JP2009229942A - カプセルレンズ型再帰反射シート - Google Patents

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Abstract

【課題】製造においてガラスビーズの転写後から熱溶融成形加工までの長期保存が可能で耐有機溶剤性に優れた反射シートを提供する。
【解決手段】カプセルレンズ型再帰反射シートを構成する支持樹脂層がアクリル樹脂を酸触媒の存在下メラミン架橋剤で熱架橋した架橋樹脂を含む樹脂組成物からなるものであり、熱処理後の支持樹脂層のゲル分率が80〜95%の範囲内であることを特徴としたカプセルレンズ型再帰反射シート。
【選択図】図1

Description

本発明は、道路標識、工事標識等の標識類、自動車、オートバイ等の車両のナンバープレート類、衣服、救命具等の安全用資材類、看板等のマーキング等において有用な再帰反射シートに関する。
従来より光を光源方向に向けて再帰反射させる再帰反射シートはよく知られており、その再帰反射性能を利用して、該シートは、上記のごとき利用分野で広く利用されている。中でも空気等の気体の屈折率の低さを利用し、光透過性保護フィルムとガラスビーズとの間に気体層を設けることにより、光の反射性能を高めた再帰反射シートとして、例えば特開昭40−7870号公報(特許文献1)及び特公昭61−13561号公報(特許文献2)に示されるようなカプセルレンズ型再帰反射シートがよく知られている。
このようなカプセルレンズ型再帰反射シートには、その再帰反射性能の高さが最も重要な機能として要求されているが、加えて、多岐に渡る使用条件の場合でも、その高度の再帰反射性能を長期間維持することのできる優れた耐候性や、視認性を高めるための再帰反射シートの色の鮮やかさ等も重要な機能として要求される。
カプセルレンズ型再帰反射シートの再帰反射性能の低下は、表面保護フィルムのクラック;表面保護フィルムと結合部間界面での接着破壊;結合部自体の破壊や支持樹脂層自体の破壊等により、カプセルの機密性が失われて内部に雨水等が浸入し、再帰反射性能の重要な因子である該カプセル中の屈折条件が変動したり、また、鏡面反射層である金属蒸着層が劣化して光反射性能を失ったりすることによるものであるため、これらの問題が起こらない物性を有した再帰反射シートが望まれている。
カプセルレンズ型再帰反射シートは特開昭60−194405号公報(特許文献3)に示されるような支持樹脂層を架橋させるものと特開平2−196653号公報(特許文献4)に示されるような架橋させないものとに大別される。特開昭60−194405号公報ではポリイソシアネートによって支持樹脂層を常温で架橋するため、熱溶融成形加工は支持樹脂層が熱溶融成形可能な硬度になっていなければならず、溶融成形は支持樹脂層施工後3〜6日の間に行う必要があり、それ以降に成形加工を行うと保護フィルムとの密着力が得られない。一方、特開平2−196653号公報では架橋を行っていないことから、架橋タイプのように架橋状態を制御する必要が無い利点を持つので、後述するガラスビーズの転写後から熱溶融成形加工までの長期保存が可能となる。しかしながら、非架橋タイプの再帰反射シートは支持樹脂層の架橋を行っていないことから、架橋タイプに対して結合部の有機溶剤に対する耐性が比較的弱いという問題を抱えている。
特開昭40−7870 号公報 特公昭61−13561 号公報 特開昭60−194405号公報 特開平2 −196653号公報
有機溶剤のアタックによる表面保護フィルムのクラックや剥離が引き起こされると、上記の理由によって再帰反射性能が著しく低下する。そのため、製造においてガラスビーズの転写後から熱溶融成形加工までの長期保存が可能であり、架橋タイプ同様の耐有機溶剤性を有するカプセルレンズ型再帰反射シートが要求される。
上記の問題を解決するために、本発明では常温では硬化しない架橋剤を使用し、必要に応じて加熱処理により架橋反応を促進し、結合部の強度を確保するという手法を用いた。また、加熱処理を温和な条件で行う目的で酸触媒を用いると、常温では硬化しないが、温和な条件での加熱処理では架橋が進行し、その結果、上記問題をことごとく解決した再帰反射シートが得られることを見出した。
