JP2003064481A - リン酸亜鉛処理剤 - Google Patents
リン酸亜鉛処理剤Info
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Abstract
ミニウム合金表面又はその研削加工表面を有する基材に
対して、化成ムラが生じることがなく、耐糸錆性等の耐
食性に優れた均一で緻密なリン酸亜鉛皮膜を形成させる
ことができるリン酸亜鉛処理剤を提供する。 【解決手段】 アルミニウム系表面を有する基材に対す
るリン酸亜鉛処理剤であって、亜鉛イオン0.1〜2g
/l、ニッケルイオン0.1〜4g/l、マンガンイオ
ン0.1〜3g/l、リン酸イオン5〜40g/l、硝
酸イオン0.1〜15g/l、亜硝酸イオン0.01〜
0.5g/l、並びに、フッ化物として、錯フッ化物を
F換算で0.2〜0.4g/l、及び、単純フッ化物を
F換算で0.3〜0.5g/l含むことを特徴とするリ
ン酸亜鉛処理剤。
Description
有する基材に対するリン酸亜鉛処理剤に関する。
材、家具等各分野で金属素材が利用されている。金属
は、空気中の酸素や硫黄酸化物、雨水、海水等による腐
食を防ぐため、塗装前処理として、リン酸亜鉛処理が施
される。これにより形成されたリン酸亜鉛皮膜は、下地
である金属表面部の密着性に優れているとともに、その
上に形成される塗膜との密着性(二次密着性)に優れて
いる必要があり、腐食環境下でも充分な防錆力を持つこ
とが要求される。特に、自動車ボディが、外板部の傷か
ら塩水、乾湿気象条件変化を繰り返し受けるため、カサ
ブタ状の錆(スキャブコロージョン)の防止性(耐スキ
ャブ性)、より高度の耐温塩水性等が強く望まれてい
る。
素材に対してリン酸亜鉛処理を施す場合が増えてきてい
る。例えば、自動車ボディには、塗装後の耐食性を更に
向上させるために、鋼材の片面だけに亜鉛又は合金亜鉛
メッキした素材が用いられる。かかる場合、鉄系表面と
亜鉛系表面とを同時に有する金属表面に対して、リン酸
亜鉛処理を施していた。
を組み合わせた素材も、自動車や建材等の各分野で実用
されている。このような素材に従来の鉄や亜鉛材用の酸
性リン酸亜鉛処理液で処理を施すと、処理液中に溶出し
たアルミニウムイオンが蓄積され、その量がある程度高
くなると、アルミニウム材、鉄材の順に化成不良を起こ
すという問題があった。また、従来、アルミニウム材
は、鉄材や亜鉛材に比べ良好な耐食性を有するため、そ
の上に形成されるリン酸亜鉛皮膜量を特に規定するとい
うことはなかった。しかし、近年の防錆への要求の高ま
りにより、その表面にもある程度皮膜量を確保する必要
が生じてきた。
有する金属表面に対して同時に化成処理を施し、下地金
属の種類に拘らず、カチオン電着塗装下地に適したリン
酸亜鉛皮膜を形成する方法が、特開平3−191071
号公報に提案されている。すなわち、リン酸亜鉛皮膜処
理液が単純フッ化物をHF濃度に換算して200〜50
0mg/lの範囲で含み、かつ、単純フッ化物と錯フッ
化物との割合が一定範囲内となるように濃度調整される
とともに、活性フッ素濃度がケイ素電極メータの指示値
で15〜130μA/cmとなるように調整されるよう
になっており、このリン酸亜鉛皮膜処理液に金属表面を
接触させて金属表面にリン酸亜鉛皮膜を形成する方法が
開示されている。
0≦Naイオン+Kイオン≦15.0(g/l)、1.
0≦Mnイオン+Niイオン≦5.0(g/l)、1.
