JP2003073466A - ポリブチレンテレフタレートの製造法 - Google Patents
ポリブチレンテレフタレートの製造法Info
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- JP2003073466A JP2003073466A JP2002143931A JP2002143931A JP2003073466A JP 2003073466 A JP2003073466 A JP 2003073466A JP 2002143931 A JP2002143931 A JP 2002143931A JP 2002143931 A JP2002143931 A JP 2002143931A JP 2003073466 A JP2003073466 A JP 2003073466A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】本発明は、異物の発生を防止することはもちろ
ん、ポリマー中の異物量の少ない上に、生産性の高いP
BTの製造法を提供せんとするものである。 【解決手段】本発明はのPBTの製造法は、テレフタル
酸を主成分とするジカルボン酸と1,4ブタンジオール
を主成分とするジオールとから、ポリブチレンテレフタ
レートを製造するに際し、該重縮合反応を有機チタン化
合物とリン化合物との存在下で行い、かつ、該リン化合
物の添加手段として、リン化合物を含有する1,4ブタ
ンジオール溶液及びその投入口までの仕込みラインを2
0℃〜50℃に制御した上で、ビスヒドロキシテレフタ
レートもしくはその低重合体を含む反応系に添加する手
段を採用することを特徴とするものである。
ん、ポリマー中の異物量の少ない上に、生産性の高いP
BTの製造法を提供せんとするものである。 【解決手段】本発明はのPBTの製造法は、テレフタル
酸を主成分とするジカルボン酸と1,4ブタンジオール
を主成分とするジオールとから、ポリブチレンテレフタ
レートを製造するに際し、該重縮合反応を有機チタン化
合物とリン化合物との存在下で行い、かつ、該リン化合
物の添加手段として、リン化合物を含有する1,4ブタ
ンジオール溶液及びその投入口までの仕込みラインを2
0℃〜50℃に制御した上で、ビスヒドロキシテレフタ
レートもしくはその低重合体を含む反応系に添加する手
段を採用することを特徴とするものである。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、安定して優れた品
質を維持しながら、生産性高く、重縮合することができ
るポリブチレンテレフタレートの製造法に関するもので
ある。
質を維持しながら、生産性高く、重縮合することができ
るポリブチレンテレフタレートの製造法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来からポリブチレンテレフタレート
(以下PBTと称する)は、優れた成形性や耐熱性、機
械的性質、耐薬品性などを有しているため、電気部品や
自動車部品などの成形材料として、またソフト性やスト
レッチ性を生かして繊維、フィルム用としても広く用い
られている。
(以下PBTと称する)は、優れた成形性や耐熱性、機
械的性質、耐薬品性などを有しているため、電気部品や
自動車部品などの成形材料として、またソフト性やスト
レッチ性を生かして繊維、フィルム用としても広く用い
られている。
【0003】成型品用としてPBTを使用する場合に
は、PBTの色調及び耐熱性が成型加工性や製品の外
観、品質、性能に影響を及ぼすため、これらの性能によ
り優れたものが要求され、またPBT中の異物の存在
は、成型品の外観を著しく損ねると同時に成型品の強度
的欠陥の原因となったり、経時的な劣化の原因になる。
は、PBTの色調及び耐熱性が成型加工性や製品の外
観、品質、性能に影響を及ぼすため、これらの性能によ
り優れたものが要求され、またPBT中の異物の存在
は、成型品の外観を著しく損ねると同時に成型品の強度
的欠陥の原因となったり、経時的な劣化の原因になる。
【0004】PBT製造における直接重合法は、品質の
安定したポリマーが得られることから有用な方法であ
り、まず、特開昭52−141860号公報、特開昭5
2−142796号公報、特開昭52−35294号公
報には、リン化合物を添加させた後、重縮合反応させる
方法が提案されており、また、特開昭53−14139
3号公報には、特定の有機錫化合物9種のうち1種以上
存在下エステル化反応を行い、リン化合物添加後重縮合
反応させる方法が提案されており、また、特開昭55−
78018号公報には、有機チタン化合物及びリン化合
物の添加時期、添加投入口を別々にするPBTの重縮合
方法が提案されている。
安定したポリマーが得られることから有用な方法であ
り、まず、特開昭52−141860号公報、特開昭5
2−142796号公報、特開昭52−35294号公
報には、リン化合物を添加させた後、重縮合反応させる
方法が提案されており、また、特開昭53−14139
3号公報には、特定の有機錫化合物9種のうち1種以上
存在下エステル化反応を行い、リン化合物添加後重縮合
反応させる方法が提案されており、また、特開昭55−
78018号公報には、有機チタン化合物及びリン化合
物の添加時期、添加投入口を別々にするPBTの重縮合
方法が提案されている。
【0005】これらの技術は、いずれも回分式で行われ
ており、連続生産が短い場合には有効である。通常、リ
ン化合物溶液調整槽は、溶解性をよくするために、80
〜100℃で制御され、添加ラインは冷媒及び熱媒で制
