JPH08171005A - 光透過性再帰反射シート - Google Patents

光透過性再帰反射シート

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JPH08171005A
JPH08171005A JP6333594A JP33359494A JPH08171005A JP H08171005 A JPH08171005 A JP H08171005A JP 6333594 A JP6333594 A JP 6333594A JP 33359494 A JP33359494 A JP 33359494A JP H08171005 A JPH08171005 A JP H08171005A
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JP
Japan
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retroreflective
light
support film
microspheres
film
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Application number
JP6333594A
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English (en)
Inventor
Katsura Ochi
桂 越智
Osamu Tanaka
修 田中
Kunihiro Takao
邦浩 高尾
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Nippon Carbide Industries Co Inc
Original Assignee
Nippon Carbide Industries Co Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】優れた再帰反射性能、優れた広角反射性能を有
し、且つ光透過性をも併せもつ気体層保有微小球型再帰
反射シートの提供。 【構成】一方の側に再帰反射性微小球が実質的に単層で
且つ微小球の非反射性部分が露呈するように埋設されて
いる支持体フィルム、該支持体フィルムの微小球上に設
けられた光透過性保護フィルム、及び、該保護フィルム
と支持体フィルムとを部分的に接着固定している連結部
からなる再帰反射シートにおいて、再帰反射性微小球の
面積充填率が、該微小球の埋設されている側の支持体フ
ィルム表面の面積100%に対して10〜70%であり、且
つ、該支持体フィルムの全光線透過率が20%以上である
ことを特徴とする光透過性再帰反射シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、道路標識、工事標識等
の標識類、自動車、オートバイ等の車輌のナンバープレ
ート類、衣服、救命具等の安全用資材類、又は看板等の
マーキング材類等において有用な再帰反射シートに関
し、特に、照明用光源を内包する標識類、マーキング材
類等の表面基材として有用な光透過性再帰反射シートに
関し、詳しくは、特定範囲の面積充填率で再帰反射性微
小球が埋設され、特定範囲の全光線透過率を有する支持
体フィルム、該支持体フィルムの微小球上に設けられた
光透過性保護フィルム、及び、該保護フィルムと支持体
フィルムとを部分的に接着固定している連結部からなる
再帰反射シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、光を光源方向に向けて再帰反
射させる再帰反射シートはよく知られており、その再帰
反射性能を利用して、該シートは、上記のごとき利用分
野で広く利用されているが、中でも空気等の気体の屈折
率の低さを利用し、光透過性保護フィルムと再帰反射性
微小球の間に気体層を設けることにより、光の再帰反射
性能を高めた気体層保有微小球型再帰反射シートは、そ
の優れた再帰反射性能により、用途が年々拡大しつつあ
る。
【0003】しかしながら、これら再帰反射シートは、
光源からの光を受けたときのみその光を光源方向に向け
て再帰反射し、光源方向に対して優れた視認性を提供す
るものであって、夜間等において光源が全くない場合は
その視認性を発揮することができず、また光源があった
場合でも、視認する場所が光源と異なる方向であればそ
の視認性が著しく劣るなど、ごく限られた条件でしか優
れた視認性が得られないものであった。このため、近年
