JP2003071926A - 熱収縮性ポリエステル系フィルムの製造方法 - Google Patents

熱収縮性ポリエステル系フィルムの製造方法

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JP2003071926A
JP2003071926A JP2001265838A JP2001265838A JP2003071926A JP 2003071926 A JP2003071926 A JP 2003071926A JP 2001265838 A JP2001265838 A JP 2001265838A JP 2001265838 A JP2001265838 A JP 2001265838A JP 2003071926 A JP2003071926 A JP 2003071926A
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heat
elongation
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temperature
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Shuichi Kinoshita
周一 木下
Kazuo Aso
一夫 麻生
Akihiko Shiraishi
明彦 白石
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CI Kasei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、被装着体に装着する際に、密着不
足、収縮むら、しわ、波打ち、折れ曲がり、フィルム裂
けなどが生じることのない熱収縮性ポリエステル系フィ
ルムの製造方法を提供することを目的とする。 【解決の手段】 本発明は、ポリエステルの少なくとも
1種以上を成形して得たガラス転移温度(以下Tgと称
する)が63℃〜85℃のフィルムを、縦方向にTg+
5℃〜Tg+15℃の温度で3.5〜5倍延伸し、か
つ、横方向にTg〜Tg+10℃の温度で1.0〜2.
0倍延伸し、更に、Tg−5℃以上の温度で熱処理する
ことにより、縦方向の90℃における熱収縮率が30%
以上、及び縦方向の破断伸度が25%以上で、かつ、横
方向の90℃における熱収縮率が6%以下、及び横方向
の破断伸度が300%以上であるフィルムを得ることを
特徴とする熱収縮性ポリエステル系フィルムの製造方法
を提供するものである。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、新規な熱収縮性ポ
リエステル系フィルムの製造方法、さらに詳しくは、被
装着体に装着する際に、密着不足、収縮むら、しわ、波
打ち、折れ曲がり、フィルム裂けなどが生じることのな
い熱収縮性ポリエステル系フィルムの製造方法に関する
ものである。 【0002】 【従来の技術】熱収縮性フィルムは、熱風、熱水、熱放
射線などによって加熱すると収縮する性質があるため、
包装材、ラベル、キャップシール、電気絶縁材などとし
て広い分野で使用されている。 【0003】この熱収縮性フィルムの素材としては、ポ
リ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリオレフィン、共重合
ポリエステルなどが用いられているが、ポリ塩化ビニル
系フィルムは、使用後焼却処理すると有毒ガスが発生
し、環境汚染の原因となるため、次第にその使用が制限
される傾向があり、ポリスチレン系フィルムは、貯蔵中
に常温収縮して使用時における収縮が不十分になるとい
う欠点があり、またポリオレフィン系フィルムは、熱収
縮性が低いという欠点があるため、最近は共重合ポリエ
ステル系フィルムが注目されるようになってきている。 【0004】この共重合ポリエステル系フィルムの中で
最も汎用的に使用されているポリエチレンテレフタレー
ト系フィルムは、優れた透明性、耐溶剤性、耐候性を有
し、抗張力が高く、しかも焼却時に有毒ガスの発生がな
いという長所を有しているが、被装着体に装着する際
に、収縮むら、しわ、波打ち、折れ曲がり、フィルム裂
けなどが生じ易いという欠点も有している。この欠点を
