JP3981453B2 - 反射シート - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、反射シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、入射した光を反射する反射層を備えた反射シートが知られている。この反射シートは、例えば、道路標識や表示板等に設置され、夜間に自動車のライトの照明光を反射して、その表示対象の視認性を向上させるために用いられている。
【0003】
しかしながら、このような従来の反射シートでは、光を照射したときの反射色と外観色とが同じであるため、光の照射の有無にかかわらず、色彩上同一の表示形態をとることとなり、状況に応じた複数の表示形態をとることができないという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、色の異なる複数の表示形態をとり得る反射シートを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(6)の本発明により達成される。
【0006】
(1) 入射した光を反射する反射層と、前記反射層の反射面側に積層された光透過性を有する着色透明層とを有する反射シートであって、
光を照射したときの反射色と外観色とが異なり、
最表層として、高分子材料で構成された保護層を有し、
表示を形成する表示層が、厚さ方向に異なる2以上の面に存在し、かつ、前記保護層よりも内側に設けられていることを特徴とする反射シート。
【0007】
(2) 入射した光を反射する反射層と、前記反射層の反射面側に積層された光透過性を有する着色透明層とを有する反射シートであって、
前記反射層の色相と前記着色透明層の色相とが異なることにより、光を照射したときの反射色と外観色とが異なり、
最表層として、高分子材料で構成された保護層を有し、
表示を形成する表示層が、厚さ方向に異なる2以上の面に存在し、かつ、前記保護層よりも内側に設けられていることを特徴とする反射シート。
【0008】
(3) 前記反射層と前記着色透明層との間に接着剤層が介挿されている上記(1)または(2)に記載の反射シート。
【0009】
(4) 前記反射層の前記着色透明層と反対側に、粘着剤層を有する上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の反射シート。
【0010】
(5) 前記反射層は、金属薄層上に透明粒状物を分散配置してなるものである上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の反射シート。
【0011】
(6) 前記保護層は、その周縁部の厚さがそれより内側の部分に比べて薄いものであり、入射光および反射光が前記周縁部を通過するように構成されている上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の反射シート。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の反射シートを添付図面に示す好適実施例に基づいて詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明の反射シートの実施例を示す断面図である。同図に示すように、本発明の反射シート1Aは、表層側から、着色透明層2と、接着剤層3と、反射層4と、粘着剤層5とをこの順に積層し、さらに粘着剤層5に剥離シート6を貼着してなるものである。以下、各層について説明する。なお、説明の都合上、図中の上方を「上」、下方を「下」として説明する。
【0018】
反射層4は、図1中上方(または斜め上方)から入射した光を反射する機能を有する層であり、金属薄層42上に複数の球状のプラスチックビーズやガラスビーズなどの透明粒状物41を分散配置し、その上にカバー層43を設けた構成となっている。
【0019】
透明粒状物41は、入射光および反射光の方向を調整する機能を有するものであり、その直径は、例えば30〜150μm 程度とされる。なお、透明粒状物41は、それらを安定して固定するために、図示しない結合材(バインダー)により結合、固定されていてもよい。
【0020】
金属薄層42は、例えば、アルミニウム、金、銀、ロジウム等の各種金属による薄膜をメッキ、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の方法により形成されたものであり、上方または斜め上方より入射し、透明粒状物41を透過した光を反射する機能を有する。
【0021】
カバー層43は、光透過性を有し、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル系樹脂のような樹脂材料で構成されている。
【0022】
また、このカバー層43は、無色透明でもよいが、所定の色(色相)に着色されているのが好ましい。このカバー層43の色が、反射シート1Aの反射色を担う。着色方法としては、カバー層43の構成材料中に、例えば、赤色、青色、黄色、緑色、紫色等の着色剤(顔料または染料)を添加することが挙げられる。また、カバー層43中には、後述するような蛍光材料が添加されていてもよい。
【0023】
このような反射層4では、各透明粒状物41と金属薄層42との光学的特性により、図1中の上方または斜め上方から入射した入射光10に対し、その反射光をほぼ平行な方向で反射(再帰反射)する作用を有する。
