JP2003070417A - ソフトヨーグルトおよびその製造方法 - Google Patents
ソフトヨーグルトおよびその製造方法Info
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Abstract
保形性および安定性を有するソフトヨーグルト並びにそ
の製造方法を提供すること。 【解決手段】 発酵乳に、0.1〜0.5w/w%のゼラ
チンおよび0.2〜1.0w/w%のスターチを含有せし
めて得られ、そのボストウィック粘度計による粘度(5
℃)が4〜8cm/10秒であることを特徴とするソフ
トヨーグルト。
Description
らかな食感を有するソフトヨーグルトおよびその製造方
法に関する。
ハード(固形)ヨーグルト、ドリンク(液状)ヨーグル
トおよびその中間に位置するソフトヨーグルトに分類さ
れる。このうちソフトヨーグルトは、その嗜好性の高さ
から近年特に需要の増してきたものであり、多数の商品
が市販されている。
グルト、ドリンクヨーグルトと比較し、食感(以下、
「テクスチャー」ということもある)が風味の良さに大
きく影響することから、その制御が製造上最も重要とな
る。
せる目的で、各種の安定剤、例えば天然由来の各種ガム
類、カラギーナン、ペクチン、スターチ、寒天、ゼラチ
ン、合成品のCMC等が、製品形態等に応じて使用され
ている。しかし、ソフトヨーグルトに従来のヨーグルト
と同様にゼラチン等のゲル化剤を使用した場合、ゾル状
態での粘度は低く製造管理が比較的容易であるが、その
強いゲル化力によりハードな食感となり、目的とするソ
フトな、滑らかな食感が得られないという問題があっ
た。また、ガム類等の増粘多糖類を使用した場合、製品
の粘度を高めるにはそれらを多量に使用する必要があ
り、そのため食感が糊っぽくなり、嗜好度が低下する
他、増粘多糖類を多量に使用した場合、溶液状態での粘
度も増加するので送液等の管理が難しいという問題があ
った。
たソフトヨーグルトは、その高い温度依存性により、夏
季や、暖かい室内等、食するまでに長い時間比較的高温
で放置された際、製品の粘度が低下し、とろとろした状
態となり、スプーンですくいづらくなるという問題があ
った。そして、このような粘度の低下は、風味(食感)
の低下につながり、これを解消しようとして再度冷蔵し
ても、離水等の問題があり、物性が回復しないことが多
い。
風味、物性を有するソフトヨーグルトを製造することは
困難であった。
ついて、粘度を判断指標としようとしても、従来ドリン
クヨーグルトの製造時等に使用されているB型粘度計な
どの測定値は、製品の粘性には相関するものの、固さを
含めたテクスチャーとの間に相関関係は見られないた
め、ソフトヨーグルトの品質管理に利用することはでき
なかった。このように、物性面の評価から良好な風味、
食感を有するソフトヨーグルトを製造しようとすること
も、また困難であった。
スチャー)が良好で、適度な粘度、保形性および安定性
を有するソフトヨーグルト並びにその製造方法を提供す
ることをその課題とするものである。
クスチャーを有するソフトヨーグルトを得るべく、鋭意
研究を行った結果、従来ヨーグルトの粘度測定には使用
されていなかったボストウィック粘度計による粘度と、
ソフトヨーグルトのテクスチャーの間に相関性があるこ
とを見出し、この粘度計を粘度測定に使用することによ
