JP2003070230A - シャント抵抗を備えた電力変換装置 - Google Patents

シャント抵抗を備えた電力変換装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】高精度で制御特性の優れた大電力変換装置を小
形低コストで提供する。 【解決手段】板状抵抗体でシャント抵抗部と複数の主電
極部を構成してなるシャント抵抗器において、前記主電
極部が絶縁層に固着している側面と逆側の側面に、少な
くとも前記板状抵抗体よりも体積電気抵抗率が小さく、
少なくとも前記板状抵抗体よりも熱伝導率が大きく、少
なくとも前記板状抵抗体よりも厚さの厚いプレートを半
田等により固着させ、前記プレートに主回路配線と電気
的に接続するプレート主電極を少なくとも1つを設け、
前記プレート主電極とシャント抵抗部の間にくびれを少
なくとも1つ構成し、前記プレートにシャント抵抗部の
両端の電圧を検出する為のプレート検出電極をシャント
抵抗部近傍に設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インバータ装置や
蓄電装置などの電力変換装置に係り、特に、シャント抵
抗による電流検出器を備えたパルス幅変調制御方式の電
力変換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インバータ装置は、誘導電動機など交流
電動機の運転に広く用いられ、近年では乗物の動力源の
コントローラとしても用いられるようになり、インバー
タ装置による可変速運転の利点が充分に享受できるよう
になっている。
【0003】インバータ装置の制御には、負荷電流の検
出を要する場合があり、この負荷電流の検出にホール素
子型電流センサ28や、シャント抵抗器13及び検出回
路18が従来から採用されている。
【0004】ここで、ホール素子型電流センサ28と
は、環状の磁性体の一部にホール素子を設け、この磁性
体に負荷電流が流れる電線を巻付けたり貫通させたりす
ることにより、負荷電流が作り出す磁束をホール素子で
電圧に変換する電流センサのことであり、この場合、検
出対象となる電路から電気的に隔離された検出信号が得
られるというメリットがある。
【0005】同じく、ここでシャント抵抗器13及び検
出回路18とは、要するに、負荷電流が流れる電路に直
列に挿入した抵抗器を用い、その両端子間に、負荷電流
により現われる電圧降下を取り出し、検出信号とする回
路のことで、従って、かなり低コストで済むので、従来
から広く用いられている。
【0006】ここで、図11は、従来技術の一例とし
て、PWM(パルス・ワイド・モジュレーション:パル
ス幅変調)制御方式の電力変換装置を対象として、これ
にホール素子型電流センサ28と、シャント抵抗器13
及び検出回路18の双方を適用した場合について示した
もので、ここで、ホール素子型電流センサ28と、シャ
ント抵抗器13及び検出回路18の双方が示されている
のは説明のためで、実際には何れか一方を設ければよい
ことは言うまでもない。
【0007】図11は、ダイオード整流器からなるコン
バータ部(順変換部)14と、このコンバータ部14か
ら出力される直流電力が入力されるPWM制御方式のイ
ンバータ部(逆変換部)15、それにコンバータ部14
とインバータ部15の間の直流部に接続された平滑用の
コンデンサ(キャパシタ)16で構成された主回路を備
えている。
【0008】そして、コンバータ部14に、電力源とな
る商用電源29から交流電力が入力されると、コンデン
サ16で平滑化された直流電力がインバータ部15に供
給され、ここで、インバータ部15のIGBT(インシ
ュレーテッド・ゲート・バイポーラ・トランジスタ)に
代表される半導体スイッチング素子5がPWM制御され
ることにより、直流電力が所定の電圧と所定の周波数の
交流電力に変換され、この結果、誘導電動機などの負荷
に可変電圧可変周波数の電力が供給されることになる。
【0009】当然、図12に示すようにバッテリー等の
蓄電装置30が出力する直流電力をインバータ部15に