御されることなく、添加口については、反応系のベーパ
ーや伝熱により温度が100℃以上になるという問題が
あり、連続式及び長期連続生産の際には、反応系内の異
物が蓄積されるという問題があった。
ており、連続生産が短い場合には有効である。通常、リ
ン化合物溶液調整槽は、溶解性をよくするために、80
〜100℃で制御され、添加ラインは冷媒及び熱媒で制
御されることなく、添加口については、反応系のベーパ
ーや伝熱により温度が100℃以上になるという問題が
あり、連続式及び長期連続生産の際には、反応系内の異
物が蓄積されるという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】かかるリン化合物は、
実用過程、つまり重縮合工程において、異物を形成し、
長期連続生産の上で品質面、操業性に重大な欠点を有す
ることがわかった。
実用過程、つまり重縮合工程において、異物を形成し、
長期連続生産の上で品質面、操業性に重大な欠点を有す
ることがわかった。
【0007】すなわち、前記のリン化合物の異物生成メ
カニズムとしては、リン化合物を含有する1,4ブタン
ジオール溶液及びその投入口までの仕込みライン温度に
より熱変性を受け黒色異物を形成する。製品ポリエステ
ルとして異物が含有していないことは重要なことであ
る、というのも、異物はビスヒドロキシテレフタレート
(BHT)フィルター目詰まりや口金フィルター目詰ま
りをはやめ、操業性を低下させたり、延伸時の単糸切れ
を多発せしめ、フィルム製造時には、フィッシュアイ生
成の原因となるからである。勿論、品質面においても、
これらの異物が混入することは、色調、耐熱性、樹脂靭
性の面で製品価値を下げるという問題がある。
カニズムとしては、リン化合物を含有する1,4ブタン
ジオール溶液及びその投入口までの仕込みライン温度に
より熱変性を受け黒色異物を形成する。製品ポリエステ
ルとして異物が含有していないことは重要なことであ
る、というのも、異物はビスヒドロキシテレフタレート
(BHT)フィルター目詰まりや口金フィルター目詰ま
りをはやめ、操業性を低下させたり、延伸時の単糸切れ
を多発せしめ、フィルム製造時には、フィッシュアイ生
成の原因となるからである。勿論、品質面においても、
これらの異物が混入することは、色調、耐熱性、樹脂靭
性の面で製品価値を下げるという問題がある。
【0008】本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、
異物の発生を防止することはもちろん、ポリマー中の異
物量の少ない上に、生産性の高いPBTの製造法を提供
せんとするものである。
異物の発生を防止することはもちろん、ポリマー中の異
物量の少ない上に、生産性の高いPBTの製造法を提供
せんとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために、次のような手段を採用するものであ
る。すなわち、本発明のPBTの製造法は、テレフタル
酸を主成分とするジカルボン酸と1,4ブタンジオール
を主成分とするジオールとを、回分式または連続式によ
り、エステル化反応をさせ、次いで重縮合反応すること
によりポリブチレンテレフタレートを製造するに際し、
該重縮合反応を有機チタン化合物とリン化合物との存在
下で行い、かつ、該リン化合物の添加手段として、リン
化合物を含有する1,4ブタンジオール溶液及びその投
入口までの仕込みラインを20℃〜50℃に制御した上
で、ビスヒドロキシテレフタレートもしくはその低重合
体を含む反応系に添加する手段を採用することを特徴と
するものである。
解決するために、次のような手段を採用するものであ
る。すなわち、本発明のPBTの製造法は、テレフタル
酸を主成分とするジカルボン酸と1,4ブタンジオール
を主成分とするジオールとを、回分式または連続式によ
り、エステル化反応をさせ、次いで重縮合反応すること
によりポリブチレンテレフタレートを製造するに際し、
該重縮合反応を有機チタン化合物とリン化合物との存在
下で行い、かつ、該リン化合物の添加手段として、リン
化合物を含有する1,4ブタンジオール溶液及びその投
入口までの仕込みラインを20℃〜50℃に制御した上
で、ビスヒドロキシテレフタレートもしくはその低重合
体を含む反応系に添加する手段を採用することを特徴と
するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、前記課題、つまり異物
の発生を防止することはもちろん、ポリマー中の異物量
の少ない上に、生産性の高いPBTの製造法について、
鋭意検討し、重縮合反応を有機チタン化合物とリン化合
物との存在下で行うときに、特定な温度に制御されたラ
インとした上で、反応系に、該リン化合物を添加してみ
たところ、かかる課題を一挙に解決することを究明した
ものである。
の発生を防止することはもちろん、ポリマー中の異物量
の少ない上に、生産性の高いPBTの製造法について、
鋭意検討し、重縮合反応を有機チタン化合物とリン化合
物との存在下で行うときに、特定な温度に制御されたラ
インとした上で、反応系に、該リン化合物を添加してみ
たところ、かかる課題を一挙に解決することを究明した
ものである。
【0011】本発明のPBTは、テレフタル酸を主成分
とするジカルボン酸と1,4ブタンジオールとを有機チ
タン化合物と有機スズ化合物をエステル化触媒として添
加し、回分式又は連続式にエステル化反応させ、エステ
ル化反応完結後、熱安定剤としてリン酸、及び重縮合触
媒として有機チタン化合物を、それぞれ添加して、次い
で重縮合反応させることにより製造されるものである。
