JP2003071592A - 溶接装置及び溶接方法 - Google Patents
溶接装置及び溶接方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 被溶接部材の上方を走行してその突合せ溶接
を行う溶接ヘッドの走行に支障を生起することなく、し
かも強固に被溶接部材を所定位置に位置決め固定した状
態で溶接作業を行うことができる溶接装置を提供する。 【解決手段】 溶接線を挟んでこの左右両側にそれぞれ
電磁石12、13を配設し、各電磁石12、13で鋼板
2、4を下方からそれぞれ吸引して位置決めをするとと
もに、各電磁石12、13の磁力を少なくとも2段階に
調整できるように構成した。
を行う溶接ヘッドの走行に支障を生起することなく、し
かも強固に被溶接部材を所定位置に位置決め固定した状
態で溶接作業を行うことができる溶接装置を提供する。 【解決手段】 溶接線を挟んでこの左右両側にそれぞれ
電磁石12、13を配設し、各電磁石12、13で鋼板
2、4を下方からそれぞれ吸引して位置決めをするとと
もに、各電磁石12、13の磁力を少なくとも2段階に
調整できるように構成した。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は溶接装置及び溶接方
法に関し、特に二次元テーラドブランク溶接に適用して
有用なものである。 【0002】 【従来の技術】近年、自動車の車体パネル等の成形用素
材として、板厚や材質がともに同じか、あるいは板厚や
材質がともに異なる複数枚の鋼板を相互に突き合わせて
CO2(炭酸ガス)レーザ溶接法等により一体化したテ
ーラードブランク材と称される材料が用いられている。 【0003】この種のテーラードブランク材を用いた場
合、各種のプレス工程でスクラップとして生じた端材を
有効利用することができ、材料の無駄が少なく材料歩留
まりが向上するほか、例えば板厚の大きな鋼板と板厚の
小さな鋼板とを組み合わせたテーラードブランクを用い
て所定形状のパネル部品を成形することにより、パネル
部品全体を一枚の厚い鋼板から成形する場合に比べて軽
量化が図れる等の利点がある。 【0004】図5は、上述の如きテーラドブランク材を
4枚の鋼板を突合せ溶接して得る場合の態様を平面的に
見て示す説明図、図6は、図5の一つの溶接線を横断す
る線で切った場合のこの部分(他の溶接線に関する部分
も同様である。)を抽出して示す説明図である。両図に
示すように、突合せ溶接を行う被溶接部材である4枚の
鋼板1、2、3、4は水平面を構成するテーブル5上に
載置されている。ここで、各鋼板1〜4の突合せ端面で
溶接線L1、L2、L3、L4を形成している。溶接ヘ
ッド6はレーザビーム7を突き合わせ部に照射しなが
ら、各溶接線L1、L2、L3、L4に沿って移動し得
るように構成してある。すなわち、溶接ヘッド6は、例
えばX軸方向に走行する門型の走行体に、X軸方向と直
角方向なY軸方向に移動可能に配設されたキャリッジ等
に搭載されて移動することにより、XY平面内を自由に
移動し得るようになっている。 【0005】かかるテーラドブランク溶接においては、
各鋼板1〜4をテーブル5上の所定位置に強固に位置決
め固定した後、突合せ溶接を行う必要がある。そこで、
各溶接線L1〜L4の両側にクランプ8、9、10、1
1が配設してあり、各クランプ8〜11により各溶接線
L1〜L4の両側で各鋼板1〜4の端部を上方からテー
ブル5に押圧して固定している。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】上述の如き従来技術に
係る溶接装置においては、クランプ8〜11で鋼板1〜
4をその上方から押圧しており、且つこのクランプ8〜
11は溶接線L1〜L4の近傍にあるため溶接ヘッド6
の走行に支障をきたす場合がある。かかる傾向は溶接線
L1〜L4の数が増えれば増える程、顕著になる。近
年、テーラードフランク材はこれを形成する部材の数が
増える傾向にあり、これに伴い溶接線の数も増加する傾
向にある。 【0007】本願発明は、上記従来技術に鑑み、被溶接
部材の上方を走行してその突合せ溶接を行う溶接ヘッド
の走行に支障を生起することなく、しかも強固に被溶接
部材を所定位置に位置決め固定した状態で溶接作業を行
うことができる溶接装置及び溶接方法を提供することを
目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の構成は、次の点を特徴とする。 【0009】1) テーブル上に載置する板材である2
枚の被溶接部材の突合せ部で形成する溶接線に沿って溶
接ヘッドを走行させることにより、前記突合せ部の溶接
を行う溶接装置において、溶接線を挟んでこの左右両側
にそれぞれ電磁石を配設し、各電磁石で被溶接部材を下
方からそれぞれ吸引して位置決めをするとともに、各電
磁石の磁力を少なくとも2段階に調整できるように構成
したこと。ここで、電磁石の吸引力の一つは、被溶接部
材が水平方向の外力によりテーブル上を移動できる程度
の強度であり、他は所定位置に占位した被溶接部材が強
固に固着され突合せ溶接を良好に進行させ得る程度の強
度とする。また、一方を強く、他方を弱くすることもで
きる。また、被溶接部材としてはテーラードブランク、
それも多くの部材を組み合わせて形成するテーラードブ
ランク材の溶接に最適である。 【0010】2) テーブル上に載置する板材である2
枚の被溶接部材の突合せ部で形成する溶接線に沿って溶
接ヘッドを走行させることにより、前記突合せ部の溶接
を行う溶接装置において、溶接線を挟んでこの左右両側
にそれぞれ電磁石を配設し、各電磁石で被溶接部材を下
方からそれぞれ吸引して位置決めをするとともに、各電
磁石の磁力を少なくとも2段階に調整できるように構成
し、さらに被溶接部材の前記溶接線と反対側の端部を前
記溶接線側にそれぞれ押圧するプッシャを有すること。
ここで、プッシャは、被溶接部材を位置決めすべく被溶
接部材の端面を押して所定位置に移動するためのプッシ
ャと兼用することができる。 【0011】3) テーブル上に載置する2枚の板材で
ある被溶接部材の突合せ部で形成する溶接線に沿って溶
接ヘッドを走行させることにより、前記突合せ部の溶接
を行う溶接装置において、溶接線を挟んでこの左右両側
にそれぞれ電磁石を配設し、各電磁石で被溶接部材を下
方からそれぞれ吸引して位置決めをするとともに、各電
磁石の磁力を少なくとも2段階に調整できるように構成
し、さらに被溶接部材の前記溶接線と反対側の端部を前
記溶接線側に押圧するプッシャと、被溶接部材の端部を
掴んで他の被溶接部材の端面に向け搬送して被溶接部材
の端面同士を突き合わせる搬送アームとを有すること。 【0012】4) 上記1)乃至3)の何れか一つに記
載する溶接装置において、各電磁石が発生する磁束の磁
路となるよう被溶接部材の上面に載置される磁性体の当
て板を有すること。 【0013】5) 上記3)に記載する溶接装置におい
て、搬送アームは、先端部に被溶接部材を検出するセン
サを有するとともにこの被溶接部材に向かって移動する
ように構成した基台と、この基台に配設した駆動手段
と、この駆動手段の駆動により上記基台から前方に突出
するとともに、この基台に対し、一方向に回動して上記
被溶接部材の下方からこの被溶接部材に当接する下部レ
バーと、前記駆動手段の駆動により前記下部レバーと一
体的に前記基台から前方に突出するとともに、この基台
に対して反対方向に回動して前記被溶接部材の上方から
この被溶接部材に当接する上部レバーとを有し、前記セ
ンサが前記被溶接部材を検出した後、前記上部レバー及
び下部レバーを回動させてこれら上部レバー及び下部レ
バーの間で上記被溶接部材の端部を掴むように構成した
ものであること。 【0014】6) 上記5)に記載する溶接装置におい
て、搬送アームの基台は、水平なベース板、このベース
板に垂直に設けられた垂直部材、垂直部材の先端から前
方に突出してその先端部で被溶接部材を下方から支える
とともに被溶接部材を検出するためのセンサが配設され
ている支持部材を有するとともに、駆動手段であるエア
ーシリンダを固着しており、このエアーシリンダはその
ピストンロッドを水平方向に伸縮させて、このピストン
ロッドの先端に固着する移動部材を、ベース板上で水平
方向に直線移動するように構成し、下部レバーはその基
端部を前記移動部材にピンを介して回動可能に取り付け
るとともに、前記垂直部材の長手方向に設けた長孔に下
部レバーの途中に配設したピンを嵌入することにより、
移動部材の移動に伴い長孔形状を倣って移動するように
構成し、さらに上部レバーは下部レバーの中央部にピン
を介して回動可能に取り付け、前記移動部材の前進移動
に伴い基台の当接部材に当接するとともにさらなる前進
移動に伴い前記ピンを回動中心として下部レバー側に回
動するように構成し、被溶接部材へ向かう前進移動に伴
いセンサで被溶接部材を検出するとともに、その検出し
た位置で基台の移動を停止してエアーシリンダを駆動す
ることにより移動部材を前進させ、この前進に伴い下部
レバーと上部レバーとを相互に反対方向に回動させ、こ
れら上部レバー及び下部レバーの間で前記被溶接部材の
端部を掴むように構成したものであること。 【0015】7) テーブル上に載置する板材である2
