JP2520345B2 - 軟質ポリ塩化ビニル樹脂系防水シ―ト - Google Patents

軟質ポリ塩化ビニル樹脂系防水シ―ト

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JP2520345B2
JP2520345B2 JP4111257A JP11125792A JP2520345B2 JP 2520345 B2 JP2520345 B2 JP 2520345B2 JP 4111257 A JP4111257 A JP 4111257A JP 11125792 A JP11125792 A JP 11125792A JP 2520345 B2 JP2520345 B2 JP 2520345B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、軟質ポリ塩化ビニル
樹脂系防水シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、住宅の高耐久化に伴って、その陸
屋根に張設される防水シートとしても、さらに一層の耐
久性の向上が求められる傾向にある。
【0003】従来、この種の防水シートとしては、最も
一般的には軟質ポリ塩化ビニル樹脂系防水シートが使用
されており、該防水シートは、ポリ塩化ビニル樹脂に可
塑剤を配合して、所要可撓性を付与するとともに、安定
剤、充填剤などを配合して、隠ぺい性、シート成形性お
よび耐候性等を付与したものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の軟質ポリ塩化ビ
ニル樹脂系防水シートには、亜鉛系安定剤または錫系安
定剤が配合されており、前者の亜鉛系安定剤、すなわち
バリウム−亜鉛系安定剤あるいはカルシウム−亜鉛系安
定剤の場合には、耐候性は向上するが、加熱して成形を
行なうと、加工時の耐熱性が劣り、このため使用量を制
限せざるを得ないという問題があった。
【0005】これに対して錫系安定剤の場合には、耐熱
性には、問題は無いが、加水分解を起こして、表面に吹
き出すいわゆるブリード現象が生じやすく、耐候性が劣
るという問題があった。
【0006】また従来の軟質ポリ塩化ビニル樹脂系防水
シートでは、いずれの場合も、これを長期間屋外で使用
すると、経時的に材質変化を起こし、柔軟性が損なわ
れ、かつ著しく機械的強度の低下傾向がみられた。この
ため、長期間の使用のうちに、温度変化による伸縮の繰
返し等によりシートにたるみやしわが発生し、局部的な
応力が生じて、亀裂の発生につながり、防水性が著しく
損なわれ、必ずしも耐久性の点で、充分満足の得られる
ものではないという問題があった。
【0007】この発明者らは、上記の点に鑑み鋭意研究
を重ねた結果、ポリ塩化ビニル樹脂に、特定の安定剤、
充填剤、および安定助剤を、所定の割合で配合すること
により、シート加工時の耐熱性と、耐候性および防水耐
久性とを改良し得ることを見い出し、この発明を完成し
た。
【0008】この発明の目的は、上記の従来技術の問題
を解決して、シート加工時の耐熱性と、耐候性および防
水耐久性とにすぐれた軟質ポリ塩化ビニル樹脂系防水シ
ートを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の目的
を達成するために、ポリ塩化ビニル樹脂100重量部
と、これに対して可塑剤40〜80重量部と、グリシン
亜鉛0.1〜5.0重量部と、有機リン酸エステル1.
