JP2003508273A - 多層フィルムを有する再帰反射物品およびその製造方法 - Google Patents

多層フィルムを有する再帰反射物品およびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 多層フィルムを有する再帰反射物品は、商業用グラフィックや、高速道路輸送の安全のための巻上げ式標識などの再帰反射製品に有用である。これらの物品は、少なくとも1つのポリウレタン層と、アルキレンと少なくとも1種類の非酸性で極性のコモノマーとの少なくとも1つのコポリマー層とを有する多層フィルムを含む。従来の物品と比較した場合、新規多層フィルムを有する物品により、同等または改良された性能が得られ、より安価であり、改良された製造方法が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 関連出願に対するクロスリファレンス 本出願は、1999年9月10日に出願された同時係属中の通常出願第09/
393,369号の一部継続出願であり、1999年11月5日に出願された同
時係属中の仮出願第60/164,284号の出願日の利益を主張する。
【0002】 分野 本発明は、グラフィックデザインや再帰反射製品などの種々の用途に有用な再
帰反射物品ならびにその他の物品に関する。
【0003】 背景 ポリマーフィルムを含む物品は、広告用および再帰反射製品用の商業用グラフ
ィックなどの用途において広範囲の有用性を有する。特に、再帰反射製品(例え
ば、ビーズ系およびプリズム型(例えばキューブコーナー)再帰反射シーティン
グ)では、安全性、特に視認性の低下した期間中の安全性を向上させるための開
発が行われてきた。これらの物品は、極限状態の温度、大気汚染および道路の塩
分による化学的問題、ならびに太陽光からの赤外線、可視線、および紫外線の関
与する光反応などの厳しい環境に遭遇することもある。
【0004】 これらの物品に使用されるポリマーは、このような条件に耐えるため高性能で
あることが好ましい。種々の物品の作製に一般に使用されていた従来のポリマー
の例は、ポリ塩化ビニル(PVC)、フルオロポリマー、アクリル樹脂、および
ポリウレタンである。
【0005】 従来のポリマーを含有する多層フィルムも種々の物品に使用されてきた。この
ような従来の多層フィルムも短所を有していた。例えば、一部の従来の多層フィ
ルム(通常は2層のみを有するものであった)は、可撓性が不十分となったり、
層間剥離を起こしたり、商業用途には高価すぎたりする場合がある。
【0006】 上述の短所を回避するために、これらの従来のポリマーまたは多層フィルムの
代替品が望まれている。したがって、高性能(例えば可撓性)を示し、作製が簡
単であり、環境に優しい安価なポリマーフィルムという要求は満たされていない
【0007】 要約 本発明は、複数の再帰反射要素を含み、さらに少なくとも1つのウレタンポリ
マー層と、アルキレン(例えばエチレン)及び少なくとも1種類の非酸性で極性
のコモノマーのコポリマーのコア層とを有する実質的に連続的で実質的に接触し
ている多層フィルムを含む再帰反射物品を提供する。再帰反射要素は、反射コー
ティング層または微細構造プリズム要素と協同する透明ビーズを含んでもよい。
【0008】 本発明は、少なくとも1つのウレタンポリマー層と、アルキレン及び少なくと
も1種類の非酸性で極性のコモノマーのコポリマーのコア層とを含む接触してい
る層の新規多層状フィルムも提供する。このようなフィルムの新規作製方法も開
示する。
【0009】 1つの実施態様では、アルキレンコポリマーのコア層は、エチレンモノマーと
、酢酸ビニル、アクリレート、および一酸化炭素の少なくとも1種類から選択さ
れる少なくとも1種類の非酸性コモノマーとから形成される。通常、エチレンコ
ポリマーは55〜95重量%のエチレンと、5〜40重量%の非酸性コモノマー
とを含む。希望するのであれば、アルキレンコポリマーは、酸性または無水物系
コモノマーをさらに含んでもよく、通常約10重量%未満の酸性コモノマーを含
んでもよい。
【0010】 本発明の多層化フィルムに使用するのに特に好ましいエチレンコポリマーとし
ては、エチレン酢酸ビニル(「EVA」)、酸改質EVA、無水物改質EVA、
酸−アクリレート改質EVA、無水物−アクリレート改質EVA、エチレン酢酸
エチル(「EEA」)、エチレン酢酸メチル(「EMA」)、酸改質または無水
物改質エチレンアクリレート(「AEA」)、エチレン/酢酸ビニル/一酸化炭
素コポリマー(「EVACO」)、エチレン/アクリル酸n−ブチル/一酸化炭
素コポリマー(「EBACO」)、およびエチレン/アクリル酸n−ブチルコポ
リマー(「EnBA」)が挙げられる。
【0011】 定義 本発明で使用される多層フィルムは、「実質的に連続」である。このような実
質的に連続の多層フィルムは、偶発的な不連続性を含んでもよいが、実質的な面
積にわたって連続であることを意味しており、すなわち複数の標準的な再帰反射
要素を有する再帰反射物品にフィルムが含まれる場合には、100個以上の隣接
する再帰反射要素を含む面積にわたって連続であることを意味している。また、
本発明の多層フィルムは「実質的に接触している」。このような実質的に接触し
ている多層フィルムは、多層フィルムの隣接する層が接触していない偶発的部位
を含むことができるが、このような偶発的に接触していない部位は比較的わずか
であることを意図している。好ましくは、複数の標準的な再帰反射要素を有する
再帰反射物品に多層フィルムが含まれる場合には、このような接触していない部
位当りの平均面積は、平均的な1つの再帰反射要素の占める面積よりも小さい。
この段落で使用される場合、「面積」は、多層フィルムの主面に関して通常測定
される測定量を意味する。
【0012】 本明細書で使用される場合、表現「アルキレンコポリマーのコア層」または「
アルキレンコア層」は、アルキレンと少なくとも1種類の非酸性で極性のコモノ
マーとのコポリマーを含む多層フィルム内の層を意味する。用語「アルキレンコ
ポリマー」は、アルキレンと1種類のその他のコモノマーとを有するコポリマー
、ならびにアルキレンと2種類以上の異なるコモノマーとを有するコポリマーを
意味する。したがって、アルキレン、酢酸ビニル、および別のコモノマーの「タ
ーポリマー」もアルキレンコポリマーの定義に含まれるであろう。
【0013】 本明細書で使用される場合、表現「エチレンコポリマーのコア層」または「エ
チレンコア層」は、エチレンと少なくとも1種類の非酸性で極性のコモノマーと
のコポリマーを含む多層フィルム内の層を意味する。用語「エチレンコポリマー
」は、エチレンと1種類のその他のコモノマーとを有するコポリマー、ならびに
エチレンと2種類以上の異なるコモノマーとを有するコポリマーを意味する。し
たがって、エチレン、酢酸ビニル、および別のコモノマーの「ターポリマー」も
エチレンコポリマーの定義に含まれるであろう。
【0014】 本明細書で使用される場合、表現「ウレタンポリマー層」は、ウレタン含有ポ
リマーまたはコポリマーを含む多層フィルム内の層を意味する。このような材料
を「ポリウレタン」と呼ぶ場合もある。用語「ポリウレタン」は通常、ウレタン
結合または尿素結合を有するポリマーを含み、意味はこのようなものが本明細書
で意図される。
【0015】 本明細書で使用される場合、表現「連結層」は、通常連結層を間にはさまない
場合には別のポリマー層が互いに十分接着しない場合に、2つ以上の別のポリマ
ー層を互いに接着する層を意味する。
【0016】 本明細書で使用される場合、表現「耐候性」または「屋外耐久性」は、意図す
る目的に使用される場合に環境に耐える材料の能力を意味する。
【0017】 本明細書で使用される場合、表現「屋外曝露(ウェザリング)」は、熱、光、
湿気、および紫外線、ならびにそれらの組み合わせを含む自然環境または人工的
環境のいずれかに物品を曝露することを意味する。
【0018】 具体的な実施態様の説明 本発明は、対処されていない前述の1つ以上の要求を満たす多層フィルム(お
よび多層化フィルムで作製した物品)を提供する。
【0019】 本発明者らは、少なくとも1つのウレタンポリマー(例えば、ポリウレタン)
層と、アルキレンコポリマー、すなわちアルキレンと少なくとも1種類の非酸性
で極性のコモノマーとのコポリマー(例えばエチレン−酢酸ビニルコポリマー(
EVA))の少なくとも1つのコア層とを含む多層フィルムが、種々の従来のポ
リマーフィルム(例えば、単層ウレタンフィルム)に取って代わることができ、
低価格で同等または向上した性能を達成できることを発見した。前述したように
、本発明の多層フィルムはウレタンポリマー層とコア層とを含むことができる。
また本発明の多層フィルムはこのような層からなっていてもよいし、あるいは実
質的に有していてもよい。場合によっては、本発明の多層フィルムは、単独で使
用される場合にはある用途には一般に適していないポリマーまたはポリマー層(
例えば安価なポリマー)をさらに含むことができる。例えば、低密度ポリエチレ
ン(LDPE)、ポリオレフィン、およびエチレン−アクリル酸コポリマー(E
AA)は比較的安価であるが、ポリウレタンの性能は備えていない。したがって
、本発明の多層フィルムを使用することによって、低密度ポリエチレン、ポリオ
レフィン、EAA、エチレン−メタクリル酸コポリマー(EMAA)、およびア
イオノマー樹脂などの他の安価なポリマーまたはポリマー層を組み込むことが可
能となる。
【0020】 本発明の新規フィルムには、効率的な同時押出製造工程などによってフィルム
を連続的に作製可能なポリマーおよび方法を使用することが好ましい。特に、少
なくとも1つのウレタンポリマー層と、アルキレンコポリマーの少なくとも1つ
のコア層とを含む多層フィルムによって、従来のポリマーフィルムの性能が得ら
れ、さらにより経済的な物品を製造できることを発見した。このことは驚くべき
ことであり、なぜなら、アルキレンと非酸性で極性のコモノマーとの多くのコポ
リマーは単独で使用した場合には、軟らかくなりすぎたり、粘着性がありすぎた
り、あるいは多くの物品に使用される高性能フィルムに要求される耐久性、防汚
性、耐溶剤性、または温度安定性が不足したりする傾向があるからである。しか
しながら、驚くべきことにウレタンポリマー層と、アルキレン及び非酸性で極性
のコモノマーのコポリマーのコア層とを多層フィルム中で組み合わせて使用する
ことによって、改良された物品、特に再帰反射製品に使用するための改良された
物品を得ることが可能なことを発見した。
【0021】 I.多層フィルムの実施態様 図1a〜図1dは、物品の作製に使用することができる多層フィルムを示して
いる。これらの本発明のフィルムは、物品に使用される従来のフィルムと比較し
て向上した性質を有することが好ましい。フィルムの性質は、多層フィルムの層
を選択することによって調整される。ポリマーの選択および層の厚さによって制
御可能な性質としては、耐久性、可撓性、伸展性、他のポリマーへの接着性、お
よびコストが挙げられる。例えば、多層フィルムの露出面(例えば、表面層)を
適切に選択することで、異なる種類またはそれ以外の不適合性のポリマーに取付
けることができる。さらに、多層フィルムの各層は、希望通りに同じまたは異な
る機能を果たすことができる。例えば、個々の層が果たしうる機能の一部として
は、(1)層間の接合性の向上、(2)耐候性または耐久性の付与、(3)コス
トの軽減、(4)加工性の向上、(5)耐溶剤性の付与、(6)色彩または不透
明性の付与、(7)可撓性の付与、(8)スクリムのカプセル化の制御、(9)
落書き防止性の付与、(10)耐熱性の付与、(11)透明性の付与、(12)
成形性の付与、(13)蛍光またはその他の手段による誘目性の付与、(14)
再帰反射性のための透明性の付与、(15)画像受容性の付与、(16)耐摩耗
性の付与、および(17)水蒸気抵抗性の付与が挙げられる。本発明の多層フィ
ルムは、各物品に要求される所望の機能を付与するために通常は注意深く選択さ
れる。
【0022】 本発明の好適な多層フィルムは、ポリマー層の数“n”が2〜数百(例えば、
500以上)となりうる。好ましくは、nは2〜7であり、より好ましくはnは
2〜5であり、最も好ましくはnは2〜4であり、最適なnは3である。
【0023】 2層フィルム10a(すなわち、n=2の場合)を図1aに示す。このフィル
ムは「そのまま」使用することもできるし、物品またはその他の多層フィルムの
構成単位として使用することもできる。2層フィルム10aは、第1の層12a
、コア層14a、第1の主面13a、および第2の主面17aを有する。
【0024】 第1の層12aは、ウレタンポリマーまたはコポリマー(例えば、ポリウレタ
ン)を含む。フィルムが使用される個々の物品によって異なるが、ポリウレタン
層は、接合層、耐候性層、またはその他の機能を果たすことができる。当業者が
理解するように、用語「ポリウレタン」は、通常ウレタン結合または尿素結合を
有するポリマーを含むものであり、本明細書の意図する意味もこの通りである。
【0025】 この層に使用すると好適なウレタンポリマーまたはコポリマーとしては、ポリ
エーテルポリウレタン、ポリエステルポリウレタン、ポリカーボネートポリウレ
タン、およびそれらの混合物が挙げられる。好適なウレタンとしては、脂肪族ま
たは芳香族ウレタン、あるいはそれらの混合物が挙げられる。通常、多くの好適
な熱可塑性ポリウレタンは、脂肪族または芳香族ジイソシアネート、連鎖延長剤
(例えばエチレンジオール、プロピレンジオール、またはブタンジオール)、お
よびソフトセグメントポリオール(例えばポリエーテル又はポリエステル、例え
ばポリエチレンオキシド、ポリアジペート、またはポリカプロラクトン)の3つ
の主成分を含む。
【0026】 ウレタンポリマーは、標準的な押出設備を使用して押出成形可能であることが
好ましい。しかしながら、希望するのであればコーティングなどによって溶剤系
または水系ウレタンを使用することもできる。
【0027】 好適な混合物の例は、約50〜約99重量%の脂肪族ポリエステルポリウレタ
ンと、約1〜50重量%の顔料含有芳香族ポリエーテルポリウレタンとを含む。
具体的には、好適な混合物の1つは、Rohm and Haas(Seabr
ook、ニューハンプシャー州)より商品名MORTHANE PNO3.21
4で入手可能な脂肪族ポリエステルポリウレタン60重量%と、着色芳香族ポリ
エーテルポリウレタン40重量%との混合物である。この着色芳香族ポリエーテ
ルポリウレタンは、B.F.Goodrich Co.(Cleveland、
オハイオ州)より商品名ESTANE No.58810で入手可能な芳香族ポ
リエーテルポリウレタン50重量%と、二酸化チタン50重量%とを含み、あら
かじめ二軸スクリュー押出機などの好適な手段によって配合した後にペレット化
したものである。
【0028】 好適なウレタンポリマーとしては、Mortonより商品名MORTHANE
で入手可能な熱可塑性ポリウレタンポリマーが挙げられ、例えばMORTHAN
E PNO3.214などのポリカプロラクトン系脂肪族熱可塑性ポリウレタン
や、MORTHANE PN343−101、PN343−200、PN343
−201、PN343−203、およびPN3429−105などのポリエステ
ル系脂肪族熱可塑性ポリウレタンなどが挙げられる。また、好適なウレタンポリ
マーとしては、BASF CorporationよりELASTOLLAN
1100−Series Ether TPU、ELASTOLLAN 600
−Series Ester TPU、ELASTOLLAN C−Serie
s Ester TPU、およびELASTOLLAN S−Series E
ster TPUで入手可能なウレタンポリマー、ならびにBayer Cor
porationより商品名DESMOPONおよびTEXINで入手可能なウ
レタンポリマーも挙げられる。その他の好適なウレタンとしては、米国特許第5
,117,304号(Huang)に開示されるような脂肪族および芳香族ポリ
ウレタン、Avecia Limitedより商品名NEOTACで入手可能な
ポリウレタンなどの水系ウレタン、ならびにK.J.Quinn and Co
.,Inc.(Seabrook、ニューハンプシャー州)より商品名Q−TH
ANE QC4820で入手可能なポリウレタン(12重量%固形分溶液)など
の溶剤系ポリウレタンが挙げられる。
【0029】 通常、第1の層12aの厚さは、所望の性質を得るためにできる限り薄く維持
される。多くの実施態様では、本発明の多層化フィルムは、ポリウレタンの単層
フィルムの代替品として物品において有用である。従来の単層フィルムの所望の
表面特性などの所望の性質を得るために層12aは十分な厚さであるべきである
が、多層フィルムのこれに続く層(例えば、コア層14aを含む)は、有意にコ
ストが軽減される材料のより薄いまたは厚い層から作製することができ、したが
って層12aの厚さを最小限にすることの利点は明らかである。例えば、厚さが
0.075mm(例えば、巻上げ式標識用のオーバーレイフィルム)または0.
