流れ、さらに、パワーシリンダの他方の室からタ
ンクへの戻り側の流れに対しても流路抵抗になるため、
パワーシリンダの作動にあたっての応答性を低下させて
しまうという問題がある。
【0005】このため、左右のシリンダ通路において、
前述の絞りを可変絞り弁で構成するとともに、これらの
可変絞り弁と並列にそれぞれチェック弁を設け、舵取り
操作による正入力時に、対応するシリンダ通路のチェッ
ク弁を開くことにより、流路切換弁を介してポンプから
シリンダ室への圧油の給送を充分に行えるようにしたも
のが、すでに提案されている(実公平2−49109号
公報)。
【0006】前記公報には、「ステアリングダンパ本体
(パワーシリンダ)と切換バルブとを連結する回路中
に、切換バルブ側からステアリングダンパ本体の油室側
へのみ油の流れを許容するチェック弁および、初期荷重
を有し、油室側から切換バルブ側へのみ油の流れを許容
する絞りチェック弁」を備えたステアリングダンパが記
載されている。
【0007】前記従来のパワーステアリング装置に設け
られたステアリングダンパは、パワーシリンダ側からの
小流量の流れに対しては、可変絞り弁が開かないため、
流路切換弁側へ戻すための流路がないので、舵取りハン
ドルの戻り、特に中立位置付近での戻りが悪いという問
題があった。また、パワーシリンダからの小流量の流体
を戻すための流路を設けておくと、舵取り操作に応じて
流路切換弁から給送される流体が前記チェック弁を開く
前に流出するため、プリセット力を与えることができ
ず、高速走行時の直進安定性(手応え感)が良くないと
いう問題が発生する。
【0008】そこで、本発明の出願人は、キックバック
等のような操舵輪側からの逆入力時における衝撃を減
衰、緩和することができ、しかも、舵取りハンドルの戻
り、特に中立位置付近での戻りを向上させるとともに、
高速時の直進安定性と両立させることができるパワース
テアリング装置のステアリングダンパを提供することを
目的とした発明について出願をした(特願2000−3
22955号)。
【0009】前記出願に係る発明の構成では、チェック
弁の筒状弁体に、スプリングによってプリセット力を与
えるようにしているので、高速直進時の安定性(手応え
感)の向上とシミーの減衰には非常に効果的である。し
かしながら、チューニングによっては、前記スプリング
によるプリセット力を大きくした方が好ましい場合があ
る。このようにプリセット力を大きくした場合には、例
えば急操舵をしたときに、パワーシリンダ内のピストン
がマニュアルで移動しようとするにもかかわらず油が供
給されない状態となり、ピストンの移動により拡大する
側の油圧室側のシリンダ通路に負圧が発生してしまうと
いう問題があった。このような状態になると、ハンドル
が異常に重くなったり、ハンドルの戻りが悪くなるとい
う問題が生ずる。
【0010】そこで、前記課題を解決するために、急操
舵時やハンドルの戻り時に、シリンダ通路での負圧の発
生を防ぎ、ハンドルが急に重くなることやハンドルの戻
りが悪くなることを防止できるように改良したステアリ
ングダンパに係る発明について特許出願をした(特願2
001−159003号)。
【0011】前記出願(特願2001−159003
号)に係る発明の構成について、図3により簡単に説明
する。パワーステアリング装置の左右シリンダ通路の途
中に、ステアリングダンパを構成する左右一対のダンパ
部を設けてあり、図3はそのダンパ部の一方10Aを示
す。
【0012】パワーステアリング装置のバルブハウジン
グ26内に、段付きのバルブ孔34が設けられている。
このバルブ孔34は、その内部に小径部34aおよび大
径部34bが形成されており、この大径部34b側の開
口部34cに、外周にシール部材36が嵌着されたプラ
グ38が挿入され、バルブ孔34の内部が密封されてい
る。
【0013】バルブ孔34の大径部34b内には、可変
絞り弁6の筒状弁体40(以下第1の弁体と呼ぶ)が収
容されている。この第1の弁体40は、先端(図3の左
端)にフランジ40aが形成されており、このフランジ
40aがバルブ孔34の大径部34bと小径部34aと
