JPH11353447A - Icカード及びicモジュール、並びにそれらの製造方法 - Google Patents

Icカード及びicモジュール、並びにそれらの製造方法

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JPH11353447A
JPH11353447A JP16263098A JP16263098A JPH11353447A JP H11353447 A JPH11353447 A JP H11353447A JP 16263098 A JP16263098 A JP 16263098A JP 16263098 A JP16263098 A JP 16263098A JP H11353447 A JPH11353447 A JP H11353447A
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JP
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module
card
hologram
diffraction grating
grating pattern
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JP16263098A
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Takehide Kita
武秀 喜多
Atsushi Kijima
厚 木島
Akihiko Kobayashi
昭彦 小林
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Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】偽造を防止し、万一不正行為が行われても発見
が容易なアイテムを設けたICカード及びICモジュー
ル並びにそれらの製造方法を提供し、特にICモジュー
ル自体にそれらへの信頼性を付与すると共に、カードの
デザイン上の自由度を高めることを可能とする技術を提
供する。 【解決手段】ICモジュールにOVDを設け、特に接触
式ICカードの場合はICモジュール基板の表面電極上
に、好ましくは表面電極の中央のグラウンド電圧端子に
設け、、形成法としては、積層して設けたOVD構造体
であって、反射性薄膜層に絶縁状態の島状金属膜を用い
るとか、あるいは表面電極を構成するICモジュール基
板の金属箔の部分にOVDのレリーフを設け、表面電極
とOVDを一体化させることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はクレジットカード、キャ
ッシュカード、IDカード、銀行系カード、等に代表さ
れるカード類に使用されるいわゆるICカードに係わ
る。
【0002】
【従来の技術】光の干渉を用いて立体画像や特殊な装飾
画像を表現し得る、ホログラムや回折格子パターンのよ
うなOVD(Optical Variable Device )の開発が進め
られている。OVDは高度な製造技術を要し、且つシー
ト状に形成可能なことから、偽造防止手段としてクレジ
ットカード等に貼着して使用されている。そして、OV
Dをこれらの物品に貼着するための方法として、転写技
術を応用して例えば転写シート(もしくは転写箔)を用
いてOVDを転写する方法が従来用いられている。
【0003】尚、ホログラムや回折格子パターンなど
は、微細な凹凸パターンや、屈折率の異なる縞状パター
ンなどの回折構造を用いて形成されており、以下ではホ
ログラムや回折格子パターンなどのことを総称してOV
Dと称することとする。
【0004】図9は、従来のホログラム転写シートの構
成例を示す断面図である。このホログラム転写シート
は、支持体としての基材81上に剥離層82が形成さ
れ、剥離層82上にホログラム形成層83が形成されて
いる。ホログラム形成層83上には、ホログラム形成層
83のレリーフ84を覆うように反射性薄膜層85が形
成されている。反射性薄膜層85上には接着層86が形
成されている。
【0005】尚、上記の説明及び以降の説明において
も、断面図と説明文とでは上下の関係が逆になっている
が、上下の関係は転写シートを観察する方向(または、
物品に転写形成する場合の使用状態)に応じて変更する
ためであり、本質的なことではない。
【0006】また、物品の表面に転写形成した場合、剥
離層82は基材81との界面にて剥離し、物品側に移行
して保護層としても機能することになるため、「剥離性
保護層」と称することもある。さらに、基材を除いた、
物品側に移行する各層を総称して「転写層」と称するこ
ととする。
【0007】各図面は、転写シートの構成を模式的に表
現するものであり、各層の厚さなどの寸法は、実際の製
造物に則したものではない。
【0008】ホログラムは、一般的に光学的な撮影方法
により微細な凹凸パターンからなるレリーフ型のマスタ
ーホログラムを作製し、これから電気メッキ法により凹
凸パターンを複製したニッケル製のプレス版を複製し、
このプレス版をホログラム形成層83上に加熱押圧する
という周知の方法により大量複製が行われている。この
タイプのホログラムは、レリーフ型ホログラムと称され
ている。
【0009】またレリーフ型ホログラムとは異なり、感
光性樹脂などの記録材を用いて、体積方向に干渉縞を記
録する体積型ホログラムと称されるものもある。この型
のホログラムではリップマンホログラムと呼ばれるもの
が一般に使用されており、これは感光性樹脂の屈折率を
体積方向に変化させ、反射型ホログラムとしたものであ
る。
【0010】さらに、レリーフ型で大量複製し、偽造防
止手段としてクレジットカード等の一部に貼着して使用
されているものとして、ホログラム画像とは異なる回折
格子パターンが挙げられる。一例として、複数の微小な
ドットを所望に配置した回折格子パターンを用いる方法
があり、本出願人による特開昭60ー156004号公
報・特開平2−72319号公報・特開平5−7240
6号公報などに代表される方法が公知である。これらの
方法は、2本のレーザービームをフォトレジスト上で交
叉させ、ドット単位で露光させることにより双方のレー
ザービームを干渉させて、各ドットに形成される微小な
干渉縞からなる回折格子を、そのピッチ・方向・光強度
を適宜変化させながら次々と露光記録し、回折格子ドッ
ト(セル)の集まりからなるパターンを作製する方法
