JP2008541960A - 歯科インプラント及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、少なくとも部分的に骨中に挿入される構造化された又は多孔質の表面を有するセラミック製インプラント、特に歯科インプラントに関する。特に有利な表面は、塩融液によって少なくとも部分的に改質されたときに得られる。これらの優れた骨結合性は、材料を除去することによる、任意の先行する表面改質に続き、少なくとも骨及び/又は軟組織に接触する範囲で、表面を塩融液中で改質する方法によって得られる。
【選択図】なし

Description

本発明は、少なくとも部分的に骨に挿入される多孔質表面を有し、かつ改善された骨結合性を有するインプラント、特に歯科インプラントに関する。本明細書においてインプラントは、セラミック製であるが、それは金属製であってもよい。本発明はまた、そのようなインプラントの製造方法及びそのようなインプラントの用途に関する。
先行技術
人体の硬組織及び/又は軟組織の傷付いたり、損傷した部分は、内生の硬組織及び/又は軟組織を用いて修復するのが最良である。様々な理由で、これはいつでも可能なわけではないため、(生物分解性であるか、又は術後に除去される)一時的な代替材料として又は永久的な代替材料として合成材料が多くの場合に使用される。
硬組織及び/又は軟組織に固定されたインプラントは、一時的又は永久的な代替品又は事故、摩耗、欠損症又は病気によって損傷を受けた、さもなければ変性した、特に、咀嚼器官の一部を含む運動器官の一部の支持体に使われる。インプラントは通常、合成代替品として又は機械的強度増強のために体内に導入される人工的かつ化学的に安定な材料とされる(例えば、Roche Lexikon Medizin、Urban & Fischer発行;第5版、2003年参照)。支持体又は代替品の体内における機能は、機械的特性及びインプラントの設計に基づいて提供される。従って、例えば、股関節及び膝関節の人工器官(プロテーゼ)、脊柱インプラント並びに歯科インプラントは、長年の間、臨床診療で首尾よく用いられてきた。
インプラントの固定、及びインプラント表面と隣接する組織との間の界面におけるインプラントの親和性(適合性)の観点から、インプラント表面が非常に重要である。それ故、滑らかな表面を有するインプラントは、用いる基材とは関係なく、最少程度でしか骨に固定されない(骨結合性に乏しい)が、構造化された表面を有するインプラントは機械的な結合性が良く、表面の適切な構成によって、周囲の硬組織又は軟組織への良好な生物学的結合も可能にすることが示された(例えば、Titanium in Medicin, Material Science, Surface Science, Engineering, Biological Responses and Medical Applications Series:Engineering Materials, Burunette, D. M.;Tengvall, P.;Textor, M.;Thomsen, P.(編者)参照)。
インプラントの中心的かつ重要な特性である、十分な結合に要する時間は、骨結合時間、又は歯科界では骨接合時間とも呼ばれる。これは、骨物質がインプラント表面と十分な強さで永久的に結合する、即ち、言うなれば、その中に結合されるまでに経過する時間を示す。
表面処理及び表面構造化のために多様な方法が用いられている[例えば、A Guide to Metal and Plastic Finishing(Maroney, Marion L.;1991);Handbook of Semiconductor Electrodeposition(Applied Physics, 5)(Pandey, R. K.ら;1996);Surface Finishing Systems:Metal and Non-Metal Finishing Handbook Guide(Rudzki, George J.;1984);Titanium in Medicine, Material Science, Surface Science, Engineering, Biological Responses and Medical Applications Series:Engineering Materials,(Brunette, D. M.;Tengvall, P.;Textor, M.;Thomsen, P.(編者))及びMaterials and Processes for Surface and Interface Engineering(NATO Asi Series;Series E, Applied Sciences, 115, Pauleau, Ives(編者);1995);及びここに挙げた文献中で引用する文献参照]。
