JP2003074678A - 遊星歯車式変速機の潤滑構造 - Google Patents

遊星歯車式変速機の潤滑構造

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JP2003074678A JP2001267670A JP2001267670A JP2003074678A JP 2003074678 A JP2003074678 A JP 2003074678A JP 2001267670 A JP2001267670 A JP 2001267670A JP 2001267670 A JP2001267670 A JP 2001267670A JP 2003074678 A JP2003074678 A JP 2003074678A
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lubricating oil
lubricating
planet carrier
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 入力軸と、出力軸と、遊星キャリアとを有す
る遊星歯車機構と、クラッチ機構とを備えた遊星歯車式
変速機において、潤滑を必要とする装置の各部に潤滑油
を供給する潤滑構造を簡単にする。 【解決手段】 正逆転装置1の潤滑構造は、遊星キャリ
ア13の内周側に潤滑油を供給するための潤滑油供給油
路61と、遊星キャリア13に形成された複数の第1油
受け部52e及び第2油受け部52fと、遊星キャリア
13の軸方向外側から前進用油圧クラッチ装置6のクラ
ッチ部22に潤滑油を導くためのクラッチ潤滑用油路6
2を有している。第1油受け部52eは、ダブルプラネ
タリギア12の装着位置に対応して3個形成されてい
る。第2油受け部52fは、ダブルプラネタリギア12
の装着されていない位置に対応して3個形成されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遊星歯車式変速機
の潤滑機構、特に、入力軸と、出力軸と、入力軸に設け
られたサンギアとリングギアと複数のピニオンギアと複
数のピニオンギアを軸支し出力軸に動力を出力するため
の遊星キャリアとを有する遊星歯車機構と、入力軸と遊
星キャリアとを連結及び解除するためのクラッチ機構と
を備えた遊星歯車式変速機において、遊星キャリアの内
周側に供給される潤滑油により潤滑を行う遊星歯車式変
速機の潤滑構造に関する。
【0002】
【従来の技術】遊星歯車式変速機の一形態として、車両
の無段変速機を構成する正逆転装置がある。一般に正逆
転装置は、入力軸と出力軸と遊星歯車装置と後進用油圧
ブレーキ装置と前進用油圧クラッチ装置とから主に構成
されている。このような正逆転装置においては、複数の
潤滑油路からなる潤滑構造が設けられており、潤滑を必
要とする遊星歯車装置や前進用油圧クラッチ装置等に潤
滑油を供給している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記の正逆転
装置の潤滑構造では、潤滑を必要とする装置に対応して
複数の潤滑油路が設けられているため、潤滑油路の構造
が複雑になっている。本発明の課題は、潤滑を必要とす
る装置の各部に潤滑油を供給する潤滑構造を簡単にする
ことにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の遊星歯
車式変速機の潤滑構造は、入力軸と出力軸と遊星歯車機
構とクラッチ機構とを備えた遊星歯車式変速機におい
て、遊星キャリアの内周側に潤滑油を供給するため潤滑
油供給油路と、遊星キャリアに設けられた油受け部と、
遊星キャリアの軸方向外側に設けられたクラッチ潤滑用
油路とを備えている。ここで、油受け部は潤滑油供給油
路から潤滑油を受けて複数のピニオンギア側と遊星キャ
