JP2003064264A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
熱可塑性樹脂組成物Info
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Abstract
し表面外観に優れる熱可塑性樹脂組成物を提供する。 【解決手段】成分(A)としてゴム強化熱可塑性樹脂、
成分(B)としてムーニー粘度(ML1+4、100
℃)が40〜110のエチレン・α−オレフィン系共重
合体を含有し、成分(A)100重量部に対する成分
(B)の割合が1〜70である熱可塑性樹脂組成物。
Description
物に関し、詳しくは、加工性に優れ、成形品の機械的強
度および艶消し表面外観に優れる熱可塑性樹脂組成物に
関する。本発明の熱可塑性樹脂組成物は、表面艶消しの
シート成形品の成形材料などに好適に使用される。
優れた耐衝撃性、良好な成形性および表面光沢を有する
ことから、種々の用途に使用されている。しかしなが
ら、使用される用途によっては他の物性を低下させるこ
となく成形品の表面を艶消しの状態にしたものが望まれ
る場合がある。
ン、マグネシウム、カルシウム等の酸化物や炭酸塩をゴ
ム強化熱可塑性樹脂に添加する方法(特公昭63−67
818号公報)が知られている。しかし、この方法では
樹脂の機械的性質、特に衝撃強度を大きく低下させる難
点があり、また、成形品表面が均一な艶消しにならない
という欠点がある。
体を添加することにより艶を消す方法もよく知られてい
る。しかし、この方法では樹脂の機械的性質、特に、硬
度や剛性を低下させ、また、成形品の表面上に異物状物
が現われ、成形品の商品価値を著しく損なう。
た樹脂成分を添加する方法(特公平3−59939号公
報)も知られているが、成形品表面に艶消しむらを生
じ、また、成形性を低下させる等の欠点を有している。
鑑みなされたものであり、その目的は、加工性に優れ、
成形品の機械的強度および艶消し表面外観に優れる熱可
塑性樹脂組成物を提供することにある。
は、成分(A)としてゴム強化熱可塑性樹脂、成分
(B)としてムーニー粘度(ML1+4、100℃)が
40〜110のエチレン・α−オレフィン系共重合体を
含有し、成分(A)100重量部に対する成分(B)の
割合が1〜70であることを特徴とする熱可塑性樹脂組
成物に存する。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、成分(A)としてゴム
強化熱可塑性樹脂、成分(B)としてムーニー粘度(M
L1+4、100℃)が40〜110のエチレン・α−
オレフィン系共重合体を含有する。
制限されないが、ゴム質重合体の存在下、芳香族ビニル
化合物、シアン化ビニル化合物、その他の共重合可能な
化合物を重合して得られるゴム強化熱可塑性樹脂が好適
に使用される。また、斯かるゴム強化熱可塑性樹脂と上
記の単量体の(共)重合体との混合物を好適に使用し得
る。以下、これらの成分の具体例を順次に説明するが、
説明の便宜上、ゴム質重合体は後述する。
ば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレ
ン、ブロムスチレン等が挙げられ、これらは単独で又は
2種以上を組み合わせて使用することが出来る。これら
の中では、特に、スチレン、α−メチルスチレンが好ま
しい。
えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げ
れ、これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用す
ることが出来る。これらの中では、特に、アクリロニト
リルが好ましい。
は、メタクリル酸メチル、アクリル酸メチル等の(メ
タ)アクリル酸エステル化合物、N−フェニルマレイミ
ド、N−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド化合
物、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸
などの不飽和カルボン酸化合物などが挙げられ、これら
は単独で又は2種以上を組み合わせて使用することが出