枚の被溶接部材の突合せ部で形成する溶接線に沿って溶
接ヘッドを走行させることにより、前記突合せ部の溶接
を行う溶接方法において、溶接線を挟んでこの左右両側
にそれぞれ配設した電磁石で、被溶接部材を、これが水
平方向に移動可能な程度の相対的に弱い電磁力で吸引し
つつ所定位置迄移動して位置決めを行うとともに、供給
する電流を切り換えることにより相対的に強い電磁力で
被溶接部材を吸引して前記所定位置に位置決め固定し、
かかる状態で溶接線に沿って溶接ヘッドを走行すること
により前記溶接線に沿う突合せ溶接を行うこと。 【0016】8) テーブル上に載置する板材である2
枚の被溶接部材の突合せ部で形成する溶接線に沿って溶
接ヘッドを走行させることにより、前記突合せ部の溶接
を行う溶接方法において、溶接線を挟んでこの左右両側
にそれぞれ配設した電磁石で、被溶接部材を、これが水
平方向に移動可能な程度の相対的に弱い電磁力で吸引し
つつ所定位置迄移動して位置決めを行うとともに、被溶
接部材を所定位置に占位させた後、供給する電流を切り
換えることにより相対的に強い電磁力で被溶接部材を吸
引して前記所定位置に位置決め固定し、さらにプッシャ
で、被溶接部材の前記溶接線と反対側の端部を前記溶接
線側に押圧し、かかる状態で溶接線に沿って溶接ヘッド
を走行することにより前記溶接線に沿う突合せ溶接を行
うこと。 【0017】9) 上記7)又は8)に記載する溶接方
法において、各電磁石が発生する磁束の磁路となる磁性
体の当て板を被溶接部材の上面に載置した状態で溶接作
業を行うこと。 【0018】 【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面に
基づき詳細に説明する。 【0019】図1は本発明に係る溶接装置を平面的に見
て示す説明図、図2は図1の一つの溶接線を横断する線
で切った場合のこの部分を抽出して示す説明図である。
なお、両図中、図5及び図6と同一部分には同一番号を
付し、重複する説明は省略する。 【0020】図1に示すように、テーラードブランク材
を形成する鋼板1〜4のうち、鋼板1、2には位置合わ
せ用の孔(図示せず。)が設けてあり、テーブル5にそ
の表面から突出させて設けたピン(図示せず。)に前記
孔を嵌入することにより所定位置への位置決めを行うよ
うになっている。矩形ではない異形板材である鋼板3は
鋼板1、2の一端面に当接させることにより、また鋼板
4は鋼板1、2の他端面に当接させることによりそれぞ
れ所定位置への位置決めがなされる。そして、この場合
も各鋼板1〜4の突き合わせ部で溶接線L1〜L4が形
成されており、溶接ヘッド6を溶接線L1〜L4に沿っ
て移動することにより突合せ溶接を行って所定のテーラ
ードブランク材を得る。 【0021】鋼板3の所定位置への移動はプッシャ8
a、8b及び搬送アーム9a、9bにより行い、鋼板4
の所定位置への移動はプッシャ10a、10b、10
c、10d及び搬送アーム11a、11bにより行う。
ここで、プッシャ8a、8b、10a〜10dは、テー
ブル5に設けた溝5a〜5fに沿って前後方向に直線移
動するように構成してある。したがって、プッシャ8
a、8bを前進することにより鋼板3を鋼板2の端面に
向けて移動し得る。また、プッシャ10a、10bを前
進することにより鋼板4を図中下方向に、プッシャ10
c、10dを前進することにより鋼板4を図中上方向に
それぞれ移動し得る。これらプッシャ8a、8b、10
a〜10dは鋼板3、4の移動方向に直交する辺に当接
してこれを押す場合には有効であるが、移動方向に対し
て傾斜している辺を押すことはできない。そこで、この
場合には鋼板3、4を掴んで移動する搬送アーム11
a、11bを用いる。搬送アーム11a、11bは、例
えばエアーシリンダで構成した移動手段(図示せず。)
等の駆動により、テーブル5に設けた溝5g〜5jに沿
って前後方向に直線移動するように構成してある。した
がって、鋼板3の端部を掴んだ状態で搬送アーム9a、
9bを前進することにより鋼板3を鋼板1の端面に向け
て移動し得る。また、搬送アーム11a、11bを前進
することにより鋼板4を図中上方向に移動し得る。搬送
アーム9a、9b、11a、11bの具体的な構成は、
後に詳述する。 【0022】図2に明示的に示すように電磁石12、1
3は、各溶接線L1〜L4を挟んでこの左右両側にそれ
ぞれ配設してあり、各電磁石12、13で、テーブル5
上に載置した鋼板1〜4を下方からそれぞれ吸引するよ
うに構成してある。ここで、電磁石12、13は、それ
ぞれに供給する電流を少なくとも2段階に調整すること
により、吸引力をそれぞれ独立に切り換えることができ
るように構成してある。すなわち、鋼板1〜4の仮止め
の際には相対的に弱い磁力を発生し、溶接作業を行う場
合には相対的に強い磁力を発生して強固に鋼板1〜4を
固定する。ちなみに、鋼板3、4の移動の際には弱い磁
力を発生させて鋼板3、4を吸引することにより滑り、
相手側の突合せ部に対する乗り上げ等の不都合を回避し
て、良好な移動を行うことができる。 【0023】図3及び図4は上記搬送アーム9a、9
b、11a、11bの主要部を抽出して示す側面図で、
図3は通常時(非作動時)の状態、図4は動作時の状態
をそれぞれ示している。両図に示すように、本形態に係
る搬送アームは、基台I、駆動手段II及び掴み部III か
らなり、基台1とともに一体的に駆動手段II及び掴み部
III も直線移動して掴み部III で掴む鋼板3、4(図
3、4には図示せず。)への所定の接近が検知された時
点で、駆動手段IIで掴み部III を前方(鋼板に接近する
方向)に移動しつつ、掴み部III で鋼板の端部を掴むよ
うに構成してある。 【0024】基台1は、水平なベース板21、このベー
ス板21に垂直に設けられた垂直部材22、垂直部材2
2の先端から前方に突出してその先端部で異形鋼板を下
方から支えるL字上の支持部材23等を有するととも
に、駆動手段IIであるエアーシリンダ24の先端部を固
着している。エアーシリンダ24はそのピストンロッド
24aを水平方向に伸縮させて、このピストンロッド2
4aの先端に固着する移動部材25を、ベース板21に
固着されたガイド部材26に沿って水平方向に直線移動
するようになっている。 【0025】掴み部III は、上記移動部材25に基端部
がピン27により回動可能に取り付けられた下部レバー
28及びこの下部レバー28の中央部にピン29により
回動可能に取り付けられた上部レバー30とを有してい
る。ここで、下部レバー28及び上部レバー30はエア
ーシリンダ24の駆動に伴う移動部材25の直線移動に
より一体的に移動する。また、下部レバー28のピン2
7、29の中間部にはピン31が設けてあり、このピン
31に取り付けられたローラ32が垂直部材22の長手
方向に設けた長孔22aに嵌入してある。長孔22aは
概ね水平方向に伸びる孔であり、先端に向かってその垂
直部材における位置が若干高くなるように構成してあ
る。図3に示す、通常時において、ピン31及びローラ
32は長孔22aの最後部(図中右端)に位置するとと
もに、上部レバー30の最も高い部分が、支持部材23
のうちの最も高い部分より低い位置に在る。ピン31及
びローラ32は、エアーシリンダ24の駆動に伴う移動
部材25の移動に伴い長孔22aに沿って移動する。こ
の結果、下部レバー28はピン27を回動中心として図
中時計方向に若干回動し、その先端部の位置を上昇させ
る。かかる移動に伴う最終位置で下部レバー28の先端
部の上端面位置は支持部材23の先端部の上端面位置と
一致する。すなわち、この高さ位置で鋼板を下方から支
持するようになっている。 【0026】上部レバー30はL字状の部材で、その基
端部はピン29の部分から下方に垂下しており、その下
端部が、下部レバー28の前方への移動に伴い、支持部
材23から水平方向に突出させた当接部材33に当接す
るようになっている。この結果、かかる当接状態で下部
レバー28がさらに前方に移動することにより上部レバ
ー30はピン31を回動中心として図中反時計方向に回
動する。かくして、上部レバー30の先端部の下面と下
部レバー28の先端部の上面とが接近して当接する状態
となる。したがって、上部レバー30の先端部と下部レ
バー28の先端部との間に異形鋼板が存在すればこれを
両レバー28、30の先端部で掴むことができる。この
ときの鋼板を掴む力はスプリング34により調節でき
る。すなわち、スプリング34の一端は下部レバー28
に、また他端は上部レバー30にそれぞれ固定してあ
り、ピン29を回動中心として上部レバー30を図中時
計方向に回動する回動力を上部レバー30に常時付与し
ている。 【0027】センサ35は支持部材23の先端部に配設
してあり、鋼板に対する距離が所定値以下になったとき
その検知信号を送出するもので、例えば近接センサで好
適に形成し得る。掴み状態検出センサ36は下部レバー
28の先端部の上端面に配設してあり、上部レバー30
の先端部とで掴み状態になったときその検出信号を送出
するものであり、これも例えば近接センサで好適に形成
し得る。 【0028】かかる搬送アームは、全体が、当該掴み作
業の対象物に対して接近するように移動される。かかる
