JPH11130998A - 水性メタリックインキ組成物 - Google Patents

水性メタリックインキ組成物

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JPH11130998A
JPH11130998A JP31117097A JP31117097A JPH11130998A JP H11130998 A JPH11130998 A JP H11130998A JP 31117097 A JP31117097 A JP 31117097A JP 31117097 A JP31117097 A JP 31117097A JP H11130998 A JPH11130998 A JP H11130998A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鮮やかな有色のメタリック調の筆跡を得るこ
とができ、経時的粘度安定性に優れた水性メタリックイ
ンキ組成物を提供する。 【解決手段】 アルミニウム粉顔料などの金属粉顔料
と、ザムサンガムなどの天然多糖類と、着色剤と、水溶
性有機溶剤とを少なくとも含有してなるインキ組成物中
に、バインダー成分として、水溶性大豆多糖類またはそ
の誘導体を配合して水性メタリックインキ組成物を得
る。天然多糖類には、各種の微生物産系多糖類又はその
誘導体、水溶性植物系多糖類又はその誘導体、水溶性動
物系多糖類又はその誘導体が含まれる。インキ組成物全
量に対して天然多糖類は0.01〜4.00重量%、水
溶性大豆多糖類またはその誘導体は0.50〜20.0
重量%含まれている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、筆記用具インキ、
印刷用インキ、塗料関連分野において有用な水性メタリ
ックインキ組成物に関する。さらに詳しくは、容易に鮮
やかな有色のメタリック調の筆跡を得ることができ、か
つ粘度安定性に優れた水性メタリックインキ組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、金属粉顔料として、例えば、アル
ミニウム粉顔料と着色剤を少なくとも含み、筆記時にお
ける筆跡をメタリック調にすることができる水性メタリ
ックインキ組成物が各種公知となっている。水性メタリ
ックインキ組成物として、例えば、特開平8−1991
08号では、金属粉顔料と、樹脂と、潤滑性を付与でき
る特定の化合物と、水溶性有機溶剤と、水とを少なくと
も含むボールペン用水性顔料インキが開示されている。
この技術では、樹脂は、定着剤(バインダー樹脂)およ
び粘度調整剤として用いており、バインダー樹脂には、
例えば、水溶性アクリル樹脂やアクリルエマルジョンな
どが含まれる。また、例えば、インキ組成物にせん断減
粘性を与え、筆記時において粘度の減少を起こすように
するために配合されている粘度調整剤としては、ザンサ
ンガムなどの微生物産性多糖類、グァーガムなどの水溶
性植物性多糖類等が用いられ、特にザンサンガムが好適
に使用できる旨が開示されている。
【0003】また、かかる金属粉顔料として最も汎用に
用いられているアルミニウムは、他の、水溶性有機溶媒
との安定性を確保するため等の理由から、表面処理を施
されたものが使用されることが通常である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
表面処理されたアルミニウム粉顔料は定着剤と定着しに
くく、上記のような従来のバインダー樹脂を使用した場
合は着色剤とアルミニウム粉顔料が結合できないため、
かかるインキの筆跡は鮮やかな有色のメタリック調のも
のが得られにくい。すなわち、かかるインキを紙などの
吸収面に筆記すると、金属粉顔料が金属色を有する塗膜
を形成し、その周りに着色剤が滲み出すいわば二重発色
インキのような筆跡となる一方、金属板やプラスチック
板などの非吸収面に筆記すると、金属粉顔料の塗膜が着
色剤をはじく結果、単なる金属色の筆跡となり、着色剤
と金属粉顔料の結合した鮮やかな有色のメタリック調の
筆跡を得ることは困難であった。
【0005】また、さらに、金属粉顔料の分散性を向上
させるために配合される増粘剤として用いられている公
知の多糖類の中には、経時により増粘或いは減粘するも
