JP2003066210A - 反射体およびこの反射体を用いた媒体 - Google Patents
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Abstract
する物質がエッジもしくは上下層の傷やクラックなどか
ら進入した場合に、反射層全体が侵食されるのを防止す
る反射体を提供すること。 【解決手段】基材の少なくとも一部に、島部分に反射物
質が存在している微細海島構造にて反射層を設けた反射
基材の、前記反射基材の反射層側から封止層を設けたこ
とを特徴とする反射体を提供する。さらには、反射層を
パターン状に形成したことを特徴とする前記反射体を提
供する。また、さらには、基材に回折構造を設けたこと
を特徴とする前記反射体を提供する。
Description
体、およびこの反射体を用いた転写箔、ステッカー、漉
き込み安全線などの部材に関するものである。
全線などは、真空蒸着法により、全面もしくはパターン
状に形成した反射層を有するものが一般的であった。
は、水洗シーライト加工、エッチング加工、レーザ加工
などにより、パターン化し、実現される。水洗シーライ
ト加工とは、水洗インキを基材上にネガパターンで印刷
しておき、その上から蒸着やスパッタを用いて全面に金
属薄膜を形成し、水洗インキを水で洗い流すと同時に金
属薄膜を取り除くことによりパターンを形成する加工方
法である。エッチング加工とは、金属薄膜上にポジパタ
ーンでマスキング剤を印刷し、金属腐食剤でマスキング
されていない部分を腐食させることによりパターンを形
成する加工方法である。レーザ加工とは、金属薄膜の除
去したい部分に強いレーザを当てて金属をとばすことに
よりパターンを形成する加工方法である。
する物質は、主に金属もしくはセラミックスであり、全
面に形成された場合はもちろんのこと、パターン状に設
けられた場合であってもミクロ的には連続につながった
構造を持つ。このようにミクロ的に連続している構造で
は、反射層を腐食する物質がエッジもしくは上下層の傷
やクラックなどから侵入した場合、全体が侵食されるた
め、反射層の耐性の面で問題がある。
にて反射層を形成し、エッジもしくは上下層の傷やクラ
ックなどから浸入した腐食物質の影響を最小限に食い止
め、耐性を向上させることを課題とする。
ため請求項1では、基材の少なくとも一部に、島部分に
反射物質が存在している微細海島構造にて反射層を設け
た反射基材の、前記反射基材の反射層側から封止層を設
けたことを特徴とする反射体である。
に形成したことを特徴とする請求項1記載の反射体であ
る。
けたことを特徴とする請求項1、または2記載の反射体
である。
法により作製したことを特徴とする請求項1ないし3の
いずれかからなる記載の反射体である。
載のいずれかからなる反射体を用いて形成したことを特
徴とする転写箔である。
載のいずれかからなる反射体を用いて形成したことを特
徴とするステッカーである。
載のいずれかからなる反射体を用いて形成したことを特
徴とする漉き込み安全線である。
載の転写箔、ステッカー、漉き込み安全線のいずれかを
基体に設けたことを特徴とする媒体である。
て説明する。本発明で微細海島構造で形成した反射層を
基材に設けるには、Volmer−Weberの成長様
式にモデル化された条件で蒸着することにより得ること
ができる。この成長様式では、初期段階で図1、図2に
示すような、3次元的な蒸着物質(12)による島が基
材(11)上に形成される。次に、蒸着時間が進むにつ
れて図3、図4のように蒸着物質(22)の島同士が接
触し融合しながら拡大し、さらに、蒸着時間が進むと図
5、図6のように、全面を覆う蒸着物質(51)の膜と
なる。本発明に用いる反射基材は、図3、図4のように
不連続な微細な島が存在している状態で蒸着を止めるこ
とにより微細海島構造を形成する。
細海島構造で設けた反射層(72)の表面にコーティン
グもしくはラミネートなどによって封止層(73)を設
けることにより、腐食性物質の浸入を防ぐ構造を形成す