接近動作に際しては、当該搬送アームの全体が図中左方
向に移動される。この移動の際の先端部である支持部材
23に配設されたセンサ35が鋼板の下方に位置した時
点で、この鋼板の存在をセンサ35が検出する。当該搬
送アームの全体の移動はこの時点で停止される。 【0029】センサ35が鋼板を検出した時点で、鋼板
に対する基台I及び駆動手段IIの相対位置は固定され
る。かかる状態で、駆動手段IIであるエアーシリンダ2
4を駆動し、移動部材25を前方(図中左方向。以下、
同じ。)に移動して下部レバー28及び上部レバー30
を同方向に移動する。この移動に伴い長孔22aに沿っ
て移動するピン31及びローラ32により、下部レバー
28がピン27を回動中心として反時計方向に回動しつ
つその位置を上昇される。上部レバー30はその下部が
当接部材33に当接し、かかる状態でさらに前方に移動
することにより、ピン29を回動中心として反時計方向
に回動する。この結果、かかる移動の最終段階では、下
部レバー28の先端部の上端面が支持部材23の先端部
の上端面とが面一の状態となって下方から異形鋼板を支
持するとともに、上部レバー30と下部レバー28との
間で鋼板を掴むことができる。正規に掴んだことは掴み
状態検出センサ36が検出する。 【0030】上述の如き本形態に係る溶接装置を用いて
突合せ溶接を行い、テーラードブランク材を得る場合に
は、先ず鋼板1、2を所定位置に位置決めする。この状
態で、鋼板3、4をプッシャ8a、8b、10a〜10
d及び搬送アーム9a、9b11a、11bにより移動
する。この際、電磁石12、13に弱い磁力を発生させ
る。鋼板1〜4に残着している油等によるすべり等を防
止するためである。鋼板3、4が所定の位置に占位した
場合には電磁石12、13に供給する電流を切り換えて
強力な磁力を発生させ、強固にその位置に固定する。か
かる状態で溶接ヘッド6を溶接線L1〜L4に沿って走
行させ、所定の溶接作業を行う。 【0031】この際電磁石12、13の磁力による鋼板
1〜4の吸引力を補完すべく、鋼板3、4の溶接線L1
〜L4と反対側の端部を溶接線L1〜L4側にそれぞれ
プッシャ8a、8b、10a〜10d及び搬送アーム9
a、9b、11a、11bで押圧するようにしても良
い。ちなみに、磁力による鋼板1〜4の固定力は垂直方
向には十分大きくすることができるが、水平方向に作用
する外力に対しては十分でない場合が発生する。かかる
場合に、プッシャ8a、8b、10a〜10d及び搬送
アーム9a、9b、11a、11bで押圧することによ
り、さらに確実に鋼板1〜4を固定し、良好な溶接作業
に資することができる。また、場合によっては、従来の
ハードクランプを併設し、このハードクランプによるク
ランプ力も作用させることにより電磁力を補完するよう
にしても良い。この場合、鋼板1〜4の上方空間にクラ
ンプが存在するが、従来に較べ、十分小型のものとする
ことができるので、溶接ヘッド6の走行の障害になるこ
とはない。 【0032】また、被溶接部材である鋼板1〜4の表面
に磁性体の当て板を載置するようにしても良い。この場
合、当て板を各電磁石12、13が発生する磁束の磁路
とすることができる。したがって、この場合の磁路の断
面積は、鋼板1〜4の板厚に当て板の厚さを加えた厚さ
に比例する面積となり、鋼板1〜4の板厚が増大したの
と実効的に同様の状態とすることができる。 【0033】この結果、鋼板1〜4が薄く、単独では電
磁石12、13の吸引力を十分作用させることができな
いような場合でも所定位置への良好な位置決めを行うこ
とができる。 【0034】 【発明の効果】以上実施の形態とともに具体的に説明し
た通り、〔請求項1〕に記載する発明は、テーブル上に
載置する板材である2枚の被溶接部材の突合せ部で形成
する溶接線に沿って溶接ヘッドを走行させることによ
り、前記突合せ部の溶接を行う溶接装置において、溶接
線を挟んでこの左右両側にそれぞれ電磁石を配設し、各
電磁石で被溶接部材を下方からそれぞれ吸引して位置決
めをするとともに、各電磁石の磁力を少なくとも2段階
に調整できるように構成したので、テーブル上を移動し
ての被溶接部材の位置決め操作時においては弱い磁力を
被溶接部材に作用させて目的の方向に移動する。このこ
とにより被溶接部材は滑り等を生起することなく良好に
所定の位置迄搬送することができる。被溶接部材が所定
位置に占位した後には、被溶接部材にその下方から強い
磁力を作用させてその位置に固定し、溶接作業を開始す
る。この結果、被溶接部材の上方には機械力によるハー
ドクランプが存在せず、被溶接部材を所定位置に固定す
る電磁石が溶接ヘッドの移動の障害になることはないの
で、良好な位置決め及び固定を行って溶接作業を進行さ
せることができる。すなわち、溶接加工面上の空間を自
由に使うことが可能となり、多品種溶接に対応可能とな
る。また、吸引力を電磁石により得ているので、吸引力
及び吸引のタイミングを制御可能となり、複雑な形状の
テーラードブランク材においてもフレキシブルな位置決
め・固定が可能となる。 【0035】〔請求項2〕に記載する発明は、テーブル
上に載置する板材である2枚の被溶接部材の突合せ部で
形成する溶接線に沿って溶接ヘッドを走行させることに
より、前記突合せ部の溶接を行う溶接装置において、溶
接線を挟んでこの左右両側にそれぞれ電磁石を配設し、
各電磁石で被溶接部材を下方からそれぞれ吸引して位置
決めをするとともに、各電磁石の磁力を少なくとも2段
階に調整できるように構成し、さらに被溶接部材の前記
溶接線と反対側の端部を前記溶接線側にそれぞれ押圧す
るプッシャを有するので、〔請求項1〕に記載する発明
の作用・効果に加え、プッシャによる押圧力で、電磁石
による被溶接部材の吸引固定力を補完してこれを強固に
固定することができる。 【0036】〔請求項3〕に記載する発明は、テーブル
上に載置する2枚の板材である被溶接部材の突合せ部で
形成する溶接線に沿って溶接ヘッドを走行させることに
より、前記突合せ部の溶接を行う溶接装置において、溶
接線を挟んでこの左右両側にそれぞれ電磁石を配設し、
各電磁石で被溶接部材を下方からそれぞれ吸引して位置
決めをするとともに、各電磁石の磁力を少なくとも2段
階に調整できるように構成し、さらに被溶接部材の前記
溶接線と反対側の端部を前記溶接線側に押圧するプッシ
ャと、被溶接部材の端部を掴んで他の被溶接部材の端面
に向け搬送して被溶接部材の端面同士を突き合わせる搬
送アームとを有するので、被溶接部材が矩形ではなく移
動すべき方向にプッシャにより押すことができない異形
板材であっても、これを良好に所定位置まで搬送して位
置決めすることができる。 【0037】〔請求項4〕に記載する発明は、〔請求項
1〕乃至〔請求項3〕の何れか一つに記載する溶接装置
において、各電磁石が発生する磁束の磁路となるよう被
溶接部材の上面に載置される磁性体の当て板を有するの
で、被溶接部材が薄く、単独では電磁石の吸引力を十分
作用させることができないような場合でも、当て板がこ
の場合の磁路となり、実効的に被溶接部材の厚みが増し
たのと同様の状態とすることができる。ちなみに、一般
に、電磁石が発生する吸引力は、被溶接部材の厚さによ
り変化し、被溶接部材の厚さが厚いほど磁気吸引力は大
きくなる。この結果、被溶接部材が薄い場合でも当て板
に作用する大きな吸引力とともに被溶接部材が電磁石に
吸引され、所定位置への良好な位置決めを行うことがで
きる。 【0038】〔請求項4〕に記載する発明は、〔請求項
3〕に記載する溶接装置において、搬送アームは、先端
部に被溶接部材を検出するセンサを有するとともにこの
被溶接部材に向かって移動するように構成した基台と、
この基台に配設した駆動手段と、この駆動手段の駆動に
より上記基台から前方に突出するとともに、この基台に
対し、一方向に回動して上記被溶接部材の下方からこの
被溶接部材に当接する下部レバーと、前記駆動手段の駆
動により前記下部レバーと一体的に前記基台から前方に
突出するとともに、この基台に対して反対方向に回動し
て前記被溶接部材の上方からこの被溶接部材に当接する
上部レバーとを有し、前記センサが前記被溶接部材を検
出した後、前記上部レバー及び下部レバーを回動させて
これら上部レバー及び下部レバーの間で上記被溶接部材
の端部を掴むように構成したものであるので、センサが
板材である被溶接部材の存在を検知した時点から所定の
掴み動作が開始され、上部レバーと下部レバーとの間で
板材を掴むことができる。この結果、被溶接部材の形状
の如何にかかわらず、これを良好に掴むことができる。
また、この場合の当て板は、従来の機械的なハードクラ
ンプのように大型のものでなくて良く、したがって溶接
ヘッドの走行に支障になるようなことはない。 【0039】〔請求項5〕に記載する発明は、〔請求項
4〕に記載する溶接装置において、搬送アームの基台
は、水平なベース板、このベース板に垂直に設けられた
垂直部材、垂直部材の先端から前方に突出してその先端
部で被溶接部材を下方から支えるとともに被溶接部材を
検出するためのセンサが配設されている支持部材を有す
るとともに、駆動手段であるエアーシリンダを固着して
おり、このエアーシリンダはそのピストンロッドを水平
方向に伸縮させて、このピストンロッドの先端に固着す
