JP2003064264A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JP2003064264A
JP2003064264A JP2002141017A JP2002141017A JP2003064264A JP 2003064264 A JP2003064264 A JP 2003064264A JP 2002141017 A JP2002141017 A JP 2002141017A JP 2002141017 A JP2002141017 A JP 2002141017A JP 2003064264 A JP2003064264 A JP 2003064264A
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Shigeto Ishiga
成人 石賀
Hiroshige Muraki
博成 村木
Tomoji Nakagawa
友二 中川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】加工性に優れ、成形品の機械的強度および艶消
し表面外観に優れる熱可塑性樹脂組成物を提供する。 【解決手段】成分(A)としてゴム強化熱可塑性樹脂、
成分(B)としてムーニー粘度(ML1+4、100
℃)が40〜110のエチレン・α−オレフィン系共重
合体を含有し、成分(A)100重量部に対する成分
(B)の割合が1〜70である熱可塑性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂組成
物に関し、詳しくは、加工性に優れ、成形品の機械的強
度および艶消し表面外観に優れる熱可塑性樹脂組成物に
関する。本発明の熱可塑性樹脂組成物は、表面艶消しの
シート成形品の成形材料などに好適に使用される。
【0002】
【従来の技術】ゴム強化熱可塑性樹脂は、その成形品の
優れた耐衝撃性、良好な成形性および表面光沢を有する
ことから、種々の用途に使用されている。しかしなが
ら、使用される用途によっては他の物性を低下させるこ
となく成形品の表面を艶消しの状態にしたものが望まれ
る場合がある。
【0003】従来の成形品の艶消し方法としては、チタ
ン、マグネシウム、カルシウム等の酸化物や炭酸塩をゴ
ム強化熱可塑性樹脂に添加する方法(特公昭63−67
818号公報)が知られている。しかし、この方法では
樹脂の機械的性質、特に衝撃強度を大きく低下させる難
点があり、また、成形品表面が均一な艶消しにならない
という欠点がある。
【0004】また、ゴム強化熱可塑性樹脂にゴム質重合
体を添加することにより艶を消す方法もよく知られてい
る。しかし、この方法では樹脂の機械的性質、特に、硬
度や剛性を低下させ、また、成形品の表面上に異物状物
が現われ、成形品の商品価値を著しく損なう。
【0005】更に、架橋性モノマーによって三次元化し
た樹脂成分を添加する方法(特公平3−59939号公
報)も知られているが、成形品表面に艶消しむらを生
じ、また、成形性を低下させる等の欠点を有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑みなされたものであり、その目的は、加工性に優れ、
成形品の機械的強度および艶消し表面外観に優れる熱可
塑性樹脂組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の要旨
は、成分(A)としてゴム強化熱可塑性樹脂、成分
(B)としてムーニー粘度(ML1+4、100℃)が
40〜110のエチレン・α−オレフィン系共重合体を
含有し、成分(A)100重量部に対する成分(B)の
割合が1〜70であることを特徴とする熱可塑性樹脂組
成物に存する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、成分(A)としてゴム
強化熱可塑性樹脂、成分(B)としてムーニー粘度(M
L1+4、100℃)が40〜110のエチレン・α−
オレフィン系共重合体を含有する。
【0009】<成分(A)>成分(A)としては、特に
制限されないが、ゴム質重合体の存在下、芳香族ビニル
化合物、シアン化ビニル化合物、その他の共重合可能な
化合物を重合して得られるゴム強化熱可塑性樹脂が好適
に使用される。また、斯かるゴム強化熱可塑性樹脂と上
記の単量体の(共)重合体との混合物を好適に使用し得
る。以下、これらの成分の具体例を順次に説明するが、
説明の便宜上、ゴム質重合体は後述する。
【0010】上記の芳香族ビニル化合物としては、例え
ば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレ
ン、ブロムスチレン等が挙げられ、これらは単独で又は
2種以上を組み合わせて使用することが出来る。これら
の中では、特に、スチレン、α−メチルスチレンが好ま
しい。
【0011】上記のシアン化ビニル化合物としては、例
えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げ
れ、これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用す
