JP2003073298A - 免疫調整剤 - Google Patents

免疫調整剤

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JP2003073298A
JP2003073298A JP2001267430A JP2001267430A JP2003073298A JP 2003073298 A JP2003073298 A JP 2003073298A JP 2001267430 A JP2001267430 A JP 2001267430A JP 2001267430 A JP2001267430 A JP 2001267430A JP 2003073298 A JP2003073298 A JP 2003073298A
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文陽 江口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 副作用を生じる可能性が低く、且つ優れた効
果を持つ免疫調整剤を提供する。 【解決手段】 ハタケシメジ株成分を含むことを特徴と
する免疫調整剤。前記免疫調整剤において、ハタケシメ
ジ株乾燥粉末の熱水抽出物を主成分とすることが好適で
ある。前記免疫調整剤において、熱水抽出物を濃縮し、
賦形剤を加え、粉末化することが好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は免疫調整剤、特に機
能性食品を用いた免疫調整剤の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】自己免疫疾患とは生体防御機構である免
疫系が自己細胞を攻撃してしまう現象である。体内細胞
と反応する抗体やリンパ球が形成され、その結果組織障
害や病変を引き起こす。代表的な自己免疫疾患には、全
身性エリテマトーデス、慢性関節リウマチ、シェーグレ
ン症候群、潰瘍性大腸炎、原発性胆汁性肝硬変、特発性
血小板減少性紫斑病、自己免疫性溶血性貧血、悪性貧
血、無症筋無力症、交感性眼炎、糸球体腎炎、橋本病等
が挙げられる。現在、自己免疫疾患の治療には、ステロ
イド剤等が使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ステロ
イド剤等は、劇的な効果があると同時に副作用も強いこ
とが知られている。さらに、副作用を防止するための薬
も処方されるため、一般的に、自己免疫疾患者に投与さ
れる薬の種類は、多めになる傾向がある。副作用の発
現、及び多種の薬の飲用は、患者にとって薬物治療を拒
否する原因ともなることも事実である。
【0004】このため、薬物ではなく副作用を生じる可
能性が低い自然食品や健康食品(機能性食品を含む)に
対する関心も高まっている。本発明は、上記従来技術の
課題に鑑みなされたものであり、その目的は、副作用を
生じる可能性が低く、且つ優れた効果を持つ免疫調整剤
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明者らが鋭意検討を行った結果、ハタケシメジ
が優れた免疫調整作用を有することを見出し、本発明を
完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明の主題は、ハタケシメジ
株成分を含むことを特徴とする免疫調整剤である。前記
において、ハタケシメジ株乾燥粉末の熱水抽出物を主成
分とすることが好適である。前記において、熱水抽出物
を濃縮し、賦形剤を加え、粉末化することが好適であ
る。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態を
詳細に説明する。ハタケシメジは学名をLyopyllum deca
stesといい、シメジ属、キシメジ科に属する担子菌類の
一種である。春から秋にかけて林内、草地等、ある程度
の高温多湿の条件を満たす場所に発生する食用菌であ
る。栽培型は大きく周年栽培型と自然栽培型に分けられ
る。前者は瓶や袋を使用した空調栽培方法であり、後者
は培養を室内で発生を野外で行う菌床埋込栽培方法であ
る。栽培期間が長く、収穫量が少ないため、以前はハタ
ケシメジの空調施設による周年栽培は不適であると思わ