る移動部材を、ベース板上で水平方向に直線移動するよ
うに構成し、下部レバーはその基端部を前記移動部材に
ピンを介して回動可能に取り付けるとともに、前記垂直
部材の長手方向に設けた長孔に下部レバーの途中に配設
したピンを嵌入することにより、移動部材の移動に伴い
長孔形状を倣って移動するように構成し、さらに上部レ
バーは下部レバーの中央部にピンを介して回動可能に取
り付け、前記移動部材の前進移動に伴い基台の当接部材
に当接するとともにさらなる前進移動に伴い前記ピンを
回動中心として下部レバー側に回動するように構成し、
被溶接部材へ向かう前進移動に伴いセンサで被溶接部材
を検出するとともに、その検出した位置で基台の移動を
停止してエアーシリンダを駆動することにより移動部材
を前進させ、この前進に伴い下部レバーと上部レバーと
を相互に反対方向に回動させ、これら上部レバー及び下
部レバーの間で前記被溶接部材の端部を掴むように構成
したものであるので、エアーシリンダを駆動し、そのピ
ストンロッドを伸長して移動部材を直線的に移動するだ
けで、下部レバーが板材を下方から支持するように動作
するとともに、当接部材に当接して回動する上部レバー
が上方から回動して板材の上面に当接することにより、
上部レバー及び下部レバーとで板材を掴むことができ
る。この結果、本発明によれば、被溶接部材の形状の如
何にかかわらず、これを良好に掴むことができるばかり
でなく、この掴み動作をエアーシリンダの駆動のみで行
うことができ、掴み動作のための機構を最も合理的なも
のとすることができる。 【0040】〔請求項6〕に記載する発明は、テーブル
上に載置する板材である2枚の被溶接部材の突合せ部で
形成する溶接線に沿って溶接ヘッドを走行させることに
より、前記突合せ部の溶接を行う溶接方法において、溶
接線を挟んでこの左右両側にそれぞれ配設した電磁石
で、被溶接部材を、これが水平方向に移動可能な程度の
相対的に弱い電磁力で吸引しつつ所定位置迄移動して位
置決めを行うとともに、供給する電流を切り換えること
により相対的に強い電磁力で被溶接部材を吸引して前記
所定位置に位置決め固定し、かかる状態で溶接線に沿っ
て溶接ヘッドを走行することにより前記溶接線に沿う突
合せ溶接を行うので、被溶接部材の上方には機械力によ
るハードクランプが存在せず、被溶接部材を所定位置に
固定する電磁石が溶接ヘッドの移動の障害になることは
ない。この結果、良好な位置決め及び固定を行って溶接
作業を進行させることができる。すなわち、溶接加工面
上の空間を自由に使うことが可能となり、多品種溶接に
対応可能となる。また、吸引力を電磁石により得ている
ので、吸引力及び吸引のタイミングを制御可能となり、
複雑な形状のテーラードブランク材においてもフレキシ
ブルな位置決め・固定が可能となる。 【0041】〔請求項7〕に記載する発明は、テーブル
上に載置する板材である2枚の被溶接部材の突合せ部で
形成する溶接線に沿って溶接ヘッドを走行させることに
より、前記突合せ部の溶接を行う溶接方法において、溶
接線を挟んでこの左右両側にそれぞれ配設した電磁石
で、被溶接部材を、これが水平方向に移動可能な程度の
相対的に弱い電磁力で吸引しつつ所定位置迄移動して位
置決めを行うとともに、被溶接部材を所定位置に占位さ
せた後、供給する電流を切り換えることにより相対的に
強い電磁力で被溶接部材を吸引して前記所定位置に位置
決め固定し、さらにプッシャで、被溶接部材の前記溶接
線と反対側の端部を前記溶接線側に押圧し、かかる状態
で溶接線に沿って溶接ヘッドを走行することにより前記
溶接線に沿う突合せ溶接を行うので、〔請求項6〕に記
載する発明の作用・効果に加え、プッシャによる押圧力
で、電磁石による被溶接部材の吸引固定力を補完してこ
れを強固に固定することができる。 【0042】〔請求項9〕に記載する発明は、〔請求項
7〕又は〔請求項8〕に記載する溶接方法において、各
電磁石が発生する磁束の磁路となる磁性体の当て板を被
溶接部材の上面に載置した状態で溶接作業を行うので、
被溶接部材が薄く、単独では電磁石の吸引力を十分作用
させることができないような場合でも、当て板がこの場
合の磁路となり、実効的に被溶接部材の厚みが増したの
と同様の状態とすることができる。この結果、被溶接部
材が薄い場合でも当て板に作用する大きな吸引力ととも
に被溶接部材が電磁石に吸引され、所定位置への良好な
位置決めを行うことができる。また、この場合の当て板
は、従来の機械的なハードクランプのように大型のもの
でなくて良く、したがって溶接ヘッドの走行に支障にな
るようなことはない。
法に関し、特に二次元テーラドブランク溶接に適用して
有用なものである。 【0002】 【従来の技術】近年、自動車の車体パネル等の成形用素
材として、板厚や材質がともに同じか、あるいは板厚や
材質がともに異なる複数枚の鋼板を相互に突き合わせて
CO2(炭酸ガス)レーザ溶接法等により一体化したテ
ーラードブランク材と称される材料が用いられている。 【0003】この種のテーラードブランク材を用いた場
合、各種のプレス工程でスクラップとして生じた端材を
有効利用することができ、材料の無駄が少なく材料歩留
まりが向上するほか、例えば板厚の大きな鋼板と板厚の
小さな鋼板とを組み合わせたテーラードブランクを用い
て所定形状のパネル部品を成形することにより、パネル
部品全体を一枚の厚い鋼板から成形する場合に比べて軽
量化が図れる等の利点がある。 【0004】図5は、上述の如きテーラドブランク材を
4枚の鋼板を突合せ溶接して得る場合の態様を平面的に
見て示す説明図、図6は、図5の一つの溶接線を横断す
る線で切った場合のこの部分(他の溶接線に関する部分
も同様である。)を抽出して示す説明図である。両図に
示すように、突合せ溶接を行う被溶接部材である4枚の
鋼板1、2、3、4は水平面を構成するテーブル5上に
載置されている。ここで、各鋼板1〜4の突合せ端面で
溶接線L1、L2、L3、L4を形成している。溶接ヘ
ッド6はレーザビーム7を突き合わせ部に照射しなが
ら、各溶接線L1、L2、L3、L4に沿って移動し得
るように構成してある。すなわち、溶接ヘッド6は、例
えばX軸方向に走行する門型の走行体に、X軸方向と直
角方向なY軸方向に移動可能に配設されたキャリッジ等
に搭載されて移動することにより、XY平面内を自由に
移動し得るようになっている。 【0005】かかるテーラドブランク溶接においては、
各鋼板1〜4をテーブル5上の所定位置に強固に位置決
め固定した後、突合せ溶接を行う必要がある。そこで、
各溶接線L1〜L4の両側にクランプ8、9、10、1
1が配設してあり、各クランプ8〜11により各溶接線
L1〜L4の両側で各鋼板1〜4の端部を上方からテー
ブル5に押圧して固定している。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】上述の如き従来技術に
係る溶接装置においては、クランプ8〜11で鋼板1〜
4をその上方から押圧しており、且つこのクランプ8〜
11は溶接線L1〜L4の近傍にあるため溶接ヘッド6
の走行に支障をきたす場合がある。かかる傾向は溶接線
L1〜L4の数が増えれば増える程、顕著になる。近
年、テーラードフランク材はこれを形成する部材の数が
増える傾向にあり、これに伴い溶接線の数も増加する傾
向にある。 【0007】本願発明は、上記従来技術に鑑み、被溶接
部材の上方を走行してその突合せ溶接を行う溶接ヘッド
の走行に支障を生起することなく、しかも強固に被溶接
部材を所定位置に位置決め固定した状態で溶接作業を行
うことができる溶接装置及び溶接方法を提供することを
目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の構成は、次の点を特徴とする。 【0009】1) テーブル上に載置する板材である2
枚の被溶接部材の突合せ部で形成する溶接線に沿って溶
接ヘッドを走行させることにより、前記突合せ部の溶接
を行う溶接装置において、溶接線を挟んでこの左右両側
にそれぞれ電磁石を配設し、各電磁石で被溶接部材を下
方からそれぞれ吸引して位置決めをするとともに、各電
磁石の磁力を少なくとも2段階に調整できるように構成
したこと。ここで、電磁石の吸引力の一つは、被溶接部
材が水平方向の外力によりテーブル上を移動できる程度
の強度であり、他は所定位置に占位した被溶接部材が強
固に固着され突合せ溶接を良好に進行させ得る程度の強
度とする。また、一方を強く、他方を弱くすることもで
きる。また、被溶接部材としてはテーラードブランク、
それも多くの部材を組み合わせて形成するテーラードブ
ランク材の溶接に最適である。 【0010】2) テーブル上に載置する板材である2
枚の被溶接部材の突合せ部で形成する溶接線に沿って溶
接ヘッドを走行させることにより、前記突合せ部の溶接
を行う溶接装置において、溶接線を挟んでこの左右両側
にそれぞれ電磁石を配設し、各電磁石で被溶接部材を下
方からそれぞれ吸引して位置決めをするとともに、各電
磁石の磁力を少なくとも2段階に調整できるように構成
し、さらに被溶接部材の前記溶接線と反対側の端部を前
記溶接線側にそれぞれ押圧するプッシャを有すること。
ここで、プッシャは、被溶接部材を位置決めすべく被溶