とするジカルボン酸と1,4ブタンジオールとを有機チ
タン化合物と有機スズ化合物をエステル化触媒として添
加し、回分式又は連続式にエステル化反応させ、エステ
ル化反応完結後、熱安定剤としてリン酸、及び重縮合触
媒として有機チタン化合物を、それぞれ添加して、次い
で重縮合反応させることにより製造されるものである。
【0012】本発明に係るPBTとは、主たるジカルボ
ン酸成分としてテレフタル酸を用い、主たるグリコール
成分として1,4ブタンジオール(以下、単にBGとい
う)を用いた、主鎖にエステル結合を有する高分子量の
熱可塑性ポリエステルを指すが、その他の酸成分とし
て、イソフタル酸、オルトフタル酸、ナフタレンジカル
ボン酸、シュウ酸、アジピン酸、1,4シクロヘキサン
ジカルボン酸などを、また、その他グリコール成分とし
てエチレングリコール、プロピレングリコール、1,6
−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノ
ール、ビスフェノールA、ポリエチレングリコール、ポ
リプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコー
ルなどを用いることもできる。
ン酸成分としてテレフタル酸を用い、主たるグリコール
成分として1,4ブタンジオール(以下、単にBGとい
う)を用いた、主鎖にエステル結合を有する高分子量の
熱可塑性ポリエステルを指すが、その他の酸成分とし
て、イソフタル酸、オルトフタル酸、ナフタレンジカル
ボン酸、シュウ酸、アジピン酸、1,4シクロヘキサン
ジカルボン酸などを、また、その他グリコール成分とし
てエチレングリコール、プロピレングリコール、1,6
−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノ
ール、ビスフェノールA、ポリエチレングリコール、ポ
リプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコー
ルなどを用いることもできる。
【0013】これらの共重合成分はそれぞれ、テレフタ
ル酸または1,4ブタンジオールに対して40モル%以
下であることが好ましい。
ル酸または1,4ブタンジオールに対して40モル%以
下であることが好ましい。
【0014】本発明で用いることができる該リン化合物
は、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ピロリン酸、リン
酸トリアミド、リン酸モノアンモニウム、リン酸トリメ
チル、リン酸ジメチル、リン酸ジフェニル、リン酸トリ
フェニル、亜リン酸ジフェニル、亜リン酸トリフェニ
ル、ホスホン酸ジメチルフェニル等があり、その中でも
リン酸が特に好ましく使用される。これらのリン化合物
は、1種または2種以上を添加することができ、添加に
よりポリマー色調改善や耐熱性に著しい効果がある。
は、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ピロリン酸、リン
酸トリアミド、リン酸モノアンモニウム、リン酸トリメ
チル、リン酸ジメチル、リン酸ジフェニル、リン酸トリ
フェニル、亜リン酸ジフェニル、亜リン酸トリフェニ
ル、ホスホン酸ジメチルフェニル等があり、その中でも
リン酸が特に好ましく使用される。これらのリン化合物
は、1種または2種以上を添加することができ、添加に
よりポリマー色調改善や耐熱性に著しい効果がある。
【0015】また、該リン化合物は、少なくとも5.0
重量%、好ましくは10.0重量%以上の高濃度BG溶
液乃至100%リン化合物を用いるのがよく、5.0重
量%より低濃度のリン化合物を含む溶液は重合反応性が
悪化し、重合時間が遅延してくる。
重量%、好ましくは10.0重量%以上の高濃度BG溶
液乃至100%リン化合物を用いるのがよく、5.0重
量%より低濃度のリン化合物を含む溶液は重合反応性が
悪化し、重合時間が遅延してくる。
【0016】本発明で用いられる有機チタン化合物は、
下記一般式で表されるチタン酸エステルおよび縮合物で
代表される。
下記一般式で表されるチタン酸エステルおよび縮合物で
代表される。
【0017】(R1O)nTi(OR2)4-n
(但し、R1、R2は炭素数1〜10の脂肪族、脂環族ま
たは芳香族の炭化水素基、nは0〜4の数字(小数を含
む)である。) 具体的には、チタン酸のメチルエステル、テトラ−n−
プロピルエステル、テトライソプロピルエステル、テト
ライソブチルエステル、テトラ−tert−ブチルエステ
ル、シクロへキシルエステル、フェニルエステル、ベン
ジルエステル、トリルエステル、あるいはこれらの混合
エステルなどが使用される。これらのうちでも、チタン
酸のテトラ−n−プロピルエステル、テトラ−n−ブチ
ルエステル、テトライソプロピルエステルなどが好まし
く、特にチタン酸のテトラ−n−ブチルエステルが好ま
しく使用される。
たは芳香族の炭化水素基、nは0〜4の数字(小数を含
む)である。) 具体的には、チタン酸のメチルエステル、テトラ−n−
プロピルエステル、テトライソプロピルエステル、テト
ライソブチルエステル、テトラ−tert−ブチルエステ
ル、シクロへキシルエステル、フェニルエステル、ベン
ジルエステル、トリルエステル、あるいはこれらの混合
エステルなどが使用される。これらのうちでも、チタン
酸のテトラ−n−プロピルエステル、テトラ−n−ブチ
ルエステル、テトライソプロピルエステルなどが好まし
く、特にチタン酸のテトラ−n−ブチルエステルが好ま
しく使用される。
【0018】これらの有機チタン化合物は一種でもよ
く、二種以上を併用することもできる。また、有機チタ