(2光束干渉法)である。
【0011】回折格子は、感光材料に入射する2光束の
角度によって、そのピッチ(空間周波数の逆数)が変わ
り、回折格子の方向は2光束の入射する方向によって変
わる。作製されたパターンの観察時には,前記ピッチは
見える色に、前記方向は見える方向に、それぞれ関係す
る。また、露光の際の光強度は、干渉縞の深さを変更す
ることになり、観察時には見える明るさとして関係する
ことになる。回折格子パターンの作製方法は、上記の2
光束干渉法に限定されるものではなく、電子線(エレク
トロンビーム、いわゆるEB)により、EBレジストの
表面に格子縞を直接描画し、回折格子ドット(セル)を
配置する方法を採用しても良い。前記の方法は、例えば
本特許出願人による特開平2−72320号公報により
公知である。
【0012】ちなみに、上記のレーザービームを用いた
場合、EBを用いた場合、何れもマスターから、電気メ
ッキ法により凹凸パターンを複製するのは、ホログラム
の場合と同じである。さらに、例えば、マスターを作製
する工程か、もしくはニッケル製のプレス版を作製する
工程で、ホログラムと回折格子パターンとを適宜に組み
合わせることも可能である。これによると、ただ単にホ
ログラムだけの場合と単に回折格子パターンだけの場合
と比較して、また違った装飾的効果を発揮することがで
き、またその製造の困難さからセキュリティ性向上の効
果を享受することにも繋がる。
【0013】また、大量複製されたOVDを有する転写
シートを転写、貼着する方法は、金属の加熱された刻印
と被転写体の間に転写シートを配置し、転写シートを刻
印で被転写体に押圧するホットスタンプ方式が一般的で
あり、他にも加熱された刻印の代わりに加熱されたロー
ルを使用するロール転写方式などが利用されている。ま
た、これらOVDを有する転写シートをカード類のオー
バーコートとして使用する動きも拡がっており、この関
連でサーマルヘッドを用いて転写シートを転写するサー
マルヘッド転写方式も利用されている。
【0014】一方、いわゆるクレジットカード、IDカ
ード、あるいはキャッシュカード等のカード類の分野に
おいては、磁気カードに代わる次世代のカードとでもい
うものとして、カード素材にマイクロプロセッサや、R
AMあるいはROM等の半導体メモリを含むICモジュ
ールを搭載したいわゆるICカードが、情報記録容量が
非常に大きいことや、高セキュリティ性を有することか
ら開発が進められてきている。
【0015】これらのICカードは、情報やエネルギの
伝達を電気的接点を介して接触式で行うタイプと、電気
的接点を使用せず非接触式で行うタイプとに大別され
る。
【0016】接触式タイプは、カード表面に露呈された
外部端子に直接リーダー側端子を接触、接続して電源供
給および情報通信を行うもので、現在のICカードのタ
イプとしては殆どがこの範疇に入る。この接触式のカー
ドの読み取りは、良好なカードに対してのエラー率は極
めて低い反面、外部端子が摩耗により損傷を受けやす
く、損傷を受けると電気導通性が失われて読み取りがで
きなくなる問題や、カードの表面に帯電した静電気の影
響を受けやすく、その静電気が読み取りエラーの原因と
なるという問題がある。
【0017】いっぽう、非接触式タイプは、メモリ用の
ICチップと電力供給および通信用アンテナとしての機
能を持ったコイルから構成され、情報通信を非接触で行
うものである。このカードに使用される非接触型ICモ
ジュールは、カード化の際に通信用端子をカード表面に
露呈する必要がないため、外部端子の損傷や静電気によ
る読み取りエラーの心配はない。このような非接触型I
Cモジュールは、その記憶情報量、電送媒体方式、読み
書き距離等により形状も異なっている。なかでもコイル
形状は、電送媒体方式の違いなどにより、円形タイプの
ものや長方形を中心とする多角形からなるもの等多種多
様である。
【0018】さらに、現状では前述した非接触型ICカ
ードと接触型ICカードを組合せ、1チップで非接触機
能と接触機能を実現させた、複合ICカードが提案され
ている。すなわち、非接触型の使い勝手の良さと接触型
のセキュリティとを組み合わせて、便利なアプリケーシ
ョンを実現することを目的として製造される複合ICカ
ードである。
【0019】これらのICカードを、クレジットカード
等の偽造防止が必要とされるカードに使用する場合、従
来通りOVDを偽造防止アイテムとして使用することが
考えられるが、従来通りの位置にOVDを設けた場合、
ICモジュールの存在によりカード表面のデザインが非
常に制約されてしまうという問題点が考えられる。
【0020】また、ICカードの偽造を考えた場合、正
規のICチップに記録された情報を偽造ICチップにコ
ピーする不正行為も危惧されるところから、これに対抗
すべく、例えば、ICチップの正当性を証明するための
偽造防止アイテムをICカードに設けることが期待され
るようになってくる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記従来の技
術のもつ問題点に鑑みてなされたものであり、ICモジ
ュールに新奇な技術により偽造防止でき、万一それらの
不正行為が行われても発見が容易なアイテムを設けたI
Cカード及びICモジュール並びにそれらの製造方法を
提供することを目的とし、特には、ICモジュール自体
に偽造防止能力及び万一不正が行われてもその発見を容
易とすることへの信頼性を付与すると共に、カードのデ
ザイン上の自由度を高めること、これらを可能とするア
イテムを設ける技術を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明では、ICモジュールにOVDを設けた。特
に、接触式ICカードの場合はICモジュール基板の表
面電極上に設けることで、カードデザインの自由度を高
くした。さらに、ICチップの電気的特性に影響を及ぼ
さないように、OVDを設ける場所として、表面電極の
中央部に設けられたグラウンド電圧端子とし、積層して
設けたOVD構造体の反射性薄膜層に絶縁状態の島状金
属膜を用いた。また、別の好ましい手段として、ICモ
ジュールの偽造防止性を高めるために、表面電極を構成
するICモジュール基板の金属箔の部分にOVDのレリ
ーフを設け、表面電極とOVDを一体化するようにし
た。この金属箔としては、特に銅箔が本発明には最も好
適であり、且つICモジュール基板の金属箔には銅泊が
使用されることが既に一般的でもある。但し、本発明
は、銅箔以外の金属箔であっても好適である。