現在では、インプラントは、例えば、チタン、ニオブ、ジルコニウム、タンタル、例えば、チタン合金、インプラント−グレードスチール、CoCr合金等の合金、例えば、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化チタンベースの各種ポリマー及びセラミック等の多様な素材から作られている。
チタン及びその合金は十分低い弾性率及び比較的高い強度を有しているため、多くのインプラント、特に歯科インプラントには、チタン及びその合金が主に使われている。しかしながら、滑らかな表面構造を有するチタン製インプラントは骨に充分に固定されないが、粗面を有するインプラントは骨とインプラントとの間に、引張強さ及びねじれ強さの点で、顕著に優れた結合を提供することが確認された。
それ故、EP 0 388 576 A1は、最初の段階でサンドブラスティングによって金属製のインプラント表面にマクロ粗面を形成した後、これを酸浴で処理することによってミクロ粗面を重ねることを提案している。このようにインプラント表面は、サンドブラスティングによって粗くし、その後エッチング試薬、例えば、フッ化水素酸又は塩酸と硫酸の混合物で処理することができる。この表面構造化によって、硬組織と金属との間の確実な結合を形成する。
歯科インプラントの分野では、チタンは周囲の硬組織及び軟組織とは明らかに異なる見た目を有するため、審美的な理由から、目立つ口の前面の領域には特に不向きである。そのため、このような欠点を有しない別の材料を用いることが望まれている。特に、造形物が熱間等静圧圧縮又は熱間等静圧封止によって成形される場合には、セラミック材料、例えば、酸化ジルコニウム、酸化チタン又は酸化アルミニウム、又はその混合物によれば、非常に高度な強度を有する材料が利用可能である。例えば、92.1〜93.5重量%のZrO、4.5〜5.5重量%のY及び3.8〜2.2重量%のHfOを含有する特定のイットリウム安定化された酸化ジルコニウムセラミックは、例えば、US 6,165,925によって公知である。その他の通常のセラミックが上記US 6,165,925の導入部分で考察されている。
セラミック、例えば、酸化ジルコニウムセラミック、酸化チタンセラミック又は酸化アルミニウムセラミックを、硬組織又は軟組織に固定されるインプラントの製造のための材料として使用することは困難である。何故なら、セラミックの十分な機械的安定性を保証するためには、それが測定可能な多孔率を持たずに製造される必要があり、これは一般に、滑らかで非常に硬い表面を同時に形成する結果となる。
滑らかなセラミックの表面によっては、周囲の硬組織との直接的かつ機械的に十分安定な結合は期待できない。従って、純然たるセラミック、例えば、酸化ジルコニウム、酸化チタン又は酸化アルミニウム、又はその混合物から形成されたインプラントを、硬組織と直接接触させて使用することはこれまで殆ど為されていなかった。硬組織中に固定するために、金属製のインプラント材料による構造的な複合材料が、例えば、股関節内補綴学や口腔インプラント歯科学では用いられている。
例えば、DE 195 30 981 A1には、インプラント上に支持される歯の色を有する人工歯冠の基底部とするための、二酸化ジルコニウムからなる予め組み立てられた完全なセラミック製インプラント構築物が記載されている。実際のインプラントは表面構造化された金属チタンから作られているが、目立つ部分の美感は、酸化ジルコニウムセラミックによって与えられている。
WO 2004/096075 A1には、酸化ジルコニウム又は酸化ジルコニウム/アルミニウム混合物からなる一体型の本体によって形成された歯科インプラントが記載されている。表面処理については記載されておらず、そのようなインプラント構築物が十分な骨接合を提供するか否かは疑わしい。
FR 2 721 196 A1には、酸化ジルコニウムをベースとする一体型インプラントが記載されている。骨結合を改善するために、対応するインプラントの部分を例えば、ヒドロキシアパタイトからなるコーティングを提供することが意図されている。
WO 03/045268 A1には、酸化ジルコニウムをベースとするセラミック製インプラントが記載されている。固定部分の外面は、材料の除去によって少なくとも部分的に粗くされているか又はミクロ構造化されているか、又はコーティングが施されている。例えば、サンドブラスティングによるブラスティング処理後の化学工程、特にエッチング工程も考えられる。化学工程は、先の機械的処理に対する第2の処理として好ましいならば使用することができる。最初のブラスティング処理、例えば、Alによるサンドブラスティングによる処理が特に好ましく、次いでリン酸、硫酸、塩酸又はこれらの混合物によるエッチング処理が好ましい。また、処理されたインプラントは、適当な液体、例えば、脱イオン水、又はNaCl溶液中で保存することができる。このようにして、歯科インプラントを使用する前に、大気の成分によってその表面の活性の一部又は全部が失われることを防止することができる。従って、これにより骨結合が促進される。