供給して成る電力変換装置でも前記と同様インバータ部
15の半導体スイッチング素子5がPWM制御されるこ
とにより、直流電力が所定の電圧と所定の周波数の交流
電力に変換され、この結果、乗物の動力源,冷却装置の
冷却ファン,冷却水の循環用ポンプ駆動電動機,油圧機
具向け油圧ポンプ駆動電動機,エアコン用コンプレッサ
ー駆動電動機などの負荷である電動機17に可変電圧可
変周波数の電力が供給されることは言うまでもない。
【0010】このとき、インバータ部15にある半導体
スイッチング素子5のPWM信号によるオン(導通),
オフ(遮断)制御は、図11に示すように、ドライバ回
路を介して、計算機(コンピュータ)19により実行さ
れるが、このとき、計算機19による制御には、負荷で
ある電動機17に流れる電流の値、つまり負荷電流値が
必要になる。
【0011】ここで、この検出には、上記したように、
ホール素子型電流センサ28を用いる方法と、シャント
抵抗器13及び検出回路18を用いる方法がある。
【0012】そして、まず、ホール素子型電流センサ2
8を用いたときは、この電流センサをインバータ部15
と負荷である電動機17の間に直列に接続し、これによ
る検出結果をA/D変換して計算機19に入力する。
【0013】一方、シャント抵抗器13及び検出回路1
8を用いたときは、シャント抵抗器13をコンデンサ1
6とインバータ部15の間に直列に接続する。そして、
このシャント抵抗器13に負荷電流が流れることにより
現われる電圧降下を、フィルタと増幅器等を介してA/
D変換し、計算機19に入力するようになっている。こ
こで、シャント抵抗器13の接続位置だが、インバータ
部15と電動機17の間に直列に接続しても構わない。
【0014】ここで、シャント抵抗器13は、一般に温
度特性に優れたマンガニン材(銅とマンガンの合金)か
ら成る板状抵抗体6であり、打ち抜き加工にて所定の形
状を整える方式や絶縁層4に固着した後エッチング加工
施し所定の形状を整え、シャント抵抗部8とシャント抵
抗部8に負荷電流を流し込む主電極部7とシャント抵抗
部8で発生した電圧を検出する検出電極部31を同一抵
抗材で構成し、図13に示すようにインバータ部15の
半導体スイッチング素子5が実装される放熱特性に優れ
たパワーモジュールの放熱ベース板1上に絶縁層6を介
して実装される。
【0015】シャント抵抗器13の発熱は、シャント抵
抗部8と主電極部7に負荷電流が流れる為、シャント抵
抗部8と主電極部7両方で発生し、発生した発熱は放熱
ベース板1へと流れ温度の上昇が押さえられるようにな
っている。
【0016】板状抵抗体6を用いたシャント抵抗器13
の長さ,幅,厚さは、検出電流が流れる方向をシャント
抵抗器13の長さ方向とし、長さ方向に対して垂直方向
をシャント抵抗器13の幅方向とし、絶縁層4に対して
垂直方向をシャント抵抗器13の厚さ方向とする。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、ホー
ル素子型電流センサ28やシャント抵抗器13及び検出
回路18を用いて電力変換装置のPWM制御を行ってい
たが、ホール素子型電流センサ28の場合、比較的高価
なホール素子や大きな磁性体を必要とするため、低価格
化と小形化に問題があった。
【0018】一方、シャント抵抗器13及び検出回路1
8は、小形で安価な電子部品で構成できるが、電力線に
直列に接続され、数Aから数千Aの負荷電流を検出する
為発熱が生じ、抵抗温度変化率の小さいマンガニン材等
を用いて精度の向上を図るが、マンガニン材固有の抵抗
率が銅材に比べ数十倍と大きく、発熱を押さえる為に抵
抗値を極小(約0.5〜0.6mΩ程度)とする必要が生
じ、板状抵抗体6を厚く短くすると抵抗体の底面積が減
少し、放熱抵抗が大きくなり温度上昇を招き、さらにシ
ャント抵抗部8とシャント抵抗部8に負荷電流を流し込
む主電極部7でも発熱が生じ、シャント抵抗器全体での
発熱量の増大を招く、主電極7を大型化し放熱面積を増
加させ熱抵抗を下げることで避けられるが小形化と低コ
スト化できず大容量の電力変換装置への適用が困難であ