0〜10.0重量部と、塩素法酸化チタン3.0〜1
5.0重量部とよりなることを特徴とする、軟質ポリ塩
化ビニル樹脂系防水シートを要旨としている。
【0010】上記ポリ塩化ビニル樹脂としては、塩化ビ
ニルの単量重合体、または塩化ビニルと、酢酸ビニル、
エチレン、またはプロピレン等との共重合体、およびこ
れらの2種以上の重合体の混合物などを使用する。
【0011】またポリ塩化ビニル樹脂に配合する可塑剤
としては、例えばDOP(ジオクチルフタレート)、D
BP(ジブチルフタレート)、DIBP(ジイソブチル
フタレート)、DHP(ジヘプチルフタレート)などの
ようなフタル酸エステル系、DOA(ジ−2−エチルヘ
キシルアジペート)、DIDA(ジイソデシルアジペー
ト)、DOS(ジ−2−エチルヘキシルセバセート)な
どのような脂肪族二塩基酸エステル系、エチレングリコ
ールのベンゾエート類などのような芳香族カルボン酸エ
ステル系、またはTOTM(トリオクチルトリメリテー
ト)などのようなトリメリット酸エステル系などを使用
する。
【0012】上記グリシン亜鉛は、安定剤として作用す
るものであり、これらは、例えばつぎの2つの方法によ
りつくられる。
【0013】まずグリシンを水に所定量分散溶解させた
水溶液をつくる。この分散水溶液に濃厚な苛性ソーダ水
溶液を添加し、50〜60℃に加熱して、グリシン・ナ
トリウムを形成する。つぎにこの水溶液に硫酸亜鉛の水
溶液を徐々に滴下しつつ、攪拌下で複分解を促して、グ
リシン亜鉛を生成させる。その後、エタノールを加え
て、芒硝を晶出せしめ、濾過分離し、濾液を乾燥して、
グリシン亜鉛の粉末を得る。
【0014】またいま1つの方法は、グリシンの水溶液
を攪拌しながらこれに酸化亜鉛を添加し、70〜80℃
で数時間保持した後、乾燥して、グリシン亜鉛の粉末を
得る。
【0015】上記有機リン酸エステルは、安定助剤とし
て作用するものであり、これには、例えばリン酸トリク
レジル(TCP)、リン酸トリキシリル(TXP)、リ
ン酸トリブチル(TBP)、リン酸トリ−2−エチルヘ
キシル、リン酸2−エチルヘキシル・ジフェニルなどが
あげられる。
【0016】またポリ塩化ビニル樹脂に配合する充填剤
は、主として防水シートに下地隠ぺい性を付与するもの
であり、この発明では、ルチル型酸化チタン、とりわけ
塩素法酸化チタンを選択使用する。
【0017】このように、充填剤として塩素法酸化チタ
ンを選択し、その他の硫酸法酸化チタン、あるいは炭酸
カルシウムを充填剤として使用しないのは、つぎの理由
による。
【0018】すなわち、硫酸法酸化チタンの場合は、そ
の製法上、酸化チタン成分に若干の鉄成分が含まれ、酸
化反応により酸化鉄が生成し、これにより、ポリ塩化ビ
ニル樹脂の劣化が促進され、色調の低下および柔軟性の
低下の原因となるので、好ましくない。
【0019】また、炭酸カルシウムの場合は、酸化チタ
ンに比べて10分の1程度の下地隠ぺい性を有するのみ
であるため、使用量を多くする必要があるし、また空気
中の酸成分によって溶出される欠点があり、耐候性に劣
るので、好ましくない。
【0020】これに対し、塩素法酸化チタンは、その純
度が高く、鉄成分の混入が非常に少なく、ポリ塩化ビニ
ル樹脂の経時劣化を防止し得るとともに、優れた下地隠
ぺい性を有し、さらに空気中の酸成分によって溶出され
るおそれもなく、耐候性にすぐれている。
【0021】そして、上記成分の配合割合は、ポリ塩化
ビニル樹脂100重量部に対して、可塑剤40〜80重
量部、好ましくは50〜70重量部、グリシン亜鉛0.
1〜5.0重量部、好ましくは0.5〜3.0重量部、
有機リン酸エステル1.0〜10.0重量部、好ましく
は3.0〜7.0重量部、塩素法酸化チタン3.0〜1
5.0重量部、好ましくは5.0〜10.0重量部であ
る。
【0022】ここで、ポリ塩化ビニル樹脂100重量部
に対して、可塑剤が40重量部未満であれば、防水シー
トに充分な柔軟性が得られず、防水シートの基準を示す
JISA6009に準拠しない。また80重量部を越え
ると、伸びが大きく、やはりJISA6009に準拠し
ないばかりか、それ以上添加してもポリ塩化ビニル樹脂
の可塑化の効果が得られず、また経済的でないので、好
ましくない。
【0023】またグリシン亜鉛よりなる安定剤が0.1
重量部未満であれば、添加量が少なすぎて、耐熱性と耐
候性の向上の効果が現われず、好ましくない。また5.