の間の段部に形成された弁座34dに当接することによ
り、可変絞り弁6が閉弁する。この第1弁体40のフラ
ンジ40aの背面と前記プラグ38の前面との間に、付
勢手段としてのコイルスプリング42が配置され、前記
第1弁体40を前記弁座34d方向に常時付勢してい
る。
【0014】また、前記バルブ孔34の小径部34a内
には、チェック弁8の有底円筒状弁体44(以下第2の
弁体と呼ぶ)が収容されている。この第2の弁体44
は、コイルスプリング(付勢手段)46によって、前記
第1の弁体40方向に付勢されている。第2の弁体44
の先端面44aはテーパ状になっており、この先端面4
4aが前記第1の弁体40のフランジ40a側開口部の
内周面に形成された弁座40bにシートしてチェック弁
8が閉じられる。なお、このチェック弁8の弁体(第2
弁体44)を付勢するスプリング46の付勢力は、前記
可変絞り弁6の弁体(第1弁体40)を付勢するスプリ
ング42の付勢力よりも小さいことはいうまでもない。
【0015】有底円筒状をしている第2の弁体(チェッ
ク弁8の弁体)44の先端部(有底円筒状の弁体の底
部)44bにその軸芯を貫通する連通孔(絞り穴)11
が形成されている。この連通孔11が、パワーシリンダ
P/C側からの流量が少ないときでも、流路切換弁CV
側へ流すリーク通路を構成している。
【0016】また、第2の弁体44の先端部(底部)4
4b寄りの外周面は、小径になっており、この小径部に
内外を貫通する通路穴44cが形成されている。また、
前記バルブ孔34の大径部34b内に収容されている可
変絞り弁6の第1弁体40にも、内外を貫通する通路穴
40cが形成されている。
【0017】従って、流路切換弁CV側から供給される
圧油は、前記バルブ孔34の大径部34b内に開口する
通路54から、通路穴40cを通って第1弁体40内に
入った後、チェック弁8を開いて、第2弁体44の小径
部の外周から通路穴44cを通って第2弁体44の内部
に入り(図3中の破線の矢印I参照)、接続通路50を
通ってパワーシリンダP/Cに供給される。また、パワ
ーシリンダP/Cからの流れが可変絞り弁6を開いて流
路切換弁CV側へ戻るときには、第2弁体44の内部か
ら通路穴44cを通って第2弁体44の小径部の外面側
に流出し(図3中の実線の矢印O参照)、前記バルブ孔
34の大径部34b内に開口する通路54から流路切換
弁CVへ還流する。
【0018】前記ダンパ部10Aのチェック弁8とパワ
ーシリンダP/Cのシリンダ室との間に、タンクT側に
連通する第2のチェック弁13が設けられている。この
チェック弁13は、前記バルブ孔34に連続する弁孔5
6内に収容されたボール弁58と、前記弁孔56の内部
に形成された段部に設けられている弁座56aとによっ
て構成されている。
【0019】前記ステアリングダンパは、舵取りハンド
ル(図示せず)の舵取り操作に伴う正入力時には、ポン
プから供給通路を介して給送される圧油が、流路切換弁
CVからバルブハウジング26の通路54を通って、バ
ルブ孔34の大径部34b内に入り、さらに、第1の弁
体40の通路穴40cから第1の弁体40内部に入っ
て、チェック弁8の弁体(第2の弁体44)に作用す
る。この流路切換弁CVからの流れがチェック弁8を押
し開くと、圧油は第2弁体44の外周側から通路穴44
cを通って第2弁体44の内部に入り、接続通路50を
通ってパワーシリンダP/Cの一方のシリンダ室に送ら
れる。
【0020】この正入力時には、パワーシリンダP/C
の一方の室に、流路切換弁CVからの圧油がチェック弁
8を開いて供給されるが、他方のシリンダ室からの戻り
油は、開放した前記可変絞り弁6および第2弁体44の
先端部に形成されている連通孔(絞り穴)11を通過し
て流路切換弁CVからタンクに還流する。このようにパ
ワーシリンダP/Cの左右室の一方にポンプからの高圧
油が導入されるとともに、他方の室がタンクTに連通す
ることにより、パワーシリンダP/Cが作動して操舵補
助力を発生させる。
【0021】また、前記舵取りハンドルの操作が急激に
行われた場合には、パワーシリンダP/C内のピストン