のも存在していた。従って、これらの選択によっては長
期間の放置によりインキの粘度が変化し、使用できなく
なるものもあった。
【0006】本発明の課題は、アルミニウム粉等の金属
粉顔料と着色剤の結合を向上させる結果、鮮やかな有色
のメタリック調の筆跡を得ることができるとともに、粘
度の安定性を向上させ、経時安定性に優れた水性メタリ
ックインキ組成物を提供する点にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の問題
を解決すべく鋭意検討した結果、バインダー成分として
水溶性大豆多糖類及びその誘導体を使用することによ
り、アルミニウム顔料などの金属粉顔料と着色剤の定着
性を確保できる知見を得、本発明を完成させるに至っ
た。本発明の要旨は、少なくとも天然多糖類、金属粉顔
料、着色剤、水及び水溶性有機溶剤を含有するインキ組
成物に、金属粉顔料に着色剤を定着させるバインダー成
分として、水溶性大豆多糖類またはその誘導体を主要成
分として含有してなる水性メタリックインキ組成物であ
る。
【0008】また、本発明で用いられる水溶性大豆多糖
類またはその誘導体は、例えば大豆由来の水溶性ヘミセ
ルロースの主要成分の一つとして提供されるものであ
り、例えばガラクトース、アラビノース、ガラクツロン
酸、ラムノース、キシロース、フコース、グルコースと
多種類の糖から構成され、ラムノガラクツロン酸鎖にガ
ラクタンとアラビナンが結合した構造を有するものであ
る。水溶性大豆多糖類またはその誘導体は、金属粉顔料
と着色剤表面に吸着或いは水素結合しやすく、着色剤と
アルミニウム粉顔料に結合させる役割を担うため鮮やか
な有色のメタリック調の筆跡を得ることができると思料
される。
【0009】また、本発明者は水溶性大豆多糖類または
その誘導体は粘度変化抑制能を有し、これを配合するこ
とにより増粘剤として用いられる多糖類の粘度変化を抑
制し、インキ組成物の粘度の経時的安定性を確保できる
ことも見出した。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の水性メタリックインキ組
成物は、少なくとも天然多糖類、金属粉顔料、着色剤、
水及び水溶性有機溶剤を含有するインキ組成物に、金属
粉顔料に着色剤を定着させるバインダー成分として、水
溶性大豆多糖類またはその誘導体を主要成分として含有
していることをその要旨とするものである。すなわち、
本発明の水性メタリックインキ組成物は、少なくとも天
然多糖類、水溶性大豆多糖類またはその誘導体、金属粉
顔料、着色剤、水溶性有機溶剤を含むものである。
【0011】本発明で用いる天然多糖類はインキの粘度
を調節するための粘度調整剤、及び顔料を分散させるた
めの分散剤として配合されるものである。天然多糖類と
しては各種公知のものが使用可能であり、具体的には微
生物系多糖類及びその誘導体、水溶性植物系多糖類及び
その誘導体、水溶性動物系多糖類及びその誘導体が使用
可能である。
【0012】微生物系多糖類及びその誘導体としては、
プルラン、ザンサンガム、ウェランガム、ラムザンガ
ム、サクシノグルカン、デキストランなどが例示でき
る。水溶性植物系多糖類及びその誘導体としては、トラ
ガンシガム、グァーガム、タラガム、ローカストビーン
ガム、ガティガム、アラビアノガラクタンガム、アラビ
アガム、クイスシードガム、ペクチン、デンプン、サイ
リュームシードガム、カラギーナン、アルギン酸、寒天
等が例示できる。水溶性動物系多糖類及びその誘導体と
しては、ゼラチン、カゼインなどが例示できる。中でも
ザンサンガム、ウェランガム、ラムザンガムが最適であ
る。ザンサンガムとしては三晶株式会社製商品名「KE
LZAN」が好適に使用できる。ウェランガムとしては
三晶株式会社製商品名「K1A96」が好適に使用でき
る。ラムザンガムとしては三晶株式会社製商品名「K7
C233」が好適に使用できる。
【0013】微生物系多糖類及びその誘導体の配合量と
しては、インキ組成物全量に対して0.01重量%(以
下、単に%と略記する。)以上4.00%以下が好まし
い。この範囲より過剰に配合するとインキ組成物の粘度
が高くなりすぎるため筆記、印刷適性に合わない。一
方、この範囲より過少であると、アルミニウム顔料が沈
降し、メタリックインキとして使用できなくなる。特に
0.30%〜2.00%の配合量が最適である。また、
