JP2003062061A - 生体インプラント材料及びその製造方法 - Google Patents

生体インプラント材料及びその製造方法

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JP2003062061A
JP2003062061A JP2001252073A JP2001252073A JP2003062061A JP 2003062061 A JP2003062061 A JP 2003062061A JP 2001252073 A JP2001252073 A JP 2001252073A JP 2001252073 A JP2001252073 A JP 2001252073A JP 2003062061 A JP2003062061 A JP 2003062061A
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porous body
hydroxyapatite
film
bioimplant
bioimplant material
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JP2001252073A
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English (en)
Inventor
Terubumi Okada
光史 岡田
Tsunetoshi Okura
常利 大蔵
Hiromi Otsuka
洋美 大塚
Masaaki Hattori
昌晃 服部
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Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 早期に材料表面に新生骨を形成し得る生体イ
ンプラント材料及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 多孔質体と、水酸アパタイト皮膜とを備
える生体インプラント材料であって、上記多孔質体は、
径が10〜800μmの三次元骨格部と、該三次元骨格
部の間の径が2〜800μmの連通する気孔部とを有
し、上記皮膜は、特定の条件でX線を照射した場合に、
水酸アパタイトの(002)面に相当するX線回折ピー
クの半価幅(B)が0.17度以上であり、且つ上記
多孔質体の表面及び上記気孔部の壁面のうちの少なくと
も該多孔質体の表面の少なくとも一部に形成されてい
る。皮膜に10μm以下の幅の溝が形成されていれば、
材料表面と骨組織との密着性をより向上させることがで
きる。多孔質体がリン酸カルシウム系化合物からなる場
合、生体親和性に優れた材料とすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生体インプラント
材料及びその製造方法に関し、更に詳しくは、早期に材
料表面に新生骨を形成し得る生体インプラント材料及び
その製造方法に関する。本発明の生体インプラント材料
は、整形外科、形成外科、脳外科、口腔外科及び歯科等
の医療分野において人工骨補填部材として利用される。
【0002】
【従来の技術】従来、生体インプラント材料としては、
金属材料が用いられてきたが、近年では生体親和性の点
からセラミックスが注目され実用化されている。特に、
リン酸カルシウム化合物は生体親和性に優れ、その焼成
体は骨組織と化学的に結合される材料、或いは骨組織に
置換される材料であることが知られている。
【0003】本発明者らは、既に、生体親和性が高く、
且つ高強度なリン酸カルシウム焼成体の製造方法とし
て、特公昭60−50744号公報において、カルシウ
ム/リン原子比1.4〜1.75のリン酸カルシウム塩
を主体とする粉末に、焼成後のリン酸カルシウム焼成体
に対し0.5〜15質量%のアルカリ土類金属酸化物−
リン酸系フリットを含有せしめ焼成する方法を提案し
た。この方法により生体親和性に優れ且つ機械的強度の
高い生体インプラント材料が得られた。これらのインプ
ラント材料を生体内に移植した場合、骨組織と化学的に
結合し、高強度のため容易に破損することがなく、良好
な結果を示した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これらの材料は生体親
和性が良好で、生体内に埋入すると、その表面に骨類似
のアパタイト皮膜が形成され、それを介して新生骨が形
成される。しかし、実際に材料表面に新生骨が形成され
るまでには、数週間から数ヶ月ほどの時間を要するた
め、より短時間(例えば数日間)で新生骨が形成され、
早期治癒が期待できる生体インプラント材料が望まれて