【0024】
反射層4の厚さは、特に限定されないが、通常、50〜300μm 程度が好ましく、80〜200μm 程度がより好ましい。
【0025】
また、反射層4における反射率は、特に限定されないが、通常、可視光の反射率が30%以上であるものが好ましく、50%以上であるものがより好ましく、65%以上であるものがさらに好ましい。
【0026】
なお、反射層4は、入射光10をそれと平行な方向(再帰反射)またはその他の方向(乱反射も含む)に反射し得るものであれば、いかなる構成のものでもよく、図示の構成は、その一例にすぎない。
【0027】
このような反射層4の上面側、すなわちカバー層43側には、接着剤層3を介して着色透明層2が積層されている。
【0028】
反射層4と着色透明層2との間に接着剤層3を介在させることにより、反射層4と着色透明層2とが強固に結合し、それらの剥離が防止される。
【0029】
接着剤層3を構成する接着剤(または粘着剤)は、特に限定されず、例えばアクリル系接着剤、シリコーン系接着剤、エポキシ系接着剤等、いかなるものでもよい。この場合、接着剤層3は、光透過性を有していることが好ましく、透明(無色透明)であるのがより好ましい。
【0030】
接着剤層3の厚さは、特に限定されないが、通常、1〜100μm 程度が好ましく、5〜50μm 程度がより好ましい。
【0031】
着色透明層2は、光透過性を有しており、高分子材料よりなる主材料に、例えば、黒色(灰色)、赤色、青色、黄色、緑色、紫色等の着色剤(顔料または染料)が添加されることにより、所望の色に着色されている。また、着色透明層2中には、後述するような蛍光材料が添加されていてもよい。
【0032】
この場合、着色透明層2は、その色相が反射層4の色相、すなわちカバー層43の色相と異なるように着色されている。その結果、反射シート1Aは、入射光10の照射時における反射色(反射光の色)と、外観色(入射光10のような指向性のある光を照射せず、反射シート1Aを通常の可視光下で視認したときの反射シート1Aの外観の色)とが異なる。
【0033】
そのため、例えば、反射シート1Aを貼着する被着体の色に近い色や比較的黒色に近い色の外観色を呈し、反射シート1Aの存在が目立たないようにし、ライトの光が照射されると、赤色、オレンジ色、黄色、青色等の有彩色を呈し、反射シート1Aの存在が目立つようにすることができる。
【0034】
ここで、「色相が異なる」とは、色度図における色度座標(x,y)において、x,yのうちの少なくとも一方が異なるものを言うが、本発明では、特に、色の差異を明確にするために、例えば黒色(灰色)と赤色、褐色と紫色、青色と黄色というような、色彩(色調)が異なるものが好ましい。
【0035】
着色透明層2を構成する高分子材料(主材料)としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のエチレン共重合体系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂等の各種樹脂、あるいはこれらの樹脂を主とする材料(例えばポリマーアロイ)が挙げられる。そのなかでも特に、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂またはこれを主とする材料で構成されているのが好ましい。
【0036】
着色透明層2の厚さは、特に限定されないが、通常、10〜300μm 程度が好ましく、50〜200μm 程度がより好ましい。
【0037】
なお、図示の実施例では、着色透明層2は、1層であるが、着色透明層は、2層以上設けられていてもよい。この場合、各着色透明層の色相、厚さ、構成材料等の条件は、それぞれ、同一でも異なっていてもよい。
【0038】
反射層4の下面側、すなわち金属薄層42側には、粘着剤層5が形成されている。これにより、反射シート1Aを被着体に貼着して使用することができ、便利であるとともに、反射シート1Aの用途、機能が拡大する。
【0039】
粘着剤層5を構成する粘着剤(粘着性組成物)としては、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤等いずれのものでもよいが、そのなかでもアクリル系粘着剤が特に好ましい。これにより、より耐候性に優れた粘着剤層5を得ることができる。
【0040】
このアクリル系粘着剤としては、粘着性を与える低Tgの主モノマー成分と、接着性や凝集力を与える高Tgのコモノマー成分と、架橋や接着性改良のための官能基含有モノマー成分を主とする重合体または共重合体で構成されるものが挙げられる。
【0041】
主モノマー成分としては、例えば、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジル等のアクリル酸アルキルエステルや、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸アルキルエステルが挙げられる。
【0042】
コモノマー成分としてはアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル等が挙げられる。
【0043】
