JP2003073517A - 軟質ポリ塩化ビニル系樹脂シート - Google Patents

軟質ポリ塩化ビニル系樹脂シート

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JP2003073517A
JP2003073517A JP2001265359A JP2001265359A JP2003073517A JP 2003073517 A JP2003073517 A JP 2003073517A JP 2001265359 A JP2001265359 A JP 2001265359A JP 2001265359 A JP2001265359 A JP 2001265359A JP 2003073517 A JP2003073517 A JP 2003073517A
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chloride resin
plasticizer
polyvinyl chloride
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soft polyvinyl
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JP2001265359A
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Seiichi Shimosako
聖一 下迫
Koya Suenaga
攻冶 末永
Fumio Kadota
文夫 門田
Hideo Tanaka
秀夫 田中
Takayasu Uchiumi
孝泰 内海
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Hayakawa Rubber Co Ltd
Original Assignee
Hayakawa Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐候性や施工性に優れた軟質ポリ塩化ビニル
系樹脂シートを得る。 【解決手段】 軟質ポリ塩化ビニル系樹脂シートであっ
て、塩化ビニル樹脂100重量部に対してフタル酸系可
塑剤65〜80重量部が添加されており、前記フタル酸
系可塑剤が400〜480の平均分子量を有する、軟質
ポリ塩化ビニル系樹脂シートを提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軟質ポリ塩化ビニ
ル系樹脂シートに関し、特に耐候性が改良された軟質ポ
リ塩化ビニル系樹脂シートに関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、ポリ塩化ビニル系樹脂は、
光、熱等に対して劣化を受け易いものであり、かかる問
題を克服するために、安定剤、紫外線吸収剤等を添加し
て実用化に供されている。
【0003】かかるポリ塩化ビニル系樹脂では、可塑剤
が塩化ビニル樹脂を可塑化させるものとして使用されて
いる。かかる可塑剤は、生産性や配合剤のブリード、汚
れを懸念し、塩化ビニル樹脂100重量部に対して30
〜40重量部添加されているのが通常である。
【0004】熱安定剤としては、エポキシ基を所有する
エポキシ化合物が代表的であり、これも生産性や配合剤
のブリードを考慮して、1〜3重量部添加されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、上記の軟
質ポリ塩化ビニル系樹脂のシートが、時間の経過ととも
に分解して本来の性能を著しく損なうことを見出した。
【0006】また、本発明者は、上記の軟質ポリ塩化ビ
ニル系樹脂のシートが、生産性や配合剤のブリード及び
汚れを懸念した組成が取られているため、柔軟性に限度
があり、冬場等の低温時の施工等において著しく取り扱
い難いことを見出した。
【0007】本発明の課題は、耐候性や施工性に優れた
軟質ポリ塩化ビニル系樹脂シートを得ることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、軟質ポリ塩化