接部材の端面を押して所定位置に移動するためのプッシ
ャと兼用することができる。 【0011】3) テーブル上に載置する2枚の板材で
ある被溶接部材の突合せ部で形成する溶接線に沿って溶
接ヘッドを走行させることにより、前記突合せ部の溶接
を行う溶接装置において、溶接線を挟んでこの左右両側
にそれぞれ電磁石を配設し、各電磁石で被溶接部材を下
方からそれぞれ吸引して位置決めをするとともに、各電
磁石の磁力を少なくとも2段階に調整できるように構成
し、さらに被溶接部材の前記溶接線と反対側の端部を前
記溶接線側に押圧するプッシャと、被溶接部材の端部を
掴んで他の被溶接部材の端面に向け搬送して被溶接部材
の端面同士を突き合わせる搬送アームとを有すること。 【0012】4) 上記1)乃至3)の何れか一つに記
載する溶接装置において、各電磁石が発生する磁束の磁
路となるよう被溶接部材の上面に載置される磁性体の当
て板を有すること。 【0013】5) 上記3)に記載する溶接装置におい
て、搬送アームは、先端部に被溶接部材を検出するセン
サを有するとともにこの被溶接部材に向かって移動する
ように構成した基台と、この基台に配設した駆動手段
と、この駆動手段の駆動により上記基台から前方に突出
するとともに、この基台に対し、一方向に回動して上記
被溶接部材の下方からこの被溶接部材に当接する下部レ
バーと、前記駆動手段の駆動により前記下部レバーと一
体的に前記基台から前方に突出するとともに、この基台
に対して反対方向に回動して前記被溶接部材の上方から
この被溶接部材に当接する上部レバーとを有し、前記セ
ンサが前記被溶接部材を検出した後、前記上部レバー及
び下部レバーを回動させてこれら上部レバー及び下部レ
バーの間で上記被溶接部材の端部を掴むように構成した
ものであること。 【0014】6) 上記5)に記載する溶接装置におい
て、搬送アームの基台は、水平なベース板、このベース
板に垂直に設けられた垂直部材、垂直部材の先端から前
方に突出してその先端部で被溶接部材を下方から支える
とともに被溶接部材を検出するためのセンサが配設され
ている支持部材を有するとともに、駆動手段であるエア
ーシリンダを固着しており、このエアーシリンダはその
ピストンロッドを水平方向に伸縮させて、このピストン
ロッドの先端に固着する移動部材を、ベース板上で水平
方向に直線移動するように構成し、下部レバーはその基
端部を前記移動部材にピンを介して回動可能に取り付け
るとともに、前記垂直部材の長手方向に設けた長孔に下
部レバーの途中に配設したピンを嵌入することにより、
移動部材の移動に伴い長孔形状を倣って移動するように
構成し、さらに上部レバーは下部レバーの中央部にピン
を介して回動可能に取り付け、前記移動部材の前進移動
に伴い基台の当接部材に当接するとともにさらなる前進
移動に伴い前記ピンを回動中心として下部レバー側に回
動するように構成し、被溶接部材へ向かう前進移動に伴
いセンサで被溶接部材を検出するとともに、その検出し
た位置で基台の移動を停止してエアーシリンダを駆動す
ることにより移動部材を前進させ、この前進に伴い下部
レバーと上部レバーとを相互に反対方向に回動させ、こ
れら上部レバー及び下部レバーの間で前記被溶接部材の
端部を掴むように構成したものであること。 【0015】7) テーブル上に載置する板材である2
枚の被溶接部材の突合せ部で形成する溶接線に沿って溶
接ヘッドを走行させることにより、前記突合せ部の溶接
を行う溶接方法において、溶接線を挟んでこの左右両側
にそれぞれ配設した電磁石で、被溶接部材を、これが水
平方向に移動可能な程度の相対的に弱い電磁力で吸引し
つつ所定位置迄移動して位置決めを行うとともに、供給
する電流を切り換えることにより相対的に強い電磁力で
被溶接部材を吸引して前記所定位置に位置決め固定し、
かかる状態で溶接線に沿って溶接ヘッドを走行すること
により前記溶接線に沿う突合せ溶接を行うこと。 【0016】8) テーブル上に載置する板材である2
枚の被溶接部材の突合せ部で形成する溶接線に沿って溶
接ヘッドを走行させることにより、前記突合せ部の溶接
を行う溶接方法において、溶接線を挟んでこの左右両側
にそれぞれ配設した電磁石で、被溶接部材を、これが水
平方向に移動可能な程度の相対的に弱い電磁力で吸引し
つつ所定位置迄移動して位置決めを行うとともに、被溶
接部材を所定位置に占位させた後、供給する電流を切り
換えることにより相対的に強い電磁力で被溶接部材を吸
引して前記所定位置に位置決め固定し、さらにプッシャ
で、被溶接部材の前記溶接線と反対側の端部を前記溶接
線側に押圧し、かかる状態で溶接線に沿って溶接ヘッド
を走行することにより前記溶接線に沿う突合せ溶接を行
うこと。 【0017】9) 上記7)又は8)に記載する溶接方
法において、各電磁石が発生する磁束の磁路となる磁性
体の当て板を被溶接部材の上面に載置した状態で溶接作
業を行うこと。 【0018】 【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面に
基づき詳細に説明する。 【0019】図1は本発明に係る溶接装置を平面的に見
て示す説明図、図2は図1の一つの溶接線を横断する線
で切った場合のこの部分を抽出して示す説明図である。
なお、両図中、図5及び図6と同一部分には同一番号を
付し、重複する説明は省略する。 【0020】図1に示すように、テーラードブランク材
を形成する鋼板1〜4のうち、鋼板1、2には位置合わ
せ用の孔(図示せず。)が設けてあり、テーブル5にそ
の表面から突出させて設けたピン(図示せず。)に前記
孔を嵌入することにより所定位置への位置決めを行うよ
うになっている。矩形ではない異形板材である鋼板3は
鋼板1、2の一端面に当接させることにより、また鋼板
4は鋼板1、2の他端面に当接させることによりそれぞ
れ所定位置への位置決めがなされる。そして、この場合
も各鋼板1〜4の突き合わせ部で溶接線L1〜L4が形
成されており、溶接ヘッド6を溶接線L1〜L4に沿っ
て移動することにより突合せ溶接を行って所定のテーラ
ードブランク材を得る。 【0021】鋼板3の所定位置への移動はプッシャ8
a、8b及び搬送アーム9a、9bにより行い、鋼板4
の所定位置への移動はプッシャ10a、10b、10
c、10d及び搬送アーム11a、11bにより行う。
ここで、プッシャ8a、8b、10a〜10dは、テー
ブル5に設けた溝5a〜5fに沿って前後方向に直線移
動するように構成してある。したがって、プッシャ8
a、8bを前進することにより鋼板3を鋼板2の端面に
向けて移動し得る。また、プッシャ10a、10bを前
進することにより鋼板4を図中下方向に、プッシャ10
c、10dを前進することにより鋼板4を図中上方向に
それぞれ移動し得る。これらプッシャ8a、8b、10
a〜10dは鋼板3、4の移動方向に直交する辺に当接
してこれを押す場合には有効であるが、移動方向に対し
て傾斜している辺を押すことはできない。そこで、この
場合には鋼板3、4を掴んで移動する搬送アーム11
a、11bを用いる。搬送アーム11a、11bは、例
えばエアーシリンダで構成した移動手段(図示せず。)
等の駆動により、テーブル5に設けた溝5g〜5jに沿
って前後方向に直線移動するように構成してある。した
がって、鋼板3の端部を掴んだ状態で搬送アーム9a、
9bを前進することにより鋼板3を鋼板1の端面に向け
て移動し得る。また、搬送アーム11a、11bを前進
することにより鋼板4を図中上方向に移動し得る。搬送
アーム9a、9b、11a、11bの具体的な構成は、
後に詳述する。 【0022】図2に明示的に示すように電磁石12、1
3は、各溶接線L1〜L4を挟んでこの左右両側にそれ
ぞれ配設してあり、各電磁石12、13で、テーブル5
上に載置した鋼板1〜4を下方からそれぞれ吸引するよ
うに構成してある。ここで、電磁石12、13は、それ
ぞれに供給する電流を少なくとも2段階に調整すること
により、吸引力をそれぞれ独立に切り換えることができ
るように構成してある。すなわち、鋼板1〜4の仮止め
の際には相対的に弱い磁力を発生し、溶接作業を行う場
合には相対的に強い磁力を発生して強固に鋼板1〜4を
固定する。ちなみに、鋼板3、4の移動の際には弱い磁
力を発生させて鋼板3、4を吸引することにより滑り、
相手側の突合せ部に対する乗り上げ等の不都合を回避し
て、良好な移動を行うことができる。 【0023】図3及び図4は上記搬送アーム9a、9
b、11a、11bの主要部を抽出して示す側面図で、
図3は通常時(非作動時)の状態、図4は動作時の状態
をそれぞれ示している。両図に示すように、本形態に係
る搬送アームは、基台I、駆動手段II及び掴み部III か
らなり、基台1とともに一体的に駆動手段II及び掴み部
III も直線移動して掴み部III で掴む鋼板3、4(図
3、4には図示せず。)への所定の接近が検知された時
点で、駆動手段IIで掴み部III を前方(鋼板に接近する
方向)に移動しつつ、掴み部III で鋼板の端部を掴むよ
うに構成してある。 【0024】基台1は、水平なベース板21、このベー
ス板21に垂直に設けられた垂直部材22、垂直部材2
2の先端から前方に突出してその先端部で異形鋼板を下
方から支えるL字上の支持部材23等を有するととも