来る。
る。本発明で使用するゴム質重合体は、特に制限され
ず、ジエン系ゴム質重合体および非ジエン系ゴム質重合
体の何れでもよい。
天然ゴム、ポリイソプレン、ポリブタジエン、スチレン
・ブタジエン共重合体、ブタジエン・アクリロニトリル
共重合体、イソブチレン・イソプレン共重合体、芳香族
ビニル単量体・共役ジエンブロック共重合体(具体例:
スチレン・ブタジエンブロック共重合体、スチレン・イ
ソプレン・スチレンブロック共重合体、スチレン・ブタ
ジエン・スチレンブロック共重合体など)等が挙げられ
る。
加共役ジエン系(共)重合体、エチレン・α−オレフィ
ン・(非共役ジエン)共重合体(具体例:エチレン・プ
ロピレン・(非共役ジエン)共重合体、エチレン・ブテ
ン・(非共役ジエン)共重合体等)、アクリル系ゴム、
ポリウレタンゴム及びシリコーン系ゴム等が挙げられ
る。なお、上記の「(非共役ジエン)」の記載は、非共
役ジエンが任意成分であることを意味する。
樹脂組成物の耐候性の観点から、好ましくは非ジエン系
ゴム質重合体、更に好ましくはエチレン・α−オレフィ
ン・(非共役ジエン)共重合体、アクリル系ゴム、水素
添加共役ジエン系(共)重合体、特に好ましくはエチレ
ン・α−オレフィン・(非共役ジエン)共重合体であ
る。
ン)共重合体(以下、「ゴム質重合体(i)」と言うこ
とがある)としては、エチレン・α−オレフィンランダ
ム共重合ゴム、エチレン・α−オレフィン・非共役ジエ
ン化合物ランダム共重合ゴム等のエチレン・α−オレフ
ィン系ゴムが挙げられる。
ば、エチレン/炭素数3〜20のα−オレフィン/非共
役ジエン=5〜95/95〜5/0〜30(全量を10
0重量%とする。)の混合比から成る単量体を共重合し
て得られる共重合ゴムが挙げられる。α−オレフィンの
炭素数は、好ましくは3〜12、更に好ましくは3〜8
である。炭素数が多すぎると共重合性が極端に低下す
る。
は、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキ
セン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−
オクテン、1−デセン、1−ドデセン等が挙げられる。
好ましくは、プロピレン、1−ブテン、1−オクテン、
更に好ましくは、プロピレンと1−ブテンである。これ
らのα−オレフィンは単独で又は2種以上を組み合わせ
て使用することも出来る。エチレンとα−オレフィンの
重量比率(エチレン/α−オレフィン)は、通常5〜9
5/95〜5、好ましくは50〜90/50〜10、更
に好ましくは40〜85/60〜15である。
ノルボルネン類、環状ジエン類、脂肪族ジエン類などが
挙げられ、好ましくは、ジシクロペンタジエン及び5−
エチリデン−2−ノルボルネンである。これらの非共役
ジエン化合物は単独で又は2種以上を組み合わせて使用
することが出来る。エチレン・α−オレフィン系ゴム中
の非共役ジエン単量体単位の含有量は、全体に対し、通
常0〜30重量%であり、好ましくは0〜15重量%で
ある。
不均一系の何れの触媒を使用してもよい。均一系触媒と
しては例えばメタロセン触媒、不均一系触媒としては例
えばバナジウム化合物と有機アルミニウム化合物を組み
合わせたバナジウム系触媒を挙げられる。
重結合が実質的に存在しないことが好ましい。二重結合
が実質的に存在しないとは、耐候性を損なわない程度に
しか主鎖に二重結合が存在しないことを意味し、許容さ
れる二重結合の量の上限は、ゴム質重合体の種類によっ
て異なり、一義的には決められないが、種類ごとに適宜
の実験により決定することが出来る。また、不飽和量
は、ヨウ素価に換算して0〜40の範囲が好ましい。不
飽和量が多すぎると、耐候性、耐光性、色相に劣る傾向
がある。また、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)
は、通常60以下、好ましくは50以下であり、更に好
ましくは20〜40である。上記のムーニー粘度が60
を超える場合は、得られる熱可塑性樹脂組成物を成形体
とした際の外観が劣る傾向がある。更に、ガラス転移温
度は、通常−110〜−40℃、好ましくは−70〜−
45℃である。ガラス転移温度が−40℃を超える場合