官能基含有モノマー成分としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等のカルボキシル基含有モノマーや、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、N−メチロールアクリルアミド等のヒドロキシル基含有モノマー、アクリルアミド、メタクリルアミド、グリシジルメタクリレート等が挙げられる。
【0044】
このような材料を用いることにより、粘着力、凝集力に優れるとともに、モノマーの種類や分子量の選択により用途に応じた任意の品質、特性を得ることができる。
【0045】
粘着剤層5の厚さ(乾燥膜厚)は、特に限定されないが、1〜100μm 程度、特に5〜50μm 程度とするのが好ましい。
【0046】
このような粘着剤層5には、必要に応じ、例えば、粘着付与剤、可塑剤、充填剤、老化防止剤等の各種添加剤を添加することができる。
【0047】
なお、粘着剤層5は、透明(無色透明)であるのが好ましいが、着色透明であってもよい。
【0048】
反射シート1Aが未使用の時には、粘着剤層5に剥離シート(離型シート)6が貼着されている。この剥離シート6としては、公知のいずれのものを使用してもよく、例えば、基材61の粘着剤層5との接合面に、シリコーン樹脂層のような剥離剤層62が形成されたものを用いることができる。
【0049】
基材61としては、例えば、上質紙、アート紙、コート紙、グラシン紙のような紙材や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等よりなる樹脂フィルムが挙げられる。
【0050】
反射シート1Aを被着体(図示せず)に貼着する際には、剥離シート6を粘着剤層5から剥離、除去し、露出した粘着剤層5を被着体の表面に圧着する。
【0051】
反射シート1Aを貼着する被着体としては、特に限定はなく、例えば、自動車のボディーやバンパー、オートバイ、自転車、船舶、列車車両、道路標識や各種表示板、ヘルメット、スキー板、スノーボード、サーフボード、ラケット、ゴルフクラブ等の各種運動用具、登山用具、ダイビング用具、各種照明器具、各種光学機器、建設機械、土木機械、建築構造物等が挙げられる。
【0052】
また、本発明の反射シート1Aの形態は、大型、中型、小型の任意の形状のシート状、長尺のテープ状、短冊状等、いずれの形態であってもよい。
【0053】
図2は、本発明の反射シートの他の実施例を示す斜視図である。以下、図2に示す反射シート1Bについて、前述した反射シート1Aとの相違点を中心に説明する。
【0054】
図2に示す反射シート1Bは、着色透明層2と、接着剤層3と、反射層4と、粘着剤層5と、剥離シート6とを有し、さらに最表層として、着色透明層2の上面に、光透過性を有し、軟質の高分子材料で構成された保護層7を有するものである。
【0055】
着色透明層2、接着剤層3、反射層4、粘着剤層5および剥離シート6の構成、作用等については、前記反射シート1Aで述べたものと同様である。
【0056】
保護層7は、例えば、緩衝層(被着体の破損を防ぐためのクッション層)、防水・防湿層、耐候層として、あるいは外観品質の向上のため等、種々の目的で形成することができる。
【0057】
保護層7を構成する高分子材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のエチレン共重合体系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリサルフォン系樹脂、ポリエーテルサルフォン系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素系樹脂等、あるいはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて(例えば2層以上の積層体として)用いることができる。
【0058】
このような保護層7の構成材料は、保護層7の用途(形成目的)や、それに応じて要求される物理的特性、化学的特性等を考慮して適宜選択される。例えば、保護層7を緩衝層として用いる場合には、保護層7の構成材料としては、ポリウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂またはこれらを主成分とする材料が特に好ましい。
【0059】
なお、保護層7は、透明(無色透明)でも、着色透明でもよい。着色透明の場合、その色相は、着色透明層2の色相、カバー層43の色相のいずれとも異なっているものでも、いずれか一方と同一のものでもよい。
【0060】
また、図2に示すように、保護層7は、その周縁部71の厚さがそれより内側の部分(中心側の部分)に比べて薄くなっているのが好ましい。図示の実施例では、角部がR付け(またはテーパ付け)された状態となっている。このような構成としたことにより、また、角部に手指等が引っ掛かることが防止され、反射シート1Bの縁部が被着体から剥離することが防止される。さらに、反射シート1Bの斜め上方から光が入射した場合でも、周縁部71の端面による当該入射光および反射光のケラレ(除外)が少なく、反射色をより広範囲で視認することができるという効果もある。
【0061】
このような保護層7は、前記高分子材料をポッティングすることにより形成されたものであるのが好ましい。すなわち、着色透明層2上に液状または半固形状の材料を供給し、固化(硬化)させて保護層7を得る。これにより、比較的厚さの厚い保護層7を容易に形成することができ、また、前述したような内側の部分と周縁部71との層厚の差も容易に形成することができる。
