JP2003072009A - 熱収縮性包装材料 - Google Patents

熱収縮性包装材料

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JP2003072009A JP2001268819A JP2001268819A JP2003072009A JP 2003072009 A JP2003072009 A JP 2003072009A JP 2001268819 A JP2001268819 A JP 2001268819A JP 2001268819 A JP2001268819 A JP 2001268819A JP 2003072009 A JP2003072009 A JP 2003072009A
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俊行 賀来
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    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W90/00Enabling technologies or technologies with a potential or indirect contribution to greenhouse gas [GHG] emissions mitigation
    • Y02W90/10Bio-packaging, e.g. packing containers made from renewable resources or bio-plastics

Abstract

(57)【要約】 【課題】生分解性樹脂の廃棄容易性を生かして、開封後
の環境汚染を防止できる熱収縮性包装材料を提供するこ
と。 【解決手段】生分解性の熱収縮性フィルムと、この生分
解性フィルム上に印刷され、ポリ乳酸セグメントとポリ
グリセリンセグメントとから成る脂肪族ポリエステルを
主たるバインダーとする絵柄層と、この絵柄層を被覆し
て設けられて熱による接着を防止し、ポリ乳酸セグメン
トとポリグリセリンセグメントとを有するポリ乳酸系樹
脂と、有機溶剤可溶性多糖類の混合物から成るオーバー
コート層と、ヒートシール部位に選択的に設けられたヒ
ートシール剤層とを備えることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱収縮性包装材料
に関し、例えば、フレキシブルディスクや磁気テープな
どの磁気記録媒体、CDやDVDなどの光記録媒体、あ
るいは光磁気ディスクなどの光磁気記録媒体をケースに
収容し、このケースを包装しかつ熱収縮させることによ
り密封するのに好適な熱収縮性包装材料に関する。
【0002】
【従来の技術】上記包装材料としては、従来、二軸延伸
ポリプロピレンフィルムやポリ塩化ビニルフィルムなど
の熱収縮性フィルムが利用されてきた。そして、これら
熱収縮性フィルムで上記記録媒体入りのケースを包装
し、その端部で熱収縮性フィルム同士を重ねあわせてヒ
ートシールし、次に全体を加熱して数パーセント収縮さ
せてケースを緊縛することにより、これらケースを包装
・密封していた。
【0003】具体的には、例えば、図5Aに示すよう
に、ケース2を包装材料aの上に載置してケース2を包
装材料aでくるみ、包装材料aの裏面側(ケース2に対
面する側)の端部a1と表面(ケース2の反対側)の端
部a2とを重ね合わせ、上記裏面側の端部a1及び表面
の端部a2のそれぞれに設けられたヒートシール剤層で
ヒートシールする(図5B参照)。
【0004】次に、ケース2の側面にはみ出した包装材
料aの角部a3及びa4を折込む(図5C参照)。次
に、ケース2側面の上部に庇状に突き出した側部a5を
折込み(図5D参照)、続いてケース2側面の下部に庇
状に突き出した側部a6を折込み、この折込みによって
重ねられた角部と角部、及び側部と側部とを、これら角
部及び側部に設けられたヒートシール剤層でヒートシー
ルする(図5E参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記包
装材料は、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルなどの材質
で構成されているため、これを開封して包装材料を廃棄
すると、環境の汚染を引き起こすおそれがあるという問
題点があった。本発明は上記問題を解決するためになさ
