JP2003071405A - 灰溶融炉の前処理方法 - Google Patents

灰溶融炉の前処理方法

Info

Publication number
JP2003071405A
JP2003071405A JP2001267006A JP2001267006A JP2003071405A JP 2003071405 A JP2003071405 A JP 2003071405A JP 2001267006 A JP2001267006 A JP 2001267006A JP 2001267006 A JP2001267006 A JP 2001267006A JP 2003071405 A JP2003071405 A JP 2003071405A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ash
treated
magnetic
coarse
treated ash
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001267006A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3732429B2 (ja
Inventor
Mitsuo Yamada
三男 山田
Tsuneo Iwamizu
恒夫 岩水
Hitoshi Ogawa
斉 小川
Katsumi Fukuoka
勝美 福岡
Gakuo Kaneko
岳夫 金子
Yoshitaka Sato
芳隆 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyowa Exeo Corp
Original Assignee
Kyowa Exeo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyowa Exeo Corp filed Critical Kyowa Exeo Corp
Priority to JP2001267006A priority Critical patent/JP3732429B2/ja
Publication of JP2003071405A publication Critical patent/JP2003071405A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3732429B2 publication Critical patent/JP3732429B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Combined Means For Separation Of Solids (AREA)
  • Gasification And Melting Of Waste (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁性体の夾雑物のみならず、非磁性体の粗大
夾雑物をも簡単に排除することにある。 【解決手段】 処理灰を乾燥処理する乾燥工程と、この
乾燥工程で乾燥処理された処理灰から磁性体の夾雑物を
除去する磁気選別工程と、この磁気選別工程で処理され
た処理灰を下方に案内する竪導管28に導き、この竪導
管28に設けられた傾斜スクリーン29で、処理灰に含
まれる夾雑物のうち所定の大きさ以上の粗大夾雑物の下
方への移動を阻止し、これにより捕らえた粗大夾雑物を
傾斜スクリーン29上を滑落させて竪導管28外側に排
出する非磁性体の粗大夾雑物除去工程とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、焼却灰、飛灰、焼
却残滓等の処理灰を溶融処理するための灰溶融炉の前処
理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】都市ごみ等の一般廃棄物や産業廃棄物
は、過去においてはそのまま埋め立て処理するのが一般
的であったが、埋め立て地の枯渇や環境破壊などの問題
から現在では焼却処理を行ってから埋め立て処理するこ
とが多くなっている。しかし、焼却処理した場合でも、
その処理生成物である焼却灰に、重金属類やダイオキシ
ン等の有害物質が含まれているため、これをそのまま埋
立処理するには問題がある。
【0003】このため、近年、焼却灰、飛灰、焼却残滓
等(これらを総称して処理灰という)を灰溶融炉に投入
し、溶融状態になるまで高温で加熱することにより、有
害物質の無害化、処理生成物の減容化を図ることが行わ
れている。
【0004】この種の灰溶融炉においては、処理灰を供
給するための前処理設備が設けられている。例えば、特
許2880064号公報には、従来例として図5に示す
前処理設備が記載されている。
【0005】この前処理設備は、超粗大物除去装置51
により、処理灰から超粗大金属類や超粗大クリンカーを
除去し、次いで振動篩装置52で直径50mm以上の固
形物を篩分けて破砕機53に供給し、破砕機53から再
度振動篩装置52に供給するようになっている。振動篩
装置52で篩分けられた直径50mm以下の処理灰は、
灰乾燥用のロータリーキルン54に供給され、高温空気
により乾燥される。そして、このように乾燥された処理
灰は、磁気選別機55に供給されて磁性体の金属片等が
除去された後、供給ホッパ56に貯留されることにな
る。この供給ホッパ56に蓄えられた処理灰は、図示し
ない排出ロータリバルブなどによって一定の割合で繰り
出され、灰溶融炉57のホッパ57aに供給される。ホ
ッパ57a内の処理灰は、シリンダで駆動されるプッシ
ャ57bによって灰溶融炉57内に投入されることにな
る。なお、図5において、57cは溶融バーナである。
【0006】また、同公報には、図5の設備の改良した
ものとして図6、図7に示す前処理設備が記載されてい
る。
【0007】図6および図7において、58は、超粗大
物除去装置51と磁気選別機55との間に介装された乾
燥選別機であり、この乾燥選別機58は、処理灰中から
直径50mm以上の固形物を分離除去すると共に、処理
灰中に含まれた水分量を5重量%程度に乾燥させるもの
である。
【0008】すなわち、乾燥選別機58は、図7に示す
ように、ケーシング59内に一端側から他端側に傾斜し
て配置された篩器60が配置され、篩器60の一端側上
方のケーシング59に超粗大物除去装置51の灰出口に
接続された灰供給口61と乾燥用空気排出口62が形成
されている。また、篩器60の他端外側には固形物排出
口63が形成されて移送手段(図示せず)を介して破砕
機53に送るように構成されている。さらに篩器60の
下部には、灰排出口64が形成されると共に、乾燥用空
気供給口65が形成されている。さらに前記篩器60
は、振動フレーム60a間に所定の隙間が形成された複
数枚の櫛刃板60bが階段状に取り付けられ、ケーシン
グ59の一端側に、出力軸が振動フレーム60aに連結
された起振装置60cが連結されて構成されている。こ