リアの軸方向外側とに潤滑油を分岐するためのものであ
り、クラッチ潤滑用油路は油受け部からクラッチ機構に
潤滑油を導くためのものである。尚、遊星歯車機構は、
入力軸に設けられたサンギアとリングギアと複数のピニ
オンギアと、複数のピニオンギアを軸支し前記出力軸に
動力を出力するための遊星キャリアとを有している。ま
た、クラッチ機構は、入力軸と遊星キャリアとを連結及
び解除するためのものである。
【0005】この遊星歯車式変速機の潤滑構造では、潤
滑油は、潤滑油供給油路を通じて遊星キャリアの内周側
から供給され、遊星キャリアに設けられた油受け部によ
って、複数のピニオンギア側と遊星キャリアの軸方向外
側とに分岐される。そして、複数のピニオンギア側へ分
岐された潤滑油は、遊星歯車機構の潤滑に使用される。
また、遊星キャリアの軸方向外側に分岐された潤滑油
は、クラッチ潤滑用油路を経由してクラッチ機構に供給
され潤滑に使用される。
【0006】従来、遊星キャリアの内周側から供給され
る潤滑油は、遊星歯車機構の潤滑のみに使用され、クラ
ッチ機構の潤滑は、別途設けられたクラッチ機構用の油
路から供給された潤滑油により行われている。しかし、
遊星キャリアに前記の油受け部を設けることによって、
一つの潤滑油路(潤滑油供給油路)から供給された潤滑
油をピニオンギア側とクラッチ機構側とに分岐できる。
これにより、遊星歯車機構用の油路とクラッチ機構用の
油路とを共通化し、潤滑構造を簡単にできる。
【0007】また、クラッチ機構用の油路が入力軸の軸
心側に設けられている場合、遊星歯車機構用の油路とク
ラッチ機構用の油路との共通化により、遊星歯車式変速
機全体の軸方向寸法が短縮され、省スペース化を図るこ
ともできる。請求項2に記載の遊星歯車式変速機の潤滑
構造は、請求項1において、遊星キャリアは、複数のピ
ニオンギアの軸方向両側を挟み、複数のピニオンギアを
軸支するための環状のキャリア部材を有している。そし
て、油受け部は、キャリア部材の内周部に形成されてい
る。
【0008】請求項3に記載の遊星歯車式変速機の潤滑
構造は、請求項2において、油受け部は、潤滑油供給油
路から潤滑油を受けて複数のピニオンギア側に導くため
の複数の第1油受け部と、キャリア部材の軸方向外側に
導くための複数の第2油受け部とからなる。請求項4に
記載の遊星歯車式変速機の潤滑構造は、請求項3におい
て、複数の第1油受け部の少なくとも1つは、複数のピ
ニオンギアの位置に対応して配置されている。
【0009】この遊星歯車式変速機の潤滑構造では、第
1油受け部は環状のキャリア部材に軸支されたピニオン
ギアの位置に対応して配置されているため、潤滑油供給
油路から供給される潤滑油がピニオンギアに供給されや
すくなっている。これにより、遊星歯車機構の潤滑状態
を良好に保つことができる。請求項5に記載の遊星歯車
式変速機の潤滑構造は、請求項3又は4において、複数
の第2油受け部の少なくとも1つは、複数のピニオンギ
アの円周方向間の位置に対応して配置されている。
【0010】この遊星歯車式変速機の潤滑構造では、第
2油受け部は環状のキャリア部材に軸支されたピニオン
ギアの円周方向間の位置、すなわち、複数のピニオンギ
アが配置されていない位置に対応して配置されているた
め、潤滑油供給油路から供給される潤滑油が遊星キャリ
アの軸方向外側、すなわち、クラッチ機構側に供給され
やすくなっている。これにより、クラッチ機構の潤滑状
態を良好に保つことができる。
【0011】請求項6に記載の遊星歯車式変速機の潤滑
構造は、請求項3〜5のいずれかにおいて、複数の第1
油受け部及び複数の第2油受け部は、キャリア部材に一
体成形されている。この遊星歯車式変速機の潤滑構造で
は、第1及油受け部及び第2油受け部はキャリア部材の
成形と同時に一体成形されている。これにより、第1油
受け部及び第2油受け部を容易に成形することができ、