れていた。しかし、栄養剤等の培地基材の検討、優良品
種の選抜が進み、周年栽培法がほぼ確率しつつある。
【0008】本発明の免疫調整剤においては、特にハタ
ケシメジの熱水抽出物を用いることが好適である。抽出
方法としては特に制限はないが、好適な方法について以
下に詳述する。本発明では、ハタケシメジの子実体およ
び/または菌糸体を用いる。子実体は生のままあるいは
乾燥したもののいずれでもよいが、取り扱い性、保存性
および抽出効率等の点から乾燥子実体が望ましい。ま
た、菌糸体は炭素源および窒素源を含む培地で種菌を培
養して得られる生あるいは乾燥菌糸体を利用できる。乾
燥したものが簡便である。
【0009】ハタケシメジ抽出物を得るに先立ち、ハタ
ケシメジの組織を破壊処理することが好適である。これ
によって効率よく抽出することが出来る。ハタケシメジ
の組織を破壊する手段としては、ビーズミル、ワーリン
グブレンダー、ホモジナイザー等の各種粉砕混合機によ
る粉砕処理、爆砕機等による衝撃破砕処理、凍結処理、
超音波処理等の物理的処理、水酸化ナトリウム等の水溶
液によるアルカリ処理、セルラーゼやペクチナーゼ等の
細胞壁分解作用のある酵素による処理、浸透圧処理等の
化学的処理があり、これらを単独であるいは適宜に組み
合わせて行うことができる。これらの組織破壊処理のう
ち、ハタケシメジの子実体を原料とした場合は粉砕処理
または酵素処理が、また菌糸体を原料とした場合は酵素
処理が好適である。
【0010】酵素処理では、公知の細胞壁分解酵素ある
いは多糖分解酵素を利用でき、セルラーゼ、ヘミセルラ
ーゼ、キチナーゼ、α−およびβ−グルクロニダーゼ、
ペクチナーゼ、キシラナーゼ、α−およびβ−グルカナ
ーゼ等のうちの1種または2種以上を用いることができ
る。ハタケシメジを酵素処理するには、適宜に細断ある
いは粉砕処理を施したハタケシメジに前記酵素を水溶液
として加え、振とうあるいは撹拌すればよい。
【0011】本発明のハタケシメジ抽出物を得るために
は、前述のように組織を破壊処理したハタケシメジに、
水、アルコール等の抽出溶媒を加え適宜攪拌し、抽出処
理すればよい。ここで、抽出溶媒としてアルコールを用
いる場合は、低級一価アルコールが望ましく特にメタノ
ール、エタノール、イソプロパノール等が好適である。
また、抽出操作は常圧下、常温下で行ってもよいが、1
〜5気圧、60〜150℃の加圧、加熱下で抽出するこ
とが好適である。具体的には熱水抽出した後、遠心分離
や減圧濾過により抽出液と残渣に分離し、残渣をエタノ
ール水溶液で抽出し、先の熱水抽出液と混合することが
好ましい。熱水抽出による回収率は、乾燥粉末に対し、
固形分で60%程度である。
【0012】なお、抽出残渣に対して前記と同様の条件
下で再抽出処理を行い、この抽出操作を数回繰り返して
もよい。このようにして得られる各抽出液を合わせ、減
圧濃縮、殺菌、フリーズドライ、スプレードライ等の処
理に供して抽出溶媒を除去し、ハタケシメジ抽出物を得
ることができる。
【0013】本発明の免疫調整剤は、ハタケシメジ抽出
物以外に、本発明の趣旨に反しない公知の賦形剤や添加
剤を必要に応じて適宜加えることができる。
【0014】本発明の免疫調整剤は、常法により加工し
て錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、液剤等の製剤とす
ることができる。散剤、顆粒剤とする場合、そのまま又
は変質を防ぎ、また調剤及び服用に便利にするため、無
害で薬効に変化を与えないような賦形剤、結合剤、崩壊
剤等を加え、適当な方法で粉末状、又は顆粒状とする。
また、必要に応じて着色剤、芳香剤、矯味剤等を加えた
り、適当なコーティング剤等で剤皮を施すこともでき
る。
【0015】本発明の免疫調整剤は経口投与して、自己
免疫疾患の発症予防あるいは治療のために適用する。摂
取量は症状により異なり特に限定されないが、成人(体
重60kg)1日当たりハタケシメジ乾燥粉末に換算し
て1〜15g、特に6〜9gであることが好適である。
1gより少ないと所望の効果を奏することが難しくな
り、15gを越えて摂取してもさらなる効果は認められ
ない場合がある。
【0016】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