克服するために、テレフタル酸を主体とするジカルボン
酸成分と、エチレングリコール、シクロヘキサンジメタ
ノールからなる混合ジオール成分とから構成された共重
合ポリエステルを用いる方法(特開平4−344222
号公報)、テレフタル酸を主体とするジカルボン酸成分
と、エチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール
からなる混合ジオール成分とから構成された共重合ポリ
エステルと、テレフタル酸を主体とするジカルボン酸成
分と、エチレングリコール、ジエチレングリコールから
なる混合ジオール成分とから構成された共重合ポリエス
テルとの混合物からフィルムを成形する方法(特開平5
−138737号公報)、テレフタル酸を主体とするジ
カルボン酸成分と、エチレングリコール、シクロヘキサ
ンジメタノールからなる混合ジオール成分とから構成さ
れた共重合ポリエステルと、テレフタル酸とアジピン酸
からなる混合ジカルボン酸成分と、エチレングリコール
を主体とするジオール成分とから構成された共重合ポリ
エステルとの混合物からフィルムを成形する方法(特開
平5−254015号公報)、テレフタル酸を主体とす
るジカルボン酸成分と、エチレングリコール、シクロヘ
キサンジメタノールからなる混合ジオール成分とから構
成された共重合ポリエステルと、テレフタル酸を主体と
するジカルボン酸成分と、2−メチルー1,5−ペンタ
ジオール又は3−メチルー1,5−ペンタジオール及び
エチレングリコールを主体とするジオール成分とから構
成された共重合ポリエステルとの混合物からフィルムを
成形する方法(特開平9−71668号公報)などが開
示されているが、特に50μm以下の厚さの薄いフィル
ムを加工する場合にはその効果が十分ではなかった。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来の熱収縮性ポリエステル系フィルムのより厚さの薄
いフィルムを加工する場合の欠点を克服し、被装着体に
装着する際に、密着不足、収縮むら、しわ、波打ち、折
れ曲がり、フィルム裂けなどが生じることのない熱収縮
性ポリエステル系フィルムの製造方法を提供することを
目的としてなされたものである。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、前述の好
ましい特長を有する熱収縮性ポリエステル系フィルムを
開発すべく鋭意研究を重ねた結果、テレフタル酸を主体
とするジカルボン酸成分と、エチレングリコール及び、
1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジ
エチレングリコール、シクロヘキサンジメタノールの少
なくとも1種のジオール成分とからなるポリエステルの
少なくとも1種以上を成形して得たフィルムを、特定の
条件で延伸、熱処理することで、特定の熱収縮率、及び
破断伸度を有するフィルムにすることにより、その目的
を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに到っ
た。 【0007】すなわち、本発明は、テレフタル酸を主体
とするジカルボン酸成分と、エチレングリコール及び、
1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジ
エチレングリコール、シクロヘキサンジメタノールの少
なくとも1種のジオール成分とからなるポリエステルの
少なくとも1種以上を成形して得たTgが63℃〜85
℃のフィルムを、縦方向にTg+5℃〜Tg+15℃の
温度で3.5〜5倍延伸し、かつ、横方向にTg〜Tg
+10℃の温度で1.0〜2.0倍延伸し、更に、Tg
−5℃以上の温度で熱処理することにより、縦方向の9
0℃における熱収縮率が30%以上、及び縦方向の破断
伸度が25%以上で、かつ、横方向の90℃における熱
収縮率が6%以下、及び横方向の破断伸度が300%以
上であるフィルムを得ることを特徴とする熱収縮性ポリ
エステル系フィルムの製造方法を提供するものである。 【0008】 【発明の実施の形態】本発明における熱収縮性ポリエス
テル系フィルムは、テレフタル酸を主体とするジカルボ
ン酸成分と、エチレングリコール及び、1,4−ブタン
ジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコ
ール、シクロヘキサンジメタノールの少なくとも1種の
ジオール成分とからなるポリエステルの少なくとも1種
以上を成形して得ることが必要であるが、ジカルボン酸
成分としてテレフタル酸以外に、アジピン酸、アゼライ
ン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ナフタレンジカルボン
酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、1,4−
シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸
及びそれらのエステル形成性誘導体、ジオール成分とし
て、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネ
オペンチルグリコール、ジエチレングリコール、シクロ
ヘキサンジメタノール以外の脂肪族ジオール、芳香族ジ
オール、脂環式ジオールなどの成分を少量、通常5重量
%以下の割合で含むこともできる。 【0009】また、本発明における熱収縮性ポリエステ
ル系フィルムは、Tgが63℃〜85℃であることが必
要である。Tgが85℃よりも高いと、熱収縮温度が高
くなって、被装着体への装着が困難になり、Tgが63
℃よりも低いと、常温で保管中に大きく収縮してしまう
ので実用に適さない。 【0010】本発明の製造方法によって得られる熱収縮
性ポリエステル系フィルムは、蒸気ポリエステルの未延
伸フィルムを縦方向にTg+5℃〜Tg+15℃の温度
で3.5〜5倍延伸し、かつ、横方向にTg〜Tg+1
0℃の温度で1.0〜2.0倍延伸し、更に、Tg−5
℃以上の温度で熱処理することにより、縦方向の90℃
における熱収縮率が30%以上、及び縦方向の破断伸度
が25%以上で、かつ、横方向の90℃における熱収縮
率が6%以下、好ましくは3%以下、及び横方向の破断
伸度が300%以上であることが必要である。縦方向の
90℃における熱収縮率が30%未満では、装着時の収
縮が不十分でフィルムが被装着体に密着不足になる。縦
方向の破断伸度が25%未満では、装着時に、折れ曲が
り、フィルム裂けなどが生じる。横方向の90℃におけ
る熱収縮率が6%を越えると、装着時に、収縮むら、し
わが発生する。横方向の破断伸度が300%未満では、
装着時に、しわ、波打ちが発生する。また、縦方向に
3.5〜5倍延伸する時の温度がTg+5℃未満では、
フィルムが延伸時に白化したり破断したりする。縦方向
に延伸する時の温度がTg+15℃を超えると、3.5
〜5倍延伸しても、90℃における縦方向の熱収縮率が
30%以上であり、かつ、同方向の破断伸度が25%以
上であるフィルムが得られない。また、横方向に1.0
〜2.0倍延伸する時の温度がTg未満では、フィルム
が延伸時に白化したり破断したりする。横方向に延伸す
る時の温度がTg+10℃を超えると、1.0〜2.0
倍延伸しても、90℃における横方向の熱収縮率が6%
以下、かつ、同方向の破断伸度が300%以上のフィル
ムが得られない。更に、延伸後にTg−5℃以上の温度
で熱処理しないと、時間経過とともに熱収縮率と破断伸
度が変化し、好ましい範囲を外れてしまう。 【0011】また、本発明の熱収縮性ポリエステル系フ
ィルムの製造方法においては、縦延伸前のフィルムの幅
と縦延伸後のフィルムの幅の差が、縦延伸前のフィルム
の幅の10%以下であることが好ましい。10%を超え
ると被装着体への装着時に斜め方向のしわが発生するの
で好ましくない。 【0012】本発明における熱収縮性ポリエステル系フ
ィルムには、必要に応じて、他の熱可塑性樹脂、紫外線
吸収剤、帯電防止剤、難燃剤、着色剤、潤滑剤、可塑
剤、充填剤などを含有させることができる。また、特定
の性能を付与するために、コロナ処理、プラズマ処理、
火炎処理などの表面処理、紫外線、α線、β線、γβ
線、電子線などの照射、ポリアミド、ポリオレフィン、
ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリエス
テルなどの樹脂被覆処理、金属蒸着などを施すこともで
きる。 【0013】 【実施例】次に、本発明の内容を実施例によって更に詳
細に説明する。なお、実施例中の各物性は以下の方法で