また、キャリア部材の加工工数の増加も生じない。
【0012】
【発明の実施の形態】(1)構成 本発明の一実施形態を採用した無段変速機の正逆転装置
1を図1に示す。 [全体構成]図1に示す正逆転装置1は、トルクコンバ
ータ(図示せず)から延びるシャフトである入力軸8か
らの回転を出力軸9に出力する機能を有している。出力
軸9は、無段変速機(図示せず)から延びるシャフトで
ある。また、正逆転装置1は、車両を後退させるために
トルクコンバータからの回転駆動方向を逆転するための
機構でもある。正逆転装置1は、前後進切換装置4と、
前後進切換装置4によって動力の伝達経路が切り換えら
れる遊星歯車装置5とを備えている。前後進切換装置4
は、トルクコンバータからの動力が入力される前進用油
圧クラッチ装置6と、遊星歯車装置5の制御を行う後進
用油圧ブレーキ装置7とを有している。尚、図1のO−
Oは、正逆転装置1の回転軸である。
【0013】遊星歯車装置5は、入力軸8の先端に形成
されたサンギア11と、後進用油圧ブレーキ装置7によ
って回転の許容及び禁止が制御されるリングギア14
と、サンギア11及びリングギア14に噛み合うダブル
ピニオン式プラネタリギア12(以下、ダブルプラネタ
リギア12とする)とを有している。サンギア11とリ
ングギア14は同心に配置され、ダブルプラネタリギア
12はサンギア11とリングギア14に噛み合ってい
る。ダブルプラネタリギア12は遊星キャリア13に回
転自在に支持されており、遊星キャリア13は出力軸9
に連結されている。
【0014】入力軸8の先端には、フランジ部8aと、
その外周縁からさらに出力軸9側にのびる筒状部8bが
形成されている。つまり、入力軸8の先端面に空洞部が
形成されていることになる。筒状部8bの外周面には、
サンギア11が形成されており、そのトルクコンバータ
側にスプライン17がさらに形成されている。また、入
力軸8の中心部を回転軸O−Oに沿って貫通する油孔8
cが形成されている。さらに、筒状部8bのサンギア1
1とスプライン17との軸方向間には、筒状部8bの内
周から外周へ貫通する複数の油孔8dが放射状に形成さ
れている。
【0015】出力軸9は無段変速機3のプライマリプー
リから延びるシャフトである。出力軸9の先端は入力軸
8の筒状部8b内に延びて配置されている。具体的に
は、出力軸9の先端面は入力軸8のフランジ部8aに近
接し、出力軸9の先端部外周面と筒状部8bとの半径方
向間には隙間が確保されている。なお、出力軸9の先端
側外周面にはスプライン20が形成されている。
【0016】前進用油圧クラッチ装置6は、クラッチド
ラム18と、クラッチドラム18の内部に配置された遊
星キャリア13の一部である第2サイドメンバー52
(キャリア部材)と、クラッチドラム18と第2サイド
メンバー52との間の動力の伝達を制御するクラッチ部
22と、クラッチドラム18内に摺動自在に配置された
ピストン23とから構成されている。
【0017】後進用油圧ブレーキ装置7は、ピストン4
1と、このピストン41によって互いに圧接される複数
のブレーキプレートを有するブレーキ部42とから構成
されている。 [遊星歯車装置の構成]遊星歯車装置5は、前述のよう
に、サンギア11、ダブルプラネタリギア12、リング
ギア14及び遊星キャリア13から構成されている。
【0018】リングギア14は、後進用油圧ブレーキ装
置7によって回転の禁止及び許容が制御されるようにな
っている。つまり、リングギア14は、後進用油圧ブレ
ーキ装置7に連結されていない状態では、自由に回転可
能となっている。リングギア14は内歯14a及びスプ
ライン14bを有している。スプライン14bは、後進
用油圧ブレーキ装置7のブレーキ部42に噛み合ってい
る。
【0019】図2及び図3に示すように、ダブルプラネ
タリギア12は、合計6個のピニオンギアからなり、互
いに噛み合う3対のダブルピニオンとなっている。各対