本発明によればカプセルレンズ型再帰反射シートを構成する支持樹脂層がアクリル樹脂を酸触媒の存在下メラミン架橋剤で熱架橋した架橋樹脂を含む樹脂組成物からなるものであり、熱処理後の支持樹脂層のゲル分率が80〜95%の範囲内であることを特徴としたカプセルレンズ型再帰反射シートが提供される。
以下、本発明のカプセルレンズ型再帰反射シートについてさらに詳細に説明する。
本発明のカプセルレンズ型再帰反射シートは、その中に組み込まれている支持樹脂層がメラミン架橋されているため、従来のイソシアネートのものと比べて極めて架橋速度が小さい。このことから時間経過に伴う支持樹脂層の硬度の変化がわずかであり、常温での保存で熱溶融成形加工可能硬度が少なくとも30日以上持続されるため、ガラスビーズの転写後から熱溶融成形加工までの長期保存が可能となる。また、支持樹脂層と表面保護フィルムとの密着性や耐有機溶剤性を確保するため、熱溶融成形後に熱処理によって架橋を促進させる必要が出てくるが、一般にアクリル系樹脂の水酸基とメラミン架橋反応は高い温度により進行することが知られており、メラミン架橋剤のみで架橋させる場合、反応を促進させるための加熱温度が表面保護フィルムの軟化点を越えてしまい保護フィルムの平滑性を損ねてしまうため、製造工程としては適さない。そこで支持樹脂層にはメラミン架橋剤に加え酸触媒を混合させておき、メラミン架橋の高い反応活性化エネルギーを低下させることによって、保護フィルムの軟化点を下回る温度での熱処理を可能にしている。以上のことより常温での保存に有利でなおかつ熱処理に要求される温度が温和なカプセルレンズ型再帰反射シートが提供される。酸触媒はその添加量と架橋する樹脂の官能基数の調整及びメラミン架橋剤の選定をすることによって容易に架橋反応の進行する温度やその速度を制御することができ、非常に効果的である。また、熱処理後の支持樹脂層のゲル分率は80〜95%の範囲内とすることが好ましい。ゲル分率が20%程度になるまで架橋させれば支持樹脂層と保護フィルムの密着性を改善することができ、ゲル分率を80%以上とすることで耐有機溶剤性を改善することができる。また、95%以上とすると結合部が堅固になりすぎて脆くなるため表面保護フィルムの密着性が悪くなる他、有機溶剤の影響による表面保護フィルムの伸縮への追従性を喪失しているため、耐有機溶剤性が得られない。
本発明の再帰反射シートの構造について記述する。
カプセルレンズ型再帰反射シートは図1のように鏡面反射層(3)を有したガラスビーズ(2)をマイクロレンズ型反射素子としており、これらがほぼ最密充填状に配置され、支持樹脂層(4)中にそのガラスビーズの鏡面反射層側が埋まるように埋設支持されて、再帰反射素子層となる。支持樹脂層の下には必要に応じて支持樹脂層を補強する補強層(5)を配置し、さらに支持樹脂層を部分的に加熱溶融成形した連続線状の結合部(6)により表面保護フィルム(1)と支持樹脂層が結合され、該結合部によって囲まれた多数のカプセル内に空気の層が封入されている。カプセルレンズ型再帰反射シートにおいては、このように封入された空気層を保持することにより、はじめて再帰反射性を発揮することができる。結合部は空気層を保持すると共に、再帰反射素子層の表面に水などが侵入するのを防止する。反射素子層の表面が水などで覆われてしまうと、光屈折率の関係で再帰反射素子に入射した光が該素子の鏡面反射層上で焦点を結ばなくなり、再帰反射性が損なわれる。該再帰反射シートには他の構造体に貼付するために接着剤層(7)と剥離基材層(8)などを設けることができる。
以下、本発明のカプセルレンズ型再帰反射シートの製造方法について説明する。