ることが出来る。これらの中では、特に、アクリロニト
リルが好ましい。
【0012】上記のその他の共重合可能な化合物として
は、メタクリル酸メチル、アクリル酸メチル等の(メ
タ)アクリル酸エステル化合物、N−フェニルマレイミ
ド、N−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド化合
物、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸
などの不飽和カルボン酸化合物などが挙げられ、これら
は単独で又は2種以上を組み合わせて使用することが出
来る。
【0013】次に、前記のゴム質重合体について説明す
る。本発明で使用するゴム質重合体は、特に制限され
ず、ジエン系ゴム質重合体および非ジエン系ゴム質重合
体の何れでもよい。
【0014】ジエン系ゴム質重合体としては、例えば、
天然ゴム、ポリイソプレン、ポリブタジエン、スチレン
・ブタジエン共重合体、ブタジエン・アクリロニトリル
共重合体、イソブチレン・イソプレン共重合体、芳香族
ビニル単量体・共役ジエンブロック共重合体(具体例:
スチレン・ブタジエンブロック共重合体、スチレン・イ
ソプレン・スチレンブロック共重合体、スチレン・ブタ
ジエン・スチレンブロック共重合体など)等が挙げられ
る。
【0015】非ジエン系ゴム質重合体としては、水素添
加共役ジエン系(共)重合体、エチレン・α−オレフィ
ン・(非共役ジエン)共重合体(具体例:エチレン・プ
ロピレン・(非共役ジエン)共重合体、エチレン・ブテ
ン・(非共役ジエン)共重合体等)、アクリル系ゴム、
ポリウレタンゴム及びシリコーン系ゴム等が挙げられ
る。なお、上記の「(非共役ジエン)」の記載は、非共
役ジエンが任意成分であることを意味する。
【0016】ゴム質重合体としては、得られる熱可塑性
樹脂組成物の耐候性の観点から、好ましくは非ジエン系
ゴム質重合体、更に好ましくはエチレン・α−オレフィ
ン・(非共役ジエン)共重合体、アクリル系ゴム、水素
添加共役ジエン系(共)重合体、特に好ましくはエチレ
ン・α−オレフィン・(非共役ジエン)共重合体であ
る。
【0017】エチレン・α−オレフィン・(非共役ジエ
ン)共重合体(以下、「ゴム質重合体(i)」と言うこ
とがある)としては、エチレン・α−オレフィンランダ
ム共重合ゴム、エチレン・α−オレフィン・非共役ジエ
ン化合物ランダム共重合ゴム等のエチレン・α−オレフ
ィン系ゴムが挙げられる。
【0018】上記のゴム質重合体(i)としては、例え
ば、エチレン/炭素数3〜20のα−オレフィン/非共
役ジエン=5〜95/95〜5/0〜30(全量を10
0重量%とする。)の混合比から成る単量体を共重合し
て得られる共重合ゴムが挙げられる。α−オレフィンの
炭素数は、好ましくは3〜12、更に好ましくは3〜8
である。炭素数が多すぎると共重合性が極端に低下す
る。
【0019】炭素数3〜20のα−オレフィンとして
は、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキ
セン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−
オクテン、1−デセン、1−ドデセン等が挙げられる。
好ましくは、プロピレン、1−ブテン、1−オクテン、
更に好ましくは、プロピレンと1−ブテンである。これ
らのα−オレフィンは単独で又は2種以上を組み合わせ
て使用することも出来る。エチレンとα−オレフィンの
重量比率(エチレン/α−オレフィン)は、通常5〜9
5/95〜5、好ましくは50〜90/50〜10、更
に好ましくは40〜85/60〜15である。
【0020】非共役ジエン化合物としては、アルケニル
ノルボルネン類、環状ジエン類、脂肪族ジエン類などが
挙げられ、好ましくは、ジシクロペンタジエン及び5−
エチリデン−2−ノルボルネンである。これらの非共役
ジエン化合物は単独で又は2種以上を組み合わせて使用
することが出来る。エチレン・α−オレフィン系ゴム中
の非共役ジエン単量体単位の含有量は、全体に対し、通
常0〜30重量%であり、好ましくは0〜15重量%で
ある。
【0021】ゴム質重合体(i)の製造には、均一系、
不均一系の何れの触媒を使用してもよい。均一系触媒と
しては例えばメタロセン触媒、不均一系触媒としては例
えばバナジウム化合物と有機アルミニウム化合物を組み
合わせたバナジウム系触媒を挙げられる。
【0022】上記のゴム質重合体(i)の主鎖には、二
重結合が実質的に存在しないことが好ましい。二重結合
が実質的に存在しないとは、耐候性を損なわない程度に
しか主鎖に二重結合が存在しないことを意味し、許容さ
れる二重結合の量の上限は、ゴム質重合体の種類によっ
て異なり、一義的には決められないが、種類ごとに適宜
の実験により決定することが出来る。また、不飽和量
は、ヨウ素価に換算して0〜40の範囲が好ましい。不
飽和量が多すぎると、耐候性、耐光性、色相に劣る傾向
がある。また、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)
は、通常60以下、好ましくは50以下であり、更に好
ましくは20〜40である。上記のムーニー粘度が60