【0023】また、上記ICカードのICモジュール上
にOVDを設ける方法としては、ICチップが圧力によ
り破壊されやすいことを考慮すると、実用性の高い技術
は自ずと限られてくる。本発明では、ICモジュール基
板の表面電極の所望の位置に接着剤をパターン状に設
け、OVD転写箔をその上に重ね、刻印にて低圧で接触
・接着させた後、OVD転写箔のベースフィルムを剥離
する方法を用いた。また、別の好適な手段としては、金
属箔(好適な例としては銅箔)にOVDのレリーフを形
成し、これをガラスエポキシ基材へラミネートした基板
を使用して、ICモジュールを作製する方法を用いた。
【0024】まず、請求項1に示す発明は、ホログラム
または回折格子パターンのいずれかをICモジュールに
設けたことを特徴とするICカードである。
【0025】請求項2に示す発明は、請求項1のICカ
ードを基本とし、特に、ホログラムまたは回折格子パタ
ーンのいずれかを設ける部位を、接触式ICカードに使
用可能なICモジュールの表面電極の一部またはほぼ全
面のいずれかとすることを特徴とする。
【0026】請求項3に示す発明は、請求項1又は2の
いずれかのICカードを基本とし、特に、ホログラムま
たは回折格子パターンのいずれかを設ける部位を、表面
電極の中央部に設けたグラウンド電圧端子としたことを
特徴とする。
【0027】請求項4に示す発明は、請求項1乃至3の
いずれかのICカードを基本とし、特に、反射性薄膜層
が、少なくとも一部に設けられたホログラムまたは回折
格子パターンのいずれかの構造体を積層状態でICモジ
ュールに設けたICカードであり、該反射性薄膜層には
島状に配置され互いに絶縁状態にある金属薄膜を用いて
いることを特徴とする。
【0028】請求項5に示す発明は、請求項1乃至3の
いずれかのICカードを基本とし、特に、ホログラムま
たは回折格子パターンのいずれかのレリーフを、金属箔
を用いたICモジュール基板の該金属箔に設けたことを
特徴とする。
【0029】それから、請求項6に示す発明は、ホログ
ラムまたは回折格子パターンのいずれかを設けたことを
特徴とするICモジュールである。
【0030】請求項7に示す発明は、請求項6のICモ
ジュールを基本とし、特に、ホログラムまたは回折格子
パターンのいずれかを設ける部位を、接触式ICカード
に使用可能なICモジュールの表面電極の一部または全
面のいずれかとすることを特徴とする。
【0031】請求項8に示す発明は、請求項6又は7の
いずれかのICモジュールを基本とし、特に、ホログラ
ムまたは回折格子パターンのいずれかを設ける部位を、
表面電極の中央部に設けたグラウンド電圧端子としたこ
とを特徴とする。
【0032】請求項9に示す発明は、請求項6乃至8の
いずれかのICモジュールを基本とし、特に、反射性薄
膜層が少なくとも一部に設けられたホログラムまたは回
折格子パターンのいずれかの構造体を積層状態でICモ
ジュールに設けてあり、該反射性薄膜層には島状に配置
され互いに絶縁状態にある金属薄膜が用いられているこ
とを特徴とする。
【0033】請求項10に示す発明は、請求項6乃至8
のいずれかのICモジュールを基本とし、特に、ホログ
ラムまたは回折格子パターンのいずれかのレリーフを、
金属箔を用いたICモジュール基板の該金属箔に設けた
ことを特徴とする。
【0034】請求項11に示す発明は、ICモジュール
基板の表面電極の所望する任意の部位に接着剤をパター
ン状に設けた上ヘ、ホログラム転写箔または回折格子パ
ターン転写箔のいずれかを重ね、柔軟な材質の刻印を用
いて低圧で接触させることにより接着させ、しかる後に
前記ホログラム転写箔または回折格子パターン転写箔の
いずれかのベースフィルムを剥離することによって、ホ
ログラムまたは回折格子パターンをICモジュール上に
設けることを特徴とするICカードの製造方法である。
【0035】請求項12に示す発明は、ホログラムまた
は回折格子パターンのいずれかのレリーフを金属箔に形
成し、これをガラスエポキシ基材又はポリイミド基材の
いずれかへラミネートすることによりICモジュール基
板を作成し、該ICモジュール基板を用いてICモジュ
ールを作成し、しかる後に該ICモジュールを用いてI
Cカードを製造することを特徴とするICカードの製造
方法である。
【0036】請求項13に示す発明は、金属箔をガラス
エポキシ基材又はポリイミド基材のいずれかへラミネー
トした後に、ホログラムまたは回折格子パターンのいず
れかのレリーフを該金属箔に形成することによりICモ
ジュール基板を作成し、該ICモジュール基板を用いて
ICモジュールを作成し、しかる後に該ICモジュール
を用いてICカードを製造することを特徴とするICカ
ードの製造方法である。
【0037】請求項14に示す発明は、ICモジュール
基板の表面電極の所望する任意の部位に接着剤をパター
ン状に設けた上ヘ、ホログラム転写箔または回折格子パ
ターン転写箔のいずれかを重ね、柔軟な材質の刻印を用
いて低圧で接触させることにより接着させ、しかる後に
前記ホログラム転写箔または回折格子パターン転写箔の
いずれかのベースフィルムを剥離することによって、ホ
ログラムまたは回折格子パターンをICモジュール基板
上に設けることを特徴とするICモジュールの製造方法
である。
【0038】請求項15に示す発明は、ホログラムまた
は回折格子パターンのいずれかのレリーフを金属箔に形
成し、これをガラスエポキシ基材へラミネートすること
によりICモジュール基板を作成し、しかる後に該IC
モジュール基板を用いてICモジュールを製造すること
を特徴とするICモジュールの製造方法である。
【0039】請求項16に示す発明は、金属箔をガラス
エポキシ基材又はポリイミド基材のいずれかへラミネー
トした後に、ホログラムまたは回折格子パターンのいず
れかのレリーフを該金属箔に形成することによりICモ
ジュール基板を作成し、しかる後に該ICモジュール基
板を用いてICモジュールを製造することを特徴とする
ICモジュールの製造方法である。
【0040】
【発明の実施の形態】本発明は、図に示すように、IC
モジュールにOVDを設けたICカードである。また、
上記ICモジュールにOVDを設けたICカードの製造
方法である。
【0041】以下、図に基づき実施の形態を説明する。
まず、本発明の転写方式による接触式ICカードについ
て説明する。図1は、本発明の一実施例におけるOVD
付きICカードの平面図である。図1に示すように、I
Cカード10上に設けた接触式のICモジュール基板1