る。さらに、シャント抵抗器13への電力配線レイアウ
トに起因して生じる電磁誘導等によって負荷電流がシャ
ント抵抗器13内で均等に流れず、発熱の集中や検出精
度の劣化を引き起こす問題があった。
【0019】本発明の目的は、シャント抵抗器13及び
検出回路18による負荷電流の検出方式を大容量の電力
変換装置へ適用できるように、シャント抵抗器13の熱
抵抗を下げると共に、シャント抵抗器13内での負荷電
流分布を均一化し高精度で小形のシャント抵抗を用いた
制御特性の優れた電力変換装置を小形並びに低コストで
提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的は、シャント抵
抗部8と2つの主電極部7の3つから成るシャント抵抗
器13から負荷電流を検出する電力変換装置において、
同一板状抵抗板6を用いてシャント抵抗部8と主電極部
7を構成し、シャント抵抗器13の片面を絶縁層4に固
着し、それぞれの主電極部7の絶縁層4と逆側側面に少
なくとも板状抵抗板6よりも体積電気抵抗率値が小さ
く、板状抵抗板6よりも厚さが厚い板状のプレート9を
固着させ、プレート9にプレート用主電極11を設け、
プレート9にシャント抵抗部8に発生する電圧を検出し
その電圧を他の配線に電気的に接続するプレート用検出
電極12を設けたことから、シャント抵抗部8と同一板
状抵抗板6で構成された2つの主電極部7での発熱を大
幅に低減でき、体積電気抵抗率の小さいプレート9に検
出電極を設けたことにより小形化高精度化され達成され
る。
【0021】上記目的は、シャント抵抗部8と2つの主
電極部7の3つから成るシャント抵抗器13から負荷電
流を検出する電力変換装置において、同一板状抵抗板6
を用いてシャント抵抗部8と主電極部7を構成し、シャ
ント抵抗器13の片面を絶縁層4に固着し、それぞれの
主電極部7の他面に少なくとも前記板状抵抗板6よりも
体積電気抵抗率が小さく、熱伝導率が大きく、前記板状
抵抗板6よりも厚さが大きい板状のプレート9を固着さ
せ、プレート9にプレート用主電極11を設け、前記プ
レート9にシャント抵抗部8に発生する電圧を検出しそ
の電圧を他の配線に電気的に接続するプレート用検出電
極12を設け、シャント抵抗部8で発生した発熱を前記
プレート9を用いて熱伝達及び熱の拡散が可能となり、
シャント抵抗器13の熱抵抗を低減できることから達成
される。
【0022】上記目的は、シャント抵抗部8と2つの主
電極部7の3つから成るシャント抵抗器13から負荷電
流を検出する電力変換装置において、同一板状抵抗板6
を用いてシャント抵抗部8と主電極部7を構成し、シャ
ント抵抗器13の片面を絶縁層4に固着し、それぞれの
主電極部7の他面に少なくとも前記板状抵抗板6よりも
体積電気抵抗率が小さく、熱伝導率が大きく、前記板状
抵抗板6よりも厚さが大きい板状のプレート9を固着さ
せ、前記プレート9にプレート用主電極11を設け、前
記プレート用主電極11とシャント抵抗部8の間に少な
くとも1つ電流流路を狭める為のくびれ部23を前記プ
レート9内及び主電極7に設けたことにより、各プレー
ト9及び主電極部7での負荷電流の流路を制御できるこ
とから、シャント抵抗部8へ流れる負荷電流の電流密度
の均等化が達成される。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明による電力変換装置
について、図示の実施形態により詳細に説明する。
【0024】図1は、本発明の第1の実施形態に係るシ
ャント抵抗器13の一例であり、図2は実施形態に係る
シャント抵抗器13を用いた電力変換装置の構成の一例
である。一般的な電力変換装置の構成は、図11でも示
したようにダイオード整流器からなるコンバータ部14
と、このコンバータ部14から出力される直流電力が入
力されるPWM制御方式のインバータ部15、それにコ
ンバータ部14とインバータ部15の間の直流部に接続
された平滑用のコンデンサ16で構成された主回路を備
えている。
【0025】シャント抵抗器13は、インバータ15か