上記の天然多糖類は単独で又は2種以上併用して使用す
ることができる。
【0014】水溶性大豆多糖類またはその誘導体は既述
のようにバインダー成分として配合するものであり、金
属粉顔料、特にアルミニウム顔料への着色剤の定着をそ
の目的とする。また、さらには天然多糖類の粘度変化を
抑制する性質を有し、粘度安定性を確保する役割もまた
その目的とするものである。水溶性大豆多糖類またはそ
の誘導体は水溶性ヘミセルロースの主要成分の一つであ
り、本発明では水溶性大豆多糖類を含む水溶性ヘミセル
ロースを使用することもできる。水溶性ヘミセルロース
は一般には油糧種子、例えば大豆、パーム、ヤシ、コー
ン、綿実など通常油脂や蛋白質を除いた殻、或いは穀
類、例えば小麦など通常澱粉等を除いた粕等の植物を原
料とすることができる。これらの原料を酸性乃至アルカ
リ性の条件下、好ましくは各々の蛋白質の等電点付近で
のpHで、好ましくは130℃以下80℃以上、より好
ましくは130℃以下100℃以上にて加熱分解し、水
溶性画分を分画した後そのまま乾燥するか、例えば活性
炭処理或いは樹脂吸着処理或いはエタノール沈殿処理し
て疎水性物質或いは低分子物質を除去し乾燥することに
よって水溶性ヘミセルロースを得ることができる。原料
が大豆であれば豆腐や豆乳、分離大豆蛋白質を製造する
ときに複製するおからを使用し製造することが好まし
い。
【0015】水溶性大豆多糖類またはその誘導体は例え
ばガラクトース、アラビノース、ガラクツロン酸、ラム
ノース、キシロース、フコース、グルコースと多種類の
糖から構成され、ラムノガラクツロン酸鎖にガラクタン
とアラビナンが結合した以下の推定構造を有する。
【0016】
【化1】
【0017】本発明で使用される水溶性大豆多糖類また
はその誘導体は市販されているものも好適に使用するこ
とができ、具体的には、例えば、不二製油株式会社製商
品名「ソヤファイブ S−DN」、「ソヤファイブ S
−DA100」、「ソヤファイブ S−LN」、「ソヤ
ファイブ S−LN1」、「ソヤファイブ S−LA2
00」等を使用することが好ましい。
【0018】水溶性大豆多糖類またはその誘導体の配合
量はインキ組成物全量に対して0.50%以上20.0
%以下が好ましい。この範囲より過剰に配合するとイン
キ組成物の粘度が高くなりすぎるため、筆記、印刷適性
に合わない。一方、この範囲より過少であるとアルミニ
ウム顔料に着色剤が定着せず、鮮やかなメタリック調の
筆跡を得ることができない。特に1.00%〜15.0
%の配合量が最適である。上記の水溶性大豆多糖類また
はその誘導体は単独で使用、又は2種以上併用すること
ができる。
【0019】金属粉顔料は金属光沢を有し、水への分散
性がよいものであることが必要である。特にアルミニウ
ム顔料が好ましく、アルミニウム粉顔料は、リーフィン
グタイプであってもよく、ノンリーフィングタイプであ
ってもよい。具体的には、商品名:アルペーストWJP
−U75C(東洋アルミニウム社製)、商品名:アルペ
ーストWE1200(東洋アルミニウム社製)、商品
名:アルペーストWXM7675(東洋アルミニウム社
製)、商品名:アルペーストWXM0630(東洋アル
ミニウム社製)、商品名:1110W(昭和アルミニウ
ム社製)、商品名:2172SW(昭和アルミニウム社
製)、商品名:AW−808C(旭化成社製)、商品
名:AW−7000R(旭化成社製)などが例示でき
る。その他の金属粉顔料としては真鍮粉顔料などが使用
可能であり、これらの具体例としては、例えば、商品
名:BS−605(東洋アルミニウム社製)、商品名:
BS−607(東洋アルミニウム社製)、商品名:ブロ
ンズパウダーP−555(中島金属箔粉工業(株)
製)、商品名:ブロンズパウダーP−777(中島金属
箔粉工業(株)製)などを例示することができる。
【0020】金属粉顔料、特にアルミニウム粉顔料の平
均粒子径は、例えば、5〜30μmであること、特に5
〜15μmであることが好ましい。平均粒子径がこれら
の範囲、特に5〜15μmのものは、筆記性、印刷適性
が優れている。
【0021】金属粉顔料は単独で又は二種以上組み合わ
せて使用できる。金属粉顔料の配合量は、例えば、イン
キ組成物全量に対して3〜30重量%、好ましくは4〜
15重量%である。金属粉顔料の配合量が過少である