1の表面電極12上にOVD13を設けてOVD付きI
Cカードとしたものである。尚、昨今は、非接触式と接
触式との両方の機能を1個のICチップに備えた形式の
ICカード(場合により複合型ICカードと称されたり
する)や、非接触式と接触式との各機能を個別のICチ
ップに備えた形式のICカードについても、研究・開発
がなされている様子であるが、本発明は、少なくとも接
触式で情報やエネルギの伝達を行う為の機能・構造を備
えたICカードの場合には、非接触式の為の機能・構造
も備えているICカードであっても好適に応用可能であ
る。
【0042】ICカード10のカード基材としては、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリエス
テル、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、あ
るいはポリスチレン等の合成樹脂、また天然樹脂などを
用いて、これらのいずれか単独で選択されたもの、また
は上記より適宜選択されて組み合わされた複合体が使用
可能である。
【0043】ICモジュール基板11の表面電極12の
表面は、通常はAuの金属メッキが施されている。特に
本発明ではOVDを表面上に接着させるため、接着処理
が容易でかつ保存性の良い材質で表面処理をすることが
望ましく、Ni、Crなどの接着性が良く保存性の良い
金属をメッキ処理することが望ましい。
【0044】図2は、本発明の一実施例におけるOVD
付きICモジュール基板の平面図である。図2に示すよ
うに、ICモジュール基板20の表面電極21〜28
は、8つの外部端子を形成しており、それぞれ回路電圧
端子21、リセット信号端子22、クロック信号端子2
3、予備端子24、グラウンド電圧端子25、プログラ
ム供給電圧端子26、データ入出力端子27、予備端子
28となっている。
【0045】ICモジュール端子のデザインは、ICカ
ードリーダーのコンタクトピンが接触する位置に各端子
が位置すればどの様なものでも良いが、コンタクト位置
以外の部分すなわちICモジュール基板の中央部分は、
通常グラウンド電圧端子で埋めるのが一般的である。
【0046】本発明では、ICモジュール基板11の表
面電極12にOVD13を設けるため、ICチップの電
気的特性に最も影響を与えないグラウンド電圧端子25
にOVD29を設けることが最も望ましいが、他にも予
備端子24、28等の電気的特性に影響を与えないに端
子に設けることが可能である。また、ICモジュール基
板20にOVD29を設ける場合、デザイン上、またコ
ンタクトピンの接触位置を考慮すると、ICモジュール
基板20の中央に設けることが最も良く、図2ではグラ
ウンド電圧端子25を伸ばして中央部に配置してある。
なお、OVD29を回路電圧端子21や予備端子24、
28に設ける場合は、同様にICモジュール基板20の
中央部に端子を伸ばして配置すれば良い。
【0047】図3は、本発明の一実施例におけるOVD
付きICカードの断面図である。図3に示すように、I
Cモジュール30はガラスエポキシ基材31の片面に銅
配線パターン32が形成され、その上に金属メッキ33
を施すことで外部端子を形成し、ICチップ34をガラ
スエポキシ基材31のもう一方の面にボンディングし、
ワイヤ35によりICチップ34と外部端子との接続を
ワイヤボンディング方式により行い、次いでトランスフ
ァモールド方式によりモールド樹脂36にてICチップ
34を封止して作製される。このICモジュール30を
接着剤371にて予めICモジュール相当の凹部を設け
たカード基材38に接着してICカードを製造する。更
に、外部端子の金属メッキ33上に接着剤372を介し
てOVD転写層39が設けられている。本説明は、一般
的な製造工程によるICカードを例に説明したが、IC
チップと外部端子の接続方法はバンプ方式、ICチップ
の封止はポッティング方式などを用いる場合もある。
【0048】OVD転写層39は、接着剤372を介し
て金属メッキ33上に接着しているが、接着剤372は
金属メッキ33とOVD転写層39に接着性の良いもの
であれば良い。例えば、アクリル樹脂系、ウレタン樹脂
系、エポキシ樹脂系、ポリイミド樹脂系、フェノール樹
脂系などの接着剤を使用することが可能である。また、
常温硬化型の接着剤を用いるのが望ましく、嫌気性硬化
型、UV硬化型、EB硬化型、FGA(第1世代アクリ
ル系接着剤)およびSGA(第2世代アクリル系接着
剤)に代表される反応性硬化型などの接着剤を用いるこ
とができる。
【0049】図4は、本発明の一実施例におけるOVD
転写箔の断面図である。図4に示すようにOVD転写箔
は、基材41に剥離層42、OVD形成層43をグラビ
アコーティング等の塗工手段により形成し、次いで公知
のエンボス法によりレリーフ型OVDのレリーフ44を
形成し、これに真空蒸着等の薄膜形成手段により反射性
薄膜層45を形成した後、最後にプライマー層46をグ
ラビアコーティング等の塗工手段により形成して得られ
る。また、剥離層42からプライマー層46までの層を
まとめてOVD転写層40と称する。
【0050】基材41は、透明なポリエチレンテレフタ
レートフィルムが一般的で望ましいが、他にもポリ塩化
ビニル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリメタク
リル酸メチル、ポリスチレン等の合成樹脂、天然樹脂、
紙、合成紙などから単独で選択されたもの、または上記
より選択されて組み合わされた複合体が使用可能となっ
ている。厚みは、熱転写の場合は加工適性上、12〜2
5μmの範囲にあることが好ましい。
【0051】剥離層42は、OVD転写層40をより効
果的にICモジュール基板11の表面電極12上に転写
するために設けられたものであり、熱可塑性アクリル樹
脂、ポリエステル樹脂、塩化ゴム系樹脂、塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合樹脂、セルロース系樹脂、塩素化ポリ
プロピレン樹脂あるいはこれらにオイルシリコン、脂肪
酸アミド、ステアリン酸亜鉛を添加したものが使用可能
となっている。または、無機物を使用してもよい。形成
方法は、グラビアコーティング等の公知の塗工手段を用
いることが可能で、厚みは0.5〜1.5μmの範囲に
あることが好ましい。
【0052】OVD形成層43は、エンボス成形性が良
好で、プレスムラが生じ難く、明るい再生像が得られ、
