JPH0725599B2 - 陶材焼付用合金の陶材焼付前処理方法及び該陶材焼付前処理剤 - Google Patents

陶材焼付用合金の陶材焼付前処理方法及び該陶材焼付前処理剤

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JPH0725599B2 JP26507089A JP26507089A JPH0725599B2 JP H0725599 B2 JPH0725599 B2 JP H0725599B2 JP 26507089 A JP26507089 A JP 26507089A JP 26507089 A JP26507089 A JP 26507089A JP H0725599 B2 JPH0725599 B2 JP H0725599B2
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【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 開示技術は、歯科治療用の義歯製造における陶材焼付用
合金の陶材焼付に用いる前処理の技術分野に属する。
<要旨の概要> 而して、この出願の発明は陶材焼付用合金の陶材焼付に
際し、陶材焼付用合金を溶融塩処理する工程と、酸処理
する工程からなる陶材焼付前処理方法、及び、該方法に
直接用いる各前処理剤に関する発明であり、特に、溶融
塩がNaOH、KOH等の水酸化アルカリのうち少なくとも1
種を、重量で、5〜95WT%と、残部をNa2SO4、K2SO4、N
aNO3、KNO3、NaCl、KCl等のアルカリ金属の硫酸塩、硝
酸塩、及び塩化物の少なくとも、1種以上からなる混合
物であり、及び、酸処理剤が無機酸の水溶液からなる陶
材焼付前処理剤を基幹とし、更に該酸処理剤がHF1〜48W
T%、H2O20〜10WT%、界面活性剤0〜1WT%と、塩酸、
硫酸、及び、硝酸のうち少なくとも1種以上を0.2〜5WT
%含み、残部が水からなる上記陶材焼付前処理剤とも
し、更に又、溶融塩が、水溶液である陶材焼付前処理剤
ともし、加えて該溶融塩が、低級アルコール含有の水溶
液である上記陶材焼付前処理剤ともし、更に加えて溶融
塩が、100℃〜400℃の沸点を有する有機物と混合され、
ペースト状とした上記陶材焼付前処理剤とし、加えて
又、酸処理剤に含まれる界面活性剤がパーフロロアルキ
ル基を含むフッ素系界面活性剤である陶材焼付前処理剤
からなるフッ化物を含まない溶融剤と酸処理剤で構成さ
れるものとを用いる陶材焼付用合金の陶材焼付前処理方
法及び該方法に直接使用する各前処理剤に係る発明であ
る。
<発明の背景> この出願の発明に係わる陶材焼付用合金とは次の如きも
のである。
即ち、周知の如く、歯科治療には、旧来から種々の治療
技術が開発されて実用化されているが、切歯等の欠損部
に代替する物として義歯を装着する技法が広く用いられ
ている。
而して、かかる義歯の一般的機能としては、高頻度の反
復使用に耐えうる物理的性質、及び、機械的性質、更に
は、心理的側面に影響する審美的性質を兼備えている条
件を有する必要がある。
これらの条件を満たすために、従来より金属体の表面に
陶材を焼付けた結合体が用いられており、かかる結合体
は所謂陶材焼付用合金と称されている。
そして、陶材を焼付けるための方法としては、金属体と
陶材とが、材質的に相互に異物であることから、安定し
た結合体とするためには、金属体側の表面に適度の薄い
酸化物層を形成し(ディキャッシング処理)、外側の陶
材を焼付ける必要があり、このために従来より種々の表
面処理が行なわれている。