の構成において、起振装置60cにより櫛刃板60bに
所定の振動を与えることにより、灰供給口61から投入
された処理灰を櫛刃板60bから落下させ処理灰排出口
64から排出すると同時に、乾燥用空気供給口65から
ケーシング60内に供給された高温の乾燥用空気を、櫛
刃板60b間を滑落または落下する処理灰に直接接触さ
せて乾燥させる。また櫛刃板60b間から落下しない固
形物は、櫛刃板60b上を滑落して固形物排出口63に
排出され、破砕機53で破砕されてから乾燥選別機58
に再度投入される。
【0009】以上、いずれの設備においても、上記処理
灰は、ごみ焼却炉から排出される際に水で冷却された
り、飛散防止のために散水されたりして、水分を含み湿
った状態になっている。この湿った処理灰は、一部が不
規則に固まった塊状状態になっており、しかも、あらゆ
る大きさの夾雑物が混在した状態になっている。そのた
め、破砕機53を設けているが、上記の如く上記処理灰
は、水分を含み湿った状態になっているので、思うよう
に破砕できない。
【0010】すなわち、横型の破砕機にあっては、湿っ
た処理灰による閉塞詰まりの問題があり、夾雑物を細か
くするには多段に破砕機を設ける必要があって、装置
的、経済的に限界がある。竪型破砕機にあっては、ハン
マによる衝撃や遠心力で、湿った処理灰が、ハンマの表
面やハウジングの内面に厚く層状に固着した状態にな
り、ハンマの表面やハウジングの内面に固着した処理灰
が緩衝材となり、衝撃を吸収し、ついには粗大夾雑物が
該処理灰の固着層に突き刺さったままの状態で該固着層
が成長しオーバロードとなり、破砕機の機能が十分果た
せなくなる。
【0011】図7の乾燥選別機58にあっても、塊状状
態の湿った処理灰は、傾斜した篩器60を転がって乾燥
されずに固形物排出口63にすぐに排出されてまうの
で、その排出された塊状状態の湿った処理灰を処理する
破砕機53は、前述の状況と何ら変わるところが無く、
上記処理灰は充分には破砕されない。つまり、振動篩装
置52や乾燥選別機58で直径50mm以上の固形物を篩
い分けして破砕機で破砕しようとしているが、このよう
な小径にまで破砕するのは大変困難であるのが実状であ
って、乾燥処理された処理灰には、これ以上の大きさの
夾雑物が混在している場合が多い。
【0012】かかる状況にあって、乾燥処理灰は、夾雑
物が充分に破砕されないで混在した状態になっている。
したがって、わざわざ乾燥処理灰を、磁気選別機55に
供給して金属類を除去している訳である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上述の如き処理灰を供
給するための前処理設備に限らず、乾燥処理した処理灰
を磁気選別機に供給して金属類を除去している前処理設
備にあっては、磁性体の夾雑物を除去した処理灰中に
は、まだ粗大夾雑物が多量に存在している。すなわち、
ごみ焼却炉から排出される際に水で冷却されたり、飛散
防止のために散水されたりして、水分を含み湿った状態
になっている上記処理灰は、磁性金属片以外に、陶磁器
片、非鉄金属片等のあらゆる大きさの夾雑物が混在した
状態になっている。しかも、ステンレスのスプーンやア
ルミ金属片などの非磁性体の粗大夾雑物は、磁気選別機
でも排除することができない。したがって、非磁性体の
粗大夾雑物が混在したままの処理灰は、灰溶融炉に供給
するために処理灰を一時貯留する供給ホッパに貯留され
ることになる。このため、この供給ホッパ等の排出ロー
タリバルブなどに、粗大夾雑物がに引っ掛かったり詰ま
ったりする。
【0014】したがって、処理灰を灰溶融炉に連続的に
かつ円滑に供給するのに支障をきたすという問題があ
り、処理灰を灰溶融炉に連続的にかつ円滑に供給するこ
とができる灰溶融炉の前処理設備が要望されていた。こ
の発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、磁性
体の夾雑物のみならず、非磁性体の粗大夾雑物をも簡単
に排除することのできる灰溶融炉の前処理方法を提供す
ることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1記載の灰溶融炉の前処方法は、焼却炉から
排出された水分を含む処理灰を灰溶融炉に供給するため
の灰溶融炉の前処理方法であって、上記処理灰を乾燥処
理する乾燥工程と、この乾燥工程で乾燥処理された処理
灰から磁性体の夾雑物を除去する磁気選別工程と、この
磁気選別工程で処理された処理灰を下方に案内する竪導
管に導き、この竪導管に設けられた傾斜スクリーンで、
上記処理灰に含まれる夾雑物のうち所定の大きさ以上の
粗大夾雑物の下方への移動を阻止し、これにより捕らえ
た該粗大夾雑物を該傾斜スクリーン上を滑落させて竪導
管外側に排出する非磁性体の粗大夾雑物除去工程とを備
えていることを特徴としている。
【0016】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、上記非磁性体の粗大夾雑物除去工程におい
て、上記傾斜スクリーンの上方に、上記竪導管の上記磁
気選別機で処理された処理灰の流入側の壁に上端が接
し、下端が上記処理灰の流入側と対向する該竪導管の壁
を臨む傾斜バッフルを設けて、竪導管内に流入した上記
処理灰を該流入側壁から離れるように案内することを特
徴としている。
【0017】上記請求項1記載の発明においては、乾燥
工程で乾燥処理した処理灰を磁気選別工程で処理するこ
とにより、処理灰に含まれている鉄片等の磁性体の夾雑
物が排除される。そして、磁気選別工程で磁性体の夾雑
物を除去しているので、夾雑物の全体量が減少してお
り、排除できなかった非磁性体の夾雑物のうち所定の大
きさ以上の粗大夾雑物が、非磁性体の粗大夾雑物除去工
程の竪導管内を落下する力を利用して傾斜スクリーンに
よって効率よく排除される。傾斜スクリーンで捕らえた
非磁性体の粗大夾雑物は、該傾斜スクリーン上に沿って
滑落して、竪導管外に排除されることになる。したがっ
て、外部から何らの動力を供給することなく、非磁性体
の粗大夾雑物を竪導管の排出口から排除することができ
る。したがって、処理灰に含まれていた磁性金属片、陶
磁器片、非鉄金属片等の粗大夾雑物が灰溶融炉への処理
灰の供給ラインに引っ掛かったり詰まったりするトラブ
ルを回避することができるので、処理灰を灰溶融炉に連
続的に円滑に供給することができる。
【0018】請求項2記載の発明においては、非磁性体
の粗大夾雑物除去工程において、磁気選別工程から供給
された処理灰が、竪導管の流入側の壁に沿って落下す
る。そして、この処理灰は、排出口の上側に設けられた
傾斜バッフルに当たることによって、該傾斜バッフルに
沿って斜め下方に滑落し、流入側の壁から離れるように
案内され、該傾斜スクリーンの上に落下する。即ち、処
理灰は、流入側の壁から離れた位置に供給されることに
なるので、傾斜スクリーン上全体で効率よく分離作用が
なされ、非磁性体の粗大夾雑物と乾燥された砂状の処理
灰とが確実に分離される。
【0019】また、スプーンのような細長い粗大夾雑物