を超える場合は、得られる熱可塑性樹脂組成物を成形体
とした際の外観が劣る傾向がある。更に、ガラス転移温
度は、通常−110〜−40℃、好ましくは−70〜−
45℃である。ガラス転移温度が−40℃を超える場合
は、得られる熱可塑性樹脂組成物のに耐衝撃性が劣る傾
向がある。
【0023】本発明においては、成分(A)として、前
述のゴム質重合体(i)の存在下、芳香族ビニル化合
物、シアン化ビニル化合物、その他の共重合可能な化合
物を重合して得られるゴム強化熱可塑性樹脂(成分(A
1)と略記することがある)を使用する場合、他の成分
(A)として、以下に説明するゴム質重合体(i i)の
存在下、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、
その他の共重合可能な化合物を重合して得られるゴム強
化熱可塑性樹脂(成分(A2)と略記することがある)
を併用するのが好ましい。成分(A2)の使用により、
得られる熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃強度が更に改良さ
れる。
【0024】成分(A2)の製造に使用されるゴム質重
合体(i i)は、芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合
物から成るブロック共重合体を水素添加して得られ、ブ
ロック共重合体の数平均分子量(Mn)が通常5、00
0〜1、000、000、重量平均分子量(Mw)と数
平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が通常10以
下、ジエン部のビニル結合含有量が通常10〜90%で
あり、オレフィン性不飽和結合の水素添加率が通常70
%以上である水添ブロック共重合体である。
【0025】上記の芳香族ビニル化合物としては、スチ
レン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等が挙げら
れ、これらの中ではスチレンが好ましい。また、共役ジ
エン化合物としては、ブタジエン、イソプレン及びこれ
らの組合せが好ましい。 芳香族ビニル化合物と共役ジ
エン化合物の割合は、特に制限されないが、ゴム強化熱
可塑性樹脂(成分(A2))とした場合の耐衝撃強度を
高めるため、芳香族ビニル化合物/共役ジエン化合物の
重量比として、通常5〜60/40〜95、好ましくは
10〜50/50〜90である。
【0026】上記の芳香族ビニル化合物と共役ジエン化
合物から成るブロック共重合体の分子構造は、直鎖状、
分岐状、放射状またはこれらの組合せの何れでもよい。
更に、ブロック構造としては、ジブロック、トリブロッ
ク又はマルチブロックの何れでもよい。トリブロック構
造は、左右の構造が非対称であってもよい。
【0027】上記のブロック共重合体は、例えば、有機
リチウム開始剤の存在下に炭化水素溶媒中でアニオンリ
ビング重合を行なうことにより得られる。また、分岐状
重合体は、前記重合終了時に3官能以上のカップリング
剤を必要量添加してカップリング反応を行なうことによ
り得られる。
【0028】有機リチウム開始剤としては、n−ブチル
リチウム、 sec−ブチルリチウム、ter−ブチル
リチウム等が使用される。炭化水素溶媒としては、ヘキ
サン、ヘプタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサ
ン、ベンゼン、トルエン、キシレン、2−メチルブテン
−1、2−メチルブテン−2等が使用される。
【0029】カップリング剤は3官能以上のカップリン
グ剤であり、その具体例としては、テトラクロロケイ
素、ブチルトリクロロケイ素、テトラクロロスズ、ブチ
ルトリクロロスズ、テトラクロロゲルマニウム、ビス
(トリクロロシリル)、エタン、ジビニルベンゼン、ア
ジピン酸ジエステル、エポキシ化液状ポリブタジエン、
エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油、トリレンジイ
ソシアナート、ジフェニルメタンジイソジアナート、
1,2,4−ベンゼントリイソシアナート等が挙げられ
る。
【0030】重合はバッチ方式でも連続方式でもよく、
重合温度は通常0〜120℃、重合時間は10分から3
時間のである。
【0031】上記のブロック共重合体の数平均分子量
(Mn)は、通常5,000〜1,000,000であ
り、好ましくは30,000〜800,000、更に好
ましくは50,000〜600,000である。この数
平均分子量は、重合触媒で制御できる。数平均分子量が
5,000未満の場合は得られる熱可塑性樹脂組成物の
耐衝撃性が低く、1,000,000を超える場合は成
形性に劣る。
【0032】ブロック共重合体の重量平均分子量(Mw)
と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)は、通常10
以下、好ましくは8以下、更に好ましくは5以下、特に
好ましくは1〜3である。Mw/Mnが10を超える場
合、重合時に生成するグラフトゴム粒子の粒子径分布が
広くなり、外観が悪くなる。(Mw/Mn)は、重合触媒