ンの化合物の添加量は少なくとも、ジカルボン酸成分に
対して0.01モル%以上であることが好ましい。
く、二種以上を併用することもできる。また、有機チタ
ンの化合物の添加量は少なくとも、ジカルボン酸成分に
対して0.01モル%以上であることが好ましい。
【0019】該リン化合物を含有するBG溶液及びその
投入口までの仕込みラインは20℃〜50℃の範囲が好
ましく、30℃〜40℃が更に好ましい。温度が20℃
より小さいと、1,4ブタンジオールが凍結し、輸送ラ
インに移液不良の問題が生じ、50℃より高くなるにつ
れて、リン化合物の熱履歴により、微細な黒色異物を形
成し、特に重縮合反応器の該リン化合物投入口付近は、
反応系のベーパーや伝熱により、温度が100℃以上と
高くなっており、添加口では、異物形成が盛んに起き
る。また送液ポンプなどで移液する際は、ポンプ付近で
80℃まで温度が高くなることがあり、ここでもリン化
合物が熱履歴を受けることにより、黒色異物を形成する
ことがある。したがって、該リン化合物を含有するBG
溶液及びその投入口までの仕込みライン添加口と有機チ
タン化合物仕込みライン添加口が別々になっていること
が好ましい。
投入口までの仕込みラインは20℃〜50℃の範囲が好
ましく、30℃〜40℃が更に好ましい。温度が20℃
より小さいと、1,4ブタンジオールが凍結し、輸送ラ
インに移液不良の問題が生じ、50℃より高くなるにつ
れて、リン化合物の熱履歴により、微細な黒色異物を形
成し、特に重縮合反応器の該リン化合物投入口付近は、
反応系のベーパーや伝熱により、温度が100℃以上と
高くなっており、添加口では、異物形成が盛んに起き
る。また送液ポンプなどで移液する際は、ポンプ付近で
80℃まで温度が高くなることがあり、ここでもリン化
合物が熱履歴を受けることにより、黒色異物を形成する
ことがある。したがって、該リン化合物を含有するBG
溶液及びその投入口までの仕込みライン添加口と有機チ
タン化合物仕込みライン添加口が別々になっていること
が好ましい。
【0020】本発明において、上記の如く、該リン化合
物を含有するBG溶液及びその投入口までの仕込みライ
ンは20℃〜50℃の範囲を得るには、該リン化合物を
含有するBG溶液の調整槽及び調整槽からの移液配管ラ
イン及び反応缶仕込み口までの添加ラインを、冷媒によ
り20℃〜50℃で制御させることにより得ることがで
きる。
物を含有するBG溶液及びその投入口までの仕込みライ
ンは20℃〜50℃の範囲を得るには、該リン化合物を
含有するBG溶液の調整槽及び調整槽からの移液配管ラ
イン及び反応缶仕込み口までの添加ラインを、冷媒によ
り20℃〜50℃で制御させることにより得ることがで
きる。
【0021】本発明によるエステル化工程触媒として
は、特に限定するものではなく、有機チタン化合物また
は有機スズ化合物どちらか片方でもよいが、併用するこ
とが好ましく、併用することにより、エステル化工程に
おける反応率を高め、後工程におけるヘイズ抑制を図る
ために好ましい。その添加量は、生成するPBT100
重量部に対して0.01〜0.14重量部が好ましく、
更に0.02〜0.09重量部が好ましい。
は、特に限定するものではなく、有機チタン化合物また
は有機スズ化合物どちらか片方でもよいが、併用するこ
とが好ましく、併用することにより、エステル化工程に
おける反応率を高め、後工程におけるヘイズ抑制を図る
ために好ましい。その添加量は、生成するPBT100
重量部に対して0.01〜0.14重量部が好ましく、
更に0.02〜0.09重量部が好ましい。
【0022】本発明で用いることができる有機スズ化合
物は、下記一般式で表される化合物及び縮合体で代表さ
れる。
物は、下記一般式で表される化合物及び縮合体で代表さ
れる。
【0023】
【化1】
【0024】(但し、Rはアルキル基またはアリール
基、X1〜X4はアルキル基、アリール基、アリルオキシ
基、シクロへキシル基、ヒドロキシル基、ハロゲン等を
含む1価の基を示し、同一であっても異なっていてもよ
い。またX5は硫黄または酸素原子を示す) その具体例としては、ジブチルスズオキサイド、メチル
フェニルスズオキサイド、テトラエチルスズ、ヘキサエ
チルジスズオキサイド、シクロヘキサへキシルジスズオ
キサイド、ジドデシルスズオキサイド、トリエチルスズ
ハイドロオキサイド、トリフェニルスズハイドロオキサ
イド、トリイソブチルスズアセテート、ジブチルスズジ
アセテート、ジフェニルスズジラウレート、モノブチル
スズトリクロライド、ジブチルスズジクロライド、トリ
ブチルスズクロライド、ジブチルスズサルファイド、ブ
チルヒドロキシスズオキサイドなどを使用することがで
きる。その中でもモノアルキルスズ化合物が好ましく使
用される。
基、X1〜X4はアルキル基、アリール基、アリルオキシ
基、シクロへキシル基、ヒドロキシル基、ハロゲン等を
含む1価の基を示し、同一であっても異なっていてもよ
い。またX5は硫黄または酸素原子を示す) その具体例としては、ジブチルスズオキサイド、メチル
フェニルスズオキサイド、テトラエチルスズ、ヘキサエ
チルジスズオキサイド、シクロヘキサへキシルジスズオ
キサイド、ジドデシルスズオキサイド、トリエチルスズ
ハイドロオキサイド、トリフェニルスズハイドロオキサ
イド、トリイソブチルスズアセテート、ジブチルスズジ
アセテート、ジフェニルスズジラウレート、モノブチル
スズトリクロライド、ジブチルスズジクロライド、トリ
ブチルスズクロライド、ジブチルスズサルファイド、ブ
チルヒドロキシスズオキサイドなどを使用することがで
きる。その中でもモノアルキルスズ化合物が好ましく使
用される。