がマニュアルで動こうとするが、油が充分に供給されな
いため、流路切換弁CVからパワーシリンダP/Cに至
るシリンダ通路内に負圧が発生しようとする。このよう
にシリンダ通路に負圧が発生しそうになると、第2のチ
ェック弁13が開放してタンクTから油が補給される。
従って、シリンダ通路内が負圧になることがなく、ハン
ドルが急に重くなる等の不具合を防止することができ
る。また、ハンドルの戻り時にも、同様にシリンダ通路
内に負圧が発生することを防いで、ハンドルの戻りが悪
くなることを防止することができる。
【0022】一方、自動車の走行中に、例えば路面の凹
凸や障害物等に起因して、操舵輪側からのキックバック
等の逆入力が作用したときには、パワーシリンダP/C
の一方の室からの油の流れが一方のシリンダ通路(図3
中ではパワーシリンダ側接続通路50)からチェック弁
8の第2弁体44内に入り、この第2弁体44の先端に
形成された連通孔11を通って第1弁体40内に流出す
る。このように第2弁体44に連通孔11が形成されて
いるので、パワーシリンダP/C側からの流量が少なく
可変絞り弁6が開放しないときでも、流路切換弁CVを
介してタンクTに還流させることができる。
【0023】前記キックバック等の逆入力が大きく、パ
ワーシリンダP/Cからの流量が大きい場合には、連通
孔(絞り穴)11を通過する流量によりその上流側の圧
力が上昇する。この連通孔11の前後の圧力差が大きく
なると、可変絞り弁6の第1弁体40が図3の右方に移
動して可変絞り弁6が開放する。パワーシリンダP/C
からの戻り方向の流れは、連通孔(絞り穴)11の前後
の圧力差に応じて可変絞り弁6を所定の開度で開放し、
流路切換弁CVを介してタンクTに還流する。このとき
の流路抵抗によって衝撃が減衰、緩和されることによる
ダンパ効果で、逆入力の舵取りハンドルへの伝達を阻止
することができる。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】前記出願に係るステア
リングダンパの構成では、常温時には、適切なダンパ機
能を発揮するとともに、好適な操舵フィーリングを得る
ことができる。ところが、前記可変絞り弁の弁体を付勢
するスプリングは、常温時にダンパ機能を得るために必
要な荷重に設定されており、低温時には、オイルの粘性
が高くなることから、油路抵抗が設定値以上大きくなっ
てしまうため、ハンドルの操舵力が重くなりすぎたり、
ハンドルの戻りが悪くなる等の問題があった。
【0025】本発明は、前記課題を解決するためになさ
れたもので、低温時には、スプリング荷重を低下させて
可変絞り弁を開放させることにより、ダンパ機能を緩和
し、低温時の操舵性能を改善するようにしたステアリン
グダンパを提供することを目的とするものである。
【0026】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
係るステアリングダンパは、ポンプおよびタンクとパワ
ーシリンダの左右室との間を舵取りハンドルの舵取り操
作に応じて選択的に切換え接続する流路切換弁と、この
流路切換弁を前記パワーシリンダの左右室に接続する左
右一対のシリンダ通路を備えたパワーステアリング装置
のステアリングダンパであって、前記各シリンダ通路の
途中に設けられて前記パワーシリンダから流路切換弁へ
の流入を制限する可変絞り弁と、この可変絞り弁と並列
に接続され前記流路切換弁からパワーシリンダへの流入
を許容するチェック弁とを備えた一対のダンパ部からな
っており、特に、前記可変絞り弁の弁体を付勢する付勢
手段を、低温時に荷重が低下する形状記憶合金からなる
スプリングから構成したことを特徴とするものである。
【0027】また、請求項2に記載の発明に係るステア
リングダンパは、前記ステアリングダンパにおいて、ハ
ウジングの内面に形成されて前記可変絞り弁の弁座を構
成する段部と、この段部に当接することにより可変絞り
弁を閉弁する筒状の弁体と、この筒状弁体を前記弁座方
向に付勢する付勢手段と、前記筒状弁体の開口部に当接
して前記チェック弁を閉弁する有底円筒状の弁体と、こ