ら負荷である交流電動機17へ電力を供給する配線に挿
入される場合とコンデンサ16とインバータ15間を電
気的に接続する配線に挿入する場合が一般的であり、負
荷電流とシャント抵抗器13の抵抗値で決まる電圧を検
出回路18を介して計算機19に伝え、計算機19で所
定の計算を行い半導体スイッチング素子5をON,OF
F制御して負荷電流を指定の値に制御する。
【0026】当然、バッテリー等の蓄電装置30が出力
する直流電力をインバータ部15に供給して成る電力変
換装置でも前記と同様にコンバータ部14の代わりにバ
ッテリー等の蓄電装置30を接続することで構成でき
る。
【0027】ここで、シャント抵抗器13はインバータ
部15の構成部品である半導体スイッチング素子5が実
装されるパワーモジュール内に配置され、図13で示す
ように絶縁層4の片面に板状抵抗体6が固着され、板状
抵抗体6でシャント抵抗部8とシャント抵抗部8に負荷
電流を流し込む主電極部7、さらにシャント抵抗部8で
発生する電圧を取り出す検出電極31を作りシャント抵
抗器13を構成し、絶縁層4の反対側に金属箔3がさら
に固着され、モジュールの放熱ベース1上に前記金属箔
3を半田2等により固着し実装され、前記シャント抵抗
器13に設けた主電極7にメッキを掛けアルミワイヤー
10などの配線を固着させ電気的にインバータの主回路
を構成する配線に接続される。シャント抵抗器13に用
いる板状抵抗体6は、抵抗温度係数が小さなマンガニン
材(銅とマンガンの合金)やニクロム材やイザベリン材
等が用いられているが、図13で示した従来技術と同じ
である。
【0028】従って、この図1及び図2に示した実施形
態が、図11,図12,図13の従来技術と異なる点
は、前記板状抵抗体6でシャント抵抗部8と複数の主電
極部7を構成してなるシャント抵抗器13において、前
記主電極部7が絶縁層4に固着している側面と逆側の側
面に、少なくとも前記板状抵抗体6よりも体積電気抵抗
率が小さく、少なくとも前記板状抵抗体6よりも熱伝導
率が大きく、少なくとも前記板状抵抗体よりも厚さの厚
いプレート9を半田2等により固着させ、前記プレート
9に主回路配線と電気的に接続するプレート主電極11
を少なくとも1つ設け、シャント抵抗部8近傍の前記プ
レート9上にシャント抵抗部8に発生する電圧を検出す
る為のプレート検出電極12を設けた点にある。ここ
で、プレート9内の電流密度が均一に成るように電流が
集中している個所のプレート厚さを薄くし、電流が流れ
ていない個所のプレート厚を厚くして電流分布を最適化
できる。
【0029】このようにすると、シャント抵抗器13に
入力された負荷電流は体積電気抵抗率の小さいプレート
9にその多くが流れることから、板状抵抗体6で作られ
た主電極部7を通る負荷電流が大幅に減少する。例え
ば、板状抵抗体6として厚さ0.1cm,幅1cmのマンガ
ニンを用い、プレート9として厚さ0.2cm,幅1cmの
純銅を用い、一般的なマンガニンの体積電気抵抗率が4
3μΩcm、純銅が1.7μΩcmとすると、約50:1の
比で分岐してプレート9と主電極7に負荷電流を流す事
が出来る。
【0030】従って、主電極部7での発熱を大幅に低減
できることから、シャント抵抗部8の周囲温度を低減し
温度上昇を抑制でき検出許容電流の拡大が容易になり、
放熱機の小形化も可能となることから小形の電力変換装
置が提供でき、電力変換装置の変換効率の向上に繋が
り、さらにプレート検出電極12を低抵抗なプレート9
上に形成したことで検出電極31の形状に依存せず高精
度にシャント抵抗部8の電圧を検出出来ることから高性
能な電力変換装置が提供できる。
【0031】図3は、本発明の第2の実施形態に係るシ
ャント抵抗器の一例で、この実施形態が、図1で説明し
た実施形態と異なる点は、図1のシャント抵抗部8に負
荷電流を分岐させる分岐口20を少なくとも1つ設け、
前記分岐口20によって分離された複数のシャント抵抗
部8をプレート9にて並列接続した点である。
【0032】このことから、プレート9により負荷電流
の分布を均等化し、各シャント抵抗部8に等しい負荷電