ビニル系樹脂シートであって、塩化ビニル樹脂100重
量部に対してフタル酸系可塑剤65〜80重量部が添加
されており、前記フタル酸系可塑剤が400〜480の
平均分子量を有することを特徴とする軟質ポリ塩化ビニ
ル系樹脂シート(第1発明)に係るものである。
【0009】また、本発明は、軟質ポリ塩化ビニル系樹
脂シートであって、塩化ビニル樹脂100重量部に対し
て可塑剤55〜80重量部が添加されており、前記可塑
剤が、ポリエステル系可塑剤及びトリメリット酸系可塑
剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の可塑剤5〜
50重量%とフタル酸系可塑剤50〜95重量%とを含
有しており、前記フタル酸系可塑剤が400〜480の
平均分子量を有することを特徴とする軟質ポリ塩化ビニ
ル系樹脂シート(第2発明)、及びかかるシートを最外
層シートとして用いる軟質ポリ塩化ビニル系樹脂シート
に係るものである。
【0010】さらに、本発明は、軟質ポリ塩化ビニル系
樹脂シートであって、塩化ビニル樹脂100重量部に対
してエポキシ化合物3〜15重量部が添加されているこ
とを特徴とする軟質ポリ塩化ビニル系樹脂シート(第3
発明)に係るものである。
【0011】本発明者は、耐候性及び施工性に優れた軟
質ポリ塩化ビニル系樹脂シートを得るため、種々の樹脂
シートを試作し、検討した。
【0012】その結果、本発明者は、安定剤によって光
や熱による劣化を防いでも、軟質ポリ塩化ビニル系樹脂
シートが時間の経過とともに分解してしまい、本来の性
能を大きく損ない、著しい性能低下を招くことを見出し
た。
【0013】ここで述べる性能低下とは、軟質ポリ塩化
ビニル系樹脂シートに本質的に必要な柔軟性(伸び)の
低下、及びシート表面に発生するクラックが誘発する貫
通穴及び亀裂を言う。
【0014】通常、軟質ポリ塩化ビニル系樹脂の製品は
季節(春夏秋冬等)及び昼夜の温度変化で伸縮するもの
であり、温度が低下すると収縮する性質を持つ。
【0015】これらの製品は取り付け時に固定されてい
るものが多く、温度の低下による軟質ポリ塩化ビニル系
樹脂の収縮が発生すると、固定されている軟質ポリ塩化
ビニル系樹脂製品自体は無理やり引き伸ばされる状態と
なる。
【0016】長期間の劣化に伴い著しく伸びが低下した
(例えば、10%以下にまで低下した)軟質ポリ塩化ビ
ニル系樹脂製品は、温度低下により無理やり引き伸ばさ
れると、この伸びに対して耐えられなくなるか、又は温
度変化による繰り返しの伸縮により樹脂が疲労し、亀裂
や貫通穴が発生して、機能上及び外観上大きな支障をき
たす結果となる。
【0017】また、劣化に伴う軟質ポリ塩化ビニル系樹
脂シートの表面上のクラック発生もこれらの亀裂及び貫
通穴の起点となる。機能上支障を来すものは使用不可能
となり、補修若しくは改修を余儀なくされる。
【0018】従来の軟質ポリ塩化ビニル系樹脂製品で
は、その加工性や配合剤のブリード、汚れの発生を懸念
して、塩化ビニル樹脂100重量部に対して可塑剤30
〜50重量部程度の添加が限度と考えられており、軟質
ポリ塩化ビニル系樹脂製品の柔軟性の保持は、専ら安定
剤の添加に頼らざるを得ない。
【0019】また、従来の軟質ポリ塩化ビニル系樹脂製
品では、安定剤としてはエポキシ化合物が代表的であ
り、これも生産性や配合剤のブリード等を考慮して、塩
化ビニル樹脂100重量部に対して1〜3重量部が限度
とされている。
【0020】かかる知見の下、本発明者は、加工性や配
合剤のブリード、汚れの問題を誘発することなく、耐候
性に優れた軟質ポリ塩化ビニル系樹脂シートを得るた
め、かかる樹脂シートを更に詳細に検討した。
【0021】その結果、本発明者は、所定の可塑剤又は
所定の安定剤を増量するか、所定の可塑剤の組合せを配
合して可塑剤を増量することによって、加工性を損なう
ことなく、配合剤のブリード及び汚れが抑えられた、耐
候性及び施工性に優れた軟質ポリ塩化ビニル系樹脂シー
トが得られることを突き止め、本発明に到達した。
【0022】本発明では、従来において懸念されていた