と、金属光沢が発現しない。一方、過多であると、固形
分が多くなるため、インキ組成物の粘度・流動性に影響
が生じ、粘度の上昇や流動性の低下により、筆記性など
が低下する。
【0022】着色剤は、水性インキに使用できるもので
あれば特にその種類は問わない。したがって、着色剤と
しては、顔料及び染料が使用可能である。具体的には、
例えば、カーボンブラック、銅フタロシアニン系、スレ
ン系、アゾ系、キナクリドン系、アントラキノン系、ジ
オキサン系、インジゴ系、チオインジゴ系、ペリノン
系、インドレノン系、アゾメチン系などの各種公知の顔
料が好適に使用できる。また、顔料は蛍光顔料であって
も特に問題はない。着色剤としては染料も使用可能であ
るが顔料を用いる方が好適である。また、プラスチック
ピグメントを顔料又は染料で着色した着色剤及び、市販
の顔料分散体も好適に使用可能である。
【0023】着色剤は上記に例示したもの等を単独で又
は二種以上組み合わせて使用できる。着色剤の配合量
は、例えば、インキ組成物全量に対して0.05〜15
%、好ましくは1〜10%である。着色剤の配合量が過
少であると、メタリック調の筆跡が得られない。一方、
過剰に配合すると、固形分が多くなるため、インキ組成
物の粘度・流動性に影響が生じ、粘度の上昇や流動性の
低下により、筆記性などが低下する。
【0024】水溶性有機溶媒は乾燥防止及び低温時の凍
結防止のために配合するものであり、水と混和するもの
であることが必要である。具体的には、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールな
どのグリコール類、エチレングリコールモノメチルエー
テルなどのグリコールエーテル類、ジエチレングリコー
ルモノメチルエーテルなどのカルビトール類、その他、
グリセリン、トリメチロールプロパンなどが好適に使用
できる。
【0025】水溶性有機溶媒は例示したもの等を単独で
又は二種以上組み合わせて使用できる。また、水溶性有
機溶媒の配合量は1.00%以上40.0%以下、特に
好ましくは5.00%以上20.0%以下である。水溶
性有機溶媒の配合量が過剰であると筆記後筆跡が乾燥し
にくい。一方、配合量が過少であるとインキが乾燥しや
すく目詰まりなどがおこりやすくなり筆記性の低下を招
く。
【0026】本発明の水性メタリックインキ組成物には
水を溶剤として配合する。水としては、慣用の水(例え
ば、イオン交換水、蒸留水など)であれば何ら問題なく
用いることができる。水の使用量は、特に制限されず、
他の成分(天然多糖類、バインダー樹脂、金属粉顔料、
着色剤、水溶性有機溶剤など)の種類や使用量や、目的
とするインキ組成物の粘度などに応じて選択することが
できる。水の使用量は、広い範囲、例えば、インキ組成
物全量に対して約80重量%までの範囲から選択でき
る。好ましい水の使用量は、20〜70重量%(さらに
好ましくは30〜60重量%)程度である。
【0027】また、本発明の水性メタリックインキ組成
物は必要に応じて防錆剤、防腐防黴剤(例えば、ベンゾ
イソチアゾリン系防腐防黴剤、ペンタクロロフェノール
系防腐防黴剤、クレゾール系防腐防黴剤など)、分散剤
(例えば、水溶性アクリル樹脂、水溶性マレイン酸樹
脂、水溶性スチレン−アクリル共重合体、水溶性スチレ
ン−マレイン酸共重合体等の水溶性樹脂など)、各種界
面活性剤、潤滑剤、消泡剤、レベリング剤、凝集防止
剤、pH調整剤、擬塑性付与剤等の慣用の添加剤を適宜
選択して配合することができる。防錆剤としてはベンゾ
トリアゾールが好適に使用でき、その配合量は0.5%
までの範囲で配合することが好ましい。防腐防黴剤とし
てはヘキスト合成株式会社製、商品名「プロクセルGX
L」が好適に使用でき、その配合量は0.5%までの範
囲で配合することが好ましい。
【0028】本発明の水性メタリックインキ組成物は例
えば、前記成分、アルミニウム粉顔料、着色剤、水、水
溶性有機溶剤、天然多糖類及びバインダー樹脂などを慣
用の方法により混合して調製できる。例えば、水と、水
溶性有機溶剤と、アルミニウム粉顔料とを混合して金属
粉顔料分散体を調製し、これに、分散剤を投入する。こ
の分散溶液に、着色剤を投入して分散させ、さらに、天
然多糖類と、必要に応じて各種添加剤とを投入して、水
性メタリックインキ組成物を調製できる。なお、着色剤