は、得られる熱可塑性樹脂組成物のに耐衝撃性が劣る傾
向がある。
述のゴム質重合体(i)の存在下、芳香族ビニル化合
物、シアン化ビニル化合物、その他の共重合可能な化合
物を重合して得られるゴム強化熱可塑性樹脂(成分(A
1)と略記することがある)を使用する場合、他の成分
(A)として、以下に説明するゴム質重合体(i i)の
存在下、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、
その他の共重合可能な化合物を重合して得られるゴム強
化熱可塑性樹脂(成分(A2)と略記することがある)
を併用するのが好ましい。成分(A2)の使用により、
得られる熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃強度が更に改良さ
れる。
合体(i i)は、芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合
物から成るブロック共重合体を水素添加して得られ、ブ
ロック共重合体の数平均分子量(Mn)が通常5、00
0〜1、000、000、重量平均分子量(Mw)と数
平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が通常10以
下、ジエン部のビニル結合含有量が通常10〜90%で
あり、オレフィン性不飽和結合の水素添加率が通常70
%以上である水添ブロック共重合体である。
レン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等が挙げら
れ、これらの中ではスチレンが好ましい。また、共役ジ
エン化合物としては、ブタジエン、イソプレン及びこれ
らの組合せが好ましい。 芳香族ビニル化合物と共役ジ
エン化合物の割合は、特に制限されないが、ゴム強化熱
可塑性樹脂(成分(A2))とした場合の耐衝撃強度を
高めるため、芳香族ビニル化合物/共役ジエン化合物の
重量比として、通常5〜60/40〜95、好ましくは
10〜50/50〜90である。
合物から成るブロック共重合体の分子構造は、直鎖状、
分岐状、放射状またはこれらの組合せの何れでもよい。
更に、ブロック構造としては、ジブロック、トリブロッ
ク又はマルチブロックの何れでもよい。トリブロック構
造は、左右の構造が非対称であってもよい。
リチウム開始剤の存在下に炭化水素溶媒中でアニオンリ
ビング重合を行なうことにより得られる。また、分岐状
重合体は、前記重合終了時に3官能以上のカップリング
剤を必要量添加してカップリング反応を行なうことによ
り得られる。
リチウム、 sec−ブチルリチウム、ter−ブチル
リチウム等が使用される。炭化水素溶媒としては、ヘキ
サン、ヘプタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサ
ン、ベンゼン、トルエン、キシレン、2−メチルブテン
−1、2−メチルブテン−2等が使用される。
グ剤であり、その具体例としては、テトラクロロケイ
素、ブチルトリクロロケイ素、テトラクロロスズ、ブチ
ルトリクロロスズ、テトラクロロゲルマニウム、ビス
(トリクロロシリル)、エタン、ジビニルベンゼン、ア
ジピン酸ジエステル、エポキシ化液状ポリブタジエン、
エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油、トリレンジイ
ソシアナート、ジフェニルメタンジイソジアナート、
1,2,4−ベンゼントリイソシアナート等が挙げられ
る。
重合温度は通常0〜120℃、重合時間は10分から3
時間のである。
(Mn)は、通常5,000〜1,000,000であ
り、好ましくは30,000〜800,000、更に好
ましくは50,000〜600,000である。この数
平均分子量は、重合触媒で制御できる。数平均分子量が
5,000未満の場合は得られる熱可塑性樹脂組成物の
耐衝撃性が低く、1,000,000を超える場合は成
形性に劣る。
と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)は、通常10
以下、好ましくは8以下、更に好ましくは5以下、特に
好ましくは1〜3である。Mw/Mnが10を超える場