いる。本発明は、上記課題を解決するものであり、早期
に材料表面に新生骨を形成し得る生体インプラント材料
及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の生体インプラン
ト材料は、多孔質体と、水酸アパタイト皮膜とを備える
生体インプラント材料であって、上記多孔質体は、径が
10〜800μmの三次元骨格部と、該三次元骨格部の
間の径が2〜800μmの連通する気孔部とを有し、上
記皮膜は、下記の条件でX線を照射した場合に、水酸ア
パタイトの(002)面に相当するX線回折ピークの半
価幅(B)が0.17度以上であり、且つ上記多孔質
体の表面及び上記気孔部の壁面のうちの少なくとも該多
孔質体の表面の少なくとも一部に形成されていることを
特徴とする。X線源;CuKα線、発散スリット;1
度、散乱スリット;1度、受光スリット;0.3mm、
走査速度;4度/分、走査ステップ;0.02度、X線
出力;40kV、100mA
【0006】また、上記皮膜に10μm以下の幅の溝が
形成されている生体インプラント材料とすることができ
る。更に、上記多孔質体が、リン酸カルシウム系化合物
からなる生体インプラント材料とすることができる。ま
た、上記リン酸カルシウム系化合物が、水酸アパタイト
及び第三リン酸カルシウムの少なくとも一方である生体
インプラント材料とすることができる。更に、上記多孔
質体が、アルミナ系セラミックス、ジルコニア系セラミ
ックス、アルミナ/ジルコニア混合系セラミックスから
選ばれる少なくとも1種を含む生体インプラント材料と
することもできる。
【0007】本発明の生体インプラント材料の製造方法
は、平均粒径5μm以下の粉末を用いてなる粒径10〜
800μmの顆粒からなる多孔質体原料と、粒径2〜1
600μmの可燃性粒子とを混合し、その後、上記多孔
質体原料が圧壊しない圧力で成形し、次いで、焼成して
多孔質体を形成し、その後、該多孔質体を水酸アパタイ
ト結晶が析出し得る成分を含有する溶液に浸漬し、次い
で、取り出して乾燥し、上記多孔質体の表面及び気孔部
の壁面のうちの少なくとも該多孔質体の表面の少なくと
も一部に、請求項1記載の条件でX線を照射した場合
に、水酸アパタイトの(002)面に相当するX線回折
ピークの半価幅(B)が0.17度以上である、水酸
アパタイト皮膜を形成することを特徴とする。
【0008】また、上記多孔質体に水酸アパタイト結晶
が析出し得るサイトを導入した後、上記溶液に浸漬する
ことができる。更に、上記多孔質体を、カルシウム又は
リンを含む第1溶液に浸漬した後、取り出して乾燥し、
次いで、上記第1溶液に含まれる上記カルシウム又は上
記リンと反応してリン酸カルシウム系化合物を生成し得
る元素を含み、且つpHが8以上の第2溶液に浸漬し、
上記サイトを導入することができる。また、上記多孔質
体を、上記溶液に浸漬した後、取り出し、次いで、30
℃以上の温度で乾燥することができる。
【0009】
【作用】生体活性な材料を生体内に埋入すると、その表
面に骨類似の水酸アパタイトの薄い層が形成され、その
層を介して新生骨が形成される。本発明の生体インプラ
ント材料における多孔質体の表面及び気孔部の壁面に形
成される水酸アパタイト皮膜は、水酸アパタイトの(0
02)面に相当するX線回折ピークの半価幅が0.17
度以上の低結晶性水酸アパタイトを含み、その組成は生
体活性な材料を生体内に埋入した際にその表面に形成さ
れる骨類似の水酸アパタイトとほぼ同じである。このた
め、上記皮膜が形成された材料を生体内に埋入すると、
直ちに新生骨の形成が始まる。特に、本発明のように比
較的大きな気孔が連通している多孔質体に皮膜が形成さ
れている場合は、多孔質体の気孔部の壁面まで皮膜が形
成されていることがあり、この場合、多孔質体の表面だ
けでなく気孔部の壁面まで早期に新生骨が形成される。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳しく説明
する。本発明の生体インプラント材料において、多孔質
体は径が10〜800μmの三次元骨格部と、該三次元
骨格部の間の径が2〜800μmの連通する気孔部とを
有する。特に、本発明の方法により製造した場合、この
多孔質体は10〜800μmの径を有する粒子が連結さ
れてなる充填部(三次元骨格部)と、2〜800μmの
径を有する気孔が連結されてなる連通部(気孔部)とを
有する。三次元骨格部は10〜800μmの径を有し、
50〜500μmの径を有することが好ましい。径が1
0μm未満の場合、好ましい気孔部が形成され難く、生
体親和性に劣るため好ましくない。一方、径が800μ
mを超える場合、多孔質体の強度が著しく低下し、指で
擦る程度で多孔質体の一部が脱落してしまい、生体内に
埋入する際の操作性が悪くなるため好ましくない。