は、傾斜バッフルで一旦バウンドして傾斜スクリーン上
に落ちることになる。このため、例えば縦のまま落下す
る場合には傾斜スクリーンの開口部をそのまま通過して
しまうような細長い粗大夾雑物であっても、傾斜バッフ
ルを途中に設けることによって傾斜スクリーンで捕らえ
る機会が多くなると共に、非磁性体の粗大夾雑物と乾燥
された砂状の処理灰との分離が該バウンドにより促進さ
れる。したがって、非磁性体の粗大夾雑物と乾燥された
砂状の処理灰とが確実に分離され、灰溶融炉に連続的に
円滑に供給できる処理灰を得ることができる。
【0020】なお、請求項1または2に記載の発明にお
いて、上記処理灰を乾燥処理する乾燥工程と、この乾燥
工程で乾燥処理された処理灰から磁性体の夾雑物を除去
する磁気選別工程と、の間に、必要により乾燥工程で乾
燥された処理灰を破砕する破砕工程を設けてもよい。こ
れにより、磁気選別工程で大きな粗大磁性体を吸引する
負荷が低減され、容易に効率よく磁気選別ができる。さ
らに、請求項1または2に記載の発明を実施する装置と
しては、次の要件を備えている装置が好ましく使用でき
る。 I.焼却炉から排出された水分を含む処理灰を灰溶融炉
に供給するための灰溶融炉の前処理設備であって、上記
処理灰を乾燥処理する乾燥機と、この乾燥機で乾燥処理
された処理灰から磁性体の夾雑物を除去する磁気選別機
と、この磁気選別機で処理された処理灰を下方に案内す
る竪導管と、この竪導管に設けられ、上記処理灰に含ま
れる夾雑物のうち所定の大きさ以上の粗大夾雑物の下方
への移動を阻止し、これにより捕らえた該粗大夾雑物を
該竪導管の側壁に設けられた夾雑物排出口に向けて滑り
落とす角度に傾斜した傾斜スクリーンとを備えているこ
とを特徴とする灰溶融炉の前処理設備。 II.上記傾斜スクリーンの上方には、上記竪導管の上記
磁気選別機で処理された処理灰の流入側の壁に上端が接
し、下端が上記処理灰の流入側と対向する該竪導管の壁
を臨み、竪導管内に流入した上記処理灰を該流入側壁か
ら離れるように案内する傾斜バッフルが設けられている
ことを特徴とする上記I記載の灰溶融炉の前処理設備。
【0021】上記I記載の装置においては、乾燥機で乾
燥処理した処理灰を磁気選別機で処理することにより、
処理灰に含まれている鉄片等の磁性体の夾雑物が排除さ
れる。そして、磁気選別機で排除できなかった非磁性体
の夾雑物のうち所定の大きさ以上の粗大夾雑物について
は竪導管内を落下する過程で傾斜スクリーンによって排
除される。傾斜スクリーンで捕らえた非磁性体の粗大夾
雑物は、該傾斜スクリーン上に沿って滑落して、竪導管
外に排除されることになる。したがって、外部から何ら
の動力を供給することなく、非磁性体の粗大夾雑物を竪
導管の排出口から排除することができる。したがって、
処理灰に含まれていた磁性金属片、陶磁器片、非鉄金属
片等の粗大夾雑物が灰溶融炉への処理灰の供給ラインに
引っ掛かったり詰まったりするトラブルを回避すること
ができるので、処理灰を灰溶融炉に連続的に円滑に供給
することができる。
【0022】上記II記載の装置においては、磁気選別機
から供給された処理灰が、竪導管の流入側の壁に沿って
落下する。そして、この処理灰は、排出口の上側に設け
られた傾斜バッフルに当たることによって、該傾斜バッ
フルに沿って斜め下方に滑落し、流入側の壁から離れる
ように案内され、該傾斜スクリーンの上に落下する。即
ち、処理灰は、流入側の壁から離れた位置に供給される
ことになるので、傾斜スクリーン上全体で効率よく分離
作用がなされ、非磁性体の粗大夾雑物と乾燥された砂状
の処理灰とが確実に分離される。
【0023】また、スプーンのような細長い粗大夾雑物
は、傾斜バッフルで一旦バウンドして傾斜スクリーン上
に落ちることになる。このため、例えば縦のまま落下す
る場合には傾斜スクリーンの開口部をそのまま通過して
しまうような細長い粗大夾雑物であっても、傾斜バッフ
ルを途中に設けることによって傾斜スクリーンで捕らえ
る機会が多くなると共に、非磁性体の粗大夾雑物と乾燥
された砂状の処理灰との分離が該バウンドにより促進さ
れる。したがって、非磁性体の粗大夾雑物と乾燥された
砂状の処理灰とが確実に分離され、灰溶融炉に連続的に
円滑に供給できる処理灰を得ることができる。なお、上
記傾斜スクリーンは、平行に配置されたスクリーンバー
によってスリット状の複数の開口部を有するものや、縦
横に交差するバーや針金によってメッシュ状の複数の開
口部を有するものであってもよい。また、この傾斜スク
リーンの目開きは、細かければ細かいほどよいが、目詰
まりが生じ易いので、5mm〜40mm、好ましくは10mm
〜30mmがよい。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、この発明の一実施の形態に
ついて図1〜図4を参照しながら詳細に説明する。この
実施の形態では、処理灰を溶融処理するテルミット式灰
溶融炉の前処理設備および前処理方法について説明す
る。
【0025】図1は、灰溶融炉としてテルミット式灰溶
融炉10を用い、このテルミット式灰溶融炉10に供給
する処理灰に処理を行う灰溶融炉の前処理設備を示して
いる。この図において、1は灰ピットであり、この灰ピ
ット1には、ごみ焼却炉から排出されトラック等で搬送
されてきた処理灰が蓄えられるようになっている。この
処理灰は、灰ピット1から灰クレーン2によって受入ホ
ッパ3に送られた後、フライトフィーダ16によって繰
り出されるようになっている。
【0026】フライトフィーダ16は、受入ホッパ3下
部に設けられたベルトコンベヤのベルト搬送面から所定
の高さに突出する板状のフライト16aを複数備えたも
ので構成されており、受入ホッパ3内に供給された処理
灰を一定量ずつ切り出してバケットコンベヤ17に供給
するようになっている。
【0027】バケットコンベヤ17は、そのコンベヤ搬
送部に凹状のバケット17aを複数備えたもので構成さ
れており、フライトフィーダ16から供給された処理灰
を所定の高さ位置まで搬送した後、乾燥機13に供給す
るようになっている。
【0028】乾燥機13は、図1に示すように、円筒状
の筒状部13aと、この筒状部13aの両端部を回転自
在に支持する軸受部13bと、筒状部13a上端部に設
けられバケットコンベヤ17から供給される処理灰等を
筒状部13a内に送り込む回転翼13cと、筒状部13
a内に設けられた掻上羽根13dとを備えている。筒状
部13aは、その軸線が乾燥された処理灰の排出口に向
かうにしたがって下方に位置するように傾斜した状態で
横置きに設置されている。掻上羽根13dは、筒状部1
3aの内壁面から回転中心に向かって突出し、その先端
部が筒状部13aの回転方向にL字状に屈曲した形状に
なっており、当該筒状部13aの周方向の回転に伴い、
下方に位置する処理灰をより効率よく掻き上げて、上方
位置から落下させるようになっている。
【0029】また、乾燥機13には、図1に示すよう
に、その筒状部13a内に、燃焼式の熱風炉18から熱
風が供給されるようになっている。このため筒状部13