流を分岐させ、各シャント抵抗部での発熱を均等化する
と共に第1のシャント抵抗部21と第2のシャント抵抗
部22の間隔を空け、各シャント抵抗部で生じる発熱を
横方向へ広がり易くし熱抵抗を小さく出来ることから、
第1のシャント抵抗部21と第2のシャント抵抗部22
の温度上昇を低減できることから、第1のシャント抵抗
部21と第2のシャント抵抗部22の温度で決まる許容
可能な最大負荷電流値を大きくすることができ、電力変
換装置の小形化を可能にする。
【0033】図4は、本発明の第3の実施形態に係るシ
ャント抵抗器の一例で、この実施形態が、前記実施例で
説明した実施形態と異なる点は、図1のプレート9に設
けた各プレート主電極部11とシャント抵抗部8の間に
少なくとも1個所くびれ部23を設けた点にある。
【0034】このことから、電力変換装置の主回路配
線,パワーモジュール内の配線パターンや端子台及びア
ルミワイヤー配線やシャント抵抗器間での相互インダク
タンスに起因した電磁誘導によってパワーモジュール内
の配線パターンや端子台及びアルミワイヤー配線内で生
じる電流の不均一や、シャント抵抗器の前後で配線を急
峻に曲げてレイアウトした際に生じる配線及びシャント
抵抗器内で電流の不均一が発生するが、プレート用主電
極11とシャント抵抗部8間のプレート用主電極11側
にくびれ部23を設けたことで、プレート用主電極11
から流入した負荷電流が一度くびれ部23へと集中して
流れ、くびれ部23を通過した負荷電流は体積電気抵抗
率の小さいプレート9上で拡散し、シャント抵抗部8直
前の電流分布が均一となり、均一な負荷電流をシャント
抵抗部8に流し込むことが可能となる。
【0035】ここで、くびれ部23とシャント抵抗部8
間の距離や、くびれ部23の中心とシャント抵抗部8の
長手方向中心との距離や、くびれ部23の幅や長さを調
節することでシャント抵抗部8への電流分布を最適化で
きる。
【0036】従って、シャント抵抗部8での片寄った発
熱を防げることから、局部的な温度上昇を避けることが
でき、同じサイズのシャント抵抗器13でシャント抵抗
部8の温度上昇で決まる最大負荷電流値を増加させるこ
とができ、小型のシャント抵抗器13を用いて電力変換
装置を構成できることから電力変換装置の小形化を可能
とし、さらに局部な温度上昇を改善できることからシャ
ント抵抗値の誤差を低減でき高精度にシャント抵抗部8
の電圧を検出できることから高性能な電力変換装置が提
供できる。
【0037】当然だが、くびれ部23を設けたプレート
9と、プレート9に設けたくびれ部23と同様のくびれ
を主電極部7に設けても同様の効果が得られる。
【0038】図5は、本発明の第4の実施形態に係るシ
ャント抵抗器の一例で、この実施形態が、図4で説明し
た実施形態と異なる点は、図4の各プレート9に設けた
くびれ部23の中心位置を同一直線上から少なくとも1
つずらした点にある。
【0039】このことから、パワーモジュール内の配線
及びシャント抵抗器間での相互インダクタンスに起因し
た電磁誘導によって各配線内で生じる電流の不均一や、
シャント抵抗器の前後で接続配線を急峻に曲げた際に生
じる配線及びシャント抵抗器内での電流の不均一を各プ
レート9に設けた各くびれ部23を用いて整流する際、
例えばシャント抵抗部8の電流密度が均一になるよう第
1のプレート9−1に用意した第1のくびれ部24−1
の中心をシャント抵抗部8の長手方向中心線上に配置
し、シャント抵抗部8の逆側に用意した第2のプレート
9−2に用意した第2のくびれ部24−2の中心を長手
方向中心線上から遠ざけるように配置することで、片寄
って流れていた電流を均一に整流し電流密度を均一化さ
れた負荷電流をシャント抵抗部8に流し込むことが可能
となる。従って、シャント抵抗部8での片寄った発熱を
防げることから、シャント抵抗部8の温度不均一を低減
でき局部的な温度上昇を低減することで許容できる最大
負荷電流値を大きくすることができ小型のシャント抵抗
器13によって電力変換装置の小形化を可能とし、さら
にシャント抵抗値の誤差を低減でき高精度にシャント抵
抗部8の電圧を検出できることから高性能な電力変換装