り、ソフトヨーグルトの品質評価が可能であることを知
った。
ーグルトの物性および配合組成を検討した結果、最終製
品の5℃における粘度がボストウィック粘度計で4〜8
cm/10秒となるように、所定量のゼラチンおよびス
ターチを発酵乳に添加することにより、極めて食感(テ
クスチャー)が優れ、十分な粘度、保形性を有し、製造
管理の容易なソフトヨーグルトが得られることを見出
し、本発明を完成した。
5w/w%のゼラチンおよび0.2〜1.0w/w%のス
ターチを含有せしめて得られ、そのボストウィック粘度
計による粘度(5℃)が4〜8cm/10秒であること
を特徴とするソフトヨーグルトを提供するものである。
程において、ソフトヨーグルトの粘度をボストウィック
粘度計で測定する工程を含むことを特徴とするソフトヨ
ーグルトの製造方法を提供するものである。
ルトとは、ハードヨーグルトのような固体ではない高い
流動性を有し、且つドリンクヨーグルトよりも流動性が
ないヨーグルトをいい、一般的には、スプーンですくっ
て液ダレしない程度の粘性を有するものである。その製
造方法としては、例えば、殺菌、冷却後の乳原料に乳酸
菌スターターを接種した後、タンク内でバルク発酵さ
せ、静置発酵により形成されたカードを攪拌により破砕
するか、発酵中に攪拌を加えてカードの形成を防ぐこと
により流動性を持たせ、容器に充填して製造する方法等
が挙げられる。本発明のソフトヨーグルトは、このソフ
トヨーグルトのうち、5℃における最終製品の粘度がボ
ストウィック粘度計で4〜8cm/10秒、特に、5〜
7cm/10秒となるヨーグルトをいう。この粘度測定
に用いられるボストウィック粘度計は、具体的には、
縦、横各5cm、高さ3.7cmの容器内にサンプルを
90ml入れ、一端の壁を取り払った際に、幅5cmの
流路を一定時間に流れ出る距離を測定し、その距離によ
り、粘度を算出するというものである。
て製造した発酵乳に0.1〜0.5w/w%のゼラチンお
よび0.2〜1.0w/w%のスターチを添加し、そのボ
ストウイック粘度を4〜8cm/10秒とすることによ
り製造することができる。
に限定されず牛骨、豚皮等種々の原料から得られたもの
が用いられ、また、ゼラチンを得るための方法について
も、アルカリ処理、酸処理等何れの方法により得られた
ものであっても良い。
に関しても特に制限はなく、ワキシコーンスターチ、コ
ーンスターチ、タピオカスターチ等いずれの原料から得
られたスターチであっても使用可能であるが、ソフトヨ
ーグルトのテクスチャーを良好にするためには、タピオ
カスターチが特に望ましい。更に、架橋処理、安定化処
理などを施した加工スターチの方がより好ましい。ここ
で架橋処理とは、アミロース鎖を結びつける水素結合を
リン酸やアジピン酸で置換、架橋する処理をいい、これ
により耐熱性、耐酸性、耐シェア性を高め、粘度の安定
化を高めることができる。また安定化処理とは、エーテ
ル化、エステル化により官能基をスターチに結合させる
処理をいい、脱水による老化現象を抑制し、冷蔵、冷凍
時の安定性を高めることができる。
対する添加量は、上記の通りそれぞれ0.1〜0.5w/
wおよび0.2〜1.0w/w%であるが、好ましくは、
0.2〜0.4w/w%および0.4〜0.8w/w%であ
り、特に好ましくは、0.2〜0.3w/w%および0.