MRL/Mp−lpr/lp(MRL/lpr)マウス
は急性及び慢性炎症が同時に起こり、糸球体腎炎、肉芽
腫性血管炎、多発性関節炎、リンパ腫、自己抗体の産生
を自然発症する。この発症はヒト全身性エリテマトーデ
ス、慢性関節リウマチに類似しており、自己免疫疾患の
病態の解析や薬効開発に有用なモデル動物として汎用さ
れている。このMRL/lprマウス及び比較として正
常なICRマウスを使用し本発明の免疫調整剤の効果に
ついて試験を行った。
【0017】(1)試験マウスの飼育、及び被験薬の投
与方法 予備飼育(7〜8週齢) 日本チャールスリバー(株)より購入した7週齢の雌性
MRL/lprマウス、及び雌性ICRマウスを、室温
22±1℃、湿度60±10%に調節された飼育室にお
いて、白色蛍光灯で1日12時間(7〜19時明期)の
光調節を行い、飼料及び水道水を自由摂取させ1週間予
備飼育した。予備飼育後、各個体の体重測定を行い、1
群8頭とし、体重の平均値がほぼ等しくなるようにMR
L/lprマウスをA〜D群に、ICRマウスをE〜F
群に分類した。
【0018】ハタケシメジ抽出物の抽出方法 ハタケシメジ(株名:GLD−17及びGLD−21)
子実体の乾燥物を図1の方法にて処理して得たGLDX
ハタケシメジを使用した。抽出物には賦形剤が50%添
加されているため、賦形剤を除く質量をハタケシメジ純
抽出物量として600mlの滅菌水にそれぞれ3、6、
9g溶解して使用した。以下、それぞれを3g抽出物、
6g抽出物、9g抽出物という。
【0019】被験薬投与方法(8〜20週齢) 下記の要領で、各群のマウスに被験薬投与を行い、さら
に12週間、20週齢まで飼育した。飼料と水道水を各
群とも自由摂取させた。飼育室の環境は、温度22±1
℃、湿度60±10%、白色蛍光灯で1日12時間の採
光下(7〜19時明期)とした。各被験薬はすべて経口
投与とし、毎日午前10時より施行し、抽出液飲用後は
滅菌水を自由摂取させた。
【0020】A群:MRL/lprマウス(無投与群) 1日に体重1kg当たり滅菌水道水10mlを投与す
る。 B群:MRL/lprマウス(3g抽出物投与群) 1日に体重1kg当たり前記3g抽出物10mlを投与
する。 C群:MRL/lprマウス(6g抽出物投与群) 1日に体重1kg当たり前記6g抽出物10mlを投与
する。 D群:MRL/lprマウス(9g抽出物投与群) 1日に体重1kg当たり前記9g抽出物10mlを投与
する。 E群:ICRマウス(無投与群) 1日に体重1kg当たり滅菌水道水10mlを投与す
る。 F群:ICRマウス(6g抽出物投与群) 1日に体重1kg当たり前記6g抽出物10mlを投与
する。
【0021】(2)検査項目 血液検査 実験最終日の前日に全マウスを絶食させ、翌日に深麻酔
(ネンブタール,45mg/kg,i.p.)し、左心室から20G採
血針で可能な限り採血を行った。採取した血液を用い
て、下記の項目において生化学的検査を行った。得られ
た成績は、群間比較をWilcoxon U-testで解析し、5%
以内の危険率を持って有意な差があると判定した(p<
0.05)。なお、すべての値は平均値と標準誤差値で
表示した。
【0022】総タンパク、A/G、尿素窒素、クレアチ
ニン、尿酸 総タンパクは、血中に存在する微量で不安定なものを含
めると約100種類に及ぶ蛋白質の総称であり、 糖質や脂
質と結合し複合蛋白を形成している。 血漿タンパクは
アルブミンとグロブリンからなり、主な作用は、細胞の
生命現象に必要な物質の輸送である。 全身状態の把握
・病態・機能を知る指標となる。
【0023】A/G比は、血漿タンパクであるアルブミ
ン(Alb)と総グロブリン(Glob)の比率であり、 その
値はAlbとGlobの相対的変動に依存する。 A/G比は体
内の蛋白質代謝の指標として利用され、全身の一般状態
を推測することができる。
【0024】尿素窒素は、蛋白の最終代謝産物である尿
素中の窒素のことである。 尿素は肝で尿素サイクルを
経て生成する窒素成分で、血中に放出され腎臓から排泄
される。 尿素窒素値は、食品として摂取される蛋白お
よび異化蛋白量と腎臓での排泄量に支配されており、肝
・腎機能の指標となる。
【0025】クレアチニンは、血中非蛋白性窒素化合物
の1つである。 尿素や尿酸などと同様に腎を介して尿中