033mm(例えば、ライセンスプレートシーティング用の上面フィルム)のポ
リウレタンの単層フィルムが物品に使用される場合、本発明の多層化フィルムは
全体の厚さがほぼ同じになる場合が多い。しかしながら、第1の層12aの厚さ
は、好ましくは多層フィルム全体の厚さの50%未満、より好ましくは30%未
満、最も好ましくは15%未満である。
【0030】 好適なウレタンポリマーは、ASTM D1238に準拠し190℃において
8.7kgのおもりを使用した場合のメルトインデックスが一般に10〜100
dg/分であり、より好ましくは20〜60dg/分である。
【0031】 好ましいウレタンポリマーは、較正標準物質としてポリスチレンを使用したゲ
ル浸透クロマトグラフィーで測定した場合の重量平均分子量が約30,000〜
200,000の間であり、より好ましくは約60,000〜120,000の
間である。
【0032】 多層フィルムの表面層として使用する場合、好ましいウレタンポリマーによっ
て、良好な、耐溶剤性、防汚性、良好な低温可撓性、良好な画像受容性、および
十分な耐摩耗性が得られる。
【0033】 コア層14aは、アルキレン(例えばエチレンまたはプロピレン)と少なくと
も1種類の非酸性で極性のコモノマーとのコポリマーを含む。好ましいコモノマ
ーのあるものとしては、酢酸ビニル、アクリレート(例えば、アクリル酸エチル
、アクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチルなど)、および一酸化炭素が挙げら
れる。希望するのであれば、少量の酸性または酸無水物系コモノマー(例えばア
クリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸など)を使用することもできる。
【0034】 好ましいアルキレンコポリマーは55〜95重量%のアルキレンを含む。より
好ましいアルキレンコポリマーは60〜85重量%のアルキレンを含む。最も好
ましいアルキレンコポリマーは67〜80重量%のアルキレンを含む。好ましい
エチレンコポリマーは55〜95重量%のエチレンを含む。より好ましいエチレ
ンコポリマーは60〜85重量%のエチレンを含む。最も好ましいエチレンコポ
リマーは67〜80重量%のエチレンを含む。一般に、アルキレンの比率が減少
すると(すなわち非酸性で極性のコモノマーの比率が増大すると)、コポリマー
の可撓性が増大する。少量の酸性または酸無水物コモノマーを使用することによ
ってこの一般的傾向を変化させることができる。このようなコモノマーを少量使
用すると、酸性または無水物コモノマーを含まないコポリマーと比較すれば一般
に可撓性が減少する。
【0035】 好適なアルキレンコポリマーは約10重量%未満の酸性コモノマーを含み、好
ましいエチレンコポリマーは5重量%未満の酸性コモノマーを含み、より好まし
くは3重量%未満の酸性コモノマーを含み、最も好ましくは2重量%未満の酸性
コモノマーを含み、最適には1重量%未満の酸性コモノマーを含む。
【0036】 フィルムを使用する個々の実施態様に依存するが、コア層は、他のポリマー層
または基材への連結層として機能する場合があるし、あるいは多層フィルム全体
のコストを軽減する働きをする場合もある。
【0037】 多層フィルムのコア層またはその他の層への使用に好適なコポリマーとしては
、エチレンと酢酸ビニルのコポリマー(EVA);酸または無水物改質EVA;
酸または無水物改質/アクリレート改質EVAなどのその他の改質EVA;エチ
レンアクリル酸エチルコポリマー(EEA);エチレンアクリル酸メチルコポリ
マー(EMA);酸または無水物改質エチレンエチレンアクリレート材料(AE
A);エチレン酢酸ビニル、一酸化炭素ターポリマー(EVACO);エチレン
アクリル酸n−ブチル、一酸化炭素ターポリマー(EBACO);ならびにエチ
レンアクリル酸n−ブチルコポリマー(EnBA)が挙げられる。
【0038】 本発明のフィルムに使用すると好適なEVA(エチレンと酢酸ビニルのコポリ
マー)としては、DuPontより商品名ELVAXで入手可能な樹脂が挙げら
れる。ELVAX樹脂はエチレンと酢酸ビニルとのコポリマーである。通常のグ
レードは、酢酸ビニル含有率が9〜40重量%の範囲であり、メルトインデック
スは0.3〜500dg/分(ASTM D1238に準拠)の範囲である。好
適なELVAX樹脂としては、770、760、750、670、660、65
0、565、560、550、470、460、450、360、350、31
0、265、260、250、240、220、210、205、150、14
0、および40のグレードのものが挙げられる。好適なEVAとしては、Qua
ntum/Equistarより商品名ULTRATHENEで入手可能な高酢
酸ビニルエチレンコポリマーも挙げられる。ULTRATHENE材料はエチレ
ンと酢酸ビニルとのコポリマーである。通常のグレードは、酢酸ビニル含有率が
7〜29重量%の範囲である。好適なULTRATHENEグレードとしては、
UE 630、632、634、635、637、646−04、648、65
2、655、656、657、662、685−009、688、672、およ
び757−026が挙げられる。好適なEVAとしては、AT Plastic
sより商品名ATEVAで入手可能なEVAコポリマーも挙げられる。代表的な
グレードは酢酸ビニル含有率が7〜23重量%の範囲である。好適なATEVA
グレードとしては、1030、1081、1070、1211、1221、12
31、1240A、1609、1615、1641、1645、1711、18
07、1815、1821、1825A、1841、1941C、2306E、
2911M、および3211が挙げられる。
【0039】 当業者であれば、コモノマー含有率とメルトインデックスがより高いアルキレ
ンコポリマーは、一般により容易に溶融接合することを(例えば、Z剥離試験に
よって)確認することができる。しかしながら、メルトインデックスまたはコモ
ノマー含有率が非常に高い場合には、溶融接合強さが低下することもある。
【0040】 EVAの可撓性は希望通りに変動させることができる。一般に、酢酸ビニルの
比率が高いほど、可撓性が高くなる。例えば、700シリーズおよび600シリ
ーズのELVAX樹脂(酢酸ビニル含有率がそれぞれ9重量%と12重量%)は
可撓性がLDPEの2倍である。500シリーズおよび400シリーズのELV
AX樹脂(酢酸ビニル含有率がそれぞれ15重量と18重量%)は可撓性がLD
PEの3倍であり、300シリーズおよび200シリーズの樹脂(酢酸ビニル含
有率がそれぞれ25重量%と28重量%酢酸ビニル)は可撓性がLDPEの7倍
である。
【0041】 本発明のフィルムへの使用に好適な改質EVAとしては、DuPontのEL
VAX酸ターポリマー樹脂、およびQuantum/Equistarの改質U
LTRATHENE材料、およびDuPontより商品名BYNELで入手可能
な樹脂が挙げられる。これらの材料は、エチレン、酢酸ビニル、および有機酸ま
たは有機酸無水物から誘導される。代表的な商用グレードは、酢酸ビニル含有率
が25%または28%であり、酸価が4〜8mgKOH/gポリマーである。好
適なELVAX酸ターポリマー樹脂としてはグレード4310、4320、43
55、および4260が挙げられる。好適なULTRATHENEグレードとし
てはUE SP011が挙げられる。好適なBYNELグレードとしては、in
cludeシリーズ1100酸改質EVA(例えば、グレード11E554、1
1E573、1123、1124)、およびシリーズ3000、3800、およ
び3900酸無水物改質EVA(例えば、グレード3030、3048、306
2、3080、3095、3810、3859、3860、3861、E418
、3930、3933)が挙げられる。
【0042】 本発明のフィルムへの使用に好適なその他の改質EVAとしては、DuPon
tのBYNELシリーズ3100樹脂が挙げられる。これらの材料は、エチレン
、酢酸ビニル、アクリレート、および有機酸または有機酸無水物から誘導される
。この種の好適な材料としては、BYNELシリーズ3101、3120、およ
びE326改質EVAが挙げられる。
【0043】 好ましい改質EVAは、一般に酸性コモノマーで3重量%未満の酸含有率であ
る。より好ましい改質EVAは酸含有率が1重量%未満である。
【0044】 好ましいEVAおよび改質EVAは、酢酸ビニル含有率が約5〜45重量%で
あり、より好ましくは約15〜40重量%であり、最も好ましくは約20〜33
重量%である。
【0045】 本発明のフィルムへの使用に好適なEEA(エチレンアクリル酸エチルコポリ
マー)としては、DuPontより商品名ALATHONで入手可能な樹脂と、
Union Carbide Corporationより商品名UNION
CARBIDE DPDで入手可能な樹脂とが挙げられる。ALATHON E
EAはエチレンとアクリル酸エチルとのランダムコポリマーである。一般に、E
EAの性質は、EVAと非常に類似しているが、コモノマーが同じ重量%ではわ
ずかに可撓性が高くなる場合がある。好ましいEEAはコモノマー含有率が約5
〜45重量%であり、より好ましくは約9〜40重量%であり、最も好ましくは
約20〜33重量%である。通常、EAコモノマー含有率は約9〜35%である
。またEEAは非常に望ましい低温可撓性も有する。ALATHON樹脂の好適
なグレードとしては、A−701、A−702、A−703、A−704、A−
707、A−709、およびA−710が挙げられる。DPDコポリマーの好適
なグレードとしてはDPD−6169 EEAが挙げられる。
【0046】 本発明のフィルムへの使用に好適なEMA(エチレンアクリル酸メチルコポリ
マー)としては、Chevronより商品名EMACおよびEMAC+で入手可
能な樹脂、およびAtofina Chemicals,Inc.より商品名L
OTADERで入手可能な樹脂が挙げられる。EMAは、エチレンとアクリル酸
メチルとのコポリマーである。一般に、EMAはEEAと非常に類似した性質を
有する。EMAC樹脂の好適なグレードとしては、PE 2205、2207、
2255、2260、および2268が挙げられる。EMAC+樹脂の好適なグ
レードとしては、SP 1305および2305Tが挙げられる。LOTADE
R樹脂は、メタクリル酸グリシジルで改質したEMAコポリマーである。LOT
ADER樹脂の好適なグレードとしては、AX8900およびAX8930が挙
げられる。好ましいEMAはコモノマー含有率が約5〜45重量%であり、より
好ましくは約15〜33重量%であり、最も好ましくは約20〜28重量%であ
る。
【0047】 本発明のフィルムへの使用に好適なAEA(酸改質または無水物改質エチレン
アクリレート材料)としては、DuPontのBYNELシリーズ2000(例
えば、グレード20E482、2002、2014、2022、およびE403
)およびシリーズ2100(例えば、グレード2169および2174)の樹脂
が挙げられる。好ましいAEAは酸含有率が一般に3%未満(酸性コモノマーの
重量で)であり、より好ましいAEAは酸含有率が1重量%未満である。好まし
いAEAはコモノマー含有率が約5〜45重量%であり、より好ましくは約15
〜33重量%であり、最も好ましくは約20〜28重量%である。
【0048】 本発明のフィルムへの使用に好適なEVACO(エチレン/酢酸ビニル/一酸
化炭素コポリマー)としては、DuPontより商品名ELVALOYで入手可
能な樹脂が挙げられる。EVACOは、エチレンと酢酸ビニルと一酸化炭素との
ターポリマーである。ELVALOY樹脂の好適なグレードとしては、741、
742、および4924が挙げられる。その他の好適なELVALOY材料とし
ては、ELVALOYグレードHP441、HP551、HP661、HP66
2、HP771、および4051などのEBACO(エチレン/アクリル酸n−
ブチル/一酸化炭素のターポリマー)が挙げられる。好ましいEVACOおよび
EBACOはコモノマー含有率が約5〜45重量%であり、より好ましくは約1
5〜33重量%であり、最も好ましくは約20〜28重量%である。
【0049】 本明細書のフィルムへの使用に好適なEnBA(エチレン/アクリル酸n−ブ
チルコポリマー)としては、Quantum/Equistarより商品名EN
ATHENEおよびVYNATHENEで入手可能な樹脂が挙げられる。ENA
THENE樹脂は、エチレンとアクリル酸n−ブチルとのコポリマーである。E
NATHENE樹脂の好適なグレードとしては、EA 720−009、EA
80808、およびEA 89822が挙げられる。通常、nBAコモノマー含
有率は約20〜35%である。VYNATHENE樹脂も、エチレンとアクリル
酸n−ブチルとのコポリマーである。VYNATHENE樹脂の好適なグレード
としてはPE 4771および4774が挙げられる。通常、nBAコモノマー
含有率は約5〜19%である。好ましいEnBAはコモノマー含有率が約5〜4
5重量%であり、より好ましくは約20〜35重量%であり、最も好ましくは約
20〜28重量%である。
【0050】 本発明の多層フィルムへの使用に好ましいエチレンコポリマーは、ASTM
D1238に準拠して190℃において8.7kgのおもりを使用して試験した
場合のメルトインデックスが一般に0.8〜800dg/分であり、より好まし
くは1〜100dg/分であり、最も好ましくは3〜20dg/分である。多層
化フィルムがインフレーションフィルム法を使用して加工される場合、好ましい
メルトインデックスの範囲は幾分低くなる。
【0051】 3層フィルム10b(すなわちn=3の場合)を図1bに示す。このフィルム