a内に供給された処理灰は、掻上羽根13dによって掻
き上げられて落下する際に、熱風による高温雰囲気下で
効率よく乾燥させられながら斜め下方に移動する。ま
た、水分によって金属片等の大小の夾雑物に付着した処
理灰は、落下の衝撃によって、その夾雑物から分離する
と共に、この分離した状態で可及的に乾燥が促進され、
最終的に流動性がある粉粒状となる。
【0030】一方、処理灰の乾燥に使われた熱風は、乾
燥機13の軸受部13bにある排ガス出口から配管33
を介してサイクロン19に吸引されるようになってい
る。サイクロン19は、熱風中に含まれる処理灰を分離
し、この分離された処理灰は、配管34を介して供給ホ
ッパ8側に排出するようになっている。一方、サイクロ
ン19を出た排気ガスは、図示しない灰溶融炉の排ガス
処理系の二次燃焼室に送られた後、冷却されバグフィル
ター等の排ガス処理装置にかけられる。
【0031】斯くして、十分に乾燥したものがコンベヤ
23を介して磁選機(磁気選別機)21に供給されるこ
とになる。磁選機21は、図2に示すように、乾燥機1
3からコンベヤ23を介して供給された処理灰、粗大夾
雑物等を振動させながら上記竪導管28の流入口28b
に供給する振動コンベヤ21aと、磁性体の夾雑物を選
別して振動コンベヤ21aの搬出方向と直交する方向に
排出する排出手段21bとを備えている。なお、図2に
おいては、図を簡略すくするため、実際の振動コンベヤ
21aの搬出方向と直交させずに、該夾雑物を搬送方向
と逆方向に排出するように便宜的に描いてある。排出手
段21bは、上記振動コンベヤ21aの振動搬送面に近
接する位置に配置された磁石(永久磁石または電磁石)
21cと、この磁石21cの下面に近接して高速で回転
移動するベルト21dとを備えている。
【0032】ベルト21dは、その外周面に所定の高に
突出する板状のフライト21eを複数備えており、この
フライト21eの高速移動により、振動コンベヤ21a
の振動搬送面から磁石21cによって浮き上がった大小
の夾雑物をはじき出すようになっている。
【0033】磁選機21によってはじき出された夾雑物
は、異物として磁性体回収容器21f内に収容されるよ
うになっている。なお、排出手段21bは、処理灰の中
から磁性体の夾雑物のみを適切に取り出して排出するこ
とが可能なように、振動コンベヤ21aの振動搬送面に
対する高さが調節可能になっている。
【0034】また、上記磁選機21は、その全体がカバ
ー21gによって覆われている。上記竪導管28は、そ
の流入口28bが振動コンベヤ21aの搬出端を臨むよ
うに鉛直に設けられている。そして、磁選機21によっ
て磁性体の大小の夾雑物が除去処理された後の処理灰や
粗大夾雑物等は、振動コンベヤ21aによって竪導管2
8の流入口28bに供給され、該竪導管28内に流入す
る。
【0035】竪導管28は、鉛直方向に延在し、断面が
四角状に形成されたものであり、その流入口28bも磁
選機21のカバー21gで覆われている。そして、流入
側の壁281の上側が上述した流入口28bになってお
り、該流入側の壁281における流入口28bの下方
(この実施の形態では真下)に夾雑物排出口28aが形
成されている。また、竪導管28には、所定の大きさ以
上の粗大夾雑物を夾雑物排出口28aから該竪導管28
外に排出するための傾斜バースクリーン(傾斜スクリー
ン)29が設けられている。
【0036】傾斜バースクリーン29は、図3および図
4に示すように、竪導管28の内面にボルト(図示せ
ず)等で取り付けられるようになっている四角形状の枠
29aと、この枠29aにおける一対の対向枠部29h
に平行となるように、一定の間隔で配置された複数のス
クリーンバー29bとを備えている。枠29aと各スク
リーンバー29bとは、ともに同一幅のフラットバーに
よって構成され、例えば溶接によって連結されている。
そして、各スクリーンバー29bの間、およびスクリー
ンバー29bと対向枠部29hとの間は、粗大夾雑物の
通過を阻止する開口部29cとなっている。
【0037】開口部29cは、下流側に移動した場合に
搬送機器(例えば後述するロータリバルブ8a、コンベ
ア25、計量コンベヤ9、コンベヤ26)などに、詰ま
ったり引っ掛かったり噛み込んだりする危険のある大き
さ以上の粗大夾雑物の通過を阻止する大きさに設定さ
れ、磁選機21で排除されずに下流側に搬送されてきた
非磁性体の粗大夾雑物を除く。かかる目開きである開口
部29cの寸法は、細かければ細かいほどよいが、目詰
まりが生じ易いので、5mm〜40mm、好ましくは10mm
〜30mm、さらに好ましくは10mm〜20mmがよい。
【0038】上記傾斜バースクリーン29は、各スクリ
ーンバー29bの一端部が下方となるように傾斜し、そ
の下方の部分が竪導管28の夾雑物排出口28aの下縁
部から外側に突出している。この傾斜バースクリーン2
9の傾斜角度は、捕らえた粗大夾雑物が滑落して夾雑物
排出口28aから排出することが可能な角度に設定され
ている。また、傾斜バースクリーン29で捕らえた粗大
夾雑物は、夾雑物排出口28aから竪導管28外に排出
されると共に、ダクト28cを介して非磁性体回収容器
31に送られ、該非磁性体回収容器31内に異物として
収容されることになる。
【0039】また、竪導管28における傾斜バースクリ
ーン29の上方には、上端が流入側の壁281の夾雑物
排出口28aと流入口28bの間に接し、下端が流入側
の壁281に対向する他壁(流入側と対向する壁)28
2を臨み、竪導管28内に流入した処理灰を流入側の壁
281から離れるように案内する傾斜バッフル30が設
けられている。
【0040】即ち、傾斜バッフル30は、竪導管28の
流入側の壁281から庇状に斜めに延びる金属製の板に
よって形成されており、流入口28bから供給された処
理灰を夾雑物排出口28aからも離れさせて、傾斜バー
スクリーン29を通過する大きさの処理灰が夾雑物排出
口28a側に回り込んで、同夾雑物排出口28aから流
出するのを防止すると共に、該処理灰を傾斜バースクリ
ーン29上に分散させるようになっている。この傾斜バ
ッフル30の傾斜角度は、処理灰や粗大夾雑物等の竪導
管28に供給される全てのものが滑落する角度に設定さ
れている。
【0041】一方、上記傾斜バースクリーン29と傾斜
バッフル30とは、図3に示すように、互いに交差する
方向に傾斜している。このため、傾斜バースクリーン2
9は、例えば傾斜バッフル30に当たってバウンドした
長尺の粗大夾雑物(例えば、図4に示すスプーンA)が
スクリーンバー29bに対して、直交したり斜めに交わ
ったりした状態で落下する機会が多くなり、該粗大夾雑
物を捕らえる確率が高いものとなっている。
【0042】そして、上記傾斜バースクリーン29によ
って粗大夾雑物が除去された処理灰は、図2に示すよう
に、竪導管28の下端に形成されて排出口28dからコ
ンベヤ24に供給され、該コンベヤ24を介して供給ホ
ッパ8に蓄えられるようになっている。供給ホッパ8に
蓄えられた処理灰は、ロータリバルブ8a、コンベヤ2