問題は、酸化ジルコニウムセラミックはかなりの硬さを有するため、このような組み合わせ処理によっては、表面粗さがわずかに残るだけであり、そして、リン酸、硫酸、塩酸又はこれらの混合物による処理に対してセラミックは化学的には非常に安定なことである。
従って、本発明は、先行技術の欠点を回避し、硬組織及び軟組織に強固に、かつ永久的に固定され、それによって良好な骨結合又は骨接合を示すインプラントを提案することを目的とする。従って、具体的には、構造化された表面、特に多孔質表面を有する、少なくとも部分的に硬組織、例えば、骨中に及び/又は軟組織中に挿入するために改良されたセラミック製のインプラントを提案することを目的とする。さらに、この目的に好適な製造方法を提供することを目的とする。
この目的は、構造化された又は多孔質の表面は、塩融液において少なくともある範囲で改質されるか、又は塩融液改質の結果であるという事実によって達成される。用語「塩融液」には、溶融された塩又は融解塩を必要とする処理を含んでおり、これらの用語は当業界では本質的に同等に用いられている。
従って、本発明によれば、この目的は、インプラントの表面を特定の方法で処理し、それにより特定の特性を持たせることによって達成される。この処理は、インプラントの表面の一部の領域のみならずインプラントの表面全体に渡って実施することができる。
本発明に関して、当該インプラントは、まず第1にセラミック材料をベースとする。塩融液を用いて金属をベースとするインプラントの表面を構造化することが同様に可能である。この側面は、ある程度、それ自体が先行技術中に、これまで記載されておらず、発明の特徴である別の側面とみなすべきである。従って、塩融液中で少なくともある範囲が改質されるか、又は塩融液改質の結果である、構造化されているか、又は多孔質の表面を有する金属製インプラントを提供することも可能である。後述する実施形態の全てが例えば、チタン、亜鉛、ニオブ、タンタル、インプラント−グレードスチール(又はステンレススチール)や適当な合金をベースにしたインプラント中の金属に関しても同様に実現可能である。
従って、本発明の中心は、特にセラミックをベースとするインプラントだけでなく、金属ベースのインプラントも、それらがその後優れた骨結合又は骨接合を発現するように、塩融液によって表面改質され得るという驚くべき発見である。このように処理された表面の骨結合/骨接合は、酸改質された表面及び/又はサンドブラスティングによってマクロな粗面を設けただけの、特にセラミックからなる表面に対応する値よりも良好であることが見出された。
それ故、インプラントは、塩融液中でのエッチングによってその表面上が構造化され、特に塩融液中でのエッチングは実質的に材料の除去のみを伴う。つまり、塩融液は、陰イオン又は陽イオンを、例えば、単に塩融液から表面に導入するため、言うなれば、コーティングを形成するために用いられるのではない。むしろ、塩融液は実際、非常に特殊な構造化された表面を得るために、表面のトポグラフィーを変化させる材料の除去工程を実施するために用いられる。
実際には、本発明に従って製造した表面は、用いた塩融液から導入された成分を本質的に含まないことも見出されている。従って、塩融液は本質的に材料を除去する効果のみを有している。
適切に選択された条件下で、適切なインプラント材料を選択することによって得られる位相構造は、ミクロ粗面に相当しており、つまり、ナノメーター上部範囲又はマイクロメーターの下位範囲(例えば、100nm〜5μm、好ましくは500nm〜2μm、図面も参照)の構造要素の大きさのオーダーの粗さが好ましく、そしてそれは、上述した機械的処理によって形成されるマクロ粗面(典型的には>10〜20μm)の上に重ねることができる。表面構造は、カリフラワー状及び/又はザラザラした表面トポロジーを有する、この種のミクロ粗面を含むことが好ましい。
マクロ粗面を形成するために機械的処理との組み合わせが適当であるなら、表面の構造化は、濃縮された酸若しくは塩基又は水溶液による任意の追加の処理を全く行うこと無く、塩融液の作用のみによって行うことが好ましい。例えば、アパタイトからなる追加的なコーティングは必要ではなく、また、このようなコーティングは存在しないことが好ましい。
塩融液によって改質された表面は、インプラントが少なくともセラミックからなる層を有する表面に設けられる場合に特に好適であり、インプラントのほぼ全体がセラミック製である場合に、特に好適であることが証明されている。
