JP2002186663A - 硬組織修復材料及びその製造方法 - Google Patents
硬組織修復材料及びその製造方法Info
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Abstract
優れた硬組織修復材料及びその製造方法を提供する。 【解決手段】この発明の硬組織修復材料は、定形の基材
と、この基材の表面に形成され、Zr−OH基を有する
ジルコニア結晶相を含む被膜とを備えることを特徴とす
る。この発明の硬組織修復材料は、基材と被膜との間
に、基材を構成する少なくとも1種以上の元素と被膜を
構成する少なくとも1種以上の元素とによって形成され
た中間層を備えるのが望ましい。この発明の硬組織修復
材料を製造する方法は、定形の基材にジルコニアゾル溶
液をコーティングした後、結晶化させることを特徴とす
る。
Description
及びその製造方法に属し、疾病、災害などにより手足な
どの関節機能や骨機能が失われた場合に、これらを修復
するために用いられる骨修復材料として、あるいは、老
齢、疾病などによって失われた歯牙を再建するために用
いられる人工歯根などのインプラント材料として、好適
に使用される硬組織修復材料とその製造方法に属する。
合、人工の硬組織修復材料を生体内に入れて治療するこ
とがある。硬組織修復材料は、生体内に入れられた後、
生体内の硬組織と結合しなければならない。生体内の硬
組織と結合するためには、硬組織修復材料はその表面に
骨類似のアパタイト(Ca10(PO4)6(OH)2)を形成させる
必要があり、そのためにはアパタイトの核形成を誘起す
る官能基を有していなければならない。
基材と、基材表面にゾル−ゲル法により形成され、ジル
コニアゲルからなる被膜とを備える硬組織修復材料が知
られている。この硬組織修復材料では、被膜にZr−O
H基が含まれており、この官能基がアパタイトの核形成
を誘起する(Biomeramics volume11 Ed. by R. Z. LeGe
ros and J. P. LeGeros, World Scientific, (1998) p
p.77-80)。
復材料では、アパタイトを形成させる能力が低く、従っ
て生体内の硬組織と十分に結合することができない。そ
れ故、この発明の課題は、生体内の硬組織と結合する性
質(生体活性)に優れた硬組織修復材料及びその製造方
法を提供することにある。
に、この発明の硬組織修復材料は、定形の基材と、この
基材の表面に形成され、Zr−OH基を有するジルコニ
ア結晶相を含む被膜とを備えることを特徴とする。
r−OH基が含まれているので、アパタイトの核形成を
誘起することができる。しかも、この発明の硬組織修復
材料は、多くのアパタイトを形成させることができ、優
れた生体活性を有する。この発明によってアパタイト形
成量が多くなる理由は、この発明では被膜が結晶相から
なるので、Zr−OH基がアパタイトのOH基の結晶方
位と整合性を保ちながらアパタイトを成長させることが
可能だからであると考えられる。
と被膜との間に、基材を構成する少なくとも1種以上の
元素と被膜を構成する少なくとも1種以上の元素とによ
って形成された中間層を備えるのが望ましい。この中間
層を備えていると、基材と被膜との密着性を高めること
ができる。この中間層は、アモルファス状態であって
も、また結晶相を含んでいても構わない。さらに、二つ
以上の元素が複塩等の化合物をなしていても良いし、固
溶体を形成していても良い。
晶構造が正方晶や単斜晶であれば良く、さらにこれら両
方を含んでいても良い。また、被膜中にカルシウムイオ
ン、ナトリウムイオン、カリウムイオン及びリン酸イオ
ンの中から選ばれた少なくとも1種以上のイオン成分が
含まれているときは、骨類似のアパタイトの形成を促進
する。さらに、被膜の上にアパタイトを主成分とする第
二の被膜が形成されているときは、その第二被膜中のア
パタイトが核となるので、生体内でのアパタイト形成を
促進する。基材としては、特に限定はないが、強度が高
く且つ靭性に優れたものが望ましい。例えば、シリカガ
ラス、ジルコニア、ジルコニア/アルミナ複合体等のセ
ラミック、チタン等の金属、さらに高分子などの材料を