種の選択により制御できる。 なお、上記重量平均分子
量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、通常、ゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定さ
れる。
【0033】また、このブロック共重合体のジエン部の
ビニル結合含有量は、通常10〜90%であり、好まし
くは20〜80%、更に好ましくは25〜75%、特に
好ましくは30〜60%である。ビニル結合含有量が1
0%未満または90%超の場合、得られる熱可塑性樹脂
組成物の低温度域での耐衝撃性が低下する。 1,2
−、3,4−結合などのビニル結合含有量のコントロー
ルには、エーテル、3級アミン化合物ナトリウム、カリ
ウム等のアルカリ金属のアルコキシド、フェノキシド、
スルフォン酸塩が使用される。
【0034】上記のブロック共重合体の水素添加は、炭
化水素溶媒中にブロック共重合体を溶解し、水素化触媒
の存在下、20〜150℃、1Kg/cm2〜100 K
g/cm2の加圧水素条件で行なわれる。 水素化触媒と
しては、担体(シリカ、カーボン、ケイソウ土など)に
貴金属(パラジウム、ルテニウム、ロジウム、白金な
ど)を担持した触媒、ロジウム、ルテニウム、白金など
の錯体触媒、コバルト、ニッケルなどの有機カルボン酸
と有機アルミニウムまたは有機リチウムから成る触媒、
チタン化合物(ジシクロペンタジエニルチタンジクロリ
ド、ジシクロペンタジエニルジフェニルチタン、ジシク
ロペンタジエニルチタンジトリル、ジシクロペンタジエ
ニルチタンジベンジル等)と有機金属化合物(リチウ
ム、アルミニウム、マグネシウム等)より成る水素化触
媒などが使用される。そして、ブロック共重合体のオレ
フィン性不飽和結合の水素添加率は、得られる熱可塑性
組成物の耐候性を高める観点から、通常70%以上、好
ましくは80%以上である。
【0035】本発明で使用する成分(A)、すなわち、
ゴム強化熱可塑性樹脂は、前述の様なゴム質重合体の存
在下、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、そ
の他の共重合可能な化合物を重合して得られる。
【0036】上記の各成分の割合は次の通りである。す
なわち、ゴム質重合体は、通常5〜80重量%、好まし
くは5〜60重量%、芳香族ビニル化合物は、通常5〜
94重量%、好ましくは10〜70重量%、シアン化ビ
ニル化合物は、通常1〜90重量%、好ましくは5〜6
5重量%、その他の共重合可能な化合物は、通常0〜8
9重量%、好ましくは5〜65重量%(但し、各成分の
合計は100重量%)である。そして、芳香族ビニル化
合物とシアン化ビニル化合物比率は、芳香族ビニル化合
物/シアン化ビニル化合物(重量比)として、通常30
〜98/2〜70、好ましくは60〜95/5〜40で
ある。 本発明で使用する成分(A)は、各成分の割合
が上記の範囲内であれば、上記単量体の(共)重合体と
ゴム強化熱可塑性樹脂との混合物でもよい。
【0037】ゴム質重合体の割合が5重量%未満の場合
は、ゴム含有量が低いために、得られる熱可塑性樹脂組
成物の耐衝撃性が劣る傾向があり、80重量%を超える
場合は、重合後のグラフト率が低いために、得られる熱
可塑性樹脂組成物の耐衝撃性が低い傾向がある。なお、
グラフト率については後述する。芳香族ビニル化合物の
割合が5重量%未満の場合は、得られる熱可塑性樹脂組
成物の成形加工性が劣る傾向があり、94重量%を超え
る場合は、成形品の着色性、ウェルド部の外観、耐薬品
性および耐候性が劣る傾向がある。また、シアン化ビニ
ル化合物の割合が1重量%未満の場合は、成形品の耐薬
品性および剛性が劣る傾向がある傾向があり、90重量
%を超える場合は、得られる熱可塑性樹脂組成物の色調
および成形加工性が劣る傾向がある。
【0038】成分(A)は、乳化重合、懸濁重合、溶液
重合、塊状重合などの方法により製造することが出来
る。ゴム質重合体が乳化重合で製造されてラテックス状
で得られる場合は、成分(A)の製造は、通常、乳化重
合法で行われる。一方、ゴム質重合体が溶液重合で製造
され、溶液状または固形状で得られる場合は、成分
(A)の製造は、溶液重合、塊状重合などにより行われ
る。成分(A)の製造の際には、公知の重合開始剤、連
鎖移動剤(分子量調節剤)が使用される。また、乳化重
合による場合は、更に、乳化剤、水などが使用される。
【0039】成分(A)の製造においては、ゴム質重合
体全量の存在下に他の各成分(単量体)を一括添加して
重合してもよく、分割または連続添加してもよい。ま
た、これらを組み合わせた方法で重合してもよい。更
に、重合途中でゴム質重合体の全量または一部を添加し
てもよい。固体状ゴム質重合体を使用する場合には、単
量体および/または重合溶媒などの1部または全量に溶
解して重合に供することが出来る。
【0040】成分(A)におけるグラフト率は、通常1
0〜150%、好ましくは35〜80%である。ここで
グラフト率は、実施例に示された方法で測定した値であ
る。グラフト率は、重合開始剤の量、重合温度などによ
り制御できる。グラフト率が10%未満の場合は、得ら
れる熱可塑性樹脂組成物の耐灯油性、耐ガソリン性など