従来技術から公知の各種のセラミックを用いることができる。例えば、任意に酸化イットリウム及び/又は酸化ハフニウムが添加された、酸化チタン又は酸化ジルコニウムを含むセラミックを用いることができる。例えば、US 6,165,925を参照されたい。酸化ジルコニウムベースのそのようなセラミックの組成及び製造に関するUS 6,165,925の開示事項は、明示の引用によって本明細書の開示中に組み入れられることが意図されている。
或いは、二酸化珪素、酸化鉄(III)及び/又は酸化ナトリウムが任意に添加された、酸化アルミニウムを含有するセラミックを使用することが可能である。二酸化珪素、酸化鉄(III)及び/又は酸化ナトリウムが任意に添加された窒化珪素を含有するセラミックを使用することも可能である。前述の材料に基づく混合物又は多層系ベースのセラミックを用いることも可能である。
好ましい実施形態によれば、インプラントは、埋め込まれた状態で骨及び/又は軟組織と接触するその表面の少なくともある範囲が塩融液中で改質されている歯科インプラントである。
塩融液によって改質された表面は、上述したように、マクロ粗面、即ち、サイズが10μmを超える、好ましくは20μmを超える孔サイズを有するマクロ粗面と重ね合わせることができる。これは、サンドブラスティングによって改質された表面を含み得る。
さらに、本発明は上述したインプラントの製造方法にも関する。この方法は、セラミック製インプラント(又は、金属製インプラントも同様に)は、適当であるならば、材料の除去によってマクロ粗面を形成することを含む先行する表面改質後に、少なくとも骨及び/又は軟組織と接触する範囲が、塩融液中で表面改質されていることを特徴とする。塩融液浴は、通常この目的で使用される。
この方法の第1の好ましい実施形態によれば、塩融液はアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の硝酸塩、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の水酸化物、又はアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属のハロゲン化物、或いはこれらの塩の混合物からなる塩融液である。
塩融液は、少なくとも1種の水酸化物、特に少なくとも1種のアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の水酸化物の塩融液であることが一般に好ましい。塩融液は、1種以上の水酸化物、特に1種以上のアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の水酸化物のみからなる(共晶)塩融液であることが好ましい。少なくとも1種のアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の水酸化物、好ましくはそのような水酸化物の混合物の使用が、正に思いがけず上述したような所望のマクロ粗面の最適な形成をもたらす。
混合物は、2成分、3成分又はさらに多成分であってもよい。本質的にアルカリ金属水酸化物、例えば、水酸化カリウム及び/又は水酸化ナトリウム及び/又は水酸化リチウムからなる塩融液を用いることが好ましい。エッチング作用の調整又は溶融温度の調整のいずれかのために、少量の、典型的には他の塩(上述のものに限らないが、好ましい)若しくは他の添加物を、5%未満又はさらに少なく2%未満の範囲で追加的に存在させてもよい。
特に好適であることが分かっている塩融液は、例えば、2成分塩融液、好ましくは水酸化カリウム及び水酸化ナトリウムからなる2成分塩融液であり、これら2種類の成分は2:1〜0.5:1、好ましくは1.5:1〜0.75:1の範囲で存在する。この割合を1:1〜7:5の範囲で選択すると、特に非常に好適であることが証明されている。このような2成分塩融液、特に、前記成分からなる2成分塩融液の場合、処理は、100〜600℃の温度範囲で、特に150〜250℃の温度範囲で行うことが好ましい。
特に好適であることが分かっている他の塩融液は、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム及び水酸化リチウムからなる3成分の塩融液であり、これら3種の成分は、10〜20:4〜10:0.5〜2の範囲、好ましくは14:6:1の範囲の割合で存在する。このような3成分の塩融液の場合、好ましくは100〜400℃の温度範囲、特に150〜250℃の温度範囲で処理を行うことができる。
80〜1300℃の範囲、好ましくは150〜600℃の範囲、特に170〜250℃の温度範囲の塩融液を通常使用することができると一般に言うことができる。