合、重合時に生成するグラフトゴム粒子の粒子径分布が
広くなり、外観が悪くなる。(Mw/Mn)は、重合触媒
種の選択により制御できる。 なお、上記重量平均分子
量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、通常、ゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定さ
れる。
ビニル結合含有量は、通常10〜90%であり、好まし
くは20〜80%、更に好ましくは25〜75%、特に
好ましくは30〜60%である。ビニル結合含有量が1
0%未満または90%超の場合、得られる熱可塑性樹脂
組成物の低温度域での耐衝撃性が低下する。 1,2
−、3,4−結合などのビニル結合含有量のコントロー
ルには、エーテル、3級アミン化合物ナトリウム、カリ
ウム等のアルカリ金属のアルコキシド、フェノキシド、
スルフォン酸塩が使用される。
化水素溶媒中にブロック共重合体を溶解し、水素化触媒
の存在下、20〜150℃、1Kg/cm2〜100 K
g/cm2の加圧水素条件で行なわれる。 水素化触媒と
しては、担体(シリカ、カーボン、ケイソウ土など)に
貴金属(パラジウム、ルテニウム、ロジウム、白金な
ど)を担持した触媒、ロジウム、ルテニウム、白金など
の錯体触媒、コバルト、ニッケルなどの有機カルボン酸
と有機アルミニウムまたは有機リチウムから成る触媒、
チタン化合物(ジシクロペンタジエニルチタンジクロリ
ド、ジシクロペンタジエニルジフェニルチタン、ジシク
ロペンタジエニルチタンジトリル、ジシクロペンタジエ
ニルチタンジベンジル等)と有機金属化合物(リチウ
ム、アルミニウム、マグネシウム等)より成る水素化触
媒などが使用される。そして、ブロック共重合体のオレ
フィン性不飽和結合の水素添加率は、得られる熱可塑性
組成物の耐候性を高める観点から、通常70%以上、好
ましくは80%以上である。
ゴム強化熱可塑性樹脂は、前述の様なゴム質重合体の存
在下、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、そ
の他の共重合可能な化合物を重合して得られる。
なわち、ゴム質重合体は、通常5〜80重量%、好まし
くは5〜60重量%、芳香族ビニル化合物は、通常5〜
94重量%、好ましくは10〜70重量%、シアン化ビ
ニル化合物は、通常1〜90重量%、好ましくは5〜6
5重量%、その他の共重合可能な化合物は、通常0〜8
9重量%、好ましくは5〜65重量%(但し、各成分の
合計は100重量%)である。そして、芳香族ビニル化
合物とシアン化ビニル化合物比率は、芳香族ビニル化合
物/シアン化ビニル化合物(重量比)として、通常30
〜98/2〜70、好ましくは60〜95/5〜40で
ある。 本発明で使用する成分(A)は、各成分の割合
が上記の範囲内であれば、上記単量体の(共)重合体と
ゴム強化熱可塑性樹脂との混合物でもよい。
は、ゴム含有量が低いために、得られる熱可塑性樹脂組
成物の耐衝撃性が劣る傾向があり、80重量%を超える
場合は、重合後のグラフト率が低いために、得られる熱
可塑性樹脂組成物の耐衝撃性が低い傾向がある。なお、
グラフト率については後述する。芳香族ビニル化合物の
割合が5重量%未満の場合は、得られる熱可塑性樹脂組
成物の成形加工性が劣る傾向があり、94重量%を超え
る場合は、成形品の着色性、ウェルド部の外観、耐薬品
性および耐候性が劣る傾向がある。また、シアン化ビニ
ル化合物の割合が1重量%未満の場合は、成形品の耐薬
品性および剛性が劣る傾向がある傾向があり、90重量
%を超える場合は、得られる熱可塑性樹脂組成物の色調
および成形加工性が劣る傾向がある。
重合、塊状重合などの方法により製造することが出来
る。ゴム質重合体が乳化重合で製造されてラテックス状
で得られる場合は、成分(A)の製造は、通常、乳化重
合法で行われる。一方、ゴム質重合体が溶液重合で製造
され、溶液状または固形状で得られる場合は、成分
(A)の製造は、溶液重合、塊状重合などにより行われ
る。成分(A)の製造の際には、公知の重合開始剤、連
鎖移動剤(分子量調節剤)が使用される。また、乳化重
合による場合は、更に、乳化剤、水などが使用される。