は、第1の層12bおよびコア層14bを有し、これらはそれぞれ前述の層12
aおよび14aと同様のものである。フィルム10bは第3の層16bを含む。
図1bに示される実施態様では、層12bの表面が第1の主面13bであり、第
3の層16bの表面が第2の主面17bである。
【0052】 一例として、3層フィルム10bは、第1の主面13bを有する第1の層12
bと、コア層14bと、第2の主面17bを有し耐候性層となったり他の好適な
機能を付与したりすることができる第3の層16bとを有するように作製するこ
とができる。例えば、第1の層はポリウレタンであってもよく、コア層はアルキ
レンコポリマー(例えば、EVAまたは改質EVA)であってもよく、第3の層
はEAA、EMAA、またはアイオノマー樹脂であってもよい。特に、コア層1
4bは、(1)ポリウレタンの第3の層(例えば、EAA)に対する接着性が低
いこと、および(2)多少高価なポリウレタンの厚い層を使用することの問題を
解決できる。場合によってはコア層は軟質で粘着性となる場合があり、この層が
露出される場合には、ウェブの取り扱い、ロールの閉塞、または加熱ロールへの
固着などの加工中の問題が発生する。第3の層16b(例えば、EAA層)によ
ってこれらの問題を回避できる。
【0053】 別の好ましい3層フィルム10bは、ポリウレタンの第1の主面と、アルキレ
ンコポリマー(例えば、EVAまたは改質EVA)のコア層と、ポリウレタンの
第2の主面とを有するフィルムである。
【0054】 好ましくは、ウレタン層とコア層は、所望の性能を示すために互いに十分接着
するように選択される。しかしながら、このような性質をさらに向上させるため
に、ウレタン層とコア層の間(例えば、図1aの層12aと14aの間、または
図1bの層12bと14bの間)に連結層(図示していない)を設けることが望
ましい場合もある。このような連結層で好適なものとしては、前述のポリウレタ
ンとアルキレンコポリマーの混合物が挙げられる。このような混合物を含む連結
層は、ウレタン層とコア層を接合するために好都合な性質を有することができる
。ポリマー層としてのこれらの混合物、およびそれらの多層状フィルムへの使用
は、本発明の範囲内である。
【0055】 好ましい4層フィルム10c(すなわちn=4の場合)を図1cに示す。この
フィルムは、第1の層12c、コア層14c、および層16cを有し、これらは
それぞれ前述の層12b、14b、および16bと同様のものである。フィルム
10cはさらに別の層15cを含む。図1cに示されるように、この実施例の4
層フィルムは、ポリウレタンまたはEAAの第1の主面13cと第2の主面17
c、アルキレンコポリマー(例えば、改質EVA)のコア層14c、および別の
アルキレンコポリマー(例えば、別の改質EVA)の層15cを有する。
【0056】 好ましい5層フィルム10d(すなわちn=5の場合)を図1dに示す。この
フィルムは、第1の層12d、コア層14d、層15d、および層16dを有し
、これらはそれぞれ前述の層12c、14c、15c、および16cと同様のも
のである。フィルム10dは別の中心層11dを含む。図1dに示されるように
、この実施例の5層フィルムは、第1の主面13dを有するポリウレタン層12
dおよび反対側の第2の主面17dを有するポリウレタン層16d、アルキレン
コポリマー(例えば、EVA)のコア層14d、低密度ポリエチレンまたはEA
Aのいずれかの中央層11d、ならびにアルキレンコポリマー(例えば、EVA
)の層15dを有する。層14dおよび15dは、層12dと16dをフィルム
に固定する働きをする。EVAの軟らかさが問題となる場合は、EVAのコア層
(例えば、図1bの14b)の代わりに、EVAの層の間により硬質のポリオレ
フィン層などの中央層がはさまれた多層構造体を使用することもできる。次に、
この3層構造体を、例えば図1bの層14bの代替物として使用して、5層フィ
ルムを作製することができる。一般に、低密度ポリエチレン、EAA、EMAA
、またはアイオノマー樹脂などの比較的安価なポリマーの層を含む多層フィルム
は、同じ厚さのポリウレタン単層フィルムよりも安価になるという利点を有する
【0057】 希望するのであれば、物品に使用されるフィルムの要求に応じて種々の層の組
み合わせを使用して、6層、7層、さらには上限でn層(前述したように、nは
数百になりうる)を有する多層フィルムを作製することができる。一般に、層の
組み合わせを選択する場合、最も安価なポリマーまたは助剤を最も機能の要求の
少ない場所に配置し、これらは多層フィルムの内部の層となる場合が多い。例え
ば、低密度ポリエチレンは非露出層に配置されることが好ましい。コア層には、
EVAなどのエチレンコポリマーが好ましい。フィルムの露出主面には、ポリウ
レタンなどの高性能ポリマーが好ましい。
【0058】 例えば(1)ポリウレタン層とEAA層、または(2)EAA層とポリカーボ
ネート層のような互いに接合しにくいポリマー層を含む多層フィルムは、物品と
して使用するときに層間剥離が起こる可能性がある。このような欠陥は、改質E
VA層などの連結層を接合の弱い層の間に使用することによって防止できること
が分かった。
【0059】 本発明の多層フィルムを作製するために、多くの他の好適なポリマーを使用す
ることができる。これらの他の任意のポリマーおよびポリマー層が、ウレタン層
およびアルキレンコポリマー層と同時押出可能なことが最も好ましい。本発明の
多層フィルムに使用することができるその他のポリマーの代表例としては、アク
リル系ポリマー(例えば、ポリメタクリル酸メチル(PMMA))、ポリカーボ
ネート(PC)、可塑化PVC、およびポリスルホン(PS)が挙げられる。
【0060】 多層フィルムは、あらかじめ作製した各層を熱または圧力条件下で積層して作
製したり、あるいはコーティング工程によって作製したりすることができるが、
同時押出工程が、コストを軽減でき、各層の互いの接合性が向上し、さらに後に
多層フィルムを延伸して厚さを減少させることができるという理由で一般には好
ましい。現在特に好ましい同時押出工程では、ダイから押し出される直前までポ
リマーを別々に維持するため、フィードブロックを備えた多層化ダイまたはマル
チマニホールドダイを使用する。好ましくは、ホッパー供給端から押出ダイ端ま
で、各ポリマーの温度分布が制御される。好適な押出工程の代表例は、米国特許
第4,082,877号(Shadle)、第4,444,826号(Sasa
ki)、第4,505,967号(Bailey)、第4,663,213号(
Bailey)、第4,664,966号(Bailey)、第4,897,1
36号(Bailey)、第4,908,278号(Bland)、第5,48
0,705号(Tolliver)、および第5,656,121号(Fuku
shi)に見ることができる。
【0061】 明瞭な層を有するとして多層フィルムについて議論してきたが、層間に物理的
相互作用と化学的相互作用の両方が存在しうることも認識しており、これもなお
本発明の範囲内である。例えば、後加熱または熱融着などの多層フィルムの後加
工を行うと、使用される条件によっては層の明瞭性がより低くなる場合がある。
【0062】 当業者であれば、上記説明によって好適な多層フィルムを開発することができ
るであろう。
【0063】 II.多層フィルムを含む再帰反射物品の実施態様 再帰反射シーティングの種類については、「Standard Specif
ication for Retroreflective Sheeting
for Traffic Control(交通整理用再帰反射シーティング
の標準仕様」ASTM D4956−94に記載されている。シーティングの輝
度または再帰反射性は、再帰反射係数RAとして表すことができる。これはカン
デラ/ルクス/m2の単位で測定され、標準化試験ASTM E810−94を
使用して求められる。
【0064】 通常、再帰反射シーティングの再帰反射要素は、(1)ビーズ(例えば反射コ
ーティング層と協同する位置にあるビーズ)、あるいは(2)微細構造要素(特
にプリズムであるが、後述するように他の用語を使用する場合もある)を含む。
本出願では、用語「プリズム」は、これらの後者の再帰反射要素を表すために使
用される。
【0065】 露出レンズ再帰反射シーティングの代表例は、米国特許第2,326,634
号(Gebhard)、第2,354,018号(Heltzer)、第2,3
54,048号(Palmquist)、第2,354,049号(Palmq
uist)、第2,379,702号(Gebhard)、および第2,379
,741号(Palmquist)に開示されている。
【0066】 封入レンズ再帰反射シーティングの代表例は、米国特許第2,407,680
号(Palmquist)、第3,551,025号(Bingham)、第3
,795,435号(Schwab)、第4,530,859号(Grunzi
nger,Jr.)、第4,664,966号(Bailey)、第4,950
,525号(Bailey)、第5,064,272号(Bailey)、およ
び第5,882,771号(Klein)に開示されている。
【0067】 カプセル化レンズ再帰反射シーティングの代表例は、米国特許第3,190,
178号(McKenzie)、第4,025,159号(McGrath)、
第4,663,213号(Bailey)、第5,069,964号(Toll
iver)、第5,714,223号(Araki)、第5,812,316号
(Ochi)、および第5,784,198号(Nagaoka)に開示されて
いる。
【0068】 カプセル化プリズム型再帰反射シーティングの代表例は、米国特許第5,13
8,488号(Szczech)、第5,450,235号(Smith)、第
5,614,286号(Bacon)、第5,706,132号(Nesteg
ard)、第5714,223号(Araki)、および第5,754,338
号(Wilson)に開示されている。
【0069】 隆起リッジプリズム型再帰反射シーティングの代表例は米国特許第5,914
,812号(Benson)に開示されている。
【0070】 図2は、第1の主観察面13と反対側の主面17とを有するビーズ接合層26
を有する露出レンズ再帰反射物品20を示している。実施態様の1つでは、ビー
ズ接合層26は、多層フィルム(少なくとも1つのポリウレタン層と、アルキレ
ンコポリマー少なくとも1つのコア層とを有する)であってもよく、その多層フ
ィルムは複数の再帰反射要素22を保持することができる。ポリウレタン層は(
透明ビーズである)再帰反射要素を互いに接合させる働きをし、耐候性層として
機能する場合もある。ビーズは空気に露出した部分と、反射コーティング層24
を表面に有する反対側の半球形部分とを有する。、第1の主観察面13も存在す
る。別の実施態様では、ビード接合層の代わりに別の種類の多層フィルムを使用
することができる。このような露出レンズ物品は、セーフティコーン上の反射シ
ーティングなどとして有用となりうる。
【0071】 図3aおよび図3bは、別の封入レンズ再帰反射物品30を示しており、この
物品は、観察面13を有する面部材(図3aの33および図3bの31)と、透
明ビーズ22を含む再帰反射部材と、間隙コート層35によってビーズを協同で
きる位置に保持する反射層24とを有する。図3aでは、透明ビーズは、面部材
によって封入された第1の半球形部分と、反射コーティング層と協同する位置で
間隔をおいて配置された第2の半球形部分とを有する。図3bでは、ビーズ接合
剤32によってビーズが封入されている。接着剤層37は、観察面と反対側にあ
る主面17を有する。
【0072】 再帰反射物品の第1の主観察面13は層の表面であり、面部材、オーバーレイ
、カバーフィルム、トップフィルム、前面、最上層、またはトップコートとも呼
ばれ、本明細書の目的ではこれらすべては同等の用語である。しかしながら、本
出願では、一般的用語として「面部材」を使用する。好適な面部材では、例えば
汚れ、水、ならびに天候および屋外条件への曝露などの種々の有害となりうる影
響から光学要素を保護する実質的に透明な観察面が得られる。面部材用に選択さ
れるポリマーは、寸法安定性、耐久性、耐候性があり、さらに所望の形状へ成形
しやすいことが好ましい。面部材は上記所望の性質を得るのに十分な厚さである
ことが好ましい。面部材の厚さは好ましくは約0.01mm〜0.25mmであ
り、より好ましくは0.02mm〜0.1mmである。
【0073】 面部材(図3aの33および図3bの31)は好ましくは透明な多層フィルム
を含む。このような多層フィルムの一種は、耐候性の空気に露出したポリウレタ
ン層と、コア層(例えば、EVAなどのアルキレンコポリマー)と、再帰反射部
材と接合することができる基底層(例えば、EAA)とを有する。
【0074】 図4は、面部材48が観察面13を有するカプセル化レンズ再帰反射物品40
を示している。再帰反射部材は、第1の半球形空気露出部分と、表面に反射コー
ティング層24を有する反対側の第2の半球形部分とを有する透明ビーズ22を
含む。観察面と反対側に第2の主面17を有するシーリング部材46は、面部材
48の一部と接合してシール脚部(図4の42で示されるものなど)のパターン
を形成し、面部材と再帰反射部材とシール脚部とが複数の封入された空気セル4
7を形成し、これによって面部材は再帰反射部材と間隔をおいて配置され、ビー
ズの空気露出面は空気室内部に配置される。
【0075】 面部材48は透明な多層フィルムを含むことが好ましい。このような多層フィ
ルムの一種は、耐候性の空気露出層43と、安価なコア層44と、再帰反射部材
と接合することができる基底層45とを有する。例えば、空気露出層はEAAま
