JP2003064050A - 新規な(メタ)アクリル酸エステルおよび当該(メタ)アクリル酸エステルを含む硬化型組成物 - Google Patents

新規な(メタ)アクリル酸エステルおよび当該(メタ)アクリル酸エステルを含む硬化型組成物

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JP2003064050A JP2001251743A JP2001251743A JP2003064050A JP 2003064050 A JP2003064050 A JP 2003064050A JP 2001251743 A JP2001251743 A JP 2001251743A JP 2001251743 A JP2001251743 A JP 2001251743A JP 2003064050 A JP2003064050 A JP 2003064050A
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Yoshiki Tsuge
好揮 柘植
Hidekazu Miyamoto
英和 宮本
Toshiaki Takahashi
俊章 高橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】取扱いが容易な化合物および当該化合物を含有
する組成物で、その硬化物は、硬化性、表面硬度および
耐熱性に優れ、硬化収縮率が小さいものを提供する。 【解決手段】式(1)で表されるジ(メタ)アクリル酸
エステル(式(1)中、Rは分岐があっても良い低級ア
ルキレン基であり、R1は水素原子またはメチル基であ
り、a+bの平均値は2〜10である)またはこれを含
む硬化型組成物。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、その硬化物が硬化
性、耐熱性および表面硬度に優れるジ(メタ)アクリル
酸エステルに関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従
来、(メタ)アクリル基を複数個有する(メタ)アクリ
ル酸エステルは、紫外線や電子線等の活性エネルギー線
硬化型組成物として、インキ、塗料およびレジスト分野
等で用いられている。一般にこれらの分野で(メタ)ア
クリル酸エステルに要求される物性は、速硬化性、高硬
度および高耐熱性である。
【0003】これまで硬化性の優れた(メタ)アクリル
酸エステルとして、ビスフェノール骨格を有する4,
4’−ジ(ヒドロキシフェニル)−2,2−プロパン
(ビスフェノールA)のアルキレンオキサイド付加体の
ジ(メタ)アクリル酸エステルがあったが、硬化物の耐
熱性が劣るという欠点がある。一方、3個以上の(メ
タ)アクリル基を有する(メタ)アクリル酸エステルは
耐熱性に優れるものの硬化収縮率が大きいという問題が
ある。
【0004】4,4’−ジ((メタ)アクリロイルオキ
シジエトキシフェニル)スルホンや4,4’−ジ((メ
タ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル)スルフィ
ド等の(メタ)アクリル酸エステルにおいてアルキレン
オキサイドの付加モル数が少ないものは、常温で固体で
あり取扱い易くない。本発明者らは、液体で取扱い易
く、その硬化物の硬化性、耐熱性および表面硬度が優れ
た(メタ)アクリル酸エステルを見出すため鋭意研究を
行ったのである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の問題を解決するた
め本発明者らは、種々の検討を行った結果、特定構造を
有する新規ジ(メタ)アクリル酸エステルが有効である
ことを見出し、本発明を完成させたのである。以下、本
発明を詳細に説明する。尚、本明細書においては、アク
リロイルまたはメタクリロイルを(メタ)アクリロイル
と、アクリル基またはメタクリル基を(メタ)アクリル
基と、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル
を(メタ)アクリル酸エステルと、アクリル酸またはメ
タクリル酸を(メタ)アクリル酸等と表す。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明は、式(1)で示されるジ
(メタ)アクリル酸エステル(式(1)中、Rは分岐が
あっても良い炭素数1〜6の低級アルキレン基であり、
好ましくは炭素数2〜4の分岐があっても良いアルキレ
ン基であり、R1は水素原子またはメチル基であり、a
およびbは、0から10までの整数で、a+bの平均値
は2〜10であり、好ましくは2〜4である)に関す
る。
【0007】
【化2】
【0008】本発明のジ(メタ)アクリル酸エステル
は、式(2)(式(2)中、Rは分岐があっても良い炭
素数1〜6の低級アルキレン基であり、好ましくは炭素
数2〜4の分岐があっても良いアルキレン基であり、a
およびbは、0から10までの整数で、a+bの平均値
は2〜10であり、好ましくは2〜4である)で表され
る化合物と(メタ)アクリル酸とをエステル化反応させ
ることにより得ることができる。
【0009】
【化3】
【0010】式(2)で表される化合物としては、例え
ば後記式(3)で表される2,4’−ジ(ヒドロキシエ
トキシフェニル)スルホンがある。この式(3)の化合
物は、後記式(4)で表される2,4’−ジ(ヒドロキ
シフェニル)スルホン(市販品としては、日華化学(株)