体全量の存在下に他の各成分(単量体)を一括添加して
重合してもよく、分割または連続添加してもよい。ま
た、これらを組み合わせた方法で重合してもよい。更
に、重合途中でゴム質重合体の全量または一部を添加し
てもよい。固体状ゴム質重合体を使用する場合には、単
量体および/または重合溶媒などの1部または全量に溶
解して重合に供することが出来る。
0〜150%、好ましくは35〜80%である。ここで
グラフト率は、実施例に示された方法で測定した値であ
る。グラフト率は、重合開始剤の量、重合温度などによ
り制御できる。グラフト率が10%未満の場合は、得ら
れる熱可塑性樹脂組成物の耐灯油性、耐ガソリン性など
の耐溶剤性が著しく低下し、また、着色性、ウェルド外
観などの成形外観も悪くなる。 一方、グラフト率が1
50%を超える場合は、得られる熱可塑性樹脂組成物の
耐衝撃性および成形加工性が低下する。
エチルケトン中、30℃で測定)は、成分(A)の種類
によって異なる。ゴム質重合体(i)を使用した成分
(A1)の場合は、通常0.1〜1dl/g、好ましく
は0.2〜0.7dl/gである。また、ゴム質重合体
(i i)を使用した成分(A2)の場合は、通常0.1
5dl/g以上、好ましくは0.18〜1.5dl/
g、更に好ましくは0.18〜1.2dl/gである。
度(ML1+4、100℃)が40〜110のエチレン
・α−オレフィン系共重合体から成る。
体としては、例えば、エチレンとα−オレフィンとの二
元共重合体、エチレンとα−オレフィンと非共役ジエン
との三元共重合体またはこれらの混合物が挙げられる。
〜20、好ましくは3〜12である。炭素数が20を超
えると、共重合性が極端に低下する。上記のα−オレフ
ィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−
ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、
1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセ
ン、1−ヘキサデセン、1−エイコセン等が挙げられ
る。これらの中では、プロピレンが好ましい。また、こ
れらは1単独で又は2種以上を組み合わせて使用するこ
とが出来る。
れず、例えば、シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジ
エン、メチルテトラヒドロインデン、5−ビニルノルボ
ルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチ
レン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−
ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル
−2−ノルボルネン等の環状ジエン類;1,4−ヘキサ
ジエン、1,6−オクタジエン、2−メチル−1,5−
ヘキサジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、7
−メチル−1,6−オクタジエン等の脂肪族ジエン類;
等が挙げられる。これらの中では、ジシクロペンタジエ
ン及び5−エチリデン−2−ノルボルネンが好ましい。
また、非共役ジエンは単独で又は2種以上を組み合わせ
て使用することが出来る。
は、通常10〜70重量%、好ましくは15〜60重量
%、好ましくは20〜55重量%であり、エチレン単位
含有量は、通常30〜90重量%、好ましくは40〜8
5重量%、更に好ましくは45〜80重量%である。α
−オレフィン単位含有量が少なすぎると得られる熱可塑
性樹脂組成物の耐衝撃性が劣る方向となり、一方、多す
ぎると耐候性が劣る方向となる。
非共役ジエン三元共重合体である場合、非共役ジエン単
位含有量は、エチレン・α−オレフィン系共重合体のゲ
ル化に関与し、それによって物性に影響を及ぼす傾向が
見られ、通常20重量%以下、好ましくは18重量%以
下、更に好ましくは15重量%以下である。
100℃)は40〜110であるが、好ましくは45〜
80、更に好ましくは50〜80である。上記ムーニー
粘度が小さすぎると、熱可塑性樹脂組成物を用いて得ら