本発明の方法の別の好ましい実施形態によれば、表面の少なくともある範囲が、例えば、浴の形態の塩融液に、10分〜300時間、好ましくは10〜100時間、特に25〜35時間暴露される。塩融液によってインプラントから十分な材料の除去及び本発明によるミクロ粗面の形成を確実にするために、好ましくは少なくとも1時間、より好ましくは少なくとも2時間の処理時間が使われる。インプラントが100〜210℃の温度の塩融液に30時間暴露される場合、良好な表面は、例えば、上記で特定した2成分混合物又は3成分混合物を用いた場合に得られる。
塩融液による処理後のインプラント表面は、少なくとも部分的にクリーニングされている(cleaned)と、有利であることが証明されている。これは、例えば、脱イオン水による超音波処理後、脱イオン水での洗浄及びすすぎによって行うことができる。
この方法の別の好ましい実施形態は、材料の除去を含む、特に、マクロ粗面を形成するための表面改質を、ブラスティング、特にサンドブラスティングによって実行することを特徴とする。このようなサンドブラスティングは、0.05〜0.25mm又は0.25〜0.5mmの平均粒子サイズを有する酸化アルミニウム粒子を用いて行うことが好ましい。この作業は、1及び10バールの間、好ましくは1及び6バールの間、特に好ましくは2及び5バールの間の圧力で行うことが好ましい。この作業は、特に約4バールの圧力で行うことが特に好ましい。
さらに、本発明は、上述した方法によって製造された、又は製造されうるインプラントに関する。
さらに、本発明は、上述したインプラントの、歯科インプラントとしての、特に人工歯冠の基底部(クラウンスタンプ)としての、ネジ部品及び/又はピンとしての用途にも関する。
本発明の他の好ましい実施形態は従属請求項に記載されている。
具体的な実施形態に基づき、図面を参照しながら、以下に本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の実施形態
本発明は、特にセラミック材料からだけでなく、金属材料から形成されたインプラントの表面の構造化の可能性について記載している。表面構造化の目的は、硬組織中でのインプラントの固定を改善し、硬組織とインプラント表面の間の結合を改善し、軟組織とインプラント表面の間の結合を改善し、インプラント表面と硬組織及び/又は軟組織との間の界面でのインプラント表面の相互作用を改善することである。
インプラント用の酸化ジルコニウム、酸化チタン及び酸化アルミニウム及び/又は混合セラミックの製造は、基本的に先行技術で公知であり、従って、これ以上詳細には考察しない。これに関連しては、例えば、上記で既に引用した文献、即ち、US 6,165,925の開示を参照する。
本発明は、好ましくは、硬組織及び/又は軟組織に固定され、一時的な若しくは永久的な代替物、又は事故、摩耗、欠陥又は病気の結果として損傷した、さもなければ変性した、特に関連する審美的な側面を伴う、歯科領域における咀嚼器官を含む、運動器官の一部の支持体として使用されるインプラントに関する。従って、例えば、股関節及び膝関節の人工器官(プロテーゼ)、脊柱インプラント及び歯科インプラントは、臨床実務において長年にわたって使用されている。
本発明によれば、骨結合特性又は骨接合特性を改善するという目的は、インプラントの(セラミック)表面の好適な表面構造化又は表面処理によって達成され、この処理はインプラント表面の一部の範囲のみでなく、インプラント表面全体にわたって行うことができる。この種の表面構造化は、構造化しなければ生物学的に不活性なセラミック、好ましくは酸化ジルコニウム、酸化チタン若しくは酸化アルミニウム、又はこれらの混合物が、硬組織及び/又は軟組織中に一体化されることを確実にする。
例えば、歯科インプラントの骨の中での構造的及び機能的固定は、通常、マクロ粗面及び/又は、適当ならば、追加的なミクロ粗面を形成することによって達成される。表面のマクロ粗面は、例えば、機械的なブラスティング処理によって得られ、ミクロ粗面は、続くプラズマ技術を用いるアディティブ法によるか、又は化学エッチングを用いるサブトラクティブ法によって得られる。インプラントが骨にしっかりと固定される程度は、機械的測定法によって測定することができる。骨におけるインプラントの十分な固定は、インプラントの表面の性質、特に表面の粗さにかなり依存していることが多くの研究で示された。
本発明は、セラミック製の、好ましくは酸化チタン、酸化ジルコニウム若しくは酸化アルミニウム、又はそれらの混合物からなるインプラントのより良好な骨結合のために効果的な表面積を増加させるための新規な方法で形成された特定の粗面について記載している。本発明によるこの生物学的に活性な表面は、塩融液、もし適当であるならば、例えば、追加的な機械的作業及び構造化、ショット・ピーニング、サンドブラスティングとの組み合わせで、及び/又はその後に続く若しくは予備的な化学処理、例えば、酸等によるエッチングを用いて、又はそのような方法の組み合わせによって製造することができる。
