JP3221528B2 - セル状反射シート - Google Patents

セル状反射シート

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JP3221528B2
JP3221528B2 JP15810593A JP15810593A JP3221528B2 JP 3221528 B2 JP3221528 B2 JP 3221528B2 JP 15810593 A JP15810593 A JP 15810593A JP 15810593 A JP15810593 A JP 15810593A JP 3221528 B2 JP3221528 B2 JP 3221528B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、道路標識、工事標識等
の標識類、自動車、オートバイ等の車輌のナンバープレ
ート類、衣服、救命具等の安定資材類、あるいは看板等
のマーキング等において有用な再帰反射シートに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より光を光源に向けて再帰反射させ
る再帰反射シートはよく知られており、その再帰反射性
を利用して、該シートは、上記のごとき利用分野で広く
利用されている。
【0003】中でも空気の屈折率が低いことを利用し、
光の再帰反射性能を高めた一般にセル状反射シートまた
はカプセルレンズ型反射シートと呼ばれる再帰反射シー
トは、その優れた光再帰反射性能により、用途が年々拡
大しつつある。
【0004】一般に、セル状反射シートは、せまい空気
層を介して対向する保護フィルムと支持体フィルム、及
びこれら両者を結合するために支持体フィルムを部分的
に熱変形させることにより形成された連続線状の連結壁
より構成されており、そしてこの連結壁によって区切ら
れた保護フィルムと支持体フィルムの間の密封小区画空
室には、支持体フィルムに部分的に埋設されたほぼ下半
球面が金属蒸着膜で被覆されたガラスビーズを内包して
いる。
【0005】このようなセル状反射シートには、その再
帰反射性能の高さが最も重要な機能として要望される
が、加えて、再帰反射性能の保持性、即ち、屋外使用等
苛酷な条件で使用した場合でもその再帰反射性能を長期
維持することのできる耐候性も重要な機能として要望さ
れる。
【0006】セル状反射シートを長期屋外使用した場
合、再帰反射性能の低下は、ほとんどの場合密封小区画
空室が破壊され、空室の中に雨水等が侵入することによ
り引き起こされる。即ち、外気温度変化に伴う、密封小
区画空室の膨張、収縮等に起因する保護フィルムと連結
壁間界面での剥離または連結壁自体の破壊、あるいは同
じく外気温度変化に伴なう被着体の繰り返し伸縮に起因
するシートのクラック、さらには保護フィルムの収縮等
に起因する密封小区画空室の変形等により密封小区画空
室が破壊され、空室中に雨水等が侵入し、再帰反射性能
の重要な要因である空室中の屈折率条件が変動する、あ
るいは光反射膜である金属蒸着膜が劣化し、光反射性能
を失なう等により再帰反射性能が低下するのである。
【0007】従って、連結壁として、またガラスビーズ
支持層として密封小区画空室の壁面としての半分以上の
部分を構成する支持体フィルムは、上記再帰反射性能保
持のための耐候性を得るためには重要な役割りを果た
し、しかして、支持体フィルムには、連結壁として保護
フィルムと十分に濡れて密着し、強固な接着力を得るた
めの熱変形成形時の熱可塑性、及び、カットされたセル
状反射シートの切り口部分の密封が破壊された小区画空
室を保護することを目的とするエッヂシールに対応でき
る熱可塑性、また連結壁としての強靭性あるいは柔軟
性、加えて繰り返し伸縮に耐えうるような歪の吸収性、
さらには収縮変形に耐えうるような強度等様々な特性が
必要となるが、これら様々な特性を一度に満足するよう
な支持体フィルムを均一な一層の構造にて得ることは非
常に困難である。
【0008】このため、従来より、支持体フィルムを例
えば、連結壁を形成するための熱可塑性の上層側と、支
持体フィルム全体に強靭性を付与するための下層側に分
ける等、異なる特性を有する2層を併わせることにより
優れた特性を有する支持体フィルムを得ようとする試み
がいくつかなされている。
【0009】例えば、特開昭60−194405号公報には、