まず、ポリエチレンラミネート紙等の仮支持体上にガラスビーズを、均一且つ密に単層で分散させ、ニップロールにより加圧して直径の1/4〜1/2がポリエチレン層に埋没するようにして埋設し、露呈しているガラスビーズ側にアルミニウムのごとき金属を真空蒸着して、ガラスビーズの約半球面を厚み約0.1μmの金属蒸着膜で覆い、鏡面反射層を形成する。次に、剥離処理を施したポリエチレンテレフタレート工程フィルム等の工程基材上に補強層形成樹脂溶液を塗布・乾燥して補強層を形成し、更にその上に支持樹脂層形成樹脂溶液を塗布・乾燥して補強層/支持樹脂層の積層を形成する。その後、上記積層物の支持樹脂層側とガラスビーズの金属蒸着層側が対向するように重ね合わせ、ガラスビーズの直径の約1/4〜1/2が支持樹脂層に埋没するようにして両者を加圧ラミネートする。補強層/支持樹脂層の積層は工程フィルムに支持樹脂層を形成後、ガラスビーズを加圧埋設してから、別途剥離処理工程フィルムに形成した補強層を支持樹脂層の工程フィルムを剥がし、支持樹脂層側に貼り合わせる方法で製造しても良い。その後、仮支持体を剥離し、ガラスビーズを転写させ、露呈したガラスビーズ面にアクリルフィルム等の光透過性保護フィルムを重ねて置き、エンボスロール等を用いて熱溶融成形を施して、保護フィルムと支持樹脂層とを部分的に接着固定させる。熱溶融成形は補強層の架橋を実質的に完結させてから行うため、補強層施工後3日以上放置してから行う。最後に補強層の工程フィルムを剥がし、剥離処理加工したポリエチレンテレフタレート等の工程基材に接着剤を塗工し、上記シートの補強層側に重ね、貼り合わることにより、再帰反射シートを製造することができる。
本発明のカプセルレンズ型再帰反射シートの各層の詳細について記述する。
最も表面に配置される光透過性保護フィルムは、少なくとも20%以上、好ましくは40%以上の全光線透過率を有するある程度の柔軟性を有するものであれば、その材質には特に制限はなく、例えば、アクリル系樹脂フィルム、フッ素系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、塩化ビニル系樹脂フィルム、ポリカーボネート系樹脂フィルム、ポリエステル系樹脂フィルム、ポリオレフィン系樹脂フィルム等が挙げられる。これらの光透過性保護フィルムとしては、耐候性に優れたフィルムが好ましく、中でもアクリル系樹脂フィルム及びフッ素系樹脂フィルムは耐候性に優れており、屋外において長期使用する反射性シート用の保護フィルムとして特に好適である。
これらの保護フィルムは一般に未延伸のものであることが好ましい。一軸又は多軸延伸したフィルムの機械的強度は大きくなるが、フィルム中に歪が残り、得られる再帰反射シートの耐久性を損なうことがあるからである。また、使用する保護フィルムの厚みは、再帰反射シートの用途に応じて広い範囲にわたり変えることができるが、通常20〜200μm、好ましくは40〜150μm、さらに好ましくは50〜100μmの範囲内とすることができる。
上記のごとき表面保護フィルムと空気層を介して存在する支持樹脂層及び補強層の形成は、上記のように両層を連続的に積層させていく方法と別個に塗工した両層を貼り合わせる方法がある。
支持樹脂層を構成する樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル系樹脂等の樹脂を挙げることができ、これらはそれぞれ単独で、或いは2種以上の樹脂成分と共重合された形で又はブレンドした形で用いることができるが、これらの中で耐候性に優れ、熱溶融特性の調節が容易なアクリル系樹脂が好ましく、特に少なくとも2種以上のアクリル系単量体を共重合して得られるアクリル系樹脂が好ましい。
本発明では支持樹脂層の架橋はメラミン架橋剤により行っており、有する官能基としてはメトキシメチル基、メチロール基、イミノ基等でそれと反応しうる官能基としては、例えば水酸基、メチロール基、アミノ基等の活性水素含有官能基を挙げることができ、中でも水酸基が好適である。メラミン架橋を触媒する酸化合物としては、燐酸、塩酸、硝酸、スルホン酸等のプロトン酸や非占有電子軌道を持つルイス酸及びそれらの塩等を含有する化合物の単量体あるいは多量体、重合体が挙げられる。これらは反応を触媒するものであるため、反応後には不純物として層中に残存し、予期せぬ問題を誘発する恐れがある。そのため、添加量は少量にすることが好ましいが、少量では触媒の能力が得られにくくなる。当然使用する樹脂の官能基数やメラミン架橋剤の種類などによって架橋速度は変化するため、酸触媒の添加量が少量でも充分な効果が得られる場合もある。