<従来の技術> 而して、陶材焼付用合金の焼付け方法については従来よ
り次の2つがあり、 そのうち、その第1の焼付け方法は のプロセスをたどる方法であって、 表面処理(1)は表面の研削、又は、サンドブラスティン
グを行なうものであり、表面処理(2)はディキャッシン
グ処理(酸化膜の生成)を行ない、該ディキャッシング
処理後、陶材を焼付ける工程をたどるものである。
次に、第2の焼付け方法は のプロセスをたどる方法であり、当該方法における表面
処理(1)は上述同様表面の研削、又は、サンドブラステ
ィングを行なうものであり、表面処理(2)も上述同様デ
ィキャッシング処理(酸化膜の生成)を行なうものであ
り、表面処理(3)は酸処理、又は、溶融塩処理+酸処理
を行なうものであって、ディキャッシング処理後、酸化
物の層の一部を除去、及び白色化する目的で以下の処理
方法が行なわれている。
即ち、(a)主にフッ酸を使用した酸処理後に陶材を焼付
けることと、(b)溶融剤として硼酸系化合物、及び、フ
ッ化物系化合物を含む混合物を使用した溶融塩処理後、
希塩酸等で酸処理(溶融塩の除去)をし、その後、陶材
を焼付ける方法がある。
<発明が解決しようとする課題> しかしながら、上述いずれの方法も次述のような問題が
あり、必ずしも満足のいくものではなかった。
即ち、第1番目の焼付け方法については まず、適度な薄い酸化物層を形成するために、管理幅の
狭いディキャッシング処理となる不具合があった。
又、酸化物層と金属との結合が不安定である不都合さも
あった。
そして、陶材焼付用合金によっては酸化物層と陶材との
焼付け強度の不安定なものが出来るマイナス点があっ
た。
更に、酸化物層に色むらや酸化物層が黒色系であった場
合には、陶材に不必要な着色が生ずる不利点もあった。
そして、酸化物層が黒色の場合、陶材での天然歯の色調
再現が困難である難点があった。
加えて、酸化物層の色調が黒色系であると、その色調を
消去するためにオペーク陶材の厚みが厚くなることや、
自然歯の削除量が大きくなるという欠点もあった。
そして、第2番目の焼付け方法については まず、酸処理では黒色系の酸化物の除去が困難であり、
陶材に不必要な着色が生ずる不具合があり、又、酸処理
では黒色系の酸化物の除去が困難であり、陶材での天然
歯の色調再現が困難である難点があった。
加えて、酸処理工程では黒色系の酸化物の除去が困難で
あり、その色調を消去するためにオペーク陶材の厚みが
厚くなることや、自然歯の削除量が大きくなるという好
ましくない点があった。
更に、硼酸系化合物、及び、フッ化物系化合物を含む溶
融剤による溶融塩処理により黒色の酸化物層の除去は可
能であり、色調、陶材の焼付け性と共に効果はあるもの
の、溶融剤の除去が困難である不都合さがあった。
更に又、万一、フッ化物が残留してしまった場合、陶材
を腐蝕する危険性があることから、特殊な場合を除き使
用が避けられている制約があった。
そして、その他の焼付け方法として、前述表面処理(1)
に引続き、(a)酸処理後、ディキャッシング処理を繰り
返して行う方法や(b)酸処理とディキャッシング処理を
繰り返して行う方法、更には(c)酸処理後陶材を焼付け
る方法等もあるが、一般的ではなく、前述焼付け方法
(1)、(2)と同様の問題がある。
<発明の目的> この出願の発明の目的は上述従来技術に基づく陶材焼付
け処理の問題点を解決すべき技術的課題とし、例えば、
焼付陶材を高金品位陶材焼付用合金、中金品位陶材焼付
用合金、低金品位陶材焼付用合金、Pd系陶材焼付用合金
等の大部分の貴金属系陶材焼付用合金に適用可能な、陶
材焼付前処理に使用出来るようにして医療産業における