【0011】気孔部は2〜800μmの径を有し、50
〜500μmの径を有することが好ましい。径が2μm
未満の場合、三次元的に連通した気孔部が得られにくく
なるため好ましくない。一方、径が800μmを超える
場合、気孔同士の連通性に乏しく、良好な気孔構造が形
成されないとともに、極めて大きな気孔が形成され、多
孔質体の強度が著しく低下し、指で触る程度で粒子の脱
落や潰れが発生するため好ましくない。
【0012】多孔質体を形成する成分としては、特に限
定されないが、セラミックスが生体親和性の点から好ま
しく、例えば、(1)アルミナ系、ジルコニア系、アル
ミナ/ジルコニア系のセラミックス、(2)水酸アパタ
イト、第三リン酸カルシウム等のリン酸カルシウム系化
合物(セラミックス)等が挙げられる。これらのセラミ
ックスは、アルミナ、ジルコニア等の主成分以外に、シ
リカ、マグネシア、カルシア、イットリア等の焼結助剤
由来の成分、ガラス成分などを含んでいてもよい。これ
らは、単独で含まれていてもよいし、2種以上が混合し
て含まれていてもよい。
【0013】なかでも、多孔質体の成分がリン酸カルシ
ウム系化合物であれば、結晶構造が水酸アパタイト皮膜
の結晶構造と類似しており、本発明の生体インプラント
材料を製造する際に、後述する水酸アパタイト結晶を析
出させるためのサイトの導入を行うことなく、容易に水
酸アパタイト皮膜を多孔質体表面等に形成させることが
できるため好ましく、経済的にも有利である。特に、多
孔質体の成分が水酸アパタイト及び第三リン酸カルシウ
ムの少なくとも一方であることが好ましく、水酸アパタ
イト及び第三リン酸カルシウムが共に含まれていると生
体親和性に極めて優れるため、より好ましい。
【0014】水酸アパタイト皮膜は、前記の条件で、皮
膜にX線を照射した場合、水酸アパタイトの(002)
面に相当するX線回折ピークの半価幅(B)は0.1
7度以上(好ましくは0.2度以上、より好ましくは
0.25度以上)である。この半価幅が0.17度未満
の場合、結晶性、溶解性等の点で生体内で形成される骨
組織との性質が大きく異なり、活性が不十分で早期に骨
組織が形成されないため好ましくない。尚、本発明にお
ける半価幅とは、前記の条件でX線を多孔質体等の対象
物に照射したときに得られる水酸アパタイトの(00
2)面に相当するX線回折ピークの強度の半分の位置に
おけるピークの幅を角度で表したものである。
【0015】また、水酸アパタイト皮膜には、生体内に
おける骨組織の早期形成が阻害されない限り、リン酸八
カルシウム等の水酸アパタイト以外の成分が含まれてい
てもよい。この皮膜は、多孔質体の表面及び気孔部の壁
面のうちの少なくとも多孔質体の表面の少なくとも一部
に形成されており、特に、多孔質体の表面及び気孔部の
壁面の両方に形成されることが好ましい。皮膜の膜厚は
0.1〜100μmであることが好ましく、1〜50μ
mがより好ましい。この膜厚が0.1μm未満の場合、
生体内に埋入した際に、すぐに皮膜が溶解してしまい、
高活性な状態が保持できないことがある。一方、100
μmを超える場合、皮膜が多孔質体から容易に剥がれ落
ちてしまうことがある。
【0016】この皮膜に10μm以下の幅の溝が形成さ
れていることが好ましく、より好ましくは5μm以下の
幅の溝である。この溝が形成されている場合、新生骨と
皮膜との密着性が向上するため好ましい。溝の断面形状
は、特に限定されないが、例えば、V字形状、凹形状等
が挙げられる。また、溝の深さは、特に限定されるもの
ではない。
【0017】本発明の生体インプラント材料の製造方法
において、多孔質体原料は、粉末を用いてなる顆粒から
なる。この粉末としては、前記の多孔質体を形成する成
分の粉末を用いることができる。特に、セラミックス粉
末とガラス粉末との混合物からなる液相焼結可能な粉末
が好ましく、なかでも、水酸アパタイト粉末とリン酸カ
ルシウム系ガラス粉末との混合粉末が好ましい。この場
合、ガラス粉末が焼成中に液相を生成し、微細な水酸ア
パタイト粉末間の接合を著しく促進させ、強固に連結し
た多孔質体の三次元骨格部を形成することができる。粉
末の平均粒径は5μm以下であり、3μm以下であると
多孔質体の強度が更に向上するため好ましい。平均粒径
が5μmを超える場合、粒子間の接合が促進されず、焼
成体の一部が脱落してしまったり、強固な三次元構造を
有する多孔質体が得られないため好ましくない。
【0018】また、顆粒は略球状であることが好まし
い。この場合、顆粒の充填性、顆粒間の接触性が良好と
なり、焼成時に顆粒間の接合を促進し、高い気孔率と優
れた機械的強度が得られ、且つ生体内に埋入する際の操
作性に優れる多孔質体が得られる。更に、この顆粒は2
μm以下の径を有する穴又は孔が形成されていることが