5、計量コンベヤ9、コンベヤ26を介してテルミット
式灰溶融炉10のホッパ10aに供給されることにな
る。また、テルミット式灰溶融炉10のホッパ10aに
は、計量コンベヤ9によって検出された処理灰の供給重
量に対して一定の割合となるようにテルミット溶融剤が
供給されることになる。
【0043】すなわち、テルミット供給機11が、アル
ミニウムの粉末と酸化鉄(酸化第二鉄、三酸化二鉄)の
粉末とを上述した割合で一定量ずつ計量してテルミット
溶融剤を製造し、このテルミット溶融剤を充填袋11a
内に封入するようになっている。具体的には、アルミド
ロスなどの廃棄アルミニウムを粉末状にしたものと、廃
棄酸化鉄を粉末状にしたものとを、それぞれアルミニウ
ムが2モル、酸化鉄が1モルとなるようにして充填袋1
1aに詰めて密閉するようになっている。そして、テル
ミット供給機11は、計量コンベヤ9で検出された処理
灰の供給重量に対して、充填袋11aに封入したテルミ
ット溶融剤を一定の割合で供給するように制御されるよ
うになっている。
【0044】テルミット式灰溶融炉10には、所定割合
のテルミット剤を混在させた処理灰を蓄えるための上記
ホッパ10aが一体的に設けられており、このホッパ1
0aの底部には、灰溶融炉10内に連通する開口部10
bが形成されている。そして、この開口部10bに対向
する位置には、ホッパ10a内の処理灰等を灰溶融炉1
0内へと投入するプッシャー10cが設けられている。
なお、符号10dは、プッシャー4を往復駆動するシリ
ンダであり、10eは灰溶融炉10内を加熱するための
バーナである。
【0045】即ち、テルミット式灰溶融炉10は、バー
ナ10eによる化石燃料(灯油、軽油等)の燃焼熱と、
テルミット反応熱とを利用して、効率よく処理灰を加熱
して溶融させようとするものである。テルミット反応
は、アルミニウム2モルと酸化鉄(酸化第二鉄、三酸化
二鉄)1モルを粉末状にして混ぜて、一定の高温(約1
100℃)に加熱することにより、酸化鉄の還元反応熱
によって処理灰の溶融に必要な高温雰囲気を得るもので
ある。即ち、粉末状のアルミニウムと酸化鉄とを上記割
合で混合したものをテルミット溶融剤として使用するこ
とにより、 Fe23+2Al=2Fe+Al+829kJ 2Fe+3/2O2=Fe23+823kJ のテルミット反応を生じさせ、これにより生じた829
kJおよび823kJの大熱量を利用して、上記処理灰
の溶融に必要な1300℃〜1500℃の高温雰囲気を
得るようになっている。
【0046】また、テルミット式灰溶融炉10の下側に
は、この灰溶融炉10から流出する溶融スラグ10fを
冷却、固化して粒子状のスラグとする冷却水貯留槽20
が設けられている。冷却水貯留槽20の水面下にはこの
スラグを排出するためのスラグ排出コンベヤ32が設け
られており、スラグ排出コンベヤ32は水によって冷
却、固化した溶融スラグ10bを冷却水貯留槽20から
連続して回収するようになっている。この粒子状のスラ
グは、極めて安定した固体となるので、路盤材、アスフ
ァルト骨材、コンクリート二次製品などに再利用するこ
とができる。
【0047】上記のように、テルミット式灰溶融炉10
では、テルミット溶融剤によって効率よく加熱すること
ができることから、化石燃料によって直接加熱する従来
の溶融設備に対して、その灰溶融炉のコンパクト化、低
コスト化を図ることができる。
【0048】また、上記テルミット溶融剤として、後述
のように、アルミドロスなどの廃棄アルミや廃棄酸化鉄
を利用することができるので、余分なコストを要するこ
となく、当該アルミドロスなどの廃棄物も同時に処理す
ることができるという利点がある。
【0049】なお、上述したコンベヤ23、24、2
5、26、磁選機21等の装置およびそれぞれの装置間
は、すべてカバー等で囲まれて密閉された状態になって
おり、処理灰が大気側に飛散するのを防止するようにな
っている。また、コンベヤ23、24、25、26とし
ては、フライトコンベヤ、スクレーパコンベヤ、エンマ
ッセコンベヤ、ディスクコンベヤ、バケットコンベヤ、
ケースコンベヤ、スクリューコンベヤ、ベルトコンベヤ
等のコンベヤが使用できる。
【0050】次に、上記構成からなるテルミット式灰溶
融炉の前処理設備を用いた前処理方法について説明す
る。この前処理方法は、灰ピット1に蓄えられた水分を
含む処理灰を、灰クレーン2によって受入ホッパ3に供
給し、受入ホッパ3からフライトフィーダ16およびバ
ケットコンベヤ17を介して乾燥機13に供給して乾燥
させる乾燥工程と、この乾燥工程で乾燥処理された処理
灰を磁選機21に供給し、該処理灰から磁性体の夾雑物
を除去する磁気選別工程と、この磁気選別工程で処理さ
れた処理灰を下方に案内する竪導管28に導き、この竪
導管28に設けられた傾斜バースクリーン29で、上記
処理灰に含まれる夾雑物のうち所定の大きさ以上の粗大
夾雑物の下方への移動を阻止し、これにより捕らえた該
粗大夾雑物を該傾斜バースクリーン29上を滑落させて
竪導管28の流入側の壁281に設けた夾雑物排出口2
8aから、該竪導管28外側に排出する非磁性体の粗大
夾雑物除去工程とを備えている。
【0051】そして、上記非磁性体の粗大夾雑物除去工
程においては、傾斜バースクリーン29の上方に、上端
が流入側の壁281に接し、下端が他壁282を臨む傾
斜バッフル30を設けて、竪導管28内に流入した処理
灰を該流入側の壁281から離れるように案内するよう
になっている。
【0052】以上のように構成された灰溶融炉の前処理
設備および前処理方法においては、乾燥機13で乾燥処
理した処理灰を磁選機21で処理することにより、処理
灰に含まれている鉄片等の磁性体の夾雑物が排除され
る。そして、磁選機21で磁性体の夾雑物を除去してい
るので、夾雑物の全体量が減少しており、排除できなか
った非磁性体の夾雑物のうち所定の大きさ以上の粗大夾
雑物が、竪導管28内を落下する力を利用して傾斜バー
スクリーン29によって効率よく排除される。したがっ
て、処理灰に含まれていた粗大夾雑物がロータリバルブ
8aやコンベヤ24等に引っ掛かったり詰まったりする
のを防止することができる。よって、処理灰をテルミッ
ト式灰溶融炉10に連続的にかつ円滑に供給することが
できる。
【0053】しかも、傾斜バースクリーン29は、捕ら
えた粗大夾雑物が滑落する角度に設定されているので、
外部から何らの動力を供給することなく、該粗大夾雑物
を竪導管28外に排除することができると共に、該粗大
夾雑物を異物として非磁性体回収容器31内に収容する
ことができる。
【0054】さらに、夾雑物排出口28aの上方に傾斜
バッフル30が設けられいるので、処理灰は夾雑物排出
口28aから離れ、かつ傾斜バースクリーン29上の中
央部およびその周囲に分散された状態で供給されること
になる。このため、傾斜バースクリーン29を通過して
下流側に移動するような大きさの処理灰が夾雑物排出口
28aから流出するのを確実に防止することができると
共に、非磁性体の粗大夾雑物と乾燥された砂状の処理灰