支持樹脂層の厚みは厳密に制限されるものではなく、支持樹脂層の樹脂の種類、ガラスビーズの大きさ等に応じて広範囲にわたって変えることができるが、一般には、20〜200μm、好ましくは30〜150μm、さらに好ましくは50〜100μmの範囲内に設定するのが好都合である。
一方、支持樹脂層に埋設される再帰反射素子であるガラスビーズは、屈折率が1.7〜2.0、特に1.91程度で平均粒子径が通常30〜100μm、特に40〜90μmの範囲内にあり、ガラスビーズのほぼ下半球部分がアルミニウム、銀、鉄、金、クロム、チタン、銅、亜鉛、ニッケル等の金属又はその合金を蒸着などによって鏡面処理されているものである。
本発明の再帰反射シートにおいて、光透過性保護フィルムは、支持樹脂層に部分的に接着固定され、それによって保護フィルム、結合部及び支持樹脂層によって形成された気体層を有する再帰反射シートが製造されるが、再帰反射シートの加工適正、すなわち、再帰反射シートが所望のサイズ、所望の形状にカットされて使用されることを考慮すれば、カットされた端部からの雨水等の浸入がシートの全体に及ばぬようにするため、結合部を網目状に形成し、保護フィルムと支持樹脂層間に約10〜100mm程度の面積の多数の区画された密封小区画空室を形成した、所謂カプセルレンズ型再帰反射シートとすることが好適である。
さらに支持樹脂層を支持補強する補強層を構成するために使用される樹脂は紫外線、電子線などの活性線の照射、加熱、触媒等により自己架橋しうる内部架橋型の樹脂及びポリイソシアネート化合物、メラミン化合物又はその誘導体等との併用により架橋しうる外部架橋型の樹脂の両者が包含される。
補強層の厚みもまた厳密に制限されるものではなく、補強層の材質、最終製品の用途等に応じて広い範囲にわたって変えることができるが、一般には、5〜100μm、好ましくは10〜70μm、さらに好ましくは20〜50μmの範囲内とするのが適当である。
また、下記の再帰反射シートの構造を示した図1には支持樹脂層、補強層はそれぞれ単一の層として描かれているが、支持樹脂層及び補強層は組成が同一もしくは相異なる複数の層で構成されていても良い。
カプセルレンズ型再帰反射シートの最裏面には所望に応じて、各種被着体に該再帰反射シートを貼りつけるための接着剤層、その接着剤層にごみ等が付着するのを防止するための剥離基材等を積層形成して用いても良い。接着剤層のための接着剤としては、感圧接着剤、感熱型接着剤、架橋型接着剤などから適宜選択することができる。感圧接着剤としては、例えば、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ノニルアクリレートなどのアクリル酸エステルをアクリル酸、酢酸ビニルなどと共重合して得られるポリアクリル酸エステル感圧接着剤、シリコン樹脂系感圧接着剤、ゴム系感圧接着剤などを用いることができ、また、感熱型接着剤としては、例えば、アクリル系、ポリエステル系、エポキシ系樹脂などからなるものを用いることができる。その施工に関しては、剥離処理工程フィルムに接着剤層形成用樹脂を塗布・乾燥して上記再帰反射シートの補強層側に貼り合わせ、接着剤層を形成する。ここで工程フィルムとして使用した基材をそのまま剥離基材とすることもできるが、必要に応じて工程フィルムを剥離し、新たに所望の剥離基材を貼り合わせることもできる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
実施例1
軟化温度105℃のポリエチレン(PE)を工程紙「EKR−78UL」[リンテック(株)製]にラミネートした仮支持体を約105℃に加熱し、この上に平均粒子径約65μm、屈折率約1.91のガラスビーズを均一に且つ密に単層で分散させた後、ニップロールにより加圧してガラスビーズ「ULGB−35AC」[(株)ユニオン製]をその直径の1/3だけPE中に埋め込んだ。
