JP4813994B2 - 再帰反射シート - Google Patents
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Description
このような再帰反射シートとしては、微小ガラス球と金属、ほとんどの場合アルミニウムを真空蒸着して鏡面反射層をもうけたものを再帰反射素子として用いた、封入レンズ型再帰反射シートがよく知られている。
図1に示される、封入レンズ型再帰反射シートは、表面保護層(1)と、硝子(4)を保持する着色された保持層(3a)と3aとは異なる色相に着色された保持層(3b)、硝子球の焦点位置に配置された鏡面反射層(6)と、鏡面反射層を焦点位置配置させるための焦点形成層(5)よりなっている。
焦点樹脂層を形成する樹脂は特に制限されるものではないが、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ブチラール樹脂等が挙げられる。耐久性から、アクリル樹脂、ブチラール樹脂が好ましく、塗工性を考えると、アクリル樹脂が最も好ましい。
50万以上の樹脂をイソシアネート系架橋剤等の架橋剤を用いて架橋反応させた樹脂を用いると特に優れた保持力が得られ最も好適である。
工程基材表面保護層用の樹脂を塗工、乾燥する。工程基材は、十分な強度があり、熱をかけた際に膨張、収縮が十分小さいものであれば特に制限されないが、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド、塩化ビニル等の材質の基材が使用可能であり、PETが特に好ましい。
次いで、この3aとは異なる色相に着色された保持層(3b)の上に硝子球を散布する。
この半乾燥の程度で、硝子球を保持層中へ埋設する埋設率を調節することができ、例えば樹脂としてアクリルを使用する場合は、50℃〜150℃、好ましくは70℃〜130℃、特に好ましくは80℃〜120℃で5分間ほど乾燥し、硝子球を埋設し易くするのがよい。
0.2°、観測角5°における再帰反射性能)が20cd/lx.m2以上、好ましくは30cd/lx.m2以上、より好ましくは 40cd/lx.m2以上とするのがよい。
日本電色製色差計(Model SE-2000)を用い、JIS Z 9117に従って再帰反射シートの色相を測定した。
また、本発明における保持層の色相は、保持層形成用の樹脂を乾燥後の厚みで30μmになるようにPETフィルム上に塗布して、色相測定時にはSE-2000用の白色標準板をフィルムの上に置いて測定した。
再帰反射性能測定器として、アドバンスト・レトロ・テクノロジー社(Advantced RetroTechnology,INC)製「Model 920」を用い、100mm × 100mm の再帰反射シート試料の再帰反射光量を JISZ9117 に準じて、観測角0.2°、入射角5°により適宜の5点について測定して、その平均値をもって再帰反射性能の値とした。
得られた再帰反射シートの昼間の色相と夜間ヘッドライトを点灯した車の運転席にて観察される色相とで違いがあったと感じられるかを18才〜60才の50人のモニターが目視で判定した。
判定基準:
0点:自然光下と反射光で異なる色相を持たない。
1点:自然光下と反射光でやや異なる色相を持つ。
2点:自然光下と反射光で異なる色相を持つ。
3点:自然光下と反射光で明らかに異なる色相を持つ。
判定結果:
×: 30点以下(色相に差はなし)
△: 30点以上、90未満(観察する人間により色相の差はなし)
○: 90以上、120未満(色相の違いがある)
◎: 120以上(明らかな差がある)
キャリヤーフィルムとして帝人株式会社製の厚さ75μmの透明なポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名、帝人テトロンフィルムS−75)を用い、その上に、恩希愛化工有限公司製アクリル樹脂溶液(商品名、RS−1200)を100重量部に、株式会社三和ケミカル製のメチル化メラミン樹脂溶液(商品名、ニカラックMS−11)を14重量部に特殊色料株式会社製セルロース誘導体(商品名、CAB)4重量部に、シプロ化成株式会社製紫外線吸収剤(商品名、シーソープ103)を0.5重量部に、ビックケミー・ジャパン株式会社製レベリング剤(商品名、BYK−300)を0.04重量部に、大日本インキ化学工業株式会社製触媒(商品名、ベッカミンP−198)を0.12重量部に、溶剤としてMIBK/トルエン=8/2の比になるように16.7重量部を加えて、攪拌混合したものを塗布して厚さ36μmの無色透明表面保護層を形成した。