【0062】
保護層7の厚さは、比較的厚く、例えば、着色透明層2と反射層4の合計の厚さをT1 、保護層7の厚さ(周縁部71以外の部分の厚さ)をT2 としたとき、0.5≦T2 /T1 ≦50を満足するのが好ましく、1≦T2 /T1 ≦30を満足するのがより好ましい。
【0063】
保護層7をこのような厚さとすることにより、保護層7は、例えば、緩衝層として用いた場合に、その機能を十分に発揮することができるとともに、立体感を生じさせることができ、装飾的な作用を伴う用途に用いた場合に、高級感が得られる。
【0064】
なお、本発明では、保護層7を着色透明層2の上面の全面に形成する場合の他、着色透明層2の上面に部分的に形成してもよい。
【0065】
図3は、本発明の反射シートのさらに他の実施例を示す斜視図である。以下、図3に示す反射シート1Cについて、前述した反射シート1Bとの相違点を中心に説明する。
【0066】
図3に示す反射シート1Cは、保護層7と、着色透明層2と、接着剤層3と、反射層4と、粘着剤層5と、剥離シート6とを有し、さらに反射シート1Cの内部に、所定の表示を形成する表示層8a、8bを有するものである。
【0067】
着色透明層2、接着剤層3、反射層4、粘着剤層5および剥離シート6については、前記反射シート1Aで述べたものと同様であり、保護層7については、前記反射シート1Bで述べたものと同様である。
【0068】
表示層8aは、反射層4の上面(反射面側)、すなわち接着剤層3との接合面に形成されており、表示層8bは、着色透明層2の下面、すなわち接着剤層3との接合面に形成されている。
【0069】
図3に示すように、表示層8a、8bは、接着剤層3に埋没した状態で存在する。これにより、表示層8a、8bの厚さによって反射層4や着色透明層2に凸部(隆起部分)が形成されることがなく、また、表示層8a、8bは、接着剤層3に対し部分的に形成されているが、表示層8a、8bが設けられている部分と設けられていない部分とで反射シート1Aの厚さは実質的に同一となる。
【0070】
表示層8a、8bの構成材料や形成方法は、特に限定されず、例えば、一般的に用いられる印刷用インクを用いて通常の印刷方法(オフセット印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷等)により印刷層として形成することができる。
【0071】
また、反射性インク、蓄光性インクのような特殊なインクを用いて印刷することもできる。この場合、反射性インクでは、異なった色調の反射光を見ることができる。また、蓄光性インクでは、夜間等において主要な表示が確認できる等の利点がある。
【0072】
また、表示層8a、8bは、印刷層に限らず、その他に例えば、塗装による塗膜、所定の表示パターンに打ち抜かれた表示体、各種メッキ、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の方法により形成された例えばセラミックス、金属または金属化合物等よりなる薄膜であってもよい。
【0073】
さらに、表示層8a、8bは、必要時のみ視認できるものであってもよい。このような表示層8a、8bの材料として蛍光材料を含むものを用いることができ、各種無機蛍光材料または各種有機蛍光材料が好ましく用いられる。
【0074】
無機蛍光材料としては、例えば、Ca、Ba、Mg、Zn、Sr等の酸化物、硫化物、ケイ酸塩、リン酸塩またはタングステン酸塩に、例えばCd、Ag、Cu、Sb、Sm、Pb等の活性剤を添加して焼成したものが挙げられる。
【0075】
また、有機蛍光材料としては、例えば、ジアミノスチルベン、イミダゾール、、クマリン、トリアゾール、カルバゾール、ピリジン、ナフタル酸またはイミダゾロン等の誘導体や、フルオレセイン、鉱物油、チオフラビン、エオシン、ローダミン、アントラセン、テルフェニルが挙げられ、これらのなかから1種または2種以上を混合して用いることもできる。
【0076】
表示層8a、8bが主として可視光の照射により蛍光を発する物質を含有する場合には、その表示を可視光下で容易に視認することができる。また、主としてブラックライト(紫外線、放射線等の不可視領域光)の照射により蛍光を発する物質を含有する場合には、そのための光源設備を必要とするものの、このような特殊な環境下でのみその表示を視認することができる。
【0077】
このような表示層8a、8bの厚さは、特に限定されないが、前記接着剤層3の厚さに対し0.3〜40%が好ましく、0.5〜20%がより好ましい。
【0078】
表示層8a、8bの厚さが小さ過ぎると、表示層8a、8bの構成材料の種類によっては、その表示機能が低下して視認性が悪くなり、その表示を判読しにくくなり、一方、表示層8a、8bの厚さが大き過ぎると、接着剤層3の平面性、接着性が損なわれるおそれがある。
【0079】
表示層8a、8bにおける表示の種類は、特に限定されず、例えば、文字、記号、図形、模様またはこれらの組合せ等が挙げられる。また、表示層8a、8bの色彩は、特に限定されず、黒色、白色またはその他の各種有彩色、金属色等のうちの1種または2種以上組み合わせたものが挙げられる。
【0080】
また、表示の種類、パターン、色、材料、形成方法等の条件は、表示層8aと表示層8bとで、それぞれ、同一でも異なっていてもよい。
【0081】