に、駆動手段IIであるエアーシリンダ24の先端部を固
着している。エアーシリンダ24はそのピストンロッド
24aを水平方向に伸縮させて、このピストンロッド2
4aの先端に固着する移動部材25を、ベース板21に
固着されたガイド部材26に沿って水平方向に直線移動
するようになっている。 【0025】掴み部III は、上記移動部材25に基端部
がピン27により回動可能に取り付けられた下部レバー
28及びこの下部レバー28の中央部にピン29により
回動可能に取り付けられた上部レバー30とを有してい
る。ここで、下部レバー28及び上部レバー30はエア
ーシリンダ24の駆動に伴う移動部材25の直線移動に
より一体的に移動する。また、下部レバー28のピン2
7、29の中間部にはピン31が設けてあり、このピン
31に取り付けられたローラ32が垂直部材22の長手
方向に設けた長孔22aに嵌入してある。長孔22aは
概ね水平方向に伸びる孔であり、先端に向かってその垂
直部材における位置が若干高くなるように構成してあ
る。図3に示す、通常時において、ピン31及びローラ
32は長孔22aの最後部(図中右端)に位置するとと
もに、上部レバー30の最も高い部分が、支持部材23
のうちの最も高い部分より低い位置に在る。ピン31及
びローラ32は、エアーシリンダ24の駆動に伴う移動
部材25の移動に伴い長孔22aに沿って移動する。こ
の結果、下部レバー28はピン27を回動中心として図
中時計方向に若干回動し、その先端部の位置を上昇させ
る。かかる移動に伴う最終位置で下部レバー28の先端
部の上端面位置は支持部材23の先端部の上端面位置と
一致する。すなわち、この高さ位置で鋼板を下方から支
持するようになっている。 【0026】上部レバー30はL字状の部材で、その基
端部はピン29の部分から下方に垂下しており、その下
端部が、下部レバー28の前方への移動に伴い、支持部
材23から水平方向に突出させた当接部材33に当接す
るようになっている。この結果、かかる当接状態で下部
レバー28がさらに前方に移動することにより上部レバ
ー30はピン31を回動中心として図中反時計方向に回
動する。かくして、上部レバー30の先端部の下面と下
部レバー28の先端部の上面とが接近して当接する状態
となる。したがって、上部レバー30の先端部と下部レ
バー28の先端部との間に異形鋼板が存在すればこれを
両レバー28、30の先端部で掴むことができる。この
ときの鋼板を掴む力はスプリング34により調節でき
る。すなわち、スプリング34の一端は下部レバー28
に、また他端は上部レバー30にそれぞれ固定してあ
り、ピン29を回動中心として上部レバー30を図中時
計方向に回動する回動力を上部レバー30に常時付与し
ている。 【0027】センサ35は支持部材23の先端部に配設
してあり、鋼板に対する距離が所定値以下になったとき
その検知信号を送出するもので、例えば近接センサで好
適に形成し得る。掴み状態検出センサ36は下部レバー
28の先端部の上端面に配設してあり、上部レバー30
の先端部とで掴み状態になったときその検出信号を送出
するものであり、これも例えば近接センサで好適に形成
し得る。 【0028】かかる搬送アームは、全体が、当該掴み作
業の対象物に対して接近するように移動される。かかる
接近動作に際しては、当該搬送アームの全体が図中左方
向に移動される。この移動の際の先端部である支持部材
23に配設されたセンサ35が鋼板の下方に位置した時
点で、この鋼板の存在をセンサ35が検出する。当該搬
送アームの全体の移動はこの時点で停止される。 【0029】センサ35が鋼板を検出した時点で、鋼板
に対する基台I及び駆動手段IIの相対位置は固定され
る。かかる状態で、駆動手段IIであるエアーシリンダ2
4を駆動し、移動部材25を前方(図中左方向。以下、
同じ。)に移動して下部レバー28及び上部レバー30
を同方向に移動する。この移動に伴い長孔22aに沿っ
て移動するピン31及びローラ32により、下部レバー
28がピン27を回動中心として反時計方向に回動しつ
つその位置を上昇される。上部レバー30はその下部が
当接部材33に当接し、かかる状態でさらに前方に移動
することにより、ピン29を回動中心として反時計方向
に回動する。この結果、かかる移動の最終段階では、下
部レバー28の先端部の上端面が支持部材23の先端部
の上端面とが面一の状態となって下方から異形鋼板を支
持するとともに、上部レバー30と下部レバー28との
間で鋼板を掴むことができる。正規に掴んだことは掴み
状態検出センサ36が検出する。 【0030】上述の如き本形態に係る溶接装置を用いて
突合せ溶接を行い、テーラードブランク材を得る場合に
は、先ず鋼板1、2を所定位置に位置決めする。この状
態で、鋼板3、4をプッシャ8a、8b、10a〜10
d及び搬送アーム9a、9b11a、11bにより移動
する。この際、電磁石12、13に弱い磁力を発生させ
る。鋼板1〜4に残着している油等によるすべり等を防
止するためである。鋼板3、4が所定の位置に占位した
場合には電磁石12、13に供給する電流を切り換えて
強力な磁力を発生させ、強固にその位置に固定する。か
かる状態で溶接ヘッド6を溶接線L1〜L4に沿って走
行させ、所定の溶接作業を行う。 【0031】この際電磁石12、13の磁力による鋼板
1〜4の吸引力を補完すべく、鋼板3、4の溶接線L1
〜L4と反対側の端部を溶接線L1〜L4側にそれぞれ
プッシャ8a、8b、10a〜10d及び搬送アーム9
a、9b、11a、11bで押圧するようにしても良
い。ちなみに、磁力による鋼板1〜4の固定力は垂直方
向には十分大きくすることができるが、水平方向に作用
する外力に対しては十分でない場合が発生する。かかる
場合に、プッシャ8a、8b、10a〜10d及び搬送
アーム9a、9b、11a、11bで押圧することによ
り、さらに確実に鋼板1〜4を固定し、良好な溶接作業
に資することができる。また、場合によっては、従来の
ハードクランプを併設し、このハードクランプによるク
ランプ力も作用させることにより電磁力を補完するよう
にしても良い。この場合、鋼板1〜4の上方空間にクラ
ンプが存在するが、従来に較べ、十分小型のものとする
ことができるので、溶接ヘッド6の走行の障害になるこ
とはない。 【0032】また、被溶接部材である鋼板1〜4の表面
に磁性体の当て板を載置するようにしても良い。この場
合、当て板を各電磁石12、13が発生する磁束の磁路
とすることができる。したがって、この場合の磁路の断
面積は、鋼板1〜4の板厚に当て板の厚さを加えた厚さ
に比例する面積となり、鋼板1〜4の板厚が増大したの
と実効的に同様の状態とすることができる。 【0033】この結果、鋼板1〜4が薄く、単独では電
磁石12、13の吸引力を十分作用させることができな
いような場合でも所定位置への良好な位置決めを行うこ
とができる。 【0034】 【発明の効果】以上実施の形態とともに具体的に説明し
た通り、〔請求項1〕に記載する発明は、テーブル上に
載置する板材である2枚の被溶接部材の突合せ部で形成
する溶接線に沿って溶接ヘッドを走行させることによ
り、前記突合せ部の溶接を行う溶接装置において、溶接
線を挟んでこの左右両側にそれぞれ電磁石を配設し、各
電磁石で被溶接部材を下方からそれぞれ吸引して位置決
めをするとともに、各電磁石の磁力を少なくとも2段階
に調整できるように構成したので、テーブル上を移動し
ての被溶接部材の位置決め操作時においては弱い磁力を
被溶接部材に作用させて目的の方向に移動する。このこ
とにより被溶接部材は滑り等を生起することなく良好に
所定の位置迄搬送することができる。被溶接部材が所定
位置に占位した後には、被溶接部材にその下方から強い
磁力を作用させてその位置に固定し、溶接作業を開始す
る。この結果、被溶接部材の上方には機械力によるハー
ドクランプが存在せず、被溶接部材を所定位置に固定す
る電磁石が溶接ヘッドの移動の障害になることはないの
で、良好な位置決め及び固定を行って溶接作業を進行さ
せることができる。すなわち、溶接加工面上の空間を自
由に使うことが可能となり、多品種溶接に対応可能とな
る。また、吸引力を電磁石により得ているので、吸引力
及び吸引のタイミングを制御可能となり、複雑な形状の
テーラードブランク材においてもフレキシブルな位置決
め・固定が可能となる。 【0035】〔請求項2〕に記載する発明は、テーブル
上に載置する板材である2枚の被溶接部材の突合せ部で
形成する溶接線に沿って溶接ヘッドを走行させることに
より、前記突合せ部の溶接を行う溶接装置において、溶
接線を挟んでこの左右両側にそれぞれ電磁石を配設し、
各電磁石で被溶接部材を下方からそれぞれ吸引して位置
決めをするとともに、各電磁石の磁力を少なくとも2段
階に調整できるように構成し、さらに被溶接部材の前記
溶接線と反対側の端部を前記溶接線側にそれぞれ押圧す
るプッシャを有するので、〔請求項1〕に記載する発明
の作用・効果に加え、プッシャによる押圧力で、電磁石
による被溶接部材の吸引固定力を補完してこれを強固に
固定することができる。 【0036】〔請求項3〕に記載する発明は、テーブル
上に載置する2枚の板材である被溶接部材の突合せ部で
形成する溶接線に沿って溶接ヘッドを走行させることに