の有底円筒状弁体を、前記付勢手段の逆方向から付勢す
る付勢手段とを備えており、特に、前記可変絞り弁の弁
体を付勢する付勢手段を、低温時に荷重が低下する形状
記憶合金からなるスプリングから構成したことを特徴と
するものである。
【0028】前記各発明では、低温時には、可変絞り弁
の弁体を付勢するスプリングの荷重が低下するため、他
方のスプリングに付勢されたチェック弁の弁体に押され
て、可変絞り弁が開放し、油路が拡大されるので、圧力
損失の増大を押さえることができ、低温時の性能が向上
する。また、常温に戻ると、スプリングは元のセット荷
重を発生することによりダンパ機能を回復する。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、図面に示す実施の形態によ
り本発明を説明する。図1は本発明の一実施の形態に係
るパワーステアリング装置のステアリングダンパ(全体
を符号101で示す)を示すもので、特に、このステア
リングダンパ101の一方のダンパ部101Aを示す縦
断面図である。
【0030】バルブハウジング102には、流路切換弁
CV(図示しないが、バルブハウジング102の孔10
2a内に設けられている)の軸線と直交する方向を向け
て段付きのバルブ孔104が設けられている。このバル
ブ孔104は、その内部に小径部104aおよび大径部
104bが形成されており、この大径部104b側の開
口部(図1の右端)104cに、外周にシール部材10
6が嵌着されたプラグ108が挿入され、バルブ孔10
4の内面に螺合、固定されて、このバルブ孔104内を
密封している。
【0031】バルブ孔104の大径部104b内には、
可変絞り弁110の筒状弁体112(以下第1の弁体と
呼ぶ)が収容されている。この第1の弁体112は、円
筒部の先端(図1の左端)にフランジ112aが形成さ
れており、このフランジ112aがバルブ孔104の大
径部104bと小径部104aとの間の段部に形成され
た弁座104dに当接することにより、可変絞り弁11
0が閉弁する。この第1弁体112のフランジ112a
の背面と前記プラグ108の前面との間に、付勢手段と
してのコイルスプリング114が配置され、前記第1弁
体112を前記弁座104d方向に常時付勢している。
この実施の形態では、第1弁体112を付勢する付勢手
段として、低温時にセット荷重が小さくなる形状記憶合
金製の圧縮コイルスプリング114を用いている。
【0032】また、前記バルブ孔104の小径部104
a内には、チェック弁116の有底円筒状弁体118
(以下第2の弁体と呼ぶ)が収容されている。この第2
の弁体118は、コイルスプリング(付勢手段)120
によって、前記第1の弁体112方向に付勢されてい
る。第2の弁体118の先端面の周囲にはテーパ部11
8aが形成されており、このテーパ部118aが前記第
1の弁体112のフランジ112a側開口部の内周面に
形成された弁座112bにシートしてチェック弁116
が閉じられる。このチェック弁116の弁体118の先
端部寄りには、小径部が形成されており、この小径部の
壁面に、内外を貫通する複数の通路穴118cが形成さ
れている。なお、このチェック弁116の弁体(第2弁
体118)を付勢するスプリング120の付勢力は、前
記可変絞り弁110の弁体(第1弁体112)を付勢す
るスプリング114の付勢力よりも小さいことはいうま
でもない。
【0033】有底円筒状をしている第2の弁体(チェッ
ク弁116の弁体)118の先端部には、その軸芯を貫
通する連通孔122が形成されている。この連通孔12
2が、パワーシリンダP/C側からの流量が少ないとき
でも、流路切換弁CV側へ流すリーク通路を構成してい
る。
【0034】前記バルブ孔104の小径部104a側の
開口部104e(図1の左端)には、パワーシリンダP
/Cへの接続配管(図示せず)が固定されている。ま
た、前記バルブ孔104の大径部104b内には、流路
切換弁CVに接続される連通路124が開口している。
これら接続配管および連通路124は、前記流路切換弁
CVとパワーシリンダP/Cの左右室とを接続するシリ