れたものであり、生分解性樹脂の廃棄容易性を生かし
て、開封後の環境汚染を防止することを目的とするもの
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、請求項1に係
る発明は、製品を包装し、その端部同士をヒートシール
し、次いで熱収縮させることにより密封するフィルム状
の熱収縮性包装材料において、生分解性の熱収縮性フィ
ルムと、この生分解性フィルム上に印刷され、ポリ乳酸
セグメントとポリグリセリンセグメントとから成る脂肪
族ポリエステルを主たるバインダーとする絵柄層と、こ
の絵柄層を被覆して設けられて熱による接着を防止し、
ポリ乳酸セグメントとポリグリセリンセグメントとを有
するポリ乳酸系樹脂と、有機溶剤可溶性多糖類の混合物
から成るオーバーコート層と、ヒートシール部位に選択
的に設けられたヒートシール剤層とを備えることを特徴
とするものである。
【0007】請求項1に係る発明においては、従来のポ
リプロピレンやポリ塩化ビニルなどのフィルムに代えて
生分解性のフィルムを基材として利用し、絵柄層の主た
るバインダーとしてポリ乳酸セグメントとポリグリセリ
ンセグメントとから成る脂肪族ポリエステルを主たるバ
インダーを利用し、かつ、オーバーコート層としてポリ
乳酸セグメントとポリグリセリンセグメントとを有する
ポリ乳酸系樹脂と、有機溶剤可溶性多糖類の混合物を使
用しているため、開封後の廃棄に当たって、これらフィ
ルムや絵柄層及びオーバーコート層が雑菌(分解性細
菌)にさらされて分解される。また、この樹脂を主たる
バインダーとする印刷インキは、一般に、インキ適性
(印刷適性)を確保するための種々の補助成分を含有し
ている。そして、この補助成分のため、印刷後の包装材
料多数枚重ねて保管する場合に、これら絵柄層が隣接す
る包装材料に接着するブロッキングを生じ易い。また、
密封包装した際に、上記絵柄層が内容物に転移して内容
物を汚染することもある。
【0008】請求項1に係る発明においては、上記絵柄
層を被覆して、ポリ乳酸セグメントとポリグリセリンセ
グメントとを有するポリ乳酸系樹脂と、有機溶剤可溶性
多糖類の混合物から成るオーバーコート層を設けている
ため、これら絵柄層による包装材料や内容物へのブロッ
キングを防止して、長期の保管と移送とを容易にして、
品質に対する信頼性の向上を図ることができる。また、
ヒートシール層を必要な部位に選択的に設けており、そ
の他の部位においてはオーバーコート層が露出している
ため、包装に当たってはヒートシールの必要な部位のみ
が選択的にヒートシールされ、その他の部位で接着され
ず、従って、包装を開封する際にも手指等によりきわめ
て容易に開封して廃棄することが可能となる。そして、
このため、製造工場で生産した包装材料を保管し、ある
いは磁気記録媒体などの製品の包装工場に移送するに際
し、廃棄容易で環境汚染がなく、安定した品質の包装材
料を常に供給できるという効果を発揮する。オーバーコ
ート層はフィルム全面に一様に設けることもできるが、
ポリ乳酸系樹脂と、有機溶剤可溶性多糖類の混合物から
成るオーバーコート層は、一般に、ヒートシール剤層と
の接着力が弱い。このため、上記オーバーコート層をフ
ィルム全面に一様に設けた場合には、内容物を密封包装
した後、開封した際に、ヒートシール剤層がオーバーコ
ート層から剥離して内容物に転移し、内容物を汚染する
おそれがある。
【0009】請求項2に係る発明はこのような理由によ
ってなされたもので、すなわち、請求項1に係る発明を
前提とし、上記オーバーコート層がヒートシール部位を
除く部位に設けられると共に、上記ヒートシール剤層が
上記フィルム又は絵柄層上のヒートシール部位に直接設
けられていることを特徴とするものである。
【0010】請求項2に係る発明においては、ポリ乳酸
系樹脂と、有機溶剤可溶性多糖類の混合物から成るオー
バーコート層がヒートシール部位を除く部位に設けられ
ているため、このオーバーコート層とヒートシール剤層
との接着力が弱い場合でも、開封の際にヒートシール剤
層がオーバーコート層から剥離して内容物に転移するお
それがない。そして、このため、包装された製品に対す
る信頼感の向上を図ることが可能となる。
【0011】請求項2に係る発明においては、ヒートシ
ール部位を含む位置に絵柄層を設けることもできるが、
このヒートシール部位にはオーバーコート層が存在せ
ず、絵柄層を保護することができないため、絵柄層は、
ヒートシール部位を除く部位に選択的に設けることが望
ましい(図1参照)。