可塑剤や安定剤の増量による軟質ポリ塩化ビニル系樹脂
製品の加工性や配合剤のブリード、汚れの誘起の問題は
発生しない。
【0023】本発明者の研究によれば、従来の軟質ポリ
塩化ビニル系樹脂シートの耐候性の低下(劣化試験後の
伸びの低下)等の問題は、塩化ビニル樹脂に添加される
可塑剤が経時的に分解されることで起こると考えられ
た。
【0024】本発明では、所定の可塑剤又は安定剤の増
量によって、経時的な可塑剤の分解が起きたとしても軟
質ポリ塩化ビニル系樹脂シートの柔軟性を保持する量の
可塑剤を残存させるか、又は経時的な可塑剤の分解その
ものを抑えることで、樹脂シートの柔軟性が保たれ、耐
久性が著しく向上し、冬場等の低温時の施工性も向上す
る。
【0025】本発明の第1発明によれば、所定のフタル
酸系可塑剤が増量されているので、軟質ポリ塩化ビニル
系樹脂シートの経時的な伸びの低下を遅延させ、耐候性
を向上させることができる。
【0026】また、本発明の第2発明によれば、所定の
可塑剤としてフタル酸系可塑剤とポリエステル系可塑剤
或いはトリメリット酸系可塑剤とを併用し、全可塑剤が
増量されているので、経時的な伸びの低下を遅延させる
ことができると共に、軟質ポリ塩化ビニル系樹脂シート
表面に発生するクラックを抑制させることができる。
【0027】さらに、本発明の第3発明によれば、エポ
キシ化合物が増量されているので、かかるエポキシ化合
物が熱安定剤としてのみではなく、光による塩化ビニル
樹脂や可塑剤の分解を抑制し、可塑剤としての機能も付
与して、軟質ポリ塩化ビニル系樹脂シートの耐候性を向
上させることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を説明する。 (1)軟質ポリ塩化ビニル系樹脂シート 本発明の軟質ポリ塩化ビニル系樹脂シートには、屋外に
使用するシート状物、フィルム状物のような種々のもの
が含まれる。かかるシート状物は、例えば、防水シー
ト、養生フィルム、農業用塩ビシート等である。また、
かかるシート状物又はフィルム状物は、屋外で使用する
種々の製品を被覆するのに用いられる。
【0029】かかる樹脂シートは、単層シート、又は2
以上のシートを積層することで形成されている多層シー
トとすることができる。多層シートとして用いる場合、
少なくとも最外層シートは本発明の樹脂シートである。
【0030】本発明の軟質ポリ塩化ビニル系樹脂シート
は、耐候性、施工性等の問題がない限り、種々の厚さを
有することができる。かかる樹脂シートの厚さは、概し
て、0.05〜5.0mmであり、例えば、防水シート
としては、0.5〜5.0mmとすることができる。
【0031】(2)塩化ビニル樹脂 本発明の軟質ポリ塩化ビニル系樹脂シートは、塩化ビニ
ル樹脂をベースとするものであり、他の塩化ビニルコポ
リマー(エチレン−酢ビ−塩ビ共重合体、ポリウレタン
−塩化ビニル共重合体、エチレン塩ビ共重合体等)を含
む。本発明にかかる塩化ビニル樹脂は種々の分子量、重
合度、変性度等のものを用いることができる。
【0032】好ましくは、かかる塩化ビニル樹脂は、い
わゆるエチレン塩ビ(エチレン塩ビ共重合体)又はスト
レート塩ビ(ストレート塩化ビニル樹脂)である。特
に、エチレン塩ビは、加工性に優れ、重合度の高いもの
が使用できる。なお、高い重合度(例えば、1700〜
2700の重合度)では、高い物性を示し、耐候性も優
れている。
【0033】(3)可塑剤 本発明では、可塑剤は、種々の種類、分子量、品質等の
ものを、特に断りのない限り、1種以上で用いることが
できる。かかる可塑剤としては、例えば、フタル酸系可
塑剤、ポリエステル系可塑剤、トリメリット酸系可塑剤
等を挙げることができる。
【0034】(4)フタル酸系可塑剤 本発明にかかるフタル酸系可塑剤は、平均分子量が40
0〜480のものを用いることができる。分子量が40
0未満では、揮発性が高くなり、安定した耐久性を発揮
し難い。また、分子量が480を超えると、揮発性の問
題はないが、高価となり、添加に見合った耐候性が得ら
れ難い。さらに、415〜475の分子量のものが望ま
しい。