ることができる。ここで、入射光(74)は、一部が透
過光(76)として透過するものの、反射光(75)と
して反射し、反射体としての効果を示す。
が連続的に形成されたものであり、エッジ部分からの腐
食、基材(81)もしくは封止層(83)の傷やクラッ
クを通して浸入する腐食物質により連続的に腐食されて
しまうおそれがある。
に反射層が不連続に形成されているため、エッジ部分か
らの腐食、基材(91)もしくは封止層(93)の傷や
クラックを通して腐食物質が浸入した場合でも、腐食が
全体に進むことがないため耐性が向上する。
としては、水洗シーライト加工、エッチング加工、レー
ザ加工などを用いて行うことができる。例えば、図10
に示すように微細海島構造による反射層形成部分(10
1)と反射層不形成部分(102)により、パターンを
設けることができる。このパターンは、文字以外にも反
射物質のあるなしによるモノトーン表現ができる画像で
あれば特に限定されるものではない。
キをあらかじめネガパターンで印刷しておき、微細海島
構造で全面に反射層を設けた後、水洗インキを水で洗い
流すと同時に反射層を部分的に取り除くことによりパタ
ーン状の反射層を形成する方法である。
より反射層を形成し、マスキング剤をポジパターンで印
刷し、マスキングされていない部分を腐食液により腐食
することによりパターン状の反射層を形成する方法であ
る。
金属薄膜を形成し、強いレーザ光を当てることにより、
加熱蒸発することによりパターン状の金属薄膜を形成す
る方法である。
形成することができる。
折格子に分けられる。ホログラムは、光学的な撮影方法
により微細な凹凸パターンからなるレリーフ型のマスタ
ー版を作製し、次に、このマスター版から電気メッキ法
により凹凸パターンを複製したニッケル製のプレス版を
作製する。そして、このプレス版をホログラムを形成す
る層に加熱押圧する方法により大量複製が行われてい
る。このタイプのホログラムはレリーフ型ホログラムと
称されている。
な実際のものを撮影するホログラムとは異なり、微少な
エリアに複数種類の単純な回折格子を配置して画素と
し、これらの画素を用いて画像を表現するものである。
このような回折格子を用いた画像は、レリーフ型ホログ
ラムと同様な方法で大量複製が行われている。
島構造により形成した反射層を設けることにより、回折
構造を有する反射体を作製することができる。また、加
工の順番として反射層を形成した後に回折構造を形成す
ることもできる。
への漉込安全線として加工することができる。
11)に剥離保護層(112)を塗工し、上記の反射層
(113)を形成し、封止層(114)および接着層
(115)を塗工する。ここで、回折構造を形成する場
合には、剥離保護層の上に熱成形性を考慮した回折構造
形成層を設けることができる。また、性能を満たす場合
には、封止層と接着層を1層で設けることもできる。ま
た、各層に着色もしくは蛍光材料を入れることができ
る。これらの転写箔を媒体に転写するには、ホットスタ
ンプなどの転写機を用いて媒体基材に貼付する。
に上記の反射層(132)を形成し、封止層(133)
および粘着層(134)を塗工する。回折構造を形成す
る場合には、基材に熱成形性を考慮した回折構造形成層
を設けることができる。性能を満たす場合には、封止層
と粘着層を兼ね、1層で設けることができる。また、各
層に着色もしくは蛍光材料を入れることができる。これ
らステッカーは、媒体に貼付して使用する。
基材(141)に上記の反射層(132)を形成し、封
止層(143)を塗工した後、両面に接着層(144)
を塗工する。回折構造を形成する場合には、基材に熱成
形性を考慮した回折構造形成層を設けることができる。
性能を満たす場合には、封止層と接着層を兼ね、1層で
設けることができる。また、各層に着色もしくは蛍光材
料を入れることができる。この漉き込み安全線を、例え
ば1から5mm程度の幅にスリットし、紙を漉く際に漉
き込む。漉き込む方法としては、完全に紙の中に漉き込
む方法と少なくとも片面の少なくとも一部に窓を開け、