その後、仮支持体のガラスビーズが露呈している面に、アルミニウムを真空蒸着し、ガラスビーズのほぼ半球面に厚さ約0.1μmの金属蒸着膜を形成した。
次に、剥離処理を施した厚さ20μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム「20−CH」[藤森工業(株)製]上に、固形分50重量%のアクリル系樹脂溶液[エチルアクリレート(EA)65重量%、メチルメタクリレート(MMA)20重量%、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)5重量%を共重合させた重量平均分子量12万、ガラス転位温度約3℃のアクリル系共重合体のメチルイソブチルケトン(MIBK)/トルエン溶液]100重量部と固形分75重量%のヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)系架橋剤「スミジュールN−75」[住友バイエルウレタン(株)製]14.2重量部の混合溶液を塗布・乾燥して厚み30μmの補強層を形成した。
さらに、この補強層の上に、固形分52重量%のアクリル系樹脂溶液[EA53重量%、MMA37重量%、HEMA10重量%を共重合させた重量平均分子量約25万、ガラス転位温度約16℃のアクリル系共重合体のMIBK/トルエン溶液]100重量部とルチル型酸化チタン「CR−90−2」[石原産業(株)製]21重量部を混合して得られるアクリル系樹脂溶液に対し、固形分100重量%のメチルエーテル化メチロールメラミン「ニカラックMW−30」[(株)三和ケミカル製]4.2重量部、ポリ燐酸エステル溶液「CT−198」[特殊色料工業(株)製]のイソプロピルアルコール(IPA)/トルエン溶液による5重量%希釈品1.1重量部の混合溶液を塗布・乾燥させて厚さ約75μmの支持樹脂層を形成することにより、補強層−支持樹脂層積層物を得た。
次に先に作ったガラスビーズ埋め込み工程紙のアルミ蒸着側に上記積層物の支持樹脂層側が面するように重ね合わせ加圧し、ガラスビーズの直径の約1/3を支持樹脂層中に埋め込んだ。次いで、得られた積層シートから仮支持体であるPEラミネート紙を剥離して、ガラスビーズを支持樹脂層に転写した。
次にガラスビーズが転写された積層物の支持樹脂層上に、厚さ75μm、全光線透過率約93%の無延伸アクリルフィルム「HBL−002」[三菱レイヨン(株)製]を、ガラスビーズとアクリルフィルムが対向するように重ね合わせ、線幅約0.3mmの網目状突起を有する表面温度が約200℃の金属ロールと表面温度が約60℃のゴムロールの間をアクリルフィルム側がゴムロールと接触するようにして通過させながら、金属ロールを剥離処理PETフィルム側から加圧押し当てて熱溶融成形を行った。
得られた熱溶融成形物に80℃×7日間熱処理を実施し、支持樹脂層のゲル分率が9080%になるまで架橋させた後、熱溶融成形物より、剥離処理PETフィルムを除去し、別途厚さ約75μmのシリコン処理PET剥離フィルム「PET−7511」[リンテック(株)製]上に形成した厚さ約40μmのアクリル系感圧接着剤[日本カーバイド工業(株)製 「ニッセツKP−997」により作成]を、補強層と感圧接着剤が接触するようにして積層貼り合わせてカプセルレンズ型再帰反射シートを作成した。
得られたカプセルレンズ型再帰反射シートの性能は表1に示すとおりで、表面保護フィルムの密着性や耐有機溶剤性において問題がない優れた特性を有するものであった。また、この組成の支持樹脂層を用い、支持樹脂層施工後23℃で30日経過後に熱溶融成形をしたところ、問題なく貼り合わせることができた。
実施例2
実施例1において、支持樹脂層形成に、固形分52重量%のアクリル系樹脂溶液[EA55重量%、MMA40重量%、HEMA5重量%を共重合させた重量平均分子量約21万、ガラス転位温度約16℃のアクリル系共重合体のMIBK/トルエン溶液]100重量部とルチル型酸化チタン21重量部を混合して得られるアクリル系樹脂溶液に対し、固形分60重量%のメチルエーテル化メチロールメラミン「ニカラックMS−11」[(株)三和ケミカル製]3.3重量部、ポリ燐酸エステル溶液「CT−198」[特殊色料工業(株)製]のIPA/トルエン溶液による25重量%希釈品0.5重量部の混合溶液を用いた以外は全て実施例1と同様にしてカプセルレンズ型再帰反射シートを作成した。