特に、より高い安全性や宣伝効果が求められるようにな
ってきた道路標識や看板等の利用分野においては、再帰
反射性能しか有しない従来型の再帰反射シートではその
視認性が不充分であって、夜間等において、光源がなか
ったり限定されている場合においても、広範な方向に優
れた視認性を提供することが可能なシートが強く求めら
れるようになってきた。
【0004】一方、箱状物の内部に照明器具を取り付
け、この内部照明により箱状物の表面に設けた表示用の
表面基材を照明することにより、常時、広範な方向への
視認性が確保された、一般に、内照式標識、内照式看板
と呼ばれる方法が以前から広く用いられてきた。
【0005】この方法においては、照明が内部に設けら
れているため、表示用の表面基材は光透過性を有してい
ることが必須条件であり、着色もしくは無着色で、光透
過性を有する通常のシートが表面基材として用いられて
おり、再帰反射シート、例えば特公昭40-7870号公報、
特開昭52-110592号、特開昭62ー121043号公報等に例示さ
れるような、アルミニウム膜のごとき光非透過性の光反
射連続層、及び/又は、光非透過性の支持体フィルムを
有している、光非透過性の気体層保有微小球型再帰反射
シートはこの方法には事実上使用不可能であった。
【0006】これら内照式の標識や看板においては、照
明を内部に保有しているため、夜間、外部からの光源が
有る無しにかかわらず、常に広範な方向に対して視認性
を提供することが可能である。しかしながら、もし内部
の照明器具が壊れた場合、これら標識類は視認性が完全
に損なわれ、標識として全く機能しなくなってしまうと
いう欠点を有しており、特に道路標識に用いるときに
は、常に優れた視認性を提供し続けることが安全確保の
ために不可欠であり、該機能の喪失は、たとえ一時的で
あるにせよ致命的な欠点となる。
【0007】このような標識類としての使用における欠
点を回避するために、表面基材として、光透過性と再帰
反射性能とを併せ持つキューブコーナー型再帰反射シー
トを用いることにより、内照式標識の利点を維持しつ
つ、たとえ内部の照明器具が壊れた時にも再帰反射性能
を利用して視認性を確保しようとする試みがなされてい
る。
【0008】しかしながら、一般にキューブコーナー型
再帰反射シートは気体層保有微小球型再帰反射シートと
比較して、光源方向への再帰反射性が極めて高いという
長所を有する半面、光源から僅かにずれた方向に対する
反射性は極めて乏しいなど、所謂、反射の角度特性が劣
るため、優れた視認性を提供できる方向が光源方向の極
近傍に限定されてしまうという欠点を有している。ま
た、キューブコーナー型再帰反射シートは高価であり経
済的にも不利益である。
【0009】
【発明が解決すべき課題】本発明の目的は、優れた再帰
反射性能とともに、優れた広角反射性能を有し、且つ光
透過性をも併せ持つ光透過性再帰反射シートを開発する
ことにより、前述した如き従来技術の欠点を解消した、
優れた内照式標識類用再帰反射シートを提供することに
ある。
【0010】本発明者等は、気体層保有微小球型再帰反
射シートの支持体フィルムについて種々検討を重ねた結
果、支持体フィルムの再帰反射性微小球の面積充填率を
10〜70%とし、且つ、支持体フィルムの全光線透過率が
20%以上となるようにして支持体フィルムを形成するこ
とにより、前記従来技術の欠点が解消された優れた光透
過性再帰反射シートが得られることを見出だし、本発明
を完成するに至った。
【0011】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、一方の側に再帰反射性微小球が実質的に単層で且つ
微小球の非反射性部分が露呈するように埋設されている
支持体フィルム、該支持体フィルムの微小球上に設けら
れた光透過性保護フィルム、及び、該保護フィルムと支
持体フィルムとを部分的に接着固定している連結部から
なる再帰反射シートにおいて、再帰反射性微小球の面積
充填率が、該微小球の埋設されている側の支持体フィル
ム表面の面積100%に対して10〜70%であり、且つ、該
支持体フィルムの全光線透過率が20%以上であることを
特徴とする光透過性再帰反射シートが提供される。
【0012】以下、本発明の光透過性再帰反射シートに
ついて、さらに詳細に説明する。
【0013】本発明の光透過性再帰反射シートにおい
て、再帰反射性微小球は支持体フィルムの一方の側の表
面に面積充填率が10〜70%となるように埋設される。微
小球は、該再帰反射シートに再帰反射性能を付与する要
素として機能するものであり、該充填率が10%未満では