4〜0.6w/w%である。
を必須成分として含有する他に適度な粘度および保形
性、安定性を具備させ、食感(テクスチャー)を良好と
するために、最終製品形態でのボストウィック粘度計に
よる粘度(5℃)の範囲が4〜8cm/10秒の範囲内
であることが必要である。前記の2成分を添加した状態
で上記数値範囲となれば特に問題はないが、これからは
ずれた場合には、適当な増粘剤を加えたり、あるいはカ
ルシウムやナトリウム等の塩類を用いて調整する必要が
ある。
前記2成分の他、増粘多糖類を添加し、上記の製品粘度
とすることで、より優れたテクスチャーの製品とするこ
とができる。増粘多糖類としては、通常ヨーグルトの製
造に使用するものはいずれも使用でき、中でも、グアー
ガム、ローカストビーンガム、キサンタンガム等、シュ
ードプラスチック粘性を有し、単独でゲル化能を有さな
いガム類が好ましく、特にグアーガム又はキサンタンガ
ムが好ましい。
ィック粘度計による粘度が上記範囲内であれば特に限定
されないが、一般的には、0.1〜0.5w/w%が好ま
しく、特に0.2〜0.4w/w%が好ましい。これら増
粘多糖類、ゼラチン、デンプン等の添加は、殺菌前に乳
原料と混合してもよく、発酵により形成されたカードを
破砕した後に混合してもよい。
トヨーグルトの製造は、例えば以下のようにして行うこ
とができる。まず、原料乳である生乳、脱脂粉乳溶液、
全粉乳溶液等を殺菌し、これに乳酸菌および/又はビフ
ィドバクテリウム属細菌を接種し発酵させ発酵乳を製造
する。
ず、例えばラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・
アシドフィルス、ラクトバチルス・ガッセリ、ラクトバ
チルス・ゼアエ、ラクトバチルス・ジョンソニー、ラク
トバチルスデルブルッキーサブスピーシーズ デルブル
ッキイ、ラクトバチルス・デルブルッキィ サブスピー
シーズ.ブルガリカス等のラクトバチルス属細菌、スト
レプトコッカス・サーモフィルス等のストレプトコッカ
ス属細菌、ラクトコッカス・ラクチス、ラクコッカス・
プランタラム、ラクトコッカス・ラフィノラクチス等の
ラクトコッカス属細菌、ロイコノストック・メセンテロ
イデス、ロイコノストック・ラクチス等のロイコノスト
ック属細菌、エンテロコッカス・フェーカリス、エンテ
ロコッカス・フェシウム等のエンテロコッカス属細菌等
を例示することができる。これらは1種又は2種以上を
組み合わせて使用することができ、中でもラクトバチル
ス・カゼイ、ストレプトコッカス・サーモフィルスを使
用することが、風味が良好であることから好ましい。
れも使用可能であり、例えば、ビフィドバクテリウム・
ブレーベ、ビフィドバクテリウム・ビフィダム、ビフィ
ドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・ア
ニマリス、ビフィドバクテリウム・アドレセンティス、
ビフィドバクテリウム・アンギュラータム、ビフィドバ
クテリウム・カテヌラータム、ビフィドバクテリウム・
シュードカテヌラータム等のビフィドバクテリウム属細
菌が挙げられる。特にビフィドバクテリウム・ブレーベ
を用いれば、風味が良好であるため好ましい。これらは
1種または2種以上を組み合わせて使用することができ
る。
酵条件に従えばよく、おおむね30〜40℃でpH4.
5〜5.3程度まで発酵すればよい。発酵方法は、静置
発酵、攪拌発酵、振盪発酵、通気発酵等から用いる菌の
発酵に適した方法を適宜選択して用いればよい。また、
ビフィドバクテリウム属細菌を用いる場合、その発酵は
可能な限り嫌気性を保った状態で行うことが好ましい。
更に、発酵の際、原料乳中に原料乳の他、各種糖質等を
含ませてもよい。
力で均質化処理を行うことにより、口当たりの滑らか
な、また保存した際に離水等が生じさせない等、安定性
のよい、の発酵乳が得られる。
り増粘多糖類を添加する。添加に当たっては、これら成
分を溶解した増粘剤液を用いることが好ましい。この増
粘剤液の調製は、各成分を20〜90℃の水にダマにな
らないように分散させ、昇温、加熱殺菌することにより
行われる。また、この増粘剤液には、分散性の向上およ