製BPS−24がある)とエチレンオキサイドより公知
の方法を用いて合成することができる。このとき、式
(4)の化合物1モルに対しエチレンオキサイドを3モ
ル以上用いれば、a+bが3以上のものが得られる。ま
た、このエチレンオキサイドの代わりにプロピレンオキ
サイドを用いれば、式(2)においてRの炭素数が3の
ものを得ることができる。このように、エチレンオキサ
イドまたはプロピレンオキサイド等のエポキシ化合物の
種類を変えたりモル数を変えることにより、式(2)で
表される化合物を得ることができる。
【0011】
【化4】
【0012】
【化5】
【0013】式(2)で表される化合物と(メタ)アク
リル酸とのエステル化反応の条件は、特に制約されるも
のではないが、一般的にp−トルエンスルホン酸や硫酸
等のエステル化触媒を用い、有機溶媒類の存在下、70
℃〜150℃の温度で反応させることにより得ることが
できる。このとき、ハイドロキノンのようなラジカル重
合禁止剤の存在下で行うのが好ましい。(メタ)アクリ
ル酸の使用割合は、式(2)で表される化合物1モルに
対して1〜5モルが好ましく、2.1〜4モルがより好
ましい。
【0014】前記のエステル化触媒としては、原料とし
て用いる(メタ)アクリル酸よりも酸性度が大きいもの
であれば特に制限されないが、好ましいものとしては、
塩酸、臭化水素酸、硫酸およびリン酸等の無機酸、ベン
ゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、トリクロロ
酢酸、シュウ酸およびギ酸等の有機酸またはそれらの
塩、陽イオン交換樹脂等の固体酸、塩化亜鉛、塩化ス
ズ、塩化第二鉄および塩化第二銅等のルイス酸、並びに
活性白土等を挙げることができる。これらの中でも、硫
酸、リン酸、p−トルエンスルホン酸またはp−トルエ
ンスルホン酸ナトリウムが好ましい。エステル化触媒の
使用量は、一般的なエステル化反応における使用量と同
じで良く、本発明の化合物1モルに対して、0.000
1〜0.2モルが好ましく、0.005〜0.1モルが
より好ましい。
【0015】上記ラジカル重合禁止剤としては、ラジカ
ルを捕捉しうる化合物であれば特に制限されないが、好
ましいものとして、ハイドロキノン、メトキシハイドロ
キノン、エトキシハイドロキノン、メチルハイドロキノ
ン、フェノチアジン、t−ブチルカテコールおよび次亜
リン酸等、従来より知られている通常のラジカル重合禁
止剤が使用可能である。これらのラジカル重合禁止剤は
単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。
通常は、(メタ)アクリル酸に対して10〜10000
ppmの範囲で使用することが好ましく、100〜50
00ppmがより好ましい。
【0016】上記有機溶媒としては、原料として使用さ
れる(メタ)アクリル酸と反応するもの、例えば、アル
コール類やアミン類等以外のものであれば、特に限定し
ない。しかし、本発明においては、反応の進行に伴って
生成する水を反応系外に留去することによって反応が促
進されることから、系内で生成した水を系外に容易に留
去できる溶媒、すなわち水に不溶でありなおかつ水と共
沸するような有機溶媒が好ましい。このようなものの例
としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、ジ
クロロエタン、トリクロロエタン、n−ヘキサンやn−
ヘプタン等を挙げることができる。これらの中で水と近
い沸点を有し水と共沸し、しかも安価で比較的環境への
負荷が少ないトルエンが特に好ましく使用できる。有機
溶媒の使用量は、特に限定されるものではないが、通常
は(メタ)アクリル酸と式(2)で表される化合物との
合計100質量部に対して、200質量部以下であり、
好ましくは50〜100質量部である。
【0017】エステル化反応は、通常70〜150℃、
好ましくは約100〜135℃の範囲で行われる。反応
は通常、常圧下で行われるが、用いる有機溶媒の沸点に
よっては、反応温度が合成に適した温度範囲内になるよ
うに加圧または減圧下で行っても良い。本発明において
反応時間は特に限定されるものではないが、通常、1〜
20時間の範囲で行われる。
【0018】エステル化反応終了後、反応混合物に水酸
化ナトリウム水溶液等のアルカリ水溶液を加えて反応系
中のエステル化触媒や未反応の(メタ)アクリル酸等を
中和した後に、有機溶媒層と水層とを分離し、得られた
有機溶媒層から有機溶媒を減圧留去するか、または得ら
れた有機溶媒層をそのまま、もしくは得られた有機溶媒
層を濃縮した後に、得られたジ(メタ)アクリル酸エス
テル含有有機溶媒に対しこの溶解性が低い溶媒を加えて
析出する方法によってジ(メタ)アクリル酸エステルを
回収することもできる。析出に用いる溶媒としては、メ
タノール、エタノールやイソプロパノール等の低級脂肪
族アルコール等が挙げられ、これら以外にもn−ヘキサ
ンやn−ヘプタン等のような非極性溶媒も使用できる。
これらは単独で用いても良いし、2種類以上を混合した
溶媒を用いても良い。
【0019】本発明のジ(メタ)アクリル酸エステル
は、その硬化物が硬化性、表面硬度および耐熱性に優
れ、また硬化時の収縮率が小さく、なおかつ液体のため
取扱いが容易であり、紫外線および電子線等の活性エネ
ルギー線ならびに熱による硬化型組成物の成分として有
用である。
【0020】本発明のジ(メタ)アクリル酸エステルま
たはこれを含む組成物は、活性エネルギー線の照射によ
り光ラジカル重合させて硬化させ、インキ、塗料および