の耐溶剤性が著しく低下し、また、着色性、ウェルド外
観などの成形外観も悪くなる。 一方、グラフト率が1
50%を超える場合は、得られる熱可塑性樹脂組成物の
耐衝撃性および成形加工性が低下する。
【0041】アセトン可溶分の固有粘度〔η〕(メチル
エチルケトン中、30℃で測定)は、成分(A)の種類
によって異なる。ゴム質重合体(i)を使用した成分
(A1)の場合は、通常0.1〜1dl/g、好ましく
は0.2〜0.7dl/gである。また、ゴム質重合体
(i i)を使用した成分(A2)の場合は、通常0.1
5dl/g以上、好ましくは0.18〜1.5dl/
g、更に好ましくは0.18〜1.2dl/gである。
【0042】<成分(B)>成分(B)は、ムーニー粘
度(ML1+4、100℃)が40〜110のエチレン
・α−オレフィン系共重合体から成る。
【0043】上記のエチレン・α−オレフィン系共重合
体としては、例えば、エチレンとα−オレフィンとの二
元共重合体、エチレンとα−オレフィンと非共役ジエン
との三元共重合体またはこれらの混合物が挙げられる。
【0044】上記のα−オレフィンの炭素数は、通常3
〜20、好ましくは3〜12である。炭素数が20を超
えると、共重合性が極端に低下する。上記のα−オレフ
ィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−
ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、
1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセ
ン、1−ヘキサデセン、1−エイコセン等が挙げられ
る。これらの中では、プロピレンが好ましい。また、こ
れらは1単独で又は2種以上を組み合わせて使用するこ
とが出来る。
【0045】上記の非共役ジエンとしては、特に限定さ
れず、例えば、シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジ
エン、メチルテトラヒドロインデン、5−ビニルノルボ
ルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチ
レン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−
ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル
−2−ノルボルネン等の環状ジエン類;1,4−ヘキサ
ジエン、1,6−オクタジエン、2−メチル−1,5−
ヘキサジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、7
−メチル−1,6−オクタジエン等の脂肪族ジエン類;
等が挙げられる。これらの中では、ジシクロペンタジエ
ン及び5−エチリデン−2−ノルボルネンが好ましい。
また、非共役ジエンは単独で又は2種以上を組み合わせ
て使用することが出来る。
【0046】成分(B)中のα−オレフィン単位含有量
は、通常10〜70重量%、好ましくは15〜60重量
%、好ましくは20〜55重量%であり、エチレン単位
含有量は、通常30〜90重量%、好ましくは40〜8
5重量%、更に好ましくは45〜80重量%である。α
−オレフィン単位含有量が少なすぎると得られる熱可塑
性樹脂組成物の耐衝撃性が劣る方向となり、一方、多す
ぎると耐候性が劣る方向となる。
【0047】成分(B)がエチレン・α−オレフィン・
非共役ジエン三元共重合体である場合、非共役ジエン単
位含有量は、エチレン・α−オレフィン系共重合体のゲ
ル化に関与し、それによって物性に影響を及ぼす傾向が
見られ、通常20重量%以下、好ましくは18重量%以
下、更に好ましくは15重量%以下である。
【0048】成分(B)のムーニー粘度(ML1+4、
100℃)は40〜110であるが、好ましくは45〜
80、更に好ましくは50〜80である。上記ムーニー
粘度が小さすぎると、熱可塑性樹脂組成物を用いて得ら
れる成形品の耐衝撃性、艶消し性が低下する。また、大
きすぎると、艶消しむらが生じやすくなり、均一な艶消
し面が得られにくくなる。
【0049】成分(B)のガラス転移温度(Tg)は、
通常−110〜20℃、好ましくは−85〜−20℃、
更に好ましくは−70〜−30℃である。上記Tgが低
すぎると成形加工性及び機械的強度が劣り、一方、高す
ぎると低温下の機械的強度が劣る。
【0050】成分(B)は、チーグラー型触媒を使用し
て製造されたものでも、メタロセン型触媒を使用して製
造されたものでもよい。
【0051】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、前記の成
分(A)及び成分(B)を含有するが、成分(A)10
0重量部に対する成分(B)の割合は、1〜70重量
部、好ましくは5〜65重量部、更に好ましくは5〜5
0重量部である。成分(B)の含有量が少なすぎると、
艶消し性が十分でなく、一方、多すぎると、機械的強度
が低下し、剥離等の不良現象が発生する。
【0052】また、前記の成分(A1)と(A2)とを
併用するする場合、成分(A1)100重量部に対する