使用すると良い。
な方法は、定形の基材にジルコニアゾル溶液をコーティ
ングした後、結晶化させることを特徴とする。
ルコニウムアルコキシド、アルコール、蒸留水及び酸触
媒などを含む溶液を使用すると良い。具体的には、Zr
(OC3H7)4、C2H5OH、H2O及びHNO3からなる
溶液がある。ジルコニアゾル溶液を基材にコーティング
するには、例えばゾル溶液に基材を浸漬すると良い。ゾ
ル溶液を結晶化させるには、例えば、加熱する。また、
ゾル溶液によるコーティング及び加熱処理を、数回繰り
返しても良い。
形成させることができるならば、特に限定はない。従っ
て、加熱温度は、ジルコニアゾル溶液の組成や雰囲気な
どの諸条件により異なる。例えば、ゾル溶液がZr(O
C3H7)4、C2H5OH、H2O及びHNO3からなり、こ
れがコーティングされた基材を空気中で加熱する場合に
は、500℃以上が望ましい。但し、ゾル溶液が同じで
も、熱水中など他の雰囲気中で加熱する場合には、より
低温でも良い。
るためには、基材にジルコニアゾル溶液をコーティング
してから加熱することによって、ジルコニウムの基材へ
の拡散及び/又は基材の構成元素のうちの少なくとも一
種以上の元素のジルコニアゾル溶液への拡散をさせると
良い。そして、その後に再度ジルコニアゾル溶液をコー
ティングし、結晶化させる。
が可能な限り、特に限定はない。例えば、基材の材料と
してシリカガラス、ジルコニア、ジルコニア/アルミナ
複合体等のセラミックを用いる場合には、空気中で10
00℃以上温度にて加熱する。基材の材料としてチタン
等の金属を用いる場合には、酸化防止のために、窒素、
アルゴン等の不活性ガス中で加熱し、温度はα−β転移
温度(800℃)以下にする。
材を使用しても、基材と被膜との密着性に優れた硬組織
修復材料を得ることができる。このような基材を使用す
ると、基材表面の親水基と被膜の水酸基との間で脱水縮
合等の結合が起こるからである。基材の表面に親水基を
形成させるには、例えば、基材をアルカリ性溶液又は酸
性溶液に浸けると良い。
ン、ナトリウムイオン、カリウムイオン及びリン酸イオ
ンの中から選ばれた少なくとも1種以上のイオン成分を
含有させると、これらのイオン成分が被膜に含まれた硬
組織修復材料を得ることができる。ジルコニアゾル溶液
にこれらイオン成分を含有させるには、イオンの元にな
る化合物を添加すると良い。ここで、化合物としては、
水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
などの金属水酸化物、カルシウムエトキシド、ナトリウ
ムエトキシド、カリウムエトキシドなどのアルコキシ
ド、硝酸ナトリウム、硝酸カルシウム、硝酸カリウムな
どの硝酸塩、さらに酢酸塩、炭酸塩、塩酸塩、リン酸塩
等が挙げられる。さらに、加熱して結晶化させた後に基
材を、カルシウムイオン、ナトリウムイオン、カリウム
イオン及びリン酸イオンの中から選ばれた少なくとも1
種以上のイオン成分を含む溶液又は溶融塩中に浸けて
も、この硬組織修復材料を得ることは可能である。
記イオン成分を含む溶液又は溶融塩中に浸けた後に、前
記基材を体液に近いイオン濃度を有する疑似体液中に浸
けると、被膜の上にアパタイトを主成分とする第二の被
膜が形成された硬組織修復材料を得ることができる。疑
似体液としては、例えば、142.0mMのNa+、
5.0mMのK+、2.5mMのCa2+、1.5mMの
Mg2+、147.8mMのCl-、4.2mMのHCO3
-、1.0mMのHPO4 2-、及び0.5mMのSO4 2-
を含有する溶液がある。
らなるジルコニアゾル溶液1を調整した。モル比につい
ては、Zr(OC3H7)4:C2H5OH:H2O:HNO3
=1.0:25.0:1.0:0.1とした。次に、シ
リカガラス基材、ジルコニア基材及びチタン金属基材を
それぞれ複数個準備した。各基材の大きさは10×10
×1mmである。続いて、各基材をゾル溶液1に浸漬し
て引き上げることにより、各基材の表面をゾル溶液1で
コーティングした。その後、これらの基材を400℃、
600℃及び800℃で10分間空気中で加熱した。さ
らに、ゾル溶液1によるコーティング及び加熱処理を同