【0012】また、請求項2に係る発明において、オー
バーコート層がヒートシール剤層との間に隙間があって
もよいが、両者を位置合わせして、これら両層の間に隙
間が存在しないことが望ましい(図1参照)。なお、オ
ーバーコート層の端部とヒートシール剤層の端部とは互
いに重ならないことが望ましいが、位置合わせの精度上
の理由から、わずかに重なる程度のことが許されるのは
もちろんである。
【0013】次に、請求項3に係る発明は、請求項1〜
2に係る発明を前提とし、上記ヒートシール剤層が生分
解性樹脂を主成分として構成されていることを特徴とす
るものである。
【0014】請求項3に係る発明によれば、一層環境汚
染の少ない包装材料を供給できるという効果を奏する。
本発明に係る生分解性のフィルムとしては任意のものが
使用できるが、その製膜加工性、透明性、生分解性能、
熱収縮性能などの理由から、ポリ乳酸系フィルムが好適
に利用できる。なお、ポリ乳酸系フィルムは温度と湿度
の双方が一定の条件以上で整った場合に加水分解を始め
る。さらに加水分解によって小さくなった分子を微生物
が摂取することで分解が促進されるものである。
【0015】従って、ポリ乳酸フィルムは、通常の包装
材料の保管条件では加水分解が開始されず、従って、こ
の点からも製品工場に対して、安定した品質の包装材料
を供給することができる。また、製品包装後も加水分解
が開始されないため、店舗における製品販売の際にも品
質の劣化がない。このため、長期間の流通過程に乗せら
れる製品の包装材料に適している。そして、このポリ乳
酸フィルムは、包装材料を開封した後、コンポスト内に
放置した場合に速やかに分解される。
【0016】このポリ乳酸フィルムとしては、たとえ
ば、ユニチカ(株)製テラマック、三菱樹脂(株)製エ
コロージュ、東セロ(株)製パルグリーンLCなどが挙
げられる。これら市販のポリ乳酸フィルムを、所望の熱
収縮率を有するように延伸することにより、上記磁気記
録媒体などの包装に好適なポリ乳酸フィルムを得ること
ができる。熱収縮率としては、100℃、5分で0.5
〜20%の縦収縮率及び横収縮率が好適である。好まし
くは1〜10%、更に好ましくは3〜9%である。
【0017】上記ポリ乳酸フィルムの厚みとしては、5
〜100μmが好適である。好ましくは10〜40μm
より好ましくは20〜30μmである。厚みが厚くなる
につれて熱収縮率が低下する傾向にあり、他方、その強
度が強くなって、重量物の包装に耐える強度を有するよ
うになる。
【0018】次に、絵柄層としては、着色剤とこの着色
剤を生分解性フィルム上に固定するバインダーとを主成
分とし、これにインキ適性(印刷適性)を向上させる各
種補助成分を添加した印刷インキから構成することがで
きる。着色剤としては、着色顔料または染料が利用でき
るが、その耐光性などの点から顔料が好適である。
【0019】バインダーとして使用するポリ乳酸セグメ
ントとポリグリセリンセグメントとから成る脂肪族ポリ
エステルとしては、ポリ乳酸セグメント中に乳酸残基を
80モル%以上含んでいるものが望ましく、また、L−
乳酸残基とD−乳酸残基とをL/Dモル比が1〜9の範
囲となるように含んでいることが望ましい。また、ポリ
グリセリンセグメントの重合度は3〜20の範囲にある
ことが望ましい。また、上記脂肪族ポリエステルとして
は、還元粘度が0.3〜1.0dl/g、ガラス転移点
が40〜60℃の範囲にあることが望ましい。
【0020】このような脂肪族ポリエステルは、乳酸の
二量体であるラクチドに乳酸とポリグリセリンとを溶融
混合し、公知の開環重合触媒を使用して加熱開環重合さ
せたり、加熱と減圧により直接脱水重合させる方法など
で得ることができる。また、高分子量ポリ乳酸や乳酸セ
グメントを製造した後、ウレタン基やエポキシ基などを
利用して、ポリグリセリンセグメントを反応させて得る
こともできる。乳酸としては、L―乳酸、D−乳酸、D
L−乳酸などが使用できる。
【0021】次に、印刷インキ中の上記各種補助成分と
しては、絵柄層に耐摩擦性や滑り性を与えるワックス、
絵柄層に柔軟性を与え、また、インキの生分解性フィル
ム上への転移性を向上させる可塑剤や消泡剤、あるい
は、顔料分散剤、粘度調整剤、皮膜調整剤、乾燥調整剤
などがある。これら補助成分は印刷方式や条件に応じ
て、適切なものを適量添加すれば良い。これら印刷イン
キは、例えば、グラビア印刷で印刷することができる。
多色の印刷インキを重ね刷りすることによりカラーの絵
柄層を構成することも可能である。
【0022】また、本発明に係るオーバーコート剤層