に排泄される。 クレアチニンの測定は、腎機能の指標
に用いられる。
【0026】尿酸は肝臓、筋肉、骨髄で生成される核酸
構成成分であるプリン体の最終代謝産物である。 尿酸
は組織で分解され、少量は胆汁・腸に、大部分(60〜80
%)は尿中に排泄される。尿酸の測定は、プリン代謝異
常の指標、腎臓における尿酸排泄異常の診断に利用され
る。これらの値は、自動化学分析装置(Auto Lab, Radi
o lmmuno Assay 法)にて分析を行った。
【0027】乳酸脱水素酵素(LDH) LDHは、心筋、骨格筋、肝臓、腎臓、赤血球など生体
に広く分布し、 組織の細胞膜の透過性亢進あるいは細
胞破壊によって血中に遊出してくる逸脱酵素であり、
その活性値上昇から疾患の程度を知ることができる。L
DHは、ピルビン酸を基質として乳酸を生成すると同時
に、補酵素である還元型ニコチンアミドアデノシンジヌ
クレオチド(NADH)は酸化型に変化する。NADH
は340nmに吸収極大を持つ。吸光度の減少速度を測
定して、LDHの活性値を算定した。
【0028】C−反応性蛋白(CRP) CRPは、代表的な急性期反応蛋白であり、体内に炎症
や組織の壊死がある場合に増加する血漿蛋白である。C
RPは、分光光度計を用いた免疫比濁法(ピュアオート
SCRPTM:第一化学薬品)で測定した。CRPに対す
る特異抗体とマウス血清を加えた抗原抗体複合物は濁度
を生じるため、その濁度の強さを吸光度変化として測定
した。
【0029】リウマトノイド因子(RF) 免疫グロブリン(Ig)は抗体を構成する蛋白の総称で
ある。IgMは抗原の刺激によりIgの中で最も早期に
産生されるものであり、IgGはIgの中で最も多量に
血中に存在し、抗原抗体反応の中心となっているもので
ある。RFはリウマチ性多発性関節炎患者の血中に見ら
れ、Igに対する自己抗体群である。RF−IgMはI
gM、RF−IgGはIgGに対する自己抗体群であ
る。熱変性γ−グロブリンと反応するRFを免疫比濁法
(日本製薬)によって測定した。複合物は濁度を生じる
ため、その濁度の強さを吸光度変化として測定した。
【0030】CD4/CD8比 CD4は、リンパ球上に存在する表面抗原分子の一つで
ある。ヘルパー/インデューサーT細胞内に存在し、主
要組織適合抗原クラスII(MHC-II)抗原と複合体を形成
し、抗原認識を指示する機能がある。CD8も、リンパ
球上に存在する表面抗原分子の一つであり、細胞障害型
T細胞、サプレッサーT細胞、ナチュラルキラー細胞
(NK)のマーカーとなる。主要組織適合抗原クラスI(M
HC-I)抗原と複合体を形成し、抗原認識を補助する機能
がある。脾組織よりT細胞を単離して、Lysing Regent
で溶解させ、ナイロンメッシュを通した。OKT4(C
D4)、OKT8(CD8)を用いて、ヘルパー/イン
デューサーT細胞、サプレッサー/細胞障害型Tリンパ
球と反応させた。実験はOKT4(FITCラベル)、
OKT8(PEラベル)標識モノクロナール抗体の組み
合わせでT細胞と反応させ、フローサイトメーター(Pr
ofile;Coulter, Hialeah,FL,USA)で解析した。
【0031】病理学的評価 関節病変の指標として、肉芽による置換、及びリンパ球
の湿潤を評価した。評価基準は以下の通りとした。な
お、A群には明らかな肉芽による置換、及びリンパ球の
湿潤が観察された。 ◎:肉芽による置換、及びリンパ球の湿潤がない ○:A群と比較して、かなりの改善・防止効果が認めら
れる △:A群と比較して、改善・防止効果が認められる ×:A群と比較して、改善・防止効果が認められない
【0032】(3)結果 血液検査の結果を表1に示す。