たはポリウレタンであってよく、コア層はアルキレンコポリマー(例えば、EV
Aまたは改質EVA)であってよく、基底層はポリウレタンであってよい。
【0076】 面部材48の厚さは約0.025mm〜0.1mmが好ましい。
【0077】 面部材とシーリング部材の間の接合部分によってシール脚部が形成される。こ
れらの脚部は、面部材の未接合部分に空気の界面を形成するのに十分な高さを有
する。シール脚部は、例えば、米国特許第3,190,178号(McKenz
ie)に開示されるように再帰反射部材と面部材に熱と圧力を適用することによ
って形成することができる。この実施態様では、シール脚部は、観察面13上に
小さな領域をそれぞれ有する個々の気密セルのシーリングパターンを形成しうる
【0078】 シール脚部を、シーリング壁、接合部、接合ライン、隔壁、またはシール脚部
材と呼ぶ場合もあるが、本明細書の目的ではすべての用語は同等である。好まし
くは、後述の実施例で記載される試験方法に従って測定した平均Z−剥離ピーク
荷重が少なくとも約20kg、より好ましくは少なくとも約30kg、最も好ま
しくは約40kgを超えることを特徴とするシーリング部材の接合を再帰反射部
材と形成する。
【0079】 図5aは、主観察面13を有する面部材52と、再帰反射部材54とを有する
、反射体をコーティングしたプリズム型再帰反射物品50を示している。再帰反
射部材54は、面部材と接触する第1の主面と、その反対側にあり微細構造を有
しプリズムなどの再帰反射要素56を有しその上に反射コーティング層が設けら
れた第2の面とを有する。
【0080】 面部材52は透明な多層フィルムを含むことが好ましい。このような多層フィ
ルムの一種は、耐候性の空気露出層55と、安価なコア層57と、再帰反射部材
に接合可能な基底層59とを有する。例えば、空気露出層はポリウレタンまたは
EAAであってもよく、コア層はDuPontより入手可能な無水物改質EVA
ポリマーであるBYNEL 3860などのアルキレンコポリマー(例えば、E
VAまたは改質EVA)であってもよく、基底層は、ポリウレタン(例えば、脂
肪族ポリエステルポリウレタン)であってもよく、この層はポリカーボネート微
細構造化面などと積層やその他の接合を行うことができる。
【0081】 キューブコーナー再帰反射要素を有する再帰反射部材の全体の厚さは通常約0
.2mm〜0.7mmであるが、使用するポリマー次第でより厚い場合やより薄
い場合もありうる。再帰反射部材の厚さが減少すると、部材の可撓性も増大する
と予想される。
【0082】 再帰反射部材用のポリマーは、得られる物品に望まれる性質、再帰反射面の作
製に使用される方法、シーリング部材に対する所望の接合性、および再帰反射物
品の他の部材の性質を考慮して。微細構造化層用に選択されるポリマーは、再帰
反射に望まれる正確な形状が維持されるように寸法安定性であるキューブコーナ
ー要素を形成できることが好ましい。微細構造化表面用に選択されるポリマー材
料は、他のポリマーよりも高いビカー軟化温度を有し、比較的可撓性が低く、硬
質で、剛性の材料である傾向がある。したがって、これらのポリマーは、室温以
下の温度で脆くなったり容易に破損したりする場合がある。しかし、特にこれら
のポリマーの多くは悪条件下で透明性および形状を維持する。好適なポリマーと
して、希望通りの熱可塑性または熱硬化性材料が挙げられる。再帰反射面を形成
するポリマーは実質的に光学的に透明であることが好ましいが、希望に応じて着
色することもできる。これらのポリマーは、熱安定性、寸法安定性、環境安定性
、透明性、工具または成形型からの優れた剥離性、および反射コーティング層を
受容する能力の1つ以上の理由から選択されることが多い。
【0083】 好適な微細構造化面は、例えば、種々の幾何学的設計が可能なキューブコーナ
ー要素を含む。再帰反射要素を、キューブコーナー、プリズム、マイクロプリズ
ム、または三面鏡と呼ぶ場合もあるが、本明細書の目的ではすべての用語は同等
である。基本的なキューブコーナー再帰反射要素は一般に四面体構造であり、例
えば三角形の底部と、入射光を再帰反射する互いに実質的に垂直な3つの光学面
とを有する。光学面は頂点で交差することが好ましく、底部の三角形は頂点とは
反対側にある。各キューブコーナー要素は光軸も有し、この軸はキューブコーナ
ー頂点を通り、キューブコーナー要素の内部空間を三等分する。第1の主観察面
に入射する光は、底部の三角形に入って、キューブコーナーの内部空間を通過し
、3つの光学面のそれぞれから反射して、入射光とほぼ同じ方向に戻る。キュー
ブコーナーの面が空気界面に露出しているか、あるいはアルミニウムなどの反射
コーティング層でコーテイングされているかは任意に選択される。図5aは、再
帰反射部材の光学性能を変化させる手段として金属またはその他の好適な反射コ
ーティング層がスペクトル的にコーティングされた微細構造化面を示している。
この実施態様では、再帰反射性を損なうことなく任意にシーリング部材(図示し
ていない)を微細構造化面と完全に接触させることができる。
【0084】 光軸の長さとして定義されるキューブコーナー要素の高さは、シーリングを容
易にするために製造で可能な限り低いことが好ましいが、材料廃棄を回避し、物
品の厚さを増大させることが望ましいと思われる場合には必要な高さであっても
よい。最低高さは約0.01mmが好ましく、最高高さは1mm未満が好ましい
。キューブ要素の高さはより好ましくは0.02mm〜0.5mmである。当業
者に公知の種々の技術の任意のものを使用して、この微細構造化面が成形され、
キューブ層が形成される。
【0085】 図5bは、主観察面13を有する面部材52と、再帰反射部材54とを有する
封入プリズム型再帰反射物品50を示している。再帰反射部材は、面部材と接触
する第1の主面と、その反対側にあり微細構造を有しプリズムなどの再帰反射要
素56を有しその上に反射コーティング層が設けられた第2の面とを有する。基
底層53は反射コーティング層と隣接しており、そのためプリズムが封入されて
いる。図5aに関して前述したように、面部材は透明な多層フィルムを含むこと
が好ましい。
【0086】 図6は、主観察面13を有する面部材62と、微細構造化面を形成する再帰反
射要素56を有する再帰反射部材64と、主面17を有するシーリング部材66
とを有するカプセル化プリズム型再帰反射物品60の断面図を示している。シー
リング部材66は、微細構造化面、すなわち再帰反射部材64と接合してシール
脚部(図6中の42)を形成している。微細構造化面と、シーリング部材と、シ
ール脚部によって封入された空気セル65が形成される。
【0087】 本発明の多層状フィルムは、面部材またはシーリング部材に使用することがで
きる。面部材に好適な多層フィルムは図5で前述したものである。
【0088】 通常、シール脚部は、微細構造化面の未接合部分に空気の界面を形成するのに
十分な高さを有する。シール脚部の幅は好適には約0.2mm〜4mm、好まし
くは約0.4mm〜1mmを変動することができ、最も好ましくは、シーリング
部材の微細構造化面への十分な接合強さを維持しながら再帰反射性が最大限とな
るのに十分狭い幅である。米国特許第3,190,178号(McKenzie
)に開示されるように再帰反射部材とシーリング部材に熱と圧力を適用すること
によってシール脚部を形成することができる。
【0089】 シーリング部材の厚さは、光学的効率を低下させる汚れや水などの要因への露
出から微細構造化面を保護するためと、基材に物品を接合するために十分な厚さ
である。シーリング部材の厚さは好ましくは少なくとも0.02mmであり、よ
り好ましくは少なくとも0.06mmであるが、一般的には厚さは約0.3mm
を超えない。
【0090】 通常、シール脚部は、面部材の観察面上にシーリングパターンを形成する。六
角形、長方形、正方形、円形、六角形、またはチェーンリンクなどのパターンを
希望通りに使用することができる。シール脚部はセル内部の領域ほど再帰反射が
強くないため、観察面上にパターンが現われる。通常、それぞれの封入空気セル
は長さと幅の大きさがAとBである。この大きさAとBは約4mm〜約50mm
であることが好ましい。大きさAとBによって観察面上の各セルの面積が定まる
。セル面積は小さいことが好ましい。例えば、各セルの表面積は5cm2未満で
あり、好ましくは4cm2未満であり、より好ましくは1cm2未満であり、最も
好ましくは0.5cm2未満であるが、この面積は個々のセルによって変動しう
る。セルの大きさは定規で測定することができ、セルの面積は当業者には公知の
式によって計算される。
【0091】 シーリング部材用の材料の具体例の一部としては、熱可塑性、熱活性化、紫外
線硬化性、および電子ビーム硬化性のポリマー系が挙げられる。好ましくは、シ
ーリング部材のビカー軟化温度が、微細構造化面のビカー軟化温度よりも少なく
とも約30℃低い。
【0092】 希望するなら、シーリング部材は多層フィルムを含んでもよい。具体例の1つ
は、再帰反射部材の微細構造化層と接合可能な第1の層と、第2の安価なコア層
と、裏当て部材または好適な基材と接合可能な第3の層を含む。シーリングフィ
ルムの第1の層はポリウレタンであってもよく、コア層はBynel 3860
などのアルキレンコポリマー(例えば、EVAまたは改質EVA)であってもよ
く、第3の層はポリウレタンまたはエチレン−アクリル酸コポリマー(EAA)
であってもよい。最も好ましくは、シーリング部材は乳白剤(例えば、チタニア
乳白剤)を含む。
【0093】 図7は、隆起リッジ78のパターンを有し、再帰反射部材74上に微細構造化
面を形成する再帰反射要素56を有する隆起リッジプリズム型再帰反射物品70
の断面図を示している。面部材72は主観察面13を有する。シーリング部材7
6は、再帰反射部材上の隆起リッジ78と接合している。微細構造化面と、シー
リング部材と、隆起リッジとによって複数の封入空気セル75が形成され、これ
によって再帰反射部材はシーリング部材と間隔をおいて配置される。プリズムは
複数のセルの内部に空気露出面を有する。微細構造化層上の隆起リッジは、熱ま
たは超音波によってシーリング部材と接合させて、シーリングパターンを形成す
ることができる。シーリングパターンは、観察面上に小さな領域をそれぞれ有す
る個々のセルを含むことができる。
【0094】 本発明の多層化フィルムは、面部材またはシーリング部材に使用することがで
きる。面部材に好適な多層フィルムは、図5で前述したものである。シーリング
部材76は、多層フィルム(例えば、少なくとも1つのポリウレタン層77と、
少なくとも1つのアルキレンコポリマー層(例えば、EVA層)79とを有する
フィルム)を含むことが好ましい。希望するのであれば、多層フィルムは、任意
に比較的厚い(例えば1〜10mm)ポリマー基材73を含んだりこれに取付け
たりすることができる。好ましいこのような基材は比較的剛性で高い衝撃強さを
有する(例えば、高密度ポリエチレン、アクリロニトリル−ブタジエンスチレン
、ポリカーボネート(PC)、衝撃改質PMMA、またはPP)。基材はチタニ
アなどを充填することができる。この物品はライセンスプレートや道路標識に特
に有用である。あるいは、多層化フィルムは、少なくとも1つのポリウレタン層
77と、少なくとも1つのエチレンコポリマー層(例えば、EVA層)79と、
好適な接着材料の層(例えば、感圧接着剤またはEAA層)とを含むことができ
る。この実施態様の再帰反射物品は後に好適な基材(例えば、アルミニウムシー
ト)に接着することができる。
【0095】 多くの用途では、道路標識やライセンスプレート用のアルミニウム板などの剛
性基材や、あるいはコンクリートやアスファルトなどの道路表面などに接着する
ことによって、多層フィルムを有する再帰反射物品が取付けられる。多層フィル
ムを有する再帰反射物品の特に有用な別の用途は巻上げ式標識としてである。
【0096】 図8に示されるように、可撓性スクリムで補強した裏当て部材88上に、多層
フィルムを有する可撓性再帰反射物品80が取付けられる。可撓性スクリムで補
強した裏当て部材に再帰反射シーティングを接合しようとする場合に欠陥が生じ
る可能性がある。再帰反射物品の外観と明るさの両方が低下する欠陥の1つは裏
当て部材中のスクリムがシーティング内まで突出するために、「スクリムパター
ン」または再帰反射シーティングの観察面上の線が生じることである。さらに別
の欠陥は、スクリムが裏当て部材から突出することによる強度低下であり、この
ため屋外環境に曝露され、取り扱い時に悪影響が生じる。さらに別の欠陥は、裏
当て部材の一部のみに再帰反射シーティングが接合することによる層間剥離であ
る。可撓性再帰反射物品にはこれらの欠陥がないことが必要である。したがって
、好ましくは観察面上に不要なスクリムパターンが形成されないように作製可能
であり、通常使用時に再帰反射性が低下せず、再帰反射シーティングの可撓性お
よび裏当て部材への接着性が経時変化せずに維持されるという可撓性再帰反射物
品への要求が満たされていない。
【0097】 図8に示されるように、可撓性再帰反射物品80(例えば巻上げ式標識)は、
面部材81と、再帰反射部材82と、シーリング部材83と、裏当て部材88と
を含む。好ましい実施態様の1つでは、シーリング部材83、再帰反射部材82
、および画定された空気セル89によってシール脚部84が形成される。裏当て
部材88は、スクリム85(マルチフィラメントストランド86を含む)と、裏
当て層87とを含む。好適には、裏当て層87とシーリング部材83とがスクリ
ム85を封入する。
【0098】 本発明の多層化フィルムを使用して改良された可撓性再帰反射物品(例えば、
巻上げ式標識)を製造可能であることを発見した。例えば、面部材、シーリング