は、絵柄層による包装材料のブロッキングを防止するも
ので、この絵柄層を被覆してもうけられる。オーバーコ
ート層に使用されるポリ乳酸系樹脂としては、ポリ乳酸
セグメント中に乳酸残基を80モル%以上含んでいるも
のが望ましく、また、L−乳酸残基とD−乳酸残基とを
L/Dモル比が1〜9の範囲となるように含んでいるこ
とが望ましい。また、還元粘度が0.3〜1.0dl/
g、ガラス転移点が40〜60℃の範囲にあることが望
ましい。
【0023】このようなポリ乳酸系樹脂は、乳酸の二量
体であるラクチド及びポリグリセリン等の添加物を溶融
混合し、加熱開環触媒の存在下で加熱開環重合させた
り、加熱と減圧により直接脱水重合させる方法などで得
ることができる。また、オーバーコート層に使用される
上記有機溶剤可溶性多糖類としては、ニトロセルロー
ス、酢酸セルロース、エステル化デンプンが例示でき
る。混合比としては、ポリ乳酸系樹脂100重量部に対
し有機溶剤可溶性多糖類5〜40重量部が好ましい。
【0024】次に、本発明に係るヒ−トシール剤層とし
ては、ポリ乳酸系樹脂であって、乳酸残基を80モル%
以上含有し、そのうちL乳酸とD乳酸のモル比が1〜1
9であり、還元粘度が0.4〜1.5dl/gであるも
のが利用できる。
【0025】このヒートシール剤層は、包装の際に互い
にヒートシールする部位に選択的に形成する。例えば、
磁気記録媒体の直方体形状のケースを包装する場合に
は、図2に示すように、フィルムの表面側では、一方の
端部1a、ケースの角に対向する位置1c、1d、及び
ケースの下面側部に対向する1e,1fである。
【0026】また、フィルムの裏面側では、図3に示す
ように、端部1g、側部1i、である。なお、端部1g
の中央については、ヒートシール剤層を除いてヒートシ
ールされないように構成しており、ケースを包装した
後、この非ヒートシール部に指を掛けて開封し易い形態
とすることができる。
【0027】なお、オーバーコート層及びヒートシール
剤層は、いずれも、適切な有機溶剤に溶解又は分散させ
て印刷又は塗布することができる。有機溶剤としては、
例えば、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル等
が使用できる。
【0028】本発明に係る包装材料は、上記磁気記録媒
体のケース、光記録媒体のケース及び光磁気記録媒体の
ケースを包装するのに適する。
【0029】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を説明
する。生分解性フィルムとして、ユニチカ(株)製ポリ
乳酸フィルムを利用した。ポリ乳酸フィルムの融点は1
70℃、厚みは25μmであり、二軸延伸して、100
℃、5分の縦収縮率を7〜9%、横収縮率を3〜6%に
調整したものである。
【0030】次に、グラビア印刷を利用して、裏面側
に、絵柄層を印刷した。絵柄層に適用したインキは、ポ
リ乳酸セグメントとポリグリセリンセグメントとから成
る脂肪族ポリエステルから成るバインダー100重量部
に着色顔料10重量部と有機溶剤として酢酸プロピル2
00重量部を混合し、各種補助成分を添加してその印刷
適性を調整したものである。
【0031】上記バインダーは、次の方法で合成したも
のである。すなわち、DLラクチド1000部、重合度
が10であるポリグリセリン10部、開環重合触媒とし
てアルミニウムアセチルアセテート1重量部をフラスコ
に仕込み、窒素雰囲気中で180℃、3時間の条件で加
熱溶融させることにより開環重合させ、残留ラクチドを
減圧下留去させることにより、上記バインダーを製造し
た。このバインダー中の乳酸残基は99モル%、L−乳
酸残基とD−乳酸残基とのL/Dモル比は1、還元粘度
は0.49dl/g、ガラス転移点が49℃であった。
【0032】次に、この絵柄層を被覆して、上記フィル
ムの裏面のうち、ヒートシール部位を除く部位に選択的
に、オーバーコート層を塗布した。オーバーコート層は
ポリ乳酸セグメントとポリグリセリンセグメントとを有
するポリ乳酸系樹脂100重量部に対し、有機溶剤可溶
性のニトロセルロース20重量部を混合したもので、有
機溶剤に溶解させ、グラビア印刷法により塗布した。こ
のポリ乳酸系樹脂は、次の方法で合成したものである。
すなわち、DLラクチド1000部、重合度が10であ
るポリグリセリン10部、開環重合触媒としてアルミニ
ウムアセチルアセテート1重量部をフラスコに仕込み、
窒素雰囲気中で180℃、3時間の条件で加熱溶融させ