0重量部を越えると、いわゆるポーラスとなり、耐候性
が低下するとともに、それ以上添加しても効果がなく、
かつ安定剤の添加量が多すぎると、経済的でないので、
好ましくない。
【0024】また有機リン酸エステルよりなる安定助剤
が1.0重量部未満であれば、添加量が少なすぎて、耐
候性の向上の効果が現われず、好ましくない。また1
0.0重量部を越えると、耐候性は向上するが、耐熱性
と耐寒性が低下するとともに、それ以上添加しても効果
がないばかりか、添加量が多くなりすぎて、経済的でな
く、好ましくない。
【0025】さらに塩素法酸化チタンよりなる充填剤が
3.0重量部未満であれば、下地の隠ぺい性が悪く、表
面層に経時的に変色や亀裂が生じやすくなるので、好ま
しくない。また塩素法酸化チタンよりなる充填剤が1
5.0重量部を越えると、シート内部がポーラスにな
り、初期物性が低下したり、可塑剤、安定剤の拡散効果
が大きくなって、ブリードが生じやすくなり、長期にわ
たり初期物性の維持ができないので、好ましくない。
【0026】上記軟質ポリ塩化ビニル樹脂系防水シート
を構成する材料成分の配合方法としては、一般に知られ
ている配合手段を利用すれば良く、また配合物のシーテ
ィング方法も、通常のロールあるいは押出しによるシー
ティング操作によれば良い。
【0027】なお、この発明による軟質ポリ塩化ビニル
樹脂系防水シートには、通常、軟質ポリ塩化ビニル樹脂
に添加される紫外線吸収剤、着色剤、滑剤等を添加して
も、勿論良い。
【0028】
【作用】この発明の上記軟質ポリ塩化ビニル樹脂系防水
シートは、ポリ塩化ビニル樹脂に可塑剤を添加すること
により、防水シートに充分な柔軟性を付与し得ること
は、勿論、安定剤としてグリシン亜鉛を添加することに
より、防水シートの耐熱性と耐候性を向上することがで
きる。また安定助剤として有機リン酸エステルを添加す
ることにより、耐候性を向上するとともに、耐熱性と耐
寒性が低下するようなことがない。さらに、充填剤とし
て塩素法酸化チタンを添加することにより、塩素法酸化
チタンは、その純度が高く、すぐれた下地隠ぺい性を有
するとともに、ポリ塩化ビニル樹脂の経時劣化を防止し
得て、長期にわたり防水シートの初期物性を維持するこ
とができ、耐候性を向上することができる。従って防水
シートの柔軟性が損なわれず、かつ機械的強度の低下が
少なく、防水シートに、たるみやしわが生じたり、ある
いは亀裂が生じたりすることなく、すぐれた防水性能を
長期間維持することができる。
【0029】なお、この発明による防水シートは、例え
ばテトラヒドロフラン(THF)のような溶剤型の接着
剤を用いて接合することができるため、非常に接合力が
大きく、長期間熱水浸漬を行なっても接合力が低下する
ことなく、耐久性にすぐれているものである。
【0030】
【実施例】つぎに、この発明の実施例を比較例とともに
説明する 実施例1〜7および比較例1〜13 ポリ塩化ビニルの単量重合体100重量部に、表1に示
す構成成分をそれぞれの割合で配合し、ヘンシェル・ミ
キサーでドライブレンドしたのち、常法に従った押出成
形法により厚さ1.3mmの本発明による各種の軟質ポリ
塩化ビニル樹脂系防水シートを製造した。
【0031】ここで、実施例および比較例における各成
分の材料としては、つぎのものを使用した。
【0032】ポリ塩化ビニル樹脂粉末:商品名スミリッ
トSX−7GL、住友化学株式会社製、重合度700 可塑剤:DOP(ジオクチルフタレート)、東邦理化株
式会社製 安定剤:グリシン亜鉛、商品名NX−176、日産フェ
ロ有機化学株式会社製 安定助剤:有機リン酸エステル リン酸トリクレジル(TCP)、株式会社 大八化学
工業所製 リン酸トリキシリル(TXP)、株式会社 大八化学
工業所製 充填剤:塩素法酸化チタン(商品名タイペークCR−6
0、石原産業株式会社製) 比較用安定剤:一般Ba−Zn液状 MARK AC−
167、旭電化工業株式会社製 (有機酸Ba塩/有機酸Zn塩の混合液系安定剤) 一般Ba−Zn粉状 Ba−St・Zn−St、勝田化
工株式会社製 (ステアリン酸Ba・ステアリン酸Znの粉状混合物系