好ましい。この場合、多孔質体表面に形成される皮膜と
の密着性が向上する。
【0019】顆粒は粒径10〜800μmであり、粒径
50〜500μmであることが好ましい。この粒径が1
0μm未満の場合、連通性の良好な気孔構造が得られな
いことがある。一方、800μmを超える場合、多孔質
体の強度が著しく低下し、指で触る程度で粒子が脱落す
ることがある。
【0020】顆粒を形成する方法は、特に制限されない
が、一旦、乾式プレス成形した成形体を粉砕したもの、
或いは、スプレードライヤを用いた噴霧乾燥法により得
られたものを、篩いにかけ、所望の粒子径のものを得る
方法等が挙げられる。特に、噴霧乾燥法を用いた方法が
好ましく、この場合、顆粒が略球状となるため充填性が
著しく向上し、粒子が連結されてなる三次元骨格部が得
られやすくなる。具体的には、粉末にポリエチレンオキ
サイド或いはエマルジョン型アクリル系バインダ等の有
機バインダ、分散剤、水等を加えて粘度0.005〜
0.03Pa・sのスラリーを調製し、スプレードライ
ヤで10〜800μmの顆粒に造粒する。この際、スプ
レードライヤの操作条件(スラリーの濃度、スピンドル
の回転速度、乾燥温度等)により目的とする生体インプ
ラント材料の構造に適した顆粒の粒子径に制御すること
ができる。得られた顆粒は篩い分けにより、更に所望の
粒子径に調整される。尚、スプレードライヤの条件によ
っては顆粒内に空洞ができる場合もあるが、そのまま使
用することができる。
【0021】可燃性粒子は、焼成した際、燃焼又は昇華
して除去され、多孔質体の特定の気孔構造を形成するも
のである。可燃性粒子としては、燃焼又は昇華により除
去可能な有機物質であれば特に限定されない。例えば、
炭素粉末、有機系樹脂粉末(アクリル系樹脂、ポリスチ
レン系樹脂、ポリエチレン系樹脂及びポリイソブチルメ
タクリレート系樹脂等)、昇華性化合物(テオブロミ
ン、カフェイン及びテオフィリン等のキサンチン誘導体
など)等を挙げることができる。
【0022】可燃性粒子の粒径は、2〜1600μmで
あり、好ましくは10〜1000μm、より好ましくは
50〜500μmである。粒径が2μmより小さい場
合、気孔の量が増加するのみで、2μm以上の大きな気
孔が三次元的に連通した気孔部が得られないので好まし
くない。一方、1600μmを超える場合、気孔同士の
連通性に乏しく良好な気孔構造が得られない。更に、1
000μmを超える極めて大きな気孔が形成され、多孔
質体の強度が著しく低下し、指で触る程度で粒子の脱落
や潰れが生じるため好ましくない。また、可燃性粒子は
略球状であることが好ましい。この場合、強固な三次元
骨格部を有する多孔質体を得ることができる。更に、顆
粒及び可燃性粒子が共に略球状であることが好ましい。
この場合、これらの充填性、接触性が良好となり、焼成
後の多孔質体の強度が向上すると共に、良好な気孔構造
を得ることができる。
【0023】また、可燃性粒子の直径(S1)と、顆粒
の直径(S2)との比率(S1/S2)が0.2〜5
(より好ましくは0.5〜2)であることが好ましい。
この範囲とすることで、より良好な気孔構造を得ること
ができる。
【0024】多孔質体は、多孔質体原料と可燃性粒子と
を混合し、多孔質体原料が圧壊しない圧力で成形し、焼
成して形成される。成形は、金型プレス、ラバープレス
及び水中プレス等により行われ、この際の成形圧は0.
1〜20MPa(より好ましくは1〜18MPa、更に
好ましくは5〜16MPa)であることが好ましい。成
形圧が0.1MPa未満の場合、粒子の充填が不十分と
なり、焼成時の粒子間の接合が十分でなく、低強度とな
り、焼成体の一部が脱落し易く、且つ生体内に埋入する
際の操作性の低い多孔質体となり、切削加工に耐えられ
ないことがある。一方、20MPaを超える場合、顆粒
が押し潰され圧壊してしまい、得られる多孔質体の気孔
の連通性が低下し、水酸アパタイト皮膜が気孔部の壁面
まで形成されにくくなることがある。この成形時の圧力
は、顆粒の機械的強度、即ち、粉末の粒径や顆粒の調製
条件に依存するため、適宜選定して行うことが好まし
い。また、圧力を変化させ先行試験をすることで、適し
た成形圧力を容易に決定することができる。
【0025】焼成は、まず100〜500℃に加熱して
可燃性粒子を燃焼除去し、更に温度を上げて、顆粒内、
顆粒間の接合を促進させることにより粒子間の結合を強
固にし、目的とする多孔質体が得られる。この焼成温度
は用いる原料組成に依存し、例えばアルミナ系セラミッ
クスでは1200〜1650℃、ジルコニア系セラミッ
クスでは1100〜1800℃、アルミナ/ジルコニア
系セラミックスでは1200〜1700℃である。ま
た、リン酸カルシウム系化合物(セラミックス)では9
00〜1400℃である。それぞれの組成系において、