は、予め分散剤により分散させた着色剤分散体として用
いてもよい。
【0029】なお、水性メタリックインキ組成物の調製
に際して行う分散、脱泡、濾過などの方法としては、慣
用の方法により行うことができる。
【0030】本発明の水性メタリックインキ組成物は粘
度を調整することにより金属粉顔料特にアルミニウム粉
顔料の分散性、筆記性、印刷性を調整することができ
る。具体的には上記の成分の配合量により調整すること
ができる。インキ組成物の粘度は20℃において300
0〜40000cpsに調整するとアルミニウム粉顔料
が沈降せず、筆記印刷適性にあるインキ組成物を得るこ
とができる。特に最適なインキ組成物の粘度は20℃に
おいて3000〜15000cpsに調整することが好
ましい。
【0031】本発明の水性メタリックインキ組成物はバ
インダー成分として、水溶性ヘミセルロース、特に水溶
性大豆多糖類またはその誘導体を含有してなる水性メタ
リックインキ組成物あるので、金属粉顔料と着色剤との
定着性に優れ、鮮やかな有色のメタリック調の筆跡を得
ることができる。
【0032】
【実施例】
(着色顔料分散体の調製例1)着色剤(フタロシアニン
ブルー)と、分散剤(スチレン−アクリル共重合体)と
を、フタロシアニンブルー/スチレン−アクリル共重合
体=5/1(重量比)の割合で、イオン交換水に投入
し、水酸化ナトリウムを用いて、ボールミルにより分散
させて、平均粒径0.08μm、固形分濃度10重量%
の顔料分散体を調製した。以下、この顔料分散体を顔料
ベース1と表す。なお、水酸化ナトリウムはスチレン−
アクリル酸共重合体をアルカリ性にして溶解するために
配合したものである。 (着色顔料分散体の調製例2)着色剤(イソインドリ
ン)と、分散剤(スチレン−アクリル共重合体)とを、
イソインドリン/スチレン−アクリル共重合体=5/1
(重量比)の割合で、イオン交換水に投入し、水酸化ナ
トリウムを用いて、ボールミルにより分散させて、平均
粒径0.15μm、固形分濃度10重量%の顔料分散体
を調製した。以下、この顔料分散体を顔料ベース2と表
す。
【0033】(実施例1〜3及び比較例1〜4)各実施
例および各比較例では、それぞれ表1に示す割合で配合
してインキ組成物を調製した。表1中の各種成分の配合
量はいずれも重量%である。具体的には、各実施例およ
び各比較例では、イオン交換水及び水溶性有機溶剤の混
合液に、アルミニウム粉顔料を、室温(20〜25℃)
で1時間攪拌して分散させた後、大豆多糖類を投入し、
さらに1時間攪拌して、アルミニウム粉顔料にを吸着さ
せてコーティングした。この分散体に、顔料ベースを加
え、室温(20〜25℃)で1時間攪拌し、アルミニウ
ム粉顔料上に、着色剤を吸着させて着色させた。この着
色したアルミニウム粉顔料の分散体に、天然多糖類と、
各種添加剤とを投入し、さらに、室温(20〜25℃)
で、1時間攪拌して、水性メタリックインキ組成物を得
た。
【0034】なお、原料としては、次のアルミニウム粉
顔料、天然多糖類などの着色用接着樹脂、防腐防黴剤な
どを用いた。 (金属粉顔料) ・アルミニウム粉顔料1 商品名:アルペーストWXM0630、東洋アルミニウ
ム(株)社製、リーフィングタイプ、平均粒径:約8μ
m ・アルミニウム粉顔料2 商品名:アルペーストWXM7675、東洋アルミニウ
ム(株)社製、ノンリーフィングタイプ、平均粒径:約
15μm (天然多糖類) ・ザンサンガム 商品名:KELZAN、三晶(株)社製 ・ウェランガム 商品名:K1A96、三晶(株)社製 ・ラムザンガム 商品名:K7C233、三晶(株)社製 (着色用接着樹脂) ・水溶性大豆多糖類1(以下、大豆多糖類1と略記す
る。) 商品名:ソヤファイブ S−DN、不二製油(株)社製 ・水溶性大豆多糖類2(以下、大豆多糖類2と略記す
る。) 商品名:ソヤファイブ S−DA100、不二製油
(株)社製 ・ポリビニルアルコール(以下、PVAと略記する。) 商品名:PVA−117、クラレ(株)社製、数平均分
子量:1800 ・ポリアクリル酸ナトリウム(以下、ポリアクリル酸N
aと略記する。) 商品名:ジュリマーAC−20N、日本純薬(株)社製 ・スチレンアクリルエマルジョン(以下、St−Aエマ
ルジョンと略記する) 商品名:ジョンクリル1535、ジョンソンポリマー
(株)社製 ・アクリル酢酸ビニルエマルジョン(以下、A−Acエ