レジスト分野等で使用することができる。活性エネルギ
ー線としては、可視光線、紫外線や電子線等を挙げるこ
とができる。特に特別な装置を必要とせず簡便であるた
め、可視光線または紫外線が好ましい。可視光線または
紫外線硬化型組成物とする場合は,組成物に光重合開始
剤を配合することができる。なお、電子線による硬化型
組成物とする場合は、重合開始剤を必ずしも配合する必
要はない。
【0021】光重合開始剤の具体例としては、ベンゾイ
ン、ベンゾインメチルエーテルおよびベンゾインプロピ
ルエーテル等のベンゾイン類;アセトフェノン、2,2
−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−
ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジ
クロロアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシル
フェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチ
オ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オ
ンおよびN,N−ジメチルアミノアセトフェノン等のア
セトフェノン類;2−メチルアントラキノン、1−クロ
ロアントラキノンおよび2−アミルアントラキノン等の
アントラキノン類;2,4−ジメチルチオキサントン、
2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサ
ントンおよび2,4−ジイソプロピルチオキサントン等
のチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール
およびベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベン
ゾフェノン、メチルベンゾフェノン、4,4’−ジクロ
ロベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベン
ゾフェノン、ミヒラーズケトンおよび4−ベンゾイル−
4’−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノ
ン類;並びに2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェ
ニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。これらの光
重合開始剤は、単独で使用しても2種以上を併用しても
良い。なお、光重合開始剤を配合する場合は、本発明の
ジ(メタ)アクリル酸エステル100質量部に対して、
0.05〜12質量部が好ましく、より好ましくは0.
1〜5質量部である。
【0022】光重合開始剤には、必要に応じて光増感剤
を併用することができる。光増感剤としては、N,N−
ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメ
チルアミノ安息香酸イソアミルエステル、トリエチルア
ミンおよびトリエタノールアミン等が挙げられる。
【0023】本発明のジ(メタ)アクリル酸エステルま
たはこれを含む組成物は、加熱硬化させ使用することも
できる。このとき、熱重合開始剤を配合してもよい。熱
重合開始剤としては、種々の化合物を使用することがで
き、特に有機過酸化物およびアゾ系開始剤等が好まし
い。有機過酸化物の具体例としては、1,1−ビス(t
−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5
−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキ
シルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−
ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘ
キサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロ
ヘキサン、2,2−ビス(4,4−ジ−ブチルパーオキ
シシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(t−ブチ
ルパーオキシ)シクロドデカン、t−ヘキシルパーオキ
シイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキ
シマレイン酸、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−ト
リメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレ
ート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(m−トルオイル
パーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロ
ピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ2−エチ
ルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシ
ベンゾエート、2,5−ジーメチル−2,5−ジ(ベン
ゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシア
セテート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタ
ン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、n−ブチル−
4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ジ
−t−ブチルパーオキシイソフタレート、α、α’−ビ
ス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、
ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−
ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミ
ルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、p
−メンタンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル
−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、
ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、t−
ブチルトリメチルシリルパーオキサイド、1,1,3,
3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメ
ンハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロパー
オキサイドやt−ブチルハイドロパーオキサイド等が挙
げられる。アゾ系化合物の具体例としては、1,1’−
アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2
−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、2−フェ
ニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニト
リル、アゾジ−t−オクタンやアゾジ−t−ブタン等が
挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上
を併用しても良い。また、有機過酸化物は、還元剤と組
み合わせることによりレドックス重合させることも可能
である。これら熱重合開始剤の使用量としては、本発明
のジ(メタ)アクリル酸エステルまたはこれを含む組成
物100質量部に対して、10質量部を超えないことが
好ましい。熱重合開始剤を用いる場合は、通常のラジカ
ル熱重合の常套手段にしたがって行えばよく、場合によ
っては光重合開始剤と併用し、光硬化させた後にさらに
反応率を向上させる目的で熱硬化を行うこともできる。
【0024】今まで述べてきたように、本発明のジ(メ
タ)アクリル酸エステルは、光ラジカル重合性モノマー
または熱ラジカル重合性モノマーとして単独で使用する
こともでき、また他のラジカル重合性モノマーと併用も
しくはその他成分と併用して組成物として使用すること
もできる。本発明のジ(メタ)アクリル酸エステルまた
はこれを含む組成物は、必要に応じてさらに顔料、染
料、離型剤、消泡剤、レベリング剤、光安定剤(例えば
ヒンダードアミン等)、酸化防止剤、重合防止剤、帯電
防止剤、密着性改良剤(例えば各種ポリマー類)、無機
フィラーおよび有機フィラー等を添加することもでき
る。本発明のジ(メタ)アクリル酸エステルまたはこれ
を含む組成物を活性エネルギー線硬化型組成物として使
用する場合、紫外線や電子線等の活性エネルギー線の照
射方法は一般的な方法を用いることができる。また、本
発明のジ(メタ)アクリル酸エステルまたはこれを含む
組成物を熱重合型組成物として使用する場合、一般的な
熱重合の方法を用いることができる。
【0025】
【実施例】次に実施例および比較例により本発明をさら
に具体的に説明する。なお,以下においての「部」は、
質量部を示す。
【0026】○実施例1 式(3)で表される化合物(日華化学(株)製、品名X
−0385)123部、アクリル酸63部、トルエン1
86部、p−トルエンスルホン酸7.4部、メチルハイ
ドロキノン0.2部をディーンスタークトラップ(水分
離器)、冷却管、温度計および攪拌棒を備えた500m
L容量の3つ口フラスコに仕込み、撹拌しながら加熱し
た。エステル化反応中の生成水はトルエンとともに共沸
させて除き、水が13.8部生成した時点で反応を停止
した。反応温度は120〜140℃であった。反応液
は、10%水酸化ナトリウム水溶液で中和した後、4%
硫酸アンモニウム水溶液で洗浄した。この洗浄した反応
液から溶媒を減圧除去し、式(5)で表されるアクリル
酸エステルを137部得た。
【0027】
【化6】
【0028】
【化7】
【0029】式(5)は室温において液体で、この粘度
(25℃)は610Pa・sであり、また合成反応中お
よび後処理の過程で結晶化することはなかった。式
(5)について高分解能核磁気共鳴(1H−NMR、2
70MHz)による測定を行なった結果を下記に示す
(この測定は、基準物質としてテトラメチルシランを用
い、溶媒は重クロロホルムを用いて測定した)。