得られたカプセルレンズ型再帰反射シートの性能は表1に示すとおりで、表面保護フィルムの密着性や耐有機溶剤性において問題がない優れた特性を有するものであった。また、この組成の支持樹脂層を用い、支持樹脂層施工後23℃で30日経過後に熱溶融成形をしたところ、問題なく貼り合わせることができた。
実施例3
実施例1において、支持樹脂層形成に、固形分52重量%のアクリル系樹脂溶液[EA55重量%、MMA40重量%、HEMA5重量%を共重合させた重量平均分子量約21万、ガラス転位温度約16℃のアクリル系共重合体のMIBK/トルエン溶液]100重量部とルチル型酸化チタン21重量部を混合して得られるアクリル系樹脂溶液に対し、固形分80重量%のメチルエーテル化メチロールメラミン「ニカラックMX−730」[(株)三和ケミカル製]7.1重量部、ポリ燐酸エステル溶液「CT−198」[特殊色料工業(株)製]のIPA/トルエン溶液による5重量%希釈品1.4重量部の混合溶液を用いた以外は全て実施例1と同様にしてカプセルレンズ型再帰反射シートを作成した。
得られたカプセルレンズ型再帰反射シートの性能は表1に示すとおりで、表面保護フィルムの密着性や耐有機溶剤性において問題がない優れた特性を有するものであった。また、この組成の支持樹脂層を用い、支持樹脂層施工後23℃で30日経過後に熱溶融成形をしたところ、問題なく貼り合わせることができた。
比較例1
実施例1において、ガラスビーズに「ULGB−27AC」[(株)ユニオン製]を用いたこと、支持樹脂層形成に、固形分45%の「ST−651W」[特殊色料工業(株)製]100重量部、固形分29%の「KP−1684A」[ニッカポリマ(株)製]76.7重量部、固形分39%の「KP−1703A」[ニッカポリマ(株)製]57.8重量部、固形分53%の「ST−655W」[特殊色料工業(株)製]86.2重量部の樹脂混合液に固形分18%の「LBS−S」[特殊色料工業(株)製]101.7重量部、固形分15%の「CAB−ES」[特殊色料工業(株)製]30.5重量部の添加剤を加えた混合溶液を用いたこと以外は全て実施例1と同様にして支持樹脂層に架橋樹脂成分を含まないカプセルレンズ型再帰反射シートを作成した。
得られたカプセルレンズ型再帰反射シートの性能は表1に示すとおりで、耐有機溶剤性が悪く、性能的に劣るものであった。
比較例2
実施例1において、支持樹脂層配合液にポリ燐酸エステル溶液を添加していない以外は全て実施例1と同様にしてカプセルレンズ型再帰反射シートを作成した。
得られたカプセルレンズ型再帰反射シートの性能は表1に示すとおりで、トップフィルムの密着力、耐有機溶剤性が悪く、性能的に劣るものであった
比較例3
実施例1において熱処理時間を3日間に短縮し、支持樹脂層の架橋促進を抑えた(このときのゲル分率74%)以外は全て実施例1と同様にしてカプセルレンズ型再帰反射シートを作成した。
得られたカプセルレンズ型再帰反射シートの性能は表1に示すとおりで、耐メタノール性が悪く、性能的に劣るものであった。
比較例4
実施例1において支持樹脂層形成に、固形分52重量%のアクリル系樹脂溶液[EA52重量%、MMA33重量%、HEMA15重量%を共重合させた重量平均分子量約25万、ガラス転位温度約16℃のアクリル系共重合体のMIBK/トルエン溶液]100重量部とルチル型酸化チタン21重量部を混合して得られるアクリル系樹脂溶液に対し、固形分80重量%のメチルエーテル化メチロールメラミン「ニカラックMX−730」[(株)三和ケミカル製]20.9重量部、ポリ燐酸エステル溶液「CT−198」[特殊色料工業(株)製]のIPA/トルエン溶液による5重量%希釈品4.2重量部の混合溶液を用いたこと、得られた熱溶融成形物に熱処理を実施し、支持樹脂層のゲル分率が98%になるまで架橋させたこと以外は全て実施例1と同様にしてカプセルレンズ型再帰反射シートを作成した。