6−0.02T≦Znイオン≦2.5−0.02T(g
/l)、8.0T−1≦フリーFイオン≦20.0T−
1(g/l)、但しT(処理液温度(℃))は20≦T
≦60の条件を満足するリン酸塩水溶液を金属表面に接
触させて皮膜化成させる金属表面のリン酸塩処理方法及
び処理液が開示されている。
表面をリン酸亜鉛処理液に接触させて該金属表面にリン
酸亜鉛皮膜を形成させる金属表面のリン酸亜鉛処理方法
であって、この処理液に含まれる錯フッ化物のヘキサフ
ルオロケイ酸の酸基(SiF6 2−)及び/又はテトラ
フルオロホウ酸の酸基(BF4)に換算した濃度(単
位:g/l)が、この処理液に含まれるアルミニウムイ
オン濃度(単位:g/l)との関係において一定の式を
満足するように、錯フッ化物を添加することが開示され
ている。
ウム表面又は6000番系合金アルミニウムの研削加工
表面に対し、上記金属表面のリン酸塩処理液で化成処理
を行うと、5000番系合金アルミニウムの場合に比
べ、皮膜量が少なく、皮膜の被覆性に劣るという問題が
ある。特に、研削表面は、研削溝の部位まで充分に被覆
されない。その結果、耐糸錆性が低下する問題があっ
た。
ミニウム材料そのものの改善と、化成皮膜の皮膜量、被
覆性の増加といった二方向の解決策がある。化成皮膜の
被覆性の増加を目的とするものとして、特開平10−3
06382号公報には、亜鉛イオン0.1〜2.0g/
l、ニッケルイオン0.1〜4.0g/l、マンガンイ
オン0.1〜3.0g/l、リン酸イオン5〜40g/
l、硝酸イオン0.1〜15g/l、亜硝酸イオン0.
01〜0.5g/l、並びに、フッ化物として、錯フッ
化物をF換算で0.5〜1.0g/l、及び、単純フッ
化物をF換算で0.3〜0.5g/l、鉄のキレート化
合物をFe換算で0.005〜0.075g/l含むア
ルミニウム合金用リン酸亜鉛処理剤が開示されている。
しかしながら、このリン酸亜鉛処理剤では、アルミニウ
ム合金に対する仕上がりを重視すると、鉄系表面に化成
ムラができる場合があるという問題点があった。
ム系表面、特に6000番系アルミニウム合金表面又は
その研削加工表面を有する基材に対して、化成ムラが生
じることがなく、耐糸錆性等の耐食性に優れた均一で緻
密なリン酸亜鉛皮膜を形成させることができるリン酸亜
鉛処理剤を提供することを目的とする。
系表面を有する基材に対するリン酸亜鉛処理剤であっ
て、亜鉛イオン0.1〜2g/l、ニッケルイオン0.
1〜4g/l、マンガンイオン0.1〜3g/l、リン
酸イオン5〜40g/l、硝酸イオン0.1〜15g/
l、亜硝酸イオン0.01〜0.5g/l、並びに、フ
ッ化物として、錯フッ化物をF換算で0.2〜0.4g
/l、及び、単純フッ化物をF換算で0.3〜0.5g
/l含むことを特徴とするリン酸亜鉛処理剤である。以
下、本発明を詳述する。
鉛イオンを0.1〜2g/l含むものである。亜鉛イオ
ン濃度は、より好ましくは0.3〜1.5g/lであ
り、上記亜鉛イオン濃度が0.1g/l未満の場合に
は、金属表面に均一なリン酸亜鉛皮膜が形成されず、ス
ケが多く、一部ブルーカラー状の皮膜が形成されること
がある。一方、亜鉛イオン濃度が2g/lを超える場合
には、均一なリン酸亜鉛皮膜が形成されるが、アルカリ
に溶解しやすい皮膜になりやすく、特にカチオン電着時
に晒されるアルカリ雰囲気によって皮膜が溶解しやすく
なることがある。その結果、一般に耐温塩水性が低下
し、特に鉄系表面の場合、耐スキャブ性(すなわち、カ
サブタ状の錆(スキャブコロージョン)の防止性)が劣
化する等、所望の性能が得られないので、電着塗装、特
にカチオン電着塗装下地には不適当である。
ンを5〜40g/l含むものである。リン酸イオン濃度
は、より好ましくは10〜30g/lであり、リン酸イ
オン濃度が5g/l未満の場合には、不均一皮膜を形成
しやすく、また40g/lを超えても、効果の向上は期
待できず、薬品の使用量が多くなって経済的に不利であ
る。
オンを0.1〜3g/l含むものである。マンガンイオ
ン濃度は、より好ましくは0.6〜3g/lである。マ
ンガンイオン濃度が0.1g/l未満の場合には、亜鉛
系表面と塗膜との密着性及び耐温塩水性向上効果が不充
分となる。一方、3g/lを超えると、量の増加に見合
った効果が期待できず、経済的に不利である。
オンを0.1〜4g/l含むものである。ニッケルイオ
ン濃度は、より好ましくは0.1〜2g/lであり、濃
度が0.1g/l未満の場合には、耐食性の向上効果が
不充分となり、4g/lを超えても耐食性の向上がそれ
以上に期待できない。
を0.1〜15g/l、及び、亜硝酸イオン0.01〜
0.5g/lを含むものである。これらは、皮膜促進剤
の一種である。上記硝酸イオンと亜硝酸イオンの濃度
は、より好ましくは2〜10g/lと0.01〜0.4
g/lである。この範囲の下限未満の場合には、皮膜の
スケやムラが生じる。一方上記範囲の上限を超える場合
には、鉄系表面にブルーカラー状の不均一な皮膜を形成
し易くなるという不都合がある。
をF換算で0.2〜0.4g/l含むものである。0.