「合成樹脂からなる支持フィルム上に一層に並ぶガラス
ビーズの金属蒸着膜で被覆されたほぼ下半球面を埋設し
て支持し、露呈したガラスビーズ表面側に設けた透明な
合成樹脂からなる保護フィルムと上記支持フィルムとの
間には支持フィルムの部分的加熱成形により形成した連
続線状の連結壁によって隔離された多数の密封小区画空
室を構成してなる再帰反射シートにおいて、上記支持フ
ィルムは少なくともガラスビーズに接する上層側と反対
側の下層側とを含み、この上層側は下層側よりも保護フ
ィルムへの接着力が大きく下層側は上層側よりも凝集力
の大きい相互に異なる組成からなることを特徴とする再
帰反射シート」が開示されており、
【0010】また、特開平2−196653号公報には、「一
層に並ぶガラスビーズの金属蒸着膜で被覆されたほぼ下
半球面が埋設されたバインダー層と、このバインダー層
に接してガラスビーズの反対側に設けられたサポート層
とを含み、露呈したガラスビーズ表面側に設けた透明な
合成樹脂からなる保護フィルムと該バインダー層との間
には支持フィルムの部分的加熱成形により形成した連続
線状の連結壁によって隔離された多数の密封小区画空室
を構成してなる再帰反射シートにおいて、該バインダー
層はガラス転移点が35℃以下で保護フィルムとの接着力
が大きい樹脂と常温において伸び50%以上で70℃におけ
る抗張力が120kg/cm2以上のエラストマーを含有する熱
可塑性樹脂を主成分として形成され、該サポート層は硬
化性樹脂を主成分として形成されることを特徴とする再
帰反射シート」が開示されている。
【0011】
【発明が解決すべき課題】しかしながら、これら従来の
セル状反射シートにおいては、連結壁を形成する支持体
フィルム上層側と、支持体シートに強度を付与する支持
体フィルム下層側それぞれ単独層の特性にのみ着目検討
されているのみで、これらの層を支持体フィルムとして
一体に複合化することについては全く考慮されていない
のが実状であった。
【0012】本発明者等の検討によれば、たとえ単一の
層としてそれぞれ優れた特性を有する層を組み合わせて
も複合一体化が不十分であれば決して優れた支持体フィ
ルムは得られないのである。
【0013】より具体的には、例えば特開平2−196653
号公報のごとき架橋度合が大きく異なるような2層を併
わせ複合化した支持体フィルムにおいては、2層間の接
着強度が得られにくく、従って、屋外等の苛酷な条件下
で長期使用するとこの2層間で剥離が発生し易いという
欠点があり、また例えば、特開昭60−194405号公報のご
とく、両層間の架橋度合の差を比較的小さくした2層構
造支持体フィルムにおいては、上記の様な問題は生じに
くいが、一方、上層側を十分な熱可塑性に出来ない、あ
るいは下層側に十分な強靭性を付与出来ない等各層の特
性をある程度犠牲にしなくてはならないという欠点があ
る。
【0014】本発明の目的は、これら従来技術の欠点を
解消し、熱可塑性、強靭性、柔軟性、歪吸収性、強度等
に優れる複合一体化された支持体フィルムを提供し、結
果として耐熱性、耐寒性、耐収縮性等に優れ、長期屋外
使用においても再帰反射性能保持性を含めた優れた耐候
性を有するセル状反射シートを提供することにある。
【0015】本発明者等はセル状反射シートの支持体フ
ィルムの構成について種々検討した結果、支持体フィル
ムのうちガラスビーズを埋設支持する表層側の層は、保
護フィルムとの優れた接着強度が得られ易く柔軟性にも
優れた非架橋或いは低架橋の熱可塑性樹脂で構成するの
が最も好ましく、また支持体フィルム全体に強靭性及び
強度をもたせるには、この層の裏側に架橋樹脂で構成し
た層を積層するのが最も好ましいことが判った。
【0016】そして、この互いの接着性に劣る2層を併
せて使用するために両層間に、半架橋の架橋度合を有す
る樹脂で中間結合層を設けることにより強固な両層間の
結合が得られ、複合一体化されて優れた特性を発揮する
支持体フィルムが得られることが判った。
【0017】さらに、表層側から裏層側に向けて順次架
橋度合が高くなり、柔軟性に勾配を持たせるようにする
ことにより、優れた歪の吸収性も得られることが判っ
た。
【0018】しかして、連結壁を構成する支持体フィル
ム表層側としては非架橋あるいは低架橋の熱可塑性樹脂
層を用い、支持体フィルムに強靭性を付与する裏層側と
しては架橋度合の比較的高い架橋樹脂層を用い、また、