において一方のプラネタリギア12はサンギア11と噛
み合い、他方のプラネタリギア12はリングギア14の
内歯14aと噛み合っている。ダブルプラネタリギア1
2は、遊星キャリア13に回転自在に装着されている。
この遊星キャリア13は、主に、第1サイドメンバー5
1と、クラッチ装置6の出力部材を構成する第2サイド
メンバー52とから構成されている。ダブルプラネタリ
ギア12は、第1サイドメンバー51と第2サイドメン
バー52とにより軸方向両側が挟まれ、6つのシャフト
53によりそれぞれ軸支されている。
【0020】第1サイドメンバー51は、出力軸9と連
結する出力ハブであり、環状の固定部51aと、その内
周縁から入力軸8側に延びるように曲げ一体成形された
内側筒状部51bと、固定部51aの外周縁から入力軸
8側に延びるように曲げ一体成形された外側筒状部51
cとから構成されている。固定部51aには、出力軸9
を挿入するための中心孔51fと、シャフト53の出力
軸9側の端部が挿入される孔51dとが形成されてい
る。内側筒状部51bは入力軸8の筒状部8b内に延び
ている。内側筒状部51bの先端と入力軸8のフランジ
部8aとの間にはスラストニードルベアリング31が配
置されている。内側筒状部51bの内周面には、スプラ
イン孔51eが形成されている。スプライン孔51e
は、ブローチ加工で形成され、出力軸9のスプライン2
0に噛み合っている。すなわち、遊星キャリア13の出
力部である筒状部51bはサンギア11の内周側の同一
軸方向位置に形成されている。各プラネタリギア12は
サイドメンバー51,52に挿入されたシャフト53の
回りに回転自在になっている。外側筒状部51cは、ダ
ブルプラネタリギア12の各対の円周方向間を延び、第
2サイドメンバー52に溶接固定されている。
【0021】第2サイドメンバー52は、筒状部52a
と、筒状部52aの遊星歯車装置5側を内周側にプレス
曲げで一体で形成された環状の固定部52bとを有して
いる。筒状部52aの外周面には、前進用油圧クラッチ
装置6のクラッチ部22が係合する複数の係合凹凸部5
2cが形成されている。また、固定部52bには、シャ
フト53の他端が挿入される孔52dが形成されてい
る。さらに、固定部52bの内周縁には、図3に示すよ
うに、油孔8dから供給される潤滑油をダブルプラネタ
リギア12側と第2サイドメンバー52の外側とに分岐
するための第1油受け部52eと第2油受け部52fが
各3個づつ形成されている。
【0022】第1油受け部52eは、固定部52bの内
周縁の一部がトルクコンバータ側に曲げられた突出形状
を有しており、ダブルプラネタリギア12の装着位置に
対応して3個形成されている。第2油受け部52fは、
固定部52bの内周縁の一部がダブルプラネタリギア1
2側に曲げられた突出形状を有しており、ダブルプラネ
タリギア12の装着されていない位置に対応して3個形
成されている。すなわち、第1油受け部52eと第2油
受け部52fとは、固定部52bの内周縁の円周上に交
互に並んで形成されている。尚、本実施形態において、
油受け部52e、52fは、第2サイドメンバー52の
プレス成形時に同時に一体成形されている。
【0023】[潤滑構造]正逆転装置1の遊星歯車装置
5と前進用油圧クラッチ装置6のクラッチ部22とに潤
滑油を供給する潤滑構造について説明する。図1に示す
ように、正逆転装置1の遊星歯車装置5及び前進用油圧
クラッチ装置6のクラッチ部22の潤滑構造は、遊星キ
ャリア13の内周側に向けて潤滑油を供給するための潤
滑油供給油路61と、遊星キャリア13に形成された油
受け部52e、52fと、遊星キャリア13の軸方向外
側から前進用油圧クラッチ装置6のクラッチ部22に潤
滑油を導くためのクラッチ潤滑用油路62を有してい
る。
【0024】潤滑油供給油路61は、入力軸8の軸心を