本発明による表面は、例えば、所望の粗さ又は質感を有する表面を提供することによって製造することができる。特に、インプラントは、インプラントの表面にショット・ピーニング若しくはサンドブラスティングを施すことによって、及び/又はプラズマ技術によって構造化することによって、及び、好適な表面構造が形成されるまで、次いで表面を塩融液中での化学工程によって処理することによって製造することができる。
上述したように、インプラントは塩融液を用いてエッチングされる。塩融液は、その名の通り、溶融された塩からなる非常に多用途の液体であるが、このような状況ではこれまで用いられたことはなかった。伝統的な塩融液は、150℃〜1300℃の温度を有している。近代において、低い融点を有する塩が、80℃より低い塩融液中で使用されている。驚くべきことに、特にセラミックベースのインプラントに関して、塩融液は、骨又は軟組織中に結合させるために、表面に対する優れたエッチング作用を有するが、一方、伝統的に使われてきた酸浴は、セラミックを適切に攻撃できないことが見出された。
この使用分野では、表面を水酸化カリウム及び水酸化ナトリウムの混合物でエッチングするか、又は表面を水酸化カリウム、水酸化ナトリウム及び水酸化リチウムの混合物でエッチングすることが好ましい。しかしながら、これらの2成分又は3成分の混合物に加え、単一の塩に基づく塩融液を用いることも可能である。次いで、この表面を、純水/脱イオン水による超音波によって処理した後、純水/脱イオン水ですすぎ、洗浄する。
水酸化カリウム及び水酸化ナトリウムの1:1の割合の混合物を用いることが好ましく、そうでなければ、表面を水酸化カリウム、水酸化ナトリウム及び水酸化リチウムの約14:6:1の割合の混合物でエッチングする。
この方法では、インプラントがサンドブラスティングされ、次いで、150〜400℃の温度の、水酸化カリウム及び水酸化ナトリウムの1:1の割合の混合物の塩融液、又は水酸化カリウム、水酸化ナトリウム及び水酸化リチウムの約14:6:1の割合の混合物の塩融液中でエッチングされる必要がある。次いで、この表面を純水/脱イオン水で超音波処理し、純水/脱イオン水ですすぎ、洗浄する。
インプラントを、平均粒子サイズが0.05〜0.25mm又は0.25〜0.5mmの酸化アルミニウム粒子でサンドブラスティングし、次いで、150〜400℃の、水酸化カリウム及び水酸化ナトリウムの1:1の割合の混合物の塩融液、又は水酸化カリウム、水酸化ナトリウム及び水酸化リチウムの割合が約14:6:1の混合物の塩融液中でエッチングすることができる。
ここでのブラスティング処理は、例えば、約1バールと10バールの間、好ましくは1及び6バールの間、特に2及び5バールの間の圧力で行うことができる。
150〜400℃の温度の、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム及び水酸化リチウムの約14:6:1の割合の混合物によるエッチング処理は、ブラスティング処理の補助的な処理として特に好ましい。
塩融液中でのエッチングは、例えば、10分〜300時間、好ましくは10〜100時間、特に約25〜35時間の期間で行うことができる。
塩融液中でのエッチングは、150℃〜400℃、好ましくは180℃〜220℃、特に約190℃〜210℃の温度で行うことができる。
塩融液中でのエッチング処理に続き、便宜上、例えば、純水/脱イオン水による超音波による、及び脱イオン水中での洗浄及び続く脱イオン水中でのすすぎによるクリーニングを行う。
このように前処理されたインプラントによれば、硬組織及び軟組織との強固な結合を可能にする。
インプラントの実験的製造
実施例1
酸化ジルコニウムから、直径3.5mm、長さ10mmの大きさのネジ形状の通常の歯科インプラントを製造した。円柱状のセラミック素材から、それ自体公知のセラミックの機械的加工方法、即ち、研削によって基本形状を作製した。次に、骨の中に配置される表面に、約3バールで平均粒子サイズが0.1〜0.15mmのAlの粒子を用いたサンドブラスティングによってマクロ粗面を設けた。次いで、粗面化された表面(マクロ粗面)を、190℃を超える温度で約30時間、KOH:NaOH=1:1の割合の水酸化カリウム及び水酸化ナトリウムの混合物で処理した。エッチング後、インプラントを、純−脱イオン水で超音波処理し、次いで、脱イオン水中で洗浄し、すすいだ。得られた表面は、図1及び2(SEM)で示されるトポグラフィーを有している。画像から、骨接合性に優れた明確なマクロ粗面及び明確なミクロ粗面も得られていることがわかる。
実施例2