とを効率よく分離することができる。
【0055】また、スプーンのような細長い粗大夾雑物
は、傾斜バッフル30で一旦バウンドして傾斜バースク
リーン29上に落ちることになる。このため、例えば縦
のまま落下する場合には傾斜バースクリーン29の開口
部29cをそのまま通過してしまうような細長い粗大夾
雑物であっても、傾斜バースクリーン29で捕らえる機
会が多くなると共に、非磁性体の粗大夾雑物と乾燥され
た砂状の処理灰との分離が該バウンドにより促進され
る。したがって、非磁性体の粗大夾雑物と乾燥された砂
状の処理灰とが確実に分離され、テルミット式灰溶融炉
10に連続的に円滑に供給できる処理灰を得ることがで
きる。また、処理灰が粗大夾雑物と一緒に夾雑物排出口
28aから排出されるのを極力抑えることができる。し
たがって、処理灰に含まれていた磁性金属片、陶磁器
片、非鉄金属片等の粗大夾雑物がテルミット式灰溶融炉
10への処理灰の供給ライン、例えばロータリバルブ8
aに引っ掛かったり詰まったりするトラブルを回避する
ことができるので、処理灰をテルミット式灰溶融炉10
に連続的に円滑に供給することができる。
【0056】そして、乾燥機13において、該乾燥によ
り処理灰と大小の夾雑物との分離性が促進されているの
で、磁選機21や傾斜バースクリーン29では、排除さ
れる夾雑物と一緒に、処理灰が排出されるのを極力抑え
られる。したがって、テルミット式灰溶融炉10に連続
的に円滑に供給できる処理灰を得ることができる。
【0057】なお、上記実施の形態においては、灰溶融
炉としてテルミット式灰溶融炉を用いた場合の前処理設
備の例を示したが、この前処理設備は、例えば灰溶融炉
のバーナに空気より酸素濃度の濃いガスを供給すること
によって処理灰の溶融に必要な高温雰囲気を得るような
酸素富化燃焼により溶融処理する灰溶融炉に適用しても
よい。
【0058】さらに、上記実施の形態においては、傾斜
スクリーンとして傾斜バースクリーン29を用いた例を
示し、枠29aおよび各スクリーンバー29bをフラッ
トバーで形成した例を示したが、これらの枠29aを省
略すると共に、各スクリーンバー29bを丸棒や丸パイ
プで構成したものであってもよい。また、傾斜スクリー
ンとしては、スクリーンバー29bを格子状に縦横に配
置して正方形状や長方形状等の複数の開口部を有する篩
状のもので構成してもよく、また針金を縦横に編んで形
成した通常の篩によって構成してもよい。そして、この
ようにメッシュ状の開口部を有する傾斜スクリーンを用
いた場合でも、上述した傾斜バッフル30でバウンドし
た後の細長粗大夾雑物を捕らえる機会が多くなることに
かわりはない。
【0059】また、上記実施の形態においては、乾燥機
13の前に破砕機を設けてもよく、乾燥機13の後に破
砕機を設けるように構成してもよい。この場合には、磁
選機21で粗大磁性体としての夾雑物を吸引して排除す
る負荷が低減されるので、容易に磁気選別ができる利点
がある。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、乾燥工程で乾燥処理した処理灰を磁気選別
工程で処理することにより、処理灰に含まれている鉄片
等の磁性体夾雑物が除去されるので、夾雑物の全体量が
低減されており、このため、非磁性体の粗大夾雑物除去
工程では簡単な構成や手段で非磁性体の粗大夾雑物を効
率よく排除することができる。したがって、処理灰に含
まれていた磁性金属片、陶磁器片、非鉄金属片等の粗大
夾雑物が灰溶融炉への処理灰の供給ラインに引っ掛かっ
たり詰まったりするトラブルを回避することができ、処
理灰を灰溶融炉に連続的に円滑に供給することができ
る。
【0061】しかも、傾斜スクリーンで捕らえた非磁性
体の粗大夾雑物は、該傾斜スクリーン上に沿って滑落し
て、竪導管外に排除されることになる。したがって、外
部から何らの動力を供給することなく、非磁性体の粗大
夾雑物を竪導管の排出口から排除することができる。
【0062】請求項2記載の発明によれば、傾斜バッフ
ルによって、処理灰を傾斜スクリーンに分散して供給す
ることができるので、該傾斜スクリーン上全体で非磁性
体の粗大夾雑物と乾燥された砂状の処理灰とを効率よく
確実に分離することができる。
【0063】また、例えば縦のまま落下する場合には傾
斜スクリーンの開口部をそのまま通過してしまうような
細長い粗大夾雑物であっても、傾斜バッフルによって、
傾斜スクリーンで捕らえる機会を多くすることができ
る。しかも、傾斜バッフルによって、非磁性体の粗大夾
雑物と乾燥された砂状の処理灰との分離を促進すること
ができる。したがって、灰溶融炉に連続的に円滑に供給
できる処理灰を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態として示したテルミッ
ト式灰溶融炉の前処理設備の説明図である。
【図2】同灰前処理設備における磁選機から供給ホッパ
へ至る部分を示す要部説明である。
【図3】同灰前処理設備における竪導管、傾斜バースク
リーン、傾斜バッフルを示す要部断面図である。
【図4】同灰前処理設備の要部を示す図であって、図3
のIV−IV線に沿う断面図である。
【図5】従来例として示した灰溶融炉の前処理設備の説
明図である。
【図6】同灰溶融炉の前処理設備の改良例として示した
従来の灰溶融炉の前処理設備の説明図である。
【図7】同改良例として示した従来の灰溶融炉の前処理
設備における乾燥選別機を示す概略断面図である。
【符号の説明】
10 テルミット式灰溶融炉(灰溶融炉) 21 磁選機(磁気選別機) 28 竪導管 28a 夾雑物排出口 28b 流入口 29 傾斜バースクリーン(傾斜スクリーン) 30 傾斜バッフル 281 流入側の壁 282 他壁(流入側と対向する壁)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B07B 1/04 B07B 9/00 A 1/12 F23J 1/00 A 9/00 B B09B 5/00 B09B 3/00 303L F23J 1/00 ZAB 5/00 N (72)発明者 岩水 恒夫 東京都大田区蒲田本町1丁目9番3号 株 式会社新潟鉄工所エンジニアリングセンタ ー内 (72)発明者 小川 斉 東京都大田区蒲田本町1丁目9番3号 株 式会社新潟鉄工所エンジニアリングセンタ ー内 (72)発明者 福岡 勝美 東京都大田区蒲田本町1丁目9番3号 株 式会社新潟鉄工所エンジニアリングセンタ ー内 (72)発明者 金子 岳夫 東京都大田区蒲田本町1丁目9番3号 株 式会社新潟鉄工所エンジニアリングセンタ ー内 (72)発明者 佐藤 芳隆 東京都大田区蒲田本町1丁目9番3号 株 式会社新潟鉄工所エンジニアリングセンタ ー内 Fターム(参考) 3K061 NA12 NA14 NB03 NB06 NB13 4D004 AA36 AA37 AC05 BA02 CA08 CA09 CA29 CA42 CB09 CB34 CB36 4D021 AA03 AB04 AC01 CA01 CB20 DA01 EA10