貫通する油孔8cと、入力軸8のフランジ部8aと出力
軸9の入力軸8側端部との間に形成された油路61a
と、入力軸8の筒状部8bをその内周から遊星キャリア
13側に貫通する油孔8dとから構成されている。クラ
ッチ潤滑用油路62は、第2サイドメンバー52と前進
用油圧クラッチ装置6のピストン23との軸方向間に形
成された油路であり、クラッチ部22に連通している。
【0025】次に、潤滑構造の作用について説明する。
潤滑油は、油圧コントロールバルブ(図示せず)から潤
滑油供給油路61を通じて遊星キャリア13の内周部に
供給される。このとき、潤滑油は、油路61aに設置さ
れているスラストニードルベアリング31を潤滑してい
る。そして、油孔8dを通って遊星キャリア13に供給
された潤滑油は、油受け部52e、52fに供給され
る。このとき、第1油受け部52eはトルクコンバータ
側に曲げられた突出形状を有しているため、第1油受け
部52eによって受けられた潤滑油はダブルプラネタリ
ギア12側に向かって流れ(図3の矢印A参照)、遊星
歯車装置5を潤滑する。一方、第2油受け部52fはダ
ブルプラネタリギア12側に曲げられた突出形状を有し
ているため、第2油受け部52fによって受けられた潤
滑油は遊星キャリア13の外側に向かって流れ(図3の
矢印B参照)、クラッチ潤滑用油路62を通って前進用
油圧クラッチ装置6のクラッチ部22を潤滑する。すな
わち、油受け部52e、52fは、潤滑油を遊星歯車装
置5側と前進用油圧クラッチ装置6のクラッチ部22側
とに分岐する機能を有している。
【0026】(2)特徴 本実施形態の特徴について説明する。 潤滑油路の共通化 本実施形態の正逆転装置1の潤滑構造では、潤滑油は、
潤滑油供給油路61を通じて遊星キャリア13の内周側
に向けて供給され、遊星キャリア13に設けられた油受
け部52e、52fによって、プラネタリギア12側と
遊星キャリア13の軸方向外側とに分岐される。そし
て、プラネタリギア12側へ分岐された潤滑油は、遊星
歯車機構5の潤滑に使用される。また、遊星キャリア1
3の軸方向外側に分岐された潤滑油は、クラッチ潤滑用
油路62を経由して前進用油圧クラッチ装置6のクラッ
チ部22に供給され潤滑に使用される。これにより、従
来、別々に設けられていた遊星歯車機構5用の潤滑油供
給油路と前進用油圧クラッチ装置6のクラッチ部22用
の潤滑油供給油路とを共通化し、潤滑構造を簡単にでき
る。
【0027】省スペース化 また、前述の潤滑油供給油路の共通化により、正逆転装
置1の軸方向寸法を小さくして、無段変速機全体の省ス
ペース化を図ることができる。 潤滑油供給位置の適切化 この正逆転装置1の潤滑構造では、第1油受け部52e
がダブルプラネラリギア12の位置に対応して配置され
ているため、潤滑油供給油路61から供給される潤滑油
がダブルプラネラリギア12に供給されやすくなってい
る。これにより、潤滑油供給位置を適切にし、遊星歯車
機構5の潤滑状態を良好に保つことができる。同様に、
第2油受け部52fがダブルプラネラリギア12が配置
されていない位置に対応して配置されているため、潤滑
油供給油路61から供給される潤滑油が遊星キャリア1
3の軸方向外側、すなわち、クラッチ潤滑用油路62に
供給されやすくなっている。これにより、クラッチ部2
2の潤滑状態を良好に保つことができる。
【0028】油受け部の加工の容易化 この正逆転装置1の潤滑構造では、油受け部52e、5
2fが第2サイドメンバー52のプレス成形時に同時に
一体成形されているため、油受け部52e、52fを容
易に成形することができ、また、第2サイドメンバー5
2の加工工数の増加も生じない。
【0029】(3)他の実施形態 正逆転装置を構成する前進用油圧クラッチ装置、後進油
圧ブレーキ装置及び遊星歯車装置の配置は、前記実施形
態に限定されるものではなく、種々の変形が可能であ
る。遊星キャリアの第2サイドメンバーへの油受け部の