より、前記突合せ部の溶接を行う溶接装置において、溶
接線を挟んでこの左右両側にそれぞれ電磁石を配設し、
各電磁石で被溶接部材を下方からそれぞれ吸引して位置
決めをするとともに、各電磁石の磁力を少なくとも2段
階に調整できるように構成し、さらに被溶接部材の前記
溶接線と反対側の端部を前記溶接線側に押圧するプッシ
ャと、被溶接部材の端部を掴んで他の被溶接部材の端面
に向け搬送して被溶接部材の端面同士を突き合わせる搬
送アームとを有するので、被溶接部材が矩形ではなく移
動すべき方向にプッシャにより押すことができない異形
板材であっても、これを良好に所定位置まで搬送して位
置決めすることができる。 【0037】〔請求項4〕に記載する発明は、〔請求項
1〕乃至〔請求項3〕の何れか一つに記載する溶接装置
において、各電磁石が発生する磁束の磁路となるよう被
溶接部材の上面に載置される磁性体の当て板を有するの
で、被溶接部材が薄く、単独では電磁石の吸引力を十分
作用させることができないような場合でも、当て板がこ
の場合の磁路となり、実効的に被溶接部材の厚みが増し
たのと同様の状態とすることができる。ちなみに、一般
に、電磁石が発生する吸引力は、被溶接部材の厚さによ
り変化し、被溶接部材の厚さが厚いほど磁気吸引力は大
きくなる。この結果、被溶接部材が薄い場合でも当て板
に作用する大きな吸引力とともに被溶接部材が電磁石に
吸引され、所定位置への良好な位置決めを行うことがで
きる。 【0038】〔請求項4〕に記載する発明は、〔請求項
3〕に記載する溶接装置において、搬送アームは、先端
部に被溶接部材を検出するセンサを有するとともにこの
被溶接部材に向かって移動するように構成した基台と、
この基台に配設した駆動手段と、この駆動手段の駆動に
より上記基台から前方に突出するとともに、この基台に
対し、一方向に回動して上記被溶接部材の下方からこの
被溶接部材に当接する下部レバーと、前記駆動手段の駆
動により前記下部レバーと一体的に前記基台から前方に
突出するとともに、この基台に対して反対方向に回動し
て前記被溶接部材の上方からこの被溶接部材に当接する
上部レバーとを有し、前記センサが前記被溶接部材を検
出した後、前記上部レバー及び下部レバーを回動させて
これら上部レバー及び下部レバーの間で上記被溶接部材
の端部を掴むように構成したものであるので、センサが
板材である被溶接部材の存在を検知した時点から所定の
掴み動作が開始され、上部レバーと下部レバーとの間で
板材を掴むことができる。この結果、被溶接部材の形状
の如何にかかわらず、これを良好に掴むことができる。
また、この場合の当て板は、従来の機械的なハードクラ
ンプのように大型のものでなくて良く、したがって溶接
ヘッドの走行に支障になるようなことはない。 【0039】〔請求項5〕に記載する発明は、〔請求項
4〕に記載する溶接装置において、搬送アームの基台
は、水平なベース板、このベース板に垂直に設けられた
垂直部材、垂直部材の先端から前方に突出してその先端
部で被溶接部材を下方から支えるとともに被溶接部材を
検出するためのセンサが配設されている支持部材を有す
るとともに、駆動手段であるエアーシリンダを固着して
おり、このエアーシリンダはそのピストンロッドを水平
方向に伸縮させて、このピストンロッドの先端に固着す
る移動部材を、ベース板上で水平方向に直線移動するよ
うに構成し、下部レバーはその基端部を前記移動部材に
ピンを介して回動可能に取り付けるとともに、前記垂直
部材の長手方向に設けた長孔に下部レバーの途中に配設
したピンを嵌入することにより、移動部材の移動に伴い
長孔形状を倣って移動するように構成し、さらに上部レ
バーは下部レバーの中央部にピンを介して回動可能に取
り付け、前記移動部材の前進移動に伴い基台の当接部材
に当接するとともにさらなる前進移動に伴い前記ピンを
回動中心として下部レバー側に回動するように構成し、
被溶接部材へ向かう前進移動に伴いセンサで被溶接部材
を検出するとともに、その検出した位置で基台の移動を
停止してエアーシリンダを駆動することにより移動部材
を前進させ、この前進に伴い下部レバーと上部レバーと
を相互に反対方向に回動させ、これら上部レバー及び下
部レバーの間で前記被溶接部材の端部を掴むように構成
したものであるので、エアーシリンダを駆動し、そのピ
ストンロッドを伸長して移動部材を直線的に移動するだ
けで、下部レバーが板材を下方から支持するように動作
するとともに、当接部材に当接して回動する上部レバー
が上方から回動して板材の上面に当接することにより、
上部レバー及び下部レバーとで板材を掴むことができ
る。この結果、本発明によれば、被溶接部材の形状の如
何にかかわらず、これを良好に掴むことができるばかり
でなく、この掴み動作をエアーシリンダの駆動のみで行
うことができ、掴み動作のための機構を最も合理的なも
のとすることができる。 【0040】〔請求項6〕に記載する発明は、テーブル
上に載置する板材である2枚の被溶接部材の突合せ部で
形成する溶接線に沿って溶接ヘッドを走行させることに
より、前記突合せ部の溶接を行う溶接方法において、溶
接線を挟んでこの左右両側にそれぞれ配設した電磁石
で、被溶接部材を、これが水平方向に移動可能な程度の
相対的に弱い電磁力で吸引しつつ所定位置迄移動して位
置決めを行うとともに、供給する電流を切り換えること
により相対的に強い電磁力で被溶接部材を吸引して前記
所定位置に位置決め固定し、かかる状態で溶接線に沿っ
て溶接ヘッドを走行することにより前記溶接線に沿う突
合せ溶接を行うので、被溶接部材の上方には機械力によ
るハードクランプが存在せず、被溶接部材を所定位置に
固定する電磁石が溶接ヘッドの移動の障害になることは
ない。この結果、良好な位置決め及び固定を行って溶接
作業を進行させることができる。すなわち、溶接加工面
上の空間を自由に使うことが可能となり、多品種溶接に
対応可能となる。また、吸引力を電磁石により得ている
ので、吸引力及び吸引のタイミングを制御可能となり、
複雑な形状のテーラードブランク材においてもフレキシ
ブルな位置決め・固定が可能となる。 【0041】〔請求項7〕に記載する発明は、テーブル
上に載置する板材である2枚の被溶接部材の突合せ部で
形成する溶接線に沿って溶接ヘッドを走行させることに
より、前記突合せ部の溶接を行う溶接方法において、溶
接線を挟んでこの左右両側にそれぞれ配設した電磁石
で、被溶接部材を、これが水平方向に移動可能な程度の
相対的に弱い電磁力で吸引しつつ所定位置迄移動して位
置決めを行うとともに、被溶接部材を所定位置に占位さ
せた後、供給する電流を切り換えることにより相対的に
強い電磁力で被溶接部材を吸引して前記所定位置に位置
決め固定し、さらにプッシャで、被溶接部材の前記溶接
線と反対側の端部を前記溶接線側に押圧し、かかる状態
で溶接線に沿って溶接ヘッドを走行することにより前記
溶接線に沿う突合せ溶接を行うので、〔請求項6〕に記
載する発明の作用・効果に加え、プッシャによる押圧力
で、電磁石による被溶接部材の吸引固定力を補完してこ
れを強固に固定することができる。 【0042】〔請求項9〕に記載する発明は、〔請求項
7〕又は〔請求項8〕に記載する溶接方法において、各
電磁石が発生する磁束の磁路となる磁性体の当て板を被
溶接部材の上面に載置した状態で溶接作業を行うので、
被溶接部材が薄く、単独では電磁石の吸引力を十分作用
させることができないような場合でも、当て板がこの場
合の磁路となり、実効的に被溶接部材の厚みが増したの
と同様の状態とすることができる。この結果、被溶接部
材が薄い場合でも当て板に作用する大きな吸引力ととも
に被溶接部材が電磁石に吸引され、所定位置への良好な
位置決めを行うことができる。また、この場合の当て板
は、従来の機械的なハードクランプのように大型のもの
でなくて良く、したがって溶接ヘッドの走行に支障にな
るようなことはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る溶接装置を平面的に見て示す説明
図である。 【図2】図1の一つの溶接線を横断する線で切った場合
のこの部分を抽出して示す説明図である。 【図3】本発明の実施の形態に係る溶接装置における搬
送アームを抽出して示す図で、その通常時(非作動時)
の状態を示す側面図である。 【図4】本発明の実施の形態に係る溶接装置における搬
送アームを抽出して示す図で、その動作時の状態を示す
側面図である。 【図5】テーラドブランク材を4枚の鋼板を突合せ溶接
して得る場合の従来技術の態様を平面的に見て示す説明
図である。 【図6】図5の一つの溶接線を横断する線で切った場合
のこの部分を抽出して示す説明図である。 【符号の説明】 L1〜L4 溶接線 1〜4 鋼板 5 テーブル 6 溶接ヘッド 8a、8b プッシャ 9a、9b 搬送アーム 10a〜10d プッシャ 11a〜11b 搬送アーム I 基台 II 駆動手段 III 掴み部 21 ベース板 22 垂直部材 22a 長孔 23 支持部材 24 エアーシリンダ 24a ピストンロッド 25 移動部材 27 ピン 28 下部レバー 29 ピン 30 上部レバー 31 ピン 33 当接部材 34 スプリング 35 センサ 36 掴み状態検出センサ