置が提供できる。
【0040】くびれ部23を設けたプレート9と、プレ
ート9に設けたくびれ部23と同様のくびれを主電極部
7に設けても同様の効果が得られる。
【0041】図6は、本発明の第5の実施形態に係るシ
ャント抵抗器の一例で、この実施形態が、図4で説明し
た実施形態と異なる点は、図4の各プレート9に設けた
くびれ部23の幅を少なくとも1つ異なる幅にした点に
ある。
【0042】このことから、パワーモジュール内の配線
及びシャント抵抗器間での相互インダクタンスに起因し
た電磁誘導によって各配線内で生じる電流の不均一や、
シャント抵抗器の前後で接続配線を急峻に曲げた際に生
じる配線及びシャント抵抗器内での電流の不均一を各プ
レート9に設けた各くびれ部23を用いて整流する際、
例えばシャント抵抗部8の電流密度が均一になるよう第
1のプレート9−1に用意した第1のくびれ部25−1
の幅をシャント抵抗部8の幅の四分の一にして、その中
心をシャント抵抗部8の長手方向中心線上に配置し、シ
ャント抵抗部8の逆側に用意した第2のプレート9−2
に用意した第2のくびれ部25−2の幅をシャント抵抗
部8の幅の三分の二にしてその中心をシャント抵抗部8
の長手方向中心線上もしくは長手方向中心線から遠ざけ
るように配置することで、片寄って流れていた電流を均
一に整流し電流密度を均一化された負荷電流をシャント
抵抗部8に流し込むことが可能となる。従って、シャン
ト抵抗部8での片寄った発熱を防げることから、同じサ
イズのシャント抵抗器13での温度不均一を低減でき局
部的な温度上昇を低減することで許容できる最大負荷電
流値を大きくすることができ小型のシャント抵抗器13
によって電力変換装置の小形化を可能とし、さらにシャ
ント抵抗値の誤差を低減でき高精度にシャント抵抗部8
の電圧を検出出来ることから高性能な電力変換装置が提
供できる。
【0043】くびれ部23を設けたプレート9と、プレ
ート9に設けたくびれ部23と同様のくびれを主電極部
7に設けても同様の効果が得られる。
【0044】図7は、本発明の第6の実施形態に係るシ
ャント抵抗器の一例で、この実施形態が、図4で説明し
た実施形態と異なる点は、図4の各プレート9にそれぞ
れ一つくびれ部23を設け、各くびれ部23とシャント
抵抗部8の幅方向の中心線間距離を各くびれ部23で異
なるようにした点にある。
【0045】このことから、パワーモジュール内の配線
及びシャント抵抗器間での相互インダクタンスに起因し
た電磁誘導によって各配線内で生じる電流の不均一や、
シャント抵抗器の前後で接続配線を急峻に曲げた際に生
じる配線及びシャント抵抗器内での電流の不均一を各プ
レート9に設けた各くびれ部23を用いて整流する際、
例えばシャント抵抗部8の電流密度が均一になるよう第
1のプレート9−1に用意した第1のくびれ部26−1
とシャント抵抗部8の距離を1センチメートルとして配
置し、シャント抵抗部8の逆側に用意した第2のプレー
ト9−2に用意した第2のくびれ部26−2とシャント
抵抗部8の距離を0.5 センチメートルにして配置した
ことで、片寄って流れていた電流を均一に整流し電流密
度を均一化された負荷電流をシャント抵抗部8に流し込
むことが可能となる。従って、シャント抵抗部8での片
寄った発熱を防げることから、同じサイズのシャント抵
抗器13での温度不均一を低減でき局部的な温度上昇を
低減することで許容できる最大負荷電流値を大きくする
ことができ小型のシャント抵抗器13によって電力変換
装置の小形化を可能とし、さらにシャント抵抗値の誤差
を低減でき高精度にシャント抵抗部8の電圧を検出でき
ることから高性能な電力変換装置が提供できる。
【0046】くびれ部23を設けたプレート9と、プレ
ート9に設けたくびれ部23と同様のくびれを主電極部
7に設けても同様の効果が得られる。
【0047】図8は、本発明の第7の実施形態に係るシ
ャント抵抗器の一例で、この実施形態が、図1及び図4
で説明した実施形態と異なる点は、図1及び図4のプレ
ート9に負荷電流を分岐させるプレート分岐口27を少
なくとも1つ設けた点である。