焼成温度が所定の温度未満の場合、粒子間の接合が促進
されず、高強度の三次元骨格部を有する多孔質体が得ら
れないことがある。一方、焼成温度が所定の温度を超え
る場合、粒子を連結させた三次元骨格部が崩壊してしま
うことがある。
【0026】水酸アパタイト皮膜は、多孔質体を水酸ア
パタイト結晶が析出し得る成分を含有する溶液に浸漬
し、取り出し、乾燥して形成される。水酸アパタイト結
晶が析出し得る成分とは、カルシウムイオン及びリン酸
イオン等である。溶液はこれらの成分を、通常、飽和濃
度乃至過飽和濃度で含有している。この溶液の溶媒とし
ては、通常、水が用いられるが、本発明の効果を阻害し
ない限り、その他の溶媒を混合して用いてもよい。乾燥
は、30℃以上で行われることが好ましく、50℃以上
がより好ましい。乾燥温度が30℃未満の場合、皮膜に
10μm以下の幅の溝が形成されにくくなる。
【0027】また、多孔質体がアルミナやジルコニア等
の材料からなっている場合、そのままでは水酸アパタイ
ト結晶が析出されにくいため、多孔質体を溶液に浸漬す
る前に、水酸アパタイト結晶が析出可能なサイトの導入
を行うことが好ましい。サイトとは、水酸アパタイト結
晶の析出を促進する反応場である。このサイトを多孔質
体に導入することで、水酸アパタイト結晶はサイトを起
点として析出し、より高純度の水酸アパタイト皮膜が多
孔質体の表面及び気孔部の壁面のうちの少なくとも多孔
質体の表面の少なくとも一部に形成される。このサイト
の導入方法としては、カルシウム又はリンを含む第1溶
液に浸漬した後、取り出して乾燥し、次いで、第1溶液
に含まれるカルシウム又はリンと反応してリン酸カルシ
ウム系化合物を形成し得る元素を含み、且つpHが8以
上の第2溶液に浸漬する方法が挙げられる。
【0028】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明をより
詳しく説明する (実施例1)平均粒径0.6μmの水酸アパタイト粉末
と、5質量%のリン酸カルシウム系ガラスフリット(C
aO−Pが90モル%以上)からなる混合粉末を
用いて、これにポリエチレンオキサイド系のバインダを
添加し、水系のスラリーを調製した。その後、このスラ
リーを用いて、スプレードライヤにより造粒して略球状
の顆粒とし、分級により平均粒径200μmの顆粒を得
た。次いで、可燃性粒子として粒子径200μmの略球
状のアクリル系粒子を用いて、顆粒75質量%、可燃性
粒子25質量%の割合で乾式混合し、多孔質体原料を調
製した。その後、多孔質体原料を金型プレスを用いて1
5MPaの成形圧で成形し、20×15×5mmの角柱
状の成形体を得た。次いで、成形体を電気炉にて300
℃/時間で昇温し、1300℃で3時間保持して焼成を
行い、約200μmの径の気孔を有する多孔質体を作製
した。また、X線回折測定で多孔質体表面の結晶相を同
定した。その結果を図1に示す。尚、X線回折測定は、
理学電気工業社製「RU−200T」X線回折装置を使
用し、前記の条件にて行った。図1によれば、多孔質体
表面の結晶相は全て第三リン酸カルシウム及び水酸アパ
タイトの複合結晶相となっていた。
【0029】その後、表1に示す組成の水溶液(塩酸及
びトリスヒドロキシアミノメタンでpH7.4に調整)
を調製し、上記多孔質体をこの水溶液350ml中に3
7℃で7日間浸漬した。次いで、取り出して水洗し、4
0℃で2時間乾燥した。そして、水溶液に浸漬前の多孔
質体と、浸漬後の多孔質体との重量を測定した。その結
果、浸漬前と比べて、多孔質体1gに対して約0.01
5gの重量増加が見られた。
【0030】
【表1】
【0031】次いで、多孔質体及び気孔内を走査型電子
顕微鏡により観察した。その結果を図2に示す。図2に
よれば、多孔質体には厚み約5μmの皮膜が形成されて
おり、皮膜の所々に2μm程度の幅の溝が形成されてい
た。更に、皮膜が形成された多孔質体(以後、皮膜形成
品という。)の皮膜をX線回折測定により上記の条件に
て測定した。その結果を図3に示す。図3によれば、こ
の皮膜は、水酸アパタイトであることが確認でき、重量
の増加分は水酸アパタイト皮膜であることが分かった。
【0032】そして、水酸アパタイト皮膜及び多孔質体
において、水酸アパタイトの(002)面(2θ=2
5.9度)に相当する回折強度を上記の条件によるX線
回折測定により求めた。その結果、水酸アパタイト皮膜
の、水酸アパタイトの(002)面に相当するX線回折
ピークの半価幅(B)は0.30度であり、この皮膜
形成品は低結晶性水酸アパタイト皮膜を備えていること
が分かった。また、多孔質体の半価幅(B)は0.1
6度であった。
【0033】次に、皮膜形成品を表2に示す組成の水溶
液(塩酸及びトリスヒドロキシアミノメタンでpH7.