図である。 【図2】図1の一つの溶接線を横断する線で切った場合
のこの部分を抽出して示す説明図である。 【図3】本発明の実施の形態に係る溶接装置における搬
送アームを抽出して示す図で、その通常時(非作動時)
の状態を示す側面図である。 【図4】本発明の実施の形態に係る溶接装置における搬
送アームを抽出して示す図で、その動作時の状態を示す
側面図である。 【図5】テーラドブランク材を4枚の鋼板を突合せ溶接
して得る場合の従来技術の態様を平面的に見て示す説明
図である。 【図6】図5の一つの溶接線を横断する線で切った場合
のこの部分を抽出して示す説明図である。 【符号の説明】 L1〜L4 溶接線 1〜4 鋼板 5 テーブル 6 溶接ヘッド 8a、8b プッシャ 9a、9b 搬送アーム 10a〜10d プッシャ 11a〜11b 搬送アーム I 基台 II 駆動手段 III 掴み部 21 ベース板 22 垂直部材 22a 長孔 23 支持部材 24 エアーシリンダ 24a ピストンロッド 25 移動部材 27 ピン 28 下部レバー 29 ピン 30 上部レバー 31 ピン 33 当接部材 34 スプリング 35 センサ 36 掴み状態検出センサ
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 日▲高▼ 文泰
兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1
号 三菱重工業株式会社神戸造船所内
Fターム(参考) 4E068 BE00 CA14 CB01 DA14
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 テーブル上に載置する板材である2枚の
被溶接部材の突合せ部で形成する溶接線に沿って溶接ヘ
ッドを走行させることにより、前記突合せ部の溶接を行
う溶接装置において、 溶接線を挟んでこの左右両側にそれぞれ電磁石を配設
し、各電磁石で被溶接部材を下方からそれぞれ吸引して
位置決めをするとともに、各電磁石の磁力を少なくとも
2段階に調整できるように構成したことを特徴とする溶
接装置。 【請求項2】 テーブル上に載置する板材である2枚の
被溶接部材の突合せ部で形成する溶接線に沿って溶接ヘ
ッドを走行させることにより、前記突合せ部の溶接を行
う溶接装置において、 溶接線を挟んでこの左右両側にそれぞれ電磁石を配設
し、各電磁石で被溶接部材を下方からそれぞれ吸引して
位置決めをするとともに、各電磁石の磁力を少なくとも
2段階に調整できるように構成し、 さらに被溶接部材の前記溶接線と反対側の端部を前記溶
接線側にそれぞれ押圧するプッシャを有することを特徴
とする溶接装置。 【請求項3】 テーブル上に載置する2枚の板材である
被溶接部材の突合せ部で形成する溶接線に沿って溶接ヘ
ッドを走行させることにより、前記突合せ部の溶接を行
う溶接装置において、 溶接線を挟んでこの左右両側にそれぞれ電磁石を配設
し、各電磁石で被溶接部材を下方からそれぞれ吸引して
位置決めをするとともに、各電磁石の磁力を少なくとも
2段階に調整できるように構成し、 さらに被溶接部材の前記溶接線と反対側の端部を前記溶
接線側に押圧するプッシャと、被溶接部材の端部を掴ん
で他の被溶接部材の端面に向け搬送して被溶接部材の端
面同士を突き合わせる搬送アームとを有することを特徴
とする溶接装置。 【請求項4】 〔請求項1〕乃至〔請求項3〕の何れか
一つに記載する溶接装置において、 各電磁石が発生する磁束の磁路となるよう被溶接部材の
上面に載置される磁性体の当て板を有することを特徴と
する溶接装置。 【請求項5】 〔請求項3〕に記載する溶接装置におい
て、 搬送アームは、先端部に被溶接部材を検出するセンサを
有するとともにこの被溶接部材に向かって移動するよう
に構成した基台と、 この基台に配設した駆動手段と、 この駆動手段の駆動により上記基台から前方に突出する
とともに、この基台に対し、一方向に回動して上記被溶
接部材の下方からこの被溶接部材に当接する下部レバー
と、 前記駆動手段の駆動により前記下部レバーと一体的に前
記基台から前方に突出するとともに、この基台に対して
反対方向に回動して前記被溶接部材の上方からこの被溶
接部材に当接する上部レバーとを有し、 前記センサが前記被溶接部材を検出した後、前記上部レ
バー及び下部レバーを回動させてこれら上部レバー及び
下部レバーの間で上記被溶接部材の端部を掴むように構
成したものであることを特徴とする溶接装置。 【請求項6】 〔請求項5〕に記載する溶接装置におい
て、 搬送アームの基台は、水平なベース板、このベース板に
垂直に設けられた垂直部材、垂直部材の先端から前方に
突出してその先端部で被溶接部材を下方から支えるとと
もに被溶接部材を検出するためのセンサが配設されてい
る支持部材を有するとともに、駆動手段であるエアーシ
リンダを固着しており、 このエアーシリンダはそのピストンロッドを水平方向に
伸縮させて、このピストンロッドの先端に固着する移動
部材を、ベース板上で水平方向に直線移動するように構
成し、 下部レバーはその基端部を前記移動部材にピンを介して
回動可能に取り付けるとともに、前記垂直部材の長手方
向に設けた長孔に下部レバーの途中に配設したピンを嵌
入することにより、移動部材の移動に伴い長孔形状を倣
って移動するように構成し、 さらに上部レバーは下部レバーの中央部にピンを介して
回動可能に取り付け、前記移動部材の前進移動に伴い基
台の当接部材に当接するとともにさらなる前進移動に伴
い前記ピンを回動中心として下部レバー側に回動するよ
うに構成し、 被溶接部材へ向かう前進移動に伴いセンサで被溶接部材
を検出するとともに、その検出した位置で基台の移動を
停止してエアーシリンダを駆動することにより移動部材
を前進させ、この前進に伴い下部レバーと上部レバーと
を相互に反対方向に回動させ、これら上部レバー及び下
部レバーの間で前記被溶接部材の端部を掴むように構成
したものであることを特徴とする溶接装置。 【請求項7】 テーブル上に載置する板材である2枚の
被溶接部材の突合せ部で形成する溶接線に沿って溶接ヘ
ッドを走行させることにより、前記突合せ部の溶接を行
う溶接方法において、 溶接線を挟んでこの左右両側にそれぞれ配設した電磁石
で、被溶接部材を、これが水平方向に移動可能な程度の
相対的に弱い電磁力で吸引しつつ所定位置迄移動して位
置決めを行うとともに、 供給する電流を切り換えることにより相対的に強い電磁
力で被溶接部材を吸引して前記所定位置に位置決め固定
し、かかる状態で溶接線に沿って溶接ヘッドを走行する
ことにより前記溶接線に沿う突合せ溶接を行うことを特
徴とする溶接方法。 【請求項8】 テーブル上に載置する板材である2枚の
被溶接部材の突合せ部で形成する溶接線に沿って溶接ヘ
ッドを走行させることにより、前記突合せ部の溶接を行
う溶接方法において、 溶接線を挟んでこの左右両側にそれぞれ配設した電磁石
で、被溶接部材を、これが水平方向に移動可能な程度の
相対的に弱い電磁力で吸引しつつ所定位置迄移動して位
置決めを行うとともに、 被溶接部材を所定位置に占位させた後、供給する電流を
切り換えることにより相対的に強い電磁力で被溶接部材
を吸引して前記所定位置に位置決め固定し、さらにプッ
シャで、被溶接部材の前記溶接線と反対側の端部を前記
溶接線側に押圧し、かかる状態で溶接線に沿って溶接ヘ
ッドを走行することにより前記溶接線に沿う突合せ溶接
を行うことを特徴とする溶接方法。 【請求項9】 〔請求項7〕又は〔請求項8〕に記載す
る溶接方法において、 各電磁石が発生する磁束の磁路となる磁性体の当て板を
被溶接部材の上面に載置した状態で溶接作業を行うこと
を特徴とする溶接方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001261115A JP2003071592A (ja) | 2001-08-30 | 2001-08-30 | 溶接装置及び溶接方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001261115A JP2003071592A (ja) | 2001-08-30 | 2001-08-30 | 溶接装置及び溶接方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003071592A true JP2003071592A (ja) | 2003-03-11 |
Family
ID=19088208
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001261115A Withdrawn JP2003071592A (ja) | 2001-08-30 | 2001-08-30 | 溶接装置及び溶接方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003071592A (ja) |
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---|---|---|---|---|
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