優れた再帰反射性能が得られない。また、該微小球は光
透過性を阻害するため、該充填率が70%を超えると再帰
反射シートの光透過性が著しく損なわれてしまう。より
好適な再帰反射性能と光透過性とを該再帰反射シートに
付与するためには、該充填率を20〜65%、より好ましく
は30〜60%、さらに好ましくは40〜55%とすることが好
適である。
【0014】本発明の再帰反射シートに用いられる再帰
反射性微小球は、光学的に再帰反射条件が得られるもの
であればよく、特に限定されるものではないが、例え
ば、レンズとして機能する高屈折率のガラスビーズ、樹
脂ビーズ、又は、ガラスと樹脂とを組み合わせた複合ビ
ーズ等の透明微小球の約半球面をアルミニウム、銀、金
のごとき金属等による光反射膜で覆ったものなどが好適
に用いられる。
【0015】再帰反射性微小球は、キューブコーナー型
再帰反射性要素とは異なり、光源方向から少し離れた方
向に対しても光を反射するという性質を有しているた
め、より広範な方向への視認性を提供することが可能
で、本発明の光透過性再帰反射シートの再帰反射性要素
として最適である。該微小球の大きさは、特に限定され
るものではないが、通常、平均粒子径が20〜200μm程度
であるのが好ましい。
【0016】支持体フィルム上に埋設されている再帰反
射性微小球は、前記面積充填率の範囲で均一に分布して
いてもよいが、例えば、均一且つ密に分布している島部
分と、この島部分を取り巻く殆ど該微小球のない連続相
の海部分とからなる海島模様分布など、密な部分と疏の
部分とからなる疏密分布が形成され、全体として該充填
率の範囲となるように設定されていてもよい。
【0017】本発明の再帰反射シートにおいて、支持体
フィルムは光透過性であることが必要で、その全光線透
過率が20%以上となるように形成される。支持体フィル
ムの全光線透過率が20%未満では、再帰反射シートの光
透過性が著しく損なわれ、内照式標識類に用いたときに
優れた視認性が得られない。該再帰反射シートにより好
ましい光透過性を付与するためには、支持体フィルムの
全光線透過率を30%以上、より好ましくは40%以上、さ
らに好ましくは50%以上とすることが好適である。
【0018】本発明の光透過性再帰反射シートに用いら
れる支持体フィルムとしては、前記の光透過性を満足す
るものであればよく、各種の樹脂により形成される支持
体フィルムが好適に用いられる。このような樹脂として
は、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエ
ステル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、
ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリアミド系樹
脂等の樹脂を挙げることができ、これらの樹脂は単独
で、又はそれぞれ他の樹脂成分と共重合もしくはブレン
ドした形で用いることができる。また該支持体フィルム
は、これらの樹脂を、例えば、イソシアネート系架橋
剤、メラミン系架橋剤、金属系架橋剤等の架橋剤によっ
て架橋したものを用いてもよく、さらに、全光線透過率
を満足する範囲内で、着色剤、蛍光発色剤、蓄光発色
剤、充填材、増白剤、安定剤、紫外線吸収剤等を含んで
もよい。該支持体フィルムの厚さは、通常、20〜200μm
程度であるのが好ましい。
【0019】本発明の再帰反射シートに用いられる光透
過性保護フィルムとしては、光透過性を有するフィルム
状物であればよく、特に限定されるものではないが、上
記の支持体フィルムに用いることのできる樹脂と同様な
樹脂を単独で、又はそれぞれ他の樹脂成分と共重合もし
くはブレンドした形で用いることができ、また支持体フ
ィルムの場合と同様、これらの樹脂を上記同様の架橋剤
によって架橋して用いてもよい。さらに全光線透過率を
満足する範囲内で、着色剤、蛍光発色剤、蓄光発色剤、
充填材、増白剤、安定剤、紫外線吸収剤等を含んでもよ
い。
【0020】光透過性保護フィルムとしては、着色の有
無によって異なるが、通常、全光線透過率が20%以上、
より好ましくは30%以上、さらに好ましくは40%以上の
ものが好適に用いられる。また該保護フィルムは一軸も
しくは二軸方向に延伸したものであってもよく、又は無
延伸のものであってもよい。該保護フィルム厚さは、通
常、10〜300μm程度であるのが好ましい。
【0021】本発明の光透過性再帰反射シートを内照式
標識類に用いたとき、内部の照明により該再帰反射シー