4に調整)250mlに37℃で3日間浸漬した(水溶
液は毎日新鮮なものに交換した)。尚、一般に、表2に
示される組成の水溶液は、材料の生体活性を調べる際に
用いられる溶液であり、この溶液に材料を浸漬し、その
材料表面に水酸アパタイトが形成された場合は、その材
料を生体内に埋入した際に、材料表面には骨組織が形成
され得ると判断される。
【0034】
【表2】
【0035】上記水溶液に浸漬後、皮膜形成品及び気孔
内を走査型電子顕微鏡にて観察したところ、水酸アパタ
イトが形成されており、この水酸アパタイトの形成によ
り、皮膜形成品1gに対して約0.0028gの重量増
加が確認された。上記のことより、この皮膜形成品(生
体インプラント材料)を生体内に埋入した場合、材料表
面に新生骨が早期に形成されることが示唆される。
【0036】(比較例1)実施例1と同様に作製した多
孔質体を表1に示す溶液には浸漬せず(皮膜形成せず)
に生体インプラント材料とし、実施例1と同様にして表
2に示す水溶液250ml中に37℃で3日間浸漬し
た。その結果、多孔質体及び気孔内には、水酸アパタイ
トが形成されていたが、その重量増加は多孔質体1gに
対して約0.0008gであった。この増加量は、実施
例1の皮膜形成品に対して約29%、また後記の実施例
2の皮膜形成品に対して約27%であり、かなり少ない
ものであった。また、比較例1の多孔質体における水酸
アパタイトの(002)面に相当するX線回折ピークの
半価幅を実施例1と同様にして測定した結果、多孔質体
の半価幅(B)は0.16度であった。
【0037】(比較例2)比較例1と同様にして作製し
たインプラント材料を用い、表2に示す水溶液への浸漬
を3日間から7日間に変更した。その結果、多孔質体及
び気孔内には、水酸アパタイトが形成されていたが、そ
の重量増加は多孔質体1gに対して約0.0014gで
あった。この増加量は、実施例1の皮膜形成品に対して
約50%、また後記の実施例2の皮膜形成品に対して約
47%であり、少ないものであった。また、比較例2の
多孔質体における水酸アパタイトの(002)面に相当
するX線回折ピークの半価幅を実施例1と同様にして測
定した結果、多孔質体の半価幅(B)は0.16度で
あった。
【0038】上記のことから、水酸アパタイト皮膜が形
成されていない生体インプラント材料(比較例1及び
2)を生体内で用いた場合、材料表面に十分な骨組織が
形成されるまでには長期間を要することが示唆される。
【0039】(実施例2)実施例1と同様にして作製し
た多孔質体を用いて、表1に示す水溶液350ml中に
37℃で2週間浸漬した(水溶液は1週間後に、新しい
ものに一度取り替えた)。その後、取り出して、水洗
し、60℃で2時間乾燥した。このとき、浸漬前と浸漬
後とでは多孔質体1gに対して約0.03gの重量増加
が見られた。次いで、実施例1と同様にして走査型電子
顕微鏡により観察した結果、2μm程度の幅の溝を所々
に有する、厚み約10μmの皮膜が形成されていること
が確認された。また、X線回折測定を行った結果、その
皮膜は水酸アパタイト皮膜であることが確認された。そ
の後、この皮膜形成品を実施例1と同様にして、表2に
示す水溶液250ml中に37℃で3日間浸漬した後、
走査型電子顕微鏡により観察した結果、皮膜形成品及び
気孔内に水酸アパタイトが形成されており、この水酸ア
パタイトの形成により、皮膜形成品1gに対して約0.
0030gの重量増加が確認された。上記のことより、
この皮膜形成品(生体インプラント材料)を生体内に埋
入した場合、材料表面に新生骨が早期に形成されること
が示唆される。
【0040】そして、実施例1と同様にして、水酸アパ
タイト皮膜及び多孔質体において、水酸アパタイトの
(002)面に相当する回折強度の半価幅をそれぞれ求
めた。その結果、水酸アパタイト皮膜の(002)面に
相当するX線回折ピークの半価幅(B)は0.40度
であった。また、多孔質体の半価幅(B)は0.16
度であった。
【0041】(実施例3)平均粒径1.2μmのアルミ
ナ系セラミックス粉末を用いた以外は、実施例1と同様
にして多孔質体を作製した。その後、得られた多孔質体
を、塩化カルシウムを50mmol/Lの濃度で含有す
る第1溶液に1時間浸漬した。次いで、多孔質体を取り
出して、余剰な水分を切り、温度60℃で乾燥させた。
その後、リン酸水素二カリウムを50mmol/Lの濃
度で含有し、且つpHが約8.9である第2溶液に1時
間浸漬した。次いで、多孔質体を取り出して、余剰な水
分を切り、水洗した後に、温度60℃で乾燥させること
で、水酸アパタイト結晶が成長し得るサイトを導入し
た。
【0042】その後、実施例1と同様にして、表1に示
す組成の水溶液350ml中に上記多孔質体を37℃で
7日間浸漬した後、取り出して、水洗し、80℃で乾燥
した。このとき、浸漬前と浸漬後とではアルミナ多孔質
体1gに対して約0.015gの重量増加が見られた。
次いで、実施例1と同様にして走査型電子顕微鏡により