得られたカプセルレンズ型再帰反射シートの性能は表1に示すとおりで、トップフィルムの密着力、耐有機溶剤性が悪く、性能的に劣るものであった。
比較例5
実施例1において、支持樹脂層形成に、固形分67重量%のアクリル系共重合体溶液「ST−670W」[特殊色料工業(株)製]100重量部に対し、固形分15重量%のセルロースアセテートブチレート樹脂溶液「CAB」[特殊色料工業(株)製]32.2重量部、固形分75重量%のHMDI系架橋剤「スミジュールN−75」[住友バイエルウレタン(株)製]3.5重量部の混合溶液を用いること、熱溶融成形は表面温度160℃の金属ロールで行うこと及びその後の熱処理を行わないこと以外は全て実施例1と同様にしてカプセルレンズ型再帰反射シートを作成した。
得られたカプセルレンズ型再帰反射シートの性能は表1に示すとおりで、表面保護フィルムの密着性や耐有機溶剤性においては問題がないものであったが、この組成の支持樹脂層を用い、支持樹脂層施工後23℃で30日経過後に熱溶融成形をしたところ、結合部の形成が困難であったことから、ビーズの転写後から熱溶融成形加工までの長期保存ができない性能的に劣るものであった。
再帰反射シートの評価
以上の実施例及び比較例で得られた再帰反射シートについて、以下の測定・評価方法に従ってその性能を評価した。結果は表1に示す。
Figure 2009229942
(1)ゲル分率の測定方法
塗工サンプルを10×10cmにカットし、重量を測定後、THF中に23℃、24時間浸漬する。浸漬後、重量を測定した400メッシュの金網にてサンプルを濾過し、充分に乾燥させた後、濾物の重量を測定し、サンプル中のゲル分率を算出する。比較例5は加熱処理しないため、常温放置で架橋した場合のゲル分率の上限(23℃×10週間)を示した。
(2)常温養生後熱溶融成形可否
支持樹脂施工後、23℃で30日間放置してから熱溶融成形加工が可能か確認する。
○:熱溶融成形によって容易に結合部及び密封小区画空室を形成する。
×:熱溶融成形によっても結合部の形成が困難である。
(3)表面保護フィルムの密着性
アルミニウム基板に貼り付けた再帰反射シートの表面保護フィルムのみに切れ目を入れ、その上に接着剤付きのフィルムを貼りつけ、23℃で1時間放置した後、慣性力をつけて引き離したときの状態を観察する。
○:保護フィルムの剥離が全く生じていない。
×:保護フィルムが剥離している。
(4)耐有機溶剤性
再帰反射シートをアルミニウム基板に貼り付けた後、23℃で24時間放置した後、テストピースを有機溶剤中に所定時間浸漬してから取り出し、23℃で静置乾燥させて外観を観察する。
○:外観に異常が見られない。
△:目立った異常は見られないが、わずかに支持樹脂の溶剤への溶解がみられる。
×:支持樹脂が溶剤に溶解している。
×:支持樹脂の溶解はみられないが、表面フィルムに著しいクラックがみられる。
カプセルレンズ型再帰反射シートの断面図である。
符号の説明
1 表面保護フィルム
2 ガラスビーズ
3 金属蒸着層
4 支持樹脂層
5 補強層
6 結合部
7 接着剤層
8 剥離基材層

Claims (1)

  1. カプセルレンズ型再帰反射シートを構成する支持樹脂層がアクリル樹脂を酸触媒の存在下メラミン架橋剤で熱架橋した架橋樹脂を含む樹脂組成物からなるものであり、熱処理後の支持樹脂層のゲル分率が80〜95%の範囲内であることを特徴としたカプセルレンズ型再帰反射シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2013014727A1 (ja) * 2011-07-22 2013-01-31 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 再帰反射テープロール製品
CN109116453A (zh) * 2018-09-17 2019-01-01 合肥通路光学科技有限公司 夜光反光膜

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