歯科治療技術利用分野に益する優れた陶材焼付用合金の
陶材焼付前処理方法、及び陶材焼付前処理剤を提供せん
とするものである。
<発明の前提条件> 陶材焼付用合金の表面処理には、次のような要件を満足
する必要がある。
即ち、表面処理の具備すべき要件としては、次の〜
があり、 適度に薄い酸化物層が容易に形成されること、 該酸化物層の色調が無色乃至は白色であること、 酸化物層と金属との結合が強固であること、 該酸化物層と陶材との焼付け強度が充分であること、 色調が均一でむらがないこと、 処理剤が残留しないこと、 仮に処理剤が残留しても、陶材に悪影響を及ぼさない
こと、 クラウン、及び、該クラウンの内面も同様に処理出来
ること、 黒色の酸化物が除去、又は、白色化出来ること、 溶融剤にフッ化物を含まないこと、 である。
尚、クラウンは歯科治療において、歯牙の欠損を修復、
又は補綴するために用いる金属冠のことを言う。
<課題を解決するための手段・作用> 前述目的に沿い先述特許請求の範囲を要旨とするこの発
明の構成は前述課題を解決するために、発明者らは、フ
ッ化物を含まない溶融剤、及び、酸処理剤について鋭意
研究した結果、水酸化アルカリとアルカリ金属の硫酸
塩、硝酸塩、及び、塩化物等の混合物からなる溶融剤に
よる溶融塩処理工程後、フッ酸、塩酸、硫酸、硝酸、又
は、これらの混酸等による酸処理を行なうことにより、
従来技術の問題点を解決し、上述要件をも満足すること
を見出し、更に、酸処理剤をフッ酸、過酸化水素、界面
活性剤、及びフッ酸以外の無機酸からなる混酸水溶液と
することにより、前述、、、の各要件について
特に優れた特性効果があることが分った。
つまり、鋳造研磨した陶材焼付用合金をディキャッシン
グ処理し、次いで、水酸化アルカリとアルカリ金属の無
機酸塩混合物からなる溶融剤による溶融塩処理後、フッ
酸、過酸化水素、界面活性剤、及び、フッ酸以外の無機
酸を含む混酸水溶液で酸処理を施すことからなる陶材焼
付前処理(表面処理)工程で、前記の表面処理の具備す
べき要件を満足することになり、而して、鋳造研磨した
陶材焼付用合金を、水酸化アルカリとアルカリ金属の無
機酸塩混合物からなる溶融剤による溶融塩処理後、フッ
酸、過酸化水素、界面活性剤、及び、フッ酸以外の無機
酸を含む混酸水溶液で酸処理し、次いで、ディキャッシ
ング処理を施すに際しても前述要件を満足し、酸化物の
むらや黒色系酸化物の生成を抑制することが可能であ
り、更に、鋳造研磨した陶材焼付用合金を、水酸化アル
カリとアルカリ金属の無機酸塩混合物からなる溶融剤に
よる溶融塩処理後、フッ酸、過酸化水素、界面活性剤、
及び、フッ酸以外の無機酸を含む混酸水溶液で酸処理
し、次いで、陶材を焼付けるに前述要件を満足し、汎用
性のある陶材焼付方法をとることが出来、又、水酸化ア
ルカリとアルカリ金属の無機酸塩混合物からなる溶融剤
による溶融塩処理後、フッ酸、過酸化水素、界面活性
剤、及び、無機酸を含む混酸水溶液で酸処理を施すこと
からなる陶材焼付前処理(表面処理)工程においては、
各処理剤が残留することがなく、仮に残留したとして
も、焼付けた陶材の色調、及び、光沢を阻害することが
なく、更に、ふくれ等の問題の発生もなく、審美性のあ
る陶材(義歯)を得ることが出来るようにした技術的手
段を講じたものである。
<要旨の構成理由> 而して、この出願の発明の溶融塩において、水酸化アル
カリが5WT%未満では、色調が十分に白くならず、又、9
5WT%超では色調は白くなるものの、色むらが発生し、
審美性を損うことが実験により確かめられ、したがっ
て、水酸化アルカリの重量範囲は5〜95WT%とされたも
のである。