観察した結果、2μm程度の幅の溝を所々に有する、厚
み約12μmの水酸アパタイト皮膜が形成されているこ
とが確認された。また、X線回折測定の結果、その皮膜
は水酸アパタイト皮膜であることが確認された。その
後、この皮膜形成品を実施例1と同様にして、表2に示
す水溶液250ml中に37℃で3日間浸漬した後、走
査型電子顕微鏡により観察した結果、皮膜形成品及び気
孔内に水酸アパタイトが形成されており、この水酸アパ
タイトの形成により、皮膜形成品1gに対して約0.0
041gの重量増加が確認された。
【0043】そして、実施例1と同様にして、水酸アパ
タイト皮膜及び多孔質体において、水酸アパタイトの
(002)面に相当する回折強度の半価幅をそれぞれ求
めた。その結果、水酸アパタイト皮膜の(002)面に
相当するX線回折ピークの半価幅(B)は0.24度
であった。また、多孔質体は、アルミナ系多孔質体であ
るため水酸アパタイトの(002)面に相当するピーク
は有していなかった。上記のことより、この皮膜形成品
(生体インプラント材料)を生体内に埋入した場合、材
料表面に新生骨が早期に形成されることが示唆される。
【0044】(実施例4)平均粒径0.7μmのジルコ
ニア系セラミックス粉末を用いた以外は実施例3と同様
にして多孔質体を作製し、サイトを導入した。その後、
実施例1と同様にして、表1に示す組成の水溶液350
ml中に上記多孔質体を37℃で7日間浸漬した後、取
り出して水洗し、50℃で乾燥した。このとき、浸漬前
と浸漬後とではジルコニア系多孔質体1gに対して約
0.015gの重量増加が見られた。次いで、実施例1
と同様にして走査型電子顕微鏡により観察し、X線回折
測定を行った結果、2μm程度の幅の溝が所々に有す
る、厚み約9μmの皮膜が形成されており、その皮膜は
水酸アパタイト皮膜であることが確認された。その後、
この皮膜形成品を実施例1と同様にして、表2に示す水
溶液250ml中に37℃で3日間浸漬した後、走査型
電子顕微鏡により観察した結果、皮膜形成品及び気孔内
に水酸アパタイトが形成されており、この水酸アパタイ
トの形成により、皮膜形成品1gに対して約0.003
5gの重量増加が確認された。
【0045】そして、実施例1と同様にして、水酸アパ
タイト皮膜及び多孔質体において、水酸アパタイトの
(002)面に相当する回折強度の半価幅をそれぞれ求
めた。その結果、水酸アパタイト皮膜の(002)面に
相当するX線回折ピークの半価幅(B)は0.26度
であった。また、多孔質体は、ジルコニア系多孔質体で
あるため水酸アパタイトの(002)面に相当するピー
クは有していなかった。上記のことより、この皮膜形成
品(生体インプラント材料)を生体内に埋入した場合、
材料表面に新生骨が早期に形成されることが示唆され
る。
【0046】(比較例3)実施例3と同様にして、サイ
トを導入したアルミナ多孔質体を作製し、表1に示す溶
液には浸漬せず(皮膜形成せず)に生体インプラント材
料とし、表2に示す水溶液250ml中に37℃で7日
間浸漬した。その結果、多孔質体及び気孔内に水酸アパ
タイトは形成されていなかった。
【0047】(比較例4)実施例4と同様にして、サイ
トを導入したジルコニア多孔質体を作製し、表1に示す
溶液には浸漬せず(皮膜形成せず)に生体インプラント
材料とし、表2に示す水溶液250ml中に37℃で7
日間浸漬した。その結果、多孔質体及び気孔内に水酸ア
パタイトは形成されていなかった。
【0048】上記のように、水酸アパタイト皮膜が形成
されていない生体インプラント材料(比較例3及び4)
は、表2に示す溶液に7日間浸漬されても水酸アパタイ
トは形成されず、これらの材料を生体内で用いた場合、
材料表面に十分な骨組織が形成されるまでには長期間を
要することが示唆される。
【0049】
【発明の効果】本発明の生体インプラント材料によれ
ば、材料表面に早期に新生骨を形成させることができ
る。また、皮膜に10μm以下の幅の溝が形成されてい
れば、皮膜と新生骨組織との密着性をより向上させるこ
とができる。更に、多孔質体が、リン酸カルシウム系化
合物からなるものであれば、生体親和性に優れた生体イ
ンプラント材料とすることができ、特に、このリン酸カ
ルシウム系化合物が、水酸アパタイト及び第三リン酸カ
ルシウムの少なくとも一方であれば、より生体親和性に
優れた生体インプラント材料とすることができる。ま
た、多孔質体が、アルミナ系セラミックス、ジルコニア
系セラミックス、アルミナ/ジルコニア混合系セラミッ
クスから選ばれる少なくとも1種を含むものであれば、
生体親和性に優れた生体インプラント材料とすることが
でき、特に、後記の特定のサイトを導入することによ
り、十分に生体親和性に優れた生体インプラント材料と
することができる。
【0050】本発明の生体インプラント材料の製造方法
によれば、新生骨を早期に形成できるインプラント材料
を提供することができる。また、多孔質体に水酸アパタ
イト結晶が析出し得るサイトを導入することで、生体親