部材、および裏当て層の1つ以上を作製するために多層化フィルムを使用するこ
とができる。
【0099】 例えば、面部材として使用すると好適な多層フィルムとしては、図5および図
6と関連して説明した面部材フィルムが挙げられる。シーリング部材としての使
用に好適な多層フィルムとしては、図6と関連して説明したシーリング部材フィ
ルムが挙げられる。
【0100】 裏当て層は、接合させるシーリング部材とともに所望の性能を達成できるよう
に選択されることが好ましい。この点に関しては、シーリング部材と裏当て層の
好ましい組み合わせの1つとしては以下のような層が挙げられる。シーリング部
材は、ポリウレタンの第1の層と、アルキレンコポリマーのコア層と、EAAの
任意の基底層とを含む多層フィルムを含むことができる。好ましくは、シーリン
グ部材は白色に着色されるか、またはその他の方法で不透明にされる。裏当て層
は、ウレタン層と、アルキレンコポリマーのコア層と、好適なポリマーの基底層
(例えば、EAAまたはポリウレタン)とを含む多層フィルムを含むことができ
る。シーリング部材と裏当て層とを(後に詳細に説明するように)互いに積層す
る場合、これらはスクリムをカプセル化する機能を果たす。
【0101】 図9aに示されるように、好ましい実施態様の1つは、裏当て部材に多層フィ
ルムを使用することである。好適な裏当て部材88は、(1)複数のマルチフィ
ラメントストランドを有する補強スクリム86を有し、さらに(2)シーリング
部材(図示していない)と接合可能なポリマーの接合層96、ストランドのカプ
セル化または部分カプセル化が可能なポリマーのコア層97、および耐候性層を
形成可能なポリマーの任意の基底層98を有する多層フィルム95を有する。ス
クリムが露出されるのを防止するため、多層フィルムの厚さは、スクリムの厚さ
と同じかそれ以上であることが好ましい。
【0102】 本発明の多層フィルムは積層温度または積層圧力を低下させることができ、そ
のため好ましくは一部の再帰反射物品において望ましくないスクリムパターンの
形成を防止することができ、さらに取扱中または屋外曝露によるスクリムの劣化
を防止することができる。本発明の多層フィルムでは、好ましくはストランド中
で個々のフィラメントが互いに別々に接合することなくストランドの部分カプセ
ル化が行えるような加工条件も可能であり、そのため一部の再帰反射物品では可
撓性が向上する。
【0103】 理論に束縛されることを意図するものではないが、接合層は、低い積層温度お
よび低いニップ圧でシーリング部材に裏当て部材を接合する働きをすることが好
ましい。この低温および低ニップ圧によって、スクリムのストランドが多層フィ
ルムによって含浸されるのではなく部分的にカプセル化されるので好ましい。さ
らに低温および低ニップ圧は、明るさを保持し、再帰反射物品の観察面上に望ま
しくないスクリムパターンが形成されるのを防止するために、微細構造化面にポ
リマーが押し付けられるのを防止できるので好ましい。
【0104】 接合層はウレタンポリマーを含むことが好ましい。このような材料で好適なも
のは、図1aの層12aに関して前述した材料である。特に有用な接合層はポリ
ウレタンを含む。本発明で有用であることが見出された具体的な接合層は前述の
ポリウレタンQ−THANE QC4820である。その他の多くのポリウレタ
ン(例えば、図1aおよび図1bと関連して前述したもの)も使用することがで
きる。接合層の厚さは薄く維持されることが好ましい(例えば、図1aの層12
aの厚さに関する議論を参照されたい)。通常、接合層約0.003mmである
が、その機能を果たすために必要であれば増減してもよい。
【0105】 コア層はアルキレンコポリマーを含むことが好ましい。好適となるこのような
材料は、図1aの層14aに関して前述した材料である。コア層に好適なポリマ
ーを選択する場合には、一般に層間の接合の実現と、可撓性(特に低温気候にお
いて)との両方のバランスをとることが必要である。コア層は、スクリムを部分
的に溶融カプセル化するための易流動性層としても機能する。1実施態様では、
コア層は、可塑化PVCコーティング層からの可塑剤の移行に対する障壁として
も機能する。またコア層は、任意に使用される耐候性層に接合層を接着させる。
コア層が低温可撓性を付与する場合もある。
【0106】 コア層の具体的な実施態様の1つでは、酸改質およびアクリレート改質EVA
樹脂であるBYNEL接着性樹脂(例えばシリーズ3100)を使用する。一般
に、可撓性は酢酸ビニル含有率を増大させることによって増大させることができ
、一方積層剥離強さは酸含有率を低下させることによって、好ましくは酸含有率
を1%未満まで低下させることによって増大させることができる。コア層の酢酸
ビニル含有率が約30%を超える場合は、多層フィルムによるスクリムの部分カ
プセル化が困難となることがある。この用途では、好ましいコア層のメルトイン
デックスは約3〜10の範囲であり、この数値が低いほどポリマーの分子量が高
くなる。
【0107】 通常のスクリムのストランドの部分カプセル化が可能である好適なポリマーの
一例はBYNEL 3101酸/アクリレート改質EVAである。その他の好適
なポリマーとしてはBYNELシリーズ3800の酸無水物改質EVAポリマー
が挙げられ、これらは酸含有率が1%未満であることが好ましい。例えば、BY
NEL 3860酸無水物改質EVAはコア層として好適である。
【0108】 多層フィルムの作製には押出成形が好ましい工程であるので、コア層は押出に
よって成形可能であることが好ましい。例えば、前述のBYNEL樹脂は押出成
形可能である。
【0109】 任意に使用される耐候性層に好適な材料としては、屋外曝露に耐えることがで
きるポリマーが挙げられる。好ましいポリマーは、光不透明性と、汚れおよびガ
ソリンなどの溶剤に対する抵抗性も付与する。裏当て部材の好ましい作製方法の
1つは、加熱カンまたはロールを使用することを含む。このような方法では、加
熱カンまたはロールの表面に配置した場合に、耐候性層は耐熱性であるべきであ
る。さらに、耐候性層によるある程度の耐熱性は、暑い夏の太陽の下で巻上げる
場合などの特定の用途の場合にも必要となりうる。
【0110】 任意に使用される耐候性層に有用な好適なポリマーの代表例は、Dow Ch
emical Company(Midland、ミシガン州)より商品名PR
IMACOR 3440で入手可能なEAAである。これは、エチレンとアクリ
ル酸モノマーの全重量に対するパーセンテージで約9%のアクリル酸を含む。こ
のコポリマーのメルトインデックスは約10である。
【0111】 スクリムは、本発明による再帰反射物品に大きな引裂き強さおよび引張強さを
付与しながら、再帰反射物品の可撓性を維持する。理論で束縛しようとすること
を意図するものではないが、この可撓性は、裏当て部材内部にスクリムがあまり
強く接合していないためであると考えられる。スクリムは、シーリング部材また
は多層フィルムに接合するようなものであってもよい。しかし、好ましいスクリ
ムはせいぜい弱く溶融接合する程度であるか、あるいは実質的には溶融接合しな
い。
【0112】 図9bおよび図10に見られるように、裏当て部材中のスクリム85は複数の
マルチフィラメントストランド86から作製される。各ストランドは、複数のフ
ィラメント104を含み、これらのフィラメントは希望に応じて、互いに絡み合
うかまたは捩じれていても、あるいはそうでないものでもよい。ストランド86
中のフィラメント104は、断面の直径が実質的に等しくてもよいし、直径が変
動してもよく、希望通りにすることができる。あるスクリム中の種々のストラン
ドは、直径が実質的に均一か異なっているか、フィラメント数、長さ、およびフ
ィラメントの組成を希望通りにすることができる。ストランドの直径は約0.1
mm〜0.5mmで変動させることができる。したがって、スクリムの厚さは約
0.25mmとなりうるが、スクリムの厚さは用途に応じて変動しうる。一般に
、スクリムの厚さがが増大すると、裏当て部材の強度が増すが、同時に裏当て部
材の可撓性は低下する場合がある。
【0113】 図10は、フィラメント104を有する円形のストランド86の断面を示して
いる。ストランド86は好ましくは少なくとも7本のフィラメントを含み、より
好ましくは15本以上のフィラメントを含み、さらにより好ましくは約30本以
上のフィラメントを含む。
【0114】 好ましくは、ストランドはポリマーによって部分カプセル化されるか、カプセ
ル化されるか、あるいは取り囲まれる。用語「部分カプセル化」は、ストランド
の一部を取り囲むことができるがストランドの近傍に空隙も残すポリマーの能力
を意味する。最も好ましくは、ストランド内部のフィラメントの少なくとも一部
は互いが別々に移動できる。好ましくは、フィラメントは互いに密接に巻き付け
られたり接合したりしておらず、ストランド内の間隙にはポリマーが満たされて
いない。したがって、ストランド内で各フィラメントが独立して動くことができ
、この運動によって可撓性が向上すると考えられる。物品中のストランドの円形
が維持されることは、裏当て部材の作製に使用される積層温度および圧力条件が
適切であることを示している(例えば、フィラメントとポリマーの望ましくない
接合が避けられた)。
【0115】 本発明の裏当て部材中または裏当て部材として使用するのに好適なスクリムの
代表例としては、織物、不織布、および編地、ならびに荒い織物のウェブが挙げ
られ、これらすべてはポリアミド、ポリエステル、およびセルロース系材料の1
種類以上などの種々のポリマーを含みうる。スクリムの代表例は、米国特許第3
,403,862号(Dworjanyn)、第5,405,643号(Sch
olz)、および第5,498,232(Scholz)に開示されている。ス
クリムはDuPont Nonwovens(例えば、商品名SONTARA)
、Milliken Co.、およびApex Mills Corporat
ionなどの製造元より入手可能である。
【0116】 図11は、図6に示す再帰反射物品を図9aに示す裏当て部材に積層すること
によって作製可能な再帰反射物品110の断面図を示している。図11に見られ
るように、物品110は面部材112と再帰反射部材114を有する。シーリン
グ部材116は、再帰反射部材114の一部と接合しており、多層フィルム11
8によって部分カプセル化されたストランド86を有する裏当て部材の一部とも
接合している。
【0117】 図12は、再帰反射物品120の別の実施態様の断面図である。面部材は、空
気露出層212、コア層214、および基底層215を有する多層フィルム12
2を有する。再帰反射部材は微細構造化層216を有する。再帰反射部材の基底
層は面部材のコア層と接合する。シーリング部材124は、微細構造化層と接合
可能な接合層312と、裏当て部材と接合可能なコア層314とを有する多層フ
ィルムを有する。裏当て部材は、ストランド86を有するスクリムと、多層フィ
ルム層126とを有する。多層フィルム126は、耐候性層416が積層された
コア層414を有する。シーリング部材のコア層は、多層フィルム126のコア
層と同種のポリマーを含んでもよい。
【0118】 図13は、熱積層によって多層フィルム139を有する可撓性再帰反射物品を
作製する方法の1つを示している。図6に示されるシール脚部の通常の熱的また
は機械的作製方法では、エンボスロール132の温度は、シーリング部材を再帰
反射部材に熱的に接合するために十分高温であることが好ましい。エンボスロー
ル上のパターン化突起134によって、再帰反射部材133の微細構造化面上の
くぼみ136にシーリング部材が押込まれてシール脚部が形成される。対向する
ロール138は、平滑であってよく、ほぼ周囲温度であってよい。熱成形法以外
では、超音波圧接、無線周波数圧接、熱融着、および反応性圧接などのその他の
方法を使用することができる。
【0119】 図14は、多層フィルム454に搭載された再帰反射部材452を有する露出
レンズ再帰反射物品450を示している。図に示される個々の層の相対的な厚さ
は寸法通りではない。さらに、連続的反射コーティング層458と協同して再帰
反射要素を形成するガラスビーズ456は、図14に示されるよりも近い間隔で
通常は配置される。物品450は、観察される前面460と、希望する他の物品
に取付けるために使用することができる背面462とを有する。剥離自在層46
4は、背面462に一時的に取付けられて示されている。
【0120】 同様の装置(パターン化突起は存在しない)を使用して、再帰反射シーティン
グを裏当て部材に積層して、巻上げ式標識などの可撓性再帰反射物品を作製する
ことができる。このような標識の作製に関して、逐次積層工程を含むいくつかの
好ましい方法についてこれから説明するが、本発明のその他の物品の作製にもこ
れらの方法を(必要に応じて好適な修正を施して)使用することができることは
理解できるであろう。
【0121】 巻上げ式標識の第1の好ましい作製方法では、第1の積層工程で、シーリング
部材を有する再帰反射物品(例えば、図6に示されるシーリング部材66を有す
る物品60)は、中間多層フィルム(例えば、図1aに示される2層フィルム1
0a)との間にスクリム(例えば、図9aに示されるスクリム86)をはさんで
熱接合させる。この中間多層フィルムは、コア層上に接合層を有する。この積層
工程では、中間フィルムの接合層がシーリング部材と接着し、中間フィルムのコ
ア層は第2の積層工程のため露出された位置に配置される。第2の積層工程では
、中間フィルムの露出したコア層を耐候性層(例えば、図1bに示されるフィル
ム16b)と接合させて、巻上げ式標識(例えば、図11に示される物品110
)が形成される。前述したように、完成した巻上げ式標識をより可撓性に維持す