【0035】かかるフタル酸系可塑剤には、種々のもの
が含まれ、例えば、ジイソノニルフタレート(DIN
P)、ジウンデシルフタレート(DUP)、ジイソデシ
ルフタレート(DIDP)等からなる群より選ばれる少
なくとも1種を用いることができる。好ましくは、かか
るフタル酸系可塑剤は、前述の揮発性の問題から、DU
P又はDIDPである。
【0036】本発明では、かかるフタル酸系可塑剤は、
単独で、塩化ビニル樹脂100重量部に対して65重量
部以上添加することができる。添加部数を増やすことで
更に耐候性向上の効果が期待できる。
【0037】しかし、樹脂シートの加工性、得られる強
度、作業性等を考慮すると、塩化ビニル樹脂100重量
部に対して80重量部までの添加がよい。さらに、65
〜70重量部の添加が望ましい。
【0038】(5)ポリエステル系可塑剤又はトリメリ
ット酸系可塑剤 本発明にかかるポリエステル系可塑剤又はトリメリット
酸系可塑剤は種々の種類、分子量、品質等のものを用い
ることができる。
【0039】かかるポリエステル系可塑剤としては、ア
ジピン酸エステル(分子量MW:160〜5000)を
用いることができ、トリメリット酸系可塑剤としては、
トリメリット酸トリ2−エチルヘキシル、トリメリット
酸トリイソデシル、トリメリット酸トリノルマルオクチ
ル、トリメリット酸トリイソノニル等からなる群より選
ばれる少なくとも1種を用いることができる。
【0040】好ましくは、ポリエステル系可塑剤は、1
000〜3000の分子量のものである。分子量は、低
いと揮発し易く、高いと加工性が劣る。
【0041】本発明では、可塑剤のうちの5〜50重量
%にポリエステル系可塑剤及びトリメリット酸系可塑剤
からなる群より選ばれる少なくとも1種の可塑剤を使用
し、可塑剤のうちの50〜95重量%にフタル酸系可塑
剤を使用し、トータルの可塑剤添加量を塩化ビニル樹脂
100重量部に対して55〜80重量部とすることがで
きる。
【0042】これによって、軟質ポリ塩化ビニル系樹脂
シート表面に発生するクラックを抑制することが可能と
なり、劣化に伴う物性(伸び率)の低下も抑えることが
できる。
【0043】可塑剤中のポリエステル系可塑剤及びトリ
メリット酸系可塑剤からなる群より選ばれる少なくとも
1種の可塑剤の割合が、5重量%未満では、劣化後のシ
ート表面にクラックが発生し易くなり、他方、50重量
%を超えると、劣化後の伸び率が低下し易くなる。さら
に、20〜40重量%が望ましい。
【0044】また、トータルの可塑剤の添加量が、55
重量部未満では、劣化後の伸び率が低下し易くなり、他
方、80重量部を超えると、加工性や施工性を損なうこ
とになる。さらに、60〜70重量部が望ましい。
【0045】(6)安定剤 本発明では、種々の安定剤を添加することができる。か
かる安定剤には、熱安定剤、紫外線吸収剤等が含まれ
る。かかる安定剤としては、金属石鹸(例えば、ステア
リン酸亜鉛、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸マグ
ネシウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシ
ウム、リシノール酸カルシウム、ステアリン酸ストロン
チウム、ステアリン酸バリウム、ラウリン酸バリウム、
リシノール酸バリウム等)、有機スズ系安定剤(例え
ば、トリブチルスズ、トリオクチルスズ、ジブチルスズ
ジラウレート、ジブチルスズジステアレート、等)、そ
の他、エポキシ化合物(例えば、エポキシ化大豆油等、
有機亜リン酸エステル、フェノール誘導体、多価アルコ
ール含窒素化合物、含イオウ化合物、ケト化合物、サリ
チル酸エステル系安定剤、ベンゾフェノン系安定剤、ベ
ンゾトリアゾール系安定剤、シアノアクリレート、ニッ
ケル錯塩、ヒンダードアミン等からなる群より選ばれる
少なくとも1種を用いることができる。
【0046】可塑剤としてポリエステル系可塑剤を用い
る場合、安定剤として、金属石鹸(ステアリン酸リチウ
ム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウ
ム、ラウリン酸カルシウム、リシノール酸カルシウム、
ステアリン酸ストロンチウム、ステアリン酸バリウム、
ラウリン酸バリウム、リシノール酸バリウム等)、その
他、エポキシ化合物、有機亜リン酸エステル、フェノー
ル誘導体、多価アルコール含窒素化合物、含イオウ化合
物、ケト化合物、サリチル酸エステル系安定剤、ベンゾ
フェノン系安定剤、ベンゾトリアゾール系安定剤、シア
ノアクリレート、ニッケル錯塩、ヒンダードアミン等か
らなる群より選ばれる少なくとも1種を用いるのが好ま
しい。スズ系の安定剤(例えば、ジブチルスズラウレー
ト、ジオクチルスズラウレート等)は、ポリエステル系
可塑剤の分解が促進されることがあるので使用しないほ
うがよい。
【0047】また、複数層のシートを積層して構成され
る製品の場合、積層するシートの少なくとも1つのシー
トがポリエステル系可塑剤を含有するなら、他のシート
には上述のスズ系の安定剤を用いない方がよい。
【0048】本発明では、熱安定剤のエポキシ化合物
を、塩化ビニル樹脂100重量部に対して5〜15重量
部添加することができる。かかるエポキシ化合物は、可
塑剤兼安定剤として働き、軟質ポリ塩化ビニル系樹脂シ
ートの耐候性を著しく向上させる。
【0049】エポキシ化合物の添加量が、5重量部未満
では、樹脂シートの耐候性を向上させるのに十分でな
く、15重量部を超えると、ブリード等の問題が生じ易
く耐え難くなる。さらに、5〜10重量部が望ましい。
【0050】かかるエポキシ化合物としては、エポキシ
化大豆油、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジエステル、
ビスフェノールAジグリシジルエーテル、エポキシステ
アリン酸ブチル、エポキシステアリン酸オクチル、エポ
キシ化アマニ油脂肪酸ブチル、エポキシ化ポリブタジエ
ン等からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いるこ
とができる。
【0051】好ましくは、かかるエポキシ化合物は、エ
ポキシヘキサヒドロフタル酸ジエステル、ビスフェノー
ルAジグリシジルエーテルであり、これらは塩ビ樹脂と
の相溶性が良好で、ブリードし難い。
【0052】
【実施例】以下、本発明を、実施例及び比較例に基づい
て説明する。 1.試料作成 実施例1〜19の軟質ポリ塩化ビニル系樹脂シート及び
比較例1〜13の樹脂シートを、表1〜4に示すような
組成で、厚さ2.0mm×幅約300mm×長さ300
mmに成型した。成型にはプレス成型を用い、プレス温
度は180℃に設定した。
【0053】なお、実施例12〜16及び比較例8〜1
2では、2つの樹脂シート(予め、厚さ約1.0mm×
幅約300mm×長さ約300mmに成型したもの)を
積層し、改めて厚さ2.0mm×幅約300mm×長さ
約300mmになるように成型した。成型にはプレス成
型を用い、プレス温度は180℃に設定した。
【0054】これらのシートについて、以下に説明する
劣化試験を行い、その後の耐久性(伸び率の保持及び表
面クラックの有無)を評価した。
【0055】2.劣化試験 劣化試験は、JIS A 6008記載の方法によっ
た。 試験機:メタルウェザー(ダイプラウィンテス(株)
製) 条件:温度83℃、光量75mW、シャワー2分/12
0分 試験体:上記試料を幅50mm×長さ120mmに打ち
抜き、塩ビ鋼板に溶着して2方向拘束したもの
【0056】3.耐久性性能評価試験 (1)伸び率の測定 JIS A 6008記載の方法に従った。 試験機:テンソメーター(モンサント(株)製) 条件:温度0℃、引張速度200mm/分、 試験体:3号ダンベルにて打ち抜いたもの
【0057】(2)表面観察 観測:ルーペ、マイクロスコープ、電子顕微鏡 これらの結果を表1〜表4に示す。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
【表3】
【0061】
【表4】
【0062】表1に示すように、フタル酸系可塑剤の増
量によって、耐候性向上(伸び率の保持)効果が観察さ
れた。
【0063】また、表2に示すように、可塑剤の増量