ンダ通路の一部を構成している。
【0035】以上の構成に係るステアリングダンパ10
1の作動について説明する。舵取りハンドル(図示せ
ず)の舵取り操作に伴う正入力時には、ポンプから給送
される圧油が、流路切換弁CVから連通路124を通っ
て、バルブ孔104の大径部104b内に入り、さら
に、第1の弁体112の内部に入って、チェック弁11
6の弁体(第2の弁体118)に作用する。この流路切
換弁CVからの流れがチェック弁118を押し開くと、
圧油は第2弁体118の通路穴118cから第2弁体1
18の内部に入り、図示しない配管を通ってパワーシリ
ンダP/Cの一方のシリンダ室に送られる。
【0036】前記正入力時には、パワーシリンダP/C
の一方の室に、流路切換弁CVからの圧油がチェック弁
116を開いて供給されるが、他方のシリンダ室からの
戻り油は、開放した前記可変絞り弁110および第2弁
体118の先端部に形成されている連通孔122を通過
して流路切換弁CVからタンクに還流する。このように
パワーシリンダP/Cの左右室の一方にポンプからの高
圧油が導入されるとともに、他方の室がタンクに連通す
ることにより、パワーシリンダP/Cが作動して操舵補
助力を発生させる。
【0037】一方、自動車の走行中に、例えば路面の凹
凸や障害物等に起因して、操舵輪側からのキックバック
等の逆入力が作用したときには、パワーシリンダP/C
の一方の室からの油の流れが一方のシリンダ通路からチ
ェック弁116の第2弁体118内に入り、この第2弁
体118の先端部に形成された連通孔122を通って第
1弁体112内に流出する。このように第2弁体118
に連通孔122が形成されているので、パワーシリンダ
P/C側からの流量が少なく可変絞り弁110が開放し
ないときでも、流路切換弁CVを介してタンクに還流さ
せることができる。
【0038】前記キックバック等の逆入力が大きく、パ
ワーシリンダP/Cからの流量が大きい場合には、連通
孔122を通過する流量によりその上流側の圧力が上昇
する。この連通孔122の前後の圧力差が大きくなる
と、可変絞り弁110の第1弁体112が図1の右方に
移動して可変絞り弁110が開放する。パワーシリンダ
P/Cからの戻り方向の流れは、連通孔122の前後の
圧力差に応じて可変絞り弁110を所定の開度で開放
し、流路切換弁CVを介してタンクに還流する。このと
きの流路抵抗によって衝撃が減衰、緩和されることによ
るダンパ効果で、逆入力の舵取りハンドルへの伝達を阻
止することができる。
【0039】この実施の形態に係るステアリングダンパ
101は、常温時には、前述のように作動するが、第1
弁体112を付勢しているコイルスプリング114に、
低温時にセット荷重が低下する形状記憶合金を用いてい
るので、低温時には、コイルスプリング114の荷重が
低下し、第2弁体118を付勢しているコイルスプリン
グ120のの付勢力によって、第1弁体112が図の右
方に押されて、この可変絞り弁110が開放する(図2
参照)。このように可変絞り弁110が開放することに
より油路が拡大し、圧力損失の増大を押さえることがで
きる。従って、ダンパ機能が緩和され、ハンドルが重く
なりすぎたり、ハンドルの戻りが悪くなることを防止し
て、低温時の性能を向上させることができる。
【0040】また、常温に戻ると、前記可変絞り弁11
0の弁体(第2の弁体112)を付勢するスプリング1
14は元の荷重を発生させるので、ダンパ機能は元の通
りに復帰する。なお、本発明は、前記実施の形態で説明
した構造に限定されるものではなく、各部の形状、構造
等を適宜変形、変更しうることはいうまでもない。いず
れにしても、低温時に荷重の低下する形状記憶合金から
なるスプリング114によって、可変絞り弁110の弁
体(第2の弁体112)を付勢する構成とし、オイルの
粘性が高くなる低温時にこの可変絞り弁110を開放す
るものであればよい。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ポ
ンプおよびタンクとパワーシリンダの左右室との間を舵
取りハンドルの舵取り操作に応じて選択的に切換え接続