るために開発した方法の1つでは、第1の積層工程で温度および圧力が最小限に
され、それによってスクリムはシーリング部材に沈むのではなく接着するのみと
なる。第2の積層工程で温度および圧力を制御することも有用であることが分か
っている。第2の積層工程において過度の温度および圧力が生じると、スクリム
によって微細構造化面にポリマーを押込まれる場合がある。ポリマーが微細構造
化面と接触すると、この条件では外観の「ホワイトアウト」が起り、標識の観察
面を通して見ることができる標識およびスクリムパターンの輝度が低下する。温
度や圧力などの好ましい積層条件は、再帰反射物品の材料の選択とある程度固有
の関係がある。しかしながら、本発明の教示に従えば当業者によって適切な積層
条件を容易に決定可能である。有用な積層条件の一部は実施例で後述する。
【0122】 巻上げ式標識の第2の好ましい作製方法では、上の段落で述べた成分を2工程
ではなく3つの積層工程を使用して組み立てる。第1の積層工程で、多層フィル
ムをスクリムに積層する。この第1の積層工程では、コア層とその接合層がスク
リムを部分カプセル化し、スクリムのストランドの間で接合層の実質的部分が露
出されたまま残ることが好ましい。第2の積層工程では、多層フィルムの露出し
た接合領域に再帰反射物品が熱接合される。次に、得られた組立体の多層フィル
ム側からキャリアフィルムが除去されてコア層を露出させる。第3の積層工程で
は、新しく露出したコア層を耐候性層に積層する。前段落で説明した方法と同様
に、完成した巻上げ式標識の観察面からはスクリムパターンが見えなくなるよう
にするため、特に第2および第3の積層工程で積層温度および積層圧力を制御し
続けるべきである。
【0123】 巻上げ式標識の第3の好ましい作製方法では、同じ成分を3つの積層工程で組
み合わせるが、第3の好ましい方法とは異なる順序で行われる。第1の積層工程
では、多層フィルムをスクリムに積層する。コア層とその接合層がスクリムを部
分カプセル化し、スクリムのストランドの間で接合層の実質的部分が露出された
まま残ることが好ましい。次にキャリアフィルムを除去してコア層を露出される
。第2の積層工程では、新しく露出したコア層を耐候性層に接合する。第3の積
層工程では、再帰反射物品を多層フィルムの露出した接合領域に熱接合して巻上
げ式標識が形成される。この場合も、完成した巻上げ式標識の観察面からはスク
リムパターンが見えなくなるようにするため、温度および圧力を制御し続けるべ
きである。
【0124】 本発明の利点は、前面からの部材の所望の外観と、得られる物品の所望の再帰
反射性能とに対するシーリングパターンの起りうる影響を考慮して、最初に所望
のシーリングパターンで再帰反射部材に接合することができるシーリング部材を
再帰反射物品が有することである。次に、物品の観察面上のシーリングパターン
を実質的に乱すことなく、裏当て部材に物品を接合することができる。得られる
再帰反射物品は、表面積が小さな各セルを有するシーリングパターンを有するこ
とができる。この方法によって、各界面と最終物品を別々に最適化しながら、裏
当て部材の実質的に表面全体にシーリング部材を実質的に完全に接合することが
でき、層間の接合において強い凝集力が得られる。本発明の利点は、欠陥や機械
的破壊を生じさせずに優れた可撓性が得られるように本発明の物品を作製可能な
ことである。例えば、本発明の物品は、湾曲面またはその他の非平面状面の周囲
に損傷させずに巻き付けることができる。試験方法の1つでは、直径3.2mm
の円筒形マンドレルに再帰反射物品を巻き付ける試験を0℃で実施して、この可
撓性を測定した。
【0125】 当業者であれば、ライン速度、ニップ力、およびその他の積層条件(例えば、
加熱カン温度)を最適化することで、本発明の最終積層再帰反射物品で所望の性
質が得られる。通常、これには、層間の接合強さ、最終再帰反射物品の再帰反射
性観察面からのスクリムパターンの視認性、および最終物品の可撓性の間のバラ
ンスをとることも含まれる。
【0126】 本発明の多層フィルムを含む物品は、道路標識の一部、巻上げ式標識、ナンバ
ープレート、自動車誘目性シーティング、衣料物品(例えば警告ベスト)、履物
(例えばランニングシューズ)、アクセサリーバッグ、バックパック、保護カバ
ー、シート、ターポリン(例えば、トラックトレーラーのカバー)、警告テープ
、舗装道路マーキング物品、装飾用帯ひも、構造用帯ひも、またはこのような品
目に取付けるテープ、管、当て布、および図案などの多数の用途で有用である。
【0127】 再帰反射物品のポリマー、スクリム、および種々の部材のすべては、種々の目
的で補助剤を含むことができる。着色剤、UV級主剤、蛍光性化合物、光安定剤
、フリーラジカル捕捉剤または酸化防止剤、ブロッキング防止剤などの加工助剤
、剥離剤、潤滑剤、屋外曝露および熱に対する安定性を向上させる添加剤、なら
びにその他の添加剤を、種々のポリマーまたは材料に希望通りに加えることがで
きる。
【0128】 当然ながら、選択される特定の着色剤(例えば、染料および顔料、任意に蛍光
材料)は、所望の色彩に依存する。通常、着色剤は約0.01〜1重量%の量が
添加される。
【0129】 通常、UV吸収剤は約0.5〜2重量%の量で添加される。UV吸収剤の代表
例としては、ベンゾトリアゾール誘導体、例えばCiba−Geigy Cor
p.より商品名TINUVIN 327、328、900、1130、およびT
INUVIN−Pで入手可能なもの;ベンゾフェノンの化学誘導体、例えばBA
SF Corp.より商品名UVINUL M40、408、およびD−50で
入手可能なもの;Neville−Synthese Organics,In
c.より商品名SYNTASE 230、800、および1200で入手可能な
もの;またはジフェニルアクリレートの化学誘導体、例えばBASF Corp
.より商品名UVINUL N35および539で入手可能なものが挙げられる
【0130】 使用することができる光安定剤としてはヒンダードアミンが挙げられ、これら
は通常約0.1〜2重量%の量で使用される。ヒンダードアミン光安定剤の代表
例としては、Ciba−Geigy Corp.より商品名TINUVIN−1
44、292、622、770、およびCHIMASSORB 944で入手可
能な光安定剤が挙げられる。
【0131】 フリーラジカル捕捉剤または酸化防止剤は通常約0.01〜0.5重量%の量
で使用することができる。好適な酸化防止剤の代表例としては、Ciba−Ge
igy Corp.より商品名IRGANOX 1010、1076、1035
、およびMD−1024、およびIRGAFOS 168で入手可能な酸化防止
剤などのヒンダードフェノール樹脂が挙げられる。
【0132】 少量、通常はポリマー樹脂の1重量%以下のその他の加工助剤を、樹脂の加工
性を向上させるために添加することができる。有用な加工助剤としては、Gly
co Inc.より入手可能な脂肪酸エステルまたは脂肪酸アミド;Henke
l Corp.より入手可能なステアリン酸金属塩;およびHoechst C
elanese Corp.より商品名WAX Eで入手可能な加工助剤が挙げ
られる。好ましいポリウレタンポリマーは、押出工程で使用するためにワックス
、油類、および剥離剤などの加工助剤をすでに含有している場合もある。押出工
程を促進するために、タルク、ヒュームドシリカ、クレイ、および炭酸カルシウ
ムなどの付着防止粉末を添加することもできる。
【0133】 実施例 以下の説明的実施例により本発明の特徴および利点をさらに説明する。他に明
記しない限り本明細書におけるすべての部およびパーセンテージは重量を基準と
しており、また「gsm」はg/cm2を意味する。記載の構造体を以下の試験
によって評価した。
【0134】 再帰反射輝度試験 再帰反射係数RAを、規格試験ASTM D4956−95およびASTM
E810−94に従って測定する。RA値はカンデラ/ルクス/m2(cd/lu
x/m2)の単位で表される。入射角は、光源からの照射軸と、再帰反射物品の
表面と垂直の再帰反射体軸との間の角度である。入射角は−4°となるように選
択した。観測角は、光源からの照射軸と観測軸との間の角度である。観測角は0
.2°となるように選択した。試料の方向を0°と90°で測定した値の平均値
を再帰反射係数として報告している。
【0135】 可撓性試験 直径3.2mmの円筒形マンドレルの周囲に再帰反射物品を巻き付けることに
よって可撓性を測定した。この試験は0℃で実施した。
【0136】 Xカットテープ剥離試験 ASTM D3359の試験法Aを使用して、多層フィルムの層間の積層強さ
を測定した。
【0137】 Z剥離試験 引張接合Z剥離試験はASTM D952−95に準拠している。試験を行う
試験片を2つの金属製固定具に取付ける。各辺25.4mmの鋼製立方体で6.
5cm2の面を有するブロックである上部固定具と、厚さ1.6mmで5×30
.5cmのアルミニウム板である下部固定具とを使用して試験の準備を行った。
30mm平方の再帰反射シーティング片の上部を、3Mより入手可能なSCOT
CHTM Adhesive Tape No.419などの好適な感圧接着テー
プ層で覆い、シーティング片の底部は、ビスアミド架橋剤で架橋させた比が93
:7のアクリル酸イソオクチル−アクリル酸コポリマーを有する感圧接着剤(「
93:7接着剤」)で覆った。93:7接着剤は、例えば米国特許第4,418
,120号(Kealy)などに開示されており、ASTM D446−97試
験方法を使用して改良Ostwald 50粘度計で20℃で測定した固有粘度
が1.5〜1.7であった。No.419接着テープは、炭酸カルシウムを入れ
たデシケーターに入れて、使用前に少なくとも24時間保存することによって状
態調整した。シーティングを裏側を下にしてアルミニウム板上の中央に配置し、
鋼製ブロックをシーティングの上部に置いた。上部鋼製ブロックの辺の周囲に沿
ってシーティングを切り取り、そのため25.4×25.4の正方形の試料で試
験を行った。組み合わせられた積層体を1900ニュートンの力で1分間圧縮し
た。鋼製立方体を標準的な引張試験機の上部ジョーに固定し、アルミニウム板は
両側に沿って試験機の下部掴み具で固定した。50cm/分の速度でジョーを急
速に引き離し、力−移動距離の曲線を記録し、ピーク荷重をkgの単位で記録し
た。
【0138】 ビカー軟化点試験 表示の材料のビカー軟化点試験を、ASTM D1525−97に従って測定
する。
【0139】 メルトインデックス試験 表示の材料のメルトインデックスを、Condition 190/2.16
とASTM D1238−95の手順とに従って測定する。
【0140】 SLS試験(ラウリル硫酸ナトリウム水溶液に浸漬した後の剥離試験) 幅5.1cm×長さ7.6cmの再帰反射シーティング片を幅7cm×長さ2
8cmのアルミニウム片に接着することで、試験片を作製する。この試験片をラ
ウリル硫酸ナトリウム1重量%水溶液に55℃で24時間浸漬する。次に試験片
をぬぐって清浄にし、ペーパータオルで乾燥させ、シーティングの異なる層の間
の接着性を試験する。この試験のために、シーティング試料の一端から約2.5
cmを水平方向に切り取る。次に、層の1つが別の層から分離するまで、鋭利な
器具を使用してシーティングを突いた。続いて層の分離しやすさを、合格の1か
ら不合格の4までの尺度で評価する。例えば、面部材を再帰反射部材から分離す
ることができなかった場合には評価は1である。一方、面部材を再帰反射部材か
ら完全に分離できる場合は評価は4である。
【0141】 実施例1 3層フィルム 厚さ0.005mmのポリウレタン層、厚さ0.005mmのEVA層(Du
Pontより入手可能なBYNEL 3860)、および厚さ0.025mmの
EAA層を一度に同時押出するために押出機A、B、およびCを使用した。これ
ら3種類のポリマーはペレットの形態で供給ホッパーに供給し、ポリウレタンペ
レットについてはあらかじめ乾燥しておいたものを供給した。3つの押出機はす
べて圧縮比3:1のスクリューを使用した。ホッパー端から吐出ダイ端までの温
度分布は、押出機Aの場合170〜195℃、押出機Bの場合170〜205℃
、さらに押出機Cの場合170〜215℃であった。幅40cmのフィードブロ
ックダイを使用して、6〜9m/分のライン速度で均一なウェブ幅29cmの許
容できる3層フィルムを作製した。
【0142】 Xカットテープ試験を行っても、層間剥離は見られなかった。
【0143】 実施例2 再帰反射性舗装道路マーキング物品用の3層フィルム 空気露出層が厚さ0.006mmのポリウレタンであり、コア層が厚さ0.0
6mmのEVA(DuPontより入手可能のBYNEL 3860)であり、
基底層が厚さ0.006mmのポリウレタンであることを除けば、実施例1に記
載のものと同様の3層フィルムの面部材を使用して、米国特許第4,663,2
13号(Bailey)に開示される封入ビーズレンズ再帰反射シーティングを
作製する。この3層面部材を有する再帰反射物品を接着剤で道路表面に接合して
、舗装道路マーキングを作製する。
【0144】 実施例3 再帰反射キャンバス反射性グラフィックにおける3層フィルム 厚さ0.04mmのEAA層にガラスビーズを押し付けるか沈めるかして、反
射コーティング層をビーズに関して協同する位置に配置して再帰反射部材を作製
することを除けば実施例1のようにして作製した多層フィルムを使用して、米国
特許第4,950,525号(Bailey)に開示されるエラストマー封入ビ
ーズレンズ再帰反射シーティングを作製する。この面部材は、空気露出層が厚さ
0.005mmのポリウレタンであり、コア層が厚さ0.005mmのEVA(
DuPontより入手可能なBYNEL 3860)であり、基底層が厚さ0.