【0048】このことから、パワーモジュール内の配線
及びシャント抵抗器間での相互インダクタンスに起因し
た電磁誘導によって各配線内で生じる電流の不均一や、
シャント抵抗器の前後で接続配線を急峻に曲げた際に生
じる配線及びシャント抵抗器内での電流の不均一を各プ
レート9に設けたプレート分岐口27とくびれ部23を
用いて整流する際、例えば第1のシャント抵抗部21と
第2のシャント抵抗部22が並列に接続され構成された
シャント抵抗部8の電流密度が均一になるよう第1のプ
レート9−1に用意した第1のくびれ部24−1と第1
のくびれ部24−1とシャント抵抗部8の間に少なくと
も一つプレート分岐口27を第1のシャント抵抗部21
と第2のシャント抵抗部22から等距離の位置に配置
し、同様にシャント抵抗部8の逆側に用意した第2のプ
レート9−2にもプレート分岐口27を用意したこと
で、第1のシャント抵抗部21もしくは第2のシャント
抵抗部22に片寄って流れていた電流を均一に整流する
と共に第1のシャント抵抗部21と第2のシャント抵抗
部22の電流密度の不均一を改善できる。従って、第1
のシャント抵抗部21もしくは第2のシャント抵抗部2
2での片寄った発熱を防げることから、同じサイズのシ
ャント抵抗器で温度不均一を低減でき局部的な温度上昇
を低減することで許容できる最大負荷電流値を大きくす
ることができ小型のシャント抵抗器13によって電力変
換装置の小形化を可能とし、さらにシャント抵抗値の誤
差を低減でき高精度にシャント抵抗部8の電圧を検出で
きることから高性能な電力変換装置が提供できる。
【0049】また、くびれ部23を設けたプレート9
と、プレート9に設けたくびれ部23と同様のくびれを
主電極部7に設けても同様の効果が得られる。
【0050】図9に示す様な太陽電池32と電力変換装
置で構成される太陽光発電システムの電源系統連係用電
力変換装置や、図10で示す内燃機関と電動機17もし
くは電動機17のみを動力源とし、バッテリー等の蓄電
装置30から供給される電力をシャント抵抗器13で検
出し電動機17を制御する動力システムを用いミッショ
ンを通して内燃機関と電動機の力をタイヤに伝えて移動
する乗物及び乗物に搭載されるエアコン,油圧ポンプ,
ブレーキ駆動用電動機17等の全てのインバータ装置
や、さらに家庭用及び業務用のエアコンに用いるコンプ
レッサやファン用電動機駆動のインバータ装置や洗濯機
の洗濯層を回す電動機や掃除機の吸い込みファンの電動
機や電気調理機の磁界生成用インダクタンス駆動用電力
変換装置等にも前記した実施例の電力変換装置が適用で
きる。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、シャント抵抗器13の
主電極に低抵抗なプレート9を設けたことで、発熱を低
減し、プレート9にくびれ部23を設け抵抗部の電流密
度分布を均一化し高精度で高信頼の電力変換装置をロー
コストで提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるシャント抵抗器の第1の実施形態
を示す構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態のシャント抵抗器を用
いた電力変換装置を説明するための構成図である。
【図3】本発明によるシャント抵抗器の第2の実施形態
を示す構成図である。
【図4】本発明によるシャント抵抗器の第3の実施形態
を示す構成図である。
【図5】本発明によるシャント抵抗器の第4の実施形態
を示す構成図である。
【図6】本発明によるシャント抵抗器の第5の実施形態
を示す構成図である。
【図7】本発明によるシャント抵抗器の第6の実施形態
を示す構成図である。
【図8】本発明によるシャント抵抗器の第7の実施形態
を示す構成図である。
【図9】本発明によるシャント抵抗器の第8の実施形態
を示す構成図である。
【図10】本発明によるシャント抵抗器の第9の実施形
態を示す構成図である。
【図11】従来技術によるシャント抵抗器とそれを用い
た電力変換装置の構成図である。