【0030】 式(5)の1H−NMRデータ ppm 開裂状態 プロトン数 帰属 8.182−8.153(2重線) 1 i 7.916−7.910(2重線) 2 i’ 7.549−7.497(多重線) 1 g 7.154−7.097(3重線) 1 h 6.956−6.770(多重線) 3 f,f’ 6.517−6.407(2重線) 2 a,a’ 6.196−6.102(2重線) 2 c,c’ 5.925−5.847(2重線) 2 b,b’ 4.537−4.419(3重線) 4 d,d’ 4.264−4.197(多重線) 4 e,e’
【0031】○比較例1 式(6)で表される化合物(日華化学(株)製、品名SE
O−2)123部、アクリル酸63部、トルエン186
部、p−トルエンスルホン酸7.4部、メチルハイドロ
キノン0.2部をディーンスタークトラップ(水分離
器)、冷却管、温度計および攪拌棒を備えた500mL
容量の3つ口フラスコに仕込み、撹拌しながら加熱し
た。エステル化反応中の生成水はトルエンとともに共沸
させて除き、水が13.8部生成した時点で反応液を冷
却した。反応温度は120〜140℃であった。反応液
をトルエンで希釈した後、10%水酸化ナトリウム水溶
液で中和し、4%硫酸アンモニウム水溶液で洗浄した。
この洗浄した反応液から溶媒を減圧除去し、式(7)で
表されるアクリル酸エステルを192部得た。得られた
アクリル酸エステルは白色固体であった。式(7)につ
いて高分解能核磁気共鳴(1H−NMR、270MH
z)による測定を行なった結果を下記に示す(この測定
は、基準物質としてテトラメチルシランを用い、溶媒は
重クロロホルムを用いて測定した)。
【0032】
【化8】
【0033】
【化9】
【0034】 式(7)の1H−NMRデータ ppm 開裂状態 プロトン数 帰属 7.917−7.909(2重線) 4 g 6.886−6.768(2重線) 4 f 6.454−6.409(2重線) 2 a 6.158−6.088(2重線) 2 c 5.890−5.837(2重線) 2 b 4.540−4.487(3重線) 4 d 4.269−4.191(3重線) 4 e
【0035】○実施例2、比較例2および比較例3 紫外線硬化型組成物を調製し、この硬化処理を行って、
性能を評価した。表1の配合組成に従い(表において組
成欄の数字は質量部である)作製した組成物をバーコー
ターを用いて鉄板上に塗布(厚さ10μm)した。その
後、ランプ出力80W/cmの高圧水銀ランプを照射し
て(照射量93mJ/cm2)硬化させた。
【0036】
【表1】
【0037】○物性評価 表1により作製した組成物は、下記評価方法により、塗
布性、硬化性、鉛筆硬度、ガラス転移温度(以下Tgと
いう)および硬化収縮率等を測定し、この結果を表2に
記載した。
【0038】
【表2】
【0039】○評価方法 1)塗布性 調製した組成物をバーコーターを用いて厚さ10μmに
鉄板上に塗布したときの塗布性能を評価した。 2)硬化性試験 調製した組成物をバーコーターで鉄板上に塗布(厚さ1
0μm)した後、出力80W/cmの高圧水銀ランプを
照射し(照射量93mJ/cm2)、硬化するまでの照
射量(mJ/cm2)を求めた。 3)鉛筆硬度 硬化性試験で作製した硬化物の表面硬度をJIS K 5
400に準拠して測定した。 4)Tg 粘弾性スペクトルの測定により得られるtanδの値が
極大(振動周波数10Hz)となる温度をTgとした。 5)硬化収縮率 25℃における組成物の比重とその硬化物比重を測定
し、硬化収縮率を求めた。
【0040】上記表2の評価結果から明らかなように、
本発明のジ(メタ)アクリル酸エステルを用いた組成物
は、液状のため取扱いが容易であり、またその硬化物
は、硬化性、表面硬度および耐熱性に優れ、また硬化収
縮率が小さい。
【0041】
【発明の効果】本発明のジ(メタ)アクリル酸エステル
は、液状のため取扱いが容易であり、その硬化物の表面
硬度と耐熱性に優れ、また硬化収縮率が小さく、紫外線
や電子線等により硬化する組成物の成分として有用であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柘植 好揮 福井県福井市文京4丁目23番1号 日華化 学株式会社内 (72)発明者 宮本 英和 福井県福井市文京4丁目23番1号 日華化 学株式会社内 (72)発明者 高橋 俊章 福井県福井市文京4丁目23番1号 日華化 学株式会社内 Fターム(参考) 4H006 AA01 AB46 TA02 TB13 TB42 4J027 AC02 AC09 CB03 CB10 CD08 CD10 4J100 AL66P BA04P BA58P BC43P CA01 CA04 DA09 DA25 DA48 HA53 HC25 HC36 HC69 HC75 JA01 JA07 JA38

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1)で表されるジ(メタ)アク
    リル酸エステル。 【化1】 (式(1)中、Rは分岐があっても良い低級アルキレン
    基であり、R1は水素原子またはメチル基であり、a+
    bの平均値は2〜10である)。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のジ(メタ)アクリル酸
    エステルを含有することを特徴とする硬化型組成物。
  3. 【請求項3】 さらにラジカル重合開始剤を含有するこ
    とを特徴とする請求項2に記載の硬化型組成物。
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