2g/l未満の場合には、アルミニウム系金属表面に均
一なリン酸亜鉛皮膜が形成されず、塗装後の耐食性が劣
化する、一方0.4g/lを超えると、錯フッ化物が多
すぎるため鉄系表面がエッチングされ過ぎて、処理され
る基材のうち一部の鉄系表面においては、外観ムラが発
生する。
物をF換算で0.3〜0.5g/l含むものである。
0.3g/l未満の場合には、アルミニウム合金表面へ
のリン酸塩皮膜の形成が不充分になり、耐糸錆性が低下
する。また、0.5g/lを超える場合には、Alのエ
ッチング増加により、Al表面でAl、F、Naを主成
分とする副生成物の生成が促進され、耐水二次密着性及
び耐糸錆性が低下する。
鉛、炭酸亜鉛、硝酸亜鉛等である。また、ニッケルイオ
ンの供給源は、例えば炭酸ニッケル、硝酸ニッケル、塩
化ニッケル、リン酸ニッケル、水酸化ニッケル等であ
る。また、マンガンイオンの供給源は、例えば炭酸マン
ガン、硝酸マンガン、塩化マンガン、リン酸マンガン等
である。リン酸イオンの供給源は、例えばリン酸、リン
酸亜鉛、リン酸マンガン等である。硝酸イオンの供給源
は、例えば硝酸、硝酸ソーダ、硝酸アンモニウム、硝酸
亜鉛、硝酸マンガン、硝酸ニッケル等である。亜硝酸イ
オンの供給源は、例えば亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリ
ウム、亜硝酸亜鉛等である。
しては、例えばSiF6、BF4等が挙げられ、SiF
6の供給源は、例えば珪フッ化水素酸、珪フッ化水素酸
ニッケル、珪フッ化水素酸亜鉛、珪フッ化水素酸マンガ
ン、珪フッ化水素酸鉄、珪フッ化水素酸マグネシウム、
珪フッ化水素酸カルシウム等である。BF4の供給源
は、例えば硼フッ化水素酸、硼フッ化水素酸ニッケル、
硼フッ化水素酸亜鉛、硼フッ化水素酸マンガン、硼フッ
化水素酸鉄、硼フッ化水素酸マグネシウム、硼フッ化水
素酸カルシウム等である。
イオンを供給する単純フッ化物としては、例えばフッ化
水素酸、フッ化カリウム、フッ化ナトリウム、フッ化ア
ンモニウム及び酸性フッ化カリウム、酸性フッ化ナトリ
ウム、フッ化アンモニウム及び酸性フッ化アンモニウム
等が挙げられる。化成処理中にアルミニウム合金から溶
出したアルミニウムイオンは、処理液中のフリーFイオ
ンと結び付き錯イオンを形成し、化成皮膜形成を促進さ
せる。
キレート化合物をFe換算で0.005〜0.075g
/l、及び/又は、鉄イオンとキレート結合可能なキレ
ート剤を0.025〜0.45g/l含有することが好
ましい。上記範囲を下回ると、6000番系合金のアル
ミニウム表面に対する皮膜被覆性能が低下し、鉄イオン
の効果(すなわち、金属表面上に、緻密で均一な被覆性
の高いリン酸亜鉛皮膜を形成させること)ができない。
一方、上記範囲を上回ると、皮膜量は減少し糸錆性が低
下する。
0.01〜0.02g/lであることが好ましい。鉄の
キレート化合物としては、鉄イオンとキレート結合可能
なキレート剤と鉄イオンの化合物及びその塩である。
クエン酸鉄(III)アンモニウム、クエン酸鉄(II
I)カリウム、クエン酸鉄(III)n水和物、クエン
酸鉄(II)アンモニウム、クエン酸鉄(II)カリウ
ム、クエン酸鉄(II)n水和物、酒石酸鉄(III)
アンモニウム、酒石酸鉄(III)カリウム、酒石酸鉄
(III)n水和物、酒石酸鉄(II)アンモニウム、
酒石酸鉄(II)カリウム、酒石酸鉄(II)n水和
物、グルコン酸鉄(II)n水和物、コハク酸鉄(II
I)n水和物、リンゴ酸鉄(III)n水和物が挙げら
れ、nは0以上の整数である。
り供給される場合には、鉄イオンとキレート結合可能な
キレート剤を処理液中に添加することにより、被処理物
からの溶出鉄を処理液中に保持でき、金属に、緻密で均
一な被覆性の高いリン酸亜鉛皮膜を形成させることがで
きる。上記キレート剤としては、例えば、クエン酸、酒
石酸、EDTA、グルコン酸、コハク酸、タンニン酸及
びリンゴ酸と、これらの化合物や誘導体が挙げられる。
ート結合可能なキレート剤とを併用する場合には、本発
明のリン酸亜鉛処理剤中に鉄イオン濃度が0.005〜
0.075g/lとなるように、添加することが好まし