和性にそれほど優れるものでなくとも、新生骨を早期に
形成できるインプラント材料を提供することができる。
更に、このサイトは、多孔質体を前記の特定の溶液に順
次浸漬することにより容易に導入することができる。ま
た、多孔質体を、溶液に浸漬した後、取り出し、30℃
以上の温度で乾燥することで、水酸アパタイト皮膜に1
0μm以下の幅の溝を容易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で用いられた多孔質体のX線回折結果
を示すチャート図である。
【図2】実施例1で用いられた多孔質体の表面等に形成
された皮膜の走査型電子顕微鏡写真を示す説明図であ
る。
【図3】実施例1で用いられた多孔質体の表面等に形成
された皮膜のX線回折結果を示すチャート図である。
フロントページの続き (72)発明者 大塚 洋美 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊 陶業株式会社内 (72)発明者 服部 昌晃 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊 陶業株式会社内 Fターム(参考) 4C059 AA08 DD08 4C081 AB01 BA02 BA12 CF01 CF03 CF12 CF15 4C089 AA06 BA03 BA04 BA05 BA15

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔質体と、水酸アパタイト皮膜とを備
    える生体インプラント材料であって、上記多孔質体は、
    径が10〜800μmの三次元骨格部と、該三次元骨格
    部の間の径が2〜800μmの連通する気孔部とを有
    し、上記皮膜は、下記の条件でX線を照射した場合に、
    水酸アパタイトの(002)面に相当するX線回折ピー
    クの半価幅(B)が0.17度以上であり、且つ上記
    多孔質体の表面及び上記気孔部の壁面のうちの少なくと
    も該多孔質体の表面の少なくとも一部に形成されている
    ことを特徴とする生体インプラント材料。X線源;Cu
    Kα線、発散スリット;1度、散乱スリット;1度、受
    光スリット;0.3mm、走査速度;4度/分、走査ス
    テップ;0.02度、X線出力;40kV、100mA
  2. 【請求項2】 上記皮膜に10μm以下の幅の溝が形成
    されている請求項1記載の生体インプラント材料。
  3. 【請求項3】 上記多孔質体が、リン酸カルシウム系化
    合物からなる請求項1又は2に記載の生体インプラント
    材料。
  4. 【請求項4】 上記リン酸カルシウム系化合物が、水酸
    アパタイト及び第三リン酸カルシウムの少なくとも一方
    である請求項3記載の生体インプラント材料。
  5. 【請求項5】 上記多孔質体が、アルミナ系セラミック
    ス、ジルコニア系セラミックス、アルミナ/ジルコニア
    混合系セラミックスから選ばれる少なくとも1種を含む
    請求項1又は2に記載の生体インプラント材料。
  6. 【請求項6】 平均粒径5μm以下の粉末を用いてなる
    粒径10〜800μmの顆粒からなる多孔質体原料と、
    粒径2〜1600μmの可燃性粒子とを混合し、その
    後、上記多孔質体原料が圧壊しない圧力で成形し、次い
    で、焼成して多孔質体を形成し、その後、該多孔質体を
    水酸アパタイト結晶が析出し得る成分を含有する溶液に
    浸漬し、次いで、取り出して乾燥し、上記多孔質体の表
    面及び気孔部の壁面のうちの少なくとも該多孔質体の表
    面の少なくとも一部に、請求項1記載の条件でX線を照
    射した場合に、水酸アパタイトの(002)面に相当す
    るX線回折ピークの半価幅(B)が0.17度以上で
    ある、水酸アパタイト皮膜を形成することを特徴とする
    生体インプラント材料の製造方法。
  7. 【請求項7】 上記多孔質体に水酸アパタイト結晶が析
    出し得るサイトを導入した後、上記溶液に浸漬する請求
    項6記載の生体インプラント材料の製造方法。
  8. 【請求項8】 上記多孔質体を、カルシウム又はリンを
    含む第1溶液に浸漬した後、取り出して乾燥し、次い
    で、上記第1溶液に含まれる上記カルシウム又は上記リ
    ンと反応してリン酸カルシウム系化合物を生成し得る元
    素を含み、且つpHが8以上の第2溶液に浸漬し、上記
    サイトを導入する請求項7記載の生体インプラント材料
    の製造方法。
  9. 【請求項9】 上記多孔質体を、上記溶液に浸漬した
    後、取り出し、次いで、30℃以上の温度で乾燥する請
    求項6乃至8のいずれか1項に記載の生体インプラント
    材料の製造方法。
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