【0025】また、他の有機スズ化合物としては、スタ
ノキサンも用いることができ、メチルスタノン酸、エチ
ルスタノン酸、ブチルスタノン酸などのアルキルスタノ
ン酸が好ましく使用される。これらの有機スズ化合物は
一種でもよく、2種以上併用することもできる。
ノキサンも用いることができ、メチルスタノン酸、エチ
ルスタノン酸、ブチルスタノン酸などのアルキルスタノ
ン酸が好ましく使用される。これらの有機スズ化合物は
一種でもよく、2種以上併用することもできる。
【0026】本発明に用いられる回分式又は連続式エス
テル化装置は、特に限定されるものでは無いが、完全混
合槽型エステル化反応器であることが好ましい。エステ
ル化反応は、反応温度としては好ましくは180〜25
0℃、より好ましくは200〜240℃で、圧力は好ま
しくは101.3kPa以下、より好ましくは13.3
〜93.3kPaの減圧下で行うことがよい。
テル化装置は、特に限定されるものでは無いが、完全混
合槽型エステル化反応器であることが好ましい。エステ
ル化反応は、反応温度としては好ましくは180〜25
0℃、より好ましくは200〜240℃で、圧力は好ま
しくは101.3kPa以下、より好ましくは13.3
〜93.3kPaの減圧下で行うことがよい。
【0027】さらに結晶化特性の優れるPBTを得るた
めには、反応温度200〜240℃かつ圧力13.3〜
93.3kPでエステル化反応を行うことが好ましい。
また、全エステル化反応後のPBTオリゴマーの反応率
は97%以上であることが好ましく、99%以上である
ことが更に好ましい。エステル化反応で製造したPBT
オリゴマーは、次に重縮合反応させるが、その方法は特
に限定されるものではなく、回分式でも連続式でもよ
く、通常のPBTの製造に用いられる重合条件をそのま
ま採用することができ、例えば反応温度として230〜
260℃が好ましく、240〜255℃が更に好まし
い。
めには、反応温度200〜240℃かつ圧力13.3〜
93.3kPでエステル化反応を行うことが好ましい。
また、全エステル化反応後のPBTオリゴマーの反応率
は97%以上であることが好ましく、99%以上である
ことが更に好ましい。エステル化反応で製造したPBT
オリゴマーは、次に重縮合反応させるが、その方法は特
に限定されるものではなく、回分式でも連続式でもよ
く、通常のPBTの製造に用いられる重合条件をそのま
ま採用することができ、例えば反応温度として230〜
260℃が好ましく、240〜255℃が更に好まし
い。
【0028】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。
る。
【0029】実施例中、得られたオリゴマーの反応率
は、反応物の酸価、ケン化価から次式に従って求めた。
は、反応物の酸価、ケン化価から次式に従って求めた。
【0030】反応率={(ケン化価−酸価)/ケン化
価}×100(%) (酸価):反応物をo−クレゾール/クロロホルム溶媒
に溶解し、エタノール性水酸化カリウムで得た値であ
る。
価}×100(%) (酸価):反応物をo−クレゾール/クロロホルム溶媒
に溶解し、エタノール性水酸化カリウムで得た値であ
る。
【0031】(ケン化価):反応物をアルカリ加水分解
し、酸で逆滴定した値である。
し、酸で逆滴定した値である。
【0032】(ヘイズ):試料ポリマー5.4gをフェ
ノールと四塩化エタン(60:40wt%)の混合溶媒
40mLに加熱溶解し、この溶液を30mmのセルにい
れて積分式ヘーズメーター(日本精密光学製)で測定す
る。この値が大きいほどポリマー中の異物が多いとい
え、一般的には20%以上で樹脂靭性が低下し、品質面
に問題があることが知られている。
ノールと四塩化エタン(60:40wt%)の混合溶媒
40mLに加熱溶解し、この溶液を30mmのセルにい
れて積分式ヘーズメーター(日本精密光学製)で測定す
る。この値が大きいほどポリマー中の異物が多いとい
え、一般的には20%以上で樹脂靭性が低下し、品質面
に問題があることが知られている。
【0033】実施例1、2
テレフタル酸に対するBGのモル比、添加するブチルヒ
ドロキシスズオキサイドとテトラブトキシチタネートの
量を、表1の値となるようにし、それぞれ精留塔のつい
たオートクレーブに仕込み、かき混ぜながら、缶内温度
を190〜240℃の範囲に徐々に制御しながら昇温さ
せ、生成する水を留出しつつ、反応液がほぼ透明になる
点までエステル化反応を行い、このBHTをサンプリン
グし反応率を測定した。
ドロキシスズオキサイドとテトラブトキシチタネートの
量を、表1の値となるようにし、それぞれ精留塔のつい
たオートクレーブに仕込み、かき混ぜながら、缶内温度
を190〜240℃の範囲に徐々に制御しながら昇温さ
せ、生成する水を留出しつつ、反応液がほぼ透明になる
点までエステル化反応を行い、このBHTをサンプリン
グし反応率を測定した。
【0034】次いで、この生成物に、重合触媒としてテ
トラブトキシチタネートを、生成ポリマーに対して0.
03wt%添加し、更に別添加口で、生成ポリマーに対
して0.02wt%で、BGに対し10wt%のリン酸
溶液を、その投入口までの仕込みラインを35℃に制御
して、ビスヒドロキシテレフタレートを含む反応系に添
加した後、これを別の反応容器に移し、250℃減圧下
(133Pa以下)で、重縮合を所定の重合度が得られ
るまで、撹拌を続けて行い、この時間を重合時間とし、
吐出して、ポリエステル系樹脂組成物からなるペレット
を得た。表1にこの得られたペレットについての物性の
測定結果を表1に示す。
トラブトキシチタネートを、生成ポリマーに対して0.