これら2層を半架橋の架橋度合を持つ樹脂の結合層で結
合することにより非常に優れた支持体フィルムが得ら
れ、優れたセル状反射シートが得られることを見い出し
た。
【0019】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、一方の表面上にほぼ下半球面を金属蒸着膜で被覆し
たガラスビーズを実質的に単層で且つガラスビーズの少
なくともほぼ上半球面が露呈するように埋設した支持体
フィルムと、露呈したガラスビーズ表面上に設けた透明
な保護フィルムと、両フィルムを多数の密封小区画空室
を形成するようにして連結する連続線状の連結壁よりな
るセル状反射シートにおいて、該支持体フィルムがガラ
スビーズを埋設支持し且つ連続壁を構成する熱可塑性の
ビーズ支持層と、該ビーズ支持層のガラスビーズを支持
する面の反対側に位置する架橋された樹脂により形成さ
れた補強層と、両層の間に位置し両層を結合する半ば架
橋された樹脂により形成されたの結合層よりなることを
特徴とするセル状反射シートが提供される。
【0020】以下、本発明のセル状反射シートを図1に
示す製品断面図を参照しつつさらに詳細に説明する。
【0021】本発明のセル状反射シートにおいて支持体
フィルム(1)は、図1に示すとおり、ビーズ支持層(2)と
結合層(3)と補強層(4)とからなる。
【0022】ビーズ支持層には、ほぼ下半球面が金属蒸
着膜(5)で被覆されたガラスビーズ(6)が実質的に単層で
且つガラスビーズの少なくともほぼ上半球面が露呈する
ようにして埋設してある。また露呈したガラスビーズ表
面上には透明な保護フィルム(7)がビーズ支持層を加熱
成形して造られた連続線状の連結壁(8)により連結され
ており、保護フィルムと連結壁とビーズ支持層により多
数の密封小区画空室(9)が形成されている。
【0023】補強層の背面には、必要に応じて、例えば
感圧接着剤等の接着剤(10)が積層され、さらにその背面
に例えば剥離紙等の保護基材(11)が積層されている。
【0024】本発明の特徴は支持体フィルムが組成の異
なる三層により構成されている点にある。
【0025】まず本発明のビーズ支持層は、非架橋ない
し低架橋の熱可塑性樹脂を主成分として形成される。ビ
ーズ支持層は、熱変形、成型による連結壁形成時におい
て流動し、容易に成型可能なよう、また、カットされた
セル状反射シートのエッヂシールが可能なように、さら
に保護フィルムに十分に密着し優れた接着強度を示すよ
う、加えて、保護フィルムの伸縮変形時に基づく歪を柔
軟に吸収するよう熱可塑性であることが必須である。
【0026】従って、ビーズ支持層を過度に架橋するこ
とは好ましくなく、非架橋または低架橋樹脂を主成分と
して形成されなくてはならない。ビーズ支持層のゲル分
は好ましくは0〜20重量%、より好ましくは0〜10重量
%である。
【0027】ここでいうゲル分とは、架橋度合の目安で
あり、ビーズ支持層などの試料となる樹脂層をテトラヒ
ドロフランに25℃で12時間浸漬し、攪拌後400メッシュ
金網で濾過し、金網上に残った樹脂を乾燥後秤量しても
との樹脂層重量に対する重量割合を測定したものであ
る。なお、該樹脂層が樹脂以外の成分を含有する場合
は、この成分を除去補正し、ゲル分とする。
【0028】ビーズ支持層を形成する樹脂としては非架
橋もしくは低架橋の熱可塑性を有する樹脂、またはそれ
らの混合物を使用することができ、より具体的には、例
えばアクリル系樹脂、アルキッド系樹脂、ポリウレタン
系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、塩化ビ
ニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹
脂、ポリアミド系樹脂等を非架橋の状態で、あるいは架
橋剤等により架橋した状態で単独又は2種以上混合して
使用することができる。
【0029】ビーズ支持層には必要に応じて有機系、無
機系の着色剤、有機系、無機系の充てん剤、紫外線吸収
剤、光安定剤、酸化防止剤、蛍光増白剤等の助剤等を適
宜添加することができる。
【0030】ビーズ支持層の厚みはガラスビーズのほぼ
下半球を埋設できる厚み以上であれば良く、樹脂の種
類、ガラスビーズの大きさ等に応じて適宜決定すればよ
いが、一般には20〜200μm、好ましくは30〜150μm、さ