安定剤) ジブチル錫マレエート、商品名RC−40F、三共有機
合成株式会社製 比較用充填剤:硫酸法酸化チタン(商品名タイペークR
−670、石原産業株式会社製) 上記において、実施例1〜7がこの発明による軟質ポリ
塩化ビニル樹脂系防水シートである。
【0033】比較例1〜4は、安定剤および充填剤が、
この発明のものとは異なる種類のものを使用した比較の
ための防水シートである。
【0034】比較例5と6は、可塑剤の使用範囲を、こ
の発明のものとは異なるようにした比較のための防水シ
ートである。
【0035】比較例7と8は、充填剤である塩素法酸化
チタンが、この発明の使用範囲とは異なるものである比
較のための防水シートである。
【0036】比較例9〜11は、有機リン酸エステル
が、この発明の使用範囲とは異なるものである比較のた
めの防水シートである。
【0037】比較例12と13は、グリシン亜鉛が、こ
の発明の使用範囲とは異なるものである比較のための防
水シートである。
【0038】性能比較試験 つぎに、上記実施例および比較例における配合に基づ
き、得られた各種軟質ポリ塩化ビニル樹脂系防水シート
の試料につき、下記の試験方法により、初期物性(伸び
率)、耐熱性、耐候性−残存伸び率、および耐候性−外
観状態(表面劣化状態)を調べた。得られた結果を下表
にまとめて示した。
【0039】ここで、初期物性は、JIS A6009
に準拠し、初期伸び率(%)を測定した。
【0040】耐熱性は、ラボプラストミル(東洋精機株
式会社製)を使用して測定し、トルクの急上昇した時間
を、分解時間(分)とした。
【0041】なお、測定条件は、充填量:75g、回転
数:120rpm、温度:200℃、および予熱時間:
3分、とした。
【0042】耐候性−残存伸び率(%)は、スーパー・
ロングライフ・サンシャイン・ウエザーメーター(スガ
試験機株式会社製)を使用し、18分/2時間の一定間
隔毎の降雨のもとで、6000時間経過した後の残存伸
び率(%)を測定した。
【0043】耐候性−外観状態は、EMMAQUA試験
(太陽集光方式、米国アリゾナ州、DSET社製)によ
り10カ月間、テストした後の表面状態を観察し、それ
ぞれつぎの記号で記載した。
【0044】○:変化なし、△:わずかにクラックおよ
び変色が認められたもの、×:クラックおよび変色が大
きいもの。
【0045】
【表1】 上記の表の結果から分かるように、この発明の実施例1
〜7において得られた軟質ポリ塩化ビニル樹脂系防水シ
ートは、シート加工時の耐熱性と、耐候性および防水耐
久性とにすぐれているものである。
【0046】これに対し、比較例によって得られた従来
の防水シートのうち、安定剤として一般Ba−Zn(液
状)を用いた比較例1の防水シートでは、耐熱性が劣
り、また太陽集光方式の耐候性テストにおいてクラック
が生じ、かつ著しい変色が認められた。
【0047】また、安定剤として一般Ba−Zn(粉
状)を用いた比較例2の防水シートでは、耐熱性が劣
り、またサンシャイン・W・Mによる耐候性テストにお
いて残存伸び率が小さいものであるとともに、太陽集光
方式の耐候性テストにおいてクラックが生じ、また著し
い変色が認められた。
【0048】また、安定剤としてジブチル錫マレエート
を用いた比較例3の防水シートでは、サンシャイン・W
・Mによる耐候性テストにおいて残存伸び率が小さいも
のであるとともに、太陽集光方式の耐候性テストにおい
てクラックが生じ、また変色が認められた。
【0049】また、充填剤として硫酸法酸化チタンを用
いた比較例4の防水シートでは、耐熱性およびサンシャ
イン・W・Mによる耐候性テストの残存伸び率では、さ
ほど問題はないが、太陽集光方式の耐候性テストにおい
てわずかにクラックおよび変色が認められた。
【0050】つぎに、可塑剤の使用範囲を、この発明の
ものより少なくした比較例5の防水シートでは、充分な
柔軟性が得られず、耐熱性、耐候性、および防水耐久性
が、いずれも劣るものであった。
【0051】これに対し、可塑剤の使用範囲を、この発
明のものより多くした比較例6の防水シートでは、伸び
が非常に大きく、サンシャイン・W・Mによる耐候性テ