剥離層42及び反射性薄膜層45との接着性が良好であ
る樹脂であって、例えば、ウレタン樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂など
の熱可塑性樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹
脂、エポキシ樹脂、ウレタン(メタ)アクリレート、ポ
リエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)ア
クリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、メラミ
ン(メタ)アクリレート、又はトリアジン(メタ)アク
リレートなどの熱硬化性樹脂あるいはこれらの混合物、
それからラジカル重合性不飽和基を有する熱成型性材料
などが使用可能であり、また上記以外のものでも、回折
構造を形成可能な安定性を有する材料であれば使用可能
である。形成方法は、グラビアコーティング等の公知の
塗工手段を用いることが可能で、厚みは0.5〜1.5
μmの範囲にあることが好ましい。
【0053】レリーフ型OVDのレリーフ44は、レリ
ーフ型OVDを構成する微細な凹凸パターンが形成され
たニッケル製のプレス版を、OVD形成層43上に加熱
押圧するなどの周知の方法により形成可能である。ま
た、加熱押圧は反射性薄膜層45を形成する前でも形成
した後でもどちらでも可能である。
【0054】反射性薄膜層45は、光線を反射する層で
あって、金属反射性を有する物質が使用可能である。例
えば、Al、Au、Ag、Cu、Snなどの金属が考え
られるが、金属を使用する場合には、本発明のOVD転
写箔が導体である金属と不導体である樹脂との積層体で
あるため、表面電極に積層した場合にはコンデンサーを
形成し、ICチップの電気的特性に悪影響を及ぼすこと
になる。このため、金属を使用する場合には、Sn、A
uなどを島状に蒸着して得られる、絶縁状態で金属光沢
を有する金属膜を用いることが望ましい。なお、他の金
属を使用した場合も、蒸着による薄膜形成過程の初期で
は、ほとんどの金属が島状構造を取るため、この状態の
薄膜を形成すればどのような金属も使用することができ
る。形成方法としては、真空蒸着法、スパッタリング
法、イオンプレーティング法等の成膜手段が適用可能で
あり、膜厚としては10〜150nmの範囲にあること
が好ましい。
【0055】また、反射性薄膜層45としては、反射性
と透過性を合わせ持つ高屈折率透明材料を使用すること
も可能である。すなわち、OVD形成層43(屈折率n
=1.3〜1.5)よりも屈折率が高く、透明性を持つ
材料、例えば次表1に示す無機材料が使用可能となって
いる。
【0056】
【表1】
【0057】プライマー層46は、反射性薄膜層45を
保護するためのもので、表面電極に接着させるための接
着剤372に接着性の良い樹脂でかつ反射性薄膜層45
を変質させたり侵すものでなければ通常用いられるもの
でよく、ウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリス
チレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などの熱可塑性樹脂、
不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹
脂、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メ
タ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポ
リオール(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アク
リレート、トリアジン(メタ)アクリレートなどの熱硬
化性樹脂あるいはこれらの混合物などが使用可能である
が、これらに限定されるものではない。形成方法は、グ
ラビアコーティング等の公知の塗工手段を用いることが
可能で、厚みは0.5〜1.5μmの範囲にあることが
好ましい。
【0058】また、2液接触硬化型の反応性硬化型接着
剤を用いる場合は、プライマー層46は、表面電極に接
着させるための接着剤372と反応して、硬化型の接着
を行うためのもので、重合促進剤(還元剤)または重合
触媒(開始剤)を含む材料が用いられる。形成方法は、
エアーブラシ等の公知の塗工手段を用いることが可能で
ある。
【0059】図5は、本発明の一実施例におけるICカ
ードの製造方法を示す説明図である。尚、図5(A〜
C)は、ICカードにOVDを転写方式にて設ける場合
の製造工程を示すものである。まず、図3で説明したよ
うに一般的な製造工程によって、ICモジュール52を
作製し、ICモジュール52を凹部を設けたカード基材
51に接着してICカードを作製する。
【0060】次に、図5(A)に示すように、ICモジ
ュール52の表面電極53上にスクリーン印刷法、パッ
ド印刷法等の印刷方法により、任意の形状で接着剤54
を形成する。接着剤54は、前述したようなエポキシ樹
脂系、ポリイミド樹脂系、フェノール樹脂系などの接着
剤を使用することができるが、常温硬化型の接着剤を用
いるのが好ましい。尚、厚みは1〜30μm程度の範囲
にあることが好ましい。
【0061】次に、図5(B)に示すように、前記接着
剤54の上部にOVD転写箔55を配置し、刻印56で
OVD転写箔55を接着剤54に低圧で押し付けて、接
着させる。ここでいう低圧とは、ICモジュールの機能
が破壊されない程度の圧力を指す。刻印56に用いる材
質は、Fe、Al、Niなどの金属材料またはそれらの
合金などが好適に使用可能な例である。これらの硬い材
料を用いた場合は圧力ムラが出やすいため、均一に接着
させようとすると圧力がかかりすぎ、ICチップが破壊
されてしまう恐れがある。このため、接着剤54を柔軟
性があり、10μm以上の厚い厚みで形成し、圧力を殆
どかけない状態で刻印56を保持して接着させる必要が
ある。 低圧で圧力ムラなく押圧することを考慮する
と、シリコンゴム、天然ゴム、SBRなどのゴム材料を
刻印56に用いることが好ましい。
【0062】次いで、図5(C)に示すように、接着剤
54とOVD転写箔55のOVD転写層552が接着し
た後に、刻印56を除去してOVD転写箔55を引き上
げることで、接着した部分のOVD転写層552のみが
表面電極53上に残り、OVD57が形成される。
【0063】次に、本発明の銅箔方式による接触式IC