らに好ましくは50〜100μmの範囲内に設定するのが好都
合である。
【0031】本発明の補強層は架橋樹脂により形成され
る。補強層に用いられる樹脂はその強靭性によりセル状
反射シートに強度を付与し、また、熱変形成型時の加工
性補助層として機能するよう架橋樹脂を用いなくてはな
らない。
【0032】ここで云う架橋樹脂とは、架橋された樹脂
を全樹脂中少なくとも50重量%以上含有する樹脂のこと
をいい、ゲル分において50重量%以上の樹脂である。補
強層の好ましいゲル分は70重量%以上、より好ましいゲ
ル分は80重量%以上である。
【0033】補強層を形成する樹脂としては特に制限さ
れるものではなく架橋した樹脂であれば良く、例えば紫
外線、電子線などの活性線の照射、加熱、触媒等により
自己架橋された内部架橋型の樹脂;及びポリイソシアネ
ート化合物、メラミン又はその誘導体、エポキシ化合物
又はその誘導体、アルミニウム、チタン等の金属のキレ
ート化合物等の架橋剤との併用により架橋された外部架
橋型の樹脂;等が単独で、または2種以上混合して使用
することができる。また、非架橋樹脂を前述の条件を損
なわない範囲内で併用してもよい。
【0034】補強層には必要に応じてビーズ支持層同
様、着色剤、充てん剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化
防止剤、蛍光増白剤、離型剤等の助剤を適宜添加するこ
とができる。
【0035】補強層の厚みは厳密に制限されるものでは
なく、補強層の材質、最終製品の用途等に応じて広い範
囲にわたって変えることができるが、一般には、5〜100
μm、好ましくは10〜70μm、さらに好ましくは20〜50μ
mの範囲内とするのが適当である。
【0036】本発明においてビーズ支持層と補強層は結
合層により結合され複合一体化される。このため、結合
層はビーズ支持層に対しても、補強層に対しても優れた
接着強度を示すよう、半架橋樹脂により形成される。
【0037】ここでいう半架橋樹脂とは非架橋樹脂を含
有する架橋樹脂のことを指し、ゲル分において5〜90重
量%程度の樹脂である。
【0038】結合層のゲル分としては、好ましくは10〜
80重量%、より好ましくは20〜60重量%である。
【0039】結合層を形成する樹脂としては、特に制限
されるものではなく、上記ゲル分を満足するよう選定し
た樹脂であればよく、低架橋樹脂及び/又は架橋樹脂と
非架橋樹脂との混合樹脂が使用される。
【0040】より具体的には、例えばアクリル系樹脂、
アルキッド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル
系樹脂、エポキシ系樹脂等を非架橋もしくは架橋した形
態で単独で、または2種以上混合して使用することがで
きる。
【0041】結合層には必要に応じて、ビーズ支持層及
び補強層と同様、着色剤、充てん剤、紫外線吸収剤、光
安定剤、酸化防止剤、蛍光増白剤等の助剤を適宜添加す
ることができる。
【0042】結合層の厚みは厳密に制限されるものでは
なく、結合層の材質、最終製品の用途等に応じて広い範
囲にわたって変えることができるが、一般には0.5〜50
μm、好ましくは1〜30μm、さらに好ましくは2〜20μ
mの範囲内とするのが適当である。
【0043】結合層はビーズ支持層と補強層を強固に接
着し一体化して両層の機能を併わせ持つ優れた支持体フ
ィルムを提供できるよう機能するが、加えて、架橋度合
の異なる両層間に位置し、その架橋度合をビーズ支持層
のゲル分より大、補強層のゲル分より小となるように設
計することにより、支持体フィルムに優れた歪の吸収性
を付与することも好ましい態様である。
【0044】また例えば、結合層に官能基を有する樹脂
を含有させる等の手段により、補強層に添加した架橋剤
等の低分子量物質がビーズ支持層中に移行し、ビーズ支
持層の好ましい特性を変化させてしまう等の移行による
弊害を防止するための移行防止層としての機能を持たせ
ることもできる。
【0045】本発明において支持体フィルムは、ビーズ
支持層、結合層、補強層の3層により構成されるが、そ
れぞれの層は必ずしも単一の組成の層である必要はな
く、各層それぞれの特性を損なわない範囲で、例えば組
成の異なる二層以上の層、また例えば、架橋度合の異な
る2層以上の層として形成してもよいし、あるいは、例
えば連続的に架橋度合が変化するような層を用いて形成
してもよい。