ストの残存伸び率が著しく大きいばかりか、太陽集光方
式の耐候性テストにおいてもわずかにクラックおよび変
色が認められた。
【0052】また、充填剤である塩素法酸化チタンの使
用範囲を、この発明のものより少なくした比較例7の防
水シートでは、下地の隠ぺい性が悪く、表面層に経時的
に変色や亀裂が生じやすく、耐候性、および防水耐久性
が、いずれも劣るものであった。
【0053】これに対し、塩素法酸化チタンの使用範囲
を、この発明のものより多くした比較例8の防水シート
では、初期伸び率が小さく、また耐熱性が劣るものであ
るとともに、太陽集光方式の耐候性テストにおいてもわ
ずかにクラックおよび変色が認められた。
【0054】また、安定助剤である有機リン酸エステル
を使用しないか、またはその使用範囲をこの発明のもの
より少なくした比較例9と10の防水シートでは、耐熱
性が劣るとともに、耐候性および防水耐久性も劣ってい
た。
【0055】これに対し、有機リン酸エステルの使用範
囲を、この発明のものより多くした比較例11の防水シ
ートでは、耐熱性が劣り、また太陽集光方式の耐候性テ
ストにおいてわずかにクラックの発生および変色が認め
られた。
【0056】さらに、安定剤であるグリシン亜鉛の使用
範囲を、この発明のものより少なくした比較例12の防
水シートでは、耐熱性と耐候性がいずれも劣るものであ
った。
【0057】これに対し、グリシン亜鉛の使用範囲を、
この発明のものより多くした比較例13の防水シートで
は、ポーラスとなり、耐候性が低下した。
【0058】
【発明の効果】この発明による軟質ポリ塩化ビニル樹脂
系防水シートは、上述のように、ポリ塩化ビニル樹脂1
00重量部と、これに対して可塑剤40〜80重量部
と、グリシン亜鉛0.1〜5.0重量部と、有機リン酸
エステル1.0〜10.0重量部と、塩素法酸化チタン
3.0〜15.0重量部とよりなるもので、ポリ塩化ビ
ニル樹脂に可塑剤を添加することにより、防水シートに
充分な柔軟性を付与し得ることは、勿論、安定剤として
グリシン亜鉛を所定の割合で添加することにより、防水
シートの耐熱性と耐候性を向上することができる。また
安定助剤として有機リン酸エステルを所定の割合で添加
することにより、耐候性を向上するとともに、耐熱性と
耐寒性が低下するようなことがない。さらに、充填剤と
して塩素法酸化チタンを所定の割合で添加することによ
り、塩素法酸化チタンは、その純度が高く、すぐれた下
地隠ぺい性を有するとともに、ポリ塩化ビニル樹脂の経
時劣化を防止し得て、長期にわたり防水シートの初期物
性を維持することができ、耐候性を向上することができ
る。従って防水シートの柔軟性が損なわれず、かつ機械
的強度の低下が少なく、防水シートに、たるみやしわが
生じたり、あるいは亀裂が生じたりすることなく、すぐ
れた防水性能を長期間維持することができるという効果
を奏する。
【0059】また、この発明による軟質ポリ塩化ビニル
樹脂系防水シートは、例えばテトラヒドロフラン(TH
F)のような溶剤型の接着剤を用いて接合することがで
きるため、非常に接合力が大きく、長期間熱水浸漬を行
なっても接合力が低下することなく、耐久性にすぐれて
いるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 E04D 5/10 E04D 5/10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリ塩化ビニル樹脂100重量部と、こ
    れに対して可塑剤40〜80重量部と、グリシン亜鉛
    0.1〜5.0重量部と、有機リン酸エステル1.0〜
    10.0重量部と、塩素法酸化チタン3.0〜15.0
    重量部とよりなることを特徴とする、軟質ポリ塩化ビニ
    ル樹脂系防水シート。
JP4111257A 1992-04-30 1992-04-30 軟質ポリ塩化ビニル樹脂系防水シ―ト Expired - Lifetime JP2520345B2 (ja)

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