【図12】従来技術によるシャント抵抗器とそれを用い
た電力変換装置の構成図である。
【図13】従来技術によるシャント抵抗器の構成図であ
る。
【符号の説明】
1…モジュールの放熱ベース、2…半田層、3…金属
箔、4…絶縁層、5…半導体スイッチング素子、6…板
状抵抗体、7…主電極、8…シャント抵抗部、9…プレ
ート、10…アルミワイヤー、11…プレート主電極、
12…プレート検出電極、13…シャント抵抗器、14
…コンバータ、15…インバータ、16…コンデンサ、
17…電動機、18…検出回路、19…計算機、20…
分岐口、21…第1のシャント抵抗、22…第2のシャ
ント抵抗、23…くびれ部、24−1,25−1,26
−1…第1のくびれ部、24−2,25−2,26−2
…第2のくびれ部、27…プレート分岐口、28…ホー
ル素子型電流センサ、29…商用電源、30…バッテリ
ー等の蓄電装置、31…検出電極、32…太陽電池。
フロントページの続き (72)発明者 斉藤 隆一 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 井堀 敏 千葉県習志野市東習志野七丁目1番1号 株式会社日立製作所日立ドライブシステム ズ内 (72)発明者 高瀬 真人 千葉県習志野市東習志野七丁目1番1号 株式会社日立製作所産業機器グループ内 Fターム(参考) 5H740 BA11 BB09 MM11 PP02 PP03 PP04 PP06

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】板状抵抗体でシャント抵抗部と複数の電極
    部を構成し、前記シャント抵抗部と前記複数の電極部の
    片面を絶縁体に固着してなるシャント抵抗器から負荷電
    流を検出し、この検出値に基づいて少なくとも出力を制
    御する電力変換装置において、 前記主電極部が絶縁層に固着している側面と逆側の側面
    に、少なくとも前記板状抵抗体よりも体積電気抵抗率が
    小さく、少なくとも前記板状抵抗体よりも熱伝導率が大
    きいプレートを固着させ、前記プレートに電力変換装置
    の回路配線と電気的に接続するプレート電極を少なくと
    も1つ設け、シャント抵抗部近傍の前記プレート上にシ
    ャント抵抗部に発生する電圧を検出する検出電極を設け
    た電力変換装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の電力変換装置において、 シャント抵抗部に負荷電流を分岐させる分岐口を少なく
    とも1つ設け、前記分岐口により分離された複数個のシ
    ャント抵抗部を前記プレートにて並列接続した電力変換
    装置。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の電力変換装置において、 前記プレートに設けた電極部とシャント抵抗部の間に少
    なくとも1個所くびれ部を設けた電力変換装置。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の電力変換装置において、 プレートに設けたくびれ部の中心位置を同一直線上から
    少なくとも1つずらしたシャント抵抗器を用いた電力変
    換装置。
  5. 【請求項5】請求項3に記載の電力変換装置において、 プレートに設けたくびれ部の幅を少なくとも1つ異なる
    幅にしたシャント抵抗器を用いた電力変換装置。
  6. 【請求項6】請求項3に記載の電力変換装置において、 各プレートにそれぞれ一つくびれ部を設け、各くびれ部
    とシャント抵抗部の幅方向の中心線間の距離を異なるよ
    うに配置した各くびれ部を持つシャント抵抗器を用いた
    電力変換装置。
  7. 【請求項7】請求項3に記載の電力変換装置において、
    プレートに負荷電流を分岐させる分岐口を少なくとも1
    つ設けたシャント抵抗器を用いた電力変換装置。
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