トが優れた視認性を発揮するためには、該再帰反射シー
トの全光線透過率を20〜95%、より好ましくは30〜90
%、さらに好ましくは40〜90%とすることが好適であ
る。
【0022】また、本発明の再帰反射シートにおける再
帰反射性能は、必ずしも限定されるものではなく、該再
帰反射シートの着色の有無等によっても異なるが、通
常、観測角0.2゜、入射角5゜の角度条件において10〜400
cd/lx・m2、より好ましくは30〜350cd/lx・m2、さらに
好ましくは50〜300cd/lx・m2とすることが好適である。
また広角光反射性能を発揮し視認性を提供できる方向が
より広範囲になるよう、観測角2゜、入射角30゜の角度条
件における広角反射性能を2〜50cd/lx・m2、より好ま
しくは3〜40cd/lx・m2、さらに好ましくは4〜35cd/l
x・m2とすることが好適である。
【0023】本発明の光透過性再帰反射シートは、支持
体フィルムの全光線透過率を20%以上とし、且つ、支持
体フィルム上の再帰反射性微小球の面積充填率を10〜70
%として形成することを除けば、従来より既知の材料及
び方法、例えば、特開昭52-110592号公報や特開昭62-12
1043号公報等に記載されている材料及び方法を用いて簡
単に製造することができる。その一例を示せば次のとお
りである。
【0024】まず、ポリエチレンラミネート紙等の仮支
持体上に、屈折率が約1.7〜2.0、平均粒子径が20〜200
μm程度のガラスビーズを、上記面積充填率条件を満足
するように散布し、直径の約1/4〜1/2がポリエチレン層
に埋没するようにして埋設し、露呈しているガラスビー
ズ側にアルミニウム等の金属を真空蒸着して、ガラスビ
ーズの約半球面を金属蒸着膜で覆う。次に、ポリエチレ
ンテレフタレート工程フィルム等の工程基材上に形成し
た、本発明の前記条件を満足する支持体フィルムを、該
支持体フィルムと金属蒸着されたガラスビーズとが対向
するように重ね合わせ、ガラスビーズの直径の約1/4〜1
/2が支持体フィルム中に埋没するようにして両者を加圧
ラミネートする。その後仮支持体を剥離し、露呈したガ
ラスビーズ面にアクリルフィルム等の光透過性保護フィ
ルムを重ねて置き、エンボスロール等を用いて支持体フ
ィルムを加熱しながら部分的に加圧変形させて連結部を
形成し、保護フィルムと支持体フィルムとを部分的に接
着固定させることにより、光透過性再帰反射シートを製
造することができる。
【0025】光透過性保護フィルムを支持体フィルムに
部分的に接着固定する方法としては、前記の如き支持体
フィルムを部分的に加熱加圧変形させる方法の外、連結
部を別途接着性の材料により支持体フィルム上、又は保
護フィルム上に、スクリーン印刷等の適宜の手段により
部分的に設け、この連結部により保護フィルムと支持体
フィルムとを接着固定させる方法等を用いてもよく、再
帰反射シートの光透過性、及び広角反射性能をより高め
るためには、この連結部についても光透過性とすること
が好適である。
【0026】支持体フィルムの形成は、例えば、支持体
フィルム形成用樹脂とその他必要な添加剤とを、粉体状
又はペレット状で混合し、この混合物を熱溶融させて押
し出しする押し出し成型法;支持体フィルム形成用樹脂
とその他必要な添加剤とを溶剤中で混合し溶液状、又は
分散液状組成物を調整した後、この液状組成物をポリエ
チレンテレフタレート工程フィルムや工程紙のごとき工
程基材上に、所定の厚さで塗布し、乾燥により大部分の
溶剤を除去するキャスティング成型法等により行うこと
ができる。
【0027】本発明においては、支持体フィルムが光透
過性であり、それに加えて光透過性保護フィルムと支持
体フィルムとを接着固定する連結部の光透過性を高める
ことができれば、得られる再帰反射シートの全光線透過
率をより向上させることができ、また従来型の光非透過
性支持体フィルムを用いた再帰反射シートとは異なり、
再帰反射シートに鈍角的な入射角で入射する光を著しく
阻害することがないので、広角反射性能をも高めること
ができる。
【0028】本発明の光透過性再帰反射シートの製造方
法において、光透過性保護フィルムと支持体フィルムと
を接着固定する連結部の光透過性を高めるには、該連結
部の内部の、該連結部が支持体フィルムと接する部分を
除く部分には実質的に再帰反射性微小球が存在していな
いようにするのが好ましく、さらにこの連結部が支持体
フィルムと接する部分の微小球をも取り除いて、該連結
部の内部にはどこにも実質的に再帰反射性微小球が存在
していないようにするのがさらに好ましい。