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼却炉から排出された水分を含む処理灰
    を灰溶融炉に供給するための灰溶融炉の前処理方法であ
    って、 上記処理灰を乾燥処理する乾燥工程と、 この乾燥工程で乾燥処理された処理灰から磁性体の夾雑
    物を除去する磁気選別工程と、 この磁気選別工程で処理された処理灰を下方に案内する
    竪導管に導き、この竪導管に設けられた傾斜スクリーン
    で、上記処理灰に含まれる夾雑物のうち所定の大きさ以
    上の粗大夾雑物の下方への移動を阻止し、これにより捕
    らえた該粗大夾雑物を該傾斜スクリーン上を滑落させて
    竪導管外側に排出する非磁性体の粗大夾雑物除去工程と
    を備えていることを特徴とする灰溶融炉の前処理方法。
  2. 【請求項2】 上記非磁性体の粗大夾雑物除去工程にお
    いて、上記傾斜スクリーンの上方に、上記竪導管の上記
    磁気選別機で処理された処理灰の流入側の壁に上端が接
    し、下端が上記処理灰の流入側と対向する該竪導管の壁
    を臨む傾斜バッフルを設けて、竪導管内に流入した上記
    処理灰を該流入側壁から離れるように案内することを特
    徴とする請求項1記載の灰溶融炉の前処理方法。
JP2001267006A 2001-09-04 2001-09-04 灰溶融炉の前処理設備および前処理方法 Expired - Lifetime JP3732429B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001267006A JP3732429B2 (ja) 2001-09-04 2001-09-04 灰溶融炉の前処理設備および前処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001267006A JP3732429B2 (ja) 2001-09-04 2001-09-04 灰溶融炉の前処理設備および前処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003071405A true JP2003071405A (ja) 2003-03-11
JP3732429B2 JP3732429B2 (ja) 2006-01-05