と、フタル酸系可塑剤及びポリエステル系可塑剤の併用
により、耐候性向上(伸び率の保持及びクラックの抑
制)効果が観察された。
【0064】さらに、表3に示すように、製品の構成を
2層の積層シートに変更した場合、表層シートに依存し
て耐久性が向上した。
【0065】また、表4に示すように、エポキシ系安定
剤の増量によっても、耐久性向上の効果が観察された。
【0066】なお、実施例1〜19の軟質ポリ塩化ビニ
ル系樹脂シートは、いずれも低温時の柔軟性(50%モ
ジュラスの測定等)があり、作業性が著しく向上した。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
軟質ポリ塩化ビニル系樹脂シートの長期屋外使用におい
て、物性(伸び)の低下を遅延させることによって耐候
性を向上させ、或いは表面に発生するクラックを抑制
し、かかる樹脂シートの特徴である柔軟性を長期間保持
させることで、その寿命を延ばすことができる。
【0068】また、本発明によれば、所定の可塑剤の増
量によって軟質ポリ塩化ビニル系樹脂シートの柔軟性が
更に発揮され、加工性、作業性が改善される。可塑剤を
増量することで、軟質塩ビが更に柔軟になって、冬場等
の気温が低下した場合でも、柔軟性を保持し、充分な性
能、及び施工性を有する。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 63:00) (72)発明者 門田 文夫 広島県福山市箕島町南丘5351番地 早川ゴ ム株式会社内 (72)発明者 田中 秀夫 広島県福山市箕島町南丘5351番地 早川ゴ ム株式会社内 (72)発明者 内海 孝泰 広島県福山市箕島町南丘5351番地 早川ゴ ム株式会社内 Fターム(参考) 4F071 AA15X AA24 AA24X AA28X AA42 AC10 AE04 AF52 AF57 BA01 BB06 BC01 4F100 AH02A AK15A BA02 CA04A JA07A JK13A JL06 JL09 YY00A 4J002 BD041 BD061 BD081 BD091 CD012 CD022 CD052 CD062 CD182 EH086 EH136 EH146 FD026 FD082

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軟質ポリ塩化ビニル系樹脂シートであっ
    て、 塩化ビニル樹脂100重量部に対してフタル酸系可塑剤
    65〜80重量部が添加されており、前記フタル酸系可
    塑剤が400〜480の平均分子量を有することを特徴
    とする軟質ポリ塩化ビニル系樹脂シート。
  2. 【請求項2】 軟質ポリ塩化ビニル系樹脂シートであっ
    て、 塩化ビニル樹脂100重量部に対して可塑剤55〜80
    重量部が添加されており、前記可塑剤が、ポリエステル
    系可塑剤及びトリメリット酸系可塑剤からなる群より選
    ばれる少なくとも1種の可塑剤5〜50重量%とフタル
    酸系可塑剤50〜95重量%とを含有しており、前記フ
    タル酸系可塑剤が400〜480の平均分子量を有する
    ことを特徴とする軟質ポリ塩化ビニル系樹脂シート。
  3. 【請求項3】 軟質ポリ塩化ビニル系樹脂シートであっ
    て、 前記軟質ポリ塩化ビニル系樹脂シートが、2以上のシー
    トを積層することで形成されており、少なくとも最外層
    シートが請求項2記載の軟質ポリ塩化ビニル系樹脂シー
    トであることを特徴とする軟質ポリ塩化ビニル系樹脂シ
    ート。
  4. 【請求項4】 軟質ポリ塩化ビニル系樹脂シートであっ
    て、 塩化ビニル樹脂100重量部に対してエポキシ化合物3
    〜15重量部が添加されていることを特徴とする軟質ポ
    リ塩化ビニル系樹脂シート。
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Cited By (2)

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