【表1】 A群 B群 C群 D群 E群 F群 総タンパク(g/dl) 8.1±1.2 8.7±1.4 7.4±1.6 7.0±0.4 6.2±0.6 6.4±0.4 A/G比 0.71±0.21 0.69±0.17 0.90±0.21 1.08±0.12 1.14±0.12 1.30±0.29 尿素窒素(mg/dl) 43±8 47±5 52±7 59±4 72±12 67±13 クレアチニン(mg/dl) 0.8±0.4 0.9±0.3 1.0±0.3 2.9±0.4 6.2±2.1 6.4±1.3 尿酸(mg/dl) 14.2±2.7 10.7±1.8 6.7±1.5 4.4±0.8 2.6±1.9 2.9±0.8 LDH(IU/ml) 5243±637 5226±1081 3874±393 2354±473 878±78 1057±108 CRP(mg/dl) 1.7±0.5 1.4±0.6 1.3±0.7 0.8±0.2 0.0±0 0.0±0 RF−IgM(IU/ml) 34±9 23±7 20±4 17±4 0.0±0 0.0±0 RF−IgG(IU/ml) 62.3±11.4 63.8±14.5 57.3±7.2 41.3±6.5 0.3±0.1 0.0±0 CD4/CD8比 4.59±1.47 4.47±1.08 3.91±1.41 3.41±0.47 1.38±0.23 1.42±0.19
【0033】表1より、ICRマウス(E、F群)と比
較して、MRL−lprマウス(A〜D群)は総タンパ
ク、尿酸、LDH、CRP、RF、CD4/CD8比の
値が高く、A/G比、尿素窒素、クレアチニンの値が低
いことがわかった。しかしながら、MRL−lprマウ
ス無投与群(A群)と比較して、投与群(B〜D群)で
は各項目において改善が見られ、E群の値に近づき、特
に9g抽出物投与群(D群)では、著明な改善・防止効
果が確認された。
【0034】LDH 前述のようにLDHは炎症の指標となる。A群と比較し
て、B〜D群では用量依存的にLDH値の低下が見られ
た。また、元々LDH値の正常なICRマウスにおいて
は、抽出物投与(F群)におけるLDH値の低下(異
常)は見られなかった。よって、抽出物を投与すること
により、炎症が減少することがわかった。
【0035】CRP 前述のようにCRPは炎症や組織の壊死の指標となる。
ICRマウスにおいては、無投与群、投与群共にCPR
値は0であった。MRL−lprマウスにおいては、A
群と比較して、B〜D群ではCRP値が低下し、正常な
E群の値に近づく傾向が見られた。よって、抽出物を投
与することにより、炎症や組織の壊死が減少することが
わかった。
【0036】RF 前述のようにRF(RF−IgM、RF−IgG)は自
己抗体群である。ICRマウスにおいては、無投与群、
投与群共にRF値は0又は0に近い値であった。MRL
−lprマウスにおいては、A群と比較して、B〜D群
では用量依存的にRF値の低下が見られ、正常なE群の
値に近づいた。よって、抽出物を投与することにより、
自己抗体群の生成が抑制されていることがわかった。
【0037】総タンパク、A/G比、尿素窒素、クレア
チニン、尿酸、CD4/CD8比 A群と比較して、B〜D群ではこれらのパラメーターに
おいて改善が見られ、正常なE群の値に近づく傾向が見
られた。特にD群では、著明な改善・防止効果が確認さ
れた。また、正常なICRマウスにおいては、無投与
群、投与群間にはこれらの値に明らかな変化は見られな
かった。よって、これらパラメーターの改善効果は免疫
改善効果の強い群と密接な関連性を有することが推察さ
れる。
【0038】以上血液検査により、ハタケシメジ抽出物
を投与すると、用量依存的に免疫調整効果があることが
確認された。また、抽出物投与により、正常な成分につ
いては異常をきたさないこともわかった。
【0039】病理学的評価の結果を表2に示す。
【表2】 A群 B群 C群 D群 E群 F群 肉芽による置換 − △ ○ ○ ◎ ◎ リンパ球の湿潤 − △ ○ ○ ◎ ◎
【0040】表2より、ICRマウス(E、F群)に
は、肉芽による置換、及びリンパ球の湿潤が観察されな
いのに対して、MRL−lprマウス(A〜D群)は肉
芽による置換、及びリンパ球の湿潤が見られた。しかし
ながら、MRL−lprマウス無投与群(A群)と比較
して、投与群(B〜D群)では改善が見られ、特に9g
抽出物投与群(D群)では、著明な改善・防止効果が確
認された。よって病理学的評価からも、ハタケシメジ抽
出物を投与すると、用量依存的に免疫調整効果があるこ
とが確認された。
【0041】次に本発明の免疫調整剤におけるヒト臨床
検査について説明する。36歳、40歳、41歳の3人
の男性にハタケシメジ(株名:GLD−17及びGLD
−21)子実体の乾燥物を図1の方法にて処理して得た
GLDXハタケシメジを1日2.5gずつ服用してもら
い、飲用前、飲用1ヶ月後、飲用3ヶ月後にそれぞれ血