Family

ID=19093201

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001267006A Expired - Lifetime JP3732429B2 (ja) 2001-09-04 2001-09-04 灰溶融炉の前処理設備および前処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3732429B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006078150A (ja) * 2004-09-06 2006-03-23 Tanabe:Kk 水砕スラグの搬送装置
CN104174487A (zh) * 2014-08-06 2014-12-03 禹州市盛火电器有限公司 一种高压电瓷泥浆除铁筛分系统
JP2015131284A (ja) * 2014-01-15 2015-07-23 新日鐵住金株式会社 石炭灰処理装置
JP2015136681A (ja) * 2014-01-24 2015-07-30 株式会社幸袋テクノ 風力選別装置
JP2015140979A (ja) * 2014-01-29 2015-08-03 三菱重工環境・化学エンジニアリング株式会社 ガス化溶融設備
CN110293049A (zh) * 2019-07-15 2019-10-01 广东三水大鸿制釉有限公司 陶瓷熔块釉筛选剔除设备
CN112044592A (zh) * 2020-08-28 2020-12-08 赵春梅 一种稀土铁矿摆动式磁选设备
KR20230012694A (ko) * 2021-07-16 2023-01-26 주로테크 주식회사 비산재에 함유된 이물질 스크린 장치

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006078150A (ja) * 2004-09-06 2006-03-23 Tanabe:Kk 水砕スラグの搬送装置
JP2015131284A (ja) * 2014-01-15 2015-07-23 新日鐵住金株式会社 石炭灰処理装置
JP2015136681A (ja) * 2014-01-24 2015-07-30 株式会社幸袋テクノ 風力選別装置
US10190768B2 (en) 2014-01-29 2019-01-29 Mitsubishi Heavy Industries Environmental & Chemical Engineering Co., Ltd. Gasification melting facility
JP2015140979A (ja) * 2014-01-29 2015-08-03 三菱重工環境・化学エンジニアリング株式会社 ガス化溶融設備
WO2015115354A1 (ja) * 2014-01-29 2015-08-06 三菱重工環境・化学エンジニアリング株式会社 ガス化溶融設備
EA031814B1 (ru) * 2014-01-29 2019-02-28 Мицубиси Хэви Индастриз Инвайронментал Энд Кемикал Инджиниринг Ко., Лтд. Газификационная и плавильная установка
CN104174487A (zh) * 2014-08-06 2014-12-03 禹州市盛火电器有限公司 一种高压电瓷泥浆除铁筛分系统
CN110293049A (zh) * 2019-07-15 2019-10-01 广东三水大鸿制釉有限公司 陶瓷熔块釉筛选剔除设备
CN112044592A (zh) * 2020-08-28 2020-12-08 赵春梅 一种稀土铁矿摆动式磁选设备
CN112044592B (zh) * 2020-08-28 2023-01-20 青岛佰磁通新材料科技有限公司 一种稀土铁矿摆动式磁选设备
KR20230012694A (ko) * 2021-07-16 2023-01-26 주로테크 주식회사 비산재에 함유된 이물질 스크린 장치
KR102552393B1 (ko) * 2021-07-16 2023-07-07 주로테크 주식회사 비산재에 함유된 이물질 스크린 장치

Also Published As

Publication number Publication date
JP3732429B2 (ja) 2006-01-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0257434B1 (en) Recovery of useful materials from refuse fuel ash
JP4001194B2 (ja) 建設混合廃棄物の選別処理設備
CN104492792A (zh) 粉碎残渣的处理方法及其系统
JP2003071405A (ja) 灰溶融炉の前処理方法
JP2006035074A (ja) 残骨灰処理システムおよび残骨灰処理方法
JPH09196352A (ja) 廃棄物溶融炉による溶融物の固化処理装置
JP4149529B2 (ja) 塵芥焼却設備からのスラグを処理する方法
JP4776211B2 (ja) スラグ中の異物除去方法及び装置
JP3827976B2 (ja) 灰溶融炉の前処理方法及び前処理装置
JP3732430B2 (ja) 竪型破砕機の運転方法
JP2959899B2 (ja) 湿灰用破砕乾燥装置
JP3564035B2 (ja) 金属含有原料の金属とスラグの分離回収方法及び装置
JP3414705B2 (ja) 灰溶融における前処理システム
JP2003080106A (ja) 焼却灰の処理方法
JP2004188292A (ja) フライアッシュ処理装置、及びフライアッシュ処理方法
JP2005155974A (ja) 焼却灰の溶融前処理方法及びシステム
JP2003073153A (ja) 焼却灰の処理方法
JP4643242B2 (ja) 焼却灰の灰分回収システム
KR20010021279A (ko) 가스화 용융로내에 생성되는 노바닥 잔사의 처리방법
JP3661662B2 (ja) 廃棄物焼却灰中の金属回収方法および廃棄物焼却炉
JP3137713U (ja) 主灰の前処理設備
JP2005016843A (ja) スラグ排出設備
JP2021023862A (ja) 焼却灰からの貴金属回収方法
JPH09137923A (ja) 廃棄物溶融炉による溶融物の固化処理装置
JPH09249435A (ja) スラグ破砕整粒方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040916

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041012

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041206

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050913

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20051012

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3732429

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111021

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111021

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121021

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131021

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term