び甘味を整えるために糖類(砂糖、異性化糖)を適宜添
加しても良い。
多糖類の熱劣化に伴う物性変化を防ぐため、80〜95
℃の温度で、5〜30分程度行うことが好ましい。この
殺菌後は、冷却するが、ゼラチンのゲル化、その他の増
粘剤液粘度上昇による混合、送液不良を防ぐため、30
℃以上で保持することが好ましい。なお、増粘剤液にお
いては、直接テクスチャーとの相関を見る必要がないの
で、その製造管理にあたっては作業の容易なB型粘度計
を用いることができる。具体的には、B型粘度計で45
℃における粘度を測定した際に0.5〜8Pa・sであ
ることが好ましく、特に0.5〜2Pa・sが好まし
い。
し、これを発酵乳中に添加する。このシロップの調製
は、クリームや甘味料、フルーツ、香料を混合し、この
混合物を80〜100℃で5〜30分間殺菌し、冷却す
ることにより行われる。
乳への添加は、好ましくは、これらが1:1の比率とな
るように添加、混合し、十分に攪拌した後冷却すれば良
い。シロップを使用する場合は、発酵乳と増粘剤液、シ
ロップを2:1:1の比率で添加、混合することが好ま
しい。増粘剤液を発酵乳に添加する際は、増粘剤液が局
所的にゲル化を起こさぬように、一定以上の強度の攪拌
を継続する必要がある。発酵乳と増粘剤液および必要に
よりシロップを混合した後、10℃以下まで冷却し、こ
れを容器に充填し、さらに1日静置冷却することで、滑
らかな物性を有する本発明のソフトヨーグルトが得られ
る。
の他の食品素材、すなわち各種糖質や乳化剤、甘味料、
酸味料、果汁等を適宜添加することも可能である。具体
的には、蔗糖、異性化糖、グルコース、フラクトース、
パラチノース、トレハロース、ラクトース、キシロース
等の糖類、ソルビトール、キシリトール、エリスリトー
ル、ラクチトール、パラチニット、還元水飴、還元麦芽
糖水飴等の糖アルコール類、アスパルテーム、スクラロ
ース、ステビア、アリテーム等の高甘味度甘味料、蔗糖
脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、レシチン
等の乳化剤、クエン酸、乳酸、リンゴ酸等の酸味料、レ
モン果汁、オレンジ果汁、ベリー系果汁等の果汁類、ア
ロエ果肉、ブルーベリー果肉、オレンジさのう、グレー
プフルーツさのう等の果肉類等が挙げられる。この他に
も、ビタミンA、ビタミンB類、ビタミンC、ビタミン
D、ビタミンE等のビタミン類やカルシウム、鉄、マン
ガン、亜鉛等のミネラル類等を添加することが可能であ
る。
カラギーナン等の安定剤を添加すると、ハードな食感を
与え、テクスチャーを悪くしてしまうため好ましくな
い。
添加することにより、優れたソフトヨーグルトが得られ
る理由は定かではないが、各種増粘剤の特性、すなわ
ち、溶液粘度が低く製造管理が容易だが、多用するとハ
ードな食感となってしまうゼラチンと、溶液粘度は高く
多用すると粉っぽい食感となるが、高い保形性の得られ
るスターチ、さらに、溶液粘度は高く多用すると糊っぽ
い食感となるが、適当量であれば滑らかな食感が得られ
る増粘多糖類を、上記比率およびボストウィック粘度計
による粘度が上記範囲内で併用することにより、各々が
相補的に作用し、食感(テクスチャー)が良好で、十分
な粘度、保形性を有し、製造管理の容易なソフトヨーグ
ルトが得られるものと考えられる。
が、本発明はこれらに何ら制約されるものではない。
ーの関係:ゼラチンとスターチの合計量を一定とし、そ
の比率を変えてソフトヨーグルトを製造し、それらの添
加量とボストウィック粘度計により測定された粘度とテ
クスチャーの関係を調べた。
5%接種し、37℃で15時間培養して得られた発酵乳
を15MPaで均質化した。一方で、表1に示す添加量
(終濃度)のゼラチン(新田ゼラチン(株)製)および
タピオカスターチ(日本NSC(株)製)と、5%の砂
糖を温水に溶解し、90℃で30分間殺菌後、40℃ま
で冷却し、増粘剤液を調製した。各々得られた発酵乳と
増粘剤液を1:1で混合し、0.2%の香料を添加し、
10℃以下まで冷却した後容器に充填してソフトヨーグ
ルトを製造した。
製)およびボストウィック粘度計(合資会社深谷鐵工所