マルジョンと略記する) 商品名:モビニールSK−3000、ヘキスト合成
(株)社製 (防腐防黴剤) ・1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン 商品名:プロクセルGXL、ヘキスト合成(株)社製 (防錆剤) ・ベンゾトリアゾール
【0035】
【表1】
【0036】前記製造方法に従って得られた実施例1〜
3及び比較例1〜4のメタリックインキ組成物を、それ
ぞれ、インキ収容部に充填し、インキ中の気泡を遠心分
離により除去してボールペンの試験サンプルを作製し
た。この試験サンプルを用いて、次の発色性試験、接着
性試験により、筆跡の発色性、接着性を評価し、その結
果を表1に示した。なお、インキ収容部としては、洋白
ボールペンチップ(ボールの材質:超硬合金)を一端に
連設したポリプロピレン製の中空軸筒よりなるボールペ
ン用インキ収容部を用いた。
【0037】(発色性試験)試験サンプルを用いて、黒
画用紙上(吸収面)に筆記し、筆跡の発色性を以下の基
準により目視で評価した。筆跡の発色性の結果は表1に
示した。 ○:着色顔料の色とともに、良好な金属光沢を有する筆
跡である。 △:アルミニウム顔料発色に僅かに着色顔料がついてお
り、その筆跡は金属光沢に僅かに着色顔料の色が発色し
ている。 ×:着色顔料の色がなく、アルミニウム粉顔料の色のみ
の筆跡である。
【0038】(粘度変化)試験サンプルを用いてELD
型粘度計、3°コーンにて実施例1〜3及び比較例1〜
4のメタリックインキ組成物の製造時における粘度を測
定した。さらに、粘度変化を評価するために50℃の条
件下に1ヶ月放置したときのインキ組成物の粘度も測定
し、その変化の様子を以下の基準により行った。粘度変
化の結果は表1に示す。 ○:粘度に全く変化なし。 △:増粘又は減粘が見られる。 ×:増粘又は減粘が大きい。
【0039】実施例1では、青色のメタリック調の筆跡
が得られ、かつそのインキ組成物の粘度変化は見られな
かった。実施例2、3では、金色のメタリック調の筆跡
が得られ、そのインキ組成物の粘度変化は見られなかっ
た。
【0040】一方、比較例1では、粘度変化は見られな
かったが有色のメタリック調の筆跡は得られなかった。
比較例2は、メタリック調の筆跡が得られず、粘度変化
も大きく1ヶ月放置後においては筆記できるものではな
かった。比較例3及び4は、粘度変化が大きく経時的粘
度安定性に劣っており、1ヶ月放置後において筆記性を
欠いたものであった。また、発色性は他の比較例よりも
若干優れており、薄い有色の発色性を得ることができた
ものの、各実施例のものとは筆跡の鮮やかさにおいて明
らかに相違が見られた。
【0041】従って、実施例1〜3で得られた水性メタ
リックインキ組成物を用いると、発色濃度が高いメタリ
ック調の筆跡が得られるとともに、経時的粘度安定性に
優れた水性メタリックインキ組成物が得られる。
【0042】
【発明の効果】本発明の水性メタリックインキ組成物
は、バインダー成分として、水溶性大豆多糖類またはそ
の誘導体を含有してなる水性メタリックインキ組成物あ
るので、アルミニウム粉顔料などの金属粉顔料と着色剤
との定着性に優れ、鮮やかな有色のメタリック調の筆跡
を得ることができる。さらに、本発明の水溶性メタリッ
クインキ組成物は、水溶性大豆多糖類及びその誘導体が
有する粘度変化抑制能により、経時的粘度安定性に優れ
ている。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも天然多糖類、金属粉顔料、着
    色剤、水及び水溶性有機溶剤を含有するインキ組成物
    に、金属粉顔料に着色剤を定着させるバインダー成分と
    して、水溶性大豆多糖類またはその誘導体を主要成分と
    して含有してなる水性メタリックインキ組成物。
  2. 【請求項2】 金属粉顔料がアルミニウム粉顔料である
    請求項1記載の水性メタリックインキ組成物。
  3. 【請求項3】 水溶性大豆多糖類またはその誘導体の配
    合量がインキ全量に対して0.5重量%以上20重量%
    以下である請求項1乃至2のいずれかに記載の水性メタ
    リックインキ組成物。
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