03wt%添加し、更に別添加口で、生成ポリマーに対
して0.02wt%で、BGに対し10wt%のリン酸
溶液を、その投入口までの仕込みラインを35℃に制御
して、ビスヒドロキシテレフタレートを含む反応系に添
加した後、これを別の反応容器に移し、250℃減圧下
(133Pa以下)で、重縮合を所定の重合度が得られ
るまで、撹拌を続けて行い、この時間を重合時間とし、
吐出して、ポリエステル系樹脂組成物からなるペレット
を得た。表1にこの得られたペレットについての物性の
測定結果を表1に示す。
【0035】本発明による表特性値は次の測定方法によ
る。
る。
【0036】(濾圧上昇値):得られたポリマーをメル
トスピニングテスター(富士フィルター製)を用いて、
150℃×3時間で乾燥させた後、口金温度255℃、
吐出量6.8g/分、フィルター5μmの条件で2時間
ブリードさせた時を測定開始としてそれから8時間後の
濾圧上昇ΔP(kg/cm2G)を測定した。この値が
大きいほどポリマー中異物が多く、紡糸性が悪く、口金
面汚れが多く、口金フィルター目詰まりをはやめたり、
延伸時の単糸切れを多発せしめたり、フィルム製造時に
はフィッシュアイ生成の原因となり、操業性を低下させ
生産性を低くする。
トスピニングテスター(富士フィルター製)を用いて、
150℃×3時間で乾燥させた後、口金温度255℃、
吐出量6.8g/分、フィルター5μmの条件で2時間
ブリードさせた時を測定開始としてそれから8時間後の
濾圧上昇ΔP(kg/cm2G)を測定した。この値が
大きいほどポリマー中異物が多く、紡糸性が悪く、口金
面汚れが多く、口金フィルター目詰まりをはやめたり、
延伸時の単糸切れを多発せしめたり、フィルム製造時に
はフィッシュアイ生成の原因となり、操業性を低下させ
生産性を低くする。
【0037】(メルト耐熱性値):サンプルを15g試
験管に詰め、温度110℃、真空度10mmHg以下、
20時間乾燥させた後、N2ガス置換し、250℃に調
整されたシリコンバス浸す。180分後に溶融したPB
Tをサンプリングし、メルト耐熱性を数平均分子量(M
n)の経時変化から次式に従って求めた。この値が小さ
いほど耐熱性がよい。
験管に詰め、温度110℃、真空度10mmHg以下、
20時間乾燥させた後、N2ガス置換し、250℃に調
整されたシリコンバス浸す。180分後に溶融したPB
Tをサンプリングし、メルト耐熱性を数平均分子量(M
n)の経時変化から次式に従って求めた。この値が小さ
いほど耐熱性がよい。
【0038】メルト耐熱性値=220×100/2{1
/(Mn)t−1/(Mn)0} 式中、(Mn)t :処理後数平均分子量 (Mn)0 :未処理数平均分子量 (色調):スガ試験機(株)SMカラーコンピューター
装置を用いてb値を測定した。b値が小さいほど黄身が
小さく、白色で色調は良い。
/(Mn)t−1/(Mn)0} 式中、(Mn)t :処理後数平均分子量 (Mn)0 :未処理数平均分子量 (色調):スガ試験機(株)SMカラーコンピューター
装置を用いてb値を測定した。b値が小さいほど黄身が
小さく、白色で色調は良い。
【0039】比較例1、2
リン酸溶液の投入口までの仕込みラインを温度を変更し
た以外は実施例1、2と同様に行った。その結果を表1
に示す。
た以外は実施例1、2と同様に行った。その結果を表1
に示す。
【0040】比較例3
リン酸溶液の投入口までの仕込みラインを温度を16℃
に変更した以外は実施例1、2と同様に行った。その結
果、BGが凍結し、輸送ラインに移液不良の問題が生
じ、完全にビスヒドロキシテレフタレートを含む反応系
に、リン酸溶液を添加することができなかった。
に変更した以外は実施例1、2と同様に行った。その結
果、BGが凍結し、輸送ラインに移液不良の問題が生
じ、完全にビスヒドロキシテレフタレートを含む反応系
に、リン酸溶液を添加することができなかった。
【0041】
【表1】
【0042】表1から明らかなように、比較例1〜3に
比して、実施例1、2は、反応中の異物生成量及びポリ
マー中異物が非常に少ないものであった。また、品質面
でも耐熱性、色調に優れたものであった。
比して、実施例1、2は、反応中の異物生成量及びポリ
マー中異物が非常に少ないものであった。また、品質面
でも耐熱性、色調に優れたものであった。
【0043】これに対し、回分式エステル化後のビスヒ
ドロキシテレフタレートに添加する仕込みライン制御温
度が高い比較例1、2は重合反応時間が長く、ヘイズ、
濾圧上昇値、メルト耐熱性値、色調b値が高く、この値
から口金フィルター目詰まりや延伸時の単糸切れが4〜
10倍程度、成形工程の作業効率低下などの操業性のト
ラブルを助長する可能性があり、生産性及び品質が本発
明によるポリマーよりも劣っていた。これらは、エステ
ル化反応後に添加するリン酸溶液が50℃より大きい値
では熱変性をうけ黒色異物を形成したことに起因する。
ドロキシテレフタレートに添加する仕込みライン制御温
度が高い比較例1、2は重合反応時間が長く、ヘイズ、
濾圧上昇値、メルト耐熱性値、色調b値が高く、この値
から口金フィルター目詰まりや延伸時の単糸切れが4〜
10倍程度、成形工程の作業効率低下などの操業性のト
ラブルを助長する可能性があり、生産性及び品質が本発
明によるポリマーよりも劣っていた。これらは、エステ
ル化反応後に添加するリン酸溶液が50℃より大きい値
では熱変性をうけ黒色異物を形成したことに起因する。
【0044】リン酸溶液の投入口までの仕込みラインを
温度を16℃に変更した比較例3ではBGが凍結し輸送
ラインに移液不良の問題が生じ、完全にビスヒドロキシ
テレフタレートを含む反応系にリン酸溶液を添加するこ
とができなかった。
温度を16℃に変更した比較例3ではBGが凍結し輸送
ラインに移液不良の問題が生じ、完全にビスヒドロキシ
テレフタレートを含む反応系にリン酸溶液を添加するこ
とができなかった。
【0045】実施例3、4
予め反応率90%以上のPBTオリゴマーを充填した完
全混合槽型第一エステル化反応器に、テレフタル酸とB
Gとを、テレフタル酸に対するBGのモル比が表2に示
す値になるようにスラリー状にして連続的に供給した。
また同時に、ブチルヒドロキシスズオキサイドを生成す
るポリマー(PBT)に対する重量%が表2の値となる
ように、さらにテトラブトキシチタネートを生成するポ
リマー(PBT)に対する重量%、テレフタル酸に対す
るモル%が表2となるような値で、添加した。第1エス
テル化反応器は温度220℃、圧力53.3kPaに維
持した。第1エステル化反応器のPBTオリゴマーを連
続的に取り出し、予め反応率98%のオリゴマーを充填
した完全混合槽型の第2エステル化反応器に供給した。