一条件で5回繰り返した。これにて、ジルコニアを含む
被膜が形成された硬組織修復材料を得た。
薄膜X線回析(TF−XRD)により調べた。その結
果、基材の種類に拘わらず、400℃で加熱された硬組
織修復材料ではアモルファス、600℃では正方晶、8
00℃では正方晶及び単斜晶であった。また、X線光電
子分光分析(XPS)により、各硬組織修復材料のO1s
スペクトルを測定し、さらにZr−O−Zr結合による
ピークとZr−OH基及び吸着水によるピークとに分離
した。その結果、いずれの硬組織修復材料についても、
被膜中にZr−OH基が存在することが確認された。
BF)30ml中に浸漬した。ここで、疑似体液は、1
42.0mMのNa+、5.0mMのK+、2.5mMの
Ca 2+、1.5mMのMg2+、147.8mMのC
l-、4.2mMのHCO3 -、1.0mMのHPO4 2-、
及び0.5mMのSO4 2-を含有しており、36.5℃
でpH7.40に調整されている。浸漬を開始してから
7日後及び14日後に、硬組織修復材料を取り出し、表
面のアパタイト析出量を走査型電子顕微鏡(SEM)に
より調べた。その結果を表1〜3に示す。
織修復材料も14日後にはアパタイトの析出が認められ
た。しかし、どの基材についても、被膜の構造がアモル
ファスである硬組織修復材料に比べて、被膜の構造が正
方晶若しくは正方晶及び単斜晶である硬組織修復材料で
は、アパタイトの析出量が多かった。
塩及びリン酸塩を添加することによって、ジルコニアゾ
ル溶液2を調整した。モル比については、ジルコニウム
1に対してカルシウム1及びリン1とした。次に、大き
さ10×10×1mmのジルコニア基材を複数個準備し
た。このジルコニア基材は、全ジルコニアに対して10
モル%のセリアを有し、これで安定化された正方晶ジル
コニア多結晶体(正方晶ジルコニア多結晶体の割合98
容量%)からなる第1相と、全ジルコニアに対して30
容量%のアルミナ粒子を有する第2相とが分散した複合
焼結体である。
き上げることにより、各基材の表面をゾル溶液2でコー
ティングし、その後、これらの基材を1200℃で30
分間空気中で加熱した。続いて、先と同様にして基材を
ゾル溶液2でコーティングした後に1100℃で30分
間加熱し、さらに同様にコーティング後に1000℃で
30分間加熱した。そして、再び基材をゾル溶液2でコ
ーティングし、800℃で10分間加熱した。次に、ゾ
ル溶液1によるコーティング及び800℃での加熱処理
を5回繰り返した。これにて、ジルコニアを含有する被
膜が形成された硬組織修復材料を得た。
断面を、エネルギー分散型X線分光分析(EDAX)に
よって調べた結果、Ca、Zr、P、O、Ceが検出さ
れた。これより、被膜と基材との間ではセリウム及びジ
ルコニウムが相互に拡散していて、基材を構成する元素
と被膜を構成する元素とによって形成された中間層が形
成されていることが確認できた。また、各加熱処理の直
後に被膜表面の構造をTF−XRDによって調べた結
果、1200℃、1100℃、1000℃での加熱処理
直後の被膜表面には、複リン酸塩CaZr4(PO4)6
に基づく回析ピークが認められた。EDAXとTF−X
RDによる結果より、この複リン酸塩CaZr4(P
O4)6は、Zr4+イオンが基材由来のCe4+イオンと置
換固溶してCaZr4-XCeX(PO4)6からなる固溶体
を形成しているものと推定される。また、硬組織修復材
料完成後の被膜表面は、正方晶及び単斜晶ジルコニアか
らなることが判った。この表面では複リン酸塩CaZr
4(PO4)6に基づく回析ピークは認められなかった。
さらに、実施例1と同様にして、XPSによりO1sスペ
クトルを測定し調べた結果、完成後の被膜表面にZr−
OH基が存在することが確認された。
1と同様の疑似体液(SBF)30ml中に浸漬した。
そして、浸漬を開始してから14日後に硬組織修復材料
を取り出し、被膜及びその上に形成されたアパタイトに
10×10(計100ピース)の升目を切った。さら
に、その升目上に粘着テープを貼った後にそれを剥が
し、これにより剥離される被膜の断片を数えることによ
って、基材と被膜との密着性を評価した。また、実施例
1で得られた3種の硬組織修復材料についても、同様の