【0046】本発明のセル状反射シートに用いられる保
護フィルム、ガラスビーズ、金属蒸着膜等については特
に限定されるものではなく、前述の特許公報等に記載さ
れる公知のものを用いればよい。
【0047】また、本発明のセル状反射シートの製造方
法についても、特に制限されるものではなく、上記同様
公知の製造方法を用いればよい。
【0048】例えば、支持体フィルムの製造について
は、複数層を同時に、あるいは順番に塗り重ねて形成し
てもよいし、予め形成した層を重ね合わせて、あるい
は、予め形成した層もしくはフィルムを接着貼り合わせ
て形成してもよい。要するに支持体フィルムが結果とし
て特性の異なる三層構造になっていればよいのである。
【0049】
【実施例】以下実施例及び比較例により本発明を具体的
に説明する。なお、実施例及び比較例に用いた各テスト
項目の測定法は次のとおりである。
【0050】(1) 低温引裂テスト 10cm×10cmの試料を−20℃で1時間冷却後、一辺のほぼ
中央部に長さ1cmの切れ目を入れ、その切れ目よりシー
トを引き裂き、各層の密着性を下記評点により評価し
た。
【0051】1…各層間が剥離することなくシートが引
き裂ける。 2…層間剥離が部分的に発生する。層間剥離面積5cm2
以下 3…層間剥離が発生する。層間剥離面積5cm2超。
【0052】(2) 冷熱サイクルテスト 7cm×15cmのアルミ板の片方の表面に試料を全面に貼付
け、23℃で72時間放置後、下記条件を1サイクルとし
て、500サイクル冷熱サイクルテストした後、試料の外
観変化を下記評点で評価した。 1サイクル:−30℃×1時間→90℃×1時間
【0053】1…剥がれ、クラック、収縮、変退色等の
外観変化がほとんどない。 2…剥がれ、クラックの発生はないが収縮もしくは変退
色がある。 3…クラックがある。 4…剥がれがある。
【0054】(3)耐候性テスト 7cm×15cmのアルミ板の片方の表面に試料を全面に貼り
付け、23℃で72時間放置後、キセノンランプウェザー・
オ・メーターを用いて、下記条件で4000時間耐候性テス
トを行った。
【0055】キセノンランプウェザー・オ・メーター:
アトラス社製 Ci35A型 ブラックパネル温度:80±3℃ スプレーサイクル:120分中18分
【0056】(a) 外観 耐候性テスト後の試料の外観を下記評価点で評価した。 1…剥がれ、クラック、収縮、変退色等の外観変化がほ
とんどない。 2…剥がれ、クラックの発生はないが収縮もしくは変退
色がある。 3…クラックがある。 4…剥がれがある。
【0057】(b) 反射性能保持率 試料の反射性能を耐候性テスト前、テスト後で測定し、
その保持率を%で表わした。光反射性能の測定はJIS Z-
9117に記載された反射性能の測定法に従って測定した。
なお、観測角は12'、入射角は5゜とした。
【0058】実施例1 シリコーン処理ポリエチレンテレフタレートフィルム上
に、メチルメタクリレート(MMA)−エチルアクリレー
ト(EA)−2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)
共重合体のメチルイソブチルケトン/トルエン(1/1)
溶液(重量組成比:MMA/EA/HEMA=20/65/15、固形分50
重量%)100重量部とヘキサメチレンジイソシアネート
系架橋剤溶液(固形分75重量%)14.2重量部の混合溶液
を塗布、乾燥して厚み約40μmの補強層を形成した。
【0059】次に、MMA−EA−HEMA(重量組成比:40/55
/5)共重合体のメチルイソブチルケトン/トルエン(1/
1)溶液(固形分30重量%)100重量部、ヘキサメチレン
ジイソシアネート系架橋剤溶液(固形分75重量%)1重
量部、無機充てん剤としての酸化チタン30重量部の混合
液を補強層の上に塗布、乾燥して厚み約5μmの結合層
を形成した。
【0060】この補強層・結合層の積層品を35℃で加熱
エージングし架橋反応を完結させた。
【0061】その後、結合層の上に、MMA−EA(重量組
成比:40/60)のメチルイソブチルケトン/トルエン(1
/1)溶液(固形分35重量%)100重量部、有機充てん剤
としてのMMA−BA−St(スチレン)多段重合内部架橋樹
脂7重量部、セルロースアセテートブチレート2重量
部、無機充てん剤としての酸化チタン18重量部の混合液
を塗布、乾燥して厚み約80μmのビーズ支持層を形成