全混合槽型第一エステル化反応器に、テレフタル酸とB
Gとを、テレフタル酸に対するBGのモル比が表2に示
す値になるようにスラリー状にして連続的に供給した。
また同時に、ブチルヒドロキシスズオキサイドを生成す
るポリマー(PBT)に対する重量%が表2の値となる
ように、さらにテトラブトキシチタネートを生成するポ
リマー(PBT)に対する重量%、テレフタル酸に対す
るモル%が表2となるような値で、添加した。第1エス
テル化反応器は温度220℃、圧力53.3kPaに維
持した。第1エステル化反応器のPBTオリゴマーを連
続的に取り出し、予め反応率98%のオリゴマーを充填
した完全混合槽型の第2エステル化反応器に供給した。
【0046】第2エステル化容器は、反応温度230
℃、圧力40kPaになるように制御した。第2エステ
ル化反応器のPBTオリゴマーを連続的に取り出し、フ
レーク状に粉砕した。
℃、圧力40kPaになるように制御した。第2エステ
ル化反応器のPBTオリゴマーを連続的に取り出し、フ
レーク状に粉砕した。
【0047】スラリーの供給速度及びオリゴマーの取り
出し速度は第1エステル化反応器の滞留時間が240
分、第2エステル化反応器の滞留時間が60分になるよ
うに調整した。反応が18時間後に定常状態に達した
後、6時間留出液、オリゴマーのサンプリングを行い、
反応率の測定を行った。
出し速度は第1エステル化反応器の滞留時間が240
分、第2エステル化反応器の滞留時間が60分になるよ
うに調整した。反応が18時間後に定常状態に達した
後、6時間留出液、オリゴマーのサンプリングを行い、
反応率の測定を行った。
【0048】さらに第2エステル化反応器から取り出し
たオリゴマーにテトラブトキシチタネートを生成ポリマ
ーに対して0.03重量%添加し、更に別添加口で生成
ポリマーに対して0.02wt%で、BGに対し10w
t%のリン酸溶液をその投入口までの仕込みラインを3
5℃に制御して、ビスヒドロキシテレフタレートを含む
反応系に添加した後、これを別の反応容器に移し、25
0℃、減圧下(133Pa以下)で3時間回分法で重縮
合反応を行ってPBTを得、その溶液ヘイズを測定し
た。
たオリゴマーにテトラブトキシチタネートを生成ポリマ
ーに対して0.03重量%添加し、更に別添加口で生成
ポリマーに対して0.02wt%で、BGに対し10w
t%のリン酸溶液をその投入口までの仕込みラインを3
5℃に制御して、ビスヒドロキシテレフタレートを含む
反応系に添加した後、これを別の反応容器に移し、25
0℃、減圧下(133Pa以下)で3時間回分法で重縮
合反応を行ってPBTを得、その溶液ヘイズを測定し
た。
【0049】また、得られたポリマーの濾圧上昇ΔP
(kg/cm2G)、メルト耐熱性、色調を測定した。
それらの結果を表2に示す。
(kg/cm2G)、メルト耐熱性、色調を測定した。
それらの結果を表2に示す。
【0050】比較例4、5
リン酸溶液の投入口までの仕込みラインを温度を変更し
た以外は実施例3、4と同様に行った。その結果を表1
に示す。
た以外は実施例3、4と同様に行った。その結果を表1
に示す。
【0051】比較例6
リン酸溶液の投入口までの仕込みラインを温度を16℃
に変更した以外は実施例3、4と同様に行った。その結
果、BGが凍結し輸送ラインに移液不良の問題が生じ、
完全にビスヒドロキシテレフタレートを含む反応系にリ
ン酸溶液を添加することができなかった。
に変更した以外は実施例3、4と同様に行った。その結
果、BGが凍結し輸送ラインに移液不良の問題が生じ、
完全にビスヒドロキシテレフタレートを含む反応系にリ
ン酸溶液を添加することができなかった。
【0052】
【表2】
【0053】表2から明らかなように、比較例4、5に
比して、実施例3、4は、反応中の異物生成量及びポリ
マー中異物が非常に少ないものであった。また、品質面
でも耐熱性、色調に優れたものであった。
比して、実施例3、4は、反応中の異物生成量及びポリ
マー中異物が非常に少ないものであった。また、品質面
でも耐熱性、色調に優れたものであった。
【0054】これに対し、回分式エステル化と同様に連
続式エステル化後のビスヒドロキシテレフタレートに添
加する仕込みライン制御温度が高い比較例4、5は重合
反応時間が長く、ヘイズ、濾圧上昇値、メルト耐熱性
値、色調b値が高く、この値から口金フィルター目詰ま
りや延伸時の単糸切れが4〜10倍程度、成形工程の作
業効率低下などの操業性のトラブルを助長する可能性が
あり、生産性及び品質が本発明によるポリマーよりも劣
っていた。これらは、エステル化反応後に添加するリン
酸溶液が50℃より大きい値では熱変性をうけ黒色異物
を形成したことに起因する。
続式エステル化後のビスヒドロキシテレフタレートに添
加する仕込みライン制御温度が高い比較例4、5は重合
反応時間が長く、ヘイズ、濾圧上昇値、メルト耐熱性
値、色調b値が高く、この値から口金フィルター目詰ま
りや延伸時の単糸切れが4〜10倍程度、成形工程の作
業効率低下などの操業性のトラブルを助長する可能性が
あり、生産性及び品質が本発明によるポリマーよりも劣
っていた。これらは、エステル化反応後に添加するリン
酸溶液が50℃より大きい値では熱変性をうけ黒色異物
を形成したことに起因する。
【0055】リン酸溶液の投入口までの仕込みラインを
温度を16℃に変更した比較例6ではBGが凍結し輸送
ラインに移液不良の問題が生じ、完全にビスヒドロキシ
テレフタレートを含む反応系にリン酸溶液を添加するこ
とができなかった。仕込みライン制御温度が特定の温度
範囲より大小のものは操業性が低くなり、生産性及び品
質が本発明によるポリマーよりも劣っていることが判明
した。
温度を16℃に変更した比較例6ではBGが凍結し輸送
ラインに移液不良の問題が生じ、完全にビスヒドロキシ
テレフタレートを含む反応系にリン酸溶液を添加するこ
とができなかった。仕込みライン制御温度が特定の温度
範囲より大小のものは操業性が低くなり、生産性及び品
質が本発明によるポリマーよりも劣っていることが判明
した。
【0056】
【発明の効果】本発明によれば、安定して、優れた品質
を維持しながら、生産性高く、重縮合することができる
ポリブチレンテレフタレートの製造方法を提供すること
ができる。
を維持しながら、生産性高く、重縮合することができる
ポリブチレンテレフタレートの製造方法を提供すること
ができる。
フロントページの続き
Fターム(参考) 4J029 AA03 AB04 AC01 AD01 AD02
AD03 AD10 BA02 BA03 BA05
BA08 BB13A BD07A BF24
CA00 CA06 CB04A CB05A
CB06A CC05A HA01 HB01
HD03 JA251 JA261 JB131