酸化ジルコニウムから、直径3.5mm、長さ10mmの大きさのネジ形状の通常の歯科インプラントを製造した。円柱状のセラミック素材から、それ自体公知のセラミックの機械的加工方法、即ち、研削によって基本形状を作製した。次に、骨の中に配置される表面に、平均粒子サイズが0.1〜0.15mmのAlの粒子を用いたサンドブラスティングによってマクロ粗面を設けた。次いで、190℃を超える温度で約30時間、KOH:NaOH:LiOH=14:6:1の割合の水酸化カリウム、水酸化ナトリウム及び水酸化リチウムの混合物で、粗面化された表面(マクロ粗面)を処理した。エッチング後、インプラントを純−脱イオン水で超音波処理し、次いで、脱イオン水中で洗浄し、すすいだ。得られた表面は、図3及び4(SEM)に示されるトポグラフィーを有している。画像から、骨接合性に優れた明確なマクロ粗面及び明確なミクロ粗面も得られていることがわかる。
実施例3
酸化ジルコニウムから、直径3.5mm、長さ10mmの大きさのネジ形状の通常の歯科インプラントを製造し、その表面を実施例2と同様に処理した。実施例2とは異なり、骨中に配置される表面だけでなく、軟組織中に配置される表面にも粗面を設けた。
実施例4
酸化ジルコニウムから、サイズ44の臼蓋窩の形状の通常のセラミック製インプラントを製造した。素地を用いて基本形を形成し、このセラミック素材を焼成し、それ自体公知の方法で加工し、完成品とした。次いで、平均粒子サイズ0.1〜0.15mmの粒子でサンドブラスティングすることにより、骨の中に埋め込まれる表面にマクロ粗面を設けた。次いで、粗面化された表面(マクロ粗面)を、190℃を超える温度で約30時間、KOH:NaOH=7:5の割合の水酸化カリウム及び水酸化ナトリウムからなる混合物で処理した。エッチング後、インプラントを純−脱イオン水で超音波処理した後、脱イオン水中で洗浄し、すすいだ。
実施例5
酸化ジルコニウムから、サイズ44の臼蓋窩の形状の通常のセラミック製インプラントを製造した。素地から基本形を形成し、このセラミック素材を焼成し、それ自体公知の方法で加工し、完成品とした。次いで、平均粒子サイズ0.1〜0.15mmの粒子でサンドブラスティングすることにより、骨の中に配置される表面にマクロ粗面を設けた。次に、粗面化された表面(マクロ粗面)を、190℃を超える温度で約30時間、KOH:NaOH:LiOH=14:6:1の割合の水酸化カリウム、水酸化ナトリウム及び水酸化リチウムの混合物で処理した。エッチング後、インプラントを純−脱イオン水で超音波処理し、次いで脱イオン水中で洗浄し、すすいだ。
In vivo試験:
これらの実施例で製造した全てのインプラントは、良好な骨結合性又は骨接合性を与えることが見出された。さらに、軟組織(例えば、歯茎)中での良好な統合も見出された。
図5は、異なる材料で作製され、異なる表面を有する2種類のインプラントについて行った試験から得られた対応する結果を示す。直径4.2mm、長さ8mmの、本発明の、特に上記実施例1に従って製造した表面を有するセラミック製インプラント(図5の測定結果1)を、これに対応するサイズの、プラズマ化学法によって陽極酸化された表面を有する歯科インプラント(チタン製インプラント)(図5の測定結果2)と比較した。プラズマ化学法によって製造された陽極酸化された表面は、市販の広く使用されているインプラントの表面に相当する。
これらのインプラントをヒツジの腸骨翼中に埋め込んだ。4週間(測定結果a)及び8週間(測定結果b)の回復時間後に、骨から結合したインプラントを解放するのに要するトルクを測定した。
図5に示されるように、新規なインプラントはより良好な結合を提供する。
図1は、上記実施例1に関する電子顕微鏡画像である。 図2は、上記実施例1に関する、図1とは異なる解像度での電子顕微鏡画像である。 図3は上記実施例2に関する電子顕微鏡画像である。 図4は上記実施例2に関する、図3とは異なる解像度での電子顕微鏡画像である。 図5は、異なる材料及び表面を有する2種類のインプラントを用いて行った試験結果を示す。

Claims (19)

  1. 少なくとも一部分が骨等の硬組織中、及び/又は軟組織中に挿入される、構造化された表面、特に多孔質の表面を有するセラミック製のインプラントであって、該多孔質の表面の少なくともある範囲が、塩融液中で改質されることを特徴とするインプラント。
  2. 前記インプラントが、塩融液中でのエッチングによってその表面が構造化されており、該塩融液中でのエッチングが、特に、材料の除去のみを本質的に伴うことを特徴とする請求項1に記載のインプラント。
  3. 少なくともその表面がセラミック製であるか、好ましくは全体がセラミック製であることを特徴とする請求項1又は2に記載のインプラント。
  4. 酸化イットリウム及び酸化ハフニウムが任意に添加された、酸化ジルコニウムを含有する、及び/又は二酸化ケイ素、酸化鉄(III)及び/又は酸化ナトリウムが任意に添加された酸化アルミニウムを含有する、及び/又は二酸化ケイ素、酸化鉄(III)及び/又は酸化ナトリウムが任意に添加された窒化ケイ素を含有する、及び/又は酸化チタンを含有する、及び/又は前記材料の混合物から形成されていることを特徴とする請求項3に記載のインプラント。