れる成形品の耐衝撃性、艶消し性が低下する。また、大
きすぎると、艶消しむらが生じやすくなり、均一な艶消
し面が得られにくくなる。
通常−110〜20℃、好ましくは−85〜−20℃、
更に好ましくは−70〜−30℃である。上記Tgが低
すぎると成形加工性及び機械的強度が劣り、一方、高す
ぎると低温下の機械的強度が劣る。
て製造されたものでも、メタロセン型触媒を使用して製
造されたものでもよい。
分(A)及び成分(B)を含有するが、成分(A)10
0重量部に対する成分(B)の割合は、1〜70重量
部、好ましくは5〜65重量部、更に好ましくは5〜5
0重量部である。成分(B)の含有量が少なすぎると、
艶消し性が十分でなく、一方、多すぎると、機械的強度
が低下し、剥離等の不良現象が発生する。
併用するする場合、成分(A1)100重量部に対する
成分(A2)の割合は、1〜70重量部、好ましくは5
〜65重量部、更に好ましくは5〜50重量部である。
成分(A2)の含有量が少なすぎる場合は耐衝撃性改良
効果が十分でなく、多すぎる場合は艶消し性が十分でな
い。
ロフラン(THF)可溶分の重量平均分子量(Mw)
は、通常100,000以上、好ましくは100,00
0〜350,000であり、更に好ましくは100,0
00〜330,000である。上記重量平均分子量(M
wが)小さすぎると、熱可塑性樹脂組成物を使用して得
られる成形品の耐衝撃性および艶消し性が低下する。一
方、大きすぎると、艶消しむらが生じ易くなり、均一な
艶消し面が得られ難くなる。
w)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、
通常2.5以上、好ましくは2.6〜5、更に好ましく
は2.8〜5である。(Mw/Mn)比が小さすぎると
艶消し性が低下する。一方、大きすぎると、耐衝撃性が
低下する。
応じ、公知の添加剤を含有させることが出来る。その例
としては、難燃剤、抗菌剤、防カビ剤、紫外線吸収剤、
酸化防止剤、耐候(耐光)剤、可塑剤、着色剤(顔料、
染料など)、帯電防止剤などが挙げられる。
機、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール、フィーダ
ールーダー等を使用し、各成分を混練することにより得
られる。好ましい製造方法は、押出機、バンバリーミキ
サーを使用する方法である。また、混練の際には、各成
分を一括して混練してもよく、数回に分けて添加混練し
てもよい。混練は、押出機で多段添加式で混練してもよ
く、また、バンバリーミキサー、ニーダー等で混練した
後、押出機でペレット化することも出来る。
形、シート成形、押出成形、真空成形、異形成形、発泡
成形、インジェクションプレス、プレス成形、ブロー成
形などによって、各種成形品に成形することが出来る
が、艶消し性に優れた成形品を得るにはシート成形が特
に好適である。本発明の熱可塑性樹脂組成物をシート成
形に供する場合のメルトフローレートは、通常0.5〜
10(g/10min.)、好ましくは1〜8(g/1
0min.)である。
造された成形品は、その表面に艶消しむらがなく、ま
た、表面の光沢度は、通常20%以下、好ましくは18
%以下、更に好ましくは16%以下である。
明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実
施例に何ら制約されるものではない。尚、実施例および
比較例において、「部」及び「%」は特に断らない限り
重量基準である。
測定した。
フラン可溶分の分子量分布:表1に示す条件で熱可塑性
樹脂組成物のテトラヒドロフラン可溶分の重量平均分子
量(Mw)及び数平均分子量(Mn)を測定し、これら
の比(Mw/Mn)を求めた。
に準じて測定した。
の一定量(X)をアセトンに投入し、振とう機で2時間
振とうして不溶部分を含む溶液を得、この溶液を23,
000rpm、30分間遠心分離機で処理して不溶分を
回収し、得られた不溶分を120℃、1時間真空乾燥機
にて処理した後、その重量(y)を測定する。そして、
次の式によりグラフト率を算出する。
塑性樹脂中のゴム成分率)/(X×ゴム強化熱可塑性樹
脂中のゴム成分率)]×100
に投入し、振とう機で2時間振とうし、遊離の共重合体