成分(A2)の割合は、1〜70重量部、好ましくは5
〜65重量部、更に好ましくは5〜50重量部である。
成分(A2)の含有量が少なすぎる場合は耐衝撃性改良
効果が十分でなく、多すぎる場合は艶消し性が十分でな
い。
【0053】本発明の熱可塑性樹脂組成物のテトラヒド
ロフラン(THF)可溶分の重量平均分子量(Mw)
は、通常100,000以上、好ましくは100,00
0〜350,000であり、更に好ましくは100,0
00〜330,000である。上記重量平均分子量(M
wが)小さすぎると、熱可塑性樹脂組成物を使用して得
られる成形品の耐衝撃性および艶消し性が低下する。一
方、大きすぎると、艶消しむらが生じ易くなり、均一な
艶消し面が得られ難くなる。
【0054】また、上記可溶分の重量平均分子量(M
w)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、
通常2.5以上、好ましくは2.6〜5、更に好ましく
は2.8〜5である。(Mw/Mn)比が小さすぎると
艶消し性が低下する。一方、大きすぎると、耐衝撃性が
低下する。
【0055】本発明の熱可塑性樹脂組成物には、必要に
応じ、公知の添加剤を含有させることが出来る。その例
としては、難燃剤、抗菌剤、防カビ剤、紫外線吸収剤、
酸化防止剤、耐候(耐光)剤、可塑剤、着色剤(顔料、
染料など)、帯電防止剤などが挙げられる。
【0056】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、各種押出
機、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール、フィーダ
ールーダー等を使用し、各成分を混練することにより得
られる。好ましい製造方法は、押出機、バンバリーミキ
サーを使用する方法である。また、混練の際には、各成
分を一括して混練してもよく、数回に分けて添加混練し
てもよい。混練は、押出機で多段添加式で混練してもよ
く、また、バンバリーミキサー、ニーダー等で混練した
後、押出機でペレット化することも出来る。
【0057】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、射出成
形、シート成形、押出成形、真空成形、異形成形、発泡
成形、インジェクションプレス、プレス成形、ブロー成
形などによって、各種成形品に成形することが出来る
が、艶消し性に優れた成形品を得るにはシート成形が特
に好適である。本発明の熱可塑性樹脂組成物をシート成
形に供する場合のメルトフローレートは、通常0.5〜
10(g/10min.)、好ましくは1〜8(g/1
0min.)である。
【0058】本発明の熱可塑性樹脂組成物を使用して製
造された成形品は、その表面に艶消しむらがなく、ま
た、表面の光沢度は、通常20%以下、好ましくは18
%以下、更に好ましくは16%以下である。
【0059】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説
明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実
施例に何ら制約されるものではない。尚、実施例および
比較例において、「部」及び「%」は特に断らない限り
重量基準である。
【0060】<評価方法> (1)ガラス転移温度:示差走査熱量計装置を使用して
測定した。
【0061】(2)熱可塑性樹脂組成物のテトラヒドロ
フラン可溶分の分子量分布:表1に示す条件で熱可塑性
樹脂組成物のテトラヒドロフラン可溶分の重量平均分子
量(Mw)及び数平均分子量(Mn)を測定し、これら
の比(Mw/Mn)を求めた。
【0062】
【表1】 使用装置 :HPLC8020シリーズ(東ソー(株)製) カラム :TSK Gel G5000HHR + G3000HHR 溶離液 :THF 検出器 :示差屈折率計 前処理 :試料の0.02gを10mlの溶離液で溶解した後、0.45μ mのフィルターで濾過した。 分子量計算:標準ポリスチレン換算
【0063】(3)ムーニー粘度:JIS K6300
に準じて測定した。
【0064】(4)グラフト率:ゴム強化熱可塑性樹脂
の一定量(X)をアセトンに投入し、振とう機で2時間
振とうして不溶部分を含む溶液を得、この溶液を23,
000rpm、30分間遠心分離機で処理して不溶分を
回収し、得られた不溶分を120℃、1時間真空乾燥機
にて処理した後、その重量(y)を測定する。そして、
次の式によりグラフト率を算出する。
【0065】
【数1】グラフト率(%)=[(Y−X×ゴム強化熱可
塑性樹脂中のゴム成分率)/(X×ゴム強化熱可塑性樹
脂中のゴム成分率)]×100
【0066】(5)極限粘度[η]:試料をアセトン中
に投入し、振とう機で2時間振とうし、遊離の共重合体
を溶解させた。この溶液を遠心分離機を使用し、230
00rpmで30分間遠心分離し、アセトン可溶分を得
た。これを加熱、乾燥後、メチルエチルケトンに溶解さ
せ、30℃における極限粘度[η]を測定した。
【0067】(6)メルトフローレート(MFR):2
20℃、荷重10kgの条件下で測定した。単位はg/
10minである。