図4は、本発明の反射シートのさらに他の実施例を示す斜視図である。以下、図4に示す反射シート1Dについて、前述した反射シート1Cとの相違点を中心に説明する。
【0082】
図4に示す反射シート1Dは、保護層7と、着色透明層2と、接着剤層3と、反射層4と、粘着剤層5と、剥離シート6とを有し、さらに反射シート1Dの内部に、所定の表示を形成する表示層8a、8b、8cを有するものである。
【0083】
着色透明層2、接着剤層3、反射層4、粘着剤層5および剥離シート6については、前記反射シート1Aで述べたものと同様であり、保護層7については、前記反射シート1Bで述べたものと同様であり、表示層8a、8bについては、前記反射シート1Cで述べたものと同様である。
【0084】
表示層8cは、着色透明層2の上面、すなわち保護層7との接合面に形成されている。この場合、表示層8cは、保護層7に埋没した状態で存在する。
【0085】
表示層8cにおける表示の種類、パターン、色、材料、形成方法等は、前記表示層8a、8bで述べたのと同様であり、また、これらの条件は、表示層8a、8bのいずれか一方と同一でも、双方と異なっていてもよい。
【0086】
このような反射シート1Dでは、表示層8a、8bに加え、さらに表示層8cを有するため、より多彩な表示が可能となる。
【0087】
以上で述べた反射シート1C、1Dのように、表示層8a、8b、8cが反射シートの厚さ方向に異なる2以上の面に存在するため、表示に立体感が生じ、各表示層8a〜8cの表示パターンや色彩等との組み合わせにより、多種多様な表示形態をとることができる。
【0088】
以上、本発明の反射シートを図示の実施例について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではなく、例えば、用途に応じて、さらに機能性の膜が積層されたものであってもよい。また、保護層7、着色透明層2、接着剤層3、反射層4、粘着剤層5の各層間に任意の層が設けられていてもよい。
【0089】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の反射シートによれば、反射色と外観色とが異なるので、色彩上異なる複数の表示形態をとることができる。
【0090】
また、粘着剤層と剥離シートとを有する場合には、反射シートを任意の被着体に貼着して使用することができ、便利である。
【0091】
また、最表層に保護層を有する場合には、例えば、緩衝層として用いることにより、反射シートの用途、機能の拡大を図ることができる。
【0092】
また、表示層を設けた場合には、所定の情報等を表示することが可能となり、反射シートの用途、機能の拡大を図ることができる。特に、表示に立体感を持たせることができる等、多種多様な表示形態が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の反射シートの実施例を示す断面図である。
【図2】本発明の反射シートの実施例を示す断面図である。
【図3】本発明の反射シートの実施例を示す断面図である。
【図4】本発明の反射シートの実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
1A〜1D 反射シート
2 有色透明層
3 接着剤層
4 反射層
41 透明粒状物
42 金属薄層
43 カバー層
5 粘着剤層
6 剥離シート
61 基材
62 剥離剤層
7 保護層
8a〜8c 表示層
10 入射光
Claims (6)
- 入射した光を反射する反射層と、前記反射層の反射面側に積層された光透過性を有する着色透明層とを有する反射シートであって、
光を照射したときの反射色と外観色とが異なり、
最表層として、高分子材料で構成された保護層を有し、
表示を形成する表示層が、厚さ方向に異なる2以上の面に存在し、かつ、前記保護層よりも内側に設けられていることを特徴とする反射シート。 - 入射した光を反射する反射層と、前記反射層の反射面側に積層された光透過性を有する着色透明層とを有する反射シートであって、
前記反射層の色相と前記着色透明層の色相とが異なることにより、光を照射したときの反射色と外観色とが異なり、
最表層として、高分子材料で構成された保護層を有し、
表示を形成する表示層が、厚さ方向に異なる2以上の面に存在し、かつ、前記保護層よりも内側に設けられていることを特徴とする反射シート。 - 前記反射層と前記着色透明層との間に接着剤層が介挿されている請求項1または2に記載の反射シート。
- 前記反射層の前記着色透明層と反対側に、粘着剤層を有する請求項1ないし3のいずれかに記載の反射シート。
- 前記反射層は、金属薄層上に透明粒状物を分散配置してなるものである請求項1ないし4のいずれかに記載の反射シート。
- 前記保護層は、その周縁部の厚さがそれより内側の部分に比べて薄いものであり、入射光および反射光が前記周縁部を通過するように構成されている請求項1ないし5のいずれかに記載の反射シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36633697A JP3981453B2 (ja) | 1997-12-24 | 1997-12-24 | 反射シート |
Applications Claiming Priority (1)
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