而して、酸処理剤はフッ酸、塩酸、硝酸、硫酸、及び、
これらの混酸であれば、色調、陶材の焼付性は満足する
ものであり、更に、フッ酸、過酸化水素、界面活性剤、
及び、フッ酸以外の無機酸からなる酸処理剤を使用する
ことにより、優れた効果があることが実験により分っ
た。
そして、フッ酸、過酸化水素、界面活性剤、及び、フッ
酸以外の無機酸からなる酸処理剤において、フッ酸が1W
T%未満では、色調が十分に白くはならず、48WT%超で
は、酸化物層が完全に除去されてしまい、陶材の焼付性
を損うことが分ったことから、その重量%は1〜48%と
されたものである。
過酸化水素は、0WT%でも実用上特に問題はないが、活
性が弱く、処理に時間を要し、10WT%超では、反応が急
激でコントロールが困難であり、色調は白くなるものの
色むらが発生し審美性を損うことが実験から得られ、そ
れで0〜10WT%としたものである。
又、界面活性剤は、0WT%でも平滑で単純な形状であれ
ば十分効果はあるものの、凹凸のある複雑な形状の場合
十分効果が得られない部分が残ってしまう。
しかしながら、1WT%を超えて添加しても効果の上昇は
なく、実用上無意味であることが分ったことからその重
量範囲を0〜1%としたものである。
そして、無機酸が0.2WT%未満では、充分な活性が得ら
れず、処理に時間を要し、又、5WT%超えると、反応が
急激でコントロールが困難であり、更に、過酸化水素の
分解を促進し酸処理剤の寿命を極端に短くしてしまい実
用的でないことが分ったので、その重量%を0.2〜5WT%
としたものである。
而して、この出願の発明の溶融剤を水酸化アルカリが5
〜95WT%、残部がアルカリ金属の無機酸塩からなる混合
物を水に溶解した水溶液とし、これを鋳造、研磨した陶
材焼付用合金に塗布、乾燥後500℃〜1100℃で1〜5分
溶融塩処理を行ない、次いで、酸処理剤による酸処理
後、ディキャッシング処理を行なっても良い。
又、同様の混合物をアルコール含有の水に溶解した溶融
剤で、同様の処理を行なうことも出来、この場合、乾燥
時間が短縮可能である。
更に、同様の混合物を100℃〜400℃の沸点を有する有機
物(例えば、エチレングリコール、グリセリン等が使用
可能であるが、特に物質に限定するわけではない。)と
混合し、ペースト状とした溶融剤を塗布することにより
乾燥することなく溶融塩処理が行なうことも出来る。
尚、この出願の発明の各処理工程のうち、溶融塩による
処理は500℃〜1100℃、1〜5分で行ない、酸処理は、
常温〜60℃、5〜30秒で行なうことが好ましい。
<実施例> 次に、この出願の発明の実施例を説明すれば、以下の通
りである。
実施例1 鋳造後所定のポイント研磨したPd系陶材焼付用合金をデ
ィキャッシング処理した後、後記表−1記載の溶融塩の
飽和水溶液(溶融剤)を塗布して乾燥後900℃で2分間
溶融塩処理を行ない水洗し、次いで、当該表−1記載の
酸処理剤により常温で10秒間酸処理、水洗後、陶材を焼
付けた結果(効果)は表−1に示す通りである。
該表−1中の色調、及び、焼付性の表示は、次の通りで
ある。(以下同様) 色 調:◎→白色(無色),○→灰白色 △→灰黒色 ,×→黒色 焼付性:◎→向上 ,○→効果なし(通常強度) △→低下 ,×→焼付かない 実施例2 各種金属系陶材焼付用合金を、鋳造して所定のポイント
研磨した後、1000℃で10分間ディキャッシング処理し、
次いで後記表−2記載の溶融塩の飽和水溶液を塗布、乾
燥後、900℃で2分溶融塩処理し水洗後当該表−2記載
の酸処理剤で常温で10秒酸処理を行なった。
この時の結果(効果)についての色調、及び、陶材の焼
付性は該表−2に示す。