JC411 JC481 JC571 JC581
JC751 JD06 JE182 JF321
JF371 KB05 KB24 KB25
KC04 KD02 KD07 KE03 KE05
KE06 KE07 KE15
Claims (6)
- 【請求項1】テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸
と1,4ブタンジオールを主成分とするジオールとを、
回分式または連続式により、エステル化反応をさせ、次
いで重縮合反応することによりポリブチレンテレフタレ
ートを製造するに際し、該重縮合反応を有機チタン化合
物とリン化合物との存在下で行い、かつ、該リン化合物
の添加手段として、リン化合物を含有する1,4ブタン
ジオール溶液及びその投入口までの仕込みラインを20
℃〜50℃に制御した上で、ビスヒドロキシテレフタレ
ートもしくはその低重合体を含む反応系に添加する手段
を採用することを特徴とするポリブチレンテレフタレー
トの製造法。 - 【請求項2】該リン化合物が、リン酸であることを特徴
とする請求項1記載のポリブチレンテレフタレートの製
造法。 - 【請求項3】該リン化合物を、5.0重量%以上の1,
4ブタンジオール溶液乃至100%リン化合物として調
整し、添加することを特徴とする請求項1又は2記載の
ポリブチレンテレフタレートの製造法。 - 【請求項4】該有機チタン化合物が、テトラブトキシチ
タンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに
記載のポリブチレンテレフタレートの製造法。 - 【請求項5】該有機チタン化合物の添加量が、生成する
ポリブチレンテレフタレート100重量部に対して0.
01〜0.14重量部添加することを特徴とする請求項
1〜4のいずれかに記載のポリブチレンテレフタレート
の製造法。 - 【請求項6】該エステル化反応を、反応温度180〜2
50℃、反応圧力101.3kPa以下の減圧下で行う
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のポリ
ブチレンテレフタレートの製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002143931A JP2003073466A (ja) | 2001-06-19 | 2002-05-20 | ポリブチレンテレフタレートの製造法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001184647 | 2001-06-19 | ||
JP2001-184647 | 2001-06-19 | ||
JP2002143931A JP2003073466A (ja) | 2001-06-19 | 2002-05-20 | ポリブチレンテレフタレートの製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003073466A true JP2003073466A (ja) | 2003-03-12 |
Family
ID=26617179
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002143931A Pending JP2003073466A (ja) | 2001-06-19 | 2002-05-20 | ポリブチレンテレフタレートの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003073466A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005108462A1 (ja) * | 2004-05-10 | 2005-11-17 | Mitsubishi Chemical Corporation | ポリブチレンテレフタレートの製造方法 |
JP2005350659A (ja) * | 2004-05-10 | 2005-12-22 | Mitsubishi Chemicals Corp | ポリブチレンテレフタレートの製造方法 |
JP2011516708A (ja) * | 2008-04-15 | 2011-05-26 | ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア | 生分解可能なポリエステルを連続的に製造する方法 |
WO2014045995A1 (ja) * | 2012-09-20 | 2014-03-27 | 東レ株式会社 | ポリエチレンテレフタレート組成物、その製造方法 |
-
2002
- 2002-05-20 JP JP2002143931A patent/JP2003073466A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005108462A1 (ja) * | 2004-05-10 | 2005-11-17 | Mitsubishi Chemical Corporation | ポリブチレンテレフタレートの製造方法 |
JP2005350659A (ja) * | 2004-05-10 | 2005-12-22 | Mitsubishi Chemicals Corp | ポリブチレンテレフタレートの製造方法 |
US7550552B2 (en) | 2004-05-10 | 2009-06-23 | Mitsubishi Chemical Corporation | Process for producing polybutylene terephthalate |
JP4591187B2 (ja) * | 2004-05-10 | 2010-12-01 | 三菱化学株式会社 | ポリブチレンテレフタレートの製造方法 |
JP2011516708A (ja) * | 2008-04-15 | 2011-05-26 | ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア | 生分解可能なポリエステルを連続的に製造する方法 |
WO2014045995A1 (ja) * | 2012-09-20 | 2014-03-27 | 東レ株式会社 | ポリエチレンテレフタレート組成物、その製造方法 |
JPWO2014045995A1 (ja) * | 2012-09-20 | 2016-08-18 | 東レ株式会社 | ポリエチレンテレフタレート組成物、その製造方法 |
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