04mmのEAAである3層フィルムである。この3層フィルムを有する再帰反
射物品は、トラックおよびその他の乗り物に使用されるキャンバスカバーに接着
剤で接合することができる。
【0145】 実施例4 ライセンスプレート用の面部材としての多層フィルム 封入ビーズレンズ再帰反射シーティングとして、3Mより入手可能なSCOT
CHLITETM License Plate Sheeting Serie
s 3750を使用した。このシーティングの第1の主面は、ICI RESI
NSより商品名NEOREZ R−960で入手可能な水系脂肪族ポリウレタン
の厚さ約0.003mmの層で任意に下塗りすることができる。
【0146】 ポリウレタンの空気露出層、EVAのコア層、およびEAAの接合層を有する
面部材を、ポリウレタン層がキャリアフィルムと接触するようにポリエチレンテ
レフタレート(PET)キャリアフィルム上に同時押出して、多層フィルムを作
製した。ポリウレタン層はRohm and Haasより入手可能な商品名L
430.77のポリエステル系脂肪族ウレタンの厚さ0.005mmの層であっ
た。EVAコア層はDuPontより入手可能なBYNEL 3860樹脂の厚
さ0.005mmの層であった。EAA接合層は、Dow Chemical
Companyより入手可能なメルトインデックスが10であるエチレンと9重
量%のアクリル酸とのPRIMACOR 3440コポリマーの厚さ0.025
mmの層であった。3750シーティングの基底層に、この多層フィルムのEA
A側を面部材として熱積層した。次にPETキャリアフィルムを除去した。
【0147】 SLS試験またはXカットテープ試験では、ライセンスプレート再帰反射物品
からの多層面部材の層間剥離は見られなかった。
【0148】 比較例A EVAコア層がないことを除けば実施例4と同様 再帰反射シーティングとして、3Mより入手可能なSCOTCHLITETM
License Plate Sheeting Series primed
3750を使用した。このシーティングは、水系脂肪族ポリウレタンNEOR
EZ R−960の厚さ約0.0025mmの層で任意に下塗りすることができ
る。
【0149】 ポリウレタンの空気露出層と、EAAの接合層とを、ポリウレタン層がキャリ
アと接触するようにしてPETキャリアフィルム上に同時押出しして、面部材と
しての2層フィルムを作製した。ポリウレタン層は、L430.77ポリエステ
ル系脂肪族ウレタンの厚さ0.005mmの層であった。EAA接合層は、PR
IMACOR 3440コポリマーの厚さ0.025mmの層であった。375
0シーティングの基底層に、この多層フィルムのEAA側を面部材として熱積層
した。次にPETキャリアフィルムを除去した。
【0150】 SLS試験によって、面部材の層間剥離、特にポリウレタン上層のEAA層の
層間剥離が見られた。
【0151】 実施例5 感熱印刷受容性再帰反射物品用の多層フィルム 図3aに示されるような物品の表面層33を3層フィルムで置き換えることに
よって、感熱印刷受容性にすることができる。好適な多層フィルムは、厚さ0.
005mmのポリウレタン層と、厚さ0.005mmのEVAコア層(BYNE
L 3860)と、厚さ0.025mm(1ミル)のEAA層とを有する。この
多層フィルムのEAA層を接合層として再帰反射部材に熱積層する。この本発明
の物品の3層フィルムによって印刷またはホットスタンプ用の平滑面が得られ、
印刷品質が向上する。
【0152】 実施例6 隆起リッジプリズム型再帰反射物品用の多層シーリング部材 図7に記載されるような隆起リッジプリズム型再帰反射物品を作製した。面部
材は厚さ0.05mmの衝撃改質PMMAのオーバーレイ単層であった。再帰反
射部材は、プリズムと隆起リッジの両方を含む微細構造化層を有する厚さ0.3
6mm(リッジ高さを含む)の単層のポリカーボネートであった。リッジのパタ
ーンは、辺の長さが約2mm×5mmの長方形であった。各リッジの高さは約0
.18mmであり幅は約0.5mmであった。
【0153】 シーリング部材として多層フィルムを使用した。多層フィルムは、厚さ0.0
1mmのポリウレタンの接合層と、厚さ0.005mmのEVA(BYNEL
3860)のコア層と、約40重量%のチタニアを白色化剤/乳白剤として含有
するEAAの厚さ0.04mmの層とを有するものであった。ポリウレタン接合
層が隆起リッジパターンと接触し、EAA層が好適な基材と接着可能となるよう
に、この多層シーリング部材を、再帰反射部材の微細構造化層上の隆起リッジに
熱積層した。両方のロールが平滑であり一方のロールを約175℃に加熱し、も
う一方は周囲温度であったことを除けば、図13に示す積層工程を実施した。積
層圧は約1.1kg/cm2であり、ウェブ速度は約1.5m/分であった。
【0154】 シーリング部材の再帰反射部材への積層強さについては許容できる結果が得ら
れた。Z剥離試験では、ピーク荷重が約29〜34kgの範囲であった。
【0155】 実施例7 隆起リッジプリズム型再帰反射物品用の多層シーリング部材 図7に記載されるような隆起リッジプリズム型再帰反射物品を作製した。面部
材は厚さ0.05mmの衝撃改質PMMAのオーバーレイ単層であった。再帰反
射部材は、プリズムと隆起リッジの両方を含む微細構造化層を有する厚さ0.3
6mm(隆起リッジを含む)の単層のポリカーボネートであった。リッジのパタ
ーンは、辺の長さが約2mm×5mmの長方形であった。各リッジの高さは約0
.18mmであり幅は約0.5mmであった。
【0156】 シーリング部材として多層フィルムを使用した。多層フィルムは、厚さ0.0
1mmのポリウレタンの接合層と、厚さ0.005mmのEVAの(BYNEL
3860)のコア層とを含むものであった。ポリウレタン接合層が隆起リッジ
パターンと接触し、EVA層がHDPE基材と熱接着可能となるように、この多
層シーリング部材を、再帰反射部材の微細構造化層上の隆起リッジに熱積層した
【0157】 実施例8 隆起リッジプリズム型再帰反射物品用の多層シーリング部材−工程条件の改良 加熱ロール温度を約130℃、ウェブ速度を約6m/分に積層条件を変更した
ことを除けば実施例6に従って試料を作製した。
【0158】 シーリング部材の再帰反射部材への積層強さについては許容できる結果が得ら
れた。Z剥離試験では、ピーク荷重が約40〜42kgの範囲であった。
【0159】 実施例9 カプセル化再帰反射物品用の面部材としての多層フィルム 図4に示すようなカプセル化レンズ物品尾面部材として多層フィルムを使用す
る。多層フィルムは、厚さ0.076mmのEAAPRIMACORE 344
0空気露出層と、厚さ0.005mmのEVAコア層(BYNEL 3860)
と、再帰反射部材と接合可能な厚さ0.01mmのポリウレタン基底層とを有す
るものであった。再帰反射部材は、部分的に金属蒸着したガラスビーズを有し、
白色チタニアで不透明化したビニル/ウレタンクッションコートであった。
【0160】 実施例10 多層裏当て部材とスクリムを有する巻上げ式標識−2段階積層 3Mより入手可能なSCOTCHLITE DIAMOND GRADETM
Drum Wrap 3910ホワイトをプリズム型再帰反射シーティングとし
て使用した。このシーティングは、厚さ0.09mmの透明ポリウレタン上部層
と、米国特許第4,588,258号(Hoopman)に記載の微細構造化面
を有する厚さ0.18mmのポリカーボネート再帰反射部材と、チタニアで不透
明化した厚さ0.06mmのポリウレタンシーリング層とを有するものであった
。3910ホワイトシーティングはシーリング部材上の接着剤層と接着剤上のラ
イナーも通常は有するが、この実施例では接着剤層とライナーの両方を除去した
【0161】 多層裏当て部材を以下のようにして作製した。厚さ0.075mmの改質EV
Aコポリマー(BYNEL 3101)のコア層を、ダイ温度約190℃のダイ
から、厚さ0.06mmのPETキャリアフィルム上に押出した。続いて、厚さ
0.001mmのポリウレタン溶液(QC4820)の接合層を改質EVAコア
層上にコーティングし、乾燥させてウレタンプライマー層をコア層上に形成させ
た。
【0162】 多層裏当て部材とスクリムとを含む巻上げ式標識を2段階の積層工程で組み立
てた。スクリムは、厚さが約0.25mmであり、ストランド中に1000デニ
ールの繊維を含み、各方向で3.5ストランド/cmであり、Milliken
Co.より入手可能の目の荒いポリエステル繊維材料であった。第1の積層工
程では、スクリムを部分カプセル化するために、再帰反射シーティングのポリウ
レタンシーリング層と、多層裏当て部材のウレタンプライマー層とにスクリムを
積層した。多層裏当て部材、スクリム、および再帰反射シーティングを1つのロ
ールは金属加熱カンロールであり、もう一方のロールはほぼ周囲温度のゴムロー
ルである2つのローラーの間に1.5m/分で通すことによって積層を行った。
多層裏当て材料用のPETキャリアフィルムを、金属カンロールと面するように
配置した。再帰反射シーティング用の透明ポリウレタンオーバーレイ層を、ゴム
ロールと面するように配置した。スクリムは、これら2つのウェブの間の積層ニ
ップに供給した。この第1の積層工程では、積層温度は約115℃であり、積層
ニップ力または圧力は積層機ニップ幅で約280N/cmであった。積層中は、
多層裏当て部材のウレタンプライマー層がスクリムの間隙に流れ込み、再帰反射
シーティングのポリウレタンシーリング層と接触し、それによってスクリムが部
分カプセル化したしっかりした接合が形成された。得られた積層組立体の多層裏
当て部材側からPETキャリアフィルムを除去して、さらなる積層工程にかけら
れる改質EVAを露出させた。
【0163】 以下の方法で、ポリエステルキャリアフィルム上にEAA耐候性層を単独で押
出した。透明EAAコポリマー(PRIMACOR 3440)を、40重量%
のTiO2と5重量%のカーボンブラックをポリエチレン中に含有する灰色濃縮
物(Ampacet Corporation(Tarrytown、ニューヨ
ーク州)より入手した商品名SPECTRATECH CM22160)4重量
%と混合し、ポリエステル上に押出して、厚さ0.1mmの灰色EAA耐候性層
を作製した。
【0164】 第2の積層工程では、灰色EAA耐候性層を、第1の積層工程で作製した積層
組立体の露出させた改質EVA層に熱接合した。積層装置、ライン速度、温度、
およびニップ力または圧力は、第1の積層工程と同様にした。この第2の積層工
程では、EAA耐候性層用のポリエステルキャリアフィルムは金属加熱カン表面
と面するように配置し、積層組立体の透明ポリウレタンオーバーレイ層はゴムロ
ールと面するように配置した。第2の積層工程の終了後、ポリエステルキャリア
フィルムを、最終積層組立体の褐色EAA側から剥がした。
【0165】 得られた巻上げ式標識材料は、すべての層が非常によく接合し、層間剥離に対
して抵抗性であった。スクリムパター、標識材料の再帰反射観察側からはほとん
ど見えなかった。直径3.2mmの円筒形マンドレルにこの標識を巻き付けて可
撓性を調べた。この試験を0℃で実施したが、良好な結果が得られ、亀裂も見ら
れなかった。
【0166】 比較例B 以下のことを除けば実施例10の記載内容と同じ条件を使用した。
【0167】 厚さ0.12mmのEAAの褐色耐候性層をPETキャリアフィルム上に押出
した。第1の積層工程では、ライン速度3m/分、積層温度122℃、およびニ
ップ力または圧力180N/cmを使用し、EAAの耐候性層をスクリムに積層
した。こうして作製した裏当て部材の単層フィルムは、コア層またはプライマー
処理ポリウレタン層も含まないものであった。再帰反射物品を裏当て部材に接合
する第2の積層工程では、ライン速度が1.5m/分であり、積層温度が122
℃であり、ニップ力または圧力が180N/cmであった。得られた再帰反射物
品は、裏当て部材と再帰反射部材の間の接合性が劣っていた。裏当て部材のEA
A耐候性層は、再帰反射物品のポリウレタンシーリング部材とうまく接合しなか
った。第2の積層工程のニップ力または圧力を600N/cmに増大させても、
再帰反射物品の接合性については同様に劣った結果が得られた。本発明の多層フ
ィルムを使用しないと、積層強さが低くなり許容できない結果となった。
【0168】 実施例11 多層フィルム裏当て層とスクリムを有する巻上げ式標識−3段階積層 実施例10の材料を使用し3つの積層工程で巻上げ式標識を作製した。第1の
積層工程では、多層裏当て部材をスクリムに積層した。積層装置、ライン速度、
温度、およびニップ力または圧力は実施例10と同様であった。多層裏当て部材
用のPETキャリアフィルムを金属製加熱カンロールと面するように配置し、ス
クリムはゴムロールと面するように配置した。積層中、多層裏当て部材のウレタ
ンプライマー層はスクリムのストランドの間隙に流入した。
【0169】 第2の積層工程では、再帰反射シーティングを、第1の積層工程で作製した積
層組立体のウレタンプライマー層に熱積層した。積層装置、ライン速度、温度、
およびニップ力または圧力は第1の積層工程と同様であった。積層組立体用のP
ETキャリアフィルムを金属製加熱カンロールと面するように配置し、再帰反射
シーティングの透明ポリウレタンオーバーレイ層はゴムロールと面するように配
置した。
【0170】 第3の積層工程では、灰色EAA耐候性層を、第2の積層工程で作製した積層
組立体に熱積層した。積層装置、ライン速度、およびニップ力または圧力は第1
および第2の積層工程と同様であり、積層温度は127℃であった。灰色EAA
耐候性層用のポリエステルキャリアフィルムを金属製加熱カン表面と面するよう
に配置し、積層組立体の透明ポリウレタンオーバーレイ層はゴムロールと面する
ように配置した。
【0171】 得られた巻上げ式標識材料は、すべての層間で優れた接合性を示し、層間剥離
に対して抵抗性であった。直径3.2mmの円筒形マンドレルに標識材料を巻き
付けて可撓性を調べた。この試験は0℃で行ったが、良好な結果が得られ、亀裂
は見られなかった。
【0172】 実施例12 多層フィルム裏当て層とスクリムを有する巻上げ式標識−3段階積層 実施例10の材料を使用し3つの積層工程で巻上げ式標識を作製した。第1の
積層工程では、実施例11の第1の積層工程と同様に、多層裏当て部材をスクリ
ムに積層した。得られた積層組立体の多層裏当て部材側からPETキャリアフィ
ルムを除去し、それによって第2の積層工程にかけることができる改質EVA層
を露出させた。
【0173】 第2の積層工程では、灰色EAA 耐候性層を改質EVA層上に熱積層した。
積層装置、ライン速度、温度、およびニップ力または圧力は実施例10と同様で
あった。灰色EAA 耐候性層用のポリエステルフィルムを金属製加熱カン表面
と面するように配置し、積層組立体のスクリム側はゴムロールと面するように配
置した。
【0174】 第3の積層工程では、再帰反射シーティングを、第2の積層工程で作製した積
層組立体のウレタンプライマー層に熱積層した。積層装置、ライン速度、温度、
およびニップ力または圧力は実施例11の第3の積層工程と同様であった。耐候
性層用のPETキャリアフィルムを金属製加熱カンロールと面するように配置し
、再帰反射シーティングの透明ポリウレタンオーバーレイ層はゴムロールと面す
るように配置した。
【0175】 得られた巻上げ式標識材料は、すべての層間で優れた接合性を示し、層間剥離
に対して抵抗性であった。直径3.2mmの円筒形マンドレルに標識材料を巻き
付けて可撓性を調べた。この試験は0℃で行ったが、良好な結果が得られ、亀裂
は見られなかった。
【0176】 実施例13 多層フィルム基材を有する露出レンズ再帰反射物品 図14に示される物品と同一または類似した構造を有する露出レンズ再帰反射
物品の種々の実施例を作製した。再帰反射部材452には、3Mより商品名Sc
otchliteTM Reflective Material 8710 S
ilver Transfer Filmで入手可能な従来の露出レンズシーテ
ィングの一部を使用した。従来の8710製品は、前面460に取付けられた剥
離自在紙製ライナーと、屈折率が約1.9で直径が約0.06mmであるガラス
ビーズ456と、アルミニウム反射コーティング層458と、ビーズ厚さ約0.