ることにより開環重合させ、残留ラクチドを減圧下留去
させることにより、上記バインダーを製造した。このポ
リ乳酸系樹脂中の乳酸残基は99wt%、L−乳酸残基と
D−乳酸残基とをL/Dモル比は1、還元粘度は0.4
9dl/g、ガラス転移点は49℃であった。
【0033】続いて、裏面側のヒートシール部位に、か
つ、上記オーバーコート層に位置合わせして重ならない
ようにかつ両層の間に隙間ができない形状に、すなわ
ち、図3に示す形状に、また、表面側に図2に示す形状
に、ヒートシール剤を塗布してヒートシール剤層を形成
した。ヒートシール剤は、ポリ乳酸系樹脂であって、乳
酸残基を90モル%含有し、そのうちL乳酸とD乳酸の
モル比が10であり、還元粘度が1.0dl/gのもの
を有機溶剤に溶解させ、グラビア印刷法により塗布し
た。
【0034】こうして得られた包装材料を使用して、重
さ156gのフレキシブルディスクのケース2を包装し
た。すなわち、図4Aに示すように、ケース2を包装材
料1の上に載置してケース2を包装材料1でくるみ、包
装材料1の裏面側(ケース2に対面する側)の端部1a
と表面(ケース2の反対側)の端部1gとを重ね合わ
せ、上記裏面の端部1a及び表面の端部1gのそれぞれ
に設けられたヒートシール剤層でヒートシールした(図
4B参照)。また、端部1aの中央はヒートシール剤層
が存在せず、非接着のままの状態とした。
【0035】次に、ケース2の側面にはみ出した包装材
料1の角部1c、1dを折り込んだ(図4C参照)。次
に、ケース2側面の上部に庇状に突き出した側部1eを
折込み、このおりこみによって重ねられた角部1cと角
部1dとを、これら角部1c及び1dの表面側にそれぞ
れ設けられたヒートシール剤層でヒートシールした(図
4D参照)。
【0036】そして、次に、ケース2側面の下部に庇状
に突き出した側部1iを折込み、この折込みによって重
ねられた側部1iと1eとを、これら側部1iの裏面側
及び側部1eの表面側に設けられたヒートシール剤層で
ヒートシールした(図4E参照)。なお、上記ヒートシ
ールは、100℃、19.6N、1病の条件で行った。
そのヒートシール強度は、2.40N/15mmであ
る。
【0037】こうして包装された包装体を、赤外線ヒー
ターにより全体的に加熱して上記包装材料を0.1〜5
%熱収縮さえ、ケースを緊縛した。このとき、端部中央
の非接着部位を含めて、包装が開封されることはなく、
包装状態を良好に維持することができた。そして、この
包装体を1mの高さからコンクリート床面に自然落下さ
せて、剥離の有無を調べた。なお、落下のさいには、図
4Eに示す角部2aがコンクリート床面に衝突するよう
に、包装体を斜めに傾けて落下させた。こうして落下・
衝突した包装体には何の剥離もなく、多少の衝撃では剥
離が生じないことが確認できた。
【0038】次に、上記端部1iの中央に手指を掛けて
包装材料を剥離・開封し、包装材料とケース2の接着の
有無を調べた。包装材料は、上記端部1iの中央から容
易に剥離し、また、ケース2にも、包装材料の接着によ
る傷や汚れの跡は見当たらなかった。
【0039】そして、開封した包装材料の生分解性能を
確認したところ、フィルム、絵柄層、オーバーコット層
及びヒートシール層のいずれも良好な生分解性能を示
し、短期間のうちに分解した。
【0040】
【発明の効果】請求項1に係る発明においては、請求項
1に係る発明においては、従来のポリプロピレンやポリ
塩化ビニルなどのフィルムに代えて生分解性のフィルム
を基材として利用し、絵柄層の主たるバインダーとして
ポリ乳酸セグメントとポリグリセリンセグメントとから
成る脂肪族ポリエステルを主たるバインダーを利用し、
かつ、オーバーコート層としてポリ乳酸セグメントとポ
リグリセリンセグメントとを有するポリ乳酸系樹脂と、
有機溶剤可溶性多糖類の混合物を使用しているため、開
封後の廃棄に当たって、これらフィルムや絵柄層及びオ
ーバーコート層が雑菌(分解性細菌)にさらされて分解
される。
【0041】また、請求項1に係る発明においては、上
記絵柄層を被覆して、ポリ乳酸セグメントとポリグリセ
リンセグメントとを有するポリ乳酸系樹脂と、有機溶剤
可溶性多糖類の混合物からから成るオーバーコート層を
設けているため、これら絵柄層による包装材料や内容物
へのブロッキングを防止して、長期の保管と移送とを容
易にして、品質に対する信頼性の向上を図ることができ
る。
【0042】また、ヒートシール層を必要な部位に選択
的に設けており、その他の部位においてはオーバーコー