成形は、前記実施形態に限定されず、焼結又は鍛造によ
り成形されていてもよい。
【0030】
【発明の効果】本発明に係る遊星歯車式変速機の潤滑構
造では、遊星キャリアに油受け部を設けることによっ
て、一つの潤滑油路(潤滑油供給油路)から供給された
潤滑油をピニオンギア側とクラッチ機構側とに分岐でき
る。これにより、遊星歯車機構用の油路とクラッチ機構
用の油路とを共通化し、潤滑構造を簡単にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態が採用された無段変速機の
正逆転装置の縦断面概略図。
【図2】図1の遊星歯車装置の遊星キャリアの平面図
(一部断面を図示)。
【図3】遊星歯車装置の遊星キャリアの縦断面図であ
り、図2のY−O−Y断面図。
【符号の説明】
5 遊星歯車装置(遊星歯車機構) 6 前進用油圧クラッチ装置 7 後進用油圧ブレーキ装置 12 プラネタリギア(ピニオンギア) 13 遊星キャリア 22 クラッチ部(クラッチ機構) 51 第1サイドメンバー(キャリア部材) 52 第2サイドメンバー(キャリア部材) 52e 第1油受け部(油受け部) 52f 第2油受け部(油受け部) 61 潤滑油供給油路 62 クラッチ潤滑用油路

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力軸と、出力軸と、前記入力軸に設けら
    れたサンギアとリングギアと複数のピニオンギアと前記
    複数のピニオンギアを軸支し前記出力軸に動力を出力す
    るための遊星キャリアとを有する遊星歯車機構と、前記
    入力軸と前記遊星キャリアとを連結及び解除するための
    クラッチ機構とを備えた遊星歯車式変速機において、前
    記遊星キャリアの内周側から供給される潤滑油により潤
    滑を行う遊星歯車式変速機の潤滑構造であって、 前記遊星キャリアの内周側に潤滑油を供給するための潤
    滑油供給油路と、前記遊星キャリアに設けられ、前記潤
    滑油供給油路から潤滑油を受けて前記複数のピニオンギ
    ア側と前記遊星キャリアの軸方向外側とに潤滑油を分岐
    するため油受け部と、 前記遊星キャリアの軸方向外側に設けられ、前記油受け
    部から前記クラッチ機構に潤滑油を導くためのクラッチ
    潤滑用油路と、を備えた遊星歯車式変速機の潤滑構造。
  2. 【請求項2】前記遊星キャリアは、前記複数のピニオン
    ギアの軸方向両側を挟み、前記複数のピニオンギアを軸
    支するための環状のキャリア部材を有し、 前記油受け部は、前記キャリア部材の内周部に形成され
    ている、請求項1に記載の遊星歯車式変速機の潤滑構
    造。
  3. 【請求項3】前記油受け部は、前記潤滑油供給油路から
    潤滑油を受けて前記複数のピニオンギア側に導くための
    複数の第1油受け部と、前記キャリア部材の軸方向外側
    に導くための複数の第2油受け部とからなる、請求項2
    に記載の遊星歯車式変速機の潤滑構造。
  4. 【請求項4】前記複数の第1油受け部の少なくとも1つ
    は、前記複数のピニオンギアの位置に対応して配置され
    ている、請求項3に記載の遊星歯車式変速機の潤滑構
    造。
  5. 【請求項5】前記複数の第2油受け部の少なくとも1つ
    は、前記複数のピニオンギアの円周方向間の位置に対応
    して配置されている、請求項3又は4に記載の遊星歯車
    式変速機の潤滑構造。
  6. 【請求項6】前記複数の第1油受け部及び複数の第2油
    受け部は、前記キャリア部材の成形と同時に一体成形さ
    れている、請求項3〜5のいずれかに記載の遊星歯車式
    変速機の潤滑構造。
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