試験を行った。
は、いずれも5〜20ピースが剥離した。それに対し
て、本実施例の硬組織修復材料では、5ピース以下しか
剥離しなかった。これより、被膜と基材との間で元素の
拡散が起こっていると、被膜と基材との密着性が向上す
ることが判った。
トキシド(C2H5ONa)、カリウムエトキシド、又は
リン酸塩を添加することによって、3種類のジルコニア
ゾル溶液3〜5を調整した。モル比については、ジルコ
ニウム1に対して、ナトリウムエトキシド、カリウムエ
トキシド及びリン酸塩が0.2になるようにした。次
に、シリカガラス基材、ジルコニア基材及びチタン金属
基材をそれぞれ複数個準備した。各基材の大きさは10
×10×1mmである。続いて、各種基材をゾル溶液
3、4及び5にそれぞれ浸漬して引き上げることによ
り、基材表面をゾル溶液3、4又は5でコーティングし
た。その後、これらの基材を600℃で10分間空気中
で加熱した。さらに、ゾル溶液3〜5によるコーティン
グ及び加熱処理を同一条件で5回繰り返した。これに
て、ジルコニアを含む被膜が形成された硬組織修復材料
を得た。
TF−XRDにより調べた結果、いずれも正方晶及び単
斜晶であった。また、実施例1と同様にして、XPSに
よりO1sスペクトルを測定し調べた結果、いずれについ
ても被膜中にZr−OH基が存在することが確認され
た。さらに、ゾル溶液3、4及び5から形成された被膜
には、それぞれナトリウムイオン、カリウムイオン及び
リン酸イオンが存在していることが確認された。
様の疑似体液(SBF)30ml中に浸漬した。浸漬を
開始してから7日後に、硬組織修復材料を取り出し、表
面のアパタイト析出量をSEMにより調べた。そして、
その析出量を実施例1で調べた析出量(表1〜3)と比
較した。その結果、いずれの硬組織修復材料において
も、アパタイトが被膜の全面に層となって析出してい
た。即ち、実施例1において14日間浸漬した場合と同
じぐらいの析出量であった。これより、被膜中にナトリ
ウムイオン、カリウムイオン又はリン酸イオンが含まれ
ていると、アパタイトの形成が促進されることが判っ
た。
をそれぞれ複数個準備した。各基材の大きさは10×1
0×1mmである。次に、シリカガラス基材については
60℃に保った10Mの水酸化カリウム水溶液5ml中
に1日間、ジルコニア基材については95℃に保った5
Mのリン酸水溶液5ml中に4日間、さらにチタン金属
基材については60℃に保った10Mの水酸化ナトリウ
ム水溶液5ml中に1日間浸漬した。浸漬後、各基材表
面をTF−XRDにより調べたところ、いずれの基材も
表面に水酸基を有することが確認された。
液1に各基材を浸漬して引き上げることにより、各基材
の表面をゾル溶液1でコーティングし、その後、各基材
を600℃で10分間空気中で加熱した。さらに、ゾル
溶液1によるコーティング及び加熱処理を同一条件で5
回繰り返した。これにて、ジルコニアを含む被膜が形成
された硬組織修復材料を得た。得られた各硬組織修復材
料の被膜の構造をTF−XRDにより調べた結果、いず
れも正方晶及び単斜晶であった。また、実施例1と同様
にして、XPSによりO1sスペクトルを測定し調べた結
果、いずれについても被膜中にZr−OH基が存在する
ことが確認された。
様の疑似体液(SBF)30ml中に浸漬した。そし
て、浸漬を開始してから14日後に硬組織修復材料を取
り出し、実施例2と同じ方法で基材と被膜との密着性を
評価した。その結果、本実施例の硬組織修復材料では、
いずれも剥離した被膜断片が5ピース以下であった。こ
れより、基材表面に水酸基が形成されていると、基材と
被膜との密着性が向上することが判った。
た。次に、実施例1で得たジルコニアゾル溶液1に基材
を浸漬して引き上げることにより、基材の表面をゾル溶
液1でコーティングした。その後、基材を800℃で1
0分間空気中で加熱した。さらに、ゾル溶液1によるコ
ーティング及び加熱処理を同一条件で5回繰り返した。
これにて、ジルコニアを含む被膜が形成された硬組織修
復材料を得た。
ム及び塩化ナトリウムを5:5のモル比で混合して58
0℃で溶融させてなる塩酸溶融塩中に1時間浸漬した。
さらに、硬組織修復材料を、炭酸カルシウム及び炭酸カ