液検査を行った。結果を表3に示す。
【0042】
【表3】 飲用前 飲用1ヶ月後 飲用3ヶ月後 T細胞(mg/dl) 36歳 68.0 74.9 73.6 40歳 63.9 70.8 76.3 41歳 65.8 67.6 69.5 B細胞(mg/dl) 36歳 7.4 9.3 8.4 40歳 8.7 10.6 9.4 41歳 9.0 11.2 10.6 NK細胞(mg/dl) 36歳 21.0 20.7 24.7 40歳 19.6 22.1 22.6 41歳 19.9 21.6 23.1
【0043】B細胞 リンパ球系幹細胞のうち骨髄の中でそのまま分化成熟す
るのものにB細胞と呼ばれるものがある。このB細胞は
適当な刺激があれば抗体を産生するようになる細胞であ
る。成熟したB細胞の表面には,IgMとIgDがともにあ
る。抗原刺激とT細胞からのシグナルで分化すると始め
にIgMの産生が増加する。そして十分な刺激があると表
面の免疫グロブリンもIgG,IgE,IgAに変化するとと
もに,それぞれのクラスの免疫グロブリンを分泌するよ
うになる。
【0044】T細胞 胸腺で分化成熟したリンパ球をT細胞と言う。T細胞は
CD3と呼ばれる分子を表面に持っている。更にT細胞は
表面にCD4という分子あるいはCD8という分子を持つ細胞
に分けられる。CD4陽性細胞はB細胞の抗体産生を補助
する役割をすることからヘルパーT細胞(Th細胞:help
er T cell)と呼ばれる。CD8陽性細胞はその細胞障害活
性から細胞障害T細胞(Tc細胞:cytotoxic T cell)あ
るいは,キラーT細胞と呼ばれる。
【0045】NK細胞 T細胞でもB細胞でもないリンパ球で、ナチュナルキラ
ー細胞(NK細胞)と呼ばれるものがある。この細胞は,
腫瘍細胞やウイルス感染細胞を障害する能力があるが,
細胞障害性T細胞の場合と異なり,予め抗原刺激をして
おく必要ががない。
【0046】表3よりこれらのリンパ球はハタケシメジ
乾燥粉末を服用することにより、増える傾向にあること
がわかる。よって、ハタケシメジはヒトに対しても免疫
調整作用を持つことが確認された。また、服用によっ
て、下痢、嘔吐、排尿異常等の副作用は一切起こらなか
った。
【0047】実施例1 免疫調整剤 ハタケシメジ乾燥粉末100gと滅菌水1Lを三角フラ
スコに加え、100℃の湯浴中で1時間抽出後、室温ま
で放冷した。減圧濾過により第一濾液と残渣とに分離す
る。残渣に滅菌水500mLを加え、100℃の湯浴中
で1時間抽出後、室温まで放冷し、減圧濾過により第二
濾液と残渣とに分離する。第一濾液と第二濾液を混合
し、60℃にて減圧濃縮する。さらに、100℃で10
分殺菌後、固形分50%となるまで60℃にて濃縮す
る。固形分に対して、50%の賦形剤を添加し、加熱溶
解、スプレードライ法にて粉末化する。60メッシュの
ふるいにかけ、押出し造粒法にて顆粒化し、2.5gづ
つスティック包装する(図1)。
【0048】
【発明の効果】本発明にかかるハタケシメジ株を主成分
とする免疫調整剤によれば、副作用を生じる可能性が低
く、且つ優れた効果を持つ免疫調整剤を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる免疫調整剤の製造方法のフロー
チャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 29/00 A61P 29/00 101 101 35/00 35/00 37/02 37/02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハタケシメジ株成分を含むことを特徴と
    する免疫調整剤。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の免疫調整剤において、
    ハタケシメジ株乾燥粉末の熱水抽出物を主成分とするこ
    とを特徴とする免疫調整剤。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の免疫調整剤において、
    熱水抽出物を濃縮し、賦形剤を加え、粉末化することを
    特徴とする免疫調整剤。
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