い。この場合、上記リン酸亜鉛処理剤中の鉄イオン濃度
は、原子吸光法によって測定することができる。
処理方法は、上記リン酸亜鉛処理剤を金属表面に接触さ
せ、水洗・乾燥させる。また、上記金属表面処理剤のp
Hは、約2〜5であり、好ましくは3〜4である。この
時、pHの調整は、NaOH、アンモニア水溶液、硝酸
等により行う。本発明のリン酸亜鉛処理剤と金属基材と
の接触温度は、30〜50℃が好ましく、より好ましく
は33〜37℃である。
には、約1分間〜10分間、好ましくは1.5〜3分間
である。浸漬法を用いる場合も同様である。その他、フ
ローコート法、ロールコート法で接触させても良い。上
記のように、化成処理を施された金属基材は、水洗さ
れ、乾燥工程に入るが、乾燥温度は80〜120℃であ
る。
ム系表面を有する基材に対して適用するものである。本
発明のリン酸亜鉛処理剤で処理した場合に優れた効果を
得ることができる点から、アルミニウム系表面と鉄系表
面を両方とも有する基材に対して適用することが好まし
く、また、上記アルミニウム系表面は、その一部又は全
部が6000番系アルミニウム合金からなるものである
ことが好ましい。上記基材としては、自動車ボディ用の
基材が好ましい。本発明において、アルミニウム系表面
を有する基材とは、基材の表面の一部又は全部がアルミ
ニウム及び/又はその合金からなるものを意味し、鉄系
表面を有する基材とは、基材の表面の一部又は全部が鉄
及び/又はその合金からなるものを意味する。
ニウム系表面、特に6000番系合金アルミニウム表面
やそれらの研削加工表面に対しても、充分な皮膜量が得
られ、皮膜の被覆性に優れ、研削表面であっても、研削
溝の部位まで充分に被覆されるため、優れた耐糸錆性を
有する皮膜を得ることができる。更に、基材が鉄系表面
をも有している場合には、アルミニウム系表面に対する
仕上がり性を維持しつつ、化成ムラを生じず、防錆性に
優れた皮膜を得ることができる。
明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。
5Si−0.1Cuの6000番系アルミニウム合金 SPC鋼板:G3141 SPCC−SD(日本テスト
パネル社製)
処理(ディップ処理)→(e)化成後乾き→(f)水洗
→(g)純水洗→(h)水切り乾燥→(i)塗装の順に
処理を行った。
社製、商品名「サーフクリーナーSD250」)のA
剤:1.5wt%、B剤:0.9wt%水溶液を用い、
43℃で2分間、処理対象金属を浸漬処理した。 (b)水洗:処理対象金属に室温で水道水を15秒間ス
プレーした。 (c)表面調整:表面調整剤(日本ペイント(株)社
製、商品名「サーフファイン5N−10」建浴用)の
0.1wt%水溶液を用い、室温で30秒間、処理対象
金属を浸漬処理した。
浴として処理対象金属を浸漬して化成処理を行った。処
理浴は、亜鉛イオン1g/l、ニッケルイオン1g/
l、マンガンイオン0.8g/l、リン酸イオン15g
/l、硝酸イオン6g/l、亜硝酸イオン0.12g/
lとなるように添加したものを用いた。更に、単純フッ
化物としては、酸性フッ化ソーダをF換算で0.35g
/lになるように添加し、鉄のキレート化合物として
は、クエン酸鉄(III)アンモニウムをFe換算で
0.015g/lになるように添加した。錯フッ化物と
しては、珪フッ化水素酸をF換算で表1に示す量になる
ように添加した。また、処理浴は、T.O(トーナー)
値が2.5pt、T.A(全酸)値が22pt、F.A
(遊離酸)値が0.5ptになるように、管理した。表
1に示す浴温度にて、2分間処理を行い、処理対象金属
の全部を同じ処理浴に浸漬処理した。
プレーした。 (g)純水洗:処理対象金属に室温でイオン交換水を1
5秒間スプレーした。 (h)乾燥:80℃で5分間、処理対象金属を乾燥させ
た。
塗料(日本ペイント(株)社製、商品名「パワートップ
V50グレー」)をカチオン電着塗装により塗装し、温
度170℃で25分間焼き付けした。焼付乾燥膜厚は3
0μmであった。更に電着塗装上に中塗り塗料(日本ペ
イント(株)社製、商品名「オルガP−5A N−2.