【0029】連結部の内部の、該連結部が支持体フィル
ムと接する部分を除く部分には実質的に再帰反射性微小
球が存在していないようにするには、前記のように連結
部を別途接着性の材料により支持体フィルム上、又は保
護フィルム上に、スクリーン印刷等の適宜の手段により
部分的に設ける方法を用いればよい。この場合支持体フ
ィルムとしては、該微小球を所定の面積充填率で通常ど
おりほぼ均一に埋設したものを用いることができる。
【0030】またこの連結部が支持体フィルムと接する
部分の微小球をも取り除いて、連結部には実質的に再帰
反射性微小球が存在しないようにする方法としては、例
えば、ポリエチレンラミネート紙等の仮支持体上に所望
の形状で部分的に接着性の樹脂層を設け、該接着性樹脂
層にのみガラスビーズを付着させて前記同様の金属蒸着
法にて再帰反射性微小球を作成し、次いで支持体フィル
ムに転写した後、該微小球の上に光透過性保護フィルム
を重ねて置き、該支持体フィルムの微小球が埋設されて
いない部分の形状に対応する形状のエンボス模様を持つ
エンボスロールを用いて、該微小球が埋設されていない
部分の支持体フィルムを加熱変形させて、保護フィルム
に接着させる方法等により実施することができる。
【0031】また上記において、支持体フィルムの再帰
反射性微小球が埋設されていない部分の支持体フィルム
を加熱変形させて、光透過性保護フィルムに接着させる
代わりに、前記したように支持体フィルムの該微小球が
埋設されていない部分に、スクリーン印刷等の手段で接
着性の材料を印刷することにより連結部を設け、この連
結部により保護フィルムを接着固定させることもでき
る。
【0032】本発明の光透過性再帰反射シートには、所
望に応じて、該再帰反射シートを所望の被着体に貼り付
けるための接着剤層、接着剤層にゴミ等が付着すること
を防止するための剥離基材等を、順次支持体フィルム背
面上に積層形成して用いてもよいが、この場合接着剤層
は光透過性のものを用いることが必要である。
【0033】本発明の再帰反射シートにおいて、保護フ
ィルムは、支持体フィルムに部分的に接着固定され、そ
れによって保護フィルム、連結部及び支持体フィルムに
よって形成された気体層保有空室を有する再帰反射シー
トが製造されるが、再帰反射シートの加工適性、すなわ
ち、再帰反射シートが所望のサイズ、所望の形状にカッ
トされて使用されることを考慮すれば、カットされた端
部からの雨水等の浸入がシートの全体に及ばぬようにす
るため、連結部を網目状に形成し、保護フィルムと支持
体フィルム間に約10〜100mm2程度の面積の多数の区画さ
れた密封小区画空室を形成した、所謂カプセル型再帰反
射シートとすることが好適である。
【0034】図1は、本発明の光透過性再帰反射シート
の好ましい一態様の断面構成概略図を示したものであ
る。(1)は光透過性保護フィルム、(2)は支持体フィルム
であり、表面側には光反射層(3)と透明微小球(4)よりな
る再帰反射性微小球(5)が埋設支持されている。(6)は連
結部で、再帰反射性微小球(5)が埋設されていない部分
の支持体フィルム(2)を加熱変形させることにより形成
されており、光透過性保護フィルム(1)を支持体フィル
ム(2)に接着固定している。(7)は気体層保有空室であ
る。連結部(6)は接着性材料の印刷により設けることも
できる。連結部(6)の内部には再帰反射性微小球が存在
していない。
【0035】
【発明の効果】以上述べたとおり、本発明においては、
支持体フィルムの全光線透過率を20%以上とし、且つ、
支持体フィルムの再帰反射性微小球の面積充填率を10〜
70%となるように形成し、該支持体フィルムの微小球上
に設けられた光透過性保護フィルムと該支持体フィルム
とを部分的に接着固定している連結部からなる気体層保
有微小球型構造の再帰反射シートとすることにより、良
好な再帰反射性能を維持したままで、優れた光透過性を
も有する再帰反射シートが得られる。
【0036】本発明の再帰反射シートを内照式標識用の
表示材料として用いるとき、内部照明により広範な方向
への優れた視認性を提供することが可能となり、たとえ
内部照明が壊れた時でも再帰反射性能を利用して、従来
型の再帰反射シートを用いた標識類とほぼ同等の優れた
視認性を提供することが可能な卓越した光透過性再帰反
射シートを提供することができる。
【0037】加えて、支持体フィルムと光透過性保護フ
ィルムとを接着固定する連結部(支持体フィルムを加熱
変形して成形したり、別途接着性材料を印刷することに
より設けることができる)を光透過性とすることによ