次いで、RS−3000を100重量部に、株式会社トクシキ製カラーベース(商品名AR-4300)を30重量部に、株式会社トクシキ製カラーベース(商品名AR-5300)を86重量部に、スミジュールN−75を21重量部にトルエンを26重量部に、MIBKを61重量部混合攪拌したものを光入射側の保持層の上に塗布し、100℃で5分間乾燥し、厚み13μmの赤色透明焦点形成層側の保持層を得た。
顕微鏡で断面を観察したところ、ガラスビーズの頭は、表面保護層に接しており、光入射側の保持層にガラス球の直径のほぼ1/5が保持されていた。
なお、それぞれの保持層の厚みは、別途、厚み75μmの帝人株式会社製ポリエステルフィルム(商品名、帝人テトロンフィルムS−75)上に塗布乾燥したものを用い、厚みは総厚みから75を引いて求めた。
実施例1において、焦点形成層側の保持層の塗工液を、RS−3000を100重量部に、株式会社トクシキ製カラーベース(商品名AR-6300)を113重量部に、スミジュールN−75を21重量部にトルエンを25重量部に、MIBKを59重量部として混合攪拌したものを光入射側の保持層の上に塗布し、90℃で5分間乾燥し、厚み13μmの青色透明焦点形成層側の保持層を得た以外は実施例1と同様にして再帰反射シートを得た。
実施例1において、焦点形成層側の保持層の塗工液を、RS−3000を100重量部に、株式会社トクシキ製カラーベース(商品名AR-8300)を270重量部に、スミジュールN−75を34重量部にトルエンを57重量部に、MIBKを131重量部として混合攪拌したものを光入射側の保持層の上に塗布し、90℃で5分間乾燥し、厚み13μmの緑色透明焦点形成層側の保持層を得た以外は実施例1と同様にして再帰反射シートを得た。
実施例1において表面保護層を、RS−1200を100重量部に、株式会社トクシキ製カラーベース(商品名、AR-N-4100)を26重量部に、株式会社三和ケミカル製のメチル化メラミン樹脂溶液(商品名、ニカラックMS−11)を14重量部に特殊色料株式会社製セルロース誘導体(商品名、CAB)4重量部に、シプロ化成株式会社製紫外線吸収剤(商品名、シーソープ103)を0.5重量部に、ビックケミー・ジャパン株式会社製レベリング剤(商品名、BYK−300)を0.04重量部に、大日本インキ化学工業株式会社製触媒(商品名、ベッカミンP−198)を0.12重量部に、溶剤としてMIBK/トルエン=8/2の比になるように16.7重量部を加えて、攪拌混合したものを塗布して、厚さ36μmの黄色透明表面保護層を形成し、RS−3000を100重量部に、株式会社トクシキ製カラーベース(商品名AR-4300)を30重量部に、株式会社トクシキ製カラーベース(商品名AR-5300)を86重量部に、スミジュールN−75を21重量部にトルエンを26重量部に、MIBKを61重量部混合攪拌したものを光入射側の保持層の上に塗布して、厚み25μmの保持層を形成し、焦点形成層側の保持層を設けなかった以外は実施例1と同様にして再帰反射シートを得た。
比較例2において、保持層の塗工液処方を、商品名RS−3000を100重量部に、株式会社トクシキ製カラーベース(商品名AR-6300)を113重量部に、スミジュールN−75を21重量部にトルエンを25重量部に、MIBKを59重量部として混合攪拌したものとして光入射側の保持層の上に塗布し、厚み25μmの焦点形成層側の保持層を得た以外は比較例1と同様にして再帰反射シートを得た。
比較例2において、保持層の塗工液処方を、商品名RS−3000を100重量部に、株式会社トクシキ製カラーベース(商品名AR-8300)を270重量部に、スミジュールN−75を34重量部にトルエンを57重量部に、MIBK131重量部として混合攪拌したものとして光入射側の保持層の上に塗布し、厚み25μmの焦点形成層側の保持層を得た以外は比較例1と同様にして再帰反射シートを得た。
得られた再帰反射シートの色相を表1に、δ(x−y)反射性能と視認性を表2に示した。
2 印刷層
3a,3b 保持層
4 硝子球
5 焦点形成層
6 鏡面反射層
7 接着剤層
8 剥離基材
9 光の入射方向
Claims (1)
- 少なくとも表面保護層、硝子球を保持する保持層、硝子球、焦点形成層、と鏡面反射層からなる封入レンズ型再帰反射シートにおいて、該保持層が2層以上からなり、該保持層それぞれ単独で測定したときの色相がXYZ系の測色方法で測定したときx-yのδで0.05以上異なることを特徴とする再帰反射シート。
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