0」)をスプレー塗装により塗装し、温度140℃で2
0分間焼き付けした。形成された中塗り塗膜は焼付乾燥
膜厚は35μmであった。次いで中塗り塗膜の上に上塗
り塗料(日本ペイント(株)社製、商品名「スーパーラ
ックM−95HB YR−511P」)をスプレー塗装
により塗装し、温度140℃で20分間焼き付けした。
形成された上塗り塗膜は焼付乾燥膜厚は15μmであっ
た。更に上塗り塗膜のクリヤー塗料(日本ペイント
(株)社製、商品名「スーパーラックO−100−Z
クリヤー」)をスプレー塗装により塗装し、温度140
℃で20分間焼き付けした。形成された上塗り塗膜は焼
付乾燥膜厚は35μmであった。
重量、最大糸錆長さを調べ、結果を表1に示した。 (3)皮膜評価方法: a)皮膜外観:6000番系アルミニウム合金板につい
ては、化成処理後にリン酸亜鉛皮膜の外観をSEMで観
察して調べた。SPC鋼板については、目視により観察
した。
アルミニウム合金板について、化成処理後にHNO33
0%水溶液にて常温1分間浸漬しリン酸亜鉛皮膜を溶解
させ、その溶解前後の重量を測定して計算した。尚、ア
ルミニウム系表面では、皮膜重量が1.5〜3.5g/
m2であることが好ましい(より好ましくは2〜2.5
g/m2)。
ウム合金板について、4コート板の塗膜に鋭利なカッタ
ーを用いてクロスカット(カット長さ20cm)を入
れ、JIS−Z2371に準じた塩水噴霧を24時間実
施した後、温度40℃、相対湿度70〜75%の湿潤雰
囲気下に、240時間放置することを1サイクルとし、
4サイクル後のカット部からの最大腐食幅(カット部の
片側)を測定した。3mm以内が良好である。
理剤によれば、6000番系アルミニウム合金表面及び
SPC鋼板の両方について、ムラが生じることなく、均
一緻密で良好なリン酸塩皮膜が形成され、耐糸錆性も優
れていた。
ルミニウム系表面を有する基材、特に6000番系アル
ミニウム合金表面と鉄系表面とをともに有する基材に対
して、化成ムラが生じることがなく、耐糸錆性等の耐食
性に優れた均一で緻密なリン酸亜鉛皮膜を形成させるこ
とができる。本発明のリン酸亜鉛処理剤は、自動車ボデ
ィに対して好適を用いることができる。
Claims (5)
- 【請求項1】 アルミニウム系表面を有する基材に対す
るリン酸亜鉛処理剤であって、亜鉛イオン0.1〜2g
/l、ニッケルイオン0.1〜4g/l、マンガンイオ
ン0.1〜3g/l、リン酸イオン5〜40g/l、硝
酸イオン0.1〜15g/l、亜硝酸イオン0.01〜
0.5g/l、並びに、フッ化物として、錯フッ化物を
F換算で0.2〜0.4g/l、及び、単純フッ化物を
F換算で0.3〜0.5g/l含むことを特徴とするリ
ン酸亜鉛処理剤。 - 【請求項2】 更に、鉄のキレート化合物をFe換算で
0.005〜0.075g/l、及び/又は、鉄イオン
とキレート結合可能なキレート剤を0.025〜0.4
5g/l含有するものである請求項1記載のリン酸亜鉛
処理剤。 - 【請求項3】 基材は、更に、鉄系表面をも有するもの
である請求項1又は2記載のリン酸亜鉛処理剤。 - 【請求項4】 アルミニウム系表面は、その一部又は全
部が6000番系アルミニウム合金からなるものである
請求項1、2又は3記載のリン酸亜鉛処理剤。 - 【請求項5】 基材は、自動車ボディ用のものである請
求項4記載のリン酸亜鉛処理剤。
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