製)を使用した。B型粘度計およびボストウィック粘度
計による測定は5℃にて常法に従って行った。また、風
味の評価については、パネル10名による官能検査を行
い、おいしさおよびテクスチャーの好ましさに関して下
記1〜5点の5段階で評価をした。この結果も表1に示
す。
フトヨーグルトの官能検査におけるテクスチャーの評点
と高い相関性を示した。結果的に、ボストウィック粘度
計において、4cm/10s〜8cm/10sのとき、
すなわち、ゼラチンが0.2w/w%〜0.4w/w%お
よびスターチが0.4w/w%〜0.8w/w%のとき、
特にテクスチャーが良好であった。
の品質の比較:ゼラチンとスターチを用いてソフトヨー
グルトを製造し、そのソフトヨーグルトの保形性、それ
らの添加量とソフトヨーグルトの品質との関係を調べ
た。
5%接種し、37℃で15時間培養して得られた発酵乳
を15MPaで均質化した。一方、ゼラチン、スター
チ、グアーガム、キサンタンガム等を表2の処方に従っ
て取り、これと10%(終濃度)の砂糖を温水に分散溶
解し、90℃で30分間殺菌後、40℃まで冷却し、増
粘剤液を調製した。さらに発酵乳と増粘剤液を1:1で
混合し、0.2%の香料を添加し、10℃以下まで冷却
した後容器に充填して、ソフトヨーグルトを製造した。
および比較品1〜3)について、製品のボストウィック
粘度計およびB型粘度計による粘度を測定し、あわせて
保形性および試験例1と同様に風味を評価した。なお、
保形性の測定は、以下のようにして行った。
から判断した。すなわち、製品を30℃で2時間保持し
た後の粘度をボストウィック粘度計により測定し、製品
の状態を下記基準で評価をした。
2、3では糊っぽくなってしまったのに対し、実施品1
は口当たりが滑らかで良好な食感であり、見た目も良好
であった。また、実施品2では若干粉っぽさが感じられ
たものの、良好な食感であった。一方、比較品1、2は
保形性が低く、30℃で2時間保持した後、とろとろと
した状態となり、スプーンですくいづらかった。なお、
ボストウィック粘度計による測定値は、製品のテクスチ
ャーとよい相関が得られていた。すなわち、比較品1〜
3の値は、実施品1、2よりも低く、食感が悪いものほ
ど低くなったが、B型粘度計による測定値にはそのよう
な傾向はみられなかった。例えば、食感の悪い比較品
1、3のボストウィック粘度計による測定値は共に実施
品1より低いが、B型粘度計の測定値は、比較品1<実
施品1<比較品2となっていた。
ーチを併用することで、良好な風味、適度な粘度、保形
性を有するソフトヨーグルトを製造することができた。
増粘多糖類をそれぞれ添加して増粘剤液を調製し、実施
例1と同様にソフトヨーグルトを調製した。得られたソ
フトヨーグルト(実施品3〜5)について、ボストウイ
ック粘度計による製品粘度の測定、保形性および風味の
評価を実施例1と同様に評価した。
ーガム又はキサンタンガムを併用することで、より滑ら
かな食感が得られ、特にキサンタンガムを併用し場合は
保形性も向上した。したがって、実施品4、5のよう
に、ゼラチンとスターチに、さらにグアーガム、キサン
タンガムを併用することで、よりいっそう風味が良好
で、適度な粘度、保形性を有するソフトヨーグルトを製
造することができる。
較: (1)ソフトヨーグルトの製造 実施例1の実施品1に対し、スターチの種類をタピオカ
スターチから、コーンスターチ(三和澱粉社製)および
ワキシーコーンスターチ(ステーリー社製)に変えて
(添加量は同じ)増粘剤液を調製し、その粘度をB型粘
度計で測定した後、実施例1と同一の方法でそれぞれソ
フトヨーグルトを調製した(実施品6および実施品
7)。得られたソフトヨーグルトについて、ボストウィ
ック粘度計による製品粘度の測定、保形性および風味の
評価を実施例1と同様に評価した。
観、保形性も良好であった。しかし、スターチとしてコ
ーンスターチ又はワキシーコーンスターチを使用した増
粘剤を製品に使用した場合は、大きな問題とはならない
ものの、やや固めで、粉っぽさ、糊っぽさが感じられる
風味であった。一方、タピオカスターチを使用した場合
には、ソフトヨーグルトらしい滑らかさ、口溶けの良さ
が著しく良好であった。