を溶解させた。この溶液を遠心分離機を使用し、230
00rpmで30分間遠心分離し、アセトン可溶分を得
た。これを加熱、乾燥後、メチルエチルケトンに溶解さ
せ、30℃における極限粘度[η]を測定した。
20℃、荷重10kgの条件下で測定した。単位はg/
10minである。
却=2/10/30(秒))で成形した1/4×1/2
インチの試験片にノッチを付け、ASTM D−256
に準じて測定した。単位はkg・cm/cmである。
0mm、横50mm、厚さ1mmのストリップシートを
得、そのシート表面の光沢をASTM D−523(θ
=60°)に準じて測定した。単位は%である。
00mm、横50mm、厚さ1mmのストリップシート
を得、そのシート表面の艶消しむらを目視判定した。判
定基準は表2に示す通りである。
る。 ×:艶消しむらの生じている面積が80%以上である。
リボン型攪拌翼、助剤連続添加装置、温度計を備えた容
積20Lのステンレス製オートクレーブに、表3に示す
ゴム質重合体(B4)30部、スチレン49部、アクリ
ロニトリル21部、トルエン110部を仕込み、内温を
75℃に昇温して、オートクレーブ内容物を1時間攪拌
して均一溶液とした。その後、t−ブチルパーオキシイ
ソプロピルカーボネート0.45部を添加し、内温を更
に昇温して100℃とし、保持しながら攪拌回転数10
0rpmとして重合反応を行った。重合反応を始めて4
時間目から、内温を120℃に昇温し、この温度に保持
しながら更に2時間反応を行って終了した。内温を10
0℃まで降温した後、オクタデシル−3−(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)−プロピオ
ネート0.2部を添加した後、反応混合物をオートクレ
ーブより抜き出し、水蒸気蒸留により未反応物と溶媒を
留去し、細かく粉砕した後、40mmφベント付押出機
を使用し、シリンダー温度を220℃、真空度を700
mmHgとし、揮発分を脱揮させ、ゴム強化熱可塑性樹
脂をペレット化した。このゴム強化熱可塑性樹脂のアセ
トン可溶分の極限粘度〔η〕は0.4dl/gであっ
た。また、グラフト率は55%であった。
リボン型攪拌翼を備えた内容積10リットルのステンレ
ス製オートクレーブに、水添ブロック共重合体(旭化成
製、商品名「タフテックH1041」)を30部、メタ
クリル酸メチル50部、スチレン10部、アクリロニト
リル10部、トルエンを120部仕込み、攪拌により溶
解させ均一溶液を得た後、t−ブチルパーオキシイソプ
ロピルカーボネート0.5部、t−ドデシルメルカプタ
ン0.1部を添加し、攪拌を続けながら昇温し、100
℃に達した後は温度一定に制御しながら、攪拌回転数2
00rpmにて重合反応を行った。
は85%であった。また、グラフト率は42%であっ
た。アセトン可溶分の極限粘度〔η〕は0.41dl/
gであった。100℃まで冷却後、2,2−メチレンビ
ス−4−メチル−6−ブチルフェノール0.2部を添加
した後、反応混合物をオートクレーブより抜き出し、水
蒸気蒸留により、未反応物と溶媒を留去し、細かく粉砕
した後、40mmφの真空ベント付き押出機(220
℃、700mmHg真空)にて、実質的に揮発分を脱揮
させ、ペレットを得た。_
(B1〜B4)>表3に示すエチレン・α−オレフィン
系共重合体(B1〜B4)を使用した。
α−オレフィン系共重合体(B1)を表4に示す割合で
ペレット状態で混合した後、40mmφのベント付押出
機を使用し、シリンダー温度を220℃、真空度を70
0mmHgとし、揮発分を脱揮させ、熱可塑性樹脂組成
物をペレット化した。その後、各種評価を行った。結果
を表4に示す。
体(B1)を(B2)に変更した以外は、実施例1と同
様にして熱可塑性樹脂組成物を得、各種評価を行った。
結果を表4に示す。
体(B1)を(B3)に変更した以外は、実施例1と同
様にして熱可塑性樹脂組成物を得、各種評価を行った。
結果を表4に示す。
体(B1)を(B4)に変更した以外は、実施例1と同
様にして熱可塑性樹脂組成物を得、各種評価を行った。
結果を表4に示す。
すエチレン・α−オレフィン系共重合体(B1)を表5
に示す割合でペレット状態で混合した後、40mmφの