  5. 埋め込まれた状態で骨及び/又は軟組織と接触するその表面が塩融液中で改質されている歯科インプラントであることを特徴とする請求項3又は4に記載のインプラント。
  6. 多孔質表面の少なくともある範囲が、マクロ粗面化により改質されている、特にサンドブラスティングによって改質されていることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載のインプラント。
  7. 適当ならば、材料の除去を伴う先行する表面改質後に、セラミック製インプラントの少なくとも骨及び/又は軟組織に接触する範囲が、塩融液中で表面改質されていることを特徴とする先行する請求項のいずれか1項に記載のインプラントの製造方法。
  8. 前記塩融液が、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の硝酸塩、水酸化物若しくはハロゲン化物、又はこれらの塩の混合物からなる塩融液であることを特徴とする請求項7に記載の方法。
  9. 前記塩融液が、少なくとも1種の水酸化物、特に少なくとも1種のアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の水酸化物を用いた塩融液であることを特徴とする先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記塩融液が、1種以上の水酸化物、特に1種以上のアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の水酸化物のみからなる塩融液であることを特徴とする先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記塩融液が、水酸化カリウム及び/又は水酸化ナトリウム及び/又は水酸化リチウムからなる塩融液であることを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記塩融液が、2:1〜0.5:1の範囲、好ましくは1.5:1〜0.75:1の範囲、特に好ましくは1:1又は7:5の範囲の割合の水酸化カリウム及び水酸化ナトリウムからなる2成分塩融液であり、好ましくは、100〜600℃の範囲、好ましくは150〜250℃の範囲の温度で処理(work)を行うことを特徴とする請求項11に記載の方法。
  13. 前記塩融液が、10〜20:4〜10:0.5〜2の範囲、特に14:6:1の範囲の割合の水酸化カリウム、水酸化ナトリウム及び水酸化リチウムからなる3成分塩融液であり、好ましくは、150〜400℃の温度で処理を行うことを特徴とする請求項11に記載の方法。
  14. 塩融液を、80℃〜1300℃の範囲、好ましくは150℃〜600℃の範囲の温度で用いることを特徴とする請求項7〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記表面の少なくともある範囲が、10分〜300時間、好ましくは少なくとも2時間、好ましくは10〜100時間、特に25〜35時間の間、塩融液に暴露することを特徴とする請求項8〜14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 前記インプラント表面が、前記塩融液による処理後に、少なくとも部分的にクリーニングされている、好ましくは脱イオン水で超音波処理され、次いで脱イオン水で洗浄され、すすがれていることを特徴とする請求項8〜15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 前記材料の除去を伴う表面改質が、ブラスティング処理によって、特にサンドブラスティングによって、好ましくは平均粒子サイズが0.05〜0.25mm又は0.25〜0.5mmの酸化アルミニウム粒子を用い、特に好ましくは1及び10バールの間、好ましくは1及び6バールの間、特に好ましくは2及び5バールの間の圧力で実行されることを特徴とする請求項8〜16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 請求項7〜17のいずれか1項に記載の方法によって製造することができるインプラント。
  19. 歯科インプラントとしての、特に人工歯冠の基底部(クラウンスタンプ)としての、ネジ部品及び/又はピンとしての請求項1〜6又は18のいずれか1項に記載のインプラントの用途。
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