り、優れた広角反射性能を有し、広範な方向への優れた
視認性を提供することが可能な卓越した光透過性再帰反
射シートを提供することができる。
【0038】
【実施例】以下、実施例、比較例を挙げて、本発明をさ
らに具体的に説明する。なお、測定方法は全て以下に従
って実施した。
【0039】(1) 再帰反射性微小球充填率の測定 再帰反射性微小球を支持体フィルムに転写した試料を光
入射側から光学顕微鏡にて観察して、そのCRTディスプ
レイ画像上の再帰反射性微小球の占有面積率を画像処理
装置〔「ビデオマイクロメーター VM-30」、オリンパス
光学工業(株)製〕を用いて測定し、その平均値をもって
再帰反射性微小球充填率とした。
【0040】(2) 全光線透過率の測定 試験機として「カラーアナライザー TC-1800MK2」〔商
品名;東京電色(株)製〕により試料の全光線透過率を測
定した。なお、光を透過させる方向により全光線透過率
が大きく変化する場合は、2方向の測定値をもって、全
光線透過率とした。
【0041】(3) 反射性能 JIS Z 9117に規定される反射性能の測定に従って光透過
性反射シートの反射性能を測定した。なお、角度条件は
観測角0.2゜/入射角5゜及び観測角2゜/入射角30゜にて
実施した。
【0042】実施例1 厚さ約20μmのポリエチレン(PE)を紙の片側にラミネ
ートした仮支持体のポリエチレン側に、メチルメタクリ
レート(MMA)-エチルアクリレート(EA)共重合体の酢
酸エチル/トルエン(1/1)溶液(重量組成比:MMA
/EA=46/54、固形分=20重量%)をパターン彫刻され
たグラビアロールを使用して塗布、乾燥してパターン化
された厚み約15μmのビーズ埋め込み層を形成した。次
に、ビーズ埋め込み層を形成した仮支持体を約80℃に加
熱し、この上に平均粒子径約65μm、屈折率約1.91のガ
ラスビーズを過剰量散布し、ニップロールにより加圧し
ガラスビーズをその直径の約1/3までビーズ埋め込み層
に埋め込み、振動、吸引して余剰ビーズを除去した。そ
の後、このガラスビーズを埋め込んだ仮支持体表面に真
空蒸着機を用いてアルミニウムを約0.1μmの厚みで真空
蒸着した。
【0043】次に、別途剥離処理ポリエチレンテレフタ
レート(PET)フィルム上に、MMA/EA/2-ヒドロキシエ
チルメタクリレート(HEMA)共重合体のメチルイソブチ
ルケトン(MIBK)/トルエン(1/1)溶液(重量組成
比:MMA/EA/HEMA=20/65/15、固形分=50重量%)1
00重量部とセルロースアセテートブチレート樹脂(CA
B)のMIBK溶液(固形分=15重量%)33.3重量部及びヘ
キサメチレンジイソシアネート(HMDI)系架橋剤の1-メ
トキシプロピルアセテート-2/キシレン(1/1)溶液
(固形分=75重量%)10重量部の混合液を塗布、乾燥し
て厚み約110μmの支持体フィルムを形成した。
【0044】この支持体フィルムを、先に作った仮支持
体上のアルミ蒸着されたガラスビーズの上に重ね合わ
せ、加圧してガラスビーズが支持体フィルム中に約1/3
程度埋まり込むようにし、次いでこの積層物より仮支持
体を引き剥してガラスビーズを支持体フィルムに転写さ
せ、常温で4日間放置した。支持体フィルムには、前記
グラビアロールのパターンに従って、ガラスビーズが均
一且つ密に植設されている部分と、この部分を連続線状
に取り巻く殆どガラスビーズのない部分とからなる斑模
様が形成されており、転写された再帰反射性微小球(ガ
ラスビーズ)の面積充填率は平均約30%であり、支持体
フィルムの全光線透過率は約63%であった。
【0045】次に、支持体フィルム表面に露出したガラ
スビーズ上に、厚み約75μm、全光線透過率約93%の無
延伸アクリルフィルム〔三菱レイヨン(株)製〕を重ねて
置き、ビーズ埋め込み層塗工用グラビアロールと同一の
凸パターン彫刻を施した表面温度約190℃の金属ロール
と表面温度約60℃のゴムロールとの間を、アクリルフィ
ルム側がゴムロールと接触するようにし、該金属ロール
の凸パターンが支持体フィルムのガラスビーズが殆どな
い部分に当たるように調節して加圧しながら通過させ、
この支持体フィルムのガラスビーズが殆どない部分を部
分的に加熱加圧変形させて支持体フィルムとアクリルフ
ィルムとを接着固定して積層した。
【0046】この積層物より、PETフィルムを除去し、
光透過性再帰反射シートを作成した。得られた光透過性
再帰反射シートは、連結部にガラスビーズがほとんど存
在せず、再帰反射シートの全光線透過率が約60%と透明
性に優れたものであった。なお、反射性能については、