って、ブルーベリー入りのソフトヨーグルトを製造し
た。
ス・サーモフィルスを0.1%接種し、37℃で12時
間培養して得られた発酵乳を15MPaで均質化した。
また、ゼラチンとタピオカスターチを温水に溶解し、9
0℃で30分間殺菌後、40℃まで冷却し、増粘剤液を
調製した。更に、砂糖を水に溶解し、ブルーベリー顆粒
および果汁と混合した後、90℃で10分間殺菌してシ
ロップを調製した。上記のようにして得られた発酵乳、
増粘剤液、シロップを2:1:1の重量比で混合、攪拌
し、香料を添加した後、10℃以下まで冷却し、容器に
充填してブルーベリー入りのソフトヨーグルトを製造し
た。
例1に従って粘度を測定した結果、ボストウィック粘度
計の測定値は5.8cm/10sであった。また、この
ソフトヨーグルトは滑らかで口溶けの良い食感(テクス
チャー)であり、官能検査の評点は4.5であった。
フトヨーグルトの配合において、ブルーベリー顆粒およ
び果汁の代わりにアロエ葉肉を8質量%使用してソフト
ヨーグルトを製造した。その結果、ボストウィック粘度
計の測定値が5.5cm/10sであり、食感および安
定性が良好である(官能検査の評点は4.6)アロエ入
りのソフトヨーグルトが得られた。
々の果汁、顆粒、葉肉、さのう、香料等を適宜添加する
ことにより様々なタイプのソフトヨーグルトが製造でき
た。
で、口溶けの良く、保形性の良いものである。また、本
発明のヨーグルトの製造方法は、ヨーグルトの製造工程
にボストウィック粘度計を使用することで、大規模生産
におけるソフトヨーグルトの品質の管理を容易にするの
で、ソフトヨーグルトの製造を容易にするものである。 以 上
Claims (7)
- 【請求項1】 発酵乳に、0.1〜0.5w/w%のゼラ
チンおよび0.2〜1.0w/w%のスターチを含有せし
めて得られ、そのボストウィック粘度計による粘度(5
℃)が4〜8cm/10秒であることを特徴とするソフ
トヨーグルト。 - 【請求項2】 ゼラチンおよびスターチを、これらを混
合した増粘剤液として発酵乳中に含有せしめる請求項第
1項記載のソフトヨーグルト。 - 【請求項3】 更に、増粘多糖類を含有せしめた請求項
第1項または第2項記載のソフトヨーグルト。 - 【請求項4】 スターチが、加工スターチである、請求
項第1項ないし第3項記載のソフトヨーグルト。 - 【請求項5】 加工スターチがタピオカを原料とする加
工スターチである請求項第4項記載のソフトヨーグル
ト。 - 【請求項6】 増粘多糖類が、グアーガムまたはキサン
タンガムである請求項第3項ないし第5項の何れかの項
記載のソフトヨーグルト。 - 【請求項7】 ソフトヨーグルトの製造工程において、
ソフトヨーグルトの粘度をボストウィック粘度計で測定
する工程を含むことを特徴とするソフトヨーグルトの製
造方法。
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JP2005013212A (ja) * | 2003-06-05 | 2005-01-20 | Sanei Gen Ffi Inc | ヨーグルト用安定剤及び該安定剤を含有するヨーグルト |
FR2905560A1 (fr) * | 2006-09-11 | 2008-03-14 | Gervais Danone Sa | Produits laitiers. |
JP2018143162A (ja) * | 2017-03-03 | 2018-09-20 | 株式会社明治 | 撹拌型発酵乳の製造方法 |
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- 2001-09-04 JP JP2001267634A patent/JP3811631B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2018143162A (ja) * | 2017-03-03 | 2018-09-20 | 株式会社明治 | 撹拌型発酵乳の製造方法 |
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