又、各種貴金属系陶材焼付用合金を鋳造し、所定のポイ
ント研磨した後、1000℃で10分間ディキャッシング処理
を行ない、次いで、フッ酸、塩酸、硝酸、硫酸、及び、
これらの混酸を使用し酸処理を行なった。
この時の結果を後記表−3に比較例として示す。
使用した酸処理剤は次の通りである。
フッ酸:46WT%水溶液、塩酸:15WT%水溶液、 硝酸:25WT%水溶液、硫酸:30WT%水溶液、 混酸(1)塩酸;10WT%、硝酸;6WT%水溶液、 混酸(2)硝酸;30WT%、フッ酸;4WT%水溶液、 使用した溶融剤は次の通りである。
溶融剤(1)硼酸系化合物;40WT%、 弗化物系化合物;60WT%、 溶融剤(2)硼酸系化合物;60WT%、 弗化物系化合物;40WT%、 尚、溶融剤においては、色調は充分に満足するものの、
焼付性は、Pd系陶材焼付用合金以外は大きな効果はな
く、更に、溶融剤の除去に時間を要した。
それぞれの処理条件は、次の通りである。
酸処理 :ディキャッシング処理終了後直ちに(赤熱
状態)、無機酸水溶液中に5分間浸漬した。
溶融塩処理:ディキャッシング処理した陶材焼付用合金
に溶融塩を塗布し、800℃で2分間加熱処理後、希塩酸
(1N)中で洗浄した。
実施例3 鋳造後、所定のポイント研磨したPd系陶材焼付用合金を
種々の焼付け方法により陶材を焼付けた時の陶材焼付用
合金の色調、及び、焼付性を後記表−4に示す。
使用した処理剤は、表−1の実施例1−7で使用した組
成の溶融剤、及び、酸処理剤である。
実施例4 鋳造後、所定のポイント研磨したPd系陶材焼付用合金
に、溶融剤を塗布、乾燥後に後記表−5記載の条件で溶
融塩処理を行ない、水洗し、次いで酸処理剤により当該
表−5記載の条件で酸処理、水洗後ディキャッシング処
理を行なった後、陶材を焼付けた時の結果(効果)は該
表−5に示す通りである。
溶融剤:水酸化ナトリウム30WT%、硫酸ナトリウム70WT
%からなる混合物の飽和水溶液、 酸処理剤:フッ酸6WT%、過酸化水素3WT%、塩酸0.4WT
%、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物(フ
ッ素系界面活性剤)0.01WT%残部が水からなる混酸水溶
液 実施例5 処理剤の陶材への影響を確認するために、表−1の実施
例1−5、1−7で使用した溶融剤、及び、酸処理剤を
各々陶材を築盛時に少量塗布し焼付けたところ、焼付
性、及び、外観(ふくれ、光沢、色むら等)に問題はな
かった。
又、同じ処理剤を陶材原料に0.1WT%混ぜ合わせ焼付け
たところ、上述同様焼付性、及び、外観(ふくれ、光
沢、色むら等)に何等問題はなかった。
実施例6−1 表−1の実施例1−6記載の溶融塩を900℃に保持した
溶融塩浴に、鋳造研磨した貴金属系陶材焼付用合金を2
分間浸漬した後、水洗し、実施例1−4記載の酸処理剤
にて常温で10秒間酸処理した。
次いで、水洗した後、1000℃で10分間ディキャッシング
処理を施したが、その時の色調、及び、陶材の焼付性は
共に良好な結果であった。
実施例6−2 表−1の実施例1−8記載の溶融塩を、アルコール含有
の水に飽和させた溶融剤を鋳造研磨した貴金属系陶材焼
付用合金に塗布乾燥後、850℃で2分間溶融塩処理を行
なった後、水洗し、表−1の実施例1−9記載の酸処理
剤にて常温で10秒間酸処理した。
次いで、水洗した後1000℃で10分間ディギャッシングを
施したが、その時の色調、及び、陶材の焼付性は共に良
好な結果であった。
実施例6−3 表−1の実施例1−3記載の溶融塩を、エチレングリコ
ール、及び、グリセリンと混合しペースト状とした溶融
剤を、鋳造研磨した貴金属系陶材焼付用合金に塗布し、