し、ビーズ支持層、結合層及び補強層の3層からなる支
持体フィルムを造った。
【0062】なお、上記各層のゲル分は、ビーズ支持層
0重量%、結合層25重量%、補強層95重量%であった。
【0063】次に、厚さ約20μmのポリエチレン樹脂を
紙にラミネートした工程紙を約105℃に加熱し、この上
に平均粒子径約65μm、屈折率約1.91のガラスビーズを
均一に且つ密に分散させ、ニップロールにより加圧しガ
ラスビーズをその直径の約1/3までポリエチレン樹脂中
に埋め込み、このガラスビーズを埋め込んだ工程紙表面
に真空蒸着機を用いてアルミニウムを約0.1μmの厚みで
真空蒸着した。
【0064】このガラスビーズ埋め込み工程紙のアルミ
ニウム蒸着側に支持体フィルムのビーズ支持層側が面す
るように重ね合わせ、加熱、加圧して、ガラスビーズを
ビーズ支持層中にその直径の約1/3まで埋め込み、この
積層物よりポリエチレン樹脂ラミネート工程紙を引き剥
がした。次いで露出したガラスビーズ上に、保護フィル
ムとして厚み約75μmの無延伸アクリルフィルム〔三菱
レーヨン(株)製〕を重ねて置き、線巾0.3mmの網目状凸
彫刻を施した表面温度約190℃の金属ロールと表面温度
約60℃のゴムロールとの間を、アクリルフィルム側がゴ
ムロールと接触するようにして加圧しながら通過させて
熱変形成形を行った。
【0065】この熱変形成形物より、シリコン処理ポリ
エチレンテレフタレートフィルムを除去し、厚み約40μ
mのアクリル系粘着剤層〔日本カーバイド工業(株)製
「ニッセツ KP-997」により調製〕を補強層にラミネー
トし、セル状反射シートを作製した。
【0066】得られたシートは表1に示すとおり、苛酷
な条件にも十分耐え得る優れた特性を有するものであっ
た。
【0067】比較例1 支持体フィルムを実施例1と同組成のビーズ支持層単独
で造った(厚み約125μm)以外は全て実施例1と同様に
してセル状反射シートを造った。
【0068】得られたセル状反射シートは、表1に示す
とおり苛酷な条件下では収縮の発生し易い耐候性の劣る
ものであった。
【0069】比較例2 支持体フィルムを実施例1と同組成の補強層とビーズ支
持層2層構造として形成した以外は全て実施例1と同様
にしてセル状反射シートを造った。
【0070】得られたセル状反射シートは、表1に示す
とおり苛酷な条件下では剥がれ現象の発生する耐候性に
劣るものであった。
【0071】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセル状反射シートの模式断面図であ
る。
【符号の説明】
1・・・・・・支持体フィルム 2・・・・・・ビーズ支持層 3・・・・・・結合層 4・・・・・・補強層 5・・・・・・金属蒸着膜 6・・・・・・ガラスビーズ 7・・・・・・保護フィルム 8・・・・・・連続線状の連結壁 9・・・・・・密封小区画空室 10・・・・・・接着剤層 11・・・・・・保護基剤

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一方の表面上にほぼ下半球面を金属蒸着膜
    で被覆したガラスビーズを実質的に単層で且つガラスビ
    ーズの少なくともほぼ上半球面が露呈するように埋没し
    た支持体フィルムと、露呈したガラスビーズ表面上に設
    けた透明な保護フィルムと、両フィルムを多数の密封小
    区画空室を形成するようにして連結する連続線状の連結
    壁よりなるセル状再帰反射シートにおいて、該支持体フ
    ィルムがガラスビーズを埋設支持し且つ連結壁を構成す
    る熱可塑性のビーズ支持層と、該ビーズ支持層のガラス
    ビーズを支持する面の反対側に位置する架橋された樹脂
    により形成された補強層と、両層の間に位置し両層を結
    合する半ば架橋された樹脂により形成された結合層より
    なることを特徴とするセル状反射シートであって、上記
    ビーズ支持層のゲル分が20重量%以下、上記結合層のゲ
    ル分が10〜80重量%、上記補強層のゲル分が70重量%以
    上であるとともに、該結合層のゲル分はビーズ支持層の
    ゲル分より大で且つ該補強層のゲル分より小であるセル
    状反射シート。
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