09mmでフェノール系硬化剤で硬化させたABSで構成される接合層466と
、ビーズ接合層466の裏面と接触する厚さ0.025mmのポリウレタン接着
剤層と、厚さが約0.05mmでありポリエチレンで構成されポリウレタン接着
剤層の裏面と接触する剥離自在ライナーとを通常は有する(現在、実際に使用す
る場合は、このような8710シーティングは、ポリエチレンライナーを除去し
た後、機械的強度を得るため比較的厚いPVC基材に積層され、こうして得られ
た製品はスポーツシューズやその他の最終用途に使用可能である)。この実施例
の目的のため、従来の8710製品からポリウレタン接着剤層とポリエチレンラ
イナーを除いて、第1のタイプの再帰反射部材452を作製した。従来の871
0製品からポリエチレンライナーのみを除いて、第2のタイプの再帰反射部材4
52を作製した。
【0177】 次に、これら2種類の再帰反射部材のそれぞれを、6種類の異なる多層フィル
ム454に熱積層した。6種類のフィルム454のそれぞれは3層構造を有し、
第1のウレタン層454aと、アルキレンコポリマーのコア層454bと、第2
のウレタン層454cとを有するものであった。これらの層454a〜cは、厚
さ0.05mmのPETキャリアフィルム上に同時押出しして作製した。層45
4aおよび454cは、Rohm and Haasより商品名MORTHAN
E L430.77で入手可能なポリウレタンで構成されるものであった。希望
するなら、最適な性能が得られるように調整するために層454aおよび454
cが別種のポリウレタン組成物を含んでもよい。層454bは、酸無水物改質E
VA(BYNEL 3860)で構成されるものであった。種々のフィルム45
4(454−1〜454−6と呼ぶ)は、以下のように各層で使用される厚さが
異なった。
【0178】
【表1】
【0179】 積層中、剥離自在のPET層(図14の番号464)は多層フィルム454に
取付けたままにし、再帰反射層452の前面460の従来の剥離自在紙製ライナ
ーも取付けたままにした。ライン速度3m/分、温度約120℃、およびニップ
力または圧力約300N/cmで回転ニップ積層機を使用して積層を実施した。
【0180】 各場合で、多層フィルム454が、露出レンズ再帰反射シーティングと合わせ
て現在使用されている単層PVC基材の好適な代替物となることが分かった。多
層フィルム454は、ポリウレタンの所望の表面特性を示しながら、全体的には
EVAフィルムの性質も示すことが分かった。特に、積層後にフィルム454は
再帰反射部材452に対して優れた接着性を示し、さらに裏面462で織物に対
して良好な接着性を示すことが分かった。ポリウレタンのみのフィルムはよりコ
ストがかかり、一方EVAのみのフィルムでは所望の表面特性が得られない。性
能をほとんどまたは全く損なわずにコストを軽減するためには、層454aまた
は454cのいずれかの厚さが、多層フィルム454の全体の厚さの約10%以
下であることが望ましい。
【0181】 この実施例で作製した試料は、熱積層、無線周波数(RF)または超音波によ
る圧接、あるいはその他の方法によって、裏面462に別の織物またはフィルム
を適用することができる。この積層の前にPET層464は除去される。紙製ラ
イナーは、再帰反射要素を露出させるために前面460から除去される。
【0182】 すべの特許、特許文献、および刊行物の開示内容全体を、それぞれを取り入れ
るがごとく本明細書に援用する。本発明の範囲および意図から逸脱することなし
に、本発明の種々の変形および変更が当業者には明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1a】 多層フィルムの断面図である。
【図1b】 多層フィルムの断面図である。
【図1c】 多層フィルムの断面図である。
【図1d】 多層フィルムの断面図である。
【図2】 露出レンズ再帰反射物品の断面図である。
【図3a】 封入レンズ再帰反射物品の断面図である。
【図3b】 封入レンズ再帰反射物品の断面図である。
【図4】 カプセル化レンズ再帰反射物品の断面図である。
【図5a】 露出プリズム型再帰反射物品の断面図である。
【図5b】 封入プリズム型再帰反射物品の断面図である。
【図6】 カプセル化プリズム型再帰反射物品の断面図である。
【図7】 隆起リッジを有するカプセル化プリズム型再帰反射物品の断面図である。
【図8】 巻上げ式標識物品の分解断面図である。
【図9a】 巻上げ式標識物品の裏当て部材の断面図である。
【図9b】 図8の裏当て部材のスクリムの斜視図である。
【図10】 スクリムの1つのストランド中の密に束ねられたフィラメントの断面図である
【図11】 図6のカプセル化プリズム型再帰反射物品に図8の裏当て部材を接合すること
によって作製した可撓性再帰反射物品の断面図である。
【図12】 可撓性再帰反射物品の好ましい1実施態様の断面図である。
【図13】 カプセル化プリズム型再帰反射物品の作製に有用な積層工程の側面図である。
【図14】 別の露出レンズ再帰反射物品の断面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 09/636,190 (32)優先日 平成12年8月10日(2000.8.10) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,UZ,VN,YU, ZA,ZW (72)発明者 ワン,ポール ジェイ. アメリカ合衆国,ミネソタ 55133−3427, セント ポール,ピー.オー.ボックス 33427 (72)発明者 ラッキング,レイモンド エル. アメリカ合衆国,ミネソタ 55133−3427, セント ポール,ピー.オー.ボックス 33427 (72)発明者 ベイリー,テリー アール. アメリカ合衆国,ミネソタ 55133−3427, セント ポール,ピー.オー.ボックス 33427 (72)発明者 クマー,カンタ アメリカ合衆国,ミネソタ 55133−3427, セント ポール,ピー.オー.ボックス 33427 (72)発明者 エッシエン,マイケル エー. アメリカ合衆国,ミネソタ 55133−3427, セント ポール,ピー.オー.ボックス 33427 (72)発明者 ジャノベック,ジェフリー ディー. アメリカ合衆国,ミネソタ 55133−3427, セント ポール,ピー.オー.ボックス 33427 (72)発明者 オジェダ,ジャイム アール. アメリカ合衆国,ミネソタ 55133−3427, セント ポール,ピー.オー.ボックス 33427 (72)発明者 カレンズ,マイケル ディー. アメリカ合衆国,ミネソタ 55133−3427, セント ポール,ピー.オー.ボックス 33427 Fターム(参考) 4F100 AK04B AK04J AK51A AK51C AK51D AK56B AK56J AK68B AK68D AK70B AK70C AK70D AK71B AK71C AK71D AL01B AL05D BA02 BA03 BA04 BA05 BA10A BA10B BA10C EH20 GB90 JA06B JN06 YY00A

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1つのウレタンポリマー層と、 アルキレン及び少なくとも1種類の非酸性で極性のコモノマーのコポリマーの
    コア層と、 を含む実質的に連続で、実質的に接触している多層フィルム。
  2. 【請求項2】 前記コポリマーが、55〜95重量%のエチレンを含むエチ
    レンコポリマーである請求項1に記載の多層フィルム。
  3. 【請求項3】 ASTM−1238に準拠し8.7kgのおもりを使用して
    190℃で測定した場合の前記エチレンコポリマーのメルトインデックスが0.
    8〜800dg/分である請求項2に記載の多層フィルム。
  4. 【請求項4】 前記コポリマーが5〜40重量%の非酸性コモノマーを含む
    エチレンコポリマーである請求項1〜3のいずれか1項に記載の多層フィルム。
  5. 【請求項5】 前記コポリマーが約10重量%未満の酸性または無水物コモ
    ノマーを含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の多層フィルム。
  6. 【請求項6】 前記コポリマーが、エチレンと、酢酸ビニル、アクリレート
    、および一酸化炭素からなる群より選択される少なくとも1種類の非酸性コモノ
    マーとから構成される請求項1〜5のいずれか1項に記載の多層フィルム。
  7. 【請求項7】 前記コポリマーが、EVA、酸改質EVA、無水物改質EV
    A、酸−アクリレート改質EVA、無水物−アクリレート改質EVA、EEA、
    EMA、AEA、EVACO、EBACO、およびEnBAからなる群より選択
    される請求項1から5のいずれか1項に記載の多層フィルム。
  8. 【請求項8】 前記コポリマーがEVAと改質EVAからなる群より選択さ
    れ、酢酸ビニル含有率が7〜40重量%である請求項1から5のいずれか1項に
    記載の多層フィルム。
  9. 【請求項9】 前記ウレタンポリマー層の厚さが、前記多層フィルムの全体
    の厚さの30%未満を占める請求項1〜8のいずれか1項に記載の多層フィルム
  10. 【請求項10】 前記多層フィルムが、ウレタンポリマー、EAA、EMA
    A、およびアイオノマー樹脂からなる群より選択されるポリマーの第3の層をさ
    らに含む請求項1〜9のいずれか1項に記載の多層フィルム。
  11. 【請求項11】 ポリウレタンとアルキレンコポリマーとの混合物を含む層
    が、前記ウレタンポリマー層と前記コポリマーのコア層との間に設けられる請求
    項1〜10のいずれか1項に記載の多層フィルム。
  12. 【請求項12】 前記ウレタンポリマー層と前記コポリマーのコア層との同
    時押出によって前記多層フィルムが作製される請求項1〜11のいずれか1項に
    記載の多層フィルム。
  13. 【請求項13】 複数の再帰反射要素と、 請求項1〜12のいずれか1項に記載の多層フィルムと、 を含む再帰反射物品。
  14. 【請求項14】 前記物品が、前記多層フィルムを含む面部材を有する封入
    レンズまたはカプセル化レンズ再帰反射シーティングを含む請求項13に記載の
    物品。
  15. 【請求項15】 前記再帰反射要素が空気露出部分を有するビーズを含み、
    前記多層フィルムが前記空気露出部分の反対側に配置される請求項13に記載の
    物品。
  16. 【請求項16】 前記再帰反射要素が微細構造プリズム要素を含み、前記物
    品が、 第1の主観察面を有する面部材と、 前記面部材が取付けられる第1の主面と、前記プリズム要素を含む反対側の第
    2の主微細構造化面とを有する再帰反射部材と、 シール脚部パターンと封入空気セルとが形成され、前記再帰反射部材が前記シ
    ーリング部材と間隔を置いて配置され、前記プリズム要素が前記セル内に空気露
    出部分が形成されるようにするため、前記再帰反射部材の一部と接合するシーリ
    ング部材と、をさらに含み、 前記面部材とシーリング部材の少なくとも1つが前記多層フィルムを含む請求項
    13に記載の物品。
  17. 【請求項17】 前記再帰反射要素が、前記再帰反射部材の微細構造化面上
    に隆起リッジのパターンを有する再帰反射部材内に設けられ、シーリング部材が
    、前記再帰反射部材の隆起リッジと接合し、前記多層フィルムを含む請求項13
    に記載の物品。
  18. 【請求項18】 前記物品が、道路標識、巻上げ式標識、ライセンスプレー
    ト、自動車誘目性シーティング、衣料物品、履物、アクセサリーバッグ、バック
    パック、保護カバー、シート、ターポリン、警告テープ、舗装道路マーキング物
    品、装飾用帯ひも、構造用帯ひも、ならびにこのような物品に取付けるテープ、
    管、図案、または当て布からなる群より選択される請求項13に記載の物品。
  19. 【請求項19】 複数の再帰反射要素と、 面部材と、 シーリング部材と、 複数のマルチフィラメントストランドを含むスクリムを有する裏当て部材と、
    を含み、前記面部材、前記シーリング部材、および前記裏当て部材の少なくとも
    1つが請求項1から12のいずれか1項に記載の多層フィルムを含む可撓性再帰
    反射物品。
  20. 【請求項20】 前記物品が、前記物品の前記面部材側の上に主観察面を有
    し、前記観察面を通してスクリムパターンを見ることはできない請求項19に記
    載の物品。
  21. 【請求項21】 複数の再帰反射要素を有する再帰反射部材を提供する工程
    と、 請求項1から12のいずれか1項に記載の多層フィルムを同時押出する工程と
    、 前記多層フィルムを前記再帰反射部材に取付ける工程と、 を含む再帰反射物品の作製方法。
  22. 【請求項22】 前記物品が、前記物品の前記再帰反射部材側の上に主観察
    面と、前記観察面を通して見ることができる封入されたセルのパターンとを有し
    、前記方法が裏当て部材を前記多層フィルムに取付ける工程も含み、前記裏当て
    部材を取付ける工程が、完成物品の封入されたセルのパターンの外観に実質的に
    影響を与えずに行われる請求項21に記載の方法。
  23. 【請求項23】 前記物品が補強スクリムを有する巻上げ式標識を含み、前
    記観察面を通してスクリムパターンを見ることはできない請求項22に記載の方
    法。
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