カードについて説明する。図6は、本発明の一実施例に
おけるOVD付きICカードの断面図である。図6に示
すように、ICモジュール60はガラスエポキシ基材6
1の片面に銅配線パターン62が形成され、この銅配線
パターン62にOVDのレリーフ63が形成されてお
り、その上に金属メッキ64を施すことで外部端子を形
成し、ICチップ65をガラスエポキシ基材61のもう
一方の面にボンディングし、ワイヤ66によりICチッ
プ65と外部端子との接続をワイヤボンディング方式に
より行い、次いでトランスファモールド方式によりモー
ルド樹脂67にてICチップ65を封止して作製され
る。このICモジュール60を接着剤68にて予めIC
モジュール相当の凹部を設けたカード基材69に接着し
てICカードを製造する。
【0064】図7は、本発明の一実施例に係わるICカ
ードの製造方法を示す説明図である。図7(A、B)
は、金属箔にOVDをレリーフで形成する方式の場合の
ICモジュール基板の製造方法の一実施例を示す説明図
である。
【0065】ここでは金属箔として、好例である銅箔を
挙げて説明する。まず図7(A)に示すように、電解方
式により電解装置70にて、OVD入り銅箔722を作
製する。すなわち、電解タンク741内に満たされた電
解液742中で、回転陰極71と電解陽極73の間に電
圧をかけ、電解により回転陰極71に銅箔を電着させて
巻き取り部75にて巻き取る銅箔の作製方法において、
回転陰極71にOVDのレリーフを有するOVDシム7
21を巻き付けて電解を行うことで、OVD入り銅箔7
22を作製する。その後、公知のトリート工程によりレ
リーフ面とは逆の面に、粗面化処理、耐熱バリヤー処
理、防錆処理などの処理(図示せず)を施しOVD入り
銅箔723を作製する。
【0066】次に図7(B)に示すように、作製したO
VD入り銅箔723のレリーフ面とは逆の粗面化処理面
と、ガラスエポキシ基材77との間に接着テープ78を
配置し、ラミネートロール79により熱圧で接着ラミネ
ート処理により接着させ、ICモジュール基材76を作
製する。接着テープは、エポキシ樹脂、ポリイミド樹
脂、フェノール樹脂などを用いることができる。以下、
図3で説明したように一般的な製造工程により、ICモ
ジュール60を作製し、ICモジュール60を凹部を設
けたカード基材69に接着してICカードを作製する。
【0067】前記の説明は、特に電解方式による銅箔の
作製方法を例に挙げて、銅箔にOVDを形成する方法に
ついて述べたものである。この他にも、例えば圧延方式
により銅箔を作製した場合や、電解時にOVDを形成せ
ずに電解方式により銅箔を作製した場合には、銅箔を作
製した後に通常のエンボス方式によりレリーフを形成す
る方法や、エッチング、機械切削によりレリーフを形成
する方法などを用いることができる。
【0068】また、ホログラムまたは回折格子パターン
のいずれかのレリーフを金属箔に形成し、これを基材
(例えばガラスエポキシ基材又はポリイミド基材のいず
れか)へラミネートすることによりICモジュール基板
を作成し、そのICモジュール基板を用いてICモジュ
ールを作成すること、そしてそのICモジュールを用い
てICカードを製造する場合も可能である。
【0069】あるいは、まず金属箔をガラスエポキシ基
材又はポリイミド基材のいずれかへラミネートした後
に、ホログラムまたは回折格子パターンのいずれかのレ
リーフを該金属箔に形成することによりICモジュール
基板を作成し、そのICモジュール基板を用いてICモ
ジュールを作成すること、そして、そのICモジュール
を用いてICカードを製造する場合も可能である。尚、
以上は使用する金属材料の代表的具体例として銅を挙げ
て説明してきたが、銅以外の金属を使用した金属箔を用
いた場合であっても、銅の場合を基本にして各金属材料
に応じて適宜応用することも可能である。
【0070】
【実施例】以下、本発明の実施例1について説明する。 <実施例1>実施例1は、本発明の転写方式を応用して
製造する接触式ICカードの例である。まず、本発明の
OVD転写箔について図4を用いて説明する。
【0071】基材41は、厚さ25μmの透明なポリエ
チレンテレフタレートフィルムである。
【0072】剥離層42は、以下の配合比からなる組成
物をグラビア印刷法により、乾燥温度110℃、厚さ
0.8μmで形成した。
【0073】 アクリル樹脂 …30部 ポリエステル樹脂 … 5部 トルエン …40部 メチルエチルケトン …40部 メチルイソブチルケトン …20部
【0074】OVD形成層43は、以下の配合比からな
る組成物をグラビア印刷法により、乾燥温度110℃、
厚さ0.5μmで形成した。
【0075】 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 …25部 ウレタン樹脂 …10部 メチルエチルケトン …70部 トルエン …30部
【0076】また、レリーフ44は、このような組成の
OVD形成層43に対し、版面温度が165℃の公知の
ロールエンボス成形を行うことにより形成した。OVD
としてはホログラムを用いた。
【0077】反射性薄膜層45はSnを公知の真空蒸着
法を利用し、且つその面の全面に形成するのではなく、
島状にそれぞれ離散配置することで、相互に絶縁された
状態に形成した。
【0078】プライマー層46は、SGA接着剤の重合
促進剤(還元剤)を用い、エアーブラシにより、厚さ
0.2μmで形成した。なおプライマー層46は、以下
に説明する転写工程の手前に設けたプライマー形成部に
て形成した。
【0079】次に、本発明のICカードの製造方法につ
いて図2および図5を用いて説明する。まず、図3で説
明したような一般的な製造工程によりICカードを作製
し、その後上記方法にて作製したOVD転写箔55をI
Cカード上に配置し、図5に示すような方法でICカー
ドのICモジュール52の表面電極53上にOVD転写
層552を転写、貼着した。
【0080】接着剤54は、SGA接着剤の重合触媒
(開始剤)入りの主剤を用い、スクリン印刷法により厚
さ3.0μmで形成した。また図2に示すように、形成
する位置は表面電極上のグラウンド電圧端子25上と
し、形状はOVD29と同じ形状の角Rをつけた長方形
状に形成した。なお接着剤54は、転写工程の手前に設
けた接着剤形成部にて形成した。
【0081】刻印56は、ICモジュール52が設けら
れている凹部より大きいサイズのシリコンゴム製の刻印
を用い、下記の転写条件で転写、貼着を行った。