評価したものである。 【0014】(1)ガラス転移温度(Tg) JISK7121に準じて、示差熱分析法(DSC)に
より、熱分析システム「メトラータTA3000」(メ
トラー社製)を用いて、昇温速度10℃/分の条件で測
定した。 【0015】(2)極限粘度 フェノールとテトラクロロエタンの等重量混合溶媒を用
いて、30℃でウデローデ型粘度計により測定した。 【0016】(3)熱収縮率 縦横各100mmの大きさにサンプリングしたフィルム
を90℃の温水中に30秒間浸漬した後温水中から取出
して、0.5mm目盛のスケールで縦横各々の寸法変化
を測定し、次に示す式に従って求めた。 熱収縮率(%)={100(mm)−浸漬後の長さ(m
m)}/100(mm)×100 【0017】(4)破断伸度 幅10mmの大きさにサンプリングしたフィルムを、2
3℃×65%RH雰囲気中でテンシロン引張り試験器に
かけ、チャック間距離250mm、引張り速度200m
m/分で測定した。 【0018】(5)装着性試験(密着不足、収縮むら、
しわ、波打ち、折れ曲がり、フィルム裂け) 円筒状(折り径113mm、高さ110mm)のシュリ
ンクラベルに加工し、容量330mlのガラスびん(最
大径70mm、最小径50mm、高さ190mm)10
0個に嵌合し、長さ3m、入口温度90℃、出口温度9
5℃の蒸気トンネル中を通過時間8秒で通過させること
によりガラスびんに密着させたシュリンクラベルの装着
状態を目視で評価した。評価基準は次のとおり。 ○:100個中不良が2個以下 ×:100個中不良が3個以上 【0019】実施例1 テレフタル酸50モル%とエチレングリコール39.5
モル%及びシクロヘキサンジメタノール10.5モル%
からなる極限粘度0.78dl/gの共重合ポリエステ
ル樹脂を真空ベント式二軸押出機に供給し、270℃で
溶融し、Tダイから25℃のキャストロール上に押出し
て未延伸シートを得た。この未延伸シートのTgは、7
1℃であった。次いで、未延伸シートを縦延伸機に供給
して85℃で4.8倍に延伸した後、72℃に加熱した
テンターに導いて、1.2倍に横延伸した後、80℃で
熱処理して巻取機でロール状に巻取った。得られたフィ
ルムの厚さは50μm、縦方向の90℃における熱収縮
率は45%、破断伸度は46%、横方向の90℃におけ
る熱収縮率は2%、破断伸度は430%であった。この
フィルムをグラビア印刷機にかけて、文字及び図柄を印
刷した上で、円筒状(折り径113mm、高さ110m
m)のシュリンクラベルに加工し、容量330mlのガ
ラスびん(最大径70mm、最小径50mm、高さ19
0mm)100個に嵌合し、長さ3m、入口温度90
℃、出口温度95℃の蒸気トンネル中を通過時間8秒で
通過させることによりガラスびんに密着させたシュリン
クラベルの装着状態を目視で評価した。結果を表1に示
すが、ガラスびん100個中、密着不足、収縮むら、し
わ、波打ち、折れ曲がり、フィルム裂けが1個もなく、
装着状態は極めて良好であった。 【0020】比較例1 実施例1と同じ共重合ポリエステル樹脂を用いて、同じ
未延伸シートを得た。この未延伸シートのTgは、71
℃であった。次いで、未延伸シートを縦延伸機に供給し
て88℃で4.8倍に延伸した後、72℃に加熱したテ
ンターに導いて、1.2倍に横延伸した後、80℃で熱
処理して巻取機でロール状に巻取った。得られたフィル
ムの厚さは50μm、縦方向の90℃における熱収縮率
は28%、破断伸度は35%、横方向の90℃における
熱収縮率は2%、破断伸度は490%であった。実施例
1と同じ方法でシュリンクラベルのガラスビンへの装着
状態を評価した。結果を表1に示すが、ガラスびん10
0個中、密着不足が22個発生し、結果は不良であっ
た。 【0021】比較例2 実施例1と同じ共重合ポリエステル樹脂を用いて、同じ
未延伸シートを得た。この未延伸シートのTgは、71
℃であった。次いで、未延伸シートを縦延伸機に供給し
て75℃で4.6倍に延伸した後、72℃に加熱したテ
ンターに導いて、1.2倍に横延伸した後、80℃で熱
処理して巻取機でロール状に巻取った。得られたフィル
ムの厚さは50μm、縦方向の90℃における熱収縮率
は47%、破断伸度は23%、横方向の90℃における
熱収縮率は2%、破断伸度は515%であった。実施例
1と同じ方法でシュリンクラベルのガラスビンへの装着