ベント付押出機でシリンダー温度を220℃、真空度を
700mmHgとして、揮発分を脱揮させ、熱可塑性樹
脂組成物をペレット化した。その後、各種評価を行っ
た。結果を表5に示す。
体(B)を(B2)に変更した以外は、実施例3と同様
にして熱可塑性樹脂組成物を得、各種評価を行った。結
果を表5に示す。
(A2)と表3に示すエチレン・α−オレフィン系共重
合体(B2)を表5に示す割合でペレット状態で混合し
た後、40mmφのベント付押出機でシリンダー温度を
220℃、真空度を700mmHgとして、揮発分を脱
揮させ、熱可塑性樹脂組成物をペレット化した。その
後、各種評価を行った。結果を表5に示す。
体(B1)を(B3)に変更した以外は、実施例3と同
様にして熱可塑性樹脂組成物を得、各種評価を行った。
結果を表5に示す。
体(B1)を(B4)に変更した以外は、実施例3と同
様にして熱可塑性樹脂組成物を得、各種評価を行った。
結果を表5に示す。
優れ、成形品の機械的強度および艶消し表面外観に優れ
る熱可塑性樹脂組成物が提供される。本発明の熱可塑性
樹脂組成物は、特に表面艶消しのシート成形品の成形材
料などとして有用である。
Claims (4)
- 【請求項1】 成分(A)としてゴム強化熱可塑性樹
脂、成分(B)としてムーニー粘度(ML1+4、10
0℃)が40〜110のエチレン・α−オレフィン系共
重合体を含有し、成分(A)100重量部に対する成分
(B)の割合が1〜70重量部であることを特徴とする
熱可塑性樹脂組成物。 - 【請求項2】 成分(A)として、以下に記載のゴム質
重合体(i)5〜80重量%の存在下、芳香族ビニル化
合物5〜94重量%、シアン化ビニル化合物1〜90重
量%、その他の共重合可能な化合物0〜89重量%(但
し、各成分の合計は100重量%)を重合して得られる
ゴム強化熱可塑性樹脂(A1)を用いる請求項1に記載
の熱可塑性樹脂組成物。 <ゴム質重合体(i)> エチレン・α−オレフィン・(非共役ジエン)共重合体 - 【請求項3】 更に、他の成分(A)として、以下に記
載のゴム質重合体(ii)5〜80重量%の存在下、芳香
族ビニル化合物5〜94重量%、シアン化ビニル化合物
1〜90重量%、その他の共重合可能な化合物0〜89
重量%(但し、各成分の合計は100重量%)を重合し
て得られるゴム強化熱可塑性樹脂(A2)を使用し、ゴ
ム強化熱可塑性樹脂(A1)100重量部に対するゴム
強化熱可塑性樹脂(A2)の割合が1〜70重量部であ
る請求項2に記載の熱可塑性樹脂組成物。 <ゴム質重合体(ii)>芳香族ビニル化合物と共役ジエ
ン化合物から成るブロック共重合体を水素添加して得ら
れ、ブロック共重合体の数平均分子量(Mn)が5、0
00〜1、000、000、重量平均分子量(Mw)と
数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が10以下、
ジエン部のビニル結合含有量が10〜90%であり、オ
レフィン性不飽和結合の水素添加率が70%以上である
水添ブロック共重合体。 - 【請求項4】 成分(A)100重量部と成分( B)
1〜70重量部から成る熱可塑性樹脂組成物のテトラヒ
ドロフラン可溶分の重量平均分子量(Mw)が1000
00以上であり、該可溶分の重量平均分子量(Mw)と
数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が2.5以
上である請求項1〜3の何れかに記載の熱可塑性樹脂組
成物。
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JP2007324236A (ja) * | 2006-05-30 | 2007-12-13 | Nof Corp | プリント配線板用フィルムに用いる樹脂組成物及びその用途 |
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- 2002-05-16 JP JP2002141017A patent/JP3965076B2/ja not_active Expired - Fee Related
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