【0082】 転写圧力 …10〜20gf/cm2 圧力保持時間(転写時間)…10分 硬化条件 …常温放置1日
【0083】上記方法にて作製したICカードは、IC
モジュール上にホログラムが貼着されたデザイン自由度
の高いカードであり、ICカードリーダーを用いて、正
規に情報を読み取ることができた。
【0084】<実施例2>以下、本発明の実施例2につ
いて説明する。実施例2は、本発明の銅箔にレリーフを
形成する方式により製造する接触式ICカードの例であ
る。本発明に係わるOVD入り銅箔および本発明のIC
カードの製造方法について、図6および図7を用いて説
明する。
【0085】まず、図7(A)に示すように、硫酸銅水
溶液に添加物を加えた電解液742を用い、電解方式に
より電解装置70にて、下記条件にて厚み35μmのO
VD入り銅箔722を作製した。
【0086】 銅イオン濃度 … 85g/l 硫酸濃度 …150g/l 塩素イオン濃度 … 30mg/l ゼラチン濃度 … 3ppm 液温 … 50℃ 電流密度 … 60A/dm2
【0087】OVDシム721は、公知のNi電鋳法に
より作製した。また、材質はNiを用い、レリーフ面に
アルカリ処理を施した。OVDは、実施例1と同様にホ
ログラムを用いた。
【0088】その後、公知のトリート工程により、レリ
ーフ面とは逆の面に粗面化処理、耐熱バリヤー処理、防
錆処理などの処理を施し、OVD入り銅箔723を作製
した。
【0089】次に図7(B)に示すように、下記条件に
て接着ラミネート処理を行い、ICモジュール基材76
を作製する。
【0090】 接着テープ …エポキシ樹脂系接着テープ ラミネート温度 …200℃ ラミネート時間 …15秒/mm
【0091】その後、図6で説明したように一般的な製
造工程により、ICモジュール60を作製し、ICモジ
ュール60を凹部を設けたカード基材69に接着してI
Cカードを作製した。
【0092】上記方法にて作製したICカードは、IC
モジュールとホログラムが一体となった偽造防止性の高
いカードであり、ICカードリーダーを用いて、正規に
情報を読み取ることができた。
【0093】<実施例3>以下、本発明の実施例3につ
いて説明する。実施例3は、本発明の銅箔方式による接
触式ICカードである。本発明のOVD入り銅箔および
本発明のICカードの製造方法について説明する。
【0094】まず、一般的な製造工程により、銅箔とポ
リイミドフィルム基材とを接着ラミネート処理により貼
り合わせる。次いで、通常のエッチング工程により、銅
箔に端子パターンを形成し、その後通常のメッキ工程に
よりNi、Auをメッキして、ICモジュール基材を作
製する。
【0095】このICモジュール基材を、下記の条件に
よる通常のロールエンボス工程を通し、ICモジュール
基材の銅箔部分にレリーフを形成し、OVD入りICモ
ジュール基材を作製した。OVDは実施例1と同様にホ
ログラムを用いた。 エンボス速度…5m/min エンボス圧力…700kg/cm2
【0096】その後、図6で説明したように一般的な製
造工程により、ICモジュール60を作製し、ICモジ
ュール60を凹部を設けたカード基材69に接着してI
Cカードを作製した。
【0097】上記方法にて作製したICカードは、IC
モジュールとホログラムが一体となった偽造防止性の高
いカードであり、ICカードリーダーを用いて、正規に
情報を読み取ることができた。
【0098】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明ではI
Cモジュールにホログラムまたは回折格子パターンを設
けたことで、ICモジュールの信頼性を確保し、カード
デザインの自由度の高い、偽造防止性の高いICカード
を提供することができる。特に、ICモジュール基板の
表面電極上にホログラムまたは回折格子パターンを設け
ることで、カードデザインの自由度を高くすることがで
きる。
【0099】また、表面電極の中央部に設けられたグラ
ウンド電圧端子にホログラムまたは回折格子パターンを
設けることと、設けたホログラムまたは回折格子パター
ンの反射性薄膜層に絶縁状態の島状金属膜を用いること
で、ICチップの電気的特性に悪影響を及ぼさないよう
にすることができる。また、表面電極を構成するICモ
ジュール基板の銅箔部分にホログラムまたは回折格子パ
ターンのレリーフを設け、表面電極とホログラムまたは
回折格子パターンを一体化することで、ICモジュール
の偽造防止性を高めることができる。また、本発明に係
わる製造方法により、上記説明してきたICモジュール
の信頼性を確保し、カードデザインの自由度の高い、偽
造防止性の高いICカードを製造することが可能とな
る。
【0100】ICモジュールに新奇な技術により偽造防
止でき、万一それらの不正行為が行われても発見が容易
なアイテムを設けたICカード及びICモジュール並び
にそれらの製造方法を提供することを目的とし、特に
は、ICモジュール自体に偽造防止能力及び万一不正が
行われてもその発見を容易とすることへの信頼性を付与
すると共に、カードのデザイン上の自由度を高めるこ
と、これらを可能とするアイテムを設ける技術を提供す
ることを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るOVD付きICカードの平面図。
【図2】本発明に係るOVD付きICモジュール基板の
平面図。
【図3】本発明に係るOVD付きICカードの断面図。
【図4】本発明に係るOVD転写箔の断面図。
【図5】本発明に係るICカードの製造方法を示す説明
図。
【図6】本発明に係るOVD付きICカードの断面図。
【図7】本発明に係るICカードの製造方法を示す説明
図。
【図8】従来のホログラム転写シートの構成例を示す断
面図。
【符号の説明】
10 …ICカード 11、20、30、76 …ICモジュール基板 12、53 …表面電極 13、29、57 …OVD 21 …回路電圧端子 22 …リセット信号端子 23 …クロック信号端子 24、28 …予備端子 25 …グラウンド電圧端子 26 …プログラム供給電圧端子 27 …データ入出力端子 31、61、77 …ガラスエポキシ基材 32、62 …銅配線パターン 33、64 …金属メッキ 34、65 …ICチップ 35、66 …ワイヤ 36、67 …モールド樹脂 371、372、54、68…接着剤 38、51、69 …カード基材 39、55 …OVD転写箔 40、552 …OVD転写層 41、551、81 …基材 42、82 …剥離層 43 …OVD形成層 44、63、84 …レリーフ 45、85 …反射性薄膜層 46 …プライマー層 52、60 …ICモジュール 56 …刻印 70 …電解装置 71 …回転陰極 721 …OVDシム 722 …OVD入り銅箔 73 …電解陽極 741 …電解タンク 742 …電解液 75 …巻き取り部 78 …接着テープ 79 …ラミネートロール 83 …ホログラム形成層 86 …接着層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G06K 19/06 G06K 19/00 D