する流路切換弁と、この流路切換弁を前記パワーシリン
ダの左右室に接続する左右一対のシリンダ通路を備えた
パワーステアリング装置のステアリングダンパであっ
て、前記各シリンダ通路の途中に設けられて前記パワー
シリンダから流路切換弁への流入を制限する可変絞り弁
と、この可変絞り弁と並列に接続され前記流路切換弁か
らパワーシリンダへの流入を許容するチェック弁とを備
えた一対のダンパ部からなるステアリングダンパにおい
て、前記可変絞り弁の弁体を付勢する付勢手段を、低温
時に荷重が低下する形状記憶合金からなるスプリングか
ら構成したことにより、常温時のステアリングダンパと
しての特性を確保したまま、低温時にハンドルが重くな
りすぎたり、ハンドルの戻りが悪くなるという欠点を大
幅に改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るステアリングダン
パの一方のダンパ部の構成を示す縦断面図である。
【図2】前記ステアリングダンパの低温時の作動状態を
示す縦断面図である。
【図3】従来のステアリングダンパの一例を示す縦断面
図である。
【符号の説明】
CV 流路切換弁 P/C パワーシリンダ 101 ステアリングダンパ 101A ダンパ部 102 ハウジング 104d 可変絞り弁の弁座 110 可変絞り弁 112 可変絞り弁の弁体 112b チェック弁の弁座 114 (可変絞り弁の)付勢手段 116 チェック弁 118 チェック弁の弁体 120 (チェック弁の)付勢手段

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポンプおよびタンクとパワーシリンダの
    左右室との間を舵取りハンドルの舵取り操作に応じて選
    択的に切換え接続する流路切換弁と、この流路切換弁を
    前記パワーシリンダの左右室に接続する左右一対のシリ
    ンダ通路を備えたパワーステアリング装置のステアリン
    グダンパであって、前記各シリンダ通路の途中に設けら
    れて前記パワーシリンダから流路切換弁への流入を制限
    する可変絞り弁と、この可変絞り弁と並列に接続され前
    記流路切換弁からパワーシリンダへの流入を許容するチ
    ェック弁とを備えた一対のダンパ部からなるステアリン
    グダンパにおいて、 前記可変絞り弁の弁体を付勢する付勢手段を、低温時に
    荷重が低下する形状記憶合金からなるスプリングとした
    ことを特徴とするステアリングダンパ。
  2. 【請求項2】 ポンプおよびタンクとパワーシリンダの
    左右室との間を舵取りハンドルの舵取り操作に応じて選
    択的に切換え接続する流路切換弁と、この流路切換弁を
    前記パワーシリンダの左右室に接続する左右一対のシリ
    ンダ通路を備えたパワーステアリング装置のステアリン
    グダンパであって、前記各シリンダ通路の途中に設けら
    れて前記パワーシリンダから流路切換弁への流入を制限
    する可変絞り弁と、この可変絞り弁と並列に接続され前
    記流路切換弁からパワーシリンダへの流入を許容するチ
    ェック弁とを備えた一対のダンパ部からなるステアリン
    グダンパにおいて、 ハウジングの内面に形成されて前記可変絞り弁の弁座を
    構成する段部と、この段部に当接することにより可変絞
    り弁を閉弁する筒状の弁体と、この筒状弁体を前記弁座
    方向に付勢する付勢手段と、前記筒状弁体の開口部に当
    接して前記チェック弁を閉弁する有底円筒状の弁体と、
    この有底円筒状弁体を、前記付勢手段の逆方向から付勢
    する付勢手段とを備え、 前記可変絞り弁の弁体を付勢する付勢手段を、低温時に
    荷重が低下する形状記憶合金からなるスプリングとした
    ことを特徴とするステアリングダンパ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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