900℃で2分間溶融塩処理を行なった後、水洗し、表−
1の実施例1−10記載の酸処理剤にて常温で10秒間酸処
理した。
次いで、水洗した後1000℃で10分間ディキャッシング処
理を施したが、その時の色調、及び、陶材の焼付性は共
に良好な結果であった。
実施例7 溶融塩成分のうち、Na2SO4、NaNO3及び、NaClをそれぞ
れK2SO4、KNO3、及びKClに置き換えて先述特許請求の範
囲の組成の溶融剤を用いたが、実施例1と同様の条件で
溶融塩処理、酸処理、及びディキャッシング処理を行な
ったが、その時の色調、及び、陶材の焼付性は共に良好
な結果であった。
<発明の効果> 上述の各実施例からも明らかな如く、この出願の発明に
よれば、以下に列挙する優れた効果が得られ、歯科医療
の中でも特に陶材焼付用合金を使用する義歯製造におい
て大きな貢献となるプラス面がある。
適度に薄い酸化物層が得られる。
酸化物の色調が白色系である。
金属体と酸化物層の結合が強固である。
陶材と焼付強度が向上する。
陶材に不必要な着色がなく、天然歯の色調再現が容易
である。
工程の簡素化ができる(ディキャッシング処理が必要
ない)。
ディキャッシング処理により形成された酸化物層も除
去ないしは白色化出来る。
処理条件の管理幅が広い。
処理剤の除去、洗浄が容易で、残留することが無い。

Claims (6)

    及び該陶材焼付前処理剤 【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】陶材焼付用合金の陶材焼付前処理に際し、
    陶材焼付用合金を溶融塩によって処理する工程と、酸処
    理による工程からなる陶材焼付前処理方法において、 A)溶融塩がNaOH、KOH等の水酸化アルカリのうち少な
    くとも1種を、重量で、5〜95WT%とし、残部をNa2S
    O4、K2SO4、NaNO3、KNO3、NaCl、KCl等のアルカリ金属
    の硫酸塩、硝酸塩、及び塩化物の少なくとも1種以上と
    から成る混合物とし、そして、 B)酸処理による酸処理剤が、無機酸の水溶液からなる
    ことを特徴とする陶材焼付前処理方法。
  2. 【請求項2】陶材焼付用合金の陶材焼付前処理に際し、
    陶材焼付用合金を溶融塩による処理する工程と、酸処理
    による工程からなる陶材焼付前処理方法に使用する各前
    処理剤において、上記酸処理剤がHF1〜48WT%、H2O2
    〜10WT%、界面活性剤0〜1WT%と、塩酸、硫酸、及び
    硝酸のうち少なくとも1種以上を0.2〜5WT%とし、残部
    を水とすることを特徴とする許請求の範囲第1項記載の
    陶材焼付前処理剤。
  3. 【請求項3】上記溶融塩が、水溶液であることを特徴と
    する特許請求の範囲第2項記載の陶材焼付前処理剤。
  4. 【請求項4】上記溶融塩が、低級アルコール含有の水溶
    液であることを特徴とする特許請求の範囲第3項記載の
    陶材焼付前処理剤。
  5. 【請求項5】上記溶融塩が、100℃〜400℃の沸点を有す
    る有機物と混合され、ペースト状とされていることを特
    徴とする特許請求の範囲第3項、第4項いずれか記載の
    陶材焼付前処理剤。
  6. 【請求項6】前記処理剤に含まれる界面活性剤がパーフ
    ロロアルキル基を含むフッ素系界面活性剤であることを
    特徴とする特許請求の範囲第2項記載の陶材焼付前処理
    剤。
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