状態を評価した。結果を表1に示すが、ガラスびん10
0個中、折れ曲がりが5個、フィルム裂けが3個発生
し、結果は不良であった。 【0022】比較例3 実施例1と同じ共重合ポリエステル樹脂を用いて、同じ
未延伸シートを得た。この未延伸シートのTgは、71
℃であった。次いで、未延伸シートを縦延伸機に供給し
て86℃で4.9倍に延伸した後、69℃に加熱したテ
ンターに導いて、1.5倍に横延伸した後、80℃で熱
処理して巻取機でロール状に巻取った。得られたフィル
ムの厚さは50μm、縦方向の90℃における熱収縮率
は45%、破断伸度は35%、横方向の90℃における
熱収縮率は7%、破断伸度は410%であった。実施例
1と同じ方法でシュリンクラベルのガラスビンへの装着
状態を評価した。結果を表1に示すが、ガラスびん10
0個中、収縮むらが6個、しわ入りが3個発生し、結果
は不良であった。 【0023】比較例4 実施例1と同じ共重合ポリエステル樹脂を用いて、同じ
未延伸シートを得た。この未延伸シートのTgは、71
℃であった。次いで、未延伸シートを縦延伸機に供給し
て85℃で4.8倍に延伸した後、82℃に加熱したテ
ンターに導いて、2.2倍に横延伸した後、80℃で熱
処理して巻取機でロール状に巻取った。得られたフィル
ムの厚さは50μm、縦方向の90℃における熱収縮率
は45%、破断伸度は35%、横方向の90℃における
熱収縮率は2%、破断伸度は290%であった。実施例
1と同じ方法でシュリンクラベルのガラスビンへの装着
状態を評価した。結果を表1に示すが、ガラスびん10
0個中、しわ入りが4個、波打ちが3個発生し、結果は
不良であった。 【0024】実施例2 実施例1と同じ共重合ポリエステル樹脂を用いて、同じ
未延伸シートを得た。この未延伸シートのTgは、71
℃であった。次いで、未延伸シートを縦延伸機に供給し
て84℃で4.4倍に延伸した後、72℃に加熱したテ
ンターに導いて、1.1倍に横延伸した後、80℃で熱
処理して巻取機でロール状に巻取った。得られたフィル
ムの厚さは50μm、縦方向の90℃における熱収縮率
は31%、破断伸度は70%、横方向の90℃における
熱収縮率は0%、破断伸度は550%であった。実施例
1と同じ方法でシュリンクラベルのガラスビンへの装着
状態を評価した。結果を表1に示すが、ガラスびん10
0個中、密着不足が2個発生したが、収縮むら、しわ、
波打ち、折れ曲がり、フィルム裂けが1個もなく、装着
状態は良好であった。 【0025】実施例3 実施例1と同じ共重合ポリエステル樹脂を用いて、同じ
未延伸シートを得た。この未延伸シートのTgは、71
℃であった。次いで、未延伸シートを縦延伸機に供給し
て84℃で4.8倍に延伸した後、80℃に加熱したテ
ンターに導いて、1.3倍に横延伸した後、80℃で熱
処理して巻取機でロール状に巻取った。得られたフィル
ムの厚さは50μm、縦方向の90℃における熱収縮率
は60%、破断伸度は26%、横方向の90℃における
熱収縮率は3%、破断伸度は310%であった。実施例
1と同じ方法でシュリンクラベルのガラスビンへの装着
状態を評価した。結果を表1に示すが、ガラスびん10
0個中、フィルム裂けが1個発生したが、密着不足、収
縮むら、しわ、波打ち、折れ曲がりが1個もなく、装着
状態は良好であった。 【0026】比較例5 実施例1と同じ共重合ポリエステル樹脂を用いて、同じ
未延伸シートを得た。この未延伸シートのTgは、71
℃であった。次いで、未延伸シートを縦延伸機に供給し
て85℃で4.8倍に延伸した後、72℃に加熱したテ
ンターに導いて、1.2倍に横延伸した後、67℃で熱
処理して巻取機でロール状に巻取った。得られたフィル
ムの厚さは50μm、縦方向の90℃における熱収縮率
は51%、破断伸度は60%、横方向の90℃における
熱収縮率は4%、破断伸度は440%であった。このフ
ィルムを常温で、1月間保管した後、熱収縮率と破断伸
度を測定すると、縦方向の90℃における熱収縮率は2
8%、破断伸度は80%、横方向の90℃における熱収
縮率は2%、破断伸度は478%であった。実施例1と
同じ方法でシュリンクラベルのガラスビンへの装着状態
を評価した。結果を表1に示すが、ガラスびん100個
中、密着不足が9個、収縮むらが4個、しわ入りが3個