【0068】(7)耐衝撃性 射出成形機(シリンダー温度200℃、射出/保圧/冷
却=2/10/30(秒))で成形した1/4×1/2
インチの試験片にノッチを付け、ASTM D−256
に準じて測定した。単位はkg・cm/cmである。
【0069】(8)表面光沢:押出機を使用し、縦30
0mm、横50mm、厚さ1mmのストリップシートを
得、そのシート表面の光沢をASTM D−523(θ
=60°)に準じて測定した。単位は%である。
【0070】(9)艶消しむら:押出機を使用し、縦3
00mm、横50mm、厚さ1mmのストリップシート
を得、そのシート表面の艶消しむらを目視判定した。判
定基準は表2に示す通りである。
【0071】
【表2】 ◎:艶消しむらが認められない。 ○:艶消しむらが生じている面積が20%以下である。 △:艶消しむらの生じている面積が20〜80%であ
る。 ×:艶消しむらの生じている面積が80%以上である。
【0072】<ゴム強化熱可塑性樹脂(A1)の製造>
リボン型攪拌翼、助剤連続添加装置、温度計を備えた容
積20Lのステンレス製オートクレーブに、表3に示す
ゴム質重合体(B4)30部、スチレン49部、アクリ
ロニトリル21部、トルエン110部を仕込み、内温を
75℃に昇温して、オートクレーブ内容物を1時間攪拌
して均一溶液とした。その後、t−ブチルパーオキシイ
ソプロピルカーボネート0.45部を添加し、内温を更
に昇温して100℃とし、保持しながら攪拌回転数10
0rpmとして重合反応を行った。重合反応を始めて4
時間目から、内温を120℃に昇温し、この温度に保持
しながら更に2時間反応を行って終了した。内温を10
0℃まで降温した後、オクタデシル−3−(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)−プロピオ
ネート0.2部を添加した後、反応混合物をオートクレ
ーブより抜き出し、水蒸気蒸留により未反応物と溶媒を
留去し、細かく粉砕した後、40mmφベント付押出機
を使用し、シリンダー温度を220℃、真空度を700
mmHgとし、揮発分を脱揮させ、ゴム強化熱可塑性樹
脂をペレット化した。このゴム強化熱可塑性樹脂のアセ
トン可溶分の極限粘度〔η〕は0.4dl/gであっ
た。また、グラフト率は55%であった。
【0073】<ゴム強化熱可塑性樹脂(A2)の製造>
リボン型攪拌翼を備えた内容積10リットルのステンレ
ス製オートクレーブに、水添ブロック共重合体(旭化成
製、商品名「タフテックH1041」)を30部、メタ
クリル酸メチル50部、スチレン10部、アクリロニト
リル10部、トルエンを120部仕込み、攪拌により溶
解させ均一溶液を得た後、t−ブチルパーオキシイソプ
ロピルカーボネート0.5部、t−ドデシルメルカプタ
ン0.1部を添加し、攪拌を続けながら昇温し、100
℃に達した後は温度一定に制御しながら、攪拌回転数2
00rpmにて重合反応を行った。
【0074】反応を6時間行って終了した。重合転化率
は85%であった。また、グラフト率は42%であっ
た。アセトン可溶分の極限粘度〔η〕は0.41dl/
gであった。100℃まで冷却後、2,2−メチレンビ
ス−4−メチル−6−ブチルフェノール0.2部を添加
した後、反応混合物をオートクレーブより抜き出し、水
蒸気蒸留により、未反応物と溶媒を留去し、細かく粉砕
した後、40mmφの真空ベント付き押出機(220
℃、700mmHg真空)にて、実質的に揮発分を脱揮
させ、ペレットを得た。_
【0075】<エチレン・α−オレフィン系共重合体
(B1〜B4)>表3に示すエチレン・α−オレフィン
系共重合体(B1〜B4)を使用した。
【0076】
【表3】
【0077】<熱可塑性樹脂組成物の製造および評価> 実施例1 ゴム強化熱可塑性樹脂(A1)と表3に示すエチレン・
α−オレフィン系共重合体(B1)を表4に示す割合で
ペレット状態で混合した後、40mmφのベント付押出
機を使用し、シリンダー温度を220℃、真空度を70
0mmHgとし、揮発分を脱揮させ、熱可塑性樹脂組成
物をペレット化した。その後、各種評価を行った。結果
を表4に示す。
【0078】実施例2 実施例1において、エチレン・α−オレフィン系共重合
体(B1)を(B2)に変更した以外は、実施例1と同
様にして熱可塑性樹脂組成物を得、各種評価を行った。
結果を表4に示す。
【0079】比較例1 実施例1において、エチレン・α−オレフィン系共重合
体(B1)を(B3)に変更した以外は、実施例1と同
様にして熱可塑性樹脂組成物を得、各種評価を行った。
結果を表4に示す。
【0080】比較例2 実施例1において、エチレン・α−オレフィン系共重合
体(B1)を(B4)に変更した以外は、実施例1と同
様にして熱可塑性樹脂組成物を得、各種評価を行った。
結果を表4に示す。
【0081】実施例3 ゴム強化熱可塑性樹脂(A1)及び(A2)と表3に示
すエチレン・α−オレフィン系共重合体(B1)を表5
に示す割合でペレット状態で混合した後、40mmφの
ベント付押出機でシリンダー温度を220℃、真空度を
700mmHgとして、揮発分を脱揮させ、熱可塑性樹
脂組成物をペレット化した。その後、各種評価を行っ
た。結果を表5に示す。
【0082】実施例4 実施例3において、エチレン・α−オレフィン系共重合