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ホログラムまたは回折格子パターンのいず
    れかをICモジュールに設けたことを特徴とするICカ
    ード。
  2. 【請求項2】ホログラムまたは回折格子パターンのいず
    れかを設ける部位を、接触式ICカードに使用可能なI
    Cモジュールの表面電極の一部またはほぼ全面のいずれ
    かとすることを特徴とする請求項1に記載のICカー
    ド。
  3. 【請求項3】ホログラムまたは回折格子パターンのいず
    れかを設ける部位を、表面電極の中央部に設けたグラウ
    ンド電圧端子としたことを特徴とする請求項1又は2の
    いずれかに記載のICカード。
  4. 【請求項4】反射性薄膜層が、少なくとも一部に設けら
    れたホログラムまたは回折格子パターンのいずれかの構
    造体を積層状態でICモジュールに設けたICカードで
    あり、該反射性薄膜層には島状に配置され互いに絶縁状
    態にある金属薄膜を用いていることを特徴とする請求項
    1乃至3のいずれかに記載のICカード。
  5. 【請求項5】ホログラムまたは回折格子パターンのいず
    れかのレリーフを、金属箔を用いたICモジュール基板
    の該金属箔に設けたことを特徴とする請求項1乃至3の
    いずれかに記載のICカード。
  6. 【請求項6】ホログラムまたは回折格子パターンのいず
    れかを設けたことを特徴とするICモジュール。
  7. 【請求項7】ホログラムまたは回折格子パターンのいず
    れかを設ける部位を、接触式ICカードに使用可能なI
    Cモジュールの表面電極の一部または全面のいずれかと
    することを特徴とする請求項6に記載のICモジュー
    ル。
  8. 【請求項8】ホログラムまたは回折格子パターンのいず
    れかを設ける部位を、表面電極の中央部に設けたグラウ
    ンド電圧端子としたことを特徴とする請求項6又は7の
    いずれかに記載のICモジュール。
  9. 【請求項9】反射性薄膜層が少なくとも一部に設けられ
    たホログラムまたは回折格子パターンのいずれかの構造
    体を積層状態でICモジュールに設けてあり、該反射性
    薄膜層には島状に配置され互いに絶縁状態にある金属薄
    膜が用いられていることを特徴とする請求項6乃至8の
    いずれかに記載のICモジュール。
  10. 【請求項10】ホログラムまたは回折格子パターンのい
    ずれかのレリーフを、金属箔を用いたICモジュール基
    板の該金属箔に設けたことを特徴とする請求項6乃至8
    のいずれかに記載のICモジュール。
  11. 【請求項11】ICモジュール基板の表面電極の所望す
    る任意の部位に接着剤をパターン状に設けた上ヘ、ホロ
    グラム転写箔または回折格子パターン転写箔のいずれか
    を重ね、柔軟な材質の刻印を用いて低圧で接触させるこ
    とにより接着させ、しかる後に前記ホログラム転写箔ま
    たは回折格子パターン転写箔のいずれかのベースフィル
    ムを剥離することによって、ホログラムまたは回折格子
    パターンをICモジュール上に設けることを特徴とする
    ICカードの製造方法。
  12. 【請求項12】ホログラムまたは回折格子パターンのい
    ずれかのレリーフを金属箔に形成し、これをガラスエポ
    キシ基材又はポリイミド基材のいずれかへラミネートす
    ることによりICモジュール基板を作成し、該ICモジ
    ュール基板を用いてICモジュールを作成し、しかる後
    に該ICモジュールを用いてICカードを製造すること
    を特徴とするICカードの製造方法。
  13. 【請求項13】金属箔をガラスエポキシ基材又はポリイ
    ミド基材のいずれかへラミネートした後に、ホログラム
    または回折格子パターンのいずれかのレリーフを該金属
    箔に形成することによりICモジュール基板を作成し、
    該ICモジュール基板を用いてICモジュールを作成
    し、しかる後に該ICモジュールを用いてICカードを
    製造することを特徴とするICカードの製造方法。
  14. 【請求項14】ICモジュール基板の表面電極の所望す
    る任意の部位に接着剤をパターン状に設けた上ヘ、ホロ
    グラム転写箔または回折格子パターン転写箔のいずれか
    を重ね、柔軟な材質の刻印を用いて低圧で接触させるこ
    とにより接着させ、しかる後に前記ホログラム転写箔ま
    たは回折格子パターン転写箔のいずれかのベースフィル
    ムを剥離することによって、ホログラムまたは回折格子
    パターンをICモジュール基板上に設けることを特徴と
    するICモジュールの製造方法。
  15. 【請求項15】ホログラムまたは回折格子パターンのい
    ずれかのレリーフを金属箔に形成し、これをガラスエポ
    キシ基材又はポリイミド基材のいずれかへラミネートす
    ることによりICモジュール基板を作成し、しかる後に
    該ICモジュール基板を用いてICモジュールを製造す
    ることを特徴とするICモジュールの製造方法。
  16. 【請求項16】金属箔をガラスエポキシ基材又はポリイ
    ミド基材のいずれかへラミネートした後に、ホログラム
    または回折格子パターンのいずれかのレリーフを該金属
    箔に形成することによりICモジュール基板を作成し、
    しかる後に該ICモジュール基板を用いてICモジュー
    ルを製造することを特徴とするICモジュールの製造方
    法。
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