発生し、結果は不良であった。 【0027】実施例4 テレフタル酸50モル%とエチレングリコール36.5
モル%及びシクロヘキサンジメタノール13.5モル%
からなる極限粘度0.79dl/gの共重合ポリエステ
ル樹脂を真空ベント式二軸押出機に供給し、270℃で
溶融し、Tダイから25℃のキャストロール上に押出し
て未延伸シートを得た。この未延伸シートのTgは、7
6℃であった。次いで、未延伸シートを縦延伸機に供給
して87℃で4.7倍に延伸した後、76℃に加熱した
テンターに導いて、1.2倍に横延伸した後、83℃で
熱処理して巻取機でロール状に巻取った。得られたフィ
ルムの厚さは50μm、縦方向の90℃における熱収縮
率は42%、破断伸度は41%、横方向の90℃におけ
る熱収縮率は2%、破断伸度は415%であった。実施
例1と同じ方法でシュリンクラベルのガラスビンへの装
着状態を評価した。結果を表1に示すが、ガラスびん1
00個中、密着不足、収縮むら、しわ、波打ち、折れ曲
がり、フィルム裂けが1個もなく、装着状態は極めて良
好であった。 【0028】実施例5 テレフタル酸50モル%とエチレングリコール35モル
%及びシクロヘキサンジメタノール15モル%からなる
極限粘度0.78dl/gの共重合ポリエステル樹脂を
真空ベント式二軸押出機に供給し、270℃で溶融し、
Tダイから25℃のキャストロール上に押出して未延伸
シートを得た。この未延伸シートのTgは、79℃であ
った。次いで、未延伸シートを縦延伸機に供給して88
℃で4.8倍に延伸した後、81℃に加熱したテンター
に導いて、1.2倍に横延伸した後、83℃で熱処理し
て巻取機でロール状に巻取った。得られたフィルムの厚
さは50μm、縦方向の90℃における熱収縮率は47
%、破断伸度は49%、横方向の90℃における熱収縮
率は2%、破断伸度は465%であった。実施例1と同
じ方法でシュリンクラベルのガラスビンへの装着状態を
評価した。結果を表1に示すが、ガラスびん100個
中、密着不足、収縮むら、しわ、波打ち、折れ曲がり、
フィルム裂けが1個もなく、装着状態は極めて良好であ
った。 【0029】 【表1】【0030】 【発明の効果】本発明の製法によって得られた熱収縮性
ポリエステル系フィルム、及びそれを用いたシュリンク
ラベルは、被装着体に加熱装着する際に、密着不足、収
縮むら、しわ、波打ち、折れ曲がり、フィルム裂けなど
が生じることがない。従って、包装材、ラベル、キャッ
プシール、電気絶縁材など広い分野のシュリンクラベル
の材料として、好適に用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 67:02 C08L 67:02 Fターム(参考) 4F071 AA45 AA86 AF21Y AF61Y AG28 AH04 AH05 AH12 BA01 BB08 BC01 4F210 AA24A AE01 AG01 AH54 AH81 AR06 AR12 RA05 RC02 RG02 RG04 RG43 RG67

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 テレフタル酸を主体とするジカルボン酸
    成分と、エチレングリコール及び、1,4−ブタンジオ
    ール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコー
    ル、シクロヘキサンジメタノールの少なくとも1種のジ
    オール成分とからなるポリエステルの少なくとも1種以
    上を成形して得たガラス転移温度(以下Tgと称する)
    が63℃〜85℃のフィルムを、縦方向にTg+5℃〜
    Tg+15℃の温度で3.5〜5倍延伸し、かつ、横方
    向にTg〜Tg+10℃の温度で1.0〜2.0倍延伸
    し、更に、Tg−5℃以上の温度で熱処理することによ
    り、縦方向の90℃における熱収縮率が30%以上、及
    び縦方向の破断伸度が25%以上で、かつ、横方向の9
    0℃における熱収縮率が6%以下、及び横方向の破断伸
    度が300%以上であるフィルムを得ることを特徴とす
    る熱収縮性ポリエステル系フィルムの製造方法。
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