体(B)を(B2)に変更した以外は、実施例3と同様
にして熱可塑性樹脂組成物を得、各種評価を行った。結
果を表5に示す。
【0083】実施例5 実施例3において、ゴム強化熱可塑性樹脂(A1)及び
(A2)と表3に示すエチレン・α−オレフィン系共重
合体(B2)を表5に示す割合でペレット状態で混合し
た後、40mmφのベント付押出機でシリンダー温度を
220℃、真空度を700mmHgとして、揮発分を脱
揮させ、熱可塑性樹脂組成物をペレット化した。その
後、各種評価を行った。結果を表5に示す。
【0084】比較例3 実施例3において、エチレン・α−オレフィン系共重合
体(B1)を(B3)に変更した以外は、実施例3と同
様にして熱可塑性樹脂組成物を得、各種評価を行った。
結果を表5に示す。
【0085】比較例4 実施例3において、エチレン・α−オレフィン系共重合
体(B1)を(B4)に変更した以外は、実施例3と同
様にして熱可塑性樹脂組成物を得、各種評価を行った。
結果を表5に示す。
【0086】
【表4】
【0087】
【表5】
【0088】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、加工性に
優れ、成形品の機械的強度および艶消し表面外観に優れ
る熱可塑性樹脂組成物が提供される。本発明の熱可塑性
樹脂組成物は、特に表面艶消しのシート成形品の成形材
料などとして有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 23:08) C08L 23:16 (C08L 101/00 23:16) (72)発明者 村木 博成 東京都中央区京橋一丁目18番1号 テクノ ポリマー株式会社内 (72)発明者 中川 友二 東京都中央区京橋一丁目18番1号 テクノ ポリマー株式会社内 Fターム(参考) 4J002 BB052 BB152 BC031 BC081 BC091 BN042 BP011

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成分(A)としてゴム強化熱可塑性樹
    脂、成分(B)としてムーニー粘度(ML1+4、10
    0℃)が40〜110のエチレン・α−オレフィン系共
    重合体を含有し、成分(A)100重量部に対する成分
    (B)の割合が1〜70重量部であることを特徴とする
    熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 成分(A)として、以下に記載のゴム質
    重合体(i)5〜80重量%の存在下、芳香族ビニル化
    合物5〜94重量%、シアン化ビニル化合物1〜90重
    量%、その他の共重合可能な化合物0〜89重量%(但
    し、各成分の合計は100重量%)を重合して得られる
    ゴム強化熱可塑性樹脂(A1)を用いる請求項1に記載
    の熱可塑性樹脂組成物。 <ゴム質重合体(i)> エチレン・α−オレフィン・(非共役ジエン)共重合体
  3. 【請求項3】 更に、他の成分(A)として、以下に記
    載のゴム質重合体(ii)5〜80重量%の存在下、芳香
    族ビニル化合物5〜94重量%、シアン化ビニル化合物
    1〜90重量%、その他の共重合可能な化合物0〜89
    重量%(但し、各成分の合計は100重量%)を重合し
    て得られるゴム強化熱可塑性樹脂(A2)を使用し、ゴ
    ム強化熱可塑性樹脂(A1)100重量部に対するゴム
    強化熱可塑性樹脂(A2)の割合が1〜70重量部であ
    る請求項2に記載の熱可塑性樹脂組成物。 <ゴム質重合体(ii)>芳香族ビニル化合物と共役ジエ
    ン化合物から成るブロック共重合体を水素添加して得ら
    れ、ブロック共重合体の数平均分子量(Mn)が5、0
    00〜1、000、000、重量平均分子量(Mw)と
    数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が10以下、
    ジエン部のビニル結合含有量が10〜90%であり、オ
    レフィン性不飽和結合の水素添加率が70%以上である
    水添ブロック共重合体。
  4. 【請求項4】 成分(A)100重量部と成分( B)
    1〜70重量部から成る熱可塑性樹脂組成物のテトラヒ
    ドロフラン可溶分の重量平均分子量(Mw)が1000
    00以上であり、該可溶分の重量平均分子量(Mw)と
    数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が2.5以
    上である請求項1〜3の何れかに記載の熱可塑性樹脂組
    成物。
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JP2021021026A (ja) * 2019-07-29 2021-02-18 テクノUmg株式会社 ゴム強化樹脂用の艶消剤、これを含有する熱可塑性樹脂組成物及び成形品

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