表1に示すとおり本発明を満足するものであった。
【0047】実施例2 実施例1で用いたと同様の仮支持体を約105℃に加熱
し、この上に平均粒子径約65μm、屈折率約1.91のガラ
スビーズを均一に且つ比較的密に単層で分散させた後、
ニップロールにより加圧してガラスビーズをその直径の
約1/3だけPE中に埋め込み、実施例1と同様の工程を経
た後、常温で20日間放置し、支持体フィルムの架橋反応
を実質的に完結させた。支持体フィルムに転写された再
帰反射性微小球の面積充填率は約65%であり、支持体フ
ィルムの全光線透過率は約29%であった。
【0048】次に、ガラスビーズが転写された支持体フ
ィルム上に、スクリーン印刷用接着剤〔「ニッセツ KP-
1538S」、日本カーバイド工業(株)製〕をロータリース
クリーン印刷機を用いてスクリーン印刷し、乾燥して厚
み約40μmの光透過性保護フィルムとの結合部を形成し
ながら、厚さ約75μm、全光線透過率約93%の無延伸ア
クリルフィルムをニップロールを使用して貼り合わせ
た。以下、実施例1と同様の工程を経て、光透過性再帰
反射シートを作成した。
【0049】得られた光透過性再帰反射シートは、連結
部の支持体フィルムと接する部分を除いては連結部の内
部にガラスビーズが存在せず、再帰反射シートの全光線
透過率が約28%と透明性に優れたものであった。なお、
反射性能については、表1に示すとおり本発明を満足す
るものであった。
【0050】比較例1 実施例1で用いたと同様の仮支持体を約105℃に加熱
し、この上に平均粒子径約65μm、屈折率約1.91のガラ
スビーズを被覆面積が約5%になるように粗く散布した
後、ニップロールにより加圧してガラスビーズをその直
径の約1/3だけPE中に埋め込み、実施例1と同様の工程
を経た後、常温で20日間放置し、支持体フィルムの架橋
を実質的に完結させた。支持体フィルムに転写された再
帰反射性微小球の面積充填率は、約3%であり、支持体
フィルムの全光線透過率は約90%であった。以下、実施
例2と同様にして光透過性再帰反射シートを作成した。
【0051】得られた光透過性再帰反射シートは、連結
部の支持体フィルムと接する部分を除いては連結部の内
部にガラスビーズが存在せず、再帰反射シートの全光線
透過率が約90%と透明性に優れたものであったが、反射
性能については、表1に示すとおり反射性能が劣るもの
であった。
【0052】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の光透過性反射シートの構成を示
す断面概略図である。
【符号の説明】
1.光透過性保護フィルム 2.光透過性支持体フィルム 3.光反射層 4.ガラスビーズ 5.再帰反射性微小球 6.連結部 7.気体層保有空室

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一方の側に再帰反射性微小球が実質的に単
    層で且つ微小球の非反射性部分が露呈するように埋設さ
    れている支持体フィルム、該支持体フィルムの微小球上
    に設けられた光透過性保護フィルム、及び、該保護フィ
    ルムと支持体フィルムとを部分的に接着固定している連
    結部からなる再帰反射シートにおいて、再帰反射性微小
    球の面積充填率が、該微小球の埋設されている側の支持
    体フィルム表面の面積100%に対して10〜70%であり、
    且つ、該支持体フィルムの全光線透過率が20%以上であ
    ることを特徴とする光透過性再帰反射シート。
  2. 【請求項2】再帰反射シートの全光線透過率が20〜95%
    である請求項1に記載の光透過性再帰反射シート。
  3. 【請求項3】再帰反射シートの再帰反射性能が10〜400c
    d/lx・m2である請求項1又は2に記載の光透過性再帰反
    射シート。
  4. 【請求項4】再帰反射シートの広角反射性能が2〜50cd
    /lx・m2である請求項1〜3のいずれかに記載の光透過
    性再帰反射シート。
  5. 【請求項5】連結部の内部の、該連結部が支持体フィル
    ムと接する部分を除く部分には実質的に再帰反射性微小
    球が存在していない請求項1に記載の光透過性再帰反射
    シート。
  6. 【請求項6】連結部の内部には実質的に再帰反射性微小
    球が存在していない請求項1に記載の光透過性再帰反射
    シート。
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