ト層が露出しているため、包装に当たってはヒートシー
ルの必要な部位のみが選択的にヒートシールされ、その
他の部位で接着されず、従って、包装を開封する際にも
手指等によりきわめて容易に開封して廃棄することが可
能となる。
【0043】そして、このため、製造工場で生産した包
装材料を保管し、あるいは磁気記録媒体などの製品の包
装工場に移送するに際し、廃棄容易で環境汚染がなく、
安定した品質の包装材料を常に供給できるという効果を
発揮する。
【0044】また、請求項2に係る発明においては、オ
ーバーコート層がヒートシール部位を除く部位に設けら
れているため、このオーバーコート層とヒートシール剤
層との接着力が弱い場合でも、開封の際にヒートシール
剤層がオーバーコート層から剥離して内容物に転移する
おそれがない。そして、このため、包装された製品に対
する信頼感の向上を図ることが可能となる。
【0045】また、請求項3に係る発明によれば、一層
環境汚染の少ない包装材料を供給できるという効果を奏
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る包装材料の具体例を示す断面説明
図である。
【図2】本発明に係る包装材料の表面側のヒートシール
剤層形成位置の具体例を示す平面図である。
【図3】本発明に係る包装材料の裏面側のヒートシール
剤層形成位置の具体例を示す平面図である。
【図4】本発明に係る包装材料の使用方法の具体例を示
す斜視図である。
【図5】従来例に係る包装材料の使用方法の具体例を示
す斜視図である。
【符号の説明】
1・・・・包装材料 2・・・・被包装材料(ケース) 11・・・・フィルム 12・・・・絵柄層 13・・・・オーバーコート層 14・・・・ヒートシール剤層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀田 泰業 滋賀県大津市堅田2丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 賀来 俊行 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内 (72)発明者 奥山 和紀 東京都中央区京橋2丁目3番13号 東洋イ ンキ製造株式会社内 (72)発明者 鈴木 明 東京都中央区京橋2丁目3番13号 東洋イ ンキ製造株式会社内 Fターム(参考) 3E067 AB38 AB40 BA01B BA18C BB14C BB25C BB26C BC06C CA01 CA24 CA30 EA04 EA06 EA11 EA15 EA29 EB23 FA04 FB01 GD05 GD07 GD10 3E086 AD16 BA04 BA15 BB51 BB62 BB72 CA40 4F100 AJ03C AK01A AK41A AK41B AK41C BA04 BA07 BA10A BA10C BA16 CC00C DB06 GB15 HB31B JA03 JA03A JC00A JC00C JL12C JL14C

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】製品を包装し、その端部同士をヒートシー
    ルし、次いで熱収縮させることにより密封するフィルム
    状の熱収縮性包装材料において、生分解性の熱収縮性フ
    ィルムと、この生分解性フィルム上に印刷され、ポリ乳
    酸セグメントとポリグリセリンセグメントとから成る脂
    肪族ポリエステルを主たるバインダーとする絵柄層と、
    この絵柄層を被覆して設けられて熱による接着を防止
    し、ポリ乳酸セグメントとポリグリセリンセグメントと
    を有するポリ乳酸系樹脂と、有機溶剤可溶性多糖類の混
    合物から成るオーバーコート層と、ヒートシール部位に
    選択的に設けられたヒートシール剤層とを備えることを
    特徴とする熱収縮性包装材料。
  2. 【請求項2】上記オーバーコート層がヒートシール部位
    を除く部位に設けられると共に、上記ヒートシール剤層
    が上記フィルム又は絵柄層上のヒートシール部位に直接
    設けられていることを特徴とする請求項1記載の熱収縮
    性包装材料。
  3. 【請求項3】上記ヒートシール剤層が生分解性樹脂を主
    成分として構成されていることを特徴とする請求項1〜
    2のいずれかに記載の熱収縮性包装材料。
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