直接見えるように漉き込む方法のどちらでもかまわな
い。これら漉き込み安全線を漉き込んだ紙を媒体の基材
として用いることができる。
1)の例である。基体の片面の一部漉き込み安全線を漉
き込んだ用紙にホログラム転写箔もしくはステッカー
(153)を貼付したものである。これら反射体は紙
幣、商品券、株券、パスポート、免許証、カードなどの
有価証券、認証媒体もしくはこれらに準ずる媒体に用い
ることができる。
限定されるものではない。以下に示す漉き込み安全線入
りの用紙により得られた用紙に、印刷により画像や文字
等の情報を設け、さらに、以下のホログラム転写箔によ
り得られた転写箔を転写し、商品券に用いる媒体を得
た。
リエチレンテレフタレート(PET)原反に、ウレタン
系樹脂の剥離保護層をグラビアコーティング法により、
0.5μmの膜厚で塗工した。この原反に、ニッケル製
のホログラム版を取り付けたエンボス機を用いてホログ
ラム画像を形成した。このホログラム画像を形成した面
に、水洗インキによりネガパターンで印刷した後、島部
分の面積率が70%となる条件でSn蒸着により微細海
島構造を形成した。そして、水洗インキを水洗し、パタ
ーン状の反射層を形成した。得られたホログラムにポリ
エステル樹脂系の接着層をグラビアコーティング法によ
り両面に2μmの膜厚で塗工し、2mmの幅にスリット
し、片面の一部が表面に現れるように紙に漉き込んだ。
反に、アクリル系樹脂の剥離保護層をグラビアコーティ
ング法により2μmの膜厚で塗工し、次に、ウレタン系
樹脂のホログラム形成層をグラビアコーティング法を用
いて、0.5μmの膜厚で塗工した。この原反に、ニッ
ケル製のホログラム版を取り付けたエンボス機を用いて
ホログラム画像を形成した。このホログラム画像を形成
した面に、水洗インキによりネガパターンで印刷した
後、島部分の面積率が70%となる条件でSn蒸着によ
り微細海島構造を形成した。そして、水洗インキを水洗
し、パターン状の反射層を形成した。得られたホログラ
ムにアクリル系樹脂の接着層をグラビアコーティング法
により2μmの膜厚で塗工した。
たため、腐食物質によりエッジ部分から連続的に浸され
ることがなくなり、耐性の高い反射体を有する媒体とす
ることができる。
す説明図。
明図。
層の一例を示す説明図。
11、131、141…基材 12、22、32、42、51、62…蒸着物質 72、82、92、113、122、132、142…
反射層 73、83、93、114、123、133、143…
封止層 74…入射光 75…反射光 76…透過光 84、94…傷もしくはクラック 85、95…浸食部分 101…反射層形成部分 102…反射層非形成部分 112、121…剥離保護層 115、124、144…接着層 125、135、151…媒体基材 134…粘着層 152…漉き込み安全線 153…転写箔もしくはステッカー
Claims (8)
- 【請求項1】基材の少なくとも一部に、島部分に反射層
形成物質が存在している微細海島構造を有する反射層を
設けた反射基材の、前記反射基材の反射層を設けた側に
封止層を設けたことを特徴とする反射体。 - 【請求項2】前記反射層が、パターン状であることを特
徴とする請求項1記載の反射体。 - 【請求項3】前記基材が、回折構造を有することを特徴
とする請求項1または2記載の反射体。 - 【請求項4】前記反射層が、真空蒸着法により作製され
たことを特徴とする請求項1ないし3記載のいずれかか
らなる反射体。 - 【請求項5】請求項1ないし4のいずれかからなる反射
体を用いたことを特徴とする転写箔。 - 【請求項6】請求項1ないし4のいずれかからなる反射
体を用いたことを特徴とするステッカー。 - 【請求項7】請求項1ないし4のいずれかからなる反射
体を用いたことを特徴とする漉き込み安全線。 - 【請求項8】請求項5ないし7のいずれかからなる転写
箔、ステッカー、漉き込み安全線のいずれかを基体に設
けたことを特徴とする媒体。
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