リウムを6:4のモル比で混合して850℃で溶融させ
てなる炭酸溶融塩中に1時間浸漬した。その後、硬組織
修復材料を蒸留水で洗浄し、乾燥させた。そして、被膜
をXPSで分析したところ、カルシウムイオン、ナトリ
ウムイオン及びカリウムイオンに基づくピークが認めら
れた。得られた硬組織修復材料の被膜の構造をTF−X
RDにより調べた結果、いずれも正方晶及び単斜晶であ
った。また、実施例1と同様にして、XPSによりO1s
スペクトルを測定し調べた結果、いずれについても被膜
中にZr−OH基が存在することが確認された。
の疑似体液(SBF)30ml中に浸漬した。浸漬を開
始してから7日後に、硬組織修復材料を取り出し、表面
のアパタイト析出量をSEMにより調べた。そして、そ
の析出量を、実施例1で調べたジルコニア基材の場合の
析出量(表2)と比較した。その結果、本実施例の硬組
織修復材料では、アパタイトが被膜の全面に層となって
析出していた。即ち、実施例1において14日間浸漬し
た場合と同じぐらいの析出量であった。これより、被膜
中にカルシウムイオン、ナトリウムイオン及びカリウム
イオンが含まれていると、アパタイトの形成が促進され
ることが判った。
膜がジルコニア結晶相からなるため、多くのアパタイト
を形成させることができる。従って、この発明の硬組織
修復材料は、優れた生体活性を有する。またこの発明の
製造方法によると、生体活性に優れた硬組織修復材料を
得ることができる。
Claims (12)
- 【請求項1】定形の基材と、この基材の表面に形成さ
れ、Zr−OH基を有するジルコニア結晶相を含む被膜
とを備えることを特徴とする硬組織修復材料。 - 【請求項2】前記基材と前記被膜との間に、前記基材を
構成する少なくとも1種以上の元素と、前記被膜を構成
する少なくとも1種以上の元素とによって形成された中
間層を備える請求項1に記載の硬組織修復材料。 - 【請求項3】前記結晶相が、正方晶及び単斜晶の中から
選ばれた1種以上の結晶構造をなす請求項1又は2に記
載の硬組織修復材料。 - 【請求項4】前記被膜中に、カルシウムイオン、ナトリ
ウムイオン、カリウムイオン及びリン酸イオンの中から
選ばれた少なくとも1種以上のイオン成分が含まれてい
る請求項1〜3のいずれかに記載の硬組織修復材料。 - 【請求項5】前記被膜の上に、更にアパタイトを主成分
をする第二の被膜が形成されている請求項1〜4のいず
れかに記載の硬組織修復材料。 - 【請求項6】定形の基材にジルコニアゾル溶液をコーテ
ィングした後、結晶化させることを特徴とする硬組織修
復材料の製造方法。 - 【請求項7】前記基材に前記ジルコニアゾル溶液をコー
ティングしてから加熱することによって、ジルコニアゾ
ル溶液中のジルコニウムの基材への拡散及び/又は基材
の構成元素のうちの少なくとも一種以上の元素のジルコ
ニアゾル溶液への拡散をさせた後、再度ジルコニアゾル
溶液をコーティングし、結晶化させる請求項6に記載の
製造方法。 - 【請求項8】前記基材が表面に親水基を有している請求
項6又は7に記載の製造方法。 - 【請求項9】前記基材をアルカリ性溶液又は酸性溶液に
浸けることによって、基材の表面に親水基を形成させる
請求項8に記載の製造方法。 - 【請求項10】前記ジルコニアゾル溶液が、カルシウム
イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン及びリン酸
イオンの中から選ばれた少なくとも1種以上のイオン成
分を含む請求項6〜9のいずれかに記載の製造方法。 - 【請求項11】結晶化させた後に前記基材を、カルシウ
ムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン及びリン
酸イオンの中から選ばれた少なくとも1種以上のイオン
成分を含む溶液又は溶融塩中に浸ける請求項6〜10の
いずれかに記載の製造方法。 - 【請求項12】結晶化させた後、あるいは前記イオン成
分を含む溶液又は溶融塩中に浸けた後に、前記基材を体
液に近いイオン濃度を有する疑似体液中に